JP5491189B2 - 固定化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、固定化装置に関する。
近年、生体高分子、機能性ポリマーや有機高分子などを固定化させた薄膜は、バイオチップ、バイオセンサーなどの分析機器、各種ディスプレイデバイス、光学素子、半導体素子など非常に多様な需要の大きい用途で使用されている。従来、このような薄膜を形成するための様々な装置や方法が、考案され実用に供されているが、従来の装置や方法は、生体高分子や機能性高分子などのその活性を保持したまま固定化して薄膜を形成するのには以下の理由により必ずしも適さない。例えば、スパッタ装置、EB抵抗加熱蒸着装置、CVD装置などが、金属薄膜あるいは無機化合物の薄膜の形成用に実用化されている。しかしながら、これらの装置は、高真空下でのプラズマあるいは高熱にさらされるため、生体高分子、有機高分子などの活性を保持したままで固定化して薄膜を形成することはほとんど不可能である。
静電塗装装置は、加圧空気により液体をスプレーしこれに静電気力を付与することによって基板に付着させる方法であり、塗装などに用いられている。しかしながら、本装置は、加圧空気によるスプレーでは大量の液体が必要であり、かつ無駄が多いため少量の機能性高分子や生体高分子の成膜には適さない。さらに、加圧空気によるスプレーでは、霧化した液滴の直径が非常に大きいため、液滴は乾燥することなく基板に到着する。そのため、基板上での乾燥に長時間かかり、このような長時間に及ぶ乾燥過程において変性を受け易い生体高分子などは活性を損なう恐れがある。従って、静電塗装装置を使用して、このような変性を受け易い物質を、活性を保持したままで固定化して薄膜を形成するのは困難である。
スポッティング、コーティング装置は、万年筆の針先のように微小なギャップによりその隙間に液体を保持できる金属製のチップあるいはコータにより液体を基板上に塗布し、その後乾燥して薄膜を形成する装置である。この装置も、同様の理由、即ち乾燥時間が長くかかったり、材料の多くが無駄になったりするため、活性を損ない易い生体高分子や高価な有機高分子などの薄膜形成には問題が多い。
インクジェット法は、目的の機能性高分子などを溶かした溶媒を小さな液滴としてノズルより噴射し、これを基板に付着させて乾燥させることにより薄膜を形成する方法である。しかしながら、この方法も、前記と同様の理由、即ち乾燥時間が長くかかるため、活性を保持したままで機能性高分子等を固定化して薄膜を形成するのは困難である。
ESD法は、エレクトロスプレー(静電噴霧)により試料を堆積させて薄膜を形成する手法である(特許文献1:国際公開番号WO98/58745号を参照されたい)。このESD法は、上述した他の薄膜形成法や装置よりは、生体高分子などの薄膜を形成するのに適しており、条件によっては生体高分子等の活性を損なうことなく薄膜の形成が可能である。しかしながら、この方法では、溶液の電気伝導度が高い場合にスプレーをすることが困難であり、形成可能な薄膜の種類が限られるという問題がある(非特許文献1:Analytical Chemistry 73,p2183-2189, 2001を参照されたい)。特に、たんぱく質などの生体高分子は通常pHを一定に保つためのバッファー溶液中に溶解されており、電気伝導度度は約1000μS以上と大きく、そのままESD法により固定化してスポットや膜を形成することは困難である。また、蛋白質などは、バッファーなどの安定剤を除去すると短時間で急速に活性を失ってしまうが、このような試料の場合は、薄膜形成作業を短時間で行なう必要があり作業効率が悪い。また、薄膜を形成できてもその活性が低下するという問題があった。さらに、ESD法では、キャピラリーの先端の穴を通過するためには、試料を溶液中にほぼ完全に溶解する必要があり、粒子などの溶解し難い試料を使用することが困難であった。さらにまた、ESD法は、微粒子を静電気力のみで噴霧する方式であるため、霧化速度が非常に遅く、それに応じて固定化の速度も非常に遅かった。
一方、種々の振動子を用いる噴霧装置が開発され様々な用途に使用されているのはよく知られており、このような振動子の技術をESD法と組み合わせ、振動と静電気力とで噴霧させる固定化技法が開示されている(特許文献2:特開2003-136005号公報を参照されたい)。
しかしながら、この固定化技法では、液滴がESD法より大きい、捕集効率が高くないなどの問題があった。また、この固定化技法の霧化速度は、ESD法のそれよりも大幅に向上したが、用途によっては、まだ十分な霧化速度ではない。特に、大画面表示装置などに使用される大面積の薄膜を大量生産するためには、さらなる霧化速度/固定化速度(霧化量/固定化量)の向上が求められている。
生体高分子(たんぱく質など)或いは機能性高分子・有機高分子などを堆積・固定化してスポットや大面積薄膜などを化合物を最大限に有効利用しつつ形成し、かつ、その生物学的活性や機能性を保つためには、これらの物質が変性・変質を受けにくい条件で固定化して薄膜などを形成させる必要があるが、上述したように従来の方法や装置では困難であった。物質が変性・変質を受けにくい条件の1つは、生体高分子などを含んだ溶液を極めて高速に乾燥させることであるが、通常液体の蒸発速度は常温では非常に遅く、たとえ基板上への塗布等によって試料溶液を塗り広げられたとしても、乾燥状態に至るまでの速度は依然として遅い。乾燥速度を速める一つの方法は、目的の物質を含んだ溶液を加熱することであるが、ほとんどの生体高分子、有機化合物は加熱により変性・変質してしまい、生物学的活性や機能性を損なうという問題がある。
生体高分子等を変性させることなく固体化する手法としては、凍結乾燥法があるが、この手法によると凍結を行った状態で薄膜の形状を維持することは困難であり、通常は粉体となってしまう。さらに、生体高分子などのバッファー溶液中に溶解する必要がある物質やそれ自身が電気伝導度を持つ有機高分子の場合は、電気伝導度が大きいためエレクトロスプレーも困難であり、薄膜の形成は困難であった。即ち、従来の方法や装置では、生体高分子、有機高分子などの活性や機能を失うことなく、限られた量の物質から目的とする形状および厚さの薄膜を形成することは非常に困難であった。
従って、本発明の目的は、上述した諸問題を解決し、生体高分子、有機高分子、無機物質(例えば、たんぱく質、染料、有機化合物、機能性ポリマーなど)の変性、変質し易い物質を含む試料溶液(水溶液、無機や有機の溶媒溶液)をその活性(生物学的活性など)や機能を損傷することなく、極めて高速に霧化し、固定化する技法を提供することである。
上述した諸課題を解決すべく、本発明による固定化装置は、
固定化装置であって、
試料溶液を収容し、該試料溶液を吐出するための少なくとも1つの吐出口が形成された容器と、
前記容器内の試料溶液を帯電させる帯電手段と、
前記試料溶液に衝突する気流を発生させる気流発生手段と、を具え、
前記帯電手段と前記気流発生手段とを同時に作動させ、
前記帯電手段によって帯電させた前記試料溶液の電荷による静電気力と、前記気流発生手段によって発生させた気流を前記試料溶液に衝突させることによる衝突エネルギーと、によってその活性や機能性を保持したまま帯電した微小な粒子状物質として霧化し、前記少なくとも1つの吐出口から吐出させるように構成し、
前記固定化装置は、
前記帯電した微小な粒子状物質を静電気力によって堆積させる、前記容器から離れて配置された、基板を支持する支持手段と、前記気流発生手段、前記容器の吐出口、及び前記基板の相対的位置関係を調節する調節手段と、をさらに具える。
本発明によれば、生体高分子、有機高分子、無機物質(例えば、たんぱく質、染料、機能性高分子など)の変性、変質し易い物質を含む試料溶液(水溶液、無機や有機の溶媒溶液)をその活性(生物学的活性など)や機能を損傷することなく、極めて高速に霧化し、固定化することが可能となる。
また、試料溶液の特性などを考慮して、吐出された試料溶液と気流の衝突する位置を変更することが可能となる。
本発明の一実施態様では、
前記帯電手段が、前記容器の外に設けられ、前記容器に収容された試料溶液に対して静電誘導によって電荷を誘導し帯電させる。
また、本発明の別の実施態様では、
前記気流発生手段が、前記気流よりも大きい、別の気流をさらに発生させる。
また、本発明のさらに別の実施態様では、
前記固定化装置が、
前記の霧化され、かつ、帯電された微小な粒子状物質を静電気力によって収集し、前記基板へ誘導する収集手段、をさらに具える。
また、本発明のさらに別の実施態様では、
前記固定化装置が、
前記試料溶液、前記容器、前記気流、或いは、前記基板のうちの少なくとも1つの温度を制御する温度制御手段、をさらに具える。
また、本発明のさらに別の実施態様では、
前記帯電手段は、少なくとも、導電性ワイヤ、導電性薄膜、導電性メッシュ、或いは、帯電したイオンを放射する装置、のいずれか1つを具える。
また、本発明のさらに別の実施態様では、
前記固定化装置が、
前記容器の試料溶液を前記吐出口に任意の流量で供給する供給手段(ポンプなど)、および/または、
前記容器に収容されている前記試料溶液に圧力をかけて該試料溶液を任意の流量で前記吐出口から吐出する吐出手段、をさらに具える。
また、本発明のさらに別の実施態様では、
前記支持手段が、前記容器の吐出口に任意の方向で前記基板を支持する。
また、本発明のさらに別の実施態様では、
前記気流発生手段が、前記気流の流量、速度、および、方向のうちの少なくとも1つを調節する気流調節手段を具える。
また、本発明のさらに別の実施態様では、
前記固定化装置が、
前記溶液、および/または、前記気流を加熱する加熱手段、をさらに具える。好適には、加熱手段は、試料溶液供給系と、容器及び気流の温度を数百度まで上げる。これにより、試料を溶媒にとかすことなくスプレーすること(所謂熱溶融スプレー法)が可能になる。なお、上述した温度制御手段を加熱手段として使用してもよい。
また、本発明のさらに別の実施態様では、
前記収集手段が、前記容器の吐出口と前記基板との間に配置される1つまたは複数の収束電極を具える。また、前記収集手段が、前記容器の吐出口と前記基板との間に配置される絶縁体あるいは誘電体からなる、少なくとも1つのマスクを具えることが好適である。
また、本発明のさらに別の実施態様では、
前記固定化装置が、
前記粒子状物質を乾燥させる乾燥手段をさらに具え、
前記乾燥手段が、前記粒子状物質が存在する空間に乾燥空気を供給する手段、および/または、前記粒子状物質が存在する空間を減圧する手段を含むことを特徴とする。即ち、前記固定化装置が、前記粒子状物質が存在する空間を囲う筐体をさらに具え、当該空間に乾燥空気を供給する手段、または、当該空間を減圧する手段を含むことが好適である。
また、本発明のさらに別の実施態様では、
前記基板の表面の少なくとも一部が導電性物質から成り、該一部がアースされている。
また、本発明のさらに別の実施態様では、
前記導電性物質から成る表面の少なくとも一部は、所望のパターンの領域から成る。
また、本発明のさらに別の実施態様では、前記容器が、キャピラリー、タンク、箱型容器、またはシリンジである。また、前記吐出口は、任意の形状(例えば、複数の真直ぐな突起状、曲がった突起状、その断面が円状など)に形成することが好適である。また、前記気流に用いられる気体を、空気、不活性ガス(希ガス)、または熱水蒸気とすることが好適である。また、前記少なくとも1つの吐出口を複数個とすることが好適である。また、前記容器を複数とすることが好適である。
また、本発明のさらに別の実施態様では、
前記固定化装置が、
前記気流を前記基板上の特定の領域(前記粒子状物質の固定化を所望する領域)に誘導する誘導手段、をさらに有する。
本発明の一実施態様による固定化装置が使用する試料は、合成ポリマー、有機高分子、生体高分子、無機物質或いは金属微粒子などである。
本発明の一実施態様による固定化装置は、
前記支持手段を移動する移動手段(XYステージ、コンベアなど)をさらに有する。この移動手段によって、支持手段により支持されている基板が移動し、別の基板や基板の別の場所に、試料を堆積させることが可能となる。
また、本発明のさらに別の実施態様では、前記調節手段は、前記気流発生手段と前記容器を同時に保持し、且つ、前記基板に平行な平面上を駆動する駆動手段をさらに備える。これによって、堆積する構造体の厚みを均一にすることが可能になる。
また、本発明のさらに別の実施態様では、前記調節手段は、前記気流発生手段と前記容器を同時に保持し、且つ、前記基板に平行な軸上で回転駆動する首振り手段をさらに備える。これによっても、堆積する構造体の厚みを均一にすることが可能になる。
また、本発明のさらに別の実施態様では、前記複数の容器には異なる試料溶液を収納し、異なる該試料溶液中の媒質を同時に前記基板に堆積させる。異なる試料溶液を同時に霧化して基板まで飛行させることにより、異なる材料がナノレベルで混合され、均一に基板上に堆積する。さらに、異なる試料溶液の吐出量を時間変化させることにより、混合比のグラデーションを持ったデポジットが得られる。
また、本発明のさらに別の実施態様では、前記基板に堆積する構造体は、ナノファイバーとナノパーティクルとマイクロパターンとの少なくとも1つを含む。
また、本発明のさらに別の実施態様では、前記基板上に、堆積領域を制限するための導電体マスクを密着して備える。
また、本発明のさらに別の実施態様では、前記容器、前記帯電手段、前記気流発生手段、及び前記基板はケース内に格納され、前記温度制御手段は、前記ケース内を加熱することによって温度制御をする。
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。ここで、「固定化」とは、溶媒に分散或いは溶解した試料から、安定的な状態で、即ちその生物学的或いは機能的な活性を保持したまま乾燥状態で基板上に、例えば、スポット、線、任意のパターンや薄膜や不織布などのデポジットを形成させることを意味する。
本発明による固定化装置では、高速の気流が溶液表面に衝突することによって溶液の表面が乱され、そこから溶液が微小粒子を形成し、霧化されていく。この時、帯電も同時に加えられると、静電気による反発力により、この微小粒子生成はさらに促進され速やかに進む。また、形成された微小粒子は、この静電気反発力により互いに癒着することがなく、また、微小粒子はその中においてさらに小さなクラスターへとより微小化されていく。このような理由により、電圧を単独で加えた時には実現できなかった高速のESDスプレーが可能になり、種々のナノ構造体の量産が行える。気流を単独で加えた場合には、霧化は起こってもESDスプレーによって生じるナノ構造体は出来ない。このように、気流と帯電との相乗効果は非常に大きなものである。
また、気流の衝突によって、キャピラリー先端部の溶液は衝突エネルギーを受け、多数の微小液滴(液粒、粒子状物質)となり拡散する。同時に、溶液には予め高電圧が印加されているために、液滴は電荷を帯電し、静電力により、液滴は多数のより小さい液滴となり拡散していく。これら2つの衝突エネルギーと静電力とによって、霧化した液滴は、飛行中に短時間でより細かい液滴へと変化していく。即ち、この飛び出した帯電した微細な粒子状物質は、接地された基板、或いは、反対の極性を与えられた電極へ向かって飛行する間に、溶媒や水を蒸発させ、粒径が減少してゆく。また、粒子状物質はその内部の静電的な反発によってさらに小さな粒子状物質へと分割していく。そして、基板に、乾燥状態でデポジットとして固定化される。このように、溶液を帯電した微細な粒子状物質として霧化させることができる。なお、吐出口では、電圧印加の静電気力と気流による霧化の他に、静電気力のみによる霧化も同時に発生する場合もある。
帯電した微細な粒子状物質として空中に、静電的なエネルギーおよび/または、衝突エネルギーによる衝撃によって飛び出す。この飛び出した帯電した微細な粒子状物質は、接地された基板、或いは、反対の極性を与えられた電極へ向かって飛行する間に、溶媒や水を蒸発させ、粒径が減少してゆく。また、粒子状物質はその内部の静電的な反発によってさらに小さな粒子状物質へと分割されることになる。そして、基板に、乾燥状態でデポジットとして固定化される。
本発明の一実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。 本発明の別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。 本発明のさらに別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図(側面図)である。 本発明のさらに別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図(上面図)である。 本発明のさらに別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図(側面図)である。 本発明のさらに別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図(上面図)である。 本発明のさらに別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。 本発明のさらに別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。 本発明のさらに別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。 本発明のさらに別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。 本発明のさらに別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。 本発明のさらに別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。 本発明のさらに別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。 本発明の一実施形態による装置において、気流のみを使って霧化を試行した場合の模式図である。 本発明の一実施形態による装置において、電圧印加のみを使って霧化を試行した場合の模式図である。本発明の原理を説明するための模式図である。 本発明の霧化原理を示す模式図である。 複数の基板にアレイ状のスポット/デポジットを固定化した構成の一例を示す図である。 本発明の霧化原理を示す模式図である。 本発明の一実施形態による固定化装置を使用して製作したデポジット(比較例)のSEM写真を示す図面代用写真である。 本発明の一実施形態による固定化装置を使用して製作したデポジット(実施例)のSEM写真を示す図面代用写真である。 本発明の一実施形態による固定化装置を使用して製作したデポジット(比較例)のSEM写真を示す図面代用写真である。 本発明の一実施形態による固定化装置を使用して製作したデポジット(実施例)のSEM写真を示す図面代用写真である。 本発明の一実施形態による固定化装置を使用して製作したデポジット(実施例)のSEM写真を示す図面代用写真である。 溶液流量(吐出流量)と気流の風圧との関係を示すグラフである。
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の一実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。図に示すように、シリンジ(容器)1は、試料溶液2を収容している。試料溶液2は、例えば、たんぱく質などの生体高分子溶液・有機高分子溶液あるいはポリマー溶液などである。
また、シリンジ1内の試料溶液はプランジャー(吐出手段)3で押し出しの圧力を受けている。押し出しの圧力は、例えば、ステッピング・モータとネジ送り機構(図示せず)によって与えられる。押し出し圧力を受けた試料溶液2は、シリンジ1内で内圧が増加し、ノズル4の先端から排出される。上述したように、試料溶液を吐出する速度を調整する調整機構(ステッピング・モータとネジ送り機構)を設けることによって、適切な吐出速度に調整することが可能となる。このような調整によって、過剰な速度でおきるウェットなデポジットではなく、乾燥したデポジットを得ることが可能となる。即ち、ウェットなデポジットが生じないような、限界の吐出速度に調整することが可能となる。また、量産性対応のために、別途、試料溶液用タンクを増設し、タンクから試料溶液を補充することで長時間運転を可能にすることができる。試料溶液は図1のようなシリンジ、図3のようなタンク、キャピラリー、箱形容器のいずれの入れものであっても、霧化は同様に実現できる。ノズル4は、金属製であり、高電圧電源PSからプラスの電圧がワイヤ5を介して供給されている。高電圧電源PSのマイナス側は、対向電極11に繋がっている。高電圧電源から電圧を印加することで、ノズル4を経由して試料溶液2にはプラスの電圧が印加され溶液はプラスに帯電される。なお、試料溶液2に与える電圧の極性はマイナスであってもよい。
ノズル4の先端から排出された試料溶液2は、チューブ14から噴射される圧縮空気(或いは圧縮窒素でもよい)の高速の気流Afと衝突し、試料溶液2は、その衝突エネルギーによって、霧化され、細かい粒子状物質となる。調整機構(図示しない)によって方向および速度を調整された圧縮空気は、一定の運動エネルギーを持つ気流(気体)として、試料溶液2と衝突する。試料溶液自体も、僅かであるが吐出速度およびその比重に応じた運動エネルギーを持つ。これら運動エネルギーを持つ気流と試料溶液との衝突によって生じる衝突エネルギーによって、試料溶液2の粒子が表面張力に打ち勝って、試料溶液の表面から粒子として飛び出てゆく(即ち、細かい粒子として霧化されていく)。圧縮空気の速度を高くするとこの衝突エネルギーが増えて、霧化される液滴の粒径が小さくなる。圧縮空気の速度を高くするのに応じて、溶液の吐出量を増加させることができる。同様に、ノズルや吐出口から吐出される試料溶液の速度を高くしても、霧化される液滴の粒径を小さくすることができる。これは、1つのデポジット(薄膜や、ナノファイバーやナノパーティクルからなる微小構造体など)を短時間で作製でき、製造コストも低減できることを意味する。
このときチューブ14から出す気流Afは、通常、ポンプなどを使って気圧をコントロールしたものを使う。気圧をコントロールすることによって、継続的に安定した風速、風量の気流が得られ、よって、同じ性質(粒径など)のデポジットを得ることができる。しかも気流Afを、試料溶液2の直近で当てると、より効果的に粒子化できるのでチューブ14の先端をノズル4の直近まで距離的に近づけることが好適である。チューブ14の代わりに、管継手またはエアーノズルまたはエアーガンなどで圧縮空気を送ると気体の流れが集中できて、気流の方向性が安定した気流Afを噴射することができる。圧縮空気以外に用途に応じて、不活性ガス、熱水蒸気などを使用してもよい。シリンジ1の先端の金属のノズル4には、前述したようにワイヤ5が接続されており、外部の高電圧電源PSからワイヤ5を介してプラスの電圧が印加される。最終的にプラスの電荷は、ノズル4を通過する試料溶液2に伝達される。試料溶液2への電荷のかけ方には金属ノズル以外に導電性ワイヤ、導電性薄膜、導電性メッシュ、あるいは帯電したイオンを放射する装置などでも実現できる。高電圧電源PSのマイナス側の端子は、霧化したサンプルを捕集する対向電極11に繋がっている。高電圧電源PSの極性は、図1では試料溶液2をプラス、対向電極11をマイナスに設定してあるが、高電圧電源の極性を入れ替えても、同様にデポジットを形成することができる。
或いは、対向電極にマイナスの極性の電圧を印加せず、単にアースしてもよい。対向電極をアースすると、さらにデポジットが持つ電位がアースされ、電気的中立状態になるメリットと、デポジットを取り出す際の人の感電の危険をなくすこともできる。対向電極は通常大きな平面を使うが、所望の形状に変えることで、デポジットをその形に形成させることもできる。通常、デポジットの形は後述するマスクを使って形成するが、対向電極そのものの形を変えれば、セッティングの取り扱いも簡単であり、容易に捕集効率を上げながら、所望の任意の形をしたデポジットを形成することができる。
気流Afによって霧化された、粒子状物質6は、帯電された状態で飛行する。粒子状物質は、ミクロ的には同じプラスの電荷を持った粒子の集合体と見ることができる。即ち、同じプラスの電荷を持った粒子がくっつき合った状態で、対向電極11に向かって飛行する。粒子同士は同じ電荷を持っているため、次第に相互に反発しながら分裂を繰り返し、かつ、乾燥しながら、次第に細かい微細な粒子状物質になって対向電極11が持つマイナスの電位に引き付けられて、支持部8に支持された基板7に堆積し、デポジット9(或いは、スポット、フィルム、薄膜マスク等で決められた特定のマイクロパターン)となる。支持部8は、基板7と対向電極11の2つの導電物を密着した状態で支持する役割を持つ。
本固定化装置によれば、試料溶液を高速に霧化できるため、非常に高速に薄膜を形成することができる。また、堆積/固定化したデポジット9も、均一な厚さに調整することが可能である。また、高速の気流Afによって、霧化された粒子状物質6の乾燥化はさらに助長される。また、常温で試料を捕集できることから、溶液の活性および/または機能性を損なわず、試料を固定化することが可能である。さらに、粘性の高い溶液であっても、プランジャー3の押し出し圧力と高速の気流Afによって、容易に霧化することができる。
試料/粒子状物資地が堆積する場所は、図1が示すように圧縮空気が流れる方向の先にあるが、別の大きな気流発生手段を増設することによって、飛行する粒子物質6の飛行方向を変え、試料/粒子状物資地が堆積する場所を任意に設定してもよい。この場合、2つの気流発生手段の気流の的が異なり、気流をノズルの先端に集中させたものと、飛行中の粒子物質に的をしぼったものとなる。また、本構成では、温度を調節するために、シリンジなどの容器、気流、対向電極の温度を制御(特に温める)温度制御機構を設けることもできる。容器、気流を温めることで、低温では不安定で活性や機能性を失い易い試料溶液にも対応できる。
<実施の形態2>
図2は、本発明の別の実施の形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。以降、各図において、同様の要素には、同様の参照符号を付してあり、それらの説明は省略する。図1では高速の気流Afの方向がノズルの真横から吹き出すのに対して、図2では斜め上から吹き出す構成としてある点で、図2の装置は図1のそれと異なる。気流Afの方向は、斜め上からでも真上からでも同様に霧化することができる。図2では、シリンジ1を避けて、斜め上から気流Afを、吐出口EXTに位置する試料溶液2に衝突させ、試料を水平な基板7に堆積させる。このように配置することによって、シリンジ1を避けて気流Afをノズル4の先端部に当てることができるため、気流Afの勢いをそぐことがなく、効率良く霧化することができる。また、シリンジ1の真横から気流Afを当てるほうが、装置のサイズが大きくなるが、本構成ではチューブ14を斜めに配置することで装置のサイズを小さくすることができる。また、本構成では、デポジットが水平な基板上に形成され、デポジットにたわみが生じにくい。
<実施の形態3>
図3及び図4は、本発明のさらに別の実施の形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。図3及び図4に記載の装置と図1に記載の装置との主な違いは、基板7の平面に平行な平面上でシリンジ1及びチューブ14を駆動するよう構成したことである。図3はシリンジ1及びチューブ14をY軸方向(上下方向)に駆動する構成を説明し、図4はシリンジ1及びチューブ14をX軸方向(左右方向)に駆動する構成を説明している。図から読み取れるように、本実施の形態では、シリンジ1及びチューブ14はY軸方向の駆動手段とX軸方向の駆動手段によって独立に駆動可能に備えられている。シリンジ1及びチューブ14は基板7との相対的位置関係を変更することによって、粒子状物質6の堆積する位置を変化させる。例えば、粒子状物質6の飛行方向にむらがあったとしても、シリンジ1及びチューブ14は基板7との相対的位置関係を変更することによって、粒子状物質6の堆積が均一化される効果を有する。
なお、本実施の形態では、シリンジ1とチューブ14とを同時に駆動する例を示したが、シリンジ1とチューブ14を独立に駆動する構成も考えられる。この構成では、シリンジ1のノズル4とチューブ14の送風口との相対的位置関係が変化し、粒子状物質6の飛散状態を変化させることができ、さらに多様な調節が可能となる。
<実施の形態4>
図5及び図6は、本発明のさらに別の実施の形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。図5及び図6に記載の装置と図1に記載の装置との主な違いは、シリンジ1及びチューブ14を、支点軸17を中心に首振り駆動するよう構成したことである。図5は本実施形態の構成を回転軸となる支点軸の側面方向から眺めた図であり、図4は本実施形態の構成を支点軸17の上方から眺めた図である。図から読み取れるように、本実施の形態では、シリンジ1及びチューブ14の角度を変更することによって、粒子状物質6の飛行方向を変化させる。すなわち、粒子状物質6の飛行方向を変化させることによって、粒子状物質6の基板7での堆積位置を変化させることができる。これによっても粒子状物質6の堆積が均一化される効果を有する。
なお、本実施の形態と実施の形態3を組み合わせて、シリンジ1及びチューブ14を平行移動させると共に、首振り駆動させる構成も考えられる。
<実施の形態5>
図7は、本発明のさらに別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。図7の装置と図1のそれとの主な違いは、シリンジ1の代わりにタンク15を使用し、タンク15の底面にノズルの代わりに吐出口EXTを設けたことである。さらに、タンク15の底面に設けた吐出口EXTに対向して静電誘導装置16を設けてある。静電誘導装置16にはプラスの電位が供給されている。静電誘導装置(電極など)16は、タンク15や試料溶液に接触せずに、試料溶液2に電荷を与えることが可能である。このように、静電誘導装置16は、ノズル4近傍に高電圧のかかった電極などの部材を置くことで、試料溶液を静電誘導によって間接的に帯電させるものである。試料溶液は、吐出口EXTの場所で噴霧前に帯電される。高速の気流Afは横から当てているため、対向電極11も気流Afの延長方向に配置してある。この構成では、シリンジの代わりに容器を使っているため、量産により適している。また、容器は平坦な部分が多いため、容易に複数の吐出口を設けることができる。従って、吐出口の数を増やせば増やすだけ、時間当たりのデポジット製造数や製造量を増加することが可能である。
なお、本実施形態においても、チューブ14及びタンク15を、基板7の平面に平行な平面上で駆動するよう構成してもよい。さらに、チューブ14及びタンク15を、中心に首振り駆動するよう構成してもよい。
<実施の形態6>
図8は、本発明のさらに別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。図8の装置と図7のそれとのとの主な違いは、図7では、ノズルの真横の方向から気流Afを吹き出すのに対して、図8では、斜め下から気流Afを吹き出す構成としたことである。さらに、タンク15を導電性とし、タンク15にワイヤ5を接続して、タンク15経由で試料溶液2に電荷を与える。このように、気流Afを斜め下から吐出口EXTに当てているため、気流Afの運動エネルギーを、より効率的に試料溶液2に伝達できるため、より衝突エネルギーが高くなる。従って、霧化速度や霧化効率が向上し、液滴をより微細化することが可能となる。
<実施の形態7>
図9は、本発明のさらに別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。図9の装置と図7のそれとのとの違いは、タンク15の吐出口EXTを上側に配置したことである。吐出口を上側に配置してあるため、液自体の重さによる液だれのない状態で吐出量の調整ができるメリットがある。さらに、本実施形態では、圧縮空気の代わりに熱水蒸気を用いて、高熱の気流Afを使用している。さらに、タンク15にはヒータHTを設置し、試料溶液2を加熱して溶融状態にさせてある。本構成によれば、常温では固体やゲル状のものであっても、スプレーして固定化することが可能となる。従って、本構成によれば、従来は溶媒や試料として使用できなかったような物質や素材を用いてデポジットを作製することが可能となる。
<実施の形態8>
図10は、本発明のさらに別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。図10の装置と図9のそれとのとの主な違いは、図9では気流Afの方向がノズルの真横からの吹き出しに対して、図6では斜め上からの吹き出しとしたことである。また、図に示すように、装置全体をケースCSに収容し、霧化が発生する空間を真空ポンプVACで減圧にしてある。霧化が起こる空間を減圧にすることで、溶媒の蒸発をさらに速くしたり、霧化速度を速めたりすることが可能となり、活性や機能性がより高い状態で試料を固定化することができる。
さらに、本実施例の構成のように装置全体をケースCSに収容した場合は、ケース内の装置(試料溶液2、タンク15、チューブ14、基板7など)のすべてを均一に加熱することが可能である。その結果、より安定してデポジットを形成することができる。
<実施の形態9>
図11は、本発明のさらに別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。図に示すように、装置は3つの霧化ユニット10a,10b,10cを具える。本実施形態のそれぞれの霧化ユニット10a,10b,10cは、シリンジ1内に試料溶液2を収納し、プランジャー3によって圧力を掛け、ノズル4を介して試料溶液2を吐出し、圧縮空気をチューブ14から噴出する構成をもつ。即ち、本実施形態の霧化ユニット10a,10b,10cは、それぞれが実施の形態1で説明された構成を有する。このように、本構成では、霧化ユニットを多数設けることが可能であり、大量生産に適した構成である。さらに、実施の形態9では、ノズル4と基板7との間に、スプレーされた試料溶液/粒子状物質を含む気流Afを基板7に誘導するためのガイドGDを設けてある。ガイドGDによって、気流Af(即ち、スプレーされた試料溶液/粒子状物質)を目的の堆積エリアに効果的に誘導することが可能となる。
<実施の形態10>
図12は、本発明のさらに別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。図12の装置と図11のそれとの主な違いは、タンク15の底面にノズルの代わりに吐出口EXTを設け、さらにタンク15を導電性としたことである。すなわち、本実施例では3つの霧化ユニット10a,10b,10cとして、それぞれが実施の形態5に対応した構成を具える。このように、本構成も、霧化ユニットを多数設けることが可能であり、大量生産に適した構成である。
<実施の形態11>
図13は、本発明のさらに別の実施形態による固定化装置の基本的な構成を示す概念図である。図13に示すように、本構成では、タンク15の側面に吐出口EXTを設けてある。また、試料溶液は、(不図示の)ポンプによって、所望の流量、所望の液圧に調整して供給される。本構成の気流Afは、溶液の種類と粘度に応じて流量や空気圧を調整することが可能である。これら2つの調整を組み合わせて霧化速度/固定化速度を容易に調整することが可能となる。
図に示すように、本実施形態の固定化装置は3つの霧化ユニット10a,10b,10cを具える。このように、本装置も、霧化ユニットを多数設けることが可能であり、大量生産に用いることが可能である。
また、本構成では、液滴を収集或いはガイドするガイド機構/収集手段としてドーナツ型電極12a−cとマスク13a−cをさらに設けてある。タンク15a−cには、高電圧電源PS1、PS2の2つの電圧が印加される。ドーナツ型電極(コリメータリング)には、高電圧電源PS2から供給される電圧が印加される。静電噴霧された粒子は、高電圧で帯電しているため、粒子自体との電位差が大きい対向電極を目指して飛行していく。その途中にあるドーナツ型電極の輪を通過するときに、霧化された粒子はドーナツ型電極の高電圧の反発力によって、より輪の中心に絞り込まれ、霧化した液滴の捕集効率を上げることができる。
また、基板7a−cの上に設けたマスク13a−cは、フッ素樹脂などの絶縁物で所望の堆積パターンの形にくりぬき、さらに捕集効率を上げつつ、所望のパターンで試料をデポジット9a−cとして堆積させることができる。マスクを絶縁物で作ることによって、マスクには飛行する粒子と同じ帯電が起き、飛行粒子はマスクからの反発を受け、堆積パターンの形に集中する。そして、そのパターンの形状でデポジットされる。よって、捕集効率を高めることができる。
また、基板7a−cの上に設けたマスク13a−cを金属などの導電体によって構成することもできる。金属などの導電体によって作られたマスク13a−cは、基板7a−cに密着していることにより基板7a−cと等電位である。この場合、基板7a−cと同様に、粒子状物質6を引き付けるような帯電をしていることになり、マスク13a−c上に
も粒子状物質6が堆積してしまうが、マスク13a−cのエッジ付近にも粒子状物質6を堆積させることができる。すなわち、マスク13a−cを金属などの導電体によって構成すれば、パターンがシャープなデポジットを形成することができる。
なお、いずれの実施の形態においても、実施の形態7のように、気流Afを基板7に誘導するための筒状、管上のガイドを設けてもよい。
図16は、本発明の原理を説明するための模式図である。図14は、本発明の一実施形態による装置において、気流のみを使って霧化を試行した場合の模式図である。図15は、本発明の一実施形態による装置において、電圧印加のみを使って霧化を試行した場合の模式図である。各図において、タンク15に収容された試料溶液2は、タンク15の底面に設けた吐出口EXTから排出される。図16では、タンク15内の試料溶液2は、高電圧電源PSによりプラスの電荷を与えられている。そして、吐出口EXTから突出した試料溶液2には水平方向から気流が衝突する。この気流の持つ運動エネルギー(これは衝突エネルギーと見なすことができる)と、試料溶液2の持つ静電気力との相乗的な作用で、溶液の粒子が粒子状物質6aとして霧化されていく。粒子状物質6bは、基板7(対向電極11)に向かって飛行しながら、乾燥していく。
霧化された粒子状物質6aは、乾燥することによって粒径が減少していき、さらに電荷による静電反発が強くなり、分割を繰り返し、さらに微小化されていく。また、粒子状物質6aは基板7(正確には基板の向こう側の電極11)に向かって飛行しながら、気流に与えられた運動エネルギー(衝突エネルギー)によっても、分割を繰り返し、さらに微小化していく。即ち、図16に示すように、粒子状物質6aは、吐出口EXTと基板7との中間くらいの距離では、粒子状物質6bとして示すように粒径が小さくなり、基板7に堆積/吸着するときには、粒子状物質6cとして示すように粒径はさらに小さくなる。堆積した粒子状物質6c(デポジット)は、乾燥した、或いは、ほぼ乾燥した状態であり、活性や機能性を失うことはない。図16では、ナノパーティクルからなる微小構造体のデポジットが得られているが、ナノファイバーからなる微小構造体(不織布状シートなど)としてデポジットを形成することできる。
図14では気流のみによる霧化であるため、液滴は、粒子状物質6bとして示す程度までしか粒径を小さくすることができない。即ち、気流の持つ運動エネルギーと、吐出口EXTから吐出された試料溶液2の持つ運動エネルギーとによる衝撃エネルギーの分しか霧化に使われない。よって、霧化された粒子状物質の粒径を十分に微細化し、粒子状物質を十分に乾燥した状態にすることは困難である。従って、基板7には、十分に乾燥したデポジットを形成することができず、図14のような溶液層L1が形成される。即ち、図14の場合には、ナノ構造体は形成されず、また乾燥した状態で試料を固定化することができない。また、この場合、粒子状物質は帯電していないため、対向電極11によって引き付けられることもない。よって、基板7に捕集されず試料が無駄になってしまう。
図15では、電圧印加のみによる静電噴霧であるため、吐出口EXTの口径が大きすぎる場合、図のように液が落下するだけで霧化することが困難である。また、吐出口EXTの口径が十分に小さくても、液の吐出量を多くすると、図のように液が落下するだけで霧化することができない。従って、基板7に十分な大きさ/厚さ/量のデポジットを短時間で形成することは困難である。
他方、図16は、吐出口EXTの口径が大きく、かつ、吐出量が多くなっても、図のように液が落下することなく、溶液を霧化して、良好な状態の十分な大きさ/厚さ/量のデポジットを極めて短時間で作製することが可能である。
図17は、複数の基板にアレイ状のスポット/デポジットを固定化した構成の一例を示す図である。図に示すように、支持部8が基板7a−cを支持している。個々の基板に、複数のスポットSPを固定化したスポットアレイAr1−3が作成されている。このように、本発明の実施形態による装置は、複数の基板に、複数のアレイを作成することも可能である。1つの基板にスポットアレイを作成するためには、所望の堆積場所に試料/粒子を誘導するために、特定のパターンを持つマスク(図示せず)やコリメータリング(電極、図示せず)を使用することができる。また、基板の裏側にアレイパターンを模した電極(図示せず)を設けてもよい。
図18は、本発明の霧化原理を示す模式図である。縦軸は、溶液表面から液滴が飛び出すとき或いは飛行中の霧化/液滴分割に作用するエネルギー量状態を示す。左の縦軸は、衝突エネルギーを示し、右の縦軸は静電気力を示すものである。即ち、縦軸の上側では、霧化/液滴分割に作用するエネルギーとしては衝突エネルギーが支配的であり、縦軸の下側では、静電気力が支配的である。横軸は、液滴の位置(霧化した後の時間の推移と見なしてもよい)を示す。左端の位置L1は霧化の初期段階であり、衝突エネルギーが支配的である。溶液が霧化して、液滴が基板に向かって飛行しているときは、例えば、中間の位置L2では、衝突エネルギーと静電気力とが拮抗している。そして、基板の位置L3では、静電気力が支配的であり、主として静電気力によって液滴が分割している。
図19は、本発明の一実施形態による固定化装置を使用して製作したデポジット(比較例)のSEM写真を示す図面代用写真である。これは、気流なしで電圧印加(12kV)のみで作製したデポジットである。試料溶液は、10wt%のPVA(ポリビニルアルコール)の水溶液である。この4μL/minの条件では、正常にスプレーができ、良好な状態でナノファイバー(繊維)状の構造体が乾燥した状態で得られた。気流なしでは、この例の条件である4μL/minまでしか流量を増加することができない。吐出流量4μL/minを越えると、液が垂れてしまい正常にスプレーできなくなる。
図20は、本発明の一実施形態による固定化装置を使用して製作したデポジット(実施例)のSEM写真を示す図面代用写真である。これは、気流の気圧0.5kg/cm2の条件で、電圧印加(12kV)、流量100μL/minの条件で作製したデポジットである。試料溶液は、10wt%のPVA(ポリビニルアルコール)の水溶液である。気流なしでは4μL/minまでしか流量を増加することができなかったが、本条件では図16のように約25倍の流量であっても、正常にスプレーができ、良好な状態でナノファイバー(繊維)状の構造体のデポジットが乾燥した状態で得られた。
図21は、本発明の一実施形態による固定化装置を使用して製作したデポジット(比較例)のSEM写真を示す図面代用写真である。これは、気流なしで電圧印加(15kV)のみで作製したデポジットである。試料溶液は、1wt%のPVA(ポリビニルアルコール)の水溶液である。この4μL/minの条件では、正常にスプレーができ、良好な状態でナノ粒子からなるデポジットが乾燥した状態で得られた。気流なしでは、この例の条件である4μL/minまでしか流量を増加することができない。吐出流量4μL/minを越えると、液が垂れてしまい正常にスプレーできなくなる。
図22は、本発明の一実施形態による固定化装置を使用して製作したデポジット(実施例)のSEM写真を示す図面代用写真である。これは、気流の気圧0.5kg/cm2の条件で、電圧印加(30kV)、流量50μL/minの条件で作製したデポジットである。試料溶液は、1wt%のPVA(ポリビニルアルコール)の水溶液である。気流なしでは4μL/minまでしか流量を増加することができなかったが、本条件では図22のように流量50μL/minであっても、正常にスプレーができ、良好な状態でナノ粒子からなるデポジットが乾燥した状態で得られた。
図23は、本発明の一実施形態による固定化装置を使用して製作したデポジット(実施例)のSEM写真を示す図面代用写真である。これは、気流の気圧0.5kg/cm2の条件で、電圧印加(30kV)、流量100μL/minの条件で作製したデポジットである。試料溶液は、1wt%のPVA(ポリビニルアルコール)の水溶液である。気流なしでは4μL/minまでしか流量を増加することができなかったが、本条件では図23のように約25倍の流量であっても、正常にスプレーができ、良好な状態でナノ粒子からなる構造体のデポジットが乾燥した状態で得られた。
図24は、溶液流量(吐出流量)と気流の風圧との関係を示すグラフである。四角は、流量をあまり増加させずに、風圧を増加させた場合の例である。ダイヤは流量を多くした場合の例である。どちらでも、乾燥した均一な状態のデポジットが作成できた。
本発明の一実施形態による固定化装置を用いて、下記のような様々な条件でデポジットを作製した。
<比較例1(電圧なし、気流のみによる霧化)>
エアポンプ:AS ONE
エアチューブ先端径: 1mm
エアチューブ位置:ノズル直下
試料溶液:10%PVA水溶液
ノズル−基板距離:22.5cm
ノズル:17G(内径1mm)
風圧:0.5kg/cm
溶液流量:200uL/min
比較例1の条件では、溶液は断続的にノズル先端から液滴のまま飛び、ナノファイバーは形成されない。また、基板上には液滴が集まって湿った状態であり、乾燥した状態で固定化できていない。
<比較例2(電圧なし、気流のみによる霧化)>
試料溶液:1%PVA水溶液
ノズル:27G(内径0.21mm)
風圧:0.5kg/cm
溶液流量:100uL/min
比較例2では、溶液はノズル先端から霧状になって飛ぶが、基板上で粒子は形成されず、湿った状態、即ち、液たまりができ、乾燥した状態で固定化できない。
<実施例1(電圧あり、気流あり。不織布状のデポジット作製>
エアポンプ:AS ONE
エアチューブ先端径:1mm
エアチューブ位置:ノズル直下
試料溶液:10%PVA水溶液
ノズル−基板距離:22.5cm
ノズル:17G(内径1mm)
風圧:0.5kg/cm
溶液流量:200uL/min
実施例1の条件では、溶液は基板上にナノファイバーのデポジットを形成でき、試料を乾燥した状態で固定化できた。
<実施例2(電圧あり、気流あり。粒子状のデポジット作製)>
試料溶液:1%PVA水溶液
ノズル:27G(内径0.21mm)
風圧:0.5kg/cm
溶液流量:100uL/min
比較例2では、溶液はノズル先端から霧状になって飛び、基板上にナノ粒子が乾燥した状態で固定化できた。
このように、本発明は、電圧印加による静電気力と気流と溶液との衝突エネルギー(運動エネルギー)という2つのファクターを使用した、新規な霧化原理を使用するものであり、電圧印加と気流の衝突という2つのファクターの相乗効果によって、液滴をより微細にすることができる。さらに、霧化速度(固定化速度、製作速度)を劇的に向上させることが可能となる。また、従来は、溶液の粘度、溶質の溶解性、電気伝導度の問題で静電噴霧に適さなかった溶液も、本構成によれば容易に噴霧して固定化することが可能となる。
本発明の実施形態による効果を再度説明する。試料の活性を保持したまま、或いは、変性あるいは変質させずに、基板上に固定化した薄膜やスポットなどを極めて高速で形成することができる。例えば、成膜装置、マイクロアレイ(DNAチップ)作製機(チップアレイヤー)として使用できる。特に、従来のESD法では、電気伝導度の高い溶液(電気伝導度の高いバッファー溶液を含む場合など)は使用できなかったが、本装置では、静電気力と衝突エネルギーの相乗効果による霧化機構を使用しているため、電気伝導度の高い溶液も使用することができるようになる。即ち、蛋白質などを固定化する場合、蛋白質を安定な状態で保持するバッファー溶液を除去しなくても本装置で使用できるため、薄膜形成の作業時間は短時間で済む。従って、より活性の高い試料を含む薄膜や不織布などのデポジットを作製できるというメリットがある。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。実施形態では、気流を幾つかの方向から吐出口やノズル先端に吹き付ける形式を説明したが、これら以外に様々な形態で本装置を構成することが可能である。例えば、吐出口やノズルを上に向ける形式であっても本発明を実現することが可能である。実施例では対向電極を使用する形式で説明したが、対向電極を使用しないで、基板をアースする構成であってもよい。また、圧縮空気以外の窒素、希ガスなどの圧縮ガスを使用してもよい。試料溶液としては、例えば、たんぱく質などの生体高分子溶液・有機高分子溶液あるいはポリマー溶液などを用いることができる。気流発生手段では、圧縮空気のみならず、圧縮窒素ガスなどを気体に用いることができる。また、本明細書における用語「試料溶液」は、試料を溶解した「溶液(即ち水)」に限らず、溶媒(例えばエタノールなどの有機溶媒、或いは無機溶媒など)に試料を溶解させた場合、或いは、試料を完全に溶解させたものに限らず、水や溶媒に試料を分散させたようなものを包含させるものとする。

Claims (27)

  1. 固定化装置であって、
    試料溶液を収容し、該試料溶液を吐出するための少なくとも1つの吐出口が形成された容器と、
    前記容器内の試料溶液を帯電させる帯電手段と、
    前記試料溶液に衝突する気流を発生させる気流発生手段と、を具え、
    前記帯電手段と前記気流発生手段は同時に作動し、
    前記帯電手段によって帯電させた前記試料溶液の電荷による静電気力と、前記気流発生手段によって発生させた気流を前記試料溶液に衝突させることによる衝突エネルギーと、によってその活性や機能性を保持したまま帯電した微小な粒子状物質として霧化し、前記少なくとも1つの吐出口から吐出させるように構成し、
    さらに、
    前記帯電した微小な粒子状物質を静電気力によって堆積させる、前記容器から離れて配置された、基板を支持する支持手段と、
    前記気流発生手段、前記容器の吐出口、及び前記基板の相対的位置関係を調節する調節手段と、
    を具える固定装置。
  2. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記帯電手段が、前記容器の外に設けられ、前記容器に収容された試料溶液に対して静電誘導によって電荷を誘導し帯電させる固定化装置。
  3. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記気流発生手段が、前記気流よりも大きい、別の気流をさらに発生させる固定化装置。
  4. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    霧化された前記帯電された微小な粒子状物質を静電気力によって収集し、前記基板へ誘導する収集手段、
    をさらに具える固定化装置。
  5. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記試料溶液、前記容器、前記気流、或いは、前記基板のうちの少なくとも1つの温度を制御する温度制御手段、
    をさらに具える固定化装置。
  6. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記容器に前記試料溶液を任意の流量で供給する供給手段、
    をさらに具える固定化装置。
  7. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記容器に収容されている前記試料溶液に圧力をかけて該試料溶液を任意の流量で前記吐出口から吐出する吐出手段、
    をさらに具える固定化装置。
  8. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記支持手段が、前記容器の吐出口に任意の方向で前記基板を支持する固定化装置。
  9. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記気流発生手段が、前記気流の流量、速度、および、方向のうちの少なくとも1つを調節する気流調節手段を具える固定化装置。
  10. 請求項4に記載の固定化装置であって、
    前記収集手段が、前記容器の吐出口と前記基板との間に配置される1つまたは複数の収束電極を具える固定化装置。
  11. 請求項4に記載の固定化装置であって、
    前記収集手段が、前記容器の吐出口と前記基板との間に配置される絶縁体あるいは誘電体からなる、少なくとも1つのマスクを具える固定化装置。
  12. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記粒子状物質を乾燥させる乾燥手段をさらに具え、
    前記乾燥手段が、前記粒子状物質が存在する空間に乾燥空気を供給する手段、および/または、前記粒子状物質が存在する空間を減圧する手段を含む、固定化装置。
  13. 請求項4に記載の固定化装置であって、
    前記基板の表面の少なくとも一部が導電性物質から成り、該一部がアースされている、
    ことを特徴とする固定化装置。
  14. 請求項13に記載の固定化装置であって、
    前記導電性物質から成る表面の少なくとも一部は、所望のパターンの領域から成る、固定化装置。
  15. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記容器が、キャピラリー、タンク、箱型容器、またはシリンジである、固定化装置。
  16. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記少なくとも1つの吐出口が複数個である、固定化装置。
  17. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記容器が複数である、固定化装置。
  18. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記気流を前記基板上の特定の領域に誘導する誘導手段、
    をさらに有する、固定化装置。
  19. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記支持手段を移動する移動手段、
    をさらに有する、固定化装置。
  20. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記調節手段は、前記気流発生手段と前記容器を同時に保持し、且つ、前記基板に平行な平面上を駆動する固定化装置。
  21. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記調節手段は、前記気流発生手段と前記容器を独立に保持し、且つ、それぞれ独立に前記基板に平行な平面上を駆動する固定化装置。
  22. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記調節手段は、前記気流発生手段と前記容器を同時に保持し、且つ、前記基板に平行な軸上で回転駆動する固定化装置。
  23. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記調節手段は、前記気流発生手段と前記容器を独立に保持し、且つ、それぞれ独立に前記基板に平行な軸上で回転駆動する固定化装置。
  24. 請求項17に記載の固定化装置であって、
    前記複数の容器には異なる試料溶液を収納し、異なる該試料溶液中の媒質を同時に前記基板に堆積させる固定化装置。
  25. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記基板に堆積する構造体は、ナノファイバーとナノパーティクルとマイクロパターンとの少なくとも1つを含む固定化装置。
  26. 請求項1に記載の固定化装置であって、
    前記基板上には、堆積領域を制限するための導電体マスクを密着して備える固定化装置。
  27. 請求項5に記載の固定化装置であって、
    前記容器、前記帯電手段、前記気流発生手段、及び前記基板はケース内に格納され、
    前記温度制御手段は、前記ケース内を加熱することによって温度制御をする固定化装置。
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