JPWO2003085278A1 - エンジンのクラッチ機構潤滑構造 - Google Patents

エンジンのクラッチ機構潤滑構造 Download PDF

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Abstract

一対のクランクアーム間に配置されたクランクピンにコンロッドの大端部が連結されたクランク軸と、該クランク軸と平行に配置された回転軸に装着された湿式のクラッチ機構とを備えたエンジンのクラッチ機構潤滑構造において、上記クランクピンとコンロッド大端部との連結部に供給された潤滑油を上記クラッチ機構に導くように構成した。

Description

技術分野
本発明は、クランク軸と平行な回転軸にクラッチ機構を備えた例えば自動二輪車用エンジンに好適のクラッチ機構潤滑構造に関する。
背景技術
例えば自動二輪車用エンジンでは、クランク軸の回転を出力軸に伝達し、又は遮断するクラッチ機構を備えているのが一般的である。このようなクラッチ機構として、軸方向一端が開口した碗状のアウタクラッチを出力側に固定し、該アウタクラッチ内に入力部材を配置するとともに入力側に固定した自動遠心式クラッチ機構がある(例えば、特開2001−003723号公報参照)。
また別の従来のクラッチ機構として、入力側に固定されたアウタクラッチと出力側に固定されたインナクラッチとの間に多数のインナ,アウタクラッチ板を介在させた湿式多板式クラッチ機構がある(例えば特公平06−065894号公報参照)。
ところで上記各クラッチ機構では、アウタクラッチと入力部材との間で、又はインナ,アウタクラッチ板同士の間で焼き付きが生じるのを回避するために潤滑油を供給する必要がある。
上記特許文献1,2では、クラッチ機構の潤滑を確保するための特別の構造は採用されておらず、通常通りクランクケース底部等に溜まった潤滑油をクラッチ機構自体で跳ね上げることにより潤滑しているものと考えられる。なお、潤滑油ポンプにより潤滑油を圧送し、クラッチ機構に供給するものもあるが、このようにすれば確実な潤滑は得られるものの、潤滑油ポンプの大型化,潤滑系統の構造の複雑化をきたすといった問題がある。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたもので、簡単な潤滑供給構造でかつ十分な潤滑性能が得られるエンジンのクラッチ機構潤滑構造を提供することを目的としている。
発明の開示
請求項1の発明は、一対のクランクアーム間に配置されたクランクピンにコンロッドの大端部が連結されたクランク軸と、該クランク軸と平行に配置された回転軸に装着された湿式のクラッチ機構とを備えたエンジンのクラッチ機構潤滑構造において、上記クランクピンとコンロッド大端部との連結部に供給された潤滑油を上記クラッチ機構に導くように構成したことを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1において、上記クラッチ機構を、該クラッチ機構の少なくとも一部が上記コンロッドとクランクピンとの連結部からの潤滑油飛散領域内に位置するように配置したことを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項2において、上記クラッチ機構は、軸方向一端が開口する碗状のアウタクラッチ内にインナクラッチを同軸配置し、該インナ,アウタクラッチの一方を入力側に、他方を出力側に連結するとともに、該インナ,アウタクラッチ間に複数のインナ,アウタクラッチ板を介在させた湿式多板式のものであり、上記アウタクラッチの開口が潤滑油飛散領域に向かっていることを特徴としている。
なお上記請求項3におけるクラッチ機構には、ウェイトの遠心力を利用した自動遠心式のものと、手動式のものとの両方が含まれる。
請求項4の発明は、請求項2において、上記クラッチ機構は、軸方向一端が開口する碗状のアウタクラッチ内に遠心力により回動して該アウタクラッチの内面に当接する入力部材を配置し、該入力部材,アウタクラッチを上記回転軸の入力側,出力側に連結してなる自動遠心式のものであり、上記アウタクラッチの開口が上記潤滑油飛散領域に向かっていることを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項3又は4において、上記アウタクラッチの外周壁には複数のスリットが内部に貫通するように形成されており、該スリットは上記潤滑油の飛散方向に向かって開口していることを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項1ないし5の何れかにおいて、上記クラッチ機構は上記連結部及びクランクアームが収容されたクランク室から画成されたクラッチ室内に配置されており、該両室の隔壁には上記飛散する潤滑油がクラッチ室内に進入するのを許容する導入開口が形成されていることを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項6において、上記導入開口はクラッチ軸及びクランク軸の両方を含む平面の両側の領域に渡るように形成されていることを特徴としている。
請求項8の発明は、請求項6において、上記飛散する潤滑油を受け止めるとともに該潤滑油を上記クラッチ機構の外側より内側により多く導入するガイド部を設けたことを特徴としている。
請求項9の発明は、請求項8において、上記ガイド部は、上記飛散する潤滑油に対向するように配置されて該潤滑油を受け止める潤滑油受け部と、該潤滑油受け部から上記アウタクラッチ内部に向けて延び、上記潤滑油受け部で受け止められた潤滑油をアウタクラッチ内部に案内する案内部とで構成されていることを特徴としている。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図16は、本発明の一実施形態による自動二輪車用エンジンを説明するための図であり、図1は本実施形態エンジンが搭載された自動二輪車の左側面図、図2はエンジンを展開状態で示す断面平面図(図6のII−II線断面図)、図3はエンジンの無段変速機構,遠心クラッチ機構部分の断面平面図、図4,図5はエンジンの右側面図,左側面図、図6はエンジンの無段変速機構,遠心クラッチ機構を取り外した状態の右側面図、図7はクランクケースの右側面図、図8はクランクケースの断面背面図(図5のVIII−VIII線断面図)、図9はエンジンのキック装置の断面背面図(図5のIX−IX線断面図)、図10はキック軸周りの断面図、図11はエンジンの潤滑油経路を示す断面図、図12は遠心クラッチ機構の断面図、図13はアウタクラッチの側面図、図14は遠心クラッチ機構の正面図、図15,図16は遠心クラッチ機構の要部の拡大断面図である。なお、本実施形態でいう前後,左右とはシートに着座した状態で見た前後,左右を意味する。
図において、1は本実施形態エンジン2が搭載された自動二輪車を示しており、これは車体フレーム1aの前端に固着されたヘッドパイプ3により前輪4が軸支されたフロントフォーク5を左右回動可能に枢支し、中央部に固着されたリヤアームブラケット6より後輪7が軸支されたリヤアーム8を上下揺動可能に枢支し、上記車体フレーム1aの上部に運転者用シート部9aと後部乗員用シート部9bとからなるシート9を配置した概略構造を有している。
上記車体フレーム1aはヘッドパイプ3から斜め下方に延びる左,右のダウンチューブ1bと該各ダウンチューブ1bの後端に続いて斜め上方に延びる左,右のアッパチューブ1cと、ダウンチューブ1bとアッパチューブ1cとに前後方向に架け渡して接合された左右のシートレール1dとからなる。また上記車体フレーム1aはフロントカバー10a,レッグシールド10b,サイドカバー10c等からなる樹脂製の車体カバー10により囲まれている。
上記フロントフォーク5の上端には操向ハンドル11が固定されており、該操向ハンドル11はハンドルカバー11aにより囲まれている。また上記リヤアーム8とリヤアームブラケット6との間にはリヤクッション12が架設されている。
上記エンジン2は空冷式4サイクル単気筒エンジンであり、上記ダウンチューブ1bの後下部に気筒軸線Aを前方に約45度傾斜させて懸架支持されている。このエンジン2は、エンジン本体15とVベルト式無段変速機構16と湿式多板式遠心クラッチ機構17及び減速歯車機構18とを備えている。
上記エンジン本体15は、シリンダブロック19の上合面にシリンダヘッド20を接続するとともに、該シリンダヘッド20の上側にヘッドカバー21を設け、上記シリンダブロック19の下合面にクランク軸28が収納されたクランクケース22を接続した概略構造となっている。
上記シリンダヘッド20の後面には燃焼凹部20aに連通する吸気ポート20bが開口しており、該吸気ポート20bには吸気管23aを介して気化器23が接続されている。また上記シリンダヘッド20の前面には燃焼凹部20aに連通する排気ポート20cが開口しており、該排気ポート20cには排気管24が接続されている。この排気管24はエンジン右下側に向かって斜め下方に延び、後述する変速機ケース45の下側でかつ潤滑室膨出部22bの右外側を通り、車体の右側方を通って斜め後方に延びており、上記後輪7の右側方に配設されたマフラ25に接続されている。上記燃焼凹部20a内には点火プラグ30が挿入されている。
上記シリンダブロック19の左側部にはクランクケース22内とシリンダヘッド20内とを連通するチェーン室19aが形成されており、該チェーン室19aには上記クランク軸28によりカム軸31を回転駆動するタイミングチェーン34が配設されており、このカム軸31により吸気バルブ32,排気バルブ33を開閉駆動する。
上記シリンダブロック19のシリンダボア内にはピストン26が摺動自在に挿入配置されている。該ピストン26にはコンロッド27の小端部27bが連結され、該コンロッドの大端部27aは上記クランク軸28の左右のクランクアーム28a,28b間に嵌装されたクランクピン29に連結されている。
上記クランク軸28の後方には変速軸47が該クランク軸28と平行に配置されており、該変速軸47の軸方向左側には出力軸48が同軸をなすよう配置されている。この出力軸48の左端部には駆動スプロケット49が装着されており、該駆動スプロケット49はチェーン50を介して上記後輪7の従動スプロケット51に連結されている。
上記クランク軸28の左側端部には発電機42が装着されている。この発電機42はクランク軸28にテーパ嵌合されたスリーブ43にロータ42aを固着するとともに、該ロータ42aに対向するステータ42bを発電機ケース44に固定した構造となっている。
上記クランクケース22はクランク軸方向左側の第1ケース40と右側の第2ケース41とに分割されている。この第1ケース40のクランク軸方向外側に上記発電機42を収容する発電機ケース44が着脱可能に装着されており、上記第2ケース41のクランク軸方向外側に上記無段変速機構16を収容する変速機ケース45が装着されている。
上記第1,第2ケース40,41の分割線Bは気筒軸線Aより若干左側に偏位している。この第1,第2ケース40,41は概ねクランク軸方向外側に向かって開口する第1,第2外周壁40a,41aの内側にクランク軸28を支持する第1,第2支持壁40b,41bを一体形成した概略構造を有している。
上記第1ケース40の第1支持壁40bは、クランク軸28の左クランクジャーナル部28cを左側ジャーナル軸受35を介して支持する第1クランク支持壁部40cと、該第1クランク支持壁部40cに対してクランク軸方向左側に段付き状に膨出形成された減速機構支持壁部40dとを有している。
また上記第2ケース41の第2支持壁41bは、クランク軸28の右クランクジャーナル部28dを右側ジャーナル軸受36を介して支持する第2クランク支持壁部41cと、該第2クランク支持壁部41cに対してクランク軸方向左側に段付き状に膨出形成されたクラッチ支持壁部(クラッチ一側支持壁)41dとを有している。
そして上記第1,第2クランク支持壁部40c,41cにより形成されたクランク室37内に上記クランク軸28のクランクアーム28a,28b及びクランクピン29が収容されている。
また上記第2外周壁41a及びクラッチ支持壁部41dにより形成されたクラッチ室38内に上記湿式多板式遠心クラッチ機構17が収容されており、該クラッチ室38は上記クランク室37と画成されている。
さらに上記減速機構支持壁部40dとクラッチ支持壁部41dにより形成された減速室39内に上記減速歯車機構18が収容され、該減速室39は上記クランク室37に連通している。
この減速歯車機構18は、上記支持壁部40d,41d間に変速軸47と平行に減速軸52を架設するとともに、該減速軸52の右側部を上記クラッチ支持壁部41dにより減速軸受53を介して軸支し、左端部を上記減速機構支持壁部40dに形成された凹部40eにより減速軸受54を介して軸支する。またクラッチ室38内に位置する変速軸47に一次減速小ギヤ74を相対回転可能に装着し、上記減速軸52に一次減速小ギヤ74に噛合する一次減速大ギヤ75をキー嵌合により結合し、上記減速室39内に位置する減速軸52に二次減速小ギヤ52aを一体形成するとともに、上記出力軸48に二次減速小ギヤ52aに噛合する二次減速大ギヤ48aを一体形成した構造となっている。
上記出力軸48は変速軸47と同一軸線上に配設されている。この出力軸48の右端部には上記変速軸47の左端部が挿入される支持孔48bが凹設されており、該支持孔48b内に装着された軸受76を介して該出力軸48の右端部は変速軸47で軸支されている。また上記出力軸48の左端部は第1ケース40の減速機構支持壁部40dを貫通しており、該支持壁部40dにより軸受77を介して軸支されている。上記出力軸48の突出端部に上記駆動スプロケット49が固着されている。
上記Vベルト式無段変速機構16は、上記クランク軸28の右外端部に駆動プーリ55を装着するとともに、上記変速軸47の右外端部に従動プーリ56を装着し、該両プーリ55,56をVベルト57の巻回により連結した構造となっている。
上記Vベルト57は耐熱性,耐久性を有する樹脂製のものであり、詳細には以下の構造を有している。例えばポリアミド樹脂にカーボン繊維又はアラミド繊維を混入させて横H形状に成形してなる多数の樹脂ブロック57aを並べて配置し、これらを超耐熱ゴム製の環状の一対の連結部材57bを嵌合させて連結したものである。
上記駆動プーリ55は、上記クランク軸28の右端部に固定された固定プーリ半体55aと、該固定プーリ半体55aのクランク軸方向内側に軸方向にスライド可能にかつスライドカラー59を介してクランク軸28と共に回転するように配設された可動プーリ半体55bとを有している。上記クランク軸28の右端部にカムプレート58,スライドカラー59がスプライン嵌合により装着され、これらの軸方向外側に上記固定プーリ半体55aが装着され、ロックナット60により締め付け固定されている。上記可動プーリ半体55bと上記カムプレート58との間に円筒形のウエイト61が配設されている。クランク軸28の回転が上昇するにつれてウエイト61が遠心力で半径方向外側に移動して可動プーリ半体55bを軸方向外側に移動させ、これによりプーリの巻き掛け径が大きくなり、減速比が小さくなる。
上記従動プーリ56は、上記変速軸47の右外端部に固定された固定プーリ半体56aと、該固定プーリ半体56aのクランク軸方向外側に軸方向にスライド可能に配設された可動プーリ半体56bとを有している。上記固定プーリ半体56aの軸心部に固着された円筒状のスライドカラー62は変速軸47にスプライン嵌合されており、このスライドカラー62上に上記可動プーリ半体56bの軸心部に固着された円筒状のボス部63が軸方向に移動可能に装着されている。このボス部63にスリット状に形成されたスライド溝63aに上記スライドカラー62に植設されたガイドピン64がスライド可能に、かつ該可動プーリ半体56bが固定プーリ半体56aと共に回転するよう係合している。
上記スライドカラー62の先端部には、環状プレートからなるばね受け部材65がサークリップ65aにより装着されており、このばね受け部材65と上記可動プーリ半体56bとの間には該可動プーリ半体56bを固定プーリ半体56a側に常時付勢するコイルスプリング67が介設されている。
そして上記従動プーリ56は、上記スライドカラー62の先端部62a内に没入するように挿入配置され、上記変速軸47の先端部47aに螺着されたロックナット66より上記変速軸47に固着されている。
ここで、上記スライドカラー62の内径は変速軸47の外径より段付状に大径に設定され、変速軸47の先端部47aは段付状に小径に設定されている。これにより上記ロックナット66及びワッシャ66aをスライドカラー62内に支障なく挿入配置でき、このようにして上記ロックナット66をコイルスプリング67のばね受部材65よりクランク軸方向内側に位置させることが可能となっている。
本実施形態によれば、変速軸47に装着された従動プーリ56の可動プーリ半体56bを固定プーリ半体56aのクランク軸方向外側に配置したので、上記変速軸47の従動プーリ56内側部分に空きスペースを確保することができ、この空きスペースを利用して遠心クラッチ機構17を上記固定プーリ半体56aに隣接するように配置することができる。これによりエンジン幅を拡大することなく上記変速軸47の反従動プーリ56側に出力軸48を同軸配置することができ、その結果、従来の出力軸を変速軸の後側に配置するものに比べてエンジン前後長を短くすることができる。
本実施形態では、上記ロックナット66を、上記可動プーリ半体56bを固定プーリ半体56a側に付勢するコイルスプリング67を支持するばね受け部材65より軸方向内側に没入させて配置したので、コイルスプリング67の必要長さを確保しつつ簡単な構造で変速軸方向外側への出っ張りを小さくすることでき、エンジン車幅寸法の大型化を抑制できる。
即ち、例えば、図17に示すように、変速軸200にスライドカラー201の外端面をロックナット203により締め付け固定する構造の場合には、ロックナット203の分だけ変速機ケース204が車幅方向外側に出っ張ることとなる。これに対して本実施形態では、ロックナット66がばね受部材65の外端より軸方向内方に位置するので、変速機ケース45の出っ張りをt(約10mm程度)だけ小さくできる。
また上記コイルスプリング67が軸方向外側に位置するので、コイルスプリング67のメンテナンスや交換を行なう場合にはサークリップ65aを外すだけでよく、作業を容易に行なうことができる。ちなみに、可動プーリ半体を固定プーリ半体の内側に、即ちコイルスプリングを軸方向内側に配置した場合には、従動プーリ全体を取り外さなければならず作業性が低い。
上記変速機ケース45は、上記クランクケース22とは独立して形成された略密閉構造のものであり、右側方から見て(図4参照)、上記クランクケース22の上側の大部分を覆う楕円形状を有している。上記変速機ケース45は、クランク軸方向外側に開口する有底箱状で樹脂製のケース本体45aと該開口を気密に閉塞するアルミニュウム合金製の蓋体45bとからなり、ボルト70により上記第2ケース41に共締め固定されている。上記ケース本体45aの底壁45cと第2ケース41との間には隙間aが設けられており、この隙間aによりエンジン2からの熱が変速機ケース45に伝わるのを抑制している。
上記クラッチ室38を形成する第2外周壁41aの軸方向の外側には遠心クラッチ機構17を出し入れできる大きさを有する開口41eが形成されている。この開口41eにはクラッチカバー71が油密に装着されており、該クラッチカバー71はボルト72により上記第2外周壁41aの開口縁部に着脱可能に締め付け固定されている。これにより変速機ケース45を従動プーリ56とともに取り外し、クラッチカバー71を外すことによって遠心クラッチ機構17を変速軸47とともに取り外せるようになっている。
上記遠心クラッチ機構17は変速軸47の軸方向左端部,中央部に装着された一側,他側クラッチ軸受80,81により軸方向移動不能に位置決め挟持されている。この一側クラッチ軸受80はクラッチ支持壁部41dにより支持されており、上記他側クラッチ軸受81は上記クラッチカバー71により支持されている。
そして上記一側クラッチ軸受80及び減速軸受53を支持するクラッチ支持壁部41dは、右ジャーナル軸受36を支持する第2クランク支持壁部41cよりクランク軸方向左側に偏位しており、換言すれば上記左ジャーナル軸受35を支持する第1クランク支持壁部40cと上記第2クランク支持壁41cとの間に位置している。より具体的には、気筒軸線A上に、あるいは気筒軸線Aより若干分割線B寄りに位置している。
また上記他側クラッチ軸受81を支持するクラッチカバー71は上記右ジャーナル軸受36を支持する第2クランク支持壁部41bよりクランク軸方向右外側に位置している。さらにまた上記出力軸48の左側軸受77を支持する減速機構支持壁部40dは左ジャーナル軸受35を支持する第1クランク支持壁部40cよりクランク軸方向左外側に位置している。
本実施形態によれば、駆動プーリ55と従動プーリ56とに巻回されたVベルト57を樹脂製のものとしたので、ベルト自体の耐熱性,耐久性をゴム製ベルトに比べて高めることができ、Vベルト57の冷却を不要にできる。その結果、変速機ケース45を密閉構造とすることが可能となり、水やほこりの進入を防止できる。
また耐久性の高い樹脂製ベルト57を採用したことにより、駆動,従動プーリ55,56の外径を小さくすることが可能であり、その分だけ駆動,従動プーリ55,56の軸間距離を短くすることができ、エンジン全体をコンパクトにできる。
本実施形態では、変速機ケース45をクランクケース22から独立した密閉構造のものとしたので、両ケース22,45の間に生じる隙間aによってエンジン熱が遮断されることとなり、エンジン2からの熱が変速機ケース45に伝わり難く、ベルト室内の温度上昇を抑制できる。またケース本体45aを熱の伝わり難い樹脂製としたので、この点からもエンジン2からの熱が変速機ケース45に伝わるを抑制できる。
上記クランクケース22をクランク軸方向に第1,第2ケース40,41に分割し、第2ケース41のクランク軸方向外側に上記変速機ケース45を配置し、該変速機ケース45のクランク軸方向内側近傍に遠心クラッチ機構17を配置したので、変速軸47の無段変速機構16と反対側に出力軸48を同軸配置することができ、エンジン2の幅寸法の拡大を抑えつつ前後方向寸法を小さくすることができる。
また上記遠心クラッチ機構17を変速軸47に装着された一側,他側クラッチ軸受80,81により挟持したので、別部品を用いることなく簡単な構造で遠心クラッチ機構17を軸方向に位置決め支持できる。
本実施形態では、一側クラッチ軸受80を支持するクラッチ一側支持壁41dをクランク軸28の左,右ジャーナル軸受35,36を支持する第1,第2クランク支持壁40c,41cの間に位置させ、他側クラッチ軸受81を支持するクラッチカバー71を右ジャーナル軸受36を支持する第2クランク支持壁41cのクランク軸方向外側に位置させたので、第1クランク支持壁40c,クラッチ一側支持壁41d同士及び第2クランク支持壁41c,クラッチカバー71同士を同一線上に位置させる場合に比べてクランク軸28と変速軸47との軸間距離を短くしながらクラッチ室38の容積を確保することができ、遠心クラッチ機構17をコンパクトに収納でき、ひいてはエンジン全体をコンパクトにすることができる。
また上記第2ケース41の開口41eにクラッチカバー71を着脱可能に取付けたので、変速機ケース45及びクラッチカバー71を外すことにより変速軸47とともに遠心クラッチ機構17を取り外すことができ、メンテナンスや部品交換作業を容易に行なうことができる。
本実施形態では、変速軸47の反変速機ケース45側に出力軸48を同軸をなすように配置し、該出力軸48に駆動スプロケット49を装着したので、遠心クラッチ機構17と駆動スプロケット49とを同軸上に配置することができ、エンジンの前後方向寸法を小さくすることができる。
上記遠心クラッチ機構17は従動プーリ56のクランク軸方向内側に近接させて配置されている。この遠心クラッチ機構17は湿式多板式のもので、主として図3及び図12〜図16に示すように、アウタクラッチ83のボス83bを変速軸47に共に回転するようにスプライン嵌合させ、該アウタクラッチ83内にインナクラッチ84を同軸配置し、該インナクラッチ84のハブ部84aを上記一次減速小ギヤ74に共に回転するようにスプライン嵌合させた概略構造を有している。なお、上記一次減速小ギヤ74は変速軸47に回転自在に支持されている。
上記アウタクラッチ83は、外周壁83cの右端開口を底壁83dにより閉塞し、他端に開口83eを有する碗状のものである。また上記外周壁83cにはスリット83fが所定角度間隔毎に軸方向に延びるようにかつ内部に貫通するように形成されている。
また上記インナクラッチ84は外周壁84bの一端開口を傾斜底壁84cで閉塞し、他端に開口を有するものである。上記外周壁84bの外面にはスリット84dが所定角度間隔毎に軸方向に延びるようにかつ溝状に形成されている。また上記外周壁84bと底壁84cとのコーナ部には複数のオイル孔84eが所定角度間隔毎に内外を貫通するように形成されている。
上記アウタクラッチ83内には複数枚のアウタクラッチ板85が配置されている。このアウタクラッチ板85は、環状のものであり、その外周縁に所定角度間隔毎に形成された突起部85eが上記スリット83fに係止しており、これによりアウタクラッチ板85は軸方向に移動可能でかつアウタクラッチ83とともに回転する。またアウタクラッチ板85の両端に位置するように2枚の押圧板86,86が配置されており、該押圧板86も該アウタクラッチ83と共に回転するように該アウタクラッチ83に係止されている。
また上記アウタクラッチ板85及び押圧板86の間にはインナクラッチ板87が配置されている。該各インナクラッチ板87は環状のもので、その内周縁には所定角度間隔毎に突起部87aが形成されており、該突起部87aは上記インナクラッチ84の外周面に形成されたスリット84dに係止している。このようにして上記各インナクラッチ板87は軸方向に移動可能でかつ上記インナクラッチ84と共に回転するようになっている。
上記アウタクラッチ83の内側にはカム面83aが形成されており、該カム面83aと上記外側の押圧板86との間にはウエイト88が配設されている。このウエイト88はアウタクラッチ83の遠心力により半径方向外側に移動するに伴ってカム面83aにより図12の図面左方(クラッチ接続方向)に移動し、押圧板86を移動させてアウタ,インナクラッチ板85,86同士を接続状態とする。なお、図12において、遠心クラッチ機構17の軸線より上側は遮断状態を、下側は接続状態を示している。
上記遠心クラッチ機構17にはクラッチ板貼り付き防止機構90が設けられている。この貼り付き防止機構90は、上記各アウタクラッチ板85の間及び該アウタクラッチ板85と押圧板86との間にアウタクラッチ板85,押圧板86を互いに離間させる方向に付勢する板ばね91を介設して構成されている。
また上記各インナクラッチ板87には該インナクラッチ板87の軸方向移動を規制するピン92が周方向に間隔をあけて挿通されており、各ピン92の各インナクラッチ板87の間には該インナクラッチ板87同士を離間させる方向に付勢するコイルばね93が装着されている。
本実施形態の遠心クラッチ機構17では、ウエイト88はエンジン回転が上昇するにつれて遠心力でクラッチ径方向外方に移動し、カム面83aによりその軸方向位置が決定される。そしてスロットル(不図示)の開操作によりエンジン回転が所定値以上になると上記ウエイト88が押圧板86を押圧移動させてアウタ,インナクラッチ板85,87を圧接させ、これによりエンジン回転が変速軸47から減速歯車機構18を介して出力軸48に伝達され、該出力軸48の回転により駆動スプロケット49,チェーン50を介して後輪7が回転駆動される。
スロットルの閉操作によるエンジン回転数の減少に伴ってウエイト88が半径方向内方に移動し、エンジン回転数が所定値以下になるとウエイト88による圧接力が解放され、上記アウタ,インナクラッチ板85,87が相対回転し、エンジン回転は変速軸47と出力軸48との間で遮断される。
そして上記クラッチ遮断時において、上記圧接力が解放されると板ばね91の反力によってアウタクラッチ板85,押圧板86が互いに離間するとともに、コイルばね93の反力によってインナクラッチ板87同士が離反する。
これによりアウタ,インナクラッチ板85,87同士の潤滑油による貼付きを防止でき、クラッチの引きずり現象が防止される。
また各ピン92によりインナクラッチ板87の軸方向移動が規制されているので、クラッチ遮断時にインナクラック板87が傾いたりするのを防止でき、この点からもクラッチの引きずり現象を防止できる。
次に上記エンジン2の潤滑油系統について説明する。
本潤滑油系統は、上記クランクケース22の底部22a形成された潤滑油室95内の潤滑油を潤滑油ポンプ96により吸い込んで上記クランク軸28,カム軸31の軸受部及び摺動部等の被潤滑部に圧送供給し、該被潤滑部を潤滑した潤滑油を上記潤滑油室95に自然落下により戻す構造となっている。
上記潤滑油ポンプ96は、主として図11に示すように、クランクケース22の第1ケース40の下部に配置されており、吸込口97a,吐出口97bを有するハウジング97によりポンプ軸96aを軸支し、該ポンプ軸96aの外端部にポンプギヤ98を装着した構造となっている。
上記第1ケース40には上記吸込口97aに連通する吸込み通路40fが形成され、該吸込み通路40fはオイルストレーナ99を介して潤滑油室95内の底面上に開口している。また上記第1ケース40には上記吐出口97bに連通する潤滑油供給通路40gが形成されている。この供給通路40gは途中にオイルフィルタ100を介在させて上記発電機ケース44に形成されたメイン供給通路44aに連通されており、該メイン供給通路44aの下流端は上記クランク軸28の左端面に連通するオイル室44cに接続されている。
上記クランク軸28には上記オイル室44cに連通するオイル通路28eが軸心方向に形成されており、該オイル通路28eは上記クランクピン29に形成された分岐通路29aを介して該クランクピン29とコンロッド27との連結軸受部101に開口している。
上記潤滑油ポンプ96により吸い込んだ潤滑油が供給通路40g,メイン供給通路44aを通ってオイル通路28eに圧送され、該オイル通路28eから分岐通路29aを介して連結軸受部101に供給される。この連結軸受部101に供給された潤滑油は、供給油圧によって、及びクランク軸28の遠心力によってクランク室37内に飛散し、この飛散する潤滑油の一部は減速室39内に進入して二次減速小ギヤ52a,大ギヤ48aを潤滑し、この後潤滑油室95内に落下する。
上記クランクケース22の底部22aには、上記変速機ケース45の下方に位置するように、つまり平面から見て、変速機ケース45の投影面内に位置するよう膨出する膨出部22bが一体形成されている(図8,図11参照)。この膨出部22bを形成したことにより潤滑油室95の全体としての幅方向中心線Dは変速機ケース45側に偏位している。上記オイルポンプ96は上記潤滑油室95の反変速機ケース45側に位置する内側壁22cに取り付けられている。
本実施形態によれば、クランクケース22の底部22aに変速機ケース45の下方に位置するように膨出部22bを膨出形成したので、変速機ケース45下方の空きスペースを有効利用して潤滑油室95の潤滑油量を増やすことができ、ケース底部を深くして潤滑油量を確保する場合に比べ、エンジン2の高さ寸法を大きく必要がない。
またクランクケース22の底部22aを変速機ケース45の下方に膨出させたので、潤滑油室95の表面積を増やすことができ、それだけ冷却性を高めることができ、さらにエンジン全体の重量バランスを良好にできる。
ここで本実施形態では、Vベルト57を樹脂製とするとともに、変速機ケース45をクランクケース22とは独立したものとしたので、ゴム製ベルトを採用する場合に比べてベルト自体の耐熱性,耐久性を高めることができ、またエンジンからの熱影響を抑制することができる。その結果、駆動,従動プーリ55,56の小径化が可能となり、変速機ケース45を小型化することができ、該変速機ケース45の下方に空きスペースを設けることができ、その結果上記膨出部22bを形成して潤滑油容量を大きくできたものである。
次に上記遠心クラッチ機構17の潤滑構造について説明する。
本実施形態では、上記コンロッド27とクランクピン29との連結軸受部101から飛散する潤滑油が上記遠心クラッチ機構17に導かれるように構成されている。具体的には、上記クラッチ機構17は、該クラッチ機構17の少なくとも一部が後述する潤滑油飛散領域内に位置し、また上記アウタクラッチ83の開口83eが上記潤滑油飛散領域に向かい、さらに上記アウタクラッチ83の外周壁83cに形成されたスリット83fが上記潤滑油の飛散方向に対向するように配置されている。
また上記クランク室37とクラッチ室38とを画成する第2外周壁41aには上記連結軸受部101から飛散した潤滑油が該クラッチ室38内に進入するのを許容する導入開口103が形成されている。この導入開口103は、図3に二点鎖線で示されたクランク軸方向幅寸法wを有し、また図7に示すようにクランク軸28と変速軸(回転軸)47の両軸線を含む平面Cの両側(上下側)に渡る高さ寸法hを有する。
そして本実施形態における上述の潤滑油飛散領域とは、概ね上記導入開口103を該開口に沿う平面と直角をなすようにかつ上記クランク軸28側から平面C方向に投影した領域ということができる。
また上記クラッチ支持壁部41dにはクラッチ室38内側に延びるガイド部104が一体形成されている。このガイド部104は、クランク軸28と変速軸47とを結ぶ上記平面Cと交差するように、かつ上記導入開口103と概ね対向するよう斜め縦方向に延びる潤滑油受け部104aと、該潤滑油受け部104aの下端に続いて変速軸47の下方に回り込むようにして円弧状に延びる案内部104bとを有している。この案内部104bはインナクラッチ84の外周壁84dとボス部84aとの間に進入するように該インナクラッチ84側に延びている(図3,図7参照)。
本実施形態の遠心クラッチ機構潤滑構造によれば、上記連結軸受部101に供給され潤滑油は、供給油圧によって、及び該連結軸受部101の回転による遠心力によってクランク室37内に飛散し、この飛散する潤滑油の一部は上記導入開口103を通ってクラッチ室38内に導入される。そしてこのクラッチ室38内に導入された潤滑油の一部は、上記潤滑油受け部104で受け止められ、案内部104bによりインナクラッチ84の外周壁84eの内周面に落下する。この落下した潤滑油は、該インナクラッチ84の回転による遠心力によりオイル孔84eを通ってアウタ,インナクラッチ板85,87間に供給される。また上記クラッチ室38内に導入された潤滑油の他の一部は、アウタクラッチ83の外周壁に形成されたスリット83fを通って上記アウタ,インナクラッチ板85,87間に供給される。
このように本実施形態では、クランクピン29とコンロッド大端部27aとの連結軸受部101に供給された潤滑油を遠心クラッチ機構17に導くようにしたので、連結軸受部101から多量に噴出,飛散する潤滑油を遠心クラッチ機構17に供給でき、特別な潤滑油経路を設ける必要がなく、かつ充分な量の潤滑油を遠心クラッチ機構17に供給でき、アウタ,インナクラッチ板85,87の焼き付きを防止できる。
本実施形態では、遠心クラッチ機構17をクランク室37から画成されたクラッチ室38内に配置するとともに、該クラッチ室38とクランク室37とを画成する第2外周壁41aに潤滑油の進入を許容する導入開口103を形成したので、非常に簡単な構造でクランク室37側から飛散してくる潤滑油を効果的にクラッチ室38に導入することができる。そして上記クラッチ機構17の配置に当たっては、上記アウタクラッチ83の開口83eが上記潤滑油飛散領域に向かい、さらに上記アウタクラッチ83のの外周壁83cに形成されたスリット83fが上記潤滑油の飛散方向に向かって開口するように配置したので、上記潤滑油をアウタクラッチ板とインナクラッチ板との間に供給でき、クラッチ板の焼き付きを回避できる。
また本実施形態では、クラッチ支持壁部41dにクラッチ室38内側に延びるガイド部104を一体形成し、該ガイド部104を、クランク軸28と変速軸47とを結ぶ延長線上に位置し上記導入開口103と概ね対向するよう延びる潤滑油受け部104aと、該潤滑油受け部104aの下端に続いて変速軸47の下方に回り込むようにして円弧状に延びる案内部104bとから構成したので、アウタ,インナクラッチ板85,87に潤滑油をより確実に供給することができる。即ち、上記導入開口103から進入した潤滑油はまず潤滑油受け部104aにより受け止められ、該受け部104aから案内部104bを伝ってインナクラッチ84内に流れ、これの外周壁84bの内面又はボス部84a上に落下する。するとこの落下した潤滑油はインナクラッチ84の回転による遠心力により外方に飛ばされ、オイル孔84eを通ってアウタクラッチ板85とインナクラッチ板87との間に供給される。
なお上記実施形態では、自動遠心式の湿式多板クラッチの場合を説明したが、本発明は手動式の湿式多板クラッチにも適用可能である。
また、本発明は、湿式多板クラッチに限らず、上述の特許文献に記載されているいわゆるシュー式の自動遠心式クラッチ機構にも適用可能である。このシュー式の自動遠心式クラッチ機構は、出力軸側に碗状のアウタクラッチを固定し、該アウタクラッチ内に位置するように入力部材を配置し、該入力部材を入力軸側に固定し、該入力部材に揺動可能にシューを支持し、遠心力により上記シューを上記アウタクラッチの内面に当接させるようにしたものである。
上記アウタクラッチをクラッチ室内に配置する場合に、アウタクラッチの開口を上述の潤滑油飛散領域に向け、さらにアウタクラッチに形成されたスリットを上記潤滑油の飛散方向に対向させるのである。
このようにすることにより上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
次に上記エンジン2のキック装置について説明する。
主として、図5,図9,図10に示すように、上記出力軸48の略垂直下方にはこれと平行にキック軸110が配設されている。クランク軸直角方向に見て、該キック軸110は、これの上記駆動スプロケット49より内側部分が第1ケース40のボス部40hにより軸支され、外側部分が発電機カバー44に一対形成されたボス部44bにより軸支されている。
上記キック軸110の外端部にキックアーム111が装着されている。またキック軸110の内側端部にはキックギヤ112が軸方向にスライド可能にスプライン嵌合されており、該キックギヤ112は第1ケース40内に位置している。また上記キック軸110の内端部には復帰ばね113が巻き付けられており、該復帰ばね113によりキック軸110は踏み込み位置に回動付勢されている。
上記キック軸110とクランク軸28との間には主中間軸114,副中間軸115がそれぞれキック軸110と平行に配設されている。この主中間軸114は第1ケース40と第2ケース41とに架け渡して軸支されており、該主中間軸114には上記キックギヤ112に噛合可能な主中間ギヤ116が装着されている。
上記副中間軸115は第1ケース40に形成された軸受け部40jにより軸支されており、該副中間軸115の内,外端部はそれぞれ第1ケース40の内側,外側に突出している。この副中間軸115のケース内側には上記主中間ギヤ116に噛合する第1中間ギヤ115aが一体形成されており、ケース外側には第2中間ギヤ117が装着されている。この第2中間ギヤ117には後述する第1クランクギヤ121が噛合している。
上記キックアーム111を踏み込むことによりキック軸110が回転し、該回転に伴ってキックギヤ112が軸方向に移動して上記主中間ギヤ116に噛合し、第1,第2中間ギヤ115a,117を介して第1クランクギヤ121に伝達され、クランク軸28が回転する。
上記クランク軸28の左ジャーナル軸受35と上記発電機42のスリーブ43との間には外側から順に一方向クラッチ120,上記第1クランクギヤ121,カムスプロケット122が装着されている。
上記一方向クラッチ120には始動ギヤ120aが装着されており、該始動ギヤ120aにはアイドラギヤ124を介してスタータモータ125の駆動ギヤ125aが連結されている。このスタータモータ125はモータ軸線をクランク軸28と平行に向けてクランクケース22の前壁に配置固定されている。
そして上記キックギヤ112,主中間ギヤ116,及び第1中間ギヤ115aは第1ケース40内側の上記潤滑油室95に連通する位置に配置されている。また上記第2中間ギヤ117,第1クランクギヤ121,及びカムスプロケット122は第1ケース40の外側に配置されている。
本実施形態のキック装置によれば、キックギヤ112,主中間ギヤ116,及び第1中間ギヤ115aを潤滑油室95に連通する部分に位置させたので、これらのギヤの噛合部を十分に潤滑できる。
また、主中間軸115を第1ケース40の内側から外側に貫通させ、キック軸110の回転を主中間軸115の内側から外側に伝達し、該外側の第2中間ギヤ117から第1クランクギヤ121を介してクランク軸28に伝達したので、第1クランクギヤ121をクランクジャーナル部28cより外側に配置させることができ、クランク軸受35,36の間隔を狭くでき、クランク軸28をコンロッド27による曲げモーメントを小さくして軸支できる。さらにまたカムスプロケット122,第2クランクギヤ127の配置スペースを確保することができ、クランク軸周りのレイアウトを容易に行なうことができる。即ち、キック軸110の回転を第1ケース40内においてクランク軸28に伝達するようにした場合、左のクランク軸受35と左クランクアーム28aとの間にギヤが必要となり、左,右軸受35,36の間隔が広くなり、上記曲げモーメント上不利となる。
本実施形態では、上記キック軸110を出力軸48の垂直方向略下方に配置したので、キックアーム111の踏み込み操作がし易いとともに、エンジン2の前後寸法を小さくすることができる。
また上記キック軸110の後輪駆動スプロケット49の車幅方向内側をクランクケース22の第1クラッチ支持壁部40dにて軸支し、車幅方向外側を発電機ケース44にて軸支し、該キック軸110の発電機ケース44の外方突出端にキックアーム111を装着したので、キック軸110,ひいてはキックアーム111を後輪駆動スプロケット49に干渉することなく最適な踏み込み位置に配置することができる。
上記キック軸110は、図4に示すように、クランク軸方向に見たとき、上記変速機ケース45の軸方向投影面内で、かつ遠心クラッチ機構17の軸方向投影面内に位置している。より具体的には、従動プーリ56の略垂直下方に位置するように配置されている。
このようにキック軸110を変速機ケース45の反対側に配置したので、該変速機ケース45内にキック軸配置スペースを確保する必要なく、そのため上記無段変速機構16の駆動プーリ55と従動プーリ56とは僅かな隙間b(図3参照)が生じる程度に近接させて配置でき、それだけエンジンの前後長を小さくすることができる。
また上記キック軸110を変速機ケース45のクランク軸方向投影面内に配置したので、キック軸110をクランク軸28に近い位置で、かつ踏み込み易い位置に配置することができる。
本実施形態では、上記遠心クラッチ機構17を従動プーリ56のクランク軸方向内側近傍に配置し、上記キック軸110を遠心クラッチ機構17の軸方向投影面内で、かつ変速軸47の略垂直下方に配置したので、キック軸110を遠心クラッチ機構投影面内における空きスペースを利用して、かつ最も踏み込み易い位置に配置することができるとともに、エンジン2の前後長さを小さくすることができる。
上記クランク軸28の後上方にはバランサ軸129が該クランク軸28と平行に配設されている。このバランサ軸129は第1,第2ケース40,41にバランサ軸受130,131を介して軸支されている。該バランサ軸129の左端部は第1ケース40から外側に突出しており、該突出部にはバランサギヤ132が結合されている。このバランサギヤ132の内周部にはダンパ部材133が介設されている。
ここで、上記バランサ軸受130,131内にクランク軸28の左,右のクランクアーム28a,28bが位置し、かつバランサ軸129のバランサウエイト129aは上記左,右のクランクアーム28a,28bの間で、かつクランクピン29の回転軌跡に重なるようにクランク軸28側に近接させて配置されている。これによりバランサ軸周りがコンパクトになっている。
上記クランク軸28に圧入された第1クランクギヤ(第1駆動ギヤ)121には第2クランクギヤ(第2駆動ギヤ)127が共に回転するように装着されており、該第2クランクギヤ127に上記バランサギヤ(第2従動ギヤ)132が噛合している。より詳細には上記第2クランクギヤ127の内周面には内周歯127aが形成されており、該内周歯127aには上記第1クランクギヤ121の外周歯121aが嵌合している(図6参照)。これによりクランク軸28の回転は第1クランクギヤ121から第2クランクギヤ127を介してバランサギヤ132に伝達される。
上記ポンプギヤ(第1従動ギヤ)98には第2中間ギヤ117を介して上記第1クランクギヤ121が連結されている。このようにして第1クランクギヤ121,第2中間ギヤ117はキック始動とオイルポンプ駆動とに共用されている。
また上記クランク軸28に装着された一方向クラッチ120,第1クランクギヤ121,カムスプロケット122は上記クランク軸28の左端部に螺装されたナット123を締め付けることにより上記スリーブ43とジャーナル軸受35とで軸方向移動不能に挟持されている。
本実施形態によれば、第1クランクギヤ121に噛合する第2中間ギヤ117をキック軸110の回転をクランク軸28に伝達する場合と、クランク軸28の回転をポンプギヤ98に伝達する場合とに共用したので、それだけクランク軸長さを短くでき、エンジン幅をコンパクトにできる。
またクランク軸28に圧入した第1クランクギヤ121に、第2クランクギヤ127の内周歯127aを嵌合させるとともに、第2中間ギヤ117を噛合させるようにしたので、第1クランクギヤ121のクランク軸28への圧入長さを十分に確保することができ、クランク軸28の回転を確実にポンプギヤ98,バランサギヤ132に伝達することができる。
本実施形態では、第1クランクギヤ121の外周歯121aと第2クランクギヤ127の内周歯127aとを嵌合させる構造を採用したので、第2クランクギヤ127の組み付けが容易であるとともに、メンテナンス時の取り外しを容易に行える。即ち、上記クランク軸28のナット123を外してスリーブ43,一方向クラッチ121を取り外すことにより、上記第2クランクギヤ127を第1クランクギヤ121から容易に取り外すことができる。
そして本エンジン2の上記各軸の配置構造は以下のようになっている。
クランク軸方向に見て、上記クランク軸28の後方に変速軸47,出力軸48が略同一水平面上に配置されている。このクランク軸28及び出力軸48の軸心を含む水平面Cの上側に上記バランサ軸129及び減速軸52が配置されており、下側にキック軸110,ポンプ軸96a,主,副中間軸114,115が配置されている。
また上記キック軸110は出力軸48の略垂直下方に配置され、上記ポンプ軸96aはバランサ軸129の略垂直下方に配置されている。さらに上記主,副中間軸114,115はクランク軸28とキック軸110とを結ぶ線上に配置されている。
本実施形態によれば、クランク軸28及び出力軸48を含む水平面Cの上側にバランサ軸129を配置し、下側にキック軸110及びオイルポンプ96のポンプ軸96aを配置したので、これらを上,下にバランス良く配置することができ、エンジンの大型化を回避できる。即ち、上記水平面Cの上側でシリンダボアの後側には空スペースがあり、このスペースを利用してバランサ軸129を配置している。そしてバランサ軸129はウエイト129aが大きな回転軌跡を持って回転するので、潤滑油に浸漬した状態にあると潤滑油撹拌によるロス馬力が大きくなるが、本実施形態ではバランサ軸129が潤滑油を拡散することはない。また上記水平面Cの上側でバランサ軸129と出力軸48との間の空きスペースを利用して減速軸52を配置している。この場合、潤滑油が供給されにくい上部に位置しているが、クランク軸28のコンロッドの連結軸受部101から飛散する潤滑油が減速ギヤ75等に供給されるので潤滑不足の問題はない。
また上記キック軸110を出力軸48の略垂直方向下方に配置したので、エンジン2の前後長さを小さくすることができるとともに、キック軸110を踏み込み易い位置に配置することができる。
産業上の利用可能性
請求項1の発明によれば、クランクピンとコンロッド大端部との連結部に供給された潤滑油をクラッチ機構に導くようにしたので、該連結部に供給された潤滑油自体が有する油圧により、あるいは遠心力により上記連結部から多量に飛散する潤滑油をクラッチ機構に供給できる。この場合、特別な潤滑油供給構造を設ける必要がなく、かつ充分な潤滑油量をクラッチ機構に供給でき、クラッチ機構の焼き付きを防止できる。
請求項2の発明では、上記クラッチ機構を、連結部からの潤滑油の飛散領域内に少なくともこの一部が位置するように配置したので、飛散した潤滑油をクラッチ機構内に確実に導入することができる。
請求項3,4の発明では、アウタクラッチの開口を潤滑油飛散領域に向かうようにクラッチ機構を配置したので、上述の飛散する潤滑油をアウタクラッチの開口からクラッチ機構内に確実に導入することができる。
請求項5の発明では、上記アウタクラッチの外周壁に内部に向けて貫通形成された複数のスリットを上記潤滑油の飛散方向に向けて開口させたので、より一層確実に潤滑油をクラッチ機構内に導入できる。
請求項6の発明では、クラッチ機構をクランク室から画成されたクラッチ室内に配置し、該両室の隔壁に潤滑油の進入を許容する導入開口を形成したので、また請求項7の発明では、上記導入開口を潤滑油飛散方向に向けてかつ充分な大きさに設定したので、上記クランク室からの潤滑油を上記導入開口を介してクラッチ室に導入することができ、クラッチ機構をクラッチ室内に収容しながら簡単な構造でクラッチ機構を潤滑できる。
請求項8,請求項9の発明では、飛散する潤滑油を受けとめてクラッチ機構の内部に導入するようにしたので、この内側に導入された潤滑油を遠心力によりアウタ,インナクラッチ板部分又は入力部材とアウタクラッチ間部分により確実に供給することができ、これらの焼き付きを防止できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の一実施形態によるエンジンのクラッチ機構潤滑構造が採用された自動二輪車の左側面図である。
図2は、上記エンジンの展開状態を示す断面平面図(図6のII−II線断面図)である。
図3は、上記エンジンの無段変速機構,遠心クラッチ機構部分の断面平面図である。
図4は、上記エンジンの右側面図である。
図5は、上記エンジンの左側面図である。
図6は、上記エンジンの無段変速機構,遠心クラッチ機構を取り外した状態の右側面図である。
図7は、上記エンジンのクランクケースの右側面図である。
図8は、上記クランクケースの断面背面図(図5のVIII−VIII線断面図)である。
図9は、上記エンジンのキック装置の断面背面図(図5のIX−IX線断面図)である。
図10は、上記キック装置の断面図である。
図11は、上記エンジンの潤滑油経路を示す断面背面図である。
図12は、上記遠心クラッチ機構の断面図である。
図13は、上記遠心クラッチ機構のアウタクラッチの側面図である。
図14は、上記遠心クラッチ機構の正面図である。
図15は、上記遠心クラッチ機構の要部の拡大断面図である。
図16は、上記遠心クラッチ機構の要部の拡大断面図である。
図17は、従来の一般的な従動プーリの断面図である。
【0002】
の複雑化をきたすといった問題がある。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたもので、簡単な潤滑供給構造でかつ十分な潤滑性能が得られるエンジンのクラッチ機構潤滑構造を提供することを目的としている。
発明の開示
請求項1の発明は、一対のクランクアーム間に配置されたクランクピンにコンロッドの大端部が連結されたクランク軸と、該クランク軸と平行に配置された回転軸に装着された湿式のクラッチ機構とを備えたエンジンのクラッチ機構潤滑構造において、上記クランクピンとコンロッド大端部との連結部に供給された潤滑油を上記クラッチ機構に導くように構成したことを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項2において、上記クラッチ機構は、軸方向一端が開口する碗状のアウタクラッチ内にインナクラッチを同軸配置し、該インナ,アウ
タクラッチの一方を入力側に、他方を出力側に連結するとともに、該インナ,アウタクラッチ間に複数のインナ,アウタクラッチ板を介在させた湿式多板式のものであり、上記アウタクラッチの開口が潤滑油飛散領域に向かっていることを特徴としている。
なお上記請求項3におけるクラッチ機構には、ウェイトの遠心力を利用した自動遠心式のものと、手動式のものとの両方が含まれる。
請求項4の発明は、請求項2において、上記クラッチ機構は、軸方向一端が開口する碗状のアウタクラッチ内に遠心力により回動して該アウタクラッチの内面に当接する入力部材を配置し、該入力部材,アウタクラッチを上記回転軸の入力側,出力側に連結してなる自動遠心式のものであり、上記アウタクラッチの開口が上記潤滑油飛散領域に向かっていることを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項3又は4において、上記アウタクラッチの外周壁には複数のスリットが内部に貫通するように形成されており、該スリットは上記潤
【0003】
滑油の飛散方向に向かって開口していることを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項1ないし5の何れかにおいて、上記クラッチ機構は上記連結部及びクランクアームが収容されたクランク室から画成されたクラッチ室内に配置されており、該両室の隔壁には上記飛散する潤滑油がクラッチ室内に進入するのを許容する導入開口が形成されていることを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項6において、上記導入開口はクラッチ軸及びクランク軸の両方を含む平面の両側の領域に渡るように形成されていることを特徴としている。
請求項8の発明は、請求項6において、上記飛散する潤滑油を受け止めるとともに該潤滑油を上記クラッチ機構の外側より内側により多く導入するガイド部を設けたことを特徴としている。
請求項9の発明は、請求項8において、上記ガイド部は、上記飛散する潤滑油に対向するように配置されて該潤滑油を受け止める潤滑油受け部と、該潤滑油受け部から上記アウタクラッチ内部に向けて延び、上記潤滑油受け部で受け止められた潤滑油をアウタクラッチ内部に案内する案内部とで構成されていることを特徴としている。
請求項10の発明は、一対のクランクアーム間に配置されたクランクピンにコンロッドの大端部が連結されたクランク軸と、該クランク軸と平行に配置された回転軸に装着された湿式のクラッチ機構とを備えたエンジンのクラッチ機構潤滑構造において、上記クランク軸の一端に乾式Vベルト無段変速機の駆動側プーリを装着し、上記クランク軸の他端側から上記クランクピンとコンロッド大端部との連結部に連通するようオイル孔を形成し、該オイル孔を介して潤滑油を上記連結部に供給し、上記クラッチ機構を上記連結部からの潤滑油飛散領域内に位置するように配置し、もって潤滑油を上記クラッチ機構に導くように構成したことを特徴としている。
請求項11の発明は、一対のクランクアーム間に配置されたクランクピンにコ
【0004】
ンロッドの大端部が連結されたクランク軸と、該クランク軸と平行に配置された回転軸に装着された湿式のクラッチ機構とを備えたエンジンのクラッチ機構潤滑構造において、上記クラッチ機構は軸方向一端が開口する碗状のアウタクラッチの開口側に複数のクラッチ板を配置し、底壁側に遠心力で径方向外方に移動することにより上記クラッチ板を圧接させる遠心式多板クラッチであり、上記アウタクラッチの開口を、上記コンロッド大端部とクランクピンとの連結部からの潤滑油飛散領域内に位置するように配置し、もって上記連結部に供給された潤滑油を上記クラッチ機構に導くように構成したことを特徴としている。
請求項12の発明は、請求項10において、上記クラッチ機構は、軸方向一端が開口する碗状のアウタクラッチ内にインナクラッチを同軸配置し、該インナ,アウタクラッチの一方を上記回転軸の入力側に、他方を出力側に連結するとともに、該インナ,アウタクラッチ間に複数のインナ,アウタクラッチ板を介在させた湿式多板式のものであり、上記アウタクラッチの開口が上記潤滑油飛散領域に向かっていることを特徴としている。
請求項13の発明は、請求項10において、上記クラッチ機構は、軸方向一端が開口する碗状のアウタクラッチ内に遠心力により回動して該アウタクラッチの内面に当接する入力部材を配置し、該入力部材,アウタクラッチを上記回転軸の入力側,出力側に連結してなる自動遠心式のものであり、上記アウタクラッチの開口が上記潤滑油飛散領域に向かっていることを特徴としている。
請求項14の発明は、請求項12,又は13において、上記アウタクラッチの外周壁には複数のスリットが内部に貫通するように形成されており、該スリットは上記潤滑油の飛散方向に対向するように開口していることを特徴としている。
請求項15の発明は、請求項10ないし13の何れかにおいて、上記クラッチ機構は上記連結部及びクランクアームが収容されたクランク室から画成されたクラッチ室内に配置されており、該両室の隔壁には上記飛散する潤滑油がクラッチ室内に進入するのを許容する導入開口が形成されていることを特徴としている。
請求項16の発明は、請求項15において、上記導入開口は上記回転軸及び上記クランク軸の両方を含む平面の両側の領域に渡るように形成されていることを特徴としている。
請求項17の発明は、請求項15において、上記飛散する潤滑油を受け止めるとともに該潤滑油を上記クラッチ機構の外側より内側により多く導入するガイド部を設けたことを特徴としている。
請求項18の発明は、請求項17において、上記ガイド部は、上記飛散する潤滑油に対向するように配置されて該潤滑油を受け止める潤滑油受け部と、該潤滑油受け部から上記アウタクラッチ内部に向けて延び、上記潤滑油受け部で受け止められた潤滑油をアウタクラッチ内部に案内する案内部とで構成されていることを特徴としている。
請求項19の発明は、請求項8又は18において、上記ガイド部は、上記アウタクラッチの開口からクラッチ内部に進入するように延びていることを特徴としている。
図面の簡単な説明
図1は、本発明の一実施形態によるエンジンのクラッチ機構潤滑構造が採用された自動二輪車の左側面図である。
図2は、上記エンジンの展開状態を示す断面平面図(図6のII−II線断面図)である。
図3は、上記エンジンの無段変速機構,遠心クラッチ機構部分の断面平面図である。
図4は、上記エンジンの右側面図である。
図5は、上記エンジンの左側面図である。
図6は、上記エンジンの無段変速機構,遠心クラッチ機構を取り外した状態の右側面図である。
図7は、上記エンジンのクランクケースの右側面図である。
図8は、上記クランクケースの断面背面図(図5のVIII−VIII線断面図)である。
図9は、上記エンジンのキック装置の断面背面図(図5のIX−IX線断面図)である。
図10は、上記キック装置の断面図である。
図11は、上記エンジンの潤滑油経路を示す断面背面図である。
図12は、上記遠心クラッチ機構の断面図である。
図13は、上記遠心クラッチ機構のアウタクラッチの側面図である。
図14は、上記遠心クラッチ機構の正面図である。
図15は、上記遠心クラッチ機構の要部の拡大断面図である。
図16は、上記遠心クラッチ機構の要部の拡大断面図である。
図17は、従動プーリの変形例を示す断面図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図16は、本発明の一実施形態による自動二輪車用エンジンを説明するための図であり、図1は本実施形態エンジンが搭載された自動二輪車の左側面図、図2はエンジンを展開状態で示す断面平面図(図6のII−II線断面図)、図3はエンジンの無段変速機構,遠心クラッチ機構部分の断面平面図、図4,図5はエンジンの右側面図,左側面図、図6はエンジンの無段変速機構,遠心クラ
【0027】
ジン2の前後長さを小さくすることができるとともに、キック軸110を踏み込み易い位置に配置することができる。
産業上の利用可能性
請求項1の発明によれば、クランクピンとコンロッド大端部との連結部に供給された潤滑油をクラッチ機構に導くようにしたので、該連結部に供給された潤滑油自体が有する油圧により、あるいは遠心力により上記連結部から多量に飛散する潤滑油をクラッチ機構に供給できる。この場合、特別な潤滑油供給構造を設ける必要がなく、かつ充分な潤滑油量をクラッチ機構に供給でき、クラッチ機構の焼き付きを防止できる。
また、上記クラッチ機構を、連結部からの潤滑油の飛散領域内に少なくともこの一部が位置するように配置したので、飛散した潤滑油をクラッチ機構内に確実に導入することができる。
請求項3,4,12,13の発明では、アウタクラッチの開口を潤滑油飛散領域に向かうようにクラッチ機構を配置したので、上述の飛散する潤滑油をアウタクラッチの開口からクラッチ機構内に確実に導入することができる。
請求項5,14の発明では、上記アウタクラッチの外周壁に内部に向けて貫通形成された複数のスリットを上記潤滑油の飛散方向に向けて開口させたので、より一層確実に潤滑油をクラッチ機構内に導入できる。
請求項6,15の発明では、クラッチ機構をクランク室から画成されたクラッチ室内に配置し、該両室の隔壁に潤滑油の進入を許容する導入開口を形成したので、また請求項7,16の発明では、上記導入開口を潤滑油飛散方向に向けてかつ充分な大きさに設定したので、上記クランク室からの潤滑油を上記導入開口を介してクラッチ室に導入することができ、クラッチ機構をクラッチ室内に収容しながら簡単な構造でクラッチ機構を潤滑できる。
請求項8,9,17,18,19の発明では、飛散する潤滑油を受けとめてク
【0028】
ラッチ機構の内部に導入するようにしたので、この内側に導入された潤滑油を遠心力によりアウタ,インナクラッチ板部分又は入力部材とアウタクラッチ間部分により確実に供給することができ、これらの焼き付きを防止できる。

Claims (9)

  1. 一対のクランクアーム間に配置されたクランクピンにコンロッドの大端部が連結されたクランク軸と、該クランク軸と平行に配置された回転軸に装着された湿式のクラッチ機構とを備えたエンジンのクラッチ機構潤滑構造において、上記クランクピンとコンロッド大端部との連結部に供給された潤滑油を上記クラッチ機構に導くように構成したことを特徴とするエンジンのクラッチ機構潤滑構造。
  2. 請求項1において、上記クラッチ機構を、該クラッチ機構の少なくとも一部が上記コンロッドとクランクピンとの連結部からの潤滑油飛散領域内に位置するように配置したことを特徴とするエンジンのクラッチ機構潤滑構造。
  3. 請求項2において、上記クラッチ機構は、軸方向一端が開口する碗状のアウタクラッチ内にインナクラッチを同軸配置し、該インナ,アウタクラッチの一方を上記回転軸の入力側に、他方を出力側に連結するとともに、該インナ,アウタクラッチ間に複数のインナ,アウタクラッチ板を介在させた湿式多板式のものであり、上記アウタクラッチの開口が上記潤滑油飛散領域に向かっていることを特徴とするエンジンのクラッチ機構潤滑構造。
  4. 請求項2において、上記クラッチ機構は、軸方向一端が開口する碗状のアウタクラッチ内に遠心力により回動して該アウタクラッチの内面に当接する入力部材を配置し、該入力部材,アウタクラッチを上記回転軸の入力側,出力側に連結してなる自動遠心式のものであり、上記アウタクラッチの開口が上記潤滑油飛散領域に向かっていることを特徴とするエンジンのクラッチ機構潤滑構造。
  5. 請求項3,又は4において、上記アウタクラッチの外周壁には複数のスリットが内部に貫通するように形成されており、該スリットは上記潤滑油の飛散方向に対向するように開口していることを特徴とするエンジンのクラッチ機構潤滑構造。
  6. 請求項1ないし5の何れかにおいて、上記クラッチ機構は上記連結部及びクランクアームが収容されたクランク室から画成されたクラッチ室内に配置されており、該両室の隔壁には上記飛散する潤滑油がクラッチ室内に進入するのを許容する導入開口が形成されていることを特徴とするエンジンのクラッチ機構潤滑構造。
  7. 請求項6において、上記導入開口は上記回転軸及び上記クランク軸の両方を含む平面の両側の領域に渡るように形成されていることを特徴とするエンジンのクラッチ機構潤滑構造。
  8. 請求項6又は7において、上記飛散する潤滑油を受け止めるとともに該潤滑油を上記クラッチ機構の外側より内側により多く導入するガイド部を設けたことを特徴とするエンジンのクラッチ機構潤滑構造。
  9. 請求項8において、上記ガイド部は、上記飛散する潤滑油に対向するように配置されて該潤滑油を受け止める潤滑油受け部と、該潤滑油受け部から上記アウタクラッチ内部に向けて延び、上記潤滑油受け部で受け止められた潤滑油をアウタクラッチ内部に案内する案内部とで構成されていることを特徴とするエンジンのクラッチ機構潤滑構造。
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