JPWO2004017773A1 - 空調服ユニット - Google Patents

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Abstract

本発明は、通気性のある又は通気をよくする工夫が施されている上着を自由に選択し、その選択した上着と組み合わせて着用することができ、且つ、簡易な構造で快適に過ごすことのできる空調服ユニットを提供する。服地部10の中央部には空気漏れの少ないシート状素材71が用いられ、服地部10の上部及び下部には空気流通性のよいメッシュ状素材41,51が用いられる。シート状素材71の裏面にスペーサ20を取り付けることにより流通路70が形成され、メッシュ状素材41,51の裏面にスペーサ20を取り付けることにより空気流入部40、空気流出部50が形成される。シート状素材71の下部には流通路70を上下に仕切る仕切手段8が取り付けられ、仕切手段8には送風手段が設けられる。通気性のある上着を空調服ユニットの上に着用しても、送風手段を駆動すると、上着の服地を介して外気を空気流入部40から流通路70内に取り込むことができる。

Description

本発明は、高温の環境下でも快適に過ごすことのできる空調服ユニットに関する。
夏などの暑い季節に、暑さを解消する手段として現在最も広く用いられているのはエアーコンディショナーである。これは、部屋の空気を直接冷やすものであるため、暑さを解消するという点においては、非常に有効である。
しかしながら、エアーコンディショナーは、高価な装置であり、世帯普及率は高くなってきたが、一つの世帯の各部屋ごとに普及するまでには至っていない。また、エアーコンディショナーは大量の電力を消費するため、エアーコンディショナーが普及することによって社会全体の電力消費も増え、しかも、発電の大きな割合を化石燃料に頼っている現状では、エアーコンディショナーが普及することによって、地球全体の温暖化につながるという皮肉な結果を招く。また、エアーコンディショナーは、部屋の空気そのものを冷却するので、冷えすぎによって健康を損なうといった問題も考えられる。
上記問題を解決するために、本発明者は、暑い季節でも消費電力が少なく、かつ快適に過ごすことのできる冷却衣服を案出している(PCT/JP01/01360)。かかる冷却衣服は、衣服と下着又は体との間に空気を流通させるための流通路と、衣服に一体的に設けられた送風手段とを備える。この冷却衣服を着用するだけで、着用者は、暑さを解消できる。
本発明者は、この冷却衣服の着用による効果を多数のモニターで確認したところ、冷却効果以外にも下記のごとく種々の効果が確認された。
1.無駄な汗がでないので体力を消耗しない。
2.汗が水分として下着や体に残らないので、汗臭くならず、ある種の皮膚病にも効果がある。
3.冷却衣服では、主に汗の気化熱で体を冷やす。このため、個人個人や、その時の運動量によって発汗量が異なるが、空気を流通路に十分に流通させて、汗をすべて気化することができれば、生理的に体が要求する冷却カロリーに等しい冷却を行うことができる。したがって、冷却衣服を着用すると、生理作用により冷却量をコントロールする理想的な冷却効果が得られる。
上記のような効果があるので、冷却衣服を広く普及させれば、ほとんどクーラーを必要としなくなり、地球環境保護に貢献するところ極めて大である。
しかしながら、上記の冷却衣服では、送風手段が予め衣服に一体的に取り付けられているため、衣服だけを自由に交換することはできず、着用する時間や場所等によっては冷却衣服がその使用環境にマッチしないということがある。
一方、上記の冷却衣服を広く普及させるためには、冷却衣服を安価に製造できることが必要である。また、より冷却効果を上げるためには流通路内に流通させる空気の流量を大きくする必要がある。この場合、空気の流量を大きくするために送風手段を大型化したのでは、冷却衣服のファッション性を損ねたり、作業がしずらくなったりする。特に、ファッション性の観点からは、冷却衣服の上に、例えば、通気性のある又は通気をよくする工夫が施されている上着を着用することができることが望まれる。この場合、かかる上着を冷却衣服の上に着用しても、冷却衣服の機能が妨げられないようにしなければならない。
本発明は、このような技術的背景のもとになされたものであり、通気性のある又は通気をよくする工夫が施されている上着を自由に選択し、その選択した上着と組み合わせて着用することができ、且つ、簡易な構造で快適に過ごすことのできる空調服ユニットを提供することを目的とする。また、本発明は、外観をあまり気にしないのであれば、単体でも使用することができる空調服ユニットを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明に係る空調服ユニットは、服地部と、前記服地部の裏面の所定部位に取り付けられた一又は複数のスペーサにより形成された、前記服地部と体又は下着との間に空気を流通させるための流通路と、前記服地部と体又は下着との間の空間を上下二つに仕切るための仕切手段と、前記仕切手段に設けられた、前記流通路内に空気の流れを強制的に生じさせるための送風手段と、前記送風手段に電力を供給するための電源手段と、前記服地部の上部及び下部に設けられた、外部の空気を前記流通路内に取り入れるため又は前記流通路内の空気を外部に取り出すための空気流通部と、を備え、前記送風手段によって前記服地部の上部及び下部に設けられた前記空気流通部のうちいずれか一方から外部の空気を前記流通路内に取り入れ、その取り入れた空気を前記流通路内に体の表面に略平行に流通させることにより、体の表面近傍における温度勾配を大きくして、体を冷却すると共に、体からの汗と前記流通路内を流通する空気とを接触させることにより、体からの汗を気化させ、当該気化の際に周囲から気化熱を奪う作用を利用して、体を冷却することを特徴とするものである。
請求項1記載の発明によれば、空気を、送風手段を介して上側の流通路から下側の流通路へ強制的に流通させることができる。このため、通気性のある又は通気をよくする工夫を施した上着を空調服ユニットの上に着用しても、その上着の服地を介して外部からの空気を空気流入部から流通路内に取り込むことができる。したがって、通気性のある又は通気をよくする工夫を施した上着と自由に組み合わせ、その上着の下に空調服ユニットを着用することができるので、着用者は自己の好み又は必要に応じた装いをすることができる。
また、外部からの空気を体又は下着に沿って流通させることにより、体の表面近傍における温度を下げることができると共に、体からの汗を気化させ、その気化熱により、体を直接的に冷却することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の空調服ユニットにおいて、前記服地部の中央部には空気漏れの少ないシート状素材が用いられており、前記シート状素材の裏面に前記スペーサが取り付けられることにより前記流通路が形成されることを特徴とするものである。
請求項2記載の発明によれば、服地部と体又は下着との間には一定の間隔が確保され、その確保した空間(流通路)内を空気が流通することができる。また、服地部の中央部に空気漏れの少ないシート状素材を用いたことにより、流通路においては空気が服地部から外部に漏れてしまうのを防止することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の空調服ユニットにおいて、前記服地部の上部及び下部には空気流通性の良いメッシュ状素材が用いられており、前記メッシュ状素材の裏面に前記スペーサが取り付けられることにより、空気を前記流通路内に取り入れるための空気流入部と前記流通路内の空気を外部に排出するための空気流出部とからなる前記空気流通部が形成されることを特徴とするものである。
請求項3記載の発明によれば、服地部の上部及び下部のうちいずれか一方のメッシュ状素材を通して空気が流通路内に取り入れられ、他方のメッシュ状素材を通して流通路内の空気が外部に排出されるので、流通路内への空気の取り入れ及び流通路内からの空気の取り出しを確実に行うことができる。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の空調服ユニットにおいて、前記空気流通部は空気を前記流通路内に取り入れるための空気流入部と、前記流通路内の空気を外部に排出するための空気流出部とからなり、前記空気流入部又は/及び前記空気流出部は、前記服地部の端部の裏面に取り付けられた前記スペーサの開口端であることを特徴とするものである。
請求項4記載の発明によれば、スペーサの開口端から外部の空気を流通路内に取り入れたり、スペーサの開口端から流通路内の空気を外部に取り出したりすることができるので、空調服ユニットの外観上の違和感が少なくなるという利点がある。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、前記スペーサは、略扁平な網目状部材を凸の金型と凹の金型の間に入れて熱成形し、前記網目状部材の厚み方向に突出した複数の凸部を前記網目状部材に形成することにより作製されたものであることを特徴とするものである。
請求項5記載の発明によれば、網目状シートの凸部の高さに応じてスペーサの厚みを調整することができると共に、凸部自体も網目状であるので、空気の受ける抵抗が小さく、凸部が空気の流通を妨げることはない。このため、特殊作業着や普段着等の用途に応じて所望の流通路を容易に確保することができる。また、スペーサの軽量化、コストの低廉化を図ることができる。
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、前記スペーサの厚みは2mm〜30mmであることを特徴とするものである。
請求項6記載の発明によれば、空気の圧力をかなり高めなくてもスペーサ内に一定流量の空気を流すことができ、また、上着を着用したときに外観上の違和感が少ない。
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、前記スペーサに抗菌処理を施したことを特徴とするものである。
請求項7記載の発明によれば、スペーサを清潔に保つことができ、スペーサの洗濯の頻度を少なくすることができる。
請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、前記仕切手段は前記スペーサの厚みと少なくとも同じ厚みをもつ帯状部材を有するものであり、前記帯状部材は前記流通路内の所定位置における前記服地部の裏面に胴回り方向に沿って取り付けられていることを特徴とするものである。
請求項8記載の発明によれば、帯状部材を流通路内の所定位置における服地部の裏面に胴回り方向に沿って取り付けることにより、流通路内の空間を上下二つに確実に仕切ることができる。このため、送風手段によって流通路内に空気の流れを強制的に生じさせたときに、その空気が途中で逆流してしまうのを防止することができるので、空気を流通路内に効率よく流通させることができる。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の空調服ユニットにおいて、前記送風手段は複数のプロペラを有するものであり、且つ、前記複数のプロペラは前記帯状部材の長手方向に沿っての所定位置において前記帯状部材の内部に挿入されており、空気は上側の前記流通路と下側の前記流通路との間を前記複数のプロペラを介して流通することを特徴とするものである。
請求項9記載の発明によれば、流通路内における空気の送風量を増やすことができると共に、流通路内における空気の流れはプロペラの配列に応じた一定の方向性を有することになる。
請求項10記載の発明は、請求項8記載の空調服ユニットにおいて、前記帯状部材は前記服地部に着脱自在に取り付けられていることを特徴とするものである。
請求項10記載の発明によれば、洗濯時に帯状部材を服地部から容易に取り外し、洗濯機を用いて服地部を洗濯することができる。
請求項11記載の発明は、請求項1から10のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、前記送風手段は、複数のプロペラと、一又は複数のモータと、前記一又は複数のモータの動力を前記複数のプロペラに伝達する複数の動力伝達手段とを有することを特徴とするものである。
請求項11記載の発明によれば、送風手段としてプロペラとモータとが別個に構成されたものを用いることにより、プロペラのさらなる小型化を図ることができる。また、モータを大きくすることができるので、電力消費の低減化を図ることができる。
請求項12記載の発明は、請求項11記載の空調服ユニットにおいて、前記各プロペラの直径が3mm〜30mmであることを特徴とするものである。
請求項12記載の発明によれば、プロペラの小型化を図ることができると共に、冷却に十分な風量を発生させることができる。
請求項13記載の発明は、請求項11記載の空調服ユニットにおいて、前記複数のプロペラは、前記各プロペラの回転軸が体の表面に対して略平行となるように前記仕切手段に取り付けられることを特徴とするものである。
請求項13記載の発明によれば、服地部と体又は下着との間の空間において体の表面に沿って空気を流通させることができる。したがって、体又は下着には、空気がその表面に垂直な方向から接触することはないので、風が体に直接当たることによる違和感はない。
請求項14記載の発明は、請求項11記載の空調服ユニットにおいて、前記送風手段は、前記各プロペラの回転軸が互いに略平行となるようにして前記各プロペラを当該回転軸に略直交する方向に沿って配置することにより、帯状に構成されたものであり、且つ、前記仕切手段の一部を兼ねることを特徴とするものである。
請求項14記載の発明によれば、仕切手段を別途設けなくてもよく、空調服ユニットの構造を簡素化することができる。
請求項15記載の発明は、請求項1から14のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、無線送信手段から送られた所定の信号を受信する受信回路と、前記受信回路で受信した信号に基づいて前記送風手段の駆動を制御する制御回路とを備えることを特徴とするものである。
請求項15記載の発明によれば、空調服ユニットの上に上着を着用した場合でも、送風手段の駆動を無線でコントロールすることができる。
請求項16記載の発明は、請求項1から15のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、前記服地部の下部に設けられた前記空気流通部は、着用者の腰部及び臀部を覆うことができるような長さを有することを特徴とするものである。
請求項16記載の発明によれば、椅子に腰掛けた状態でも、胸部や背部だけでなく、腰部や臀部にまで冷却効果の範囲を拡大することができる。
請求項17記載の発明は、請求項1から16のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、前記服地部には、前記スペーサを体又は下着に密着させるための密着手段が設けられていることを特徴とするものである。
請求項17記載の発明によれば、スペーサと体又は下着との間に余分な空間をなくすことができるので、体を効率よく冷却することができる。
請求項18記載の発明は、請求項1から17のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、前記服地部の表面に設けられた、前記服地部の上に上着が着用されたときに前記服地部と前記上着との間の空間において空気が上下方向に沿って流通するのを遮断する空気遮断手段を備えることを特徴とするものである。
請求項18記載の発明によれば、服地部と上着との間の空間において、上下方向に沿っての空気の流れを遮断することができるので、同じ空気が何度も流通路及び当該空間を循環するのを防止することができる。
請求項19記載の発明は、請求項1から18のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、前記電源手段は燃料電池であることを特徴とするものである。
電源手段として燃料電池を用いることにより、電池を交換したり、充電したりする手間が省けるという利点がある。
請求項20記載の発明は、請求項1から19のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、クリーンルームでの作業の際に着用する防塵服の下に着用される中着服として用いられることを特徴とするものである。
請求項21記載の発明は、請求項1から19のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、耐火服、防弾服、防刀服のいずれかの下に着用される中着服として用いられることを特徴とするものである。
請求項22記載の発明は、請求項1から19のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、普段着の下に着用される中着服として用いられることを特徴とするものである。
請求項20から22のいずれか記載の発明では、空調服ユニットが中着服としての役割を果たす。すなわち、空調服ユニットは、上着と組み合わせて、その上着の下に着用される。
尚、本発明では、「下着」とは空調服ユニットの下に着用される衣類を意味し、「上着」とは空調服ユニットの上に着用される衣類を意味する。
請求項23記載の発明は、請求項1から22のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、体の周囲における温度又は温度及び湿度を検出する周囲温度検出手段と、着用者が消費するエネルギー量に対応する所定の量を検出する消費エネルギー量検出手段と、前記周囲温度検出手段で得られた検出結果と前記消費エネルギー量検出手段で得られた検出結果とに基づいて、着用者がその時の状況に応じて適切な放熱を行うために必要とされる、前記流通路内に流通させる空気の流量を算出する演算手段と、前記演算手段で算出された空気の流量に基づいて前記送風手段の駆動条件を決定し、その決定した駆動条件にしたがって前記送風手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とするものである。
請求項23記載の発明によれば、温湿度や作業内容に応じて適切な量の空気を流通路内に流通させることができるので、電池の無駄使いを抑えて、電池の寿命を延ばすことができると共に、送風手段にかかる負荷を軽減して、送風手段の寿命を延ばすことができる。
請求項24記載の発明は、請求項1から22のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、着用者の体温又は体温及び脈拍を検出する体温検出手段と、警報を発する警報手段と、前記体温検出手段で検出された体温又は体温及び脈拍に基づいて当該体温又は脈拍がそれぞれ所定の基準範囲内にあるか否かを判断し、当該体温又は脈拍が前記基準範囲以外にあると判断したときに、警報を発する旨の信号を前記警報手段に送出する演算手段と、を備えることを特徴とするものである。
請求項24記載の発明によれば、着用者の体に何らかの異常が生じたとき、又は生じそうになったときに、着用者本人やその周囲の人に警報を発することができる。
請求項25記載の発明は、請求項1から22のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、着用者の体温又は体温及び脈拍を検出する体温検出手段と、前記体温検出手段で検出された体温又は体温及び脈拍に基づいて体調に関する情報を生成する演算手段と、前記演算手段から送られた前記体調に関する情報を外部の受信手段に送信する送信手段と、を備えることを特徴とするものである。
請求項25記載の発明によれば、例えば受信手段を予め定められた医療機関に設置しておけば、その医療機関において着用者の健康管理をリアルタイムで行うことができる。
図1は本発明の第一実施形態である空調服ユニットの装着図である。
図2Aはその空調服ユニットの概略正面図、図2Bはその空調服ユニットの概略背面図である。
図3はその空調服ユニットに用いられる仕切手段の概略斜視図である。
図4は図2に示す空調服ユニットにおけるA−A矢視方向概略断面図である。
図5Aはその空調服ユニットに用いられるスペーサの一部の概略平面図、図5Bはその空調服ユニットに用いられるスペーサの一部の概略側面図である。
図6は図2に示す空調服ユニットにおけるB−B矢視方向概略断面図である。
図7はその空調服ユニットに用いられる送風手段の概略構成図である。
図8はその空調服ユニットにより冷却効果を得ることができる環境を説明するためのグラフである。
図9は本発明の第二実施形態に係る空調服ユニットの概略正面図である。
図10Aは本発明の第三実施形態に係る空調服ユニットの概略正面図、図10Bはその空調服ユニットのC−C矢視方向概略断面図である。
図11は本発明の第四実施形態に係る空調服ユニットにおける空気流量制御部の概略ブロック図である。
図12は本発明の第五実施形態に係る空調服ユニットにおける空気流量制御部の概略ブロック図である。
以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。
まず、本発明の第一実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第一実施形態である空調服ユニットの装着図、図2Aはその空調服ユニットの概略正面図、図2Bはその空調服ユニットの概略背面図、図3はその空調服ユニットに用いられる仕切手段の概略斜視図、図4は図2に示す空調服ユニットにおけるA−A矢視方向概略断面図、図5Aはその空調服ユニットに用いられるスペーサの一部の概略平面図、図5Bはその空調服ユニットに用いられるスペーサの一部の概略側面図、図6は図2に示す空調服ユニットにおけるB−B矢視方向概略断面図、図7はその空調服ユニットに用いられる送風手段の概略構成図、図8はその空調服ユニットにより冷却効果を得ることができる環境を説明するためのグラフである。
第一実施形態の空調服ユニット1は、図1に示すように、上着92と組み合わせて、上着92の下に着用されるものである。ここで、着用者の体には下着91が着用されている。尚、第一実施形態において、「下着」とは空調服ユニット1の下に着用される衣類を意味し、「上着」とは空調服ユニット1の上に着用される衣類を意味する。また、第一実施形態では、上着として、ある程度通気性のある又は通気をよくする工夫が施されたものを用いる場合を考える。
第一実施形態では、空調服ユニット1を、ベストに適用した場合について説明する。この空調服ユニット1の前側には、ファスナー11等の開閉手段が設けられている。
具体的に、空調服ユニット1は、図1、図2、図3及び図4に示すように、服地部10と、服地部10の裏面の所定部位に取り付けられた複数のスペーサ20により形成された、服地部10と体又は下着との間に空気を流通させるための流通路70と、服地部10と体又は下着との間の空間を上下二つに仕切るための仕切手段8と、仕切手段8に設けられた、流通路70内に空気の流れを強制的に生じさせるための送風手段6と、送風手段6に電力を供給するための電源ユニット90と、服地部10の上部及び下部に設けられた空気流通部とを備える。ここで、空気流通部は、空気流入部40と、空気流出部50とからなる。空気流入部40は、服地部10の上部に設けられた空気流通部であって、外部の空気を流通路70内に取り入れるためのものであり、空気流出部50は、服地部10の下部に設けられた空気流通部であって、流通路70内の空気を外部に取り出すためのものである。
詳しくは後述するが、この空調服ユニット1では、送風手段6によって空気流入部40から外部の空気を流通路70内に取り入れ、その取り入れた空気を流通路70内に体の表面に略平行に流通させることにより、体の表面近傍における温度勾配を大きくして、体を冷却する。さらに、体からの汗と流通路70内を流通する空気とを接触させることにより、体からの汗を気化させ、当該気化の際に周囲から気化熱を奪う作用を利用して、体を冷却する。
服地部10は、図2に示すように、肩に対応する部分である上端部10a、その上端部10aを除く上部10b、略胴回りに対応する部分である中央部10c、服地部10の裾部である下部10dという四つの部分に分けられる。服地部10の上部10b及び下部10dにはそれぞれ、空気流通性のよいメッシュ状の素材41,51が用いられている。服地部10の中央部10cには、空気漏れの少ないシート状の素材71が用いられている。また、服地部10の上端部10aには、どのような素材の布地16を用いてもよい。
また、服地部10の裏面には、六つのスペーサ20が取り付けられている。具体的には、図2に示すように、服地部10の右上の前部、左上の前部、右下の前部及び左下の前部、服地部10の上後部及び下後部にそれぞれ、スペーサ20が設けられている。ここで、服地部10の裏面の所定位置には仕切手段8が取り付けられるが、この仕切手段8の取り付け位置にはスペーサ20は設けられていない。各スペーサ20は、服地部10の裏面に糸で縫い付けられている。
スペーサ20は、服地部10と体又は下着91との間に空気を流通させるための空間を確保するためのものである。この空間は、着用者が空調服ユニット1を着用したときに体又は下着91の表面に略平行な空気の流通経路を構成する。このとき、服地部10のシート状素材71に設けられたスペーサ20により、流通路70が形成される。そして、服地部10の上部10bのメッシュ状素材41に設けられたスペーサ20により空気流入部40が形成され、服地部10の下部10dのメッシュ状素材51に設けられたスペーサ20により空気流出部50が形成される。したがって、流通路70は、空気流入部40と空気流出部50との間に形成されている。
このように、流通路70は、空調服ユニット1内において、服地部10と体又は下着91との間に空気を流通させるための通路である。かかる流通路70は、スペーサ20をシート状素材71の裏面に縫い付けることにより形成される。
シート状素材71としては、例えば、ダウンジャケットの表地などに使われる高密度布を用いる。高密度布は、通常の布と比べると高い密度で織られている。空調服ユニット1は、体により温められて湿った空気を、スペーサ20により形成される流通路70内に流通させて、空気流出部50から排出することにより、かかる空気を外気と絶えず置き換えていくものであるため、空気が流通路70内を流通する途中で服地部10から漏れないようにする必要がある。高密度布は糸の密度が高いため、糸の間から外部へ漏れる空気の量が非常に少なく、ほとんどの空気が流通路70内を通って空気流出部50に達し、そこから外部に排出される。このような高密度布は、各種の目的で製造されており、安価で入手できる。尚、高密度布は空気流通性のよくないものであることが好ましいが、具体的には、高密度布として、5Paの圧力を加えたときに、当該高密度布を単位時間、単位面積当たりに通過する空気の体積が5cc/cm/sec以下であるものを用いる必要がある。
また、シート状素材71としては、高密度布だけでなく、実質的に空気が漏れないものであれば、どのような素材でも用いることができる。特に、汚れを伴う作業を行う際に空調服ユニット1を使用する場合には、シート状素材71としては、表面が滑らかなビニールやナイロン等、吸水性のない素材又は撥水加工してある素材を用いることが望ましい。シート状素材71に付いた汚れを容易に落とすことができるようにするためである。また、シート状素材71として吸水性のある素材を用いると、雨等でシート状素材71が濡れたときに、流通路70内を流通する空気がシート状素材71に吸収された水分を蒸発するのに使用され、体からの汗は有効に蒸発できなくなってしまうからである。これにより、汚れがシート状素材71にしみ込むことはなく、また、汚れを簡単に落とすことができる。この場合、吸水性のない素材は通気性が悪く、空調服ユニット1内の湿気を、当該素材を通して外部へ放散することはできないが、湿気は送風手段6によって空気とともに流通路70内を通って外部に排出されるので、何ら問題はない。
次に、スペーサ20の構造について説明する。第一実施形態では、スペーサ20としてメッシュスペーサ20aを用いる。メッシュスペーサ20aは、図5に示すように、網目状シート(網目状部材)22と、複数の凸部23とを有する。ここで、各凸部23は、略半球形状に形成されている。このメッシュスペーサ20aを製造するには、軟質プラスチックの網目状シートを凸の金型と凹の金型の間に入れて、熱成形する。これにより、網目状シート上には、その厚み方向に突出した複数の凸部23が形成される。このように、複数の凸部23を有するメッシュスペーサ20aは簡単に作ることができる。
また、スペーサ20の厚さ(凸部23の高さ)Wは2mm以上30mm以下であることが望ましい。スペーサ20の厚さWが2mmより小さいと、一定流量の空気を流すためには、空気の圧力をかなり高める必要があり、実用的でないからである。特に、送風手段6の周辺では空気の流れが大きいので、送風手段6の周辺に設けられるスペーサ20の厚さWは5mm以上であることが望ましい。一方、スペーサ20の厚さWが30mmより大きいと、見栄えや着心地が悪くなり、しかも空気が層流になって流通路70内を流通するという問題が生じやすくなるからである。空気が層流になると、流通路70内において体側を流れる空気と服地部10側を流れる空気とが互いに混じらず、大きな冷却効果を得ることができなくなる。実際、スペーサ20の厚さWとして最も好ましい範囲は、3mm以上10mm以下である。第一実施形態では、スペーサ20の厚みWを約7.0mmとしている。尚、層流発生の問題を解決するには、例えば、流通路70内を流通する空気を攪拌する空気攪拌手段を、流通路70内のところどころに設け、これにより、流通路70内に空気の不規則な流れを発生させるようにしてもよい。
六つのスペーサ20はそれぞれ、服地部10の裏面側から、メッシュ状素材41,51、シート状素材71に縫い付けられる。具体的には、各スペーサ20について、まず、スペーサ20の網目状シート22を服地部10の裏面に対向させるようにして、スペーサ20を服地部10の所定位置に配置する。そして、例えばミシン等を用い、スペーサ20を服地部10の裏面に縫い付ける。このとき、スペーサ20の端部だけを服地部10に縫い付けるのが望ましい。スペーサ20の縫合作業を容易に行うことができると共に、空調服ユニット1の外観上、その縫い目を目立たないようにできるからである。
こうして、六つのスペーサ20が縫い付けられた空調服ユニット1を着用すると、凸部23が下着91又は体表に接するようになり、服地部10と体又は下着91との間に流通路70が確保される。スペーサ20は、空調服ユニット1の服地部10と下着91との間に空間を確保し、スペーサ20内に空気を流通させるという目的を有する。ここで、凸部23もメッシュであるため、凸部23が空気の流通を妨げることはない。尚、スペーサ20には抗菌処理を施すことが望ましい。スペーサ20は、下着91や体に直接接するので汗で汚れやすいからである。
空気流通部は、流通路70内の空気を外部に取り出すため又は外部の空気を流通路70内に取り入れるためのものであって、服地部10の上部10b及び下部10dに設けられている。具体的には、空気流通部は、スペーサ20を空気流通性のよいメッシュ状素材41,51の裏面に縫い付けることによって形成される。かかる空気流通部は、空気流入部40と空気排出部50とから構成されている。
空気流入部40は、外部の空気を流通路70内に取り入れるためのものであって、服地部10の上部10bに設けられている。具体的には、空気流入部40は、スペーサ20をメッシュ状素材41の裏面に縫い付けることによって形成される。図2の例では、空気流入部40を、服地部10の前側上部に二つ、後側上部に一つ、合計三つ設けている。
尚、スペーサ20をメッシュ状素材41の裏面に縫い付けることによって空気流入部40を形成する代わりに、服地部10の所定の端部、例えば襟首や袖の部分におけるスペーサ20の開口端(服地部10と下着91との隙間)から、空気を流通路70内に取り入れるようにしてもよい。すなわち、襟首や袖の部分を、広い意味で空気流入部40と考えることができる。この場合、スペーサ20の取り付け位置は、その空気を取り入れる部分まで引き延ばす必要がある。このように、襟首等の部分におけるスペーサ20の開口端を空気流入部40として利用する場合には、服地部10の上部10bにメッシュ状素材41を用いる必要がないので、空調服ユニット1の外観上の違和感が少なくなるという利点がある。
空気流出部50は、流通路70内の空気を外部へ排出するためのものであって、服地部10の下部10dに設けられている。具体的には、空気流出部50は、スペーサ20をメッシュ状素材51の裏面に縫い付けることによって形成される。図2の例では、空気流出部50を、服地部10の前側下部に二つ、後側下部に一つ、合計三つ設けている。
尚、スペーサ20をメッシュ状素材51の裏面に縫い付けることによって空気流出部50を形成する代わりに、服地部10の所定の端部の裏面に取り付けられたスペーサ20の開口端から、流通路70内の空気を外部に取り出すようにしてもよい。すなわち、この場合は、かかる開口端が空気流出部50となる。
仕切手段8は、服地部10と体又は下着91との間の空間を上下二つに仕切るためのものであり、図1、図2、図3及び図4に示すように、帯状部材69と、仕切補助手段9とを有する。帯状部材69は、スペーサ20の厚さと少なくとも同じ厚さを有し、また、帯状部材をその長手方向に垂直な平面で切ったときの断面形状は略矩形状である。かかる帯状部材69は、服地部10の裏面であってシート状部材71の下部に、体の略胴回り方向に沿って一重巻に取り付けられている。但し、着用者がファスナー11を容易に開閉することができるようにするために、帯状部材69はファスナー11及びその近傍には取り付けられていない。また、この帯状部材69の材質としては例えばポリウレタン等が用いられており、したがって、帯状部材69はクッション性を有する。帯状部材69は、服地部10の裏面に着脱自在に取り付けられている。例えば、第一実施形態では、帯状部材69を粘着テープ64aで服地部10の裏面に取り付けている。
帯状部材69は、仕切手段8としての役割を果たすだけでなく、送風手段8、電源ユニット90等を取り付けるための部材としての役割をも果たす。すなわち、図3及び図4に示すように、送風手段8の有する複数のプロペラ60及び複数のモータ62、電源ユニット90等は、帯状部材69の長手方向に沿っての所定位置において、帯状部材69の内部に挿入されている。この場合、空気は、帯状部材69の上側に位置する流通路70とその下側に位置する流通路70との間を複数のプロペラ60を介して流通することになる。
また、仕切補助手段9は、帯状部材69が流通路70を上下二つに仕切る役割を補助するためのものである。服地部10に帯状部材69を取り付けただけでは、その帯状部材69の両端部の間であってファスナー11の近傍に、ある程度大きな隙間が生じてしまう。かかる隙間があると、そこから空気が漏れることにより、空気が流通路70内を上から下に向かって一方向に流れず、逆流してしまうおそれがある。仕切補助手段9は、この隙間をできるだけ小さくし、空気が流通路70内を一方向に流れるのを確保するためのものである。仕切補助手段9としては、例えばスポンジが用いられる。そして、仕切補助手段9は、服地部10の裏面であって、帯状部材69と同じ高さに位置するファスナー11部分の左右の近傍に設けられている。かかる仕切補助手段9と帯状部材69とを合わせて、仕切手段8となっている。
送風手段6は、流通路70内に空気の流れを強制的に生じさせるためのものであり、図3、図4及び図7に示すように、複数のプロペラ60と、複数のモータ62と、複数のファンベルト(動力伝達手段)600とを有する。複数のプロペラ60、複数のモータ62及び電源ユニット90はそれぞれ、帯状部材69の長手方向に沿っての所定位置において帯状部材69の内部に挿入されている。このとき、複数のプロペラ60、複数のモータ62は、図3、図4及び図7に示すように、それらの回転軸が互いに略平行となるように、且つ、空調服ユニット1の着用時にそれらの回転軸が体の表面と略平行になるように帯状部材69に設けられる。
尚、送風手段6と帯状部材69とを別個のものとして考える代わりに、送風手段6を帯状に構成したと考えることもできる。すなわち、送風手段6は、複数のプロペラ60の回転軸及び複数のモータ62の回転軸が互いに略平行となるように複数のプロペラ60及び複数のモータ62を当該回転軸に略直交する方向に沿って配置することにより、帯状に構成されたものと考えることができる。この場合には、送風手段6が仕切手段8の一部を兼ねる、すなわち帯状部材69の役割を果たすことになる。
図7に送風手段6の概略構成図を示す。各プロペラ60の回転軸には一つのプーリー(図示せず)が取り付けられており、各モータ62の回転軸620には、当該モータ62によって駆動されるプロペラ60の数と同数のプーリー(図示せず)が取り付けられている。そして、各プロペラ60の回転軸に取り付けられたプーリーと当該プロペラ60を駆動するモータ62の回転軸620に取り付けられた一のプーリーとは、ファンベルト600で接続されている。これにより、複数のモータ62が回転すると、それらの回転は複数のファンベルト600を介して、複数のプロペラ60に伝達される。
第一実施形態では、複数のプロペラ60を帯状部材69にその長手方向に沿って取り付けたことにより、プロペラ60のトータル面積を増やすことができるので、大風量の空気を流通路70内に発生させることができる。また、一般のファンでは、プロペラとモータとが一体的に構成され、モータがファンの大部分を占めているので、ファンの小型化を図るのが困難である。これに対して、第一実施形態では、送風手段6として、プロペラ60とモータ62とが個別に構成されたものを用いることにより、プロペラ60の小型化を図ることができる。このため、空調服ユニット1を着用したとき、送風手段6による出っ張りが小さくなり、空調服ユニット1の外観上の違和感を少なくすることができる。具体的には、プロペラ60としては、その直径が3mm〜30mmであるものを用いることが望ましい。実際、プロペラ60の直径として最も好ましい範囲は、5mm〜20mmである。
電源ユニット90は、図3及び図4に示すように、帯状部材の一方の端部に取り付けられている。電源ユニット90には、電池(電源手段)、制御回路等が収納されている。この電池が各モータ62に電力を供給する電源である。また、電源ユニット90には、各モータ62の駆動をオン/オフするスイッチが設けられている。
電池としては、通常、経済性の観点から二次電池が用いられる。しかし、最も好ましいのは、電池として燃料電池を用いることである。燃料電池は、二次電池に比べて、小型であり、充電する手間もかからないからである。
電源ユニット90から電力が各モータ62に供給され、各モータ62が回転すると、各ファンベルト600を介して各プロペラ60が回転する。このとき、各プロペラ60は、流通路70内の空気を下方に排出する方向に回転する。各プロペラ60をこの方向に回転させると、スペーサ20により形成される流通路70内の空間であって、帯状部材69で仕切られた上側の空間の圧力が低下し、図6に示すように、空気流入部40から外部の空気が流通路70内に流入する。この流入した空気は、流通路70内において服地部10の表面と略平行(体の表面に略平行)であって下方に向かう方向に沿って移動する。そして、空気は、プロペラ60に達すると、プロペラ60に吸引されて、流通路70内の空間であって帯状部材69で仕切られた下側の空間に入り込む。その後、空気は、空気流出部50から外部に排出される。このように、各プロペラ60が駆動されると、体又は下着91の表面に略平行に空気が流れ、かつ、空気は流通路70内を通って確実に空気流出部50へと流れていく。体又は下着91には、空気がその表面に垂直な方向から接触することはないので、風が体に直接当たることによる違和感はない。
送風手段6が、仕切手段8を境にして上側の流通路70から下側の流通路70へ空気を強制的に流通させることにより、通気性のある又は通気をよくする工夫が施された上着を空調服ユニット1の上に着用しても、その上着の服地を介して外部からの空気を空気流入部40から流通路70内に取り込み、流通路70内において体の表面に略平行に流通させることができる。したがって、かかる空気が流通路70内を流通する際に、体の表面近傍における汗を気化させ、気化熱による温度勾配を大きくすることにより、体を冷却することができる。
第一実施形態の空調服ユニット1を着用してスペーサ20内に空気を流通させ、体の表面から比較的近い部分の温度を体温よりも低い温度とすることによって、体の表面近傍において大きな温度勾配を実現することができる。この大きな温度勾配によって、人の体の表面から発せられる熱は容易に温度の低い空調服ユニット1の側に放射され、そして、スペーサ20内を流れる空気によって素早く吸収される。したがって、第一実施形態の空調服ユニット1では、送風手段6により空気をスペーサ20内に流通させるだけで、着用者は涼しさを感じることができる。
上述したように、体の表面近傍における大きな温度勾配が大きな冷却効果を生み出すが、同様なことが湿度についても言える。すなわち、暑いときには、体の表面近傍の湿度は約100%になっている。このとき、体の表面近傍に外気湿度の層を作ることにより、体の表面近傍において大きな湿度勾配を実現することができる。かかる大きな湿度勾配により、汗の蒸発が促進され、人は涼しく感じることができる。
人は暑くなると体を冷却するために発汗する。空調服ユニット1は風量が大きければ汗をすべて気化することができる。したがって、人間が本来的に有する体温の自動調整機能により、着用者はあまり汗をかかなくなり、十分な涼しさを感じることができる。
このように、空調服ユニット1を、汗をかくような状況で使用する場合には、体の表面近傍において温度勾配を上げると共に、湿度勾配をも上げることができるので、着用者は、さらに涼しさを感じ、快適に過ごすことができる。
ここで、第一実施形態の空調服ユニット1の冷却能力について説明する。本発明者は、温度を30℃、湿度を70%とし、その他の条件を理想的な条件に設定して、エネルギー収支を計算した。その結果によれば、例えば、モータ62を駆動するのに1W程度の電力を要するとした場合、空調服ユニット1を着用することにより、100W、200Wの冷却が行われる。すなわち、投入したエネルギーに対して100倍、200倍の冷却が行われる。これは、水の気化熱が1g当たり約580カロリーと大きいからである。当然、汗の出る量等によって冷却量は変わるが、それを考慮しても、第一実施形態の空調服ユニット1の冷却効率はとても高いといえる。
次に、第一実施形態の空調服ユニット1により冷却効果を得ることができる環境について説明する。図8はその空調服ユニット1により冷却効果を得ることができる環境を説明するためのグラフである。図8において縦軸は湿球温度、横軸は乾球温度を表す。一番下の直線S0は相対湿度が0%である直線を示す。順次、直線S1は相対湿度が10%である直線、直線S2は相対湿度が20%である直線、直線S3は相対湿度が40%である直線、直線S4は相対湿度が60%である直線、直線S5は相対湿度が80%である直線、そして、直線S6は相対湿度が100%である直線を示す。尚、かかるグラフは、十分な風量がある環境において得られたものであり、ここでは、その結果を概略的に示している。
上述した冷却の原理から分かるように、体からの汗が蒸発できないような環境の下では、空調服ユニット1を使用してもその冷却効果は得られない。人が快適に作業できるには下着の温度が30℃ぐらいが望ましい。したがって、図8において斜線を引いた領域では冷却効果は有効であるが、その上の領域ではあまり有効ではない。
例えば外気温が80℃でも相対湿度が0%であれば冷却効果は有効であり、逆に外気温が40℃の場合には相対湿度が40%より高ければ効果がない。しかしながら、一般に温度が高いときは相対湿度が低い。このため、理論上は、かかる空調服ユニット1は、非日常的な環境を除き、どのような環境の下で使用しても、冷却効果が得られると考えられる。
ところで、第一実施形態の空調服ユニットにおいて、例えば、電源ユニット90に、送信手段から送られた所定の信号を受信する受信回路と、受信回路で受信した信号に基づいて送風手段6の駆動を制御する制御回路とを設けるようにしてもよい。この場合、外部の送信手段から受信回路に無線で信号を送ることにより、送風手段6のオン・オフや強弱を切り替えることができる。ここで、送信手段としては、ポケットに入れることができるようなサイズ・形状のもの、例えば万年筆形状のものを用いることが望ましい。また、携帯電話等にその送信機能を組み込んでもよい。これにより、上着を着用した場合でも、上着を脱がずに送風手段6を制御することができる。そして、受信回路は、混信を防止するため、少なくとも1000個の固有の通信識別コードを有することが望ましい。
また、例えば、空調服ユニット1の着用者が移動することなく、一定の作業場所等で作業をする場合には、送風手段6に商用電源から電力を供給するようにしてもよい。あるいは、商用電源により二次電池を充電しながら、空調服ユニット1を使用してもよい。
更に、下着91の一部には、例えばスパンディクスと称されるポリウレタン製の伸縮性素材を用いることが望ましい。これにより、下着91と体とが密着して、冷却効果の低下を防止することができる。この場合、上記スパンディクスを用いた部分以外の下着91の部分には吸水性のある素材を用いることが望ましい。
以上詳述したように、第一実施形態の空調服ユニットは、流通路を上下二つに仕切る仕切手段と、仕切手段に設けられた送風手段とを備えることにより、空気を、送風手段を介して上側の流通路70から下側の流通路70へ強制的に流通させることができる。このため、通気性のある又は通気をよくする工夫を施した上着を空調服ユニットの上に着用しても、その上着の服地を介して外部からの空気を空気流入部から流通路内に取り込むことができる。したがって、通気性のある又は通気をよくする工夫を施した上着と自由に組み合わせ、その上着の下に空調服ユニットを着用することができるので、着用者は自己の好み又は必要に応じた装いをすることができる。例えば、上着として通気性のある背広を用いることができる。このように、着用者は、空調服ユニットと組み合わせて着用する上着を自由に選択することができると共に、涼しさ、快適さを得ることができる。
また、第一実施形態の空調服ユニットでは、送風手段によって流通路内に空気の流れを強制的に生じさせることにより、服地部と体又は下着との間に体の表面に略平行に空気を流すことができるので、体の表面近傍における温度勾配を大きくして体温を下げることができると共に、体の表面近傍における汗を気化させ、当該気化の際に周囲から気化熱を奪う作用を利用して、体温を下げることができる。
また、流通路を上下二つに仕切る仕切手段を設けたことにより、送風手段によって流通路内に空気の流れを強制的に生じさせたときに、その空気が途中で逆流してしまうのを防止することができる。このため、空気流入部から流通路内に入り込んだ空気はすべて、必ず、上側の流通路、送風手段、下側の流通路、そして空気流出部を通って外部に排出されることになる。
また、送風手段の有する複数のプロペラを、その回転軸が体の表面に対して略平行となるようにして帯状部材にその長手方向に沿って取り付けたことにより、流通路内における空気の送風量を増やすことができると共に、流通路内において空気の流れに一定の方向性をもたせることができるので、冷却効果を一層高めることができる。
特に、送風手段としてプロペラとモータとが別個に構成されたものを用い、モータの回転を、ファンベルトを介して各プロペラに伝達することにより、プロペラ径の小型化を実現することができるので、空調服ユニットを着用したときにファッション性を損なうことがない。しかも、この場合、モータを大型化することができ、電気効率の向上を図ることができるので、送風手段の電源として小容量の電池を用いることができるというメリットがある。
更に、空気流入部及び空気流出部を、メッシュ状素材にスペーサを取り付けることによって形成したことにより、流通路内への外部の空気の取り入れ又は流通路内の空気の外部への排出という空気の流通をスムーズに行うことができる。しかも、流通路を、空気の漏れにくいシート状素材にスペーサを取り付けることによって形成したことにより、服地部の内側において空気の流通を確実に行うことができる。このため、第一実施形態の空調服ユニットでは、冷却効果の向上を図ることができる。
尚、空調服ユニットは一人に一つあればよい。なぜなら、着用者は、その空調服ユニットの上に着用する上着を自由に選択し、その選択した上着と組み合わせて空調服ユニットを着ることができるからである。また、空調服ユニットは、汗などで汚れることが少なく、洗濯をあまり行う必要はない。空調服ユニットを洗濯する場合であっても、送風手段などの電気部品は帯状部材に取り付けられており、その帯状部材は粘着テープで着脱自在であるので、帯状部材を容易に取り外した後に空調服ユニットを洗濯すればよい。帯状部材を取り除いた空調服ユニットは、ほとんど通常の衣服と同じであるので、その洗濯の際に手間がかかることはない。
次に、本発明の第二実施形態について図面を参照して説明する。図9は本発明の第二実施形態に係る空調服ユニットの概略正面図である。尚、第二実施形態において、第一実施形態のものと同一の機能を有するものには、同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
第二実施形態の空調服ユニット1aは、図9に示すように、服地部10と、服地部10の裏面の所定部位に取り付けられた複数のスペーサ20により形成された、服地部10と体又は下着との間に空気を流通させるための流通路70と、服地部10と体又は下着との間の空間を上下二つに仕切るための仕切手段8aと、仕切手段8aに設けられた、流通路70内に空気の流れを強制的に生じさせるための送風手段6と、送風手段6に電力を供給するための電源ユニット90と、服地部10の上部に設けられた空気流入部40と、服地部10の下部に設けられた空気流出部50と、密着手段150とを備える。
この空調服ユニット1aも、第一の実施形態と同様に、ベストに適用した場合について説明する。また、この空調服ユニット1aは、第一実施形態とは異なり、粘着テープ14で前を閉じるタイプのものであるとする。粘着テープ14で服地部10の左前部と右前部とを閉じると、その閉じた部分から外部へ空気がほとんど漏れないようにすることができる。
第二実施形態の空調服ユニット1aが第一実施形態の空調服ユニット1と異なる主な点は、仕切手段8aの仕切補助手段として帯状の扁平弾性部材を用いた点、及び、服地部10に、スペーサ20を体又は下着91に密着させるための密着手段150を設けた点である。その他の点については、上記の第一実施形態のものと同じである。
仕切手段8aは、帯状部材69と、仕切補助手段15とを有する。仕切補助手段15は、帯状部材69が服地部10と体又は下着91との間の空間を上下二つに仕切る役割を補助するためのものである。すなわち、服地部10に設けられた帯状部材69の両端部の間に生じた隙間を小さくする役割を果たす。
第二実施形態では、仕切補助手段15として、帯状の扁平弾性部材を用いる。かかる扁平弾性部材の一端は、服地部10の左前部及び右前部のうちいずれか一方の表面であって左右の前部が重なり合う部分の近傍に縫い付けられている。一方、扁平弾性部材の他端には、例えばホック等の嵌合部材(図示せず)が取り付けられている。また、その嵌合部材に対応する服地部10の箇所には、例えば留め金等の固定部材(図示せず)が取り付けられている。
空調服ユニット1aを着用する場合には、服地部10の左前部と右前部とを粘着テープ14で閉じた後、嵌合部材を固定部材に嵌め込むようにする。このとき、扁平弾性部材によって、服地部10の左前部と右前部とが互いに引き寄せられるので、帯状部材69の両端部の間に生じた隙間を小さくすることができる。また、嵌合部材を固定部材に嵌め込む作業も簡単に行うことができる。
尚、ここでは、仕切補助手段15として帯状の扁平弾性部材を使用した場合について説明したが、一般に、仕切補助手段15は、帯状部材69の両端部の間の隙間を小さくし、空気が逆流してしまうような漏れ空間をなくすようなものであればどのようなものでもよく、必ずしも弾性部材には限られない。
密着手段150は、スペーサ20を体又は下着91に密着させるためのものである。これにより、服地部10と体又は下着91との間に余分な空気が存在するのを排除し、スペーサ20の厚み等で決められた設計通りの量の空気を流通路70内に流すことができる。かかる密着手段150は、服地部10の前面に複数設けられている。尚、一般に、密着手段150は、服地部10のいずれの位置にも取り付けることができる。図9では、密着手段150を、服地部10の前部に取り付けているが、例えば、着用者の体型に沿うように服地部10の後部に取り付けてもよい。
第二実施形態の空調服ユニットは、上記の第一実施形態のものと同様の作用・効果を奏する。特に、第二実施形態の空調服ユニットでは、服地部に密着手段を設けたことにより、スペーサが体又は下着に密着するので、スペーサが下着と離れてしまい、冷却効果が低下してしまうのを防止することができる。また、スペーサの密着性が向上するので、空調服ユニットを着用していないときに上着を着るのと同じぐらい容易に、上着を空調服ユニットの上に着用することができる。
次に、本発明の第三実施形態について図面を参照して説明する。図10Aは本発明の第三実施形態に係る空調服ユニットの概略正面図、図10Bはその空調服ユニットのC−C矢視方向概略断面図である。尚、第三実施形態において、第一実施形態のものと同一の機能を有するものには、同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
第三実施形態の空調服ユニット1bは、図10に示すように、服地部10と、服地部10の裏面の所定部位に取り付けられた複数のスペーサ20により形成された、服地部10と体又は下着との間に空気を流通させるための流通路70と、服地部10と体又は下着との間の空間を上下二つに仕切るための仕切手段8と、仕切手段8に設けられた、流通路70内に空気の流れを強制的に生じさせるための送風手段6と、送風手段6に電力を供給するための電源ユニット90と、服地部10の上部に設けられた空気流入部40と、服地部10の下部に設けられた空気流出部50bと、空気遮断手段12とを備える。
尚、この空調服ユニット1bも、第一の実施形態と同様に、ベストに適用した場合について説明する。また、この空調服ユニット1bは、ファスナー11で前を閉じるタイプのものであるとする。
第三実施形態の空調服ユニット1bが第一実施形態の空調服ユニット1と異なる主な点は、空気流出部50bの上下方向の長さを十分長くした点、及び、服地部10のシート状素材71の表面に胴回り方向に沿って空気遮断手段12を設けた点である。その他の点については、上記の第一実施形態のものと同じである。
第三実施形態では、服地部10の下部に用いられるメッシュ状素材51bを、それが臀部を覆うことができる程度にまで十分長くしている。したがって、メッシュ状素材51bにスペーサ20を取り付けることにより形成される空気流出部50bについてもその上下方向の長さが十分長くなっている。ここで、空気流出部50bを体に密着させないようにしている。これにより、着用者が椅子に腰掛けていても臀部が蒸れることはない。このように、第三実施形態では、空気流出部50bの上下方向の長さを腰部及び臀部を覆うことができるように長くすることにより、その空気流出部50bの全体に空気を流し、胸部や背部だけでなく、腰部や臀部をも冷却することができる。かかる腰部や臀部についての冷却効果は、着用者が椅子に腰掛けている場合にも得られる。
尚、この空調服ユニット1bは次のような方法で使用することもできる。すなわち、空気流出部50bをズボンやスカートの中に入れるようにして、空調服ユニット1bを着用する。これにより、ズボンやスカートと体又は下着との間に空気が流通し、実質的に流通路70が腰部や臀部にまで延長される。したがって、腰部及び臀部を冷却することができる。また、下半身に流通した空気は、ズボンやスカートの開口部から外部に排出される。
ところで、密着性のよくない上着を空調服ユニット1bの上に着用した場合には、服地部10と上着との間に広い空間ができてしまうことがある。このとき、当該空間内の空気が、外気と交換されずに、空気流入部40、流通路70、空気流出部50b、当該空間の間において循環してしまうおそれがある。これでは、十分な冷却効果を得ることができない。空気遮断手段12は、かかる空気の循環を防止し、外気が流通路70内に取り込まれることを確保するためのものである。この空気遮断手段12は、服地部10のシート状素材71の表面に胴回り方向に沿って設けられている。これにより、服地部10と上着との間の空間において、上下方向に沿っての空気の流れを遮断することができるので、同じ空気が何度も流通路70及び当該空間を循環するのを防止することができる。
第三実施形態の空調服ユニットは、上記の第一実施形態のものと同様の作用・効果を奏する。特に、第三実施形態の空調服ユニットでは、空気流出部が、腰部及び臀部を覆うことができるような長さを有することにより、着用者が椅子に腰掛けているときであっても、胸部や背部だけでなく、腰部や臀部についても冷却することができる。また、空気遮断手段を服地部のシート状素材の表面に胴回り方向に沿って設けたことにより、密着性のよくない上着を空調服ユニットの上に着用した場合に、服地部と上着との間の空間において空気が上下方向に沿って流通するのを防止することができるので、同じ空気が何度も流通路及び当該空間を循環するのを防止することができる。
次に、本発明の第四実施形態について図面を参照して説明する。図11は本発明の第四実施形態に係る空調服ユニットにおける空気流量制御部の概略ブロック図である。
人というものは、食物を摂取して生命維持活動や仕事を行い、それに対応して発熱する非常に効率の悪い作業装置と考えることができる。効率が悪いゆえに、摂取したカロリーのほとんどが熱になり、正常な体温を維持するためには、その時の作業量に応じた量の放熱が必要になる。このために、人には、発汗により身体を冷却する生理的機能が備わっている。すなわち、作業量に応じて生理的に必要とされる放熱量が決まり、これに対応した量の汗を出すようになっている。汗がすべて気化されれば、その人のその時の状況に最適な放熱が行われる。放熱量に対応した汗の量はもちろん脳により一義的に計算されたものではないであろうが、体温が激しく上昇すれば、大量の汗を出し続け、その結果、体温が下がれば、汗の量が少なくなり、体を冷やしすぎることはない。したがって、結果的には、人は、作業量に応じて生理的に必要とされる放熱量に対応した量の汗を出すことになる。しかし、温湿度、風の有無、作業量などの諸条件により汗をすべて気化することができないことがある。この場合、生理的に必要とされる放熱量が得られず、人は、気化されない無駄な汗を出し続けるので、不快になるだけでなく、生理的にもダメージをこうむる。
一方、上記の第一、第二又は第三の実施形態の空調服ユニットを着用した場合には、大量の空気を体の表面と略平行に流すことにより、汗をすべて気化できる条件の範囲を大幅に拡大することができる。このとき、これら各実施形態の空調服ユニットでは、常に大量の空気を流通路内に流し続けている。しかしながら、着用者の作業環境によっては、常に大量の空気を流通路内に流し続ける必要はない。すなわち、着用者が大量の放熱を必要とする作業を行う場合には、大量の空気を流通路内に流通させなければならないが、オフィスワークなど、大量の放熱を必要としない作業を行う場合には、流通路内には少量の空気を流通させるだけでよい。このように着用者のその時の状況に応じた量の空気を流すことができれば、電池の無駄使いを抑えることができるだけでなく、送風手段の寿命を延ばすことができる。
第四実施形態の空調服ユニットは、温湿度、作業量などの諸条件に応じた量の空気を流通路内に流すことができるように、上記の第一、第二及び第三の実施形態の空調服ユニットを改良したものである。かかる第四実施形態の空調服ユニットが第一実施形態の空調服ユニットと異なる点は、流通路内に流通させる空気の流量を自動的に制御する空気流量制御部を備えている点である。その他の点については、上記の第一実施形態のものと同じである。また、第四実施形態の空調服ユニットの外観は、図1及び図2に示すものと略同様である。以下では、空調服ユニットの基本的な構成についての説明は省略する。尚、第四実施形態において、第一実施形態のものと同一の機能を有するものには、同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
第四実施形態の空調服ユニットにおける空気流量制御部100は、図11に示すように、温度センサ(周囲温度検出手段)101と、消費エネルギー量センサ102と、演算手段104と、制御手段105とを備える。
温度センサ101は、着用者の体の周囲における温度、又は温度及び湿度を検出するものである。この温度センサ101は、服地部10の外側に取り付けられる。温度センサ101で得られた温度、又は温度及び湿度に関するデータは、演算手段104に送られる。
消費エネルギー量センサ102は、着用者が作業に伴って消費するエネルギー量に対応する所定の量を検出するものである。作業に伴う消費エネルギー量は、当然、作業量に応じて変化する。また、作業量が増え、消費エネルギー量も増えると、体温、脈拍等が上昇する。このため、消費エネルギー量センサ102としては、例えば、加速度センサなどを用いて作業量の概算量を検出する作業量センサや、体温・脈拍等の生理データを検出する生理センサを用いることができる。この生理センサで検出された体温、脈拍等の生理データに基づいて、消費エネルギー量の概算量、したがって作業量の概算量を知ることができる。消費エネルギー量センサ102で得られた検出結果に関するデータは、演算手段104に送られる。
消費エネルギー量センサ102として作業量センサを用いる場合には、当該作業量センサは空調服ユニットのいずれの箇所に取り付けてもよい。また、消費エネルギー量センサ102として生理センサを用いる場合には、当該生理センサは、空調服ユニットの内側、すなわち下着や体に接するところに設けることが望ましい。ここで、空調服ユニットは下着又は体の上に着用されるため、生理センサを容易に取り付けることができる。
演算手段104は、温度センサ101で得られた検出結果と消費エネルギー量センサ102で得られた検出結果とに基づいて、着用者がその時の状況に応じて適切な放熱を行うために必要とされる、流通路70内に流通させる空気の流量を算出する。演算手段104で得られた算出結果は制御手段105に送られる。制御手段105は、演算手段104で算出された空気の流量に基づいて送風手段6の駆動条件を決定し、その決定した駆動条件にしたがって送風手段6を制御する。ここで、送風手段6の駆動条件としては、例えばモータ62の回転数を用いる。モータ62の回転数が決まれば、流通路70内における空気の流量も定まる。これにより、温湿度、作業内容に応じて適切な量の空気を流通路70内に流通させることができる。
第四実施形態の空調服ユニットは、上記の第一実施形態のものと同様の作用・効果を奏する。特に、第四実施形態の空調服ユニットでは、演算手段が、温度センサで得られた検出結果と消費エネルギー量センサで得られた検出結果とに基づいて流通路内に流通させる空気の流量を算出し、制御手段が、演算手段で算出された空気の流量に基づいて送風手段の駆動条件を決定し、その決定した駆動条件にしたがって送風手段を制御する。これにより、温湿度や作業内容に応じて適切な量の空気を流通路内に流通させることができるので、電池の無駄使いを抑えて、電池の寿命を延ばすことができると共に、送風手段にかかる負荷を軽減して、送風手段の寿命を延ばすことができる。
また、第四実施形態の空調服ユニットでは、その使用時に、送風手段のノイズ音もそれ程気にならなくなるという利点もある。例えば、着用者が大量の放熱を必要とする作業を行う場合には、モータの回転数が大きくなり、送風手段のノイズ音が大きくなる。しかし、一般に、このような作業を行う場合、その周囲の騒音レベルも高いので、たとえ送風手段のノイズ音が大きくても、着用者及びその周囲の人はそのノイズ音があまり気にならない。また、オフィスワークなど、大量の放熱を必要としない作業を行う場合には、モータの回転数が小さくなるので、送風手段のノイズ音が小さく、着用者及びその周囲の人はそのノイズ音が気になることはない。
尚、作業の状況に応じて適切な放熱を行うために必要とされる空気の流量には、もちろん個人差がある。このため、この個人差を示すデータを予め演算手段内のメモリに蓄積しておき、演算手段は、温度センサで得られた検出結果と、消費エネルギー量センサで得られた検出結果と、個人差データとに基づいて、流通路内に流通させる空気の流量を算出するようにすることが望ましい。
次に、本発明の第五実施形態について図面を参照して説明する。図12は本発明の第五実施形態に係る空調服ユニットにおける空気流量制御部の概略ブロック図である。
第五実施形態の空調服ユニットは、上記の第四実施形態の空調服ユニットを改良したものである。かかる第五実施形態の空調服ユニットが第四実施形態の空調服ユニットと異なるのは、空気流量制御部100aの構成である。その他の点については、上記の第四実施形態のものと同じである。尚、第五実施形態において、第一及び第四の実施形態のものと同一の機能を有するものには、同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
第五実施形態では、空気流量制御部100aは、図12に示すように、温度センサ101と、生理センサ(体温検出手段)102aと、演算手段104aと、制御手段105と、警報装置107と、送信回路108とを備える。この空気流量制御部100aは、第四実施形態と同様に流通路70内に流通させる空気の流量を制御する。ここでは、かかる空気の流量の制御についての詳細な説明は省略する。また、空気流量制御部100aは、空気の流量の制御に加えて、警報を発したり、所定の情報を外部に送信したりするための制御を行う。
温度センサ101は、着用者の体の周囲における温度、又は温度及び湿度を検出するものである。生理センサ102aは、生理データとして体温又は体温及び脈拍を検出するものである。生理センサ102aは、空調服ユニットの内側、すなわち下着や体に接するところに設けられる。生理センサ102aで検出された生理データは、演算手段104aに送られる。尚、生理センサ102aは、体温や脈拍だけでなく、他の必要なデータを検出するようにしてもよい。
警報装置107は、所定の警報を発するものである。また、送信回路108は、体調に関する情報を外部の受信回路に送信するものである。
演算手段104aは、温度センサ101で得られた検出結果及び生理センサ102aで得られた検出結果に基づいて流通路内に流通させる空気の流量を算出する。そして、制御手段105は、演算手段104aで算出された空気の流量に基づいて送風手段6の駆動条件を決定し、その決定した駆動条件にしたがって送風手段6を制御する。
また、演算手段104aは、生理センサ102aで検出された体温又は体温及び脈拍に基づいて当該体温又は脈拍がそれぞれ所定の基準範囲内にあるか否かを判断し、当該体温又は脈拍が基準範囲以外にあると判断したときに、警報を発する旨の信号を警報装置107に送出する。これにより、着用者の体に何らかの異常が生じた、又は生じそうになったときに、着用者本人やその周囲の人にその旨を知らせることができる。
更に、演算手段104aは、生理センサ102aで検出された体温又は体温及び脈拍に基づいて体調に関する情報を生成する。この体調に関する情報には、当該着用者の識別番号、生理センサ102で検出された生理データ等が含まれる。演算手段104aが体調に関する情報を送信回路108に送ると、送信回路108はその送られた体調に関する情報を外部の受信回路に送信する。ここで、受信回路は、例えば予め定めた医療機関に設置しておく。これにより、その医療機関は、受信回路で受信した体調に関する情報に基づいて当該着用者の体調をきめ細かく管理することができる。
第五実施形態の空調服ユニットでは、上記の第四実施形態のものと同様の作用・効果を奏する。特に、演算手段が、生理センサで検出された体温又は体温及び脈拍に基づいて当該体温又は脈拍がそれぞれ所定の基準範囲内にあるか否かを判断し、当該体温又は脈拍が基準範囲以外にあると判断したときに、警報を発する旨の信号を警報装置に送出することにより、体に何らかの異常が生じたとき、又は生じそうになったときに、着用者本人やその周囲の人に警報を発することができる。また、演算手段が生理センサで検出された体温又は体温及び脈拍に基づいて体調に関する情報を生成し、送信回路がその体調に関する情報を外部の受信回路に送信することにより、例えば受信回路を予め定めた医療機関に設置しておけば、その医療機関において着用者の健康管理をリアルタイムで行うことができる。
尚、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上記の各実施形態では、スペーサとしてメッシュスペーサを用いた場合について説明したが、スペーサは、メッシュスペーサに限らず、空気抵抗の少ないものであればどのようなものでも用いることができる。
また、上記の各実施形態では、三つのスペーサを服地部の中央部に取り付けることにより流通路を形成した場合について説明したが、例えば、一つのスペーサを服地部の中央部に取り付けることにより流通路を形成してもよい。
また、上記の各実施形態では、空気流入部を服地部の上部に、空気流出部を服地部の下部に設けた場合について説明したが、空気流入部を服地部の下部に、空気流出部を服地部の上部に設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施形態では、送風手段が複数のモータを有する場合について説明したが、送風手段は、一のモータだけを有し、当該一のモータによって複数のプロペラを駆動するものであってもよい。
更に、上記の各実施形態では、帯状部材を、服地部の裏面に体の略胴回り方向に沿って一重巻に取り付けた場合について説明したが、プロペラによる送風圧を増やす場合には、帯状部材を服地部の裏面に多重に設けるようにしてもよい。この場合、服地部の裏面から見ると、複数のプロペラは複数の帯状部材に階段状に設けられることになる。
本発明の空調服ユニットは、クリーンルームでの作業の際に着用する防塵服の下に着用される中着服として利用することができる。通常、クリーンルームでは、空気を上から下に向かって流しており、床に落ちた塵を吸い取っている。このため、クリーンルーム用の空調服ユニットの場合には、服地部の上部に空気流入部を設け、服地部の下部に空気流出部を取り付ける。このとき、送風手段は、人体から出た塵を空気と共に下方に排出するように構成する。
また、本発明の空調服ユニットの上に着用される上着としては、通気性のある又は通気をよくする工夫が施されたものであれば、背広に限らず、作業衣、ウインタースポーツ用の衣服、漁業用の作業服、きもの等の普段着を用いることができる。すなわち、本発明の空調服ユニットは、これらの普段着の下に着用される中着服として利用することができる。更に、本発明の空調服ユニットは、耐火服、防弾服、防刀服の下に着用される中着服として利用することもできる。
以上説明したように、本発明に係る空調服ユニットは、上着を任意に選択し、その選択した上着と組み合わせて着用することができるので、上着を自由に選択することができるという優れた効果を有する。
服地部の裏面の所定部位にスペーサを設けたことにより、服地部と体又は下着との間に一定の間隔が保たれるので、服地部と体又は下着との間において空気の流通性を高めることができる。そして、外部からの空気を体又は下着に沿って流通させることにより、体の表面近傍における温度を下げることができると共に、体からの汗を気化させ、その気化熱により、体を直接的に冷却することができる。したがって、本発明に係る空調服ユニットは、簡易な構造である一方で、冷却効果の高い構造であるという優れた効果を有する。
送風手段の有する複数のプロペラを、帯状部材にその長手方向に沿って取り付けたことにより、プロペラのトータル面積を増やすことができるので、大風量の空気を服地部と体又は下着との間に発生させることができる。また、複数のプロペラを、各プロペラの回転軸が体の表面に対して略平行となるように仕切手段に取り付けたことにより、服地部と体又は下着との間の空間において体の表面に沿って空気を十分に流通させることができる。したがって、本発明に係る空調服ユニットは、その着用の際には一層涼しく、快適であるという優れた効果も有する。
また、本発明に係る空調服ユニットは、単体で使用することができるが、この場合、空調服ユニットの所定箇所に簡単な服地を取り付けるようにしてもよい。これにより、空調服ユニットの見栄えを良くすることができる。
以上説明したように、本発明の空調服ユニットによれば、空気を、送風手段を介して上側の流通路から下側の流通路へ強制的に流通させることができる。これにより、体の表面近傍における温度を下げることができると共に、体からの汗を気化させ、その気化熱により、体を直接的に冷却することができる。また、通気性のある又は通気をよくする工夫を施した上着を空調服ユニットの上に着用しても、その上着の服地を介して外部からの空気を空気流入部から流通路内に取り込むことができる。したがって、本発明は、通気性のある又は通気をよくする工夫が施されている上着を自由に選択し、その選択した上着と組み合わせて着用することができ、且つ、簡易な構造で快適に過ごすことのできる衣服に適用することができる。

Claims (25)

  1. 服地部と、
    前記服地部の裏面の所定部位に取り付けられた一又は複数のスペーサにより形成された、前記服地部と体又は下着との間に空気を流通させるための流通路と、
    前記服地部と体又は下着との間の空間を上下二つに仕切るための仕切手段と、
    前記仕切手段に設けられた、前記流通路内に空気の流れを強制的に生じさせるための送風手段と、
    前記送風手段に電力を供給するための電源手段と、
    前記服地部の上部及び下部に設けられた、外部の空気を前記流通路内に取り入れるため又は前記流通路内の空気を外部に取り出すための空気流通部と、
    を備え、
    前記送風手段によって前記服地部の上部及び下部に設けられた前記空気流通部のうちいずれか一方から外部の空気を前記流通路内に取り入れ、その取り入れた空気を前記流通路内に体の表面に略平行に流通させることにより、体の表面近傍における温度勾配を大きくして、体を冷却すると共に、体からの汗と前記流通路内を流通する空気とを接触させることにより、体からの汗を気化させ、当該気化の際に周囲から気化熱を奪う作用を利用して、体を冷却することを特徴とする空調服ユニット。
  2. 請求項1記載の空調服ユニットにおいて、前記服地部の中央部には空気漏れの少ないシート状素材が用いられており、前記シート状素材の裏面に前記スペーサが取り付けられることにより前記流通路が形成されることを特徴とする空調服ユニット。
  3. 請求項1記載の空調服ユニットにおいて、前記服地部の上部及び下部には空気流通性の良いメッシュ状素材が用いられており、前記メッシュ状素材の裏面に前記スペーサが取り付けられることにより、空気を前記流通路内に取り入れるための空気流入部と前記流通路内の空気を外部に排出するための空気流出部とからなる前記空気流通部が形成されることを特徴とする空調服ユニット。
  4. 請求項1記載の空調服ユニットにおいて、前記空気流通部は空気を前記流通路内に取り入れるための空気流入部と、前記流通路内の空気を外部に排出するための空気流出部とからなり、前記空気流入部又は/及び前記空気流出部は、前記服地部の端部の裏面に取り付けられた前記スペーサの開口端であることを特徴とする空調服ユニット。
  5. 請求項1から4のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、前記スペーサは、略扁平な網目状部材を凸の金型と凹の金型の間に入れて熱成形し、前記網目状部材の厚み方向に突出した複数の凸部を前記網目状部材に形成することにより作製されたものであることを特徴とする空調服ユニット。
  6. 請求項1から5のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、前記スペーサの厚みは2mm〜30mmであることを特徴とする空調服ユニット。
  7. 請求項1から6のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、前記スペーサに抗菌処理を施したことを特徴とする空調服ユニット。
  8. 請求項1から7のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、前記仕切手段は前記スペーサの厚みと少なくとも同じ厚みをもつ帯状部材を有するものであり、前記帯状部材は前記流通路内の所定位置における前記服地部の裏面に胴回り方向に沿って取り付けられていることを特徴とする空調服ユニット。
  9. 請求項8記載の空調服ユニットにおいて、前記送風手段は複数のプロペラを有するものであり、且つ、前記複数のプロペラは前記帯状部材の長手方向に沿っての所定位置において前記帯状部材の内部に挿入されており、空気は上側の前記流通路と下側の前記流通路との間を前記複数のプロペラを介して流通することを特徴とする空調服ユニット。
  10. 請求項8記載の空調服ユニットにおいて、前記帯状部材は前記服地部に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする空調服ユニット。
  11. 請求項1から10のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、前記送風手段は、複数のプロペラと、一又は複数のモータと、前記一又は複数のモータの動力を前記複数のプロペラに伝達する複数の動力伝達手段とを有することを特徴とする空調服ユニット。
  12. 請求項11記載の空調服ユニットにおいて、前記各プロペラの直径が3mm〜30mmであることを特徴とする空調服ユニット。
  13. 請求項11記載の空調服ユニットにおいて、前記複数のプロペラは、前記各プロペラの回転軸が体の表面に対して略平行となるように前記仕切手段に取り付けられることを特徴とする空調服ユニット。
  14. 請求項11記載の空調服ユニットにおいて、前記送風手段は、前記各プロペラの回転軸が互いに略平行となるようにして前記各プロペラを当該回転軸に略直交する方向に沿って配置することにより、帯状に構成されたものであり、且つ、前記仕切手段の一部を兼ねることを特徴とする空調服ユニット。
  15. 請求項1から14のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、無線送信手段から送られた所定の信号を受信する受信回路と、前記受信回路で受信した信号に基づいて前記送風手段の駆動を制御する制御回路とを備えることを特徴とする空調服ユニット。
  16. 請求項1から15のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、前記服地部の下部に設けられた前記空気流通部は、着用者の腰部及び臀部を覆うことができるような長さを有することを特徴とする空調服ユニット。
  17. 請求項1から16のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、前記服地部には、前記スペーサを体又は下着に密着させるための密着手段が設けられていることを特徴とする空調服ユニット。
  18. 請求項1から17のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、前記服地部の表面に設けられた、前記服地部の上に上着が着用されたときに前記服地部と前記上着との間の空間において空気が上下方向に沿って流通するのを遮断する空気遮断手段を備えることを特徴とする空調服ユニット。
  19. 請求項1から18のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、前記電源手段は燃料電池であることを特徴とする空調服ユニット。
  20. 請求項1から19のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、クリーンルームでの作業の際に着用する防塵服の下に着用される中着服として用いられることを特徴とする空調服ユニット。
  21. 請求項1から19のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、耐火服、防弾服、防刀服のいずれかの下に着用される中着服として用いられることを特徴とする空調服ユニット。
  22. 請求項1から19のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、普段着の下に着用される中着服として用いられることを特徴とする空調服ユニット。
  23. 請求項1から22のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、
    体の周囲における温度又は温度及び湿度を検出する周囲温度検出手段と、
    着用者が消費するエネルギー量に対応する所定の量を検出する消費エネルギー量検出手段と、
    前記周囲温度検出手段で得られた検出結果と前記消費エネルギー量検出手段で得られた検出結果とに基づいて、着用者がその時の状況に応じて適切な放熱を行うために必要とされる、前記流通路内に流通させる空気の流量を算出する演算手段と、
    前記演算手段で算出された空気の流量に基づいて前記送風手段の駆動条件を決定し、その決定した駆動条件にしたがって前記送風手段を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする空調服ユニット。
  24. 請求項1から22のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、
    着用者の体温又は体温及び脈拍を検出する体温検出手段と、
    警報を発する警報手段と、
    前記体温検出手段で検出された体温又は体温及び脈拍に基づいて当該体温又は脈拍がそれぞれ所定の基準範囲内にあるか否かを判断し、当該体温又は脈拍が前記基準範囲以外にあると判断したときに、警報を発する旨の信号を前記警報手段に送出する演算手段と、
    を備えることを特徴とする空調服ユニット。
  25. 請求項1から22のいずれか記載の空調服ユニットにおいて、
    着用者の体温又は体温及び脈拍を検出する体温検出手段と、
    前記体温検出手段で検出された体温又は体温及び脈拍に基づいて体調に関する情報を生成する演算手段と、
    前記演算手段から送られた前記体調に関する情報を外部の受信手段に送信する送信手段と、
    を備えることを特徴とする空調服ユニット。
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