JPWO2004003786A1 - 文章入力システム - Google Patents

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Abstract

文章入力に用いられるキーボードと、入力文字列及び文章を表示するための表示装置と、プログラム及びデータを記憶するための記憶装置と、キーボードを用いて入力された文字列をプログラムにしたがって処理する処理装置とを備えた文章入力システムにおいて、文を構成する単語や句の末尾の文字に対応する文字キーを2回入力したときの入力文字列を単語や句に変換するための変換用辞書を備え、処理装置が、キーボードから文字が入力されるたびに入力文字列の記憶を更新し、その入力文字列と変換用辞書とのマッチングを行い、入力文字列が変換用辞書に登録されていれば、対応する変換文字列を単語及びスペース、又は、入力文字列と異なる文字列として表示装置の画面における文章表示エリアに表示すると共に、入力文字列の記憶をクリアすることにより、スペースキーを用いることなく単語と単語の間にスペースが挿入され、あるいは変換キーを用いることなく文字列変換が実行される。

Description

本発明は、コンピュータ等の情報処理装置を用いて英語、日本語等の文章を入力するための文章入力システムに関する。詳しくは、英語等における単語の区切りを表すスペースの入力方法や日本語等における文字列変換の指示方法の改善に関する。
近年、情報通信技術の発達に伴い、文章をパーソナルコンピュータやワードプロセッサ専用機を用いて入力する機会が多くなってきている。このような文章入力は、複数のキースイッチが所定の規則に沿って配列されたキーボードを用いて行われることが多い。ASCII標準キーボード配列は英文タイプライターの配列を基礎として定められており、英数字キー、カンマ、ピリオド等の符号キーの他にスペースキーが備えられている。英語等の欧文入力においては、単語のスペルにしたがって対応する文字のキーを順次押下し、単語と単語の間にはスペースキーを押下する。
また、例えばJIS標準キーボードでは、英数字キーや符号キーに50音の仮名が割り振られている。日本語入力に際してはローマ字変換入力又は直接仮名入力のいずれかの方法で文章入力を行うことができる。いずれの入力方法においても、入力された仮名文字列を漢字と仮名が混じった文字列に変換する仮名漢字変換が採用され、通常は変換キーを押下することによって仮名漢字変換が実行される。例えばスペースキーを変換キーとして使用する場合もある。このような仮名漢字変換等の処理を実行する部分をワードプロセッサから切り離して日本語フロントエンドプロセッサと呼ぶことがある。
英語等の欧文入力の場合は、通常はキーボード上の英数字キーや符号キーを用いて変換処理を行うことなく文章を入力することができる。ドイツ語やフランス語等で使用される特殊文字についても、その数が限られているので、例えば複数キーの組合せで入力することができる。このため、欧文のワードプロセッサでは、日本語フロントエンドプロセッサのような文字列の変換処理の必要性が少ない。
しかし、キーボードを用いた欧文の文章入力を学習する人にとって、上記のような単語と単語の間に必須のスペース入力が余計な労力に感じられることがある。同様に、日本語のように文字列の変換を伴う文章入力において変換キーを押すことが余計な労力に感じられることがある。日本語フロントエンドプロセッサの中には、変換キーを押下することなく例えば句読点が入力された時点で仮名漢字変換を行う自動変換モードを備えているものがある。しかし、変換精度が不十分であること等の理由により、そのような自動変換モードはあまり使用されておらず、単語の切れ目あるいは単語プラス助詞の切れ目で変換キーを押下して仮名漢字変換を実行する人が多い。
また、最近は携帯電話や個人情報端末(PDA)のようないわゆる携帯端末を用いて電子メール等の文章入力を行うことが多くなってきている。このような携帯端末に備えられているキーボードは、標準キーボードに比べてキーの数が少なくキー配列も異なる場合がほとんどである。小形であることが重要な携帯端末では、できるだけ少ない数のキーによる効率的な文章入力を可能にする必要がある。
例えば欧文の文章入力において、スペースの入力をスペースキーの押下以外の方法で行うことができればスペースキーを削除することができる。あるいは日本語のように文字列の変換を伴う文章入力において、仮名漢字変換のような変換処理を変換キーの押下以外の方法で指示することができれば変換キーを削除することができる。但し、前述のように句読点の入力に伴って変換を行うような方法ではなく、単語の切れ目あるいは単語プラス助詞の切れ目で仮名漢字変換を行うことが望ましい。
本発明は、上記のような従来の文章入力における課題を考慮し、欧文における単語の区切りを表すスペースの入力又は日本語等における文字列変換の指示をスペースキー又は変換キーを用いることなく行う方法とそのような文章入力システムを提供することを目的とする。
本発明による文章入力システムの第1の構成は、文章入力に用いられるキーボードと、入力文字列及び文章を表示するための表示装置と、プログラム及びデータを記憶するための記憶装置と、キーボードを用いて入力された文字列をプログラムにしたがって処理する処理装置とを備えた文章入力システムであって、文を構成する単語の末尾の文字に対応する文字キーを2回入力したときの入力文字列を単語に変換するための変換用辞書を備え、処理装置が、キーボードから文字が入力されるたびに入力文字列の記憶を更新し、その入力文字列と変換用辞書とのマッチングを行い、入力文字列が変換用辞書に登録されていれば、対応する変換文字列を単語及びスペースとして表示装置の画面における文章表示エリアに表示すると共に、入力文字列の記憶をクリアすることにより、スペースキーを用いることなく単語と単語の間にスペースが挿入されることを特徴とする。
このような構成によれば、作業者は単語の末尾の文字に対応する文字キーを2回入力することによって別のスペースキーを使用することなく単語と単語の間にスペースが自動挿入され文章を入力することができる。また、携帯端末のような専用のキーボードを備えた装置において、スペースキーを削除することが可能になる。
好ましい実施形態において、変換用辞書は、入力文字列フィールド及び変換文字列フィールドに加えて、確定・未確定フィールドを備え、処理装置は、入力文字列が変換用辞書に登録されており、かつ、対応する確定・未確定フィールドの情報が未確定である場合は、入力文字列の記憶をクリアしないで対応する変換文字列を一時記憶し、後に続く文字入力によって入力文字列が変換用辞書に登録されている入力文字列のいずれにも一致する可能性が無くなった時点で一時記憶された変換文字列を単語及びスペースとして表示装置の画面における文章表示エリアに表示すると共に、入力文字列のうち一時記憶された変換文字列に対応する部分をクリアすることを特徴とする。
別の好ましい実施形態において、キーボードを構成する文字キーには1つの文字がそれぞれ割り当てられ、1つの文字キーを複数回入力したときに同じ文字が複数個入力されるように構成されており、変換用辞書の入力文字列フィールドには、文を構成する単語の末尾の文字が2個続く入力文字列が登録されている。
あるいは、キーボードは複数の文字が割り当てられた文字キーを含み、文字キーを複数回入力すると、割り当てられた複数の文字があらかじめ定められた順番に入れ替わって入力されるように構成されており、変換用辞書の入力文字列フィールドには、文を構成する単語の末尾の文字が対応する文字キーの2回入力によって変化する文字に置き換えられた入力文字列が登録されている。
本発明による文章入力システムの第2の構成は、文章入力に用いられるキーボードと、入力文字列及び文章を表示するための表示装置と、プログラム及びデータを記憶するための記憶装置と、キーボードを用いて入力された文字列をプログラムにしたがって処理する処理装置とを備えた文章入力システムであって、文を構成する単語又は句(例えば単語プラス助詞)の末尾の文字に対応する文字キーを2回入力したときの入力文字列を単語又は句に変換するための変換用辞書を備え、処理装置が、キーボードから文字が入力されるたびに入力文字列の記憶を更新し、その入力文字列と変換用辞書とのマッチングを行い、入力文字列が変換用辞書に登録されていれば、対応する変換文字列を単語又は句として表示装置の画面における文章表示エリアに表示すると共に、入力文字列の記憶をクリアすることにより、変換キーを用いることなく仮名漢字変換のような文字列変換が単語又は句単位で実行されることを特徴とする。
このような構成によれば、作業者は単語又は句の末尾の文字に対応する文字キーを2回入力することによって別の変換キーを使用することなく日本語入力の場合の仮名漢字変換のような文字列変換を単語又は句単位で実行しながら文章を入力することができる。また、携帯端末のような専用のキーボードを備えた装置において、変換キーを削除することが可能になる。
好ましい実施形態において、変換用辞書は、入力文字列フィールド及び変換文字フィールドに加えて、確定・未確定フィールドを備え、処理装置は、入力文字列が変換用辞書に登録されており、かつ、対応する確定・未確定フィールドの情報が未確定である場合は、入力文字列の記憶をクリアしないで対応する変換文字列を一時記憶し、後に続く文字入力によって入力文字列が変換用辞書に登録されている入力文字列のいずれにも一致する可能性が無くなった時点で一時記憶された変換文字列を単語又は句として表示装置の画面における文章表示エリアに表示すると共に、入力文字列のうち一時記憶された変換文字列に対応する部分をクリアする。
別の好ましい実施形態において、キーボードを構成する文字キーには1つの文字がそれぞれ割り当てられ、1つの文字キーを複数回入力したときに同じ文字が複数個入力されるように構成されており、変換用辞書の入力文字列フィールドには、文を構成する単語又は句の末尾の文字が2個続く入力文字列が登録されている。
あるいは、キーボードは複数の文字が割り当てられた文字キーを含み、文字キーを複数回入力すると割り当てられた複数の文字があらかじめ定められた順番に入れ替わって入力されるように構成されており、変換用辞書の入力文字列フィールドには、文を構成する単語又は句の末尾の文字が対応する文字キーの2回入力によって変化する文字に置き換えられた入力文字列が登録されている。
上記のような本発明の文章入力システムは、例えばパーソナルコンピュータシステムや携帯端末等に、専用ソフトウェアプログラム(文章入力用プログラム)をインストールすることによって実現される。また、そのようなプログラムは、CD−ROMやメモリカード等の記憶媒体あるいはネットワークを介して流通させ、コンピュータシステムへのインストールを行うことができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る文章入力システムの概略構成を示すブロック図である。
図2は、第1の実施形態の文章入力システムで使用される変換用辞書の一部の例を示す図表である。
図3は、キーボードから文字又は符号が入力されるたびに処理装置が実行する処理の例を示すフローチャートである。
図4は、符号入力処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
図5は、英文例を入力する際に参照される変換用辞書の関連部分を示す図表である。
図6及び図7は、英文例の入力に伴う表示装置の画面表示の例を示す図である。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る文章入力システムで使用されるキーボードの文字キー割り当ての例を示す図表である。
図9は、第2の実施形態の文章入力システムで使用される変換用辞書の一部の例を示す図表である。
図10は、本発明の第3の実施形態の文章入力システムで使用される変換用辞書の一部の例を示す図表である。
図11は、本発明の第4の実施形態に係る文章入力システムで使用されるキーボードの文字キー割り当ての例を示す図表である。
図12は、第4の実施形態の文章入力システムで使用される変換用辞書の一部の例を示す図表である。
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
まず、本発明の第1の実施形態に係る文章入力システムの概略構成を図1のブロック図に沿って説明する。文章入力システム1は、表示装置11、キーボード12、マウス13、プリンタ14、処理装置15、主メモリ16、固定ディスク装置17、及びリムーバブルディスク装置18を備えている。
表示装置11は、CRT(陰極線管)、LCD(液晶ディスプレイ)等で構成され、入力された文字列や文章等の画面表示に用いられる。キーボード12は、文章(又は文字列)の入力等に用いられる。マウス13は、表示装置11の画面上におけるポインティングデバイスとして使用されるが、文章入力システム1に必須ではない。マウス13に代えて他のポインティングデバイスを使用してもよいし、キーボード12で代用することもできる。
プリンタ14は、作成された文章の印字出力等に用いられる。処理装置15は、この文章入力システムに関して言えば、キーボード12から入力された文字列を後述する文章入力用プログラムにしたがって処理し、所定の文章を生成する。また、文章入力システム1の全体の制御についても、処理装置15が主として司る。
主メモリ16は半導体メモリであり、処理装置15が実行するプログラムのロードやデータの一時記憶等に用いられる。固定ディスク装置17及びリムーバブルディスク装置18はいわゆる補助記憶装置である。固定ディスク装置17はプログラムやデータの保存に用いられる。保存されるデータの中には、後述する変換用辞書20が含まれる。リムーバブルディスク装置18は、主としてプログラムのインストールやデータのバックアップ等に用いられ、光ディスク装置又は光磁気ディスク装置で構成される。
上記のような文章入力システム1は、一般的なコンピュータシステム(特にパーソナルコンピュータシステム)と、専用の文章入力用プログラム(ソフトウェア)によって構成することができる。文章入力用プログラムは、例えばCD−ROMのような記憶媒体19に記録されて提供され、リムーバブルディスク装置18を介して固定ディスク装置17にインストールされる。但し、そのようなインストール方法に限るわけではなく、例えば、コンピュータシステムに備えられた通信装置を介して接続された他のコンピュータ又はネットワークのサーバから所定の文章入力用プログラムをダウンロードして、固定ディスク装置17にインストールする方法も可能である。
次に、上記のような文章入力システムを用いて行う英文入力の例を説明する。この英文入力方法では、固定ディスク装置17に記憶された変換用辞書20を使用する。変換用辞書20の一部の例を図2に示す。この変換用辞書20は、入力文字列フィールド、確定・未確定フィールド及び変換文字列フィールドを備えている。
入力文字列フィールドには、文章の入力に使用される単語に相当する入力文字列が登録され、変換文字列フィールドには、その入力文字列に対応する変換文字列が登録されている。例えば、入力文字列”aa”に対して変換文字列”a_”が登録されている。但し、”_”は実際には1文字分のスペースである。つまり、入力文字列”aa”に対して登録されている変換文字列は”a”+スペースである。同様に、入力文字列”advisee”に対して変換文字列”advise_”が登録され、入力文字列”advisedd”に対して変換文字列”advised_”が登録されている。
このように、図2に示す変換用辞書20では、文章入力に使用される単語の末尾の文字を重ねた文字列が入力文字列フィールドに登録され、その単語+スペースからなる文字列が変換文字列フィールドに登録されている。したがって、単語の末尾の文字に対応するキーが2回入力された時点で変換用辞書20を参照することにより、その単語+スペースの文字列に変換して表示装置11に表示するといった処理が可能になる。換言すると、単語と単語の間に挿入すべきスペースをキー入力する代わりに、単語の末尾の文字を続けて入力すればよいことになる。例えば”advisedd”と入力すれば、”advised”+スペースが表示装置11に表示される。
また、確定・未確定フィールドに記載された「確定」又は「未確定」の情報は、対応する入力文字列に対して変換文字列を確定してよいか否かを示している。図2では入力文字列”advisee”の確定・未確定フィールドが「未確定」になっている。これは、図2では省略しているが、入力文字列”adviseee”(変換文字列”advisee_”)が登録されているような場合に、文字列”advisee”が入力された時点で変換文字列”advise”を確定することができないからである。
なお、図2の例では、入力文字列のabc昇順に各レコードが登録されている。これは変換用辞書20を参照して入力文字列を探す処理(サーチ処理)の便宜のためである。もちろん、abc降順に各レコードを登録してもよいし、サーチ方法に応じて他の順番に登録してもよい。また、文章入力に使用できる全ての単語を変換用辞書20に登録する必要がある。動詞の変化形や名詞の複数形も変換用辞書20に登録される。例えば、”book”(入力文字列”bookk”)が登録される場合に、その複数形”books”(入力文字列”bookss”)も登録される。
図3は、本実施形態の文章入力システムにおける文章入力用プログラムにしたがって処理装置15が実行する処理の例を示すフローチャートである。キーボード12から文字又は符号が入力されるたびに、このフローチャートに示すようなメインルーチンの処理が実行される。以下、このフローチャートに基づいて文章入力用プログラムによる処理の例を説明する。
まず、ステップ#101において、それまでの入力文字列の末尾に新たな入力文字が付加されて新たな入力文字列となる。入力文字列は所定の記憶領域(例えばレジスタ)に記憶され、後述する所定の場合にクリアされたり更新されたりする。
次のステップ#102において、符号入力か否かが判断される。カンマやピリオド等の符号入力である場合(Yes)は、ステップ#103の符号入力処理サブルーチンが実行された後にステップ#113へ移行する。この符号入力処理サブルーチンについては図4を参照しながら後述する。
ステップ#102において符号入力でなかった場合、すなわち文字入力であった場合(No)は、入力文字列と変換用辞書20との照合(マッチング)を行う(ステップ#104)。一致する入力文字列が変換用辞書20にある場合(ステップ#105のYes)は、その入力文字列が確定文字列であるか否かが判断される(ステップ#106)。確定文字列である場合、すなわち、確定・未確定フィールドが「確定」である場合(Yes)は、続くステップ#107で上記の一致する入力文字列に対応する変換文字列を確定表示し、ステップ#108で入力文字列(の記憶領域)をクリアしてからステップ#113に移行する。
ステップ#106で入力文字列が確定文字列ではない場合、すなわち、確定・未確定フィールドが「未確定」である場合(No)は、ステップ#109で入力文字列に対応する変換文字列が入力文字列の記憶領域とは別の記憶領域に一時記憶される。すでに記憶されている変換文字列がある場合は上書き(更新)される。これで処理を終了し、次の文字入力又は符号入力を待つことになる。
例えば入力文字列が”advisedd”である場合は、図2に例示した変換用辞書20において一致する入力文字列が登録されており、これは確定文字列である。したがって、この入力文字列に対応する変換文字列”advised_”がステップ#107で確定表示される。確定表示は、表示装置11の画面上の文章表示エリアにおいて文章の一部として表示されることを意味する。つまり、文章表示エリアにおける現在のカーソル位置に単語”advised”と1スペースが挿入表示される。
これに対して、例えば入力文字列が”advisee”である場合は、図2に例示した変換用辞書20において一致する入力文字列が登録されており、これは確定文字列ではない(未確定文字列である)。したがって、この入力文字列に対応する変換文字列”advise_”がステップ#109で所定の記憶領域に一時記憶される。
先のステップ#105において、一致する入力文字列が変換用辞書20に無かった場合(No)は、更なる文字入力によって一致する可能性があるか否かが判断される(ステップ#110)。すなわち、現在の入力文字列に一致する文字列を含み、かつ、その後に他の文字又は文字列が付加された入力文字列(以下、前方一致の入力文字列という)が変換用辞書20に登録されているか否かがチェックされる。
例えば、現在の入力文字列”advisedl”に対して、前方一致の入力文字列”advisedlyy”が変換用辞書20に登録されている場合(図2参照)は、ステップ#110において、一致する可能性がある(Yes)と判断される。この場合は、そのまま処理を終了し、次の文字入力又は符号入力を待つことになる。
これに対して、現在の入力文字列が”adviseeh”である場合は、この前方一致の入力文字列は図2の変換用辞書20に登録されていない。このような場合は、ステップ#110において、一致する可能性が無い(No)と判断され、ステップ#111で記憶されている変換文字列が確定表示される。この例では、入力文字列が”advisee”になった時点で前述のステップ#109の処理において変換文字列”advise_”が記憶されている。したがって、ステップ#111において、記憶されている”advise_”が読み出され、文章表示エリアにおける現在のカーソル位置に単語”advise”と1スペースが挿入表示される。なお、スペルミスやタイプミス等に起因して、記憶されている変換文字列が無い場合が考えられるが、エラー表示やブザー鳴動によってその旨を作業者に知らせるようにすることが好ましい。
続いて、ステップ#112で入力文字列が更新される。すなわち、上記の例では現在の入力文字列”adviseeh”のうちの”advisee”が変換済み(確定表示済み)となり、残りの文字”h”のみが新たな入力文字列となる。この後、ステップ#113に移行する。
ステップ#113では、文章表示エリアにおいて確定表示した文字列が文(センテンス)の先頭であるか否かを判断する。例えば、ピリオド(終止符)やクエスチョンマーク(疑問符)のように、文の末尾に入力される符号(以下、文終端符号という)が入力された時点でフラグをセットしておくことによって判断することができる。ステップ#113でこのフラグをチェックし、セットされていれば文の先頭であると判断する。なお、この際にフラグはリセットされる。また、文章の入力開始時点でもフラグをセットしておく。
文の先頭であると判断された場合(ステップ#113のYes)は、続くステップ#114で先頭文字を大文字にする。そして処理を終了する。文の先頭でない場合は(ステップ#113のNo)はそのまま処理を終了する。
図4は、図3のステップ#103における符号入力処理サブルーチンの例を示すフローチャートである。まず、ステップ#201において、最後に入力された符号を除く(符号より前の)入力文字列を確定表示する。次のステップ#202において、その符号を確定表示に続けて表示する。
次のステップ#203からステップ#206までの処理は、入力された符号の後に必要に応じてスペースを付加する処理を行っている。この処理例では、文と文との間、すなわち文終端符号の後にはダブルスペースを付加し、文の途中の区切り、すなわちカンマ等の後にはシングルスペースを付している。
つまり、入力された符号が終止符や疑問符のような文終端符号である場合(ステップ#203のYes)は、ステップ#204においてスペースを付加し、更にステップ#206でスペースを付加する(合計2個のスペースを付加する)。入力された符号がカンマ、セミコロン等の文の途中を区切る符号である場合(ステップ#203のNoからステップ#205のYes)は、ステップ#206で1個のスペースを付加する。それ以外の符号、例えばアポストロフィ等の場合はスペースを付加することなくメインルーチンに戻る。なお、前述の文終端符号を示すフラグのセットは、ステップ#204の前後で行えばよい。
また、段落を変えるための改行が行われる場合や文章入力を終了した場合は、文終端符号の後に挿入されたダブルスペースを削除することが好ましい。更に、段落の先頭にタブ又は所定数のスペースを挿入する処理を必要に応じて行ってもよい。ワードラップ処理や禁則処理についても同様に、必要に応じて、又は設定にしたがって実行すればよい。ワードラップ処理は、一つの単語の途中で行が終了する場合に、その単語を次の行に送る処理を意味する。禁則処理は、行の始めがピリオドやカンマ等の符号になることを避けて、前の行の最後に規定の文字数を超えてそれらの符号を表示する処理を意味する。
次に、具体的な英文入力を例にとって説明を加える。入力する英文の一例として、”This is the first time I have listened to jazz.It is fantastic!”を考える。本発明の文章入力システムを用いる場合に、作業者はキーボードから”thississtheefirstttimeeiihaveelisteneddtoojazz.ittissfantastic!”と入力すればよい。つまり、通常の英文入力で単語と単語の間に入力するスペースキーの代わりに、単語の末尾の文字に対応するキーの2回入力(ダブル押下ということもある)を行えばよい。このような文章入力が行われる場合に本実施形態の文章入力システムにおける処理装置15が実行する処理について、順を追って説明する。
図5は、上記の英文例を入力する際に参照される変換用辞書20の関連部分を示す図表である。図2に示したように、変換用辞書20は入力文字列のabc昇順(又は降順)にソートされているのが通常であるが、図5では便宜上、上記英文例で参照される入力文字列の順番に記載している。また、図6及び図7は、上記の英文例の入力に伴う表示装置11の画面表示の例を示す図である。この表示例では、文章表示エリア21の下側に入力文字列表示エリア22が設けられている。
なお、説明を簡単にするために以下の条件を設定する。ただし、この条件は自由に設定可能である。まず、表示装置11の画面上の文章表示エリア21において、一行当たり表示可能な文字数は30である。大文字、小文字、符号のいずれも1文字分の幅を占有する。また、前述のワードラップ処理を実行し、段落の先頭にタブ(又はスペース)を挿入する処理は実行しないものとする。
作業者が”t”から入力を始めて”thiss”まで入力した時点で変換用辞書20に登録されている入力文字列”thiss”と一致する。これは確定文字列であるので、対応する変換文字列”this_”が文章表示エリア21に表示される(図3のステップ#107)。また、文の先頭であるので、先頭文字が大文字に変換されて入力エリアでの表示は”This”+スペースとなる(図3のステップ#114)。
続いて”iss”まで入力された時点での文章表示エリア21及び入力文字列表示エリア22の表示は図6(a)に示すようになっている。このとき図5によれば、入力文字列”iss”は変換用辞書20に登録されている入力文字列”iss”に一致するが、この文字列は確定文字列ではなく、未確定文字列である。この場合、変換文字列”is_”が記憶され、この時点では文章表示エリア21の表示は変化しない。
但し、変形例として、文字色や字体等を変えることにより未確定の変換文字列”is_”を他の確定文字列”This”から識別可能な状態で文章表示エリア21に仮表示するようにしてもよい。なお、入力文字列”iss”を未確定文字列として登録しているのは、図5では省略しているが、文字列”iss”に前方一致する入力文字列”issuee”(変換文字列”issue_”)等が登録されているからである。
続いて”t”が入力されると、入力文字列は”isst”となる(図6(b)参照)。この入力文字列は変換用辞書20に登録されておらず、かつ、文字列”isst”に前方一致する入力文字列も登録されていない。したがって、一致する可能性がない(図3のステップ#110のNo)と判断され、記憶されている変換文字列”is_”が文章表示エリア21に確定表示される(図3のステップ#111)。上記の変形例で未確定の変換文字列”is_”を文章表示エリア21に仮表示していた場合は、その仮表示が確定表示に変化する(文字色や字体が仮表示のものから確定表示のものに変化する)。
このとき、入力文字列”isst”のうちの”iss”が変換済みとして消去され、”t”のみが未変換の入力文字列として残る。つまり、入力文字列の更新が実行され(図3のステップ#112)、入力文字列表示エリア22の表示は”isst”から”t”に変化する。この時点での文章表示エリア21及び入力文字列表示エリア22の表示は図6(c)に示すようになっている。
続いて”hee”が入力され入力文字列が”thee”になった時点で変換用辞書20に登録されている入力文字列”thee”と一致する。これは確定文字列であるので、対応する変換文字列”the_”が表示される(図3のステップ#107)。
以下、同様にして、”thississtheefirstttimeeiihavee”までが入力され、文章表示エリア21の表示は”This is the first time I have”となる。更に”listenedd”が入力されて、その変換文字列”listened_”が文章表示エリア21に確定表示される際に、前述の条件として設定した1行当たりの文字数30を超えることになる。したがって、ワードラップ処理により、文字列”listened_”以降の確定表示は2行目に移される。
続いて”too”が入力された時点で、図5の変換用辞書20に登録されている入力文字列”too”に一致し、この文字列”too”は未確定文字列となっている。これは、図5では省略しているが、文字列”too”に前方一致する入力文字列”tooo”(変換文字列”too”)や”tooll”(変換文字列”tool”)が登録されているからである。したがって、入力文字列”too”に対応する変換文字列”to_”が記憶され、この時点では文章表示エリア21の表示は変化しない。あるいは、変形例では未確定の文字列”to_”が仮表示される。
続いて”j”が入力されて入力文字列が”tooj”になる(図7(a)参照)。この入力文字列は変換用辞書20に登録されておらず、かつ、文字列”tooj”に前方一致する入力文字列も登録されていない。したがって、一致する可能性がない(図3のステップ#110のNo)と判断され、記憶されている変換文字列”to_”が文章表示エリア21に確定表示される(図3のステップ#111)。上記の変形例で未確定の変換文字列”to_”を文章表示エリア21に仮表示していた場合は、その仮表示が確定表示に変化する。
このとき、入力文字列”tooj”のうちの”too”が変換済みとして消去され、”j”のみが未変換の入力文字列として残る。つまり、入力文字列の更新が実行され(図3のステップ#112)、入力文字列表示エリア22の表示は”tooj”から”j”に変化する。この時点での文章表示エリア21及び入力文字列表示エリア22の表示は図7(b)に示すようになっている。
更に”jazz”の入力に続いて終止符(ピリオド)が入力されると、”jazz”がそのまま確定表示され(図3のステップ#103、図4のステップ#201)、続いて終止符が表示される(図4のステップ#202)。さらに、スペースが2個自動的に付加される(図4のステップ#204及び#206)。また、前述のように、次の入力文字列が文頭であることを示すフラグがセットされる。
次の文章の入力”ittissfantastic!”についても同様の処理が行われる。文末の感嘆符(!)が入力された時点で、感嘆符(!)を除く入力文字列”fantastic”が確定表示され、その後に感嘆符(!)が表示される。文字列”fantastic”が文章表示エリア21に確定表示される際に、2行目の文字数が30を超えるので、ワードラップ処理によってその表示が3行目に移される。このようにして文章入力が完了し、表示装置11の画面上の表示は図7(c)に示すようになる。
なお、図6及び図7に示した表示例では表示装置11の画面上に文章表示エリア21及び入力文字列表示エリア22を設けたが、必ずしも入力文字列表示エリア22を設ける必要はない。文字色や字体等を変えることにより入力文字列を文章中の確定文字列から識別可能な状態で文章表示エリアに直接表示(仮表示)するようにしてもよい。
また、上記の説明において、未確定文字列として登録する入力文字列の例として”iss”(変換文字列”is_”)と”too”(変換文字列”to_”)を挙げて説明した。この他にも、次に入力される単語との関係で未確定文字列とすべき場合があるが、そのような例外的な処理について詳しく述べることは省略する。本発明者が他の出願(特願2001−239226号)で開示している方法を適用することにより、そのような場合の入力文字列についても確定することが可能である。
次に、第2の実施形態として、本発明の文章入力システムを携帯電話に適用した場合について説明する。携帯電話はパーソナルコンピュータや他の携帯端末と異なり、文字入力用のキーの数が少なく、1つの文字キーに複数の文字が割り当てられることが一般的である。
例えば、図8に示すようにアルファベット26文字が14個の文字キーに割り当てられているとする。この例では、キー番号1,3,5,9,12,14の文字キーは、それぞれ1つの文字のみが割り当てられ、キー番号2,4,6,7,8,10,11,13の文字キーは、2個又は3個の文字が割り当てられている。この配列は、英文入力におけるキー入力の効率と文字列確定の効率を考慮して定めたものであるが、この配列に限るわけではない。例えばアルファベット26文字を13個のキーに2個ずつ順番に割り当ててもよいし、9個のキーに3個又は2個ずつ順番に割り当ててもよい。
図8に示す文字キー割り当ての例では1つの文字のみが割り当てられたキー番号1,3,5,9,12,14の文字キーは、押下するたびに同じ文字が入力される。例えば、キー番号1のキーを2回押下すれば文字列”aa”が入力される。これらのキーに対応する文字で終る単語の入力に関しては、第1の実施形態と同様の変換用辞書を用いることができる。例えば、入力文字列”aa”を変換文字列”a_”に変換し、入力文字列”adviseee”を変換文字列”advisee_”に変換すればよい。
これに対して、キー番号2,4,6,7,8,10,11,13の文字キーは、2個又は3個の文字が割り当てられており、押下するたびに入力文字が順番に変化する。例えば、キー番号2の文字キーを繰り返し押下すると、押下するたびに入力文字が”b”→”c”→”d”→”b”……と循環するように変化する。これらのキーに対応する文字で終る単語の入力に関しては、第1の実施形態と異なる変換用辞書が必要である。
図9は、図2に示した変換用辞書20の例を本実施形態に適合するように修正したものを示している。この変換用辞書20の例は、図8に示した文字キー割り当ての例に対応している。例えば、”advised”と入力された後に末尾の”d”が割り当てられたキー番号2のキーをもう一度押下すると、入力文字列”advied”は”adviseb”に変化する。この時点で、図9に示した変換用辞書20に登録されている入力文字列”adviseb”に一致する。その結果、前述のアルゴリズムにしたがって、対応する変換文字列”advised_”が文章表示エリア21に確定表示される。
同様に、”advisedly”と入力された後に末尾の”y”が割り当てられたキー番号11のキーをもう一度押下すると、入力文字列”advisedly”は”advisedlr”に変化する。この時点で、図9に示した変換用辞書20に登録されている入力文字列”advisedlr”に一致する。その結果、前述のアルゴリズムにしたがって、対応する変換文字列”advisedly_”が文章表示エリア21に確定表示される。
このように、携帯電話の如く1つの文字キーに複数の文字が割り当てられている場合であっても、各キーに対する文字の割り当てに対応させて変換用辞書20を適切に作成することにより、第1の実施形態で説明したのと同様のアルゴリズムによってスペースキーを容易に自動生成することができる。
次に、第3の実施形態として、本発明の文章入力システムを日本語入力に適用した場合の例を説明する。英文入力に関する既述の実施形態では単語の末尾の文字に対応するキーを2回入力することにより、単語の区切りを表すスペースが自動挿入されるのに対して、本実施形態の日本語入力の場合は、変換キーを押下した場合と同様の処理がキーの2回入力によって行われる。以下、具体的な日本語の入力文章として、「これは、私がジャスを聞いた最初の時です。」を例にとって説明する。
図10は、本発明の文章入力システムを日本語入力に適用する際に使用される変換用辞書20の例を示す図表である。但し、上記の日本語文章の例において参照され得る入力文字列の順番に一部を抜き出して記載している。また、この変換用辞書20は、JIS標準キーボード等を用いて仮名入力を行う場合に用いられるものである。ローマ字変換入力を行う場合については後述する。
日本語入力に適用する際に使用される変換用辞書20は、図2及び図5に示した英文入力のための変換用辞書20と同様に、入力文字列フィールド、確定・未確定フィールド及び変換文字列フィールドを備えている。入力文字列フィールド及び確定・未確定フィールドは、図2及び図5に示した英文入力のための変換用辞書20と同様である。但し、図10の変換用辞書20では、単語の末尾又は単語+助詞の末尾の文字が重なった文字列が入力文字列フィールドに登録されている。また、変換文字列フィールドには、漢字と仮名が混じった変換文字列が登録されている。つまり、図10の変換用辞書20は、日本語入力に必要な仮名漢字変換用の辞書を兼ねている。
作業者は、単語の入力又は単語+助詞の入力ごとに末尾の文字に対応するキーを2回入力する。これにより、図10の変換用辞書20が参照され、変換キーを押下しなくても入力文字列の仮名漢字変換が実行される。
この実施形態においても、処理装置15は第1の実施形態の説明で用いた図3のフローチャートに沿って処理を行えばよい。但し、ステップ#113及び#114の文の先頭文字を大文字にする処理は不要である。また、ステップ#103の符号入力処理のサブルーチンを示す図4において、ステップ#203以降のスペースを付加する処理は不要である。日本語の場合は一般に句読点等の符号の後にスペースを付加することはしないからである。
仮名入力に代えてローマ字変換入力で日本語の入力を行う場合は、図10の変換用辞書20において入力文字列フィールドにローマ字の入力文字列を登録しておけばよい。例えば、「これはは」に代えて”korewaa”を登録し、「し゛ゃす゛をを」に代えて”jazuwoo”を登録しておけばよい。この場合は、ローマ字で末尾の文字が重なった文字列が入力文字列フィールドに登録されることになる。
また、日本語入力についても、携帯電話のように1つの文字キーに複数の文字が割り当てられている場合に本発明の文章入力システムを適用することが可能である。そのような実施形態を第4の実施形態として以下に説明する。
図11は、本発明の第4の実施形態に係る文章入力システムで使用されるキーボードの文字キー割り当ての例を示す図表である。また、図12は、第4の実施形態の文章入力システムで使用される変換用辞書の一部の例を示す図表である。
図11に示す例では、平仮名46文字が10個の文字キーに割り当てられている。キー番号1〜7及び9の文字キーはそれぞれ5個の文字のみが割り当てられ、キー番号8及び10の文字キーは3個の文字が割り当てられている。また、キー番号11の文字キーは濁点「゛」のみが割り当てられている。このキー割り当てでは文字が50音順に割り当てられている。文字キーの数は増減可能であり、助詞として使用される文字「に」、「の」、「は」、「へ」、「も」や接続詞として使用される文字「と」、「や」等を単独で1つの文字キーに割り当てるようにしてもよい。そうすることにより、仮名漢字変換が楽になり、変換速度が速くなる。
図11に示す文字割り当ての例ではキー番号11の文字キーに濁点「゛」のみが割り当てられているので、この文字キーを押下するたびに濁点「゛」が入力されることになる。例えば、図12に示す変換用辞書に登録された入力文字列「わたくしか゛゛」を入力する場合、「わたくしか」に続いてキー番号11の文字キーを2回押下すればよい。その結果、「私が」に変換される。
これに対して、キー番号1〜10の文字キーは、3個又は5個の文字が割り当てられており、押下するたびに割り当てられた入力文字が順番に変化する。例えば、キー番号1の文字キーを繰り返し押下すると、押下するたびに入力文字が「あ」→「い」→「う」→「え」→「お」→「あ」……と循環するように変化する。図12に示す変換用辞書は、入力文字列の末尾が上記のように変化することを考慮して、図10に示した変換用辞書20における入力文字列を書き換えたものである。
例えば、「さいしょの」と入力された後に末尾の「の」が割り当てられたキー番号5のキーをもう一度押下すると、入力文字列「さいしょの」は「さいしょな」に変化する。この時点で、図12に示した変換用辞書20に登録されている入力文字列「さいしょな」に一致する。その結果、前述のアルゴリズムにしたがって、対応する変換文字列「最初の」が文章表示エリア21に確定表示される。
同様に、「ときて゛す」と入力された後に末尾の「す」が割り当てられたキー番号3のキーをもう一度押下すると、入力文字列「ときて゛す」は「ときて゛せ」に変化する。この時点で、図12に示した変換用辞書20に登録されている入力文字列「ときて゛せ」に一致する。その結果、前述のアルゴリズムにしたがって、対応する変換文字列「時です」が文章表示エリア21に確定表示される。
このように、携帯電話の如く1つの文字キーに複数の文字が割り当てられている場合であっても、各キーに対する文字の割り当てに対応させて変換用辞書20を適切に作成することにより、上述のJIS標準キーボードを用いて入力する場合と同様のアルゴリズムによって、変換キーを押下しなくても入力文字列の仮名漢字変換を実行させることができる。
以上に説明したように、本発明の文章入力システムによれば、英文等の入力の際に作業者は単語の末尾の文字に対応する文字キーを2回入力することによって別のスペースキーを使用することなく単語と単語の間にスペースが自動挿入され文章を入力することができる。また、携帯端末のような専用のキーボードを備えた装置において、スペースキーを削除することが可能になる。
あるいは、日本語の仮名漢字変換のような文字列変換を伴う文章の入力に際して、作業者は単語又は句の末尾の文字に対応する文字キーを2回入力することによって別の変換キーを使用することなく文字列変換を単語又は句単位で実行しながら文章を入力することができる。また、携帯端末のような専用のキーボードを備えた装置において、変換キーを削除することが可能になる。
本発明は上記実施形態に限らず、種々の形態で実施することが可能である。例えば、キーボードの回路構成及びソフトウェアによって、同一キーの押下状態が一定時間(例えば1秒)以上継続した場合に、2回入力(ダブル押下)とみなされるように設定されている場合がある。このような場合は、文字キーの2回入力の代わりに、文字キーを押したままにしておけば、本発明の文章入力方法が実現する。したがって、本発明の文章入力方法における文字キーの2回入力は、キーボードの回路構成及びソフトウェアによって2回入力とみなされる場合も含むものとする。
また、上記の実施形態では英語及び日本語の文章入力を例にとって説明したが、本発明はドイツ語、フランス語、中国語等の他の言語の文章入力システムにも適用することができる。つまり、単語と単語の間にスペースが挿入される文章、あるいは文字列変換の必要な文章の入力に本発明を広く適用することができる。

Claims (10)

  1. 文章入力に用いられるキーボードと、入力文字列及び文章を表示するための表示装置と、プログラム及びデータを記憶するための記憶装置と、前記キーボードを用いて入力された文字列を前記プログラムにしたがって処理する処理装置とを備えた文章入力システムであって、
    文を構成する単語の末尾の文字に対応する文字キーを2回入力したときの入力文字列を前記単語に変換するための変換用辞書を備え、
    前記処理装置が、前記キーボードから文字が入力されるたびに入力文字列の記憶を更新し、その入力文字列と前記変換用辞書とのマッチングを行い、前記入力文字列が前記変換用辞書に登録されていれば、対応する変換文字列を単語及びスペースとして前記表示装置の画面における文章表示エリアに表示すると共に、前記入力文字列の記憶をクリアすることにより、
    スペースキーを用いることなく単語と単語の間にスペースが挿入されることを特徴とする文章入力システム。
  2. 前記変換用辞書は、入力文字列フィールド及び変換文字列フィールドに加えて、確定・未確定フィールドを備え、前記処理装置は、前記入力文字列が前記変換用辞書に登録されており、かつ、対応する確定・未確定フィールドの情報が未確定である場合は、前記入力文字列の記憶をクリアしないで対応する変換文字列を一時記憶し、後に続く文字入力によって前記入力文字列が前記変換用辞書に登録されている入力文字列のいずれにも一致する可能性が無くなった時点で前記一時記憶された変換文字列を単語及びスペースとして前記表示装置の画面における文章表示エリアに表示すると共に、前記入力文字列のうち前記一時記憶された変換文字列に対応する部分をクリアすることを特徴とする
    請求項1記載の文章入力システム。
  3. 前記キーボードを構成する文字キーには1つの文字がそれぞれ割り当てられ、1つの文字キーを複数回入力したときに同じ文字が複数個入力されるように構成されており、前記変換用辞書の入力文字列フィールドには、文を構成する単語の末尾の文字が2個続く入力文字列が登録されていることを特徴とする
    請求項1記載の文章入力システム。
  4. 前記キーボードは複数の文字が割り当てられた文字キーを含み、前記文字キーを複数回入力すると、割り当てられた複数の文字があらかじめ定められた順番に入れ替わって入力されるように構成されており、前記変換用辞書の入力文字列フィールドには、文を構成する単語の末尾の文字が対応する文字キーの2回入力によって変化する文字に置き換えられた入力文字列が登録されていることを特徴とする
    請求項1記載の文章入力システム。
  5. 文章入力に用いられるキーボードと、入力文字列及び文章を表示するための表示装置と、プログラム及びデータを記憶するための記憶装置と、前記キーボードを用いて入力された文字列を前記プログラムにしたがって処理する処理装置とを備えた文章入力システムであって、
    文を構成する単語又は句の末尾の文字に対応する文字キーを2回入力したときの入力文字列を前記単語又は句に変換するための変換用辞書を備え、
    前記処理装置が、前記キーボードから文字が入力されるたびに入力文字列の記憶を更新し、その入力文字列と前記変換用辞書とのマッチングを行い、前記入力文字列が前記変換用辞書に登録されていれば、対応する変換文字列を単語又は句として前記表示装置の画面における文章表示エリアに表示すると共に、前記入力文字列の記憶をクリアすることにより、
    変換キーを用いることなく仮名漢字変換のような文字列変換が単語又は句単位で実行されることを特徴とする文章入力システム。
  6. 前記変換用辞書は、入力文字列フィールド及び変換文字列フィールドに加えて、確定・未確定フィールドを備え、前記処理装置は、前記入力文字列が前記変換用辞書に登録されており、かつ、対応する確定・未確定フィールドの情報が未確定である場合は、前記入力文字列の記憶をクリアしないで対応する変換文字列を一時記憶し、後に続く文字入力によって前記入力文字列が前記変換用辞書に登録されている入力文字列のいずれにも一致する可能性が無くなった時点で前記一時記憶された変換文字列を単語又は句として前記表示装置の画面における文章表示エリアに表示すると共に、前記入力文字列のうち前記一時記憶された変換文字列に対応する部分をクリアすることを特徴とする
    請求項5記載の文章入力システム。
  7. 前記キーボードを構成する文字キーには1つの文字がそれぞれ割り当てられ、1つの文字キーを複数回入力したときに同じ文字が複数個入力されるように構成されており、前記変換用辞書の入力文字列フィールドには、文を構成する単語又は句の末尾の文字が2個続く入力文字列が登録されていることを特徴とする
    請求項5記載の文章入力システム。
  8. 前記キーボードは複数の文字が割り当てられた文字キーを含み、前記文字キーを複数回入力すると割り当てられた複数の文字があらかじめ定められた順番に入れ替わって入力されるように構成されており、前記変換用辞書の入力文字列フィールドには、文を構成する単語又は句の末尾の文字が対応する文字キーの2回入力によって変化する文字に置き換えられた入力文字列が登録されていることを特徴とする
    請求項6記載の文章入力システム。
  9. 文章入力に用いられるキーボードと、入力文字列及び文章を表示するための表示装置と、プログラム及びデータを記憶するための記憶装置と、前記キーボードを用いて入力された文字列を処理する処理装置と、文を構成する単語の末尾の文字に対応する文字キーを2回入力したときの入力文字列を前記単語に変換するための入力文字列フィールド、変換文字列フィールド及び確定・未確定フィールドを有する変換用辞書とを備えた文章入力システムにおいて、前記処理装置が実行するプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、
    前記キーボードから文字が入力されるたびに入力文字列の記憶を更新するステップと、
    前記入力文字列と前記変換用辞書とのマッチングを行うステップと、
    前記入力文字列が前記変換用辞書に登録されており、かつ、対応する確定・未確定フィールドの情報が確定である場合は、対応する変換文字列を単語及びスペースとして前記表示装置の画面における文章表示エリアに表示すると共に、前記入力文字列の記憶をクリアするステップと、
    前記入力文字列が前記変換用辞書に登録されており、かつ、対応する確定・未確定フィールドの情報が未確定である場合は、前記入力文字列の記憶をクリアしないで対応する変換文字列を一時記憶し、後の文字入力によって前記入力文字列が前記変換用辞書に登録されている入力文字列のいずれにも一致する可能性が無くなった時点で前記一時記憶された変換文字列を単語及びスペースとして前記表示装置の画面における文章表示エリアに表示すると共に、前記入力文字列のうち前記一時記憶された変換文字列に対応する部分をクリアするステップと
    を有することを特徴とする記憶媒体。
  10. 文章入力に用いられるキーボードと、入力文字列及び文章を表示するための表示装置と、プログラム及びデータを記憶するための記憶装置と、前記キーボードを用いて入力された文字列を処理する処理装置と、文を構成する単語又は句の末尾の文字に対応する文字キーを2回入力したときの入力文字列を前記単語又は句に変換するための入力文字列フィールド、変換文字列フィールド及び確定・未確定フィールドを有する変換用辞書とを備えた文章入力システムにおいて、前記処理装置が実行するプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、
    前記キーボードから文字が入力されるたびに入力文字列の記憶を更新するステップと、
    前記入力文字列と前記変換用辞書とのマッチングを行うステップと、
    前記入力文字列が前記変換用辞書に登録されており、かつ、対応する確定・未確定フィールドの情報が確定である場合は、対応する変換文字列を単語又は句として前記表示装置の画面における文章表示エリアに表示すると共に、前記入力文字列の記憶をクリアするステップと、
    前記入力文字列が前記変換用辞書に登録されており、かつ、対応する確定・未確定フィールドの情報が未確定である場合は、前記入力文字列の記憶をクリアしないで対応する変換文字列を一時記憶し、後の文字入力によって前記入力文字列が前記変換用辞書に登録されている入力文字列のいずれにも一致する可能性が無くなった時点で前記一時記憶された変換文字列を単語又は句として前記表示装置の画面における文章表示エリアに表示すると共に、前記入力文字列のうち前記一時記憶された変換文字列に対応する部分をクリアするステップと
    を有することを特徴とする記憶媒体。
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