JPWO2004041934A1 - 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents

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Abstract

熱可塑性ポリエステル樹脂の溶融粘度を効率的に向上させることにより、押出成形、ブロー成形、カレンダー成形、特に異型やボード、パイプなどの押出成形において安定した加工性を発現し、かつ、表面性が良好で耐衝撃性に優れた成形体を得るための熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、エポキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート(a)3〜95重量%、その他のアルキル(メタ)アクリレート(b)5〜97重量%、およびこれらと共重合可能なその他のビニル単量体(c)0〜92重量%を重合することにより得られる重量平均分子量1000〜40万の熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)0.1〜50重量部、およびコア−シェル型のグラフト重合体(C)1〜50重量部を配合することにより、押出成形において安定した加工性を発現し、かつ、表面性が良好で耐衝撃性に優れた成形品が得られた。

Description

本発明は、熱可塑性ポリエステル樹脂の押出成形、カレンダー成形、ブロー成形、インジェクション成形、特に異型やボード、パイプなどの押出成形において、安定した加工性を得るこができ、かつ表面性および耐衝撃強度が良好な成形体を得るための熱可塑性ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形体に関するものである。
詳しくは、熱可塑性ポリエステル樹脂に対して、エポキシ基を有するアルキル(メタ)アクリレート、その他のアルキル(メタ)アクリレートおよびこれらと共重合可能なその他のビニル単量体からなる重量平均分子量1000〜40万の熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤、およびコア−シェル型グラフト重合体を配合した熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、およびそれからなる成形体に関するものである。
熱可塑性ポリエステル樹脂は透明性、機械的特性、ガスバリヤー性、耐熱性などの物理的性質、耐溶剤性、耐酸性、耐アルカリ性などの化学的性質、経済性および再利用性の優れたポリマーであり、種々の分野で広く利用されている。特に最近、表面性を活かし、シート、フィルム、異形押出などの押出成形用途への検討がなされている。
一方、熱可塑性ポリエステル樹脂のうち、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどの結晶性熱可塑性ポリエステル樹脂は、一般に溶融粘度の温度依存性が大きく、融点以上の温度領域で実施される射出成形、押出成形などの溶融加工では溶融粘度が低く、加工性の点で不利である。
また、熱可塑性ポリエステル樹脂は耐衝撃性、とりわけノッチ付きの耐衝撃強度が低いために、その用途が制限されている。
熱可塑性ポリエステル樹脂の成形加工性の向上あるいは耐衝撃性の改善を目的として、従来から、これらの樹脂と相溶性を有する共重合体を溶融粘度調整剤あるいは耐衝撃性改良剤などとして配合する検討がなされてきた。
例えば、溶融粘度調整としては、熱可塑性樹脂に対して、重量平均分子量が50万以上であり、特定の(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体を配合する方法(特開平1−268761号公報参照)、熱可塑性ポリエステル樹脂に対して、重量平均分子量が100万〜400万であり、スチレン、グリシジルメタクリレート、(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体を配合する方法(特開平6−41376号公報参照)、ポリエチレンテレフタレートに対して、5%以上のグリシジルメタクリレートを含むビニル系共重合体を配合する方法(特開昭62−187756号公報参照)があげられる。しかしながら、ボードや異型、パイプなど押出成形において安定した成形性を確保するのに充分な、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の溶融粘度の飛躍的な増大は認められなかった。また、重量平均分子量900以上のポリグリシジルメタクリレートを添加する方法(特開昭62−149746号公報参照)もあげられる。この方法では、溶融粘度の飛躍的な増大は認められるものの、得られた成形体の収縮や光沢不足などの悪影響が認められた。なお、上記の方法では、耐衝撃性の改善効果は認められなかった。
そのため、押出成形において、引き取り不良、肉厚の不均一性などの寸法精度不良などに対する成形加工性改善、および成形品の収縮、光沢不足、表面荒れなどに対する表面性改善が強く望まれていた。
また、耐衝撃性改善としては、熱可塑性ポリエステル樹脂に対して、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、少量(0.1〜1.5重量部)のエポキシ基含有ビニル単量体からなるビニル系共重合体、繊維状強化剤、および無機充填剤を配合する方法(特開平6−287421号公報参照)、ポリエステル樹脂に、架橋アクリルゴムまたはオルガノシロキサンゴムをゴム質として有するグラフト重合体、0.1〜0.4%のエポキシ基含有単量体を含むAS樹脂、およびガラス繊維などの充填剤を配合する方法(特開平5−287181号公報参照)などがあげられる。これらの方法では、耐衝撃性の改善効果は認められるものの、溶融粘度の飛躍的な増大は認められなかった。
従って、本発明は熱可塑性ポリエステル樹脂の溶融粘度を飛躍的に増大させ、押出成形、ブロー成形、カレンダー成形、特に難度の高い異型やボード、パイプなどの安定した押出成形を可能にし、かつ表面性が良好で耐衝撃性に優れた成形体を得るための熱可塑性ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形体を提供する。
本発明者らは、前記実状に基づき鋭意検討を行なった結果、特定の種類および量の単量体混合物を特定範囲の重量平均分子量になるように重合させ得られる共重合体、および特定の種類および量の単量体混合物を重合して得られるコア−シェル型グラフト重合体を熱可塑性ポリエステル樹脂に配合することにより、従来の技術には見られない飛躍的な増粘効果および耐衝撃強度が得られ、前記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(A)熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、(a)エポキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート3〜95重量%、(b)その他のアルキル(メタ)アクリレート5〜97重量%、および(c)これらと共重合可能なその他のビニル単量体0〜92重量%からなり、重量平均分子量1000〜40万である(B)熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤0.1〜50重量部、ならびに(C)コア−シェル型グラフト重合体1〜50重量部含有する熱可塑性ポリエステル樹脂組成物に関する。
熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)が、エポキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート(a)15〜95重量%、その他のアルキル(メタ)アクリレート(b)5〜85重量%、およびこれらと共重合可能なその他のビニル単量体(c)0〜80重量%からなる重量平均分子量1000〜40万の熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤であることが好ましい。
コア−シェル型グラフト重合体(C)が、(d−1)ブタジエンおよび/またはアルキルアクリレート単量体35〜100重量%、(d−2)芳香族ビニル単量体0〜65重量%、(d−3)これらと共重合可能なビニル単量体0〜20重量%、および(d−4)多官能性単量体0〜5重量%を含有する単量体混合物(d)からなり、ガラス転移温度が0℃以下であるゴム状重合体(d’)50〜95重量部をコア層として含有し、(e−1)アルキルメタクリレート単量体10〜100重量%、(e−2)アルキルアクリレート単量体0〜60重量%、(e−3)芳香族ビニル単量体0〜90重量%、(e−4)シアン化ビニル単量体0〜25重量%、および(e−5)これらと共重合可能なビニル単量体0〜20重量%含有する単量体混合物(e)からなる重合体(e’)5〜50重量部をシェル層として含有するコア−シェル型グラフト重合体であることが好ましい。
また、本発明は、前記熱可塑性ポリエステル樹脂組成物からなる成形体、および前記熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を押出成形して得られる成形体に関する。
本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂(A)は、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分を重縮合させて得られる樹脂である。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸またはそのアルキルエステルを主成分とする芳香族ジカルボン酸があげられ、ジオールとしては、アルキレングリコールを主成分とするジオールがあげられる。
前記熱可塑性ポリエステル樹脂(A)としては特に限定はなく、従来から使用されているポリエステル樹脂や、リサイクルして得られたポリエステル樹脂を使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの芳香族ポリエステル、また、ポリ(エチレン−コ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)などのPETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)などの芳香族コポリエステルなどがあげられる。
ところで、結晶性のポリエステル樹脂は、一般的に冷却温度、吐出量等の加工条件により結晶化の影響を受けやすく、その結晶化度が高い場合、耐衝撃強度が低下する傾向にある。そこで、結晶性のポリエステル樹脂に対して非晶性樹脂を添加することにより、結晶化を抑制し、幅広い範囲の加工条件において、高い衝撃強度を発揮できる。
本発明で使用される非晶性樹脂としては、公知のものが使用される。例えば、PETGなどの非晶性ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂などがあげられる。これらの中でも、結晶化抑制の効率が優れている点から、PETG、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
非結晶性樹脂の添加量は、結晶性のポリエステル樹脂100重量部に対して、好ましくは5〜100重量部、より好ましくは5〜50重量部である。非結晶性樹脂の添加量が5重量部未満では、加工条件の影響を受けやすく、結晶化度の抑制が困難になり、安定した耐衝撃強度が得られない傾向があり、100重量部をこえると、成形体の表面性が悪化する傾向がある。
熱可塑性ポリエステル樹脂の結晶化度は、20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。結晶化度が、20%を超えると、耐衝撃強度が低下する傾向がある。
本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)は、エポキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート(a)3〜95重量%、その他のアルキルアクリレート(b)5〜97重量%、およびこれらと共重合可能なその他のビニルモノマー(c)0〜92重量%からなる単量体混合物を重合して得られる。前記範囲内で混合した熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)を使用することにより、熱可塑性ポリエステル樹脂の溶融粘度を異型、ボード、パイプなどの安定した押出成形が可能なレベルまで向上させることができる。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)およびコア−シェル型グラフト重合体(C)のみからなる組成物では、該組成物中でのコア−シェル型グラフト重合体(C)の充分な分散性は得られないが、熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)を添加することにより、本発明の組成物中でのコア−シェル型グラフト重合体(C)の分散性は大幅に改善される。その結果、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂の物理的、化学的特性を低下させることなく、耐衝撃強度を向上させることができる。また、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、押出成形、ブロー成形、またはカレンダー成形などの溶融加工時の溶融粘度においても、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)および熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)のみからなる組成物よりも向上させることができ、高温成形時の溶融粘度の低下を抑制できるため、加工性の安定化を図ることができる。
エポキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート(a)の具体例としては、例えばグリシジルアクリレートなどのエポキシ基含有アクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有メタクリレートなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。エポキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート(a)の配合量は、熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)中、3〜95重量%であり、好ましくは15〜95重量%、より好ましくは20〜95重量%、さらに好ましくは30〜95重量%である。配合量が、3重量%未満であると、溶融粘度を充分に増大できず、安定した加工性が得られない傾向があり、95重量%をこえると、溶融粘度が高すぎ、得られる成形体が収縮したり光沢が失われる傾向がある。
その他のアルキル(メタ)アクリレート(b)の具体例としては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレートなどのアルキル基の炭素数1〜8のアルキルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ブチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルメタクリレートなどのアルキル基の炭素数1〜8のアルキルメタクリレートがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その他のアルキル(メタ)アクリレート(b)の配合量は、熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)中、5〜97重量%であり、好ましくは5〜85重量%、より好ましくは5〜80重量%、さらに好ましくは5〜70重量%である。配合量がこの範囲を外れると、溶融粘度を充分に増大できず、安定した加工性が得られない傾向がある。
エポキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート(a)とその他のアルキル(メタ)アクリレート(b)に共重合可能なその他のビニルモノマー(c)の具体例としては、例えば、スチレンやα−メチルスチレン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニルなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。共重合可能なその他のビニルモノマー(c)の配合量は、0〜92重量%であり、好ましくは0〜80重量%、より好ましくは0〜75重量%、さらに好ましくは0〜65重量%である。配合量が92重量%を超えると、溶融粘度を充分に増大できず、安定した加工性が得られない傾向がある。
本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)の重量平均分子量は1000〜40万であり、好ましくは1000〜20万であり、より好ましくは1000〜10万である。重量平均分子量が、1000未満では、重合後のラテックスからパウダーを得るのが困難になる傾向があり、重量平均分子量が40万を超えると、熱可塑性ポリエステル樹脂への分散性が悪化するために充分な増粘効果が得られない傾向がある。
本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)の製造方法は特に限定されるものではなく、例えば懸濁重合、乳化重合などの方法で製造することができるが、乳化重合が好ましい。
乳化重合法で製造する場合、単量体混合物を適当な媒体、乳化剤、連鎖移動剤および重合開始剤などの存在下で乳化重合させるとよい。
前記乳化重合で使用される媒体は、通常、水である。
前記乳化剤としては、公知のものが使用される。例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、スルホコハク酸ジエステル塩などのアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどの非イオン系界面活性剤などがあげられる。
前記重合開始剤としては特に限定はないが、水溶性や油溶性の重合開始剤などが使用される。例えば、通常の過硫酸塩などの無機重合開始剤、または有機過酸化物、アゾ化合物などを単独で用いてもよいが、これら開始剤化合物と亜硫酸塩、チオ硫酸塩、第一金属塩、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートなどを組み合わせて、レドックス系で用いてもよい。好ましい過硫酸塩としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどがあげられ、また、好ましい有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどがあげられる。
前記連鎖移動剤としては特に限定はないが、例えばt−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−デシルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン、2−エチルヘキシルチオグリコレートなどのアルキルエステルメルカプタンなどが使用され得る。
前記重合反応時の温度や時間なども特に限定はなく、使用目的に応じて所望の重量平均分子量になるように適宜調整すればよい。
本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)は、1段重合体であってもよく、または2段および3段重合体などの多段重合体であってもよい。2段重合で重合を行なう場合は、2段目以降の単量体の添加にあたって、1段目の重合が完結していることを確認して添加することにより、1段目のモノマーと混合することなく、2段目の重合を行なうことができる。
このようにして得られる重合体ラテックス中の粒子は、通常、平均粒子径が100〜3000Å程度であり、通常の電解質の添加による塩析、凝析や熱風中に噴霧、乾燥させることにより、ラテックスから取り出される。また、必要に応じて、通常の方法により洗浄、脱水、乾燥などが行なわれる。
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物中の熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)との配合割合は幅広く採用できるが、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)0.1〜50重量部であり、好ましくは2〜30重量部であり、より好ましくは2〜10重量部である。熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)の配合量が、0.1重量部未満では溶融粘度を充分に増大できず、安定した加工性が得られない傾向にある。また、50重量部を超えると、溶融粘度が高すぎ、得られる成形体は収縮したり、その光沢が失われる傾向にある。
予め、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)を50重量部を超えた範囲で混合した高濃度のマスタバッチを製造しておき、実際の成形加工時に、0.1〜50重量部の範囲で所望の添加量になるように前記マスタバッチを熱可塑性ポリエステル樹脂と混合、希釈して使用してもよい。
本発明で用いられるコア−シェル型グラフト重合体(C)は、特定の単量体混合物を重合することにより得られる重合体からなり、前記熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)と併用することにより、本発明の組成物中でのコア−シェル型グラフト重合体(C)の分散性が大幅に改善される。その結果、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂の物理的、化学的特性を低下させることなく、耐衝撃強度を向上させることができる。また、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、押出成形、ブロー成形、またはカレンダー成形などの溶融加工時の溶融粘度においても、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)および熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)のみからなる組成物よりも向上させることができ、高温成形時の溶融粘度の低下を抑制できるため、加工性の安定化を図ることができる。
本発明で用いられるコア−シェル型グラフト重合体(C)は、ガラス転移温度が0℃以下のゴム状重合体(d’)をコア層として含み、共重合体(e’)をシェル層として含むコア−シェル型グラフト重合体である。前記グラフト重合体のコア層を形成するゴム状重合体(d’)は、1層のみの層構造を有するものであってもよく、あるいは2層以上の多層構造を有するものであってもよい。同様に、シェル層を形成する重合体(e’)も1層のみの層構造を有するものであってもよく、あるいは2層以上の多層構造を有するものであってもよい。
コア層であるゴム状重合体(d’)は、ブタジエンおよび/またはアルキルアクリレート単量体(d−1)35〜100重量%、芳香族ビニル単量体(d−2)0〜65重量%、これらと共重合可能なビニル単量体(d−3)0〜20重量%、および多官能性単量体(d−4)0〜5重量%からなる単量体混合物(d)を重合して得られる重合体であることが好ましい。該単量体混合物(d)を例えば乳化重合させることによって、ゴム状重合体(d’)を含むゴムラテックス(d”)を得ることができる。
ブタジエンおよび/またはアルキルアクリレート単量体(d−1)中のブタジエンとしては、1,3−ブタジエンがあげられる。アルキルアクリレートは、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物から最終的に得られる成形体の耐衝撃強度の改良効果を損なうことなく耐候性を向上させるための成分である。アルキルアクリレートの具体例としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどの炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレートをあげることができるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ブタジエンおよび/またはアルキルアクリレート単量体(d−1)の使用量は、単量体混合物(d)中、35〜100重量%であることが好ましく、より好ましくは50〜100重量%であり、さらに好ましくは60〜95重量%であり、とくに好ましくは65〜95重量%である。35重量%未満では、最終的に得られる成形体の耐衝撃性が充分に改善されない傾向がある。
ブタジエンおよび/またはアルキルアクリレート単量体(d−1)に含まれるブタジエンとアルキルアクリレートの割合は、特に限定されない。ただし、最終的に得られる成形体に高度な耐候性を付与する場合には、ブタジエンとアルキルアクリレートの合計量を100重量%とすると、ブタジエン0〜25重量%、アルキルアクリレート75〜100重量%とすることが好ましく、ブタジエン0〜12重量%、アルキルアクリレート88〜100重量%とすることがより好ましく、ブタジエン0重量%、アルキルアクリレート100重量%とすることがさらに好ましい。
芳香族ビニル単量体(d−2)は、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物から最終的に得られる成形体の透明性を向上させる作用を有し、コア−シェル型グラフト重合体(C)の屈折率と熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の屈折率との差がなるべく小さくなるように調整するための成分である。芳香族ビニル単量体(d−2)の具体例としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンなどをあげることができるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記芳香族ビニル単量体(d−2)の使用量は、0〜65重量%であることが好ましく、0〜50重量%であることがより好ましい。使用量が、65重量%をこえると、相対的にブタジエンおよび/またはアルキルアクリレートの単量体(d−1)の使用量が少なくなり、耐衝撃性の優れたゴム状重合体(d’)が得られにくくなるため好ましくない。ただし、透明性を必要としない場合、もしくは耐衝撃強度を重要視する場合には、0〜25重量%とすることが好ましく、0重量%とすることがより好ましい。
これらと共重合可能なビニル単量体(d−3)は、コア−シェル型グラフト重合体(C)と熱可塑性ポリエステル樹脂(A)との相溶性の微調整を行うための成分である。これらと共重合可能なビニル単量体(d−3)の具体例としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル単量体や、4−ヒドロキシブチルアクリレートなどをあげることができるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらと共重合可能なビニル単量体(d−3)の使用量は、0〜20重量%であることが好ましく、より好ましくは0〜10重量%であり、さらに好ましくは0重量%である。使用量が、20重量%を超えると、相対的にブタジエンおよび/またはアルキルアクリレートの単量体(d−1)の使用量が少なくなり、耐衝撃性の優れたゴム状重合体(d’)が得られにくくなる傾向がある。
多官能性単量体(d−4)は、得られるゴム状重合体(d’)中に架橋構造を形成させるための成分である。前記多官能性単量体(d−4)の具体例としては、例えばジビニルベンゼン、アリルアクリレート、アリルメタクリレートなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。多官能性単量体(d−4)としては他に、マクロマーと呼ばれる両末端にラジカル重合可能な官能基を有する分子、例えばα,ω−ジメタクリロイロキシポリオキシエチレンなどを用いることもできる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多官能性単量体(d−4)の使用量は0〜5重量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3重量%である。使用量が、5重量%を超えると、相対的にブタジエンおよび/またはアルキルアクリレートの単量体(d−1)の使用量が少なくなり、耐衝撃性の優れたゴム状重合体(d’)が得られにくくなる傾向がある。
ゴム状重合体(d’)を得る方法には特に限定がなく、ブタジエンおよび/またはアルキルアクリレートの単量体(d−1)、芳香族ビニル単量体(d−2)、これらと共重合可能なビニル単量体(d−3)および多官能性単量体(d−4)をそれぞれ所望量含有した単量体混合物(d)に、水性媒体、重合開始剤、乳化剤などを配合し、例えば通常の乳化重合法によって重合させ、ゴムラテックス(d”)として得る方法などを採用することができる。
ゴム状重合体(d’)を得る際の、単量体混合物(d)の添加および重合は、一段階で行っても良く、また多段階で行っても良く、特に限定はない。単量体混合物(d)の添加は、まとめて一括で添加して良く、連続して添加しても良く、2段階以上に分けて、それらの組み合わせで添加を行っても良く、特に限定はない。
単量体混合物(d)は、水性媒体、開始剤、乳化剤などが予め導入された反応容器中に、ブタジエンおよび/またはアルキルアクリレートの単量体(d−1)、芳香族ビニル単量体(d−2)、これらと共重合可能なビニル単量体(d−3)および多官能性単量体(d−4)をおのおの別々に、あるいはそれらのいくつかの組み合わせで別々に導入し、反応容器中で撹拌混合して、ミセルの形で得ることもできる。この場合、反応容器内を重合開始可能な条件に移行することにより、例えば通常の乳化重合法によって単量体混合物(d)を重合させ、ゴムラテックス(d”)に含有させた状態でゴム状重合体(d’)を得ることができる。
かくして得られるゴム状重合体(d’)のガラス転移温度は、0℃以下であることが好ましく、より好ましくは−30℃以下である。ガラス転移温度が0℃を超えると、最終的に得られる成形体に大きな変形速度が加えられた場合に衝撃を吸収できない傾向がある。
シェル層を構成する単量体混合物(e)は、アルキルメタクリレート(e−1)10〜100重量%、アルキルアクリレート単量体(e−2)0〜60重量%、芳香族ビニル単量体(e−3)0〜90重量%、シアン化ビニル単量体(e−4)0〜25重量%、およびこれらと共重合可能なビニル単量体(e−5)0〜20重量%からなるものである。
アルキルメタクリレート単量体(e−1)は、コア−シェル型グラフト重合体(C)と熱可塑性ポリエステル樹脂(A)との接着性を向上させ、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物から最終的に得られる成形体の耐衝撃強度を向上させるための成分である。アルキルメタクリレート単量体(e−1)の具体例としては、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレートなどの炭素数1〜5のアルキル基を有するアルキルメタクリレートがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルキルメタクリレート単量体(e−1)の使用量は、10〜100重量%であることが好ましく、より好ましくは20〜100重量%であり、さらに好ましくは30〜100重量%である。10重量%未満では、最終的に得られる成形体の耐衝撃強度を充分に向上できないために好ましくない。さらに、アルキルメタクリレート単量体(e−1)全体を100重量%とした時、好ましくは60〜100重量%、より好ましくは80〜100重量%のメチルメタクリレートを含有することにより、最終的に得られる成形体の耐衝撃強度を飛躍的に改善することができる。
アルキルアクリレート単量体(e−2)は、コア−シェル型グラフト重合体(C)のシェル層の軟化温度を調整することにより、最終的に得られる成形体中におけるコア−シェル型グラフト重合体(C)の熱可塑性ポリエステル樹脂(A)中への良好な分散を促進し、成形体の耐衝撃強度を向上させるための成分である。アルキルアクリレート単量体(e−2)の具体例としては、例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどの炭素数2〜12のアルキル基を有するアルキルアクリレートがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルキルアクリレート単量体(e−2)の使用量は、0〜60重量%であることが好ましく、より好ましくは0〜50重量%であり、さらに好ましくは0〜40重量%である。使用量が、60重量%を超えると、相対的に前記アルキルメタクリレート単量体(e−1)の使用量が少なくなり、最終的に得られる成形体の耐衝撃強度が充分に向上されない傾向がある。
コア−シェル型グラフト重合体(C)と熱可塑性ポリエステル樹脂(A)との接着性を充分に維持しつつ、最終的に得られる成形体中におけるコア−シェル型グラフト重合体(C)の熱可塑性ポリエステル樹脂(A)中への良好な分散を達成するために、単量体混合物(e)に含まれるアルキルメタクリレート単量体(e−1)とアルキルアクリレート単量体(e−2)の合計量を100重量%として、(e−1)60〜100重量%、(e−2)0〜40重量%とすることが好ましく、(e−1)70〜100重量%、(e−2)0〜30重量%とすることがより好ましく、(e−1)80〜100重量%、(e−2)0〜20重量%とすることがさらに好ましい。(e−1)が、60重量%未満であると、最終的に得られる成形体の耐衝撃性が充分に向上されない傾向がある。
芳香族ビニル単量体(e−3)は、最終的に得られる成形体の透明性を向上させる作用を有し、コア−シェル型グラフト重合体(C)の屈折率と熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の屈折率との差がなるべく小さくなるように調整するための成分である。芳香族ビニル単量体(e−3)の具体例としては、例えば芳香族ビニル単量体(d−2)の具体例としてあげられた単量体などがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ビニル単量体(e−3)の使用量は、0〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは0〜50重量%、さらにましくは0〜30重量%である。90重量%を超えると、相対的に前記アルキルメタクリレート単量体(e−1)の使用量が少なくなり、最終的に得られる成形体の耐衝撃強度が充分に向上できないために好ましくない。
シアン化ビニル単量体(e−4)は、コア−シェル型グラフト重合体(C)と熱可塑性ポリエステル樹脂(A)との相溶性の微調整を行うための成分である。シアン化ビニル単量体(e−4)の具体例としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シアン化ビニル単量体(e−4)の使用量は、0〜25重量%であることが好ましく、より好ましくは0重量%である。25重量%を超えると、相対的に前記アルキルメタクリレート単量体(e−1)の使用量が少なくなり、最終的に得られる成形体の耐衝撃強度が充分に向上されない傾向がある。
これらと共重合可能なビニル単量体(e−5)は、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の成形時の加工性を改良するための成分である。前記ビニル単量体(e−5)の具体例としては、例えばメチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらと共重合可能なビニル単量体(e−5)の使用量は、0〜20重量%であることが好ましく、より好ましくは0〜10重量%、さらに好ましくは0重量%である。20重量%を超えると、相対的にアルキルメタクリレートの使用量が少なくなり、最終的に得られる成形体の耐衝撃強度が充分に向上されなくなるために好ましくない。
本発明に用いられるコア−シェル型グラフト重合体(C)は、前記ゴム状重合体(d’)と単量体混合物(e)とをグラフト共重合させて得られるものである。単量体混合物(e)は、グラフト共重合の結果として重合体(e’)を与える。この際、乳化重合法により前記ゴム状重合体(d’)を得た場合には、該ゴム状重合体(d’)は水性媒体中に分散されたゴムラテックス(d”)の状態のままで、単量体混合物(e)とのグラフト共重合に用いることができる。
本発明に用いられるコア−シェル型グラフト重合体(C)のコア層であるゴム状重合体(d’)およびシェル層である重合体(e’)の比率は、(d’)50〜95重量部、(e’)50〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは(d’)60〜95重量部、(e’)40〜5重量部である。ゴム状重合体(d’)が、50重量部より少なく、重合体(e’)が50重量部より多くなると、シェルによる被覆状態が悪くなり、熱可塑性ポリエステル中でのコア−シェル型グラフト重合体(C)の分散性不良が起こり、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物から最終的に得られる成形体の耐衝撃強度を充分に向上させることができない傾向がある。また、ゴム状重合体(d’)が95重量部より多く、重合体(e’)が5重量部より少なくなると、グラフト重合体(C)と熱可塑性ポリエステル樹脂(A)との接着性が失われて本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物から最終的に得られる成形体の耐衝撃強度が充分に向上されない傾向がある。
コア−シェル型グラフト重合体(C)を得る方法には特に限定がなく、前記のごとく調製したガラス転移温度が0℃以下のゴム状重合体(d’)を含むゴムラテックス(d”)に、アルキルメタクリレート単量体(e−1)、アルキルアクリレート単量体(e−2)、芳香族ビニル単量体(e−3)、シアン化ビニル単量体(e−4)および単量体(e−1)〜単量体(e−4)と共重合可能なビニル単量体(e−5)をそれぞれ所望量含有した単量体混合物(e)を添加し、重合開始剤などを配合して通常の重合法によって重合させ、グラフト重合体ラテックスから粉末状のグラフト重合体を得る方法などを採用することができる。
なお、前記単量体混合物(e)の添加および重合は、1段階で行ってもよく、多段階で行ってもよく、特に限定がない。前記単量体混合物(e)の添加は、まとめて一括で添加して良く、連続して添加しても良く、2段階以上に分けてそれらの組み合わせで添加を行っても良く、特に限定がない。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)とコア−シェル型グラフト重合体(C)との配合割合は幅広く採用できるが、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対してコア−シェル型グラフト重合体(C)1〜50重量部であり、好ましくは5〜40重量部であり、さらに好ましくは8〜30重量部である。1重量部未満では耐衝撃強度を向上させる効果が充分発現できない傾向にあり、50重量部を超えると溶融粘度が高くなりすぎるため、得られる成形体は収縮したり、その光沢が失われる傾向がある。
本発明の樹脂組成物を製造する方法としては特に限定はなく、公知の方法を採用することができる。例えば、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)、熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)およびコア−シェル型グラフト重合体(C)を予めヘンシェルミキサー、タンブラーなどを用いて混合した後、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加熱ロールなどを用いて溶融混練することにより樹脂組成物を得る方法などを採用することができる。
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて展着剤、滑剤、耐衝撃改質剤、可塑剤、着色剤、および発泡剤などのほかの添加剤を単独または2種以上を組合せて添加してもよい。
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物からの成形体を得る方法は、特に限定されるものではなく、一般に用いられている成形法、例えば押出成形法、ブロー成形法、カレンダー成形法などが適用できるが、溶融加工時のより高い溶融粘度が要求される押出成形法においても安定した加工性を発現し、かつ、表面性が良好で耐衝撃性に優れる成形品が得られる。
以下、実施例および比較例に基づき、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。「部」は、「重量部」を示す。なお、グリシジルメタクリレートはGMA、グリシジルアクリレートはGA、メチルメタクリレートはMMA、ブチルアクリレートはBA、ブチルメタクリレートはBMA、エチルアクリレートはEA、スチレンはST、アクリロニトリルはAN、エチレンはET、酢酸ビニルはVA、ターシャリードデシルメルカプタンはTDM、エチレンジアミン四酢酸をEDTAと略す。
以下の実施例および比較例で用いた評価方法を、以下にまとめて示す。
(重合転化率の測定)
次式により重合転化率を算出する。
重合転化率(%)=重合生成量/単量体仕込量×100
(重量平均分子量の測定)
重量平均分子量は、ポリメチルメタクリレートを基準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求める。
(ペレット作製条件)
140℃で5時間乾燥したポリエチレンテレフタレート(三菱化学株式会社製、NOVAPEX GM−330、固有粘度値;0.65)100部と、重合体試料5部の混合物を、日本製鋼所株式会社製44mm二軸押出機(TEX44)を用いて、以下の条件(成形温度、スクリュー回転数、吐出量、ダイス径)で溶融混練し、ペレットを作製する。
シリンダ温度:C1=230℃、C2=240℃、C3=240℃、C4=250℃、C5=260℃、C6=260℃、ダイス=270℃
スクリュー回転数:100rpm
吐出量:20kg/hr
ダイス径:3mmφ
(結晶化度の評価方法)
東洋精機株式会社製20mm単軸押出機に幅50mm×厚さ3mmの平板押出用金型、冷却フォーミング用金型および引き取り機を設置して、上記ペレットを用いて以下の条件(シリンダ温度、スクリュー回転数、吐出量)にて押出成形し、結晶化度の測定に使用するための成形体を作製する。この際、冷却フォーミング用金型温度を、0、20および50℃に設定する。
押出成形条件 シリンダ温度:C1=250℃、C2=270℃、
C3=270℃、ダイス=250℃
スクリュー回転数:50rpm
吐出量:3kg/時間
得られた結晶化度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、冷結晶化エネルギーΔHch(J/g)、および結晶融解エネルギーΔH(J/g)を測定し、以下の式で計算する。
結晶化度(%)=(ΔH−ΔHch)/ΔH×100
ΔH:PETの平衡融解熱=135(J/g)
DSCの測定条件 測定温度範囲:40〜300℃
昇温速度:10℃/分
(成形体表面の光沢の評価)
成形体表面の光沢は、前記押出成形により得られる平板状の成形体の表面を、光沢計(ガードナー社製、マイクログロス60°)を使用し、入射角および受光角を60°にて測定する。この光沢値を、成形体の表面性の指標とする。
(耐ドローダウン性の評価)
東洋精機株式会社製20mm単軸押出機に、前記ペレットを用いて以下の条件(シリンダ温度、スクリュー回転数、吐出量)にて押出成形し、ダイ出口から吐出する溶融樹脂を引取り、樹脂が自重に耐えられなくなって、ドローダウンし始める際の樹脂の長さを測定する。この引取り距離により、押出成形の引取り容易性の指標として耐ドローダウン性を評価する。
押出成形条件 シリンダ温度:C1=250℃、C2=270℃、
C3=270℃、ダイス=250℃
スクリュー回転数:50rpm
吐出量:3kg/時間
ダイス径:5mmφ
(アイゾット衝撃強度)
アイゾット衝撃強度は、前記押出成形により得られる平板状の成形体を用い、ASTM D−256に準拠して測定した(試験片形状:1/4”ノッチ付き、測定温度:23℃、サンプル数5の平均値、単位:kg・cm/cm)。
合成例
熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤の重合体試料の合成例1および2、コア−シェル型グラフト重合体試料の合成例3および4を以下に示す。
合成例1
攪拌機および冷却器付きの8リットル反応容器に蒸留水200部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.5部を入れた。次いで容器内を窒素で置換した後、攪拌しながら反応容器を70℃に昇温した。次いで過硫酸カリウム0.2部を添加し15分間攪拌した後、GMA5部、MMA68部、BA17部、およびTDM1.0部の混合物を4時間にわたって連続添加した。添加終了1時間後に、MMA3部、BA7部を1時間にわたって連続添加し、添加終了後さらに1時間攪拌し、そののち冷却して、ラテックスを得た。
重合転化率は99.8%であった。得られたラテックスを塩化カルシウム水溶液で塩析凝固させ、90℃まで昇温熱処理したのちに、遠心脱水機を用いて濾過し、得られた共重合体の脱水ケーキを水洗し、平行流乾燥機により50℃で15時間乾燥させて白色粉末状の2段重合体試料(1)を得た。
合成例2
攪拌機および冷却器付きの8リットル反応容器に蒸留水200部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.5部を入れた。次いで容器内を窒素で置換した後、攪拌しながら反応容器を70℃に昇温した。次いで過硫酸カリウム0.2部を添加し15分間攪拌した後、GMA90部、MMA3部、BA7部、およびTDM1.0部の混合物を4.5時間にわたって連続添加し、添加終了後さらに1時間攪拌し、そののち冷却して、ラテックスを得た。
重合転化率は99.4%であった。得られたラテックスを塩化カルシウム水溶液で塩析凝固させ、90℃まで昇温熱処理したのちに、遠心脱水機を用いて濾過し、得られた共重合体の脱水ケーキを水洗し、平行流乾燥機により50℃で15時間乾燥させて白色粉末状の1段重合体試料(7)を得た。
合成例3
水200部(重量部、以下同様)、オレイン酸ナトリウム1.5部、硫酸第一鉄(FeSO・7HO)0.002部、EDTA・2Na塩0.005部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ナトリウム0.2部、リン酸三カリウム0.2部、ブタジエン100部、ジビニルベンゼン0.5部およびジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.1部を、攪拌機付き耐圧重合容器に仕込み、50℃で15時間重合させ、重合転化率99%、平均粒子径0.08μm、ガラス転移温度−90℃のゴムラテックス(R1−1)を得た。
次いで、前記ゴムラテックス(R1−1)7部(固形分)、水200部、硫酸第一鉄(FeSO・7HO)0.0017部、EDTA・2Na塩0.004部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ナトリウム0.17部、リン酸三カリウム0.17部、ブタジエン93部、ジビニルベンゼン0.45部およびジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.085部を、攪拌機付き耐圧重合容器に仕込み、50℃で重合させ、重合開始から6時間、12時間、18時間、および24時間経過後に、それぞれオレイン酸ナトリウム0.3部を添加し、30時間経過後、重合転化率99%、平均粒子径0.21μm、ガラス転移温度−90℃のゴムラテックス(R1−2)を得た。
さらに、前記ゴムラテックス(R1−2)150部(固形分50部)、水200部、硫酸第一鉄(FeSO・7HO)0.002部、EDTA・2Na塩0.004部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ナトリウム0.1部を混合した後、昇温して混合物の内温を70℃にした。そののち、MMA45部、ST5部およびクメンハイドロパーオキサイド0.1部の混合液を4時間にわたって連続添加し、1時間の後重合を行って平均粒子径0.23μmのグラフト重合体ラテックス(G1−1)を得た。
得られたグラフト重合体ラテックス(G1−1)を硫酸で凝固させ、熱処理、脱水処理および乾燥処理に供し、粉末状のグラフト重合体(I)を得た。
合成例4
水200部、オレイン酸ナトリウム0.5部、硫酸第一鉄(FeSO・7HO)0.002部、EDTA・2Na塩0.005部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ナトリウム0.2部、リン酸三カリウム0.2部を、攪拌機付き重合容器に仕込み、BA99部、ジビニルベンゼン1部およびジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.1部の混合液を50℃で10時間かけて連続添加し、重合開始から2.5時間、5時間、7.5時間経過後に、それぞれオレイン酸ナトリウム0.5部を添加し、後重合1時間の後、重合転化率99%、平均粒子径0.08μm、ガラス転移温度−43℃のゴム状重合体を含むゴムラテックス(R7−1)を得た。
次いで、前記ゴムラテックス(R7−1)5部(固形分)、水190部、硫酸第一鉄(FeSO・7HO)0.0019部、EDTA・2Na塩0.0048部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ナトリウム0.19部、リン酸三カリウム0.19部を、攪拌機付き重合容器に仕込み、BA94.05部、ジビニルベンゼン0.95部およびジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.095部の混合液を50℃で9.5時間かけて連続添加し、重合開始から2.5時間、5時間、7.5時間経過後に、それぞれオレイン酸ナトリウム0.2部を添加し、後重合1時間の後、重合転化率99%、平均粒子径0.22μm、ガラス転移温度−43℃のゴムラテックス(R7−2)を得た。
前記ゴムラテックス(R7−2)180部(固形分60部)、水200部、硫酸第一鉄(FeSO・7HO)0.002部、EDTA・2Na塩0.004部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ナトリウム0.1部を、攪拌機付き重合容器に仕込み、混合したのち、昇温して混合物の内温を70℃にした。その後、MMA36部、EA4部およびクメンハイドロパーオキサイド0.1部の混合液を2時間30分にわたって連続添加し、1時間の後重合を行って平均粒子径0.24μmのグラフト重合体ラテックス(G7−1)を得た。
得られたグラフト重合体ラテックス(G7−1)を硫酸で凝固させ、熱処理、脱水処理および乾燥処理に供し、粉末状のグラフト重合体(VII)を得た。
実施例1〜7および比較例1〜5
熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤として、連鎖移動剤であるTDMの添加量を1.0部として得られる重量平均分子量を50000程度に調整し、表1に示したようにGMAの組成比を変更した以外は、合成例1と同様の方法により2段重合体である試料(2)〜(6)および(8)を得、合成例2と同様の方法により1段重合体である試料(9)を得た。また、コア−シェル型グラフト重合体として、コア層/シェル層比率を80/20に変更した以外は、合成例4と同様の方法により試料(IX)を得た。得られた熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤試料3部およびコア−シェル型グラフト重合体試料(IX)10部を用いて、前記耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度の評価を行った。結果を表1に示す。
熱可塑性ポリエステル用増粘剤試料(4)3部のみを用いた系、およびコア−シェル型グラフト重合体試料(IX)10部または20部のみを用いた系での評価結果も併せて表1に示す。
Figure 2004041934
表1の結果より、試料(1)〜(7)のように単量体混合物におけるGMA組成比が本発明の範囲内である実施例1〜7では、良好な耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度を有する組成物が得られることがわかる。一方、GMA組成比が本発明の範囲より少ない試料(8)を用いた比較例1では、耐ドローダウン性が低下することがわかる。また、GMA組成比が本発明の範囲を超えて多い試料(9)を用いた比較例2では、耐ドローダウン性および成形体の表面光沢が悪化することがわかる。試料(8)および(9)を用いた比較例1および2では、アイゾット衝撃強度を測定するためのサンプルを作製することができなかった。
実施例8〜13および比較例6〜7
熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤として、連鎖移動剤であるTDMの添加量を0.5部とし、得られる重量平均分子量を150000程度に調整し、表2に示したようにGMA組成比を変更した以外は、合成例1と同様の方法により2段重合体である試料(10)〜(16)を得、合成例2と同様の方法により1段重合体である試料(17)を得た。得られた熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤試料3部およびコア−シェル型グラフト重合体試料(IX)10部を用いて、前記耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2004041934
表2の結果より、試料(10)〜(15)のように単量体混合物におけるGMA組成比が本発明の範囲内である実施例8〜13では、良好な耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度を有する組成物が得られることがわかる。一方、GMA組成比が本発明の範囲より少ない試料(16)を用いた比較例6では、耐ドローダウン性が低下することがわかる。また、GMA組成比が本発明の範囲を超えて多い試料(17)を用いた比較例7では、耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度が悪化することがわかる。
実施例14〜19および比較例8〜9
熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤として、連鎖移動剤であるTDMの添加量を20部として得られる重量平均分子量を5000〜6000程度に調整し、表3に示したようにGMA組成比を変更した以外は、合成例1と同様の方法により2段重合体である試料(18)〜(24)を得、合成例2と同様の方法により1段重合体である試料(25)を得た。得られた熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤試料3部、およびコア−シェル型グラフト重合体試料(IX)10部を用いて、前記耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2004041934
表3の結果より、試料(18)〜(23)のように単量体混合物におけるGMA組成比が本発明の範囲内である実施例14〜19では、良好な耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度を有する組成物が得られることがわかる。一方、GMA組成比が本発明の範囲より少ない試料(24)を用いた比較例8では、耐ドローダウン性が低下することがわかる。また、GMA組成比が本発明の範囲を超えて多い試料(25)を用いた比較例9では、耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度が悪化することがわかる。
実施例20〜23および比較例10〜12
熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤として、GMA量を20部、および90部に固定し、表4に示すように連鎖移動剤TDMの添加量を変更した以外は、合成例1と同様の方法により重量平均分子量を変更した試料(26)〜(32)を得た。得られた熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤試料3部およびコア−シェル型グラフト重合体試料(IX)10部を用いて、前記耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度の評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2004041934
表4の結果より、試料(26)〜(29)のように単量体混合物の重量平均分子量が本発明の範囲内である実施例20〜23では、良好な耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度を有する組成物が得られることがわかる。一方、重量平均分子量が本発明の範囲を超えて高い試料(31)、(32)を用いた比較例11〜12では、耐ドローダウン性が低下することがわかる。また、重量平均分子量が本発明の範囲よりも低い試料(30)を用いた比較例10では、重合後のラテックスを塩析凝固する際に、重合媒体である水と分離することができなかったため、評価することができなかった。
実施例24〜29
熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤として、エポキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートを40部に固定し、表5に示すように単量体の種類および量に置き換えた以外は、合成例1と同様の方法により試料(33)〜(38)を得た。得られた熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤試料3部およびコア−シェル型グラフト重合体試料(IX)10部を用いて、前記耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度の評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2004041934
表5の結果より、試料(33)〜(38)のように単量体の種類および量が本発明の範囲内である実施例24〜29では、良好な耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度を有する組成物が得られることがわかる。
実施例30〜33および比較例13〜17
熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤として、連鎖移動剤であるTDMの添加量を1.0部として得られる重量平均分子量を50000程度に調整し、表6に示したように単量体の種類および量を置き換えた以外は、合成例2と同様の方法により1段重合体試料(39)〜(47)を得た。得られた熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤試料3部、およびコア−シェル型グラフト重合体試料(IX)10部を用いて、前記耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度の評価を行った。結果を表6に示す。
Figure 2004041934
表6の結果より、エポキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート以外のアルキル(メタ)アクリレートの種類およびその量が本発明の範囲内である試料(39)〜(42)を用いた実施例30〜33では、良好な耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度を有する組成物が得られることがわかる。一方、エポキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート以外のアルキル(メタ)アクリレートの種類およびその量が本発明のよりも少ない試料(43)〜(47)を用いた比較例13〜17では、耐ドローダウン性が低下することがわかる。
実施例34〜37
コア−シェル型グラフト重合体として、表7に示したようにコア層/シェル層比率を変更した以外は、合成例3と同様の方法により試料(I)〜(IV)を得た。得られたコア−シェル型グラフト重合体試料10部および熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤試料(4)3部を用いて、前記耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度の評価を行った。結果を表7に示す。
Figure 2004041934
表7の結果より、試料(I)〜(IV)のように、コア−シェル型グラフト重合体のコア層/シェル層比率が本発明の範囲内である実施例34〜37では、良好な耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度を有する組成物が得られることがわかる。
実施例38〜41
コア−シェル型グラフト重合体として、表8に示したようにコア層/シェル層比率を変更した以外は、合成例4と同様の方法により試料(V)〜(VIII)を得た。得られたコア−シェル型グラフト重合体試料10部および熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤試料(4)3部を用いて、前記耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度の評価を行った。結果を表8に示す。
Figure 2004041934
表8の結果により、試料(V)〜(VIII)のように、コア−シェル型グラフト重合体のコア層/シェル層比率が本発明の範囲内である実施例38〜41では、良好な耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度を有する組成物が得られることがわかる。
実施例42〜46および比較例18〜19
コア−シェル型グラフト重合体試料(IX)10部および熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤として表9に示した量の試料(4)を用いて、前記押出耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度の評価を行った。結果を表9に示す。
Figure 2004041934
表9の結果より、熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤の配合量が本発明の範囲内である実施例42〜46では、良好な耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度を有する組成物が得られることがわかる。一方、熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤の配合量が本発明の範囲よりも少ない比較例18では、充分な耐ドローダウン性が得られないことがわかる。また、熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤の配合量が本発明の範囲よりも多い比較例19では、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度が悪化することがわかる。
実施例47〜52および比較例20〜21
熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤試料(4)3部およびコア−シェル型グラフト重合体として表10に示した量の試料(III)を用いて、前記耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度の評価を行った。結果を表10に示す。
Figure 2004041934
表10の結果より、コア−シェル型グラフト重合体の配合量が本発明の範囲内である実施例47〜52では、良好な耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度を有する組成物が得られることがわかる。一方、コア−シェル型グラフト重合体の配合量が本発明の範囲よりも少ない比較例20では、充分な耐ドローダウン性が得られないことがわかる。また、コア−シェル型グラフト重合体の配合量が本発明の範囲よりも多い比較例21では、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度が悪化することがわかる。
実施例53〜58および比較例22〜23
熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤試料(4)3部およびコア−シェル型グラフト重合体として表11に示した量の試料(VII)を用いて、前記耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度の評価を行った。結果を表11に示す。
Figure 2004041934
表11の結果より、コア−シェル型グラフト重合体の配合量が本発明の範囲内である実施例53〜58では、良好な耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度を有する組成物が得られることがわかる。一方、コア−シェル型グラフト重合体の配合量が本発明の範囲よりも少ない比較例22では、充分な耐ドローダウン性が得られないことがわかる。また、コア−シェル型グラフト重合体の配合量が本発明の範囲よりも多い比較例23では、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度が悪化することがわかる。
実施例59〜64
熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤試料(4)3部およびコア−シェル型グラフト重合体として表10に示した試料(III)10部を用いて、冷却フォーミング用金型温度を0℃、20℃および50℃と変化させた系で、前記耐ドローダウン性、成形体の表面光沢およびアイゾット衝撃強度、結晶化度、およびアイゾット衝撃強度の評価を行った。結果を表12に示す。
Figure 2004041934
表12の結果より、マトリックス樹脂としてPETのみを使用した場合は、冷却フォーミング用金型温度を高くすると、結晶化度が高く、アイゾット衝撃強度が低い。これに対して、PETと非晶性樹脂を混合した実施例60〜64では、冷却フォーミング用金型温度を高くしても、結晶化度が低くなっており、高いアイゾット衝撃強度が維持されることがわかる。冷却速度による影響を受けにくい。なお、表中のPETGはイーストマンケミカル社製6763、PC(ポリカーボネート)はGEプラスチック社製レキサン141Rを使用した。
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、飛躍的に向上した溶融粘度を有するため、押出成形、ブロー成形、カレンダー成形、とくに難度の高い異型やボード、パイプなどの押出成形において安定した加工を可能とし、得られる成形品の表面性は改善され、さらに耐衝撃性も改善される。

Claims (5)

  1. (A)熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、(a)エポキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート3〜95重量%、(b)その他のアルキル(メタ)アクリレート5〜97重量%、および(c)これらと共重合可能なその他のビニル単量体0〜92重量%からなり、重量平均分子量1000〜40万である(B)熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤0.1〜50重量部、ならびに(C)コア−シェル型グラフト重合体1〜50重量部含有する熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤(B)が、エポキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート(a)15〜95重量%、その他のアルキル(メタ)アクリレート(b)5〜85重量%、これらと共重合可能なその他のビニル単量体(c)0〜80重量%からなる重量平均分子量1000〜40万の熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤である請求の範囲第1項記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  3. コア−シェル型グラフト重合体(C)が、(d−1)ブタジエンおよび/またはアルキルアクリレート単量体35〜100重量%、(d−2)芳香族ビニル単量体0〜65重量%、(d−3)これらと共重合可能なビニル単量体0〜20重量%、および(d−4)多官能性単量体0〜5重量%を含有する単量体混合物(d)からなり、ガラス転移温度が0℃以下であるゴム状重合体(d’)50〜95重量部をコア層として含有し、(e−1)アルキルメタクリレート単量体10〜100重量%、(e−2)アルキルアクリレート単量体0〜60重量%、(e−3)芳香族ビニル単量体0〜90重量%、(e−4)シアン化ビニル単量体0〜25重量%、および(e−5)これらと共重合可能なビニル単量体0〜20重量%含有する単量体混合物(e)からなる重合体(e’)5〜50重量部をシェル層として含有するコア−シェル型グラフト重合体である請求の範囲第1項または第2項記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  4. 請求の範囲第1項、第2項または第3項記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物からなる成形体。
  5. 請求の範囲第1項、第2項または第3項記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を押出成形して得られる成形体。
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