JPWO2004074172A1 - 固定化方法、固定化装置および微小構造体製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、従来技法のディップコーティング法は、目的物質を含むコーティング液に基板を浸して、その後、基板を上方に引き上げ基板に付着している液膜を乾燥させて薄膜を形成するものである。
上述したスピンコーティング法およびディップコーティング法は、乾燥時に加熱が必要であり、この乾燥過程の加熱で目的物質の機能性や活性が損なわれる場合が多い。また、生体高分子などの場合は、自然乾燥では乾燥に時間がかかり即座に活性を失ってしまうものも多い。また、溶媒に揮発性物質を用いれば加熱が原則的に不要になり、乾燥は速くなる場合もあるが、様々な目的物質の機能性や活性を損なわず、かつ、十分な揮発性を持つような性質の溶媒はほとんどなく、特に生体高分子に使用可能でこのような性質を持つ溶媒は存在しないものと考えられる。従って、これらの従来技法では、様々な目的物質の諸機能や活性を保持したまま固定化することはできない。さらに、これらの従来技法は、薄膜を形成させる部材としては、平坦な基板を使用することを前提としており、その他の形状の被塗物の表面に薄膜を形成させる目的には適さない。
スポッティング、コーティング装置は、万年筆の針先のように微小なギャップによりその隙間に液体を保持できる金属製のチップあるいはコータにより液体を基板上に塗布し、その後乾燥して薄膜を形成する装置である。この装置も、同様の理由、即ち乾燥時間が長くかかるため、活性を損ない易い生体高分子などの薄膜形成は困難である。
インクジェット法は、目的の機能性高分子などを溶かした溶媒を小さな液滴としてノズルより噴射し、これを基板に付着させて乾燥させることにより薄膜を形成する方法である。しかしながら、この方法も、前記と同様の理由、即ち乾燥時間が長くかかるため、活性を保持したままで機能性高分子等を固定化して薄膜を形成するのは困難である。
或いは、高分子などの薄膜を形成する従来方法としては蒸着法(熱蒸着、レーザ蒸着、イオン化蒸着、電子ビームなど)があるが、この従来法は、加熱などの方法で目的高分子を蒸発させて基板上に堆積させるものである。
この蒸着法は、加熱などの方法で目的高分子を蒸発させて基板上に堆積させるものであるため、目的物質が熱分解する恐れがあり、特に反応性が高い高分子や生物学的活性を持つ生体高分子などは、蒸発過程においてその諸機能や生物学的活性が破壊されてしまう場合がほとんどである。従って、従来の蒸着法は、加熱などに強いごく僅かな種類の高分子、例えばPPS、PE、PVDFなどのエンジニアリングプラスチックしか目的物質として利用できない。従って、この従来技法では、様々な目的物質の諸機能や活性を保持したまま固定化することはできない。
或いは、高分子などの薄膜を形成する従来方法としてはスパッタリング法があるが、この従来法は、目的物質(ターゲット)に加速されたイオン粒子を衝突させ、その衝突による運動エネルギーによってターゲット分子を弾き出し、基板上に付着させて成膜する方法である。
このスパッタリング法では、イオン粒子の衝突によってターゲット分子が弾き出されるときに、例えば目的物質(高分子)の主鎖が切断されラジカルが生成されたり、当該ラジカルが再重合したりするなど目的物質の性質に大きな変化を及ぼす場合が多い。また同様に、ターゲット分子が弾き出されるときに、目的物質の諸機能や生物学的活性が破壊されてしまう恐れもある。さらに、この方法では、高真空下でのプラズマあるいは高熱に曝されるため、目的物質の諸機能や生物学的活性が破壊されてしまうことが多い。従って、この従来技法では、様々な目的物質の機能や活性を保持したまま固定化することはできない。
或いは、ブレード、引き上げ、加圧スプレイなど従来技術も存在するが、これらの方法は、成膜時に加熱などを必要とする、或いは、均一な薄膜を形成できない、さらにはナノメートルオーダーの薄膜形成ができないなどの問題がある。
さらに、従来技術としてCVD法(化学蒸着)があるが、これは、気相中(および堆積後)で何らかの化学反応をさせて目的物質を得る方法であるため、目的物質を化学変化させずにそのまま固定化するような用途には使用できない。
生体高分子(たんぱく質など)或いは機能性高分子を堆積・固定化し、かつ、その生物学的活性や機能性を保つためには、これらの物質が変性・変質を受けにくい条件で固定化して薄膜などを形成させる必要があるが、上述したように従来の方法や装置では困難であった。物質が変性・変質を受けにくい条件の1つは、生体高分子などを含んだ溶液を極めて高速に乾燥させることであるが、通常液体の蒸発速度は常温では限られており基板上への塗布等によって塗り広げられた液体が乾燥する速度は真空中といえども限界がある。乾燥速度を速める一つの方法は、目的の物質を含んだ溶液を加熱することであるが、ほとんどの生体高分子、機能性高分子は加熱により変性・変質してしまい、生物学的活性や機能性を損なうという問題がある。
その他に、生体高分子等を変性させることなく固体化する手法としては、凍結乾燥法があるが、この手法によると凍結を行った状態で薄膜の形状を維持することは困難であり、通常は粉体となってしまうという問題がある。
そこで、生体高分子をその機能や活性を保持したまた固定化する技術としてエレクトロスプレイデポジション法(ESD法)が開発されている(例えば、文献1:国際公開第98/58745号パンフレット(6−7ページ、図1)、文献2:特開2001−281252号公報(段落0008−0010、図2)、及び、文献3:アナリティカル・ケミストリVol.71(1999年、p1415〜1420及びp3110〜3117;モロゾフ他)を参照されたい。)。このESD法は、生体高分子などを含むサンプル溶液に高電圧を印加して静電噴霧(エレクトロスプレイ)を行い、静電噴霧された生体高分子をその機能や活性を保持したまたアースされた基板上に堆積させるというものである。
さらに、従来のESD法とは異なり、キャピラリーを使用せずに表面弾性波振動子上に試料溶液を供給し、その溶液を帯電させて素子表面上から霧化し、それを静電気力で基板に固定化する装置や方法(例えば、文献4:特願2001−339593号明細書(段落0030、図1)を参照されたい。)が開発されている。
上述したESD法および固定化方法を実現する従来装置は幾つか開発されているが、これら従来装置の基板(被塗物)としては、少なくとも微弱な導電性を持つ金属やガラス製の平板を使用する。例えば、上述した文献1(PCT国際公開第98/58745号パンフレット)、文献2(特開2001−281252号公報)、或いは文献3(アナリティカル・ケミストリVol.71)には、エレクトロスプレイ(静電噴霧)により核酸や蛋白質等の生体高分子の生物活性を保持したまま基板上にフィルム状やスポット状に固化する方法・装置が開示されている。このESD法は、少量の目的物質からでも薄膜を形成できるというメリットがある。この従来のESD法では、平坦な基板上の生体高分子を固定化してその機能や活性を保持した数ミクロンの厚さの生体高分子「薄膜」を作製することを主たる目的としていた。或いは、従来のESD法は、エレクトロスプレイのキャピラリーとターゲットとなる基板と間にマスク手段を介在させ、アレイ状に生体高分子のスポット、即ち、「マイクロアレイ(DNAチップ)」を平坦な基板上に作製することを目的としていた。
しかしながら、このような従来のエレクトロスプレイ装置から作製される、生体高分子を固定化した薄膜やDNAチップではその用途が限られている。そこで、様々な目的物質を様々な形状で固定化する方法や装置、或いは、様々な形状の被塗物に様々な目的物質を乾燥した状態でナノメートルオーダーの所望の厚さで固定化する方法や装置の開発が望まれていた。
即ち、本発明の実施態様による固定化方法は、
少なくとも1つの目的物質を含む溶液をキャピラリーに供給し、前記溶液に電圧を印加して静電噴霧するエレクトロスプレイステップと、
前記エレクトロスプレイステップで噴霧された溶液中の目的物質をその機能性および/または活性を保持したまま乾燥した状態で任意の形状の被塗物に静電気力で固定化して、ナノメートルオーダーの厚さの乾燥した微小構造体を形成する固定化ステップと、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、溶液中に分散、或いは溶解している様々な目的物質をその機能性および/または活性を保持したままほぼ乾燥した状態で任意の形状の被塗物に静電気力で固定化して、ナノメートルオーダーの厚さの乾燥した微小構造体を形成することが可能となる。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記エレクトロスプレイステップの前に、前記溶液に含まれる目的物質の平均粒径を調整するステップをも含む、
ことを特徴とする。
例えば、前記溶液を遠心分離器にかけて目的物質の平均粒径を調整する、または、前記溶液をフィルタ(例えば、ナノフィルタなど)に通して目的物質の平均粒径を調整するなどによって、粗い粒子を除去し、平均粒径を小さくすることによって、ナノメートルオーダーの薄膜を形成させやすくなる。さらに、粗い粒子の除去、および不純物(ゴミ)の除去、また平均粒径の減少はキャピラリーのノズルの詰まりを無くし、さらに、より細いノズル口径のキャピラリーを使用可能にし、より薄く微細な構造を持つ薄膜などを形成することを可能にする。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記エレクトロスプレイステップの前に、前記溶液は、所定の平均分子量の目的物質(溶質)を溶解または分散させて調製される、
ことを特徴とする。
本発明によれば、目的物質の性質、または、所望の前記ナノメートルオーダーの厚さに応じて、使用する目的物質の平均分子量を調製することによって、所望の膜厚、および、所望の微小構造を持つ構造体を形成することができる。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記エレクトロスプレイステップは、
静電噴霧時間と前記微小構造体の厚さとの関係を示す検量線を前記溶液の種類別に予め設定し、使用する前記溶液の種類に合う前記検量線を使用して、所望の膜厚に応じて前記静電噴霧の時間を設定するステップをも含む、
ことを特徴とする。
さらに詳細に、前記溶液の濃度と前記微小構造体の厚さとの関係を示す検量線、前記溶液に含まれる前記目的物質の平均分子量と前記微小構造体の厚さとの関係を示す検量線、および、前記溶液に含まれる目的物質の平均粒径と前記微小構造体の厚さとの関係を示す検量線のうちの少なくとも1つを前記溶液の種類別に予め設定し、使用する前記溶液の種類に合う前記検量線を使用して、所望の膜厚に応じて前記静電噴霧の時間を設定するステップとすることも好適である。
或いは、前記エレクトロスプレイステップは、
前記溶液の濃度と前記繊維状微小構造体を構成する繊維の直径との関係を示す検量線を前記溶液の種類別に予め設定し、使用する前記溶液の種類に合う前記検量線を使用して、前記繊維の所望の直径に応じて、前記溶液の濃度を設定するステップとすることも好適である。即ち、前記繊維状微小構造体を構成する繊維の所望の直径に応じて前記溶液の濃度を設定することが好適である。
これらの本発明によれば、一旦、各種の検量線さえ作製すれば、簡易かつ簡便に再現性良く所望の膜厚および所望の微小構造を持つ薄膜(3次元微小構造体)、或いは、所望の直径の繊維からなら薄膜(3次元微小構造体)を作製することが可能になる。例えば、これら種々の検量線データを記憶装置に格納しておき、溶液情報(目的物質名、溶液濃度、所望の微小構造体の厚さ、所望の直径など)に応じて、適合する検量線データを参照することによって、スプレー時間や溶液濃度などを決定する。このようにして、スプレー時間や溶液濃度などを自動的に調整することによって、所望の膜厚や所望の直径の目的物質を固定化することが可能となる。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記被塗物は、少なくとも微弱な導電性を持つ基板、フィルム、多角柱状部材、円柱状部材、微粒子、球状物質、または多孔質体、のうちいずれか1つである、
ことを特徴とする。
本発明によれば、様々な形状の被塗物に目的物質を固定化することが可能となる。このように多種多様な被塗物に目的物質を固定化できれば、様々な用途に固定化した目的物質を利用することが可能になる。例えば、微粒子、球状物質、または多孔質体の表面上にある薬効を持つ生体高分子などをその機能性および/または活性を保持したまま固定化できれば、この生体高分子などを被覆した微粒子などを薬剤として利用したDDS(ドラッグデリバリシステム)に応用することが期待される。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記被塗物は絶縁性であり、
前記固定化方法は、さらに、
イオン発生器を使用して発生させたイオン風を前記被塗物上の微小構造体へ供給して除電するステップを含むことを特徴とする。
被塗物が絶縁性である場合は、固定化された微小構造体が持つ電荷が保持されたままとなり、新たにスプレーされた目的物質が静電的に反発し継続的に固定化させることが困難となるが、本発明によれば、イオン風によって被塗物上の帯電した微小構造体の帯電を除去することができるようになり、絶縁性の物質の被塗物にも安定的に目的物質の固定化が可能となる。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記エレクトロスプレイステップは、繊維を形成するのに適した物質を前記目的物質として使用し、この目的物質を静電噴霧して繊維状微小構造体を形成させ、
前記固定化するステップは、前記繊維状微小構造体を前記被塗物に固定化する、
ことを特徴とする。
好適には、前記繊維を形成するのに適した物質を線状高分子とする。
本発明によれば、ナノメートルオーダーの直径の繊維状微細構造体からなる、ナノメートルオーダーの膜厚の3次元メッシュ構造体(多孔質体)や不織布状構造体を形成することができる。このようなメッシュ構造体や不織布状構造体は、表面積が非常に大きく多孔質の連通構造であるため、触媒、センサーチップ、再生医療用培地、バイオフィルター、発色ファブリックなど様々な用途へ利用することが可能である。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記被塗物は多角柱状部材または円柱状部材であり、この被塗物を回転させることにより前記繊維状微小構造体を前記被塗物表面上に巻き取るステップをも含むことを特徴とする。
本発明によれば、広い面積に、および、部材のほぼ全体に効率良くかつ均一な膜厚でメッシュ構造体や不織布状構造体を作製することができる。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記エレクトロスプレイステップは、
前記キャピラリーを走査するステップ、または、前記キャピラリーの角度を任意に変化させてスプレイ方向を変化させるステップ、前記被塗物を走査するステップのうち少なくとも1つのステップをも含むことを特徴とする。本発明によれば、キャピラリーまたは被塗物の走査やキャピラリーの角度の変化(即ちキャピラリー或いはキャピラリーを支持する部材の首振り)によって、より均一に溶液を静電噴霧して、より広い面積の被塗物に均一に目的物質を堆積させるととができる。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記エレクトロスプレイステップは、前記キャピラリーを振動させるステップをも含むことを特徴とする。本発明によれば、振動によって静電噴霧が促進され短時間で所望の膜厚の薄膜を得ることができる。また、目的物質が繊維を形成するのに適している場合は、この振動によって、繊維状構造体が延伸され、より細長い繊維状構造体を形成することが可能となる。換言すれば、本発明によれば、繊維を形成するのに適した物質をスプレイし集めて巻き取ることによりナノサイズの直径を持つステープルファイバー(一本の長繊維)または短繊維によりをかけることによりできあがるナノメートルサイズの繊維直径を有する紡績糸を作ることができる。即ち、本発明は、ナノメートルサイズの繊維直径を有する繊維の紡績方法として利用可能である。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記エレクトロスプレイステップの前記静電噴霧は、100μm以上の先端部内径を持つキャピラリーを使用して実行される、
ことを特徴とする。本発明によれば、例えば高粘度ポリマー等をスプレーする際に、スプレー速度の増大、キャピラリーのつまりを防止することが可能となる。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記エレクトロスプレイステップは、静電噴霧状態とガス放電状態(即ち静電噴霧が停止している状態)とを区別するために、前記溶液に印加される電圧に微小な幅の周期的変動を与えながら前記静電噴霧を行い、その際の前記溶液の電流値の変化量を電流計を使用してモニターするステップを含む、
ことを特徴とする。本発明によれば、ガス放電の場合即ち静電噴霧が停止している状態では、電圧の変化による電流の変化率が大きく、一方スプレー状態では変化が少なくなるため、スプレー状態とガス放電状態との区別を行うことができる。即ち、エレクトロスプレーが円滑に進行しているか否かを正確に把握できるようになるため、より正確にスプレー量を把握できるようになる。従って、微小構造体の膜厚をより正確に制御することが可能となる。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記エレクトロスプレイステップは、前記溶液を前記キャピラリに供給するときに、前記溶液の圧力を調整するステップ、前記溶液の流量(体積)を調整するステップ、或いは、前記溶液の圧力と流量をの間に一定の関係式が成り立つよう調整するステップのうちのいずれかを含む、
ことを特徴とする。例えば、一定の関係式が成り立つように制御する場合には圧力Pについて以下の式が成り立つようにように制御する。
P=b(Vc−V)+c
(ここで、b、c:定数、V:実際に吐出された体積、体積指令値:Vc=at、a:定数、t:時間)
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記エレクトロスプレイステップは、前記溶液に電圧を印加するときに、前記電圧を一定に調整するステップ、前記溶液を流れる電流が一定になるように前記電圧を調整するステップ、或いは、前記電圧と前記電流との間に一定の関係が成り立つように前記電圧を調整(即ちインピーダンス制御)するステップ、のうちのいずれかを含む、
ことを特徴とする。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記キャピラリーの材質は、金属、ガラス、シリコン、または合成高分子材料のいずれかである、
ことを特徴とする。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記エレクトロスプレイステップは、前記キャピラリーが複数設けられている場合には、前記キャピラリーの各々に含まれる前記溶液に供給される各々の電圧または電流を最適値に調節するステップをも含む、
ことを特徴とする。本発明によれば、複数のキャピラリーに収容される各溶液に供給される電圧を個別に制御することができるため、全てのキャピラリーで安定的に静電噴霧を行うことが可能となる。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記キャピラリーが複数設けられており、
前記エレクトロスプレイステップは、前記溶液を前記複数のキャピラリーに供給するため、入力管1本に対して前記キャピラリと同数の出力管を持つコネクターであって、前記出力管の各々はその長軸(溶液の流れる方向)が前記入力管の長軸(溶液の流れる方向)に対して全て同じ角度をなし、さらに、前記出力管の各々の長軸は、隣接する出力管の長軸となす角度が全て同じになるように配置されたコネクターを使用して前記溶液を分岐させるステップを含む(なお各出力管の内径は同一である)、ことを特徴とする。本発明によれば、マルチキャピラリーによるESD法の際に、配管の分岐による流速即ち流量の不均一を避けることができるようになり、各キャピラリーに均一に溶液を流すことことでき、より均一な微小構造体を作成することができる。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記キャピラリーが複数設けられ、前記キャピラリーは各々にバルブが設けられている複数の配管が接続されており、
前記エレクトロスプレイステップは、前記バルブを個別に開閉することにより、前記キャピラリーのうちの少なくとも1つのみに溶液の加圧力を集中させ、脱泡、及び/または通液を容易に行えるようにするステップを含む、
ことを特徴とする。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記溶液および/または静電噴霧された前記目的物質が接触する部分は前記溶液および/または前記目的物質に耐性を有する、
ことを特徴とする。
本発明によれば、腐食性を持つ溶媒や溶質などから目的物質を固定化することが可能である。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
コリメータ電極、イオン流供給手段、または加圧空気供給手段の少なくとも1つを用いて、前記エレクトロスプレイステップで静電噴霧された前記目的物質を収束させるステップをも含む、
ことを特徴とする。
本発明によれば、ターゲットの被塗物への向かって飛ぶ目的物質を効率良く収束させることができる。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
少なくとも静電噴霧および固定化が行なわれる空間をケースで囲み、このケース内に不活性ガス、および/または、清浄な乾燥空気を供給するステップをも含む、
ことを特徴とする。
本発明によれば、不活性ガスが目的物質の活性や機能性が損なわれるのを防止し、清浄な乾燥空気が溶媒の急速な蒸発を促して、目的物質をほぼ乾燥した状態で被塗物へ固定することができ、結果的に目的物質の活性や機能性が損なわれるのを防止することができる。
また、本発明のさらなる実施態様による固定化方法は、
前記ケース内を減圧化、或いは、真空化するステップをも含む、
ことを特徴とする。本発明によれば、減圧によって静電噴霧された目的物質の液滴の移動度が高まり、静電噴霧が効率良く実施できる。
本発明を上述したように方法の形態で説明してきたが、本発明は、これら方法に相当する装置、製造方法の実施態様としても実現可能である。
例えば、本発明による固定化装置は、
少なくとも1つの目的物質を含む溶液をキャピラリーに供給し、前記溶液に電圧を印加して静電噴霧するエレクトロスプレイ手段と、
前記エレクトロスプレイ手段で噴霧された溶液中の目的物質がその機能性および/または活性を保持したままほぼ乾燥した状態で静電気力で固定化される任意の形状の被塗物を支持する支持手段と、
前記キャピラリーを走査する手段、前記キャピラリーの角度を任意に変化させてスプレイ方向を変化させる手段、または前記被塗物を走査する手段のうちの少なくとも1つの手段と、
を具えることを特徴とする。
本固定化装置は、前記被塗物を多角柱状部材または円柱状部材とし、この被塗物を回転させることにより前記繊維状微小構造体を前記被塗物表面上に巻き取る手段を具えることもできる。
前記エレクトロスプレイ手段は、前記溶液に印加される電圧に微小な幅の周期的変動を与えながら前記静電噴霧を行い、
また、本発明のある実施態様による固定化装置は、
前記固定化装置は、前記溶液の電流値の変化量をモニターする電流測定手段をも具える、
ことを特徴とする。
さらに、例えば、本発明によるナノメートルオーダーの厚さの微小構造体を製造する方法は、
繊維を形成するのに適した少なくとも1つの目的物質を含む溶液をキャピラリーに供給し、前記溶液に電圧を印加して静電噴霧するエレクトロスプレイステップと、
前記エレクトロスプレイステップで噴霧された溶液中の目的物質の機能性および/または活性を保持したままほぼ乾燥した状態で任意の形状の被塗物に静電気力で固定化して、ナノメートルオーダーの厚さの繊維状の微小構造体を形成する固定化ステップと、
を具えることを特徴とする。
図2は、本発明による固定化方法で使用するシングルキャピラリーの固定化装置の変形例を示す構成図;
図3は、本発明による固定化方法で使用するシングルキャピラリーの固定化装置のさらなる変形例を示す構成図;
図4Aは、本発明による固定化方法で使用されるマルチノズルタイプのキャピラリーを示す概観図であり、図4Bはマルチノズルタイプのキャピラリーの断面図;
図5は、マルチプルキャピラリーに設けた電極への印加電圧を生成する電子回路の構成図;
図6は、本発明による固定化装置を使用して球状の微粒子(被塗物)表面に目的物質を固定化する様子を示す模式図;
図7は、本発明による固定化方法で使用するシングルキャピラリーの固定化装置のさらなる変形例を示す構成図;
図8は、図7に示した固定化装置の変形例を示す構成図;
図9は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリエチレングリコール(PEG)の薄膜を高分解能の原子間力顕微鏡(AFM)で測定したAFM像;
図10は、本発明による固定化方法で基板上に作製したインベルターゼの薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍);
図11は、本発明による固定化方法で基板上に作製したインベルターゼの薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍);
図12は、本発明による固定化方法で基板上に作製したインベルターゼの薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍);
図13は、本発明による固定化方法で基板上に作製したインベルターゼの薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍);
図14は、本発明による固定化方法で基板上に作製したインベルターゼの薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍);
図15は、本発明による固定化方法で基板上に作製したインベルターゼの薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍);
図16は、本発明による固定化方法で基板上に作製したインベルターゼの薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍);
図17は、本発明による固定化方法で基板上に作製したインベルターゼの薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍);
図18は、本発明による固定化方法で基板上に作製したインベルターゼの薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:4万倍);
図19は、本発明による固定化方法で基板上に作製したラクトアルブミン(α−Lactalbumin)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:4万倍);
図20は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリアクリル酸(PAA、平均分子量25万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:4万倍;
図21は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリエチレングリコール(PEG、平均分子量50万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:4万倍);
図22は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリエチレングリコール(PEG、平均分子量4千〜50万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍);
図23は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリエチレングリコール(PEG、平均分子量4千〜50万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍)である。
図24は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリエチレングリコール(PEG、平均分子量4千〜50万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍);
図25は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリアクリル酸(PAA、平均分子量4千〜25万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍);
図26は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリアクリル酸(PAA、平均分子量4千〜25万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍);
図27は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリアクリル酸(PAA、平均分子量4千〜25万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍);
図28は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリエチレングリコール(PEG、平均分子量50万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍);
図29は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリエチレングリコール(PEG、平均分子量50万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍);
図30は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリエチレングリコール(PEG、平均分子量50万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍);
図31は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリアクリル酸(PAA、平均分子量25万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:4万倍);
図32は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリエチレングリコール(PEG、平均分子量50万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:4万倍);
図33は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリエチレングリコール(PEG)の薄膜の電子顕微鏡写真;
図34は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリエチレングリコール(PEG)の薄膜の電子顕微鏡写真;
図35は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリエチレングリコール(PEG)の薄膜の電子顕微鏡写真;
図36は、溶液濃度と固定化された繊維(目的物質)の直径との関係を示す検量線のグラフ;
図37Aは、本発明によるマルチキャピラリーの固定化装置で使用されるコネクターの斜視図であり、図37Bは、図37Aに示したコネクターをX−Y線で切って示した断面図;
図38Aは、エレクトロスプレイ時の溶液の電流と電圧との関係を示すグラフであり、図38Bは、溶液に印加する電圧を所定の周期で変動させたときの電圧の時間経過を示すグラフであり、図38Cは、図38Bのように電圧を変動させたときに溶液を流れる電流の時間経過を示すグラフ;
図39Aは、本発明による固定化装置で使用する基板の変形例を示す構成図;
図39Bは、さらなる基板の変形例を示す構成図;
図40は、本発明による固定化装置で使用するキャピラリーの変形例を示す構成図である。
図示はしていないが、キャピラリーと基板との間にマスクを設けることも可能である。また、被塗物となる基板に絶縁性物質を使用する場合は、基板をアース(即ち除電)することができない。そこで、本固定化装置に、イオン発生器(図示せず)設け、これによって発生させたイオン風を絶縁性の前記被塗物上の微小構造体へ吹き付けて除電することが好適である。静電噴霧を行う際には、帯電したパーティクルあるいはナノファイバー(目的物質)が静電気力により基板に吸引されて付着する必要がある。このため堆積物が持つ電荷を逃がす電気伝導性が無い物体へ静電噴霧を行うと、基板が帯電し、新たにスプレイされたナノファイバー等を反発するため継続的に堆積させることは困難である。これを解決するためには、基板の帯電を何らかの方法で取り除く必要がある。ひとつの方法は、コロナ放電等を用いるイオン発生器により発生したイオン風を利用して除電を行う方法が可能である。これは、コロナ放電などの大気中でのガス放電現象等に伴い発生する正負双方のイオンを基板付近に送ることで帯電と反対の電荷をもつイオンのみが基板に付着し電荷を中和する。これにより継続的に静電噴霧を行うことが可能となる。また、放電部位近傍に中和電極等を設けて、正あるいは負のイオンのみを風として送ることにより積極的に除電することができる。さらに、このような正あるいは負のいずれか一方のイオンを利用して静電噴霧されたナノファイバーと反対の電位に帯電させることにより積極的に捕集効率を高めることも可能である。イオン風を送る方法は、ESDと同時に送る方法と、ESDによるスプレイとイオン風を交互に送る方法の2通りが考えられる。後者の場合、微細なパーティクルである静電噴霧された目的物質が風に影響されにくくなるためより安定してスプレイが可能になると考えられる。
図示していないが、キャプラリ102は、チューブ及びポンプを経由して試料溶液ビンに接続されていおり、ビンの容量は、1ml〜10000mlとすることが好適である。また、試料溶液ビンは、多数(例えば、1個〜数十個)用意しておき、ビンを切り替えることで所望の溶液をキャピラリーに供給することもできる。この場合、各ビンには異なった種類の溶液を封入することが可能である。
また、大面積をエレクトロスプレーする場合には、キャピラリ102を1軸あるいは2軸以上で移動させるスキャン装置(図示せず)を設けることもできる。この場合は、大面積の被塗物に均一にスプレーすることが可能となる。
図2は、本発明による固定化方法で使用するシングルキャピラリーの固定化装置の変形例を示す構成図である。図に示すように、本固定化装置200は、キャピラリー202、加速・収束電極204a,204b,204c、導電性・多孔質コリメータ205、導電性円柱(被塗物)220を具える。静電噴霧された目的物質を含む液滴は、加速・収束電極204a,204b,204cによって加速或いは収束させられる。その後、アースされた導電性円柱220によって形成される電界に引かれて導電性円柱220へと移動する。コリメータ205は接地電圧よりも僅かに高い電圧が印加されていて、静電噴霧された液滴(目的物質)を電気的に吸引することができるが、その表面には加圧空気の流れがあり、目的物質はコリメータ表面には着地せずに収束される。即ち、このコリメータ205は、図に示すように連通孔があり、その連通孔を通じて外側から内側に加圧空気が供給されているため、目的物質はコリメータ表面には着地せずに中央に収束される。
そして、最終的に目的物質は接地されている導電性円柱220へ到達し固定化される。この導電性円柱220は適切な速度で回転しており、収束された目的物質が、機能や活性を保持したまたほぼ乾燥した状態で均一にその表面に固定化される。
また、本固定化装置200は、電流計230、電圧計240、及び電圧制御装置250を具える(これら関しては、図38を参照して後で詳細に述べる)。
さらに、目的物質として繊維を形成するのに適した物質(例えば線状高分子など)を使用すれば、本固定化装置は目的物質をその活性や機能性を保持したままナノファイバーの繊維として巻き取る装置として使用することができる。
図3は、本発明による固定化方法で使用するシングルキャピラリーの固定化装置のさらなる変形例を示す構成図である。図に示すように、本固定化装置300は、キャピラリー302、圧電アクチュエータ303、コリメータ電極305、およびサブストレート320を具える。静電噴霧中、ノズルとなるキャピラリー302は、加振手段としての圧電アクチュエータ303に接続され、これによってキャピラリーは水平方向に加振される。図中に拡大して示したように、キャピラリー先端部に形成されたテイラーコーン(TaylorCone)から飛び出す目的物質が、この振動によって引き伸ばされる。即ち、この振動によって、目的物質を繊維状に引き伸ばして静電噴霧することができ、結果的により細い直径の繊維状物質として目的物質を固定化することが可能となる。さらには、より薄い膜厚の不織布状薄膜を形成することが可能となる。即ち、目的物質を繊維状に引き伸ばすことによって、目的物質をナノメートルオーダーの厚さで、または、その薄膜を形成する繊維状物質をナノメートルオーダーの直径で固定化することが可能となる。
図4Aは、本発明による固定化方法で使用されるマルチノズルタイプのキャピラリーを示す概観図であり、図4Bは、マルチノズルタイプのキャピラリーの断面図である。このようなマルチノズルを使用すると、静電噴霧の効率を向上させることができる。図に示すように、マルチノズルとはおよそ100μm以下の直径のキャピラリーを多数個ひとつの基板上に形成したもので、シリコンマイクロマシニング技術、厚膜フォトレジスト技術、あるいは超精密機械加工法などによって形成が可能である。これらのノズルすべてにサンプル溶液を供給し高電圧をかけることで同時に静電噴霧を行い、大量の微小液滴を噴霧して効率良く目的物質を固定化することが可能となる。
図5は、マルチプルキャピラリーに設けた電極への印加電圧を生成する電子回路の構成図である。マルチプルキャピラリーは、ノズルに設けた電極すべてを導通させ、同電位とする方法もあるが、キャピラリーのわずかな大きさの違いにより電界集中の強度が変化する可能性もあり、すべてのノズルから同時に安定的にスプレイを行うことは難しい可能性がある。そのため、各ノズルを個別に絶縁し、それぞれに電流制御回路(定電流回路)を取り付けることによりすべてのノズルで一定量の電流によりスプレイが安定的に行われるようにすることができる。この場合、印加電圧供給線に、図のようにキャパシタを介して高周波電源を接続することで間欠的に電圧を供給して間欠スプレイを発生させ、多数個のノズルで安定的にスプレイを維持することも可能である。これにより、大量の微小液滴を静電噴霧して、目的物質を高速かつ安定的に固定化することが可能になる。
図6は、本発明による固定化装置を使用して球状の微粒子(被塗物)表面に目的物質を固定化する様子を示す模式図である。図に示すように、静電噴霧された目的物質600は、支持体610で支持された微粒子620の表面に固定化され、ナノメートルオーダーの厚さの被覆630が形成される。
図7は、本発明による固定化方法で使用するシングルキャピラリーの固定化装置のさらなる変形例を示す構成図である。図に示すように、固定化装置700では、グラウンドされた導電性電極710上に非導電性基板720が置かれる。この導電性電極710は、スプレーに必要な高電界を発生させるために必要である。非導電性基板720(サブストレート)の側方あるいは上方よりイオン風を吹き付け、ESDによるチャージアップを解消する(除電)、あるいは事前に逆方向の電荷に帯電させる。
図に示すように、イオン発生器740は、チャージワイヤ742(およそ100μm以下の細いワイヤー)や先端のとがった電極からコロナ放電等によりイオンを発生させこれを送風機746からの風にのせ、メッシュ状の対向電極748を通して噴出すことにより行う。除電あるいは帯電のためのイオン風等の供給は、エレクトロスプレーと同時に行っても良いし、スプレーされたパーティクルの移動を妨げないためには、スプレーとイオン風等を交互に発生させても良い。
図8は、図7に示した固定化装置の変形例を示す構成図である。図に示すように、固定化装置800では、グラウンドされた導電性電極810上で非導電性基板(絶縁性素材)820を一定の速度或いは断続的に移動する。例えば、帯状或いはシート状の非導電性基板820を移動させるために、図に示すような絶縁性素材巻取り装置822を設けそれを回転させる。また、図8の固定化装置800は、図7と同様に、イオン発生器840を含み、このイオン発生器840は、チャージワイヤ842、送風機846、対向電極(メッシュ)848などを含む。
このように、サンプルを連続的に固定化する場合は、非導電性素材を搬送する機構の上流に、イオン発生器などの除電/帯電装置を設け、そしてエレクトロスプレイさせる部分を下流に設ける。これによって、サンプルの連続的な固定化が可能となる。
図9は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリエチレングリコール(PEG)の薄膜を高分解能の原子間力顕微鏡(AFM)で測定したAFM像である。薄膜の作製条件は、目的物質としてPEG(ポリチレングリコール)、平均分子量は500K(50万)、濃度は2.5g/L、キャピラリー内に電極への印加電圧は4000V、静電噴霧および固定化が行われる空間(ケース内)の湿度は20%、基板とキャピラリーとの間の距離は5cm、静電噴霧時間は30秒である。図に示すように、約20nm〜80nmの膜厚で目的物質の薄膜が形成されていることが観察できる。
図10〜図13は、本発明による固定化方法で基板上に作製したインベルターゼの薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍)である。薄膜の作製条件は、静電噴霧時間については、図10が10分、図11が30分、図12が60分、図13が120分である。その他の条件は、全て同じであり、目的物質としてインベルターゼ(シグマ社製Baker’s yeast由来)、濃度は0.5g/L、キャピラリー内の電極への印加電圧は約2000〜3000V、静電噴霧および固定化が行われる空間(ケース内)の湿度は20%以下、基板とキャピラリーとの間の距離は約5cmである。図に示すように、静電噴霧時間が長くなるほど凹凸のサイズが大きくなることが観察できる。また、凹凸からなる微小構造体(薄膜)を構成する「粒子」のサイズは図10〜13を通じてほぼ同じであることも観察できる。
図14〜図17は、本発明による固定化方法で基板上に作製したインベルターゼの薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍)である。薄膜の作製条件は、試料(目的物質)濃度については、図14が0.5g/L、図15が1.25g/L、図16が2.5g/L、図17が5.0g/Lである。また、静電噴霧時間は10分であり、その他の条件は、図10〜図13と同じである。図に示すように、試料濃度が濃くなるほど凹凸のサイズが大きくなることが観察できる。また、凹凸からなる微小構造体(薄膜)を構成する「粒子」のサイズは図14〜17を通じてほぼ同じであることも観察できる。従って、静電噴霧時間と試料濃度とは、薄膜の形成状況に同様の影響を与えることがわかる。
図18は、本発明による固定化方法で基板上に作製したインベルターゼの薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:4万倍)である。薄膜の作製条件は、目的物質としてインベルターゼ(シグマ社製Baker’s yeast由来)、濃度は2.5g/L、キャピラリー内に電極への印加電圧は約2000〜3000V、静電噴霧および固定化が行われる空間(ケース内)の湿度は20%以下、基板とキャピラリーとの間の距離は約5cm、静電噴霧時間は10分である。図に示すように、この薄膜は、約数10nm〜100nmの球状の粒子から構成されていることが観察できる。
図19は、本発明による固定化方法で基板上に作製したラクトアルブミン(α−Lactalbumin)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:4万倍)である。薄膜の作製条件は、目的物質としてラクトアルブミン(シグマ社製Bovine milk由来)、その他の条件は図18と同様である。図に示すように、この薄膜は、3次元の網目状微小構造であることが観察できる。
図20は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリアクリル酸(PAA、平均分子量25万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:4万倍)である。薄膜の作製条件は、目的物質以外はは図18と同様である。図に示すように、この薄膜は、約百数10nm〜数100nmの楕円状の粒子およびその粒子の両端が他の粒子と網目状に繊維状の紐で連結された3次元の網目状微小構造であることが観察できる。
図21は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリエチレングリコール(PEG、平均分子量50万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:4万倍)である。薄膜の作製条件は、目的物質以外は図18と同様である。図に示すように、この薄膜は、約百数十nm〜数百nmの球状の粒子およびその粒子が他の粒子と網目状に繊維状の紐で連結された3次元の網目状微小構造であることが観察できる。図20と図21とを比較すると、PAAよりもPEGの方が網目構造の密度が高く、1つの粒子に多くの繊維状の紐が連結されていることが観察できる。
図22〜図24は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリエチレングリコール(PEG、平均分子量4千〜50万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍)である。薄膜の作製条件は、図22は平均分子量4千、図23は平均分子量2万、図24は平均分子量50万である。その他の薄膜の作製条件は図18と同様である。
これらの図に示すように、これらの薄膜は、約数nm〜数百nmの球状の粒子およびその粒子が他の粒子と網目状に連結された3次元の網目状微小構造であることが観察できる。これらの図を比較すると、平均分子量の大きいものほど、球状粒子及びそれを結ぶ繊維状の紐からなる3次元網目構造がはっきり観察できる。但し、分子量が4千の場合(図22)は、倍率の問題で粒子/繊維構造が明瞭には観察できなかった。
図25〜図27は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリアクリル酸(PAA、平均分子量4千〜25万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍)である。薄膜の作製条件は、図25は平均分子量4千、図26は平均分子量2万5千、図27は平均分子量25万である。その他の薄膜の作製条件は図18と同様である。
これらの図に示すように、これらの薄膜は、約数nm〜数百nmの球状の粒子およびその粒子が他の粒子と網目状に連結された3次元の網目状微小構造であることが観察できる。これらの図を比較すると、平均分子量の大きいものほど、球状粒子及びそれを結ぶ繊維状の紐からなる3次元網目構造がはっきり観察できる。但し、分子量が4千の場合(図25)は、倍率の問題で粒子/繊維構造が明瞭には観察できなかった。
図28〜図30は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリエチレングリコール(PEG、平均分子量50万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:1万倍)である。薄膜の作製条件は、静電噴霧時間について、図28は5分、図27は10分、図30が30分である。その他の薄膜の作製条件は図18と同様である。
図29及び図30に示すように、これらの薄膜は、約数重〜数百nmの球状の粒子およびその粒子が他の粒子と繊維状の紐で綱目状に連結された3次元の網目状微小構造であることが観察できる。静電噴霧時間が5分間(図28)では、基板表面上に粒子がスポット状に単独で存在しており、粒子同士を連結する繊維状の紐はまだ観察できない。
図31は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリアクリル酸(PAA、平均分子量25万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:4万倍)である。
図32は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリエチレングリコール(PEG、平均分子量50万)の薄膜の電子顕微鏡写真(倍率:4万倍)である。
図中の白抜きの矢印で指し示した部分が繊維状構造である。高倍率にすると熱で薄膜表面が損傷を受けてしまうため写真が若干不鮮明になっているが、実際には繊維状構造がはっきりと観察できるはずである。図に示すように、約数百nmの粒子、およびこの粒子同士を繋ぐ約数nm〜十数nmの繊維が観察できる。
なお、作製した薄膜を構成する生体高分子などの生物的活性や機能性などはもちろん保持されている。
図33、図34、および図35は、本発明による固定化方法で基板上に作製したポリエチレングリコール(PEG)の薄膜の電子顕微鏡写真である。図に示すように、分子量3万(図31)では薄膜は粒子状物質から構成され、溶液の濃度を変更しても繊維状にはならない。本固定化方法では、図34に示すように、溶液中のPEGの分子量が約50万、濃度1g/Lでは繊維状の構造体が形成され、さらに、図35に示すように溶液濃度が高い20g/Lでは構造体の繊維直径がさらに太くなる。実験によって、PEGの場合は分子量が5万を超えると繊維状の構造体になることが判明した。また、溶液の濃度を薄くすれば、より細い繊維直径を得られることも判明した。
図36は、PEGの分子量50万における溶液濃度と、当該溶液を本発明の方法で固定化した繊維(目的物質)の直径との関係を示す検量線のグラフである。図に示すような検量線を溶液の種類別に作成しておけば、この検量線を利用して溶液濃度を調整することによって、作製される構造体の繊維直径を所望の太さに容易に調整することが可能である。特に、溶液の濃度を薄く設定することによって、数nm〜数百nmの直径の繊維からなる微小構造体(薄膜)を安定的に作製することができる。例えば、PEGを用いて数nmの繊維直径を所望する場合は溶液濃度を約0.1g/Lに設定し、数10nmの繊維直径を所望する場合は溶液濃度を約1.0g/Lに設定すれば、所望の繊維直径の繊維から構成される微小構造体を作製可能である。本実施例では、一例として分子量50万のPEGの検量線を示したが、その他の分子量或いはその他の種々の目的物質についても検量線を用意すれば、所望の繊維直径の繊維からなる微小構造体を容易に安定的に作製し得る。
本発明による固定化方法、装置、作製方法で作成した微小構造体は、上述したようにナノメートルオーダーの粒子や繊維状の紐からなる3次元の網目構造を持つ多孔質体である。従って、目的物質の生物学的活性や機能を保持した多孔体として各種フィルタ、および、多孔体の非常に大きい表面積を利用した触媒など様々な用途への応用が期待できる。
図37Aは、本発明によるマルチキャピラリーの固定化装置で使用されるコネクターの斜視図であり、図38Bは、図37Aに示したコネクターをX−Y線で切って示した断面図である。コネクタは、耐薬品性が高く、微細加工可能であり機械的強度が高いプラスチック、例えばCTFEなどのフッ素系樹脂の材料を用いることが好適である。
図37Aに示すように、コネクター900は、1本の入力管910、6本の出力管920を持つ。図37Bに示すように、出力管920a,920bはその長軸925a,925bが入力管910の長軸915に対して同じ角度をなす(即ち、角度a=角度b)。このコネクター使用して溶液を分岐させれば、配管の分岐による流速即ち流量の不均一を避けることができるようになり、各キャピラリーに均一に溶液を流すことことでき、より均一な微小構造体を作成することができるようになる。
図38Aは、エレクトロスプレイ時の溶液の電流と電圧との関係を示すグラフであり、図38Bは、溶液に印加する電圧を所定の周期で変動させたときの電圧の時間経過を示すグラフであり、図38Cは、図38Bのように電圧を変動させたときに溶液を流れる電流の時間経過を示すグラフである。
図38Aに示すように、エレクトロスプレー時に溶液が正常に静電噴霧している状態(即ち、エレクトロスプレー状態)では、実線のように電圧が増加するのに応じて、電流は直線的に増加する。他方、エレクトロスプレー時に溶液が正常に静電噴霧せず、ガス放電(コロナ放電)が発生している状態(即ち、ガス放電状態)では、点線のように電圧が増加するのに応じて、電流は対数状に増加する。しかしながら、両者の状態における電流値の差は僅かであり、スプレイ中に両者を区別することは困難である。特に、実線と点線の交点の付近の印加電圧ではほぼ同じ電流値を示すため両者の判別は困難であった。そこで、従来は、顕微鏡でスプレイされた液滴を観察する手法を取るしかなく不便であった。微小構造体の膜厚をナノメートルオーダーでコントロールするためには、試料の種類ごとに、溶液の濃度、試料の分子量、スプレイ時間などを正確に調整する必要がある。即ち、ガス放電が発生し微小液滴を放出できない状態が発生すればその状態の時間をスプレイ時間から差し引く必要があるが、そのようなスプレイ状態までを考慮したスプレイ時間の調整ができていなかった。本発明者らは、実験により、図38Bに示すように印加電圧に周期的な微小変動(約0.1−1Hz)を与えると、図38Cに示すように、ガス放電状態では溶液の電流が周期的に変化し、エレクトロスプレイ状態では電流が殆ど変化せず、この現象を利用すれば両者の状態を正確に区別し得ることを見い出した。例えば、この区別によって、キャピラリーのノズルの詰まりや溶液供給配管の詰まり、或いはポンプの故障などによって正常なスプレイが実行できていないことを把握することができる。従って、本発明による固定化装置に、電流計、電圧計、電圧を微小変動させる制御信号を電源に与える電圧制御装置とを設け、スプレイ時間をより正確に調整することが好適である。また、ESD法では、曲率半径の小さい部位に電荷が集中するという物理的法則を利用して、キャピラリ先端部に曲率半径の小さい溶液の形状(テイラーコーン)を形成させて溶液を静電噴霧させている。逆に言うと、ノズル詰まりやポンプの不具合など何らかの理由でキャピラリ先端部に適正な曲率半径の形状の溶液を形成できない場合には、溶液に電圧が印加されている状態であっても静電噴霧は発生しなくなる。上述したように、電圧を変動させながら電流値をモニタして両者を区別できれば、静電噴霧が正常に実行されているのか否か、即ち正確にスプレー時間(スプレー量)を制御することが可能になり、よって所望の膜厚の微小構造体を作成することができるようになる。
図39Aは、本発明による固定化装置で使用する基板の変形例を示す構成図である。図に示すように、キャピラリー1002から静電噴霧された溶液は基板1020に向かって飛んで行く。基板1020は、クモの巣状のメッシュ構造であり導電性のワイヤー1022a,1022b,1022cでできている。ワイヤー間は、数ミリから数10cm離間させてある。基板1020は、回転装置1030によってこの中心を軸として回転されており、また、回転しながらその中心を軸として基板をシーソーのように上下運動されている。スプレーされた溶液は飛行中に乾燥しナノファイバーが形成される。形成されたナノファイバー1040はその長手方向が、ワイヤー1022a,b,cに橋を架けるように中心から放射状の方向を向いた状態で固定化される。本発明者らは、このような網目状の基板を用いてナノファイバーを固定化すると、ファイバーが高度に配向し、それ故に結晶化度も高くなることを実験により見いだした。即ち、ファイバー内の分子が繊維の長手方向に高度に配向するこを発見するに至った。また、このメッシュ基板を回転しさらに上下にスウィングしたほうが配向性や結晶化度が高まることを実験により見いだした。図39Bは、さらなる基板の変形例を示すものである。メッシュ基板105上のアースされた導電性ワイヤー1052a,bに橋を架けるようにファイバー1060が固定化され、図39Aの基板の場合と同様にナノファイバーは高度に配向され結晶化度も高くなる。
図40は、本発明による固定化装置で使用するキャピラリーの変形例を示す構成図である。図に示すように、キャプラリー1100は4つのセル1101、1102、1103、1104を具え、各セルにはそれぞれ異なる溶液A,B,C,Dが供給され、電極(図示せず)或いは、各セルを仕切る導電性の仕切り板を介して各溶液に電圧を印加し静電噴霧を行う。スプレイーされた溶液は基板1300に向かって飛行する間にほぼ乾燥しナノファイバー1200が形成され、最終的にアースされている基板1300に固定化される。このような分割セル(2つ以上)を設けたキャピラリーを使用すれば、拡大図で示したナノファイバー1200aのように溶液Aの成分a、溶液Bの成分b、溶液Cの成分c、溶液Dの成分dの各領域を含む複合紡糸を形成することが可能となる。各成分を調整することによって、例えば、水をはじき微生物を吸着させ化学物質を除去し強度が強いファイバーを作製することも可能である。
本明細書では、様々な実施態様で本発明の原理を説明してきたが、これら実施態様における装置、方法、製造方法には、幾多の修正や変更を施すことができることに留意されたい。
例えば、上述した実施例では、目的物質の蛋白質としてインベルターゼおよびラクトアルブミンを用い、繊維を形成するのに適した線状高分子としては、PEGおよびPAAを用いて微小構造体(薄膜)を形成したが、本発明はこれら以外の様々な目的物質を固定化して微小構造体を作製することが可能である。
例えば、目的物質として、キチン、キトサン、セルロース等の多糖類、或いは、低分子有機EL用化合物(キノリノールを配位子としたアルミニウム錯体等)、高分子有機EL用化合物(ポリビニルカルバゾール等)を用いることも可能であり、これら有機EL用化合物の機能的な活性(電界発光特性)を保持した状態で所望の膜厚で固定化することが可能である。また、本発明では、このようなEL用の低分子や高分子の均一な分布を図れるため、均一な性質を持つ膜を作製することができ、さらに、光の散乱を防止し、作製した膜の発光量を増加させることが可能となる。
例えば、具体的な目的物質としては、シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン、オキサジアゾール誘導(EM2)体、ピラゾキノリン誘導体(PZ10)、ジスチリルアリレーン誘導体(DPVBi)、トリフェニルジアミン(TPD)、ペリノン誘導体(P1)、オリゴチオフェン誘導体(BMA−3T)、ペリレン誘導体(tBu−PTC)、Alq3、Znq2、Beq2、Zn(ODZ)2、Al(ODZ)3、等の低分子化合物を用いることができる。
さらに、目的物物質としては、PPVやCN−PPV等のポリパラフェニレンビニレン誘導体、PATやPCHMT等のポリチオフェン誘導体、PPPやFP−PPP等のポリパラフエニレン誘導体、PMPSやPPS等のポリシラン誘導体、PAPAやPDPA等のポリアセチレン誘導体、その他PVKやPPD等の各種誘導体である高分子化合物も使用することができる。これらの目的物質を薄膜として固定化すれば、有機EL素子として利用することが可能である。
さらに、例えば、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル系フェニルシクロヘキサン系化合物、フェニルピリミジン系化合物、4−[4−n−デシルオキシベンジリデンアミノ]2−メチルブチルシンナメート(DOBAMBC)、シッフ(アゾメチン)系化合物、アゾキシ系化合物、シアノビフェニル系化合物、フェニルジオキサン系化合物、トラン系化合物、ステロイド系化合物などを高分子と混合して薄膜として固定化すれば、液晶素子として利用できる。
さらに、目的物質を溶解・分散する溶媒には、水のみならず目的物質の性質に応じて各種有機・無機溶媒を使用することが可能である。
例えば、溶媒としては、使用する目的物質に応じて、二硫化炭素等の無機系溶媒、ヘキサンやベンゼン等の炭化水素系溶媒、クロロホルムやブロモベンゼン等のハロゲン化合物溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、フェノール等のアルコール・フェノール系溶媒、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸やジメチルホルムアミド等の酸及びその誘導体系溶媒、アセトニトリルやベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、ニトロベンゼンやピリジン等のニトロ化合物及びアミン系溶媒、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物系溶媒などを用いることが可能である。
また、各種溶媒における電気伝導度は、効率的に電界集中を発生させるために10mS/cm以下とすることが好適である。
また、上述した実施例では、単一の目的物質を固定化したが、複数の目的物質を溶解した溶液を使用して静電噴霧する、或いは、異なる目的物質を溶解した溶液を複数用意して別々のキャピラリーからそれぞれ静電噴霧するなどして複数の目的物質からなるハイブリッド型の微小構造体(薄膜など)を形成することも可能である。
また、大面積をエレクトロスプレーする場合は、キャピラリーを1軸あるいは2軸以上のスキャン装置に搭載し、大面積の被塗物に均一にスプレーさせることもできる。
Claims (27)
- 少なくとも1つの目的物質を含む溶液をキャピラリーに供給し、前記溶液に電圧を印加して静電噴霧するエレクトロスプレイステップと、
前記エレクトロスプレイステップで噴霧された溶液中の目的物質をその機能性および/または活性を保持したまま乾燥した状態で任意の形状の被塗物に静電気力で固定化して、ナノメートルオーダーの厚さの乾燥した微小構造体を形成する固定化ステップと、
を含む固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
前記エレクトロスプレイステップの前に、前記溶液に含まれる目的物質の平均粒径を調整するステップをも含む、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1または2に記載の固定化方法において、
前記エレクトロスプレイステップの前に、前記溶液は所定の平均分子量の目的物質を溶解または分散させて調製される、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
前記エレクトロスプレイステップは、
静電噴霧時間と前記微小構造体の厚さとの関係を示す検量線を前記溶液の種類別に予め設定し、使用する前記溶液の種類に合う前記検量線を使用して、所望の膜厚に応じて前記静電噴霧の時間を設定するステップをも含む、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
前記被塗物は、少なくとも微弱な導電性を持つ基板、フィルム、多角柱状部材、円柱状部材、微粒子、球状物質、または多孔質体のうちいずれか1つである、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
前記被塗物は絶縁性であり、
前記固定化方法は、さらに、
イオン発生器を使用して発生させたイオン風を前記被塗物上の微小構造体へ供給して除電するステップを含む、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
前記エレクトロスプレイステップは、繊維を形成するのに適した物質を前記目的物質として使用し、この目的物質を静電噴霧して繊維状微小構造体を形成させ、
前記固定化するステップは、前記繊維状微小構造体を前記被塗物に固定化する、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項7に記載の固定化方法において、
前記繊維を形成するのに適した物質は線状高分子である、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項7または8に記載の固定化方法において、
前記被塗物は多角柱状部材または円柱状部材であり、この被塗物を回転させることにより前記繊維状微小構造体を前記被塗物表面上に巻き取るステップをも含む、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
前記エレクトロスプレイステップは、
前記キャピラリーを走査するステップ、前記キャピラリーの角度を任意に変化させてスプレイ方向を変化させるステップ、または前記被塗物を走査するステップのうち少なくとも1つのステップをも含む、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
前記エレクトロスプレイステップは、前記キャピラリーを振動させるステップをも含む、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
前記エレクトロスプレイステップの前記静電噴霧は、100μm以上の先端部内径を持つキャピラリーを使用して実行される、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
前記エレクトロスプレイステップは、静電噴霧状態とガス放電状態とを区別するために、前記溶液に印加される電圧に微小な幅の周期的変動を与えながら前記静電噴霧を行い、その際の前記溶液の電流値の変化量を電流計を使用してモニターするステップを含む、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
前記エレクトロスプレイステップは、前記溶液を前記キャピラリに供給するときに、前記溶液の圧力を調整するステップ、前記溶液の流量を調整するステップ、或いは、前記溶液の圧力と流量との間に一定の関係式が成り立つよう調整するステップのうちのいずれかを含む、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
前記エレクトロスプレイステップは、前記溶液に電圧を印加するときに、前記電圧を一定に調整するステップ、前記溶液を流れる電流が一定になるように前記電圧を調整するステップ、或いは、前記電圧と前記電流との間に一定の関係が成り立つように前記電圧を調整するステップ、のうちのいずれかを含む、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
前記キャピラリーの材質は、金属、ガラス、シリコン、または合成高分子材料のいずれかである、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
前記エレクトロスプレイステップは、前記キャピラリーが複数設けられている場合には、前記キャピラリーの各々に含まれる前記溶液に供給される各々の電圧または電流を最適値に調節するステップをも含む、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
前記キャピラリーが複数設けられており、
前記エレクトロスプレイステップは、前記溶液を前記複数のキャピラリーに供給するため、入力管1本に対して前記キャピラリと同数の出力管を持つコネクターであって、前記出力管の各々はその長軸方向が前記入力管の長軸に対して全て同じ角度をなすように配置されたコネクターを使用して前記溶液を分岐させるステップを含む、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
前記キャピラリーが複数設けられ、前記キャピラリーは各々にバルブが設けられている複数の配管が接続されており、
前記エレクトロスプレイステップは、前記バルブを個別に開閉することにより、前記キャピラリーのうちの少なくとも1つのみに溶液の加圧力を集中させ、脱泡、及び/または通液を容易に行えるようにするステップを含む、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
前記溶液に印加される電圧は間欠的に供給される、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
前記溶液および/または静電噴霧された前記目的物質が接触する部分は前記溶液および/または前記目的物質に耐性を有する、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
コリメータ電極、イオン流供給手段、または加圧空気供給手段の少なくとも1つを用いて、前記エレクトロスプレイステップで静電噴霧された前記目的物質を収束させるステップをも含む、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項1に記載の固定化方法において、
少なくとも静電噴霧および固定化が行なわれる空間をケースで囲み、このケース内に不活性ガス、および/または、清浄な乾燥空気を供給するステップをも含む、
ことを特徴とする固定化方法。 - 請求項23に記載の固定化方法において、
前記ケース内を減圧化、或いは、真空化するステップをも含む、
ことを特徴とする固定化方法。 - 固定化装置であって、
少なくとも1つの目的物質を含む溶液をキャピラリーに供給し、前記溶液に電圧を印加して静電噴霧するエレクトロスプレイ手段と、
前記エレクトロスプレイ手段で噴霧された溶液中の目的物質がその機能性および/または活性を保持したまま乾燥した状態で静電気力で固定化される任意の形状の被塗物を支持する支持手段と、
前記キャピラリーを走査する手段、前記キャピラリーの角度を任意に変化させてスプレイ方向を変化させる手段、または前記被塗物を走査する手段のうちの少なくとも1つの手段と、
を具える固定化装置。 - 請求項25に記載の固定化装置は、
前記エレクトロスプレイ手段は、前記溶液に印加される電圧に微小な幅の周期的変動を与えながら前記静電噴霧を行い、
前記固定化装置は、前記溶液の電流値の変化量をモニターする電流測定手段をも具える、
ことを特徴とする固定化装置。 - ナノメートルオーダーの厚さの微小構造体を製造する方法であって、
繊維を形成するのに適した少なくとも1つの目的物質を含む溶液をキャピラリーに供給し、前記溶液に電圧を印加して静電噴霧するエレクトロスプレイステップと、
前記エレクトロスプレイステップで噴霧された溶液中の目的物質の機能性および/または活性を保持したまま乾燥した状態で任意の形状の被塗物に静電気力で固定化して、ナノメートルオーダーの厚さの繊維状の乾燥した微小構造体を形成する固定化ステップと、
を含む方法。
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