JPWO2003081973A1 - 電磁波遮蔽用シート、電磁波遮蔽伝送用ケーブル及び電磁波遮蔽lsi - Google Patents
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Abstract
電気抵抗が103Ω/□以下の抵抗層(B)又は導体層(A)と磁性体微粒子を誘電体バインダーで固定した磁性体層(C)を積層した電磁波遮蔽シートは、伝送ケーブル又はLSI用シートとして最適であり、これらのシートで被覆した電磁波遮蔽伝送ケーブル又は電磁波遮蔽LSIは自らの電磁波輻射を抑制し、また外部からの電磁波による影響を受けることが少ない。
Description
技術分野
本発明は電磁波遮蔽シート及びその用途に関し、更に詳しくは、デジタル情報の有線伝送ケーブル、あるいは大規模集積回路(LSI=Large Scale Integration)におけるEMC(不要輻射を出さないし、受けない機構)を改良するための電磁波遮蔽シート及びそれを適用した電磁波遮蔽伝送ケーブル及び電磁波遮蔽LSIに関する。
背景技術
LANあるいはADSLなどのデジタル情報の伝送には、ツイスト・ペアーと称する伝送ケーブルが多用されている。この伝送ケーブルで情報の伝送を行う場合、半導体の不平衡動作に起因する不平衡成分(コモンモード)が生じ、EMCを劣化させるという問題がある。
従来、これを抑制する手段としては、図6に示すように、複数の芯線4を絶縁体7で被覆したケーブル6を円筒型焼結フエライト8に貫通させ、このケーブル6を流れる電流により生じる磁束をフエライトに交差させることでヒステレシス損失を生じさせ、不平衡成分による不要輻射を抑圧するようにしていた。
ケーブルで情報伝送を行う場合、図7(a)に示すノーマルモード(平衡成分)と図7(b)に示すコモンモード(不平衡成分)の2種類の伝送形態がある。図7(a)のノーマルモードでは、電界1および磁界2がケーブル6の芯線4の中心に集中するので、外部輻射は無視できるほど小さくなっている。これに対して、図7(b)のコモンモードでは、複数の芯線4(図では簡単の為に2本だけで表示)の電界1および磁界2が外部に広がり、電磁エネルギーがケーブル外部に輻射される。15は仮想大地を示す。
そこで、図8(a),(b)に示すように、ケーブル6の絶縁体外被7の一部を焼結フエライトコア3で覆い、電磁エネルギーが中央に集中するノーマルモードでは無視できる輻射に留め(図8(a))、また電磁エネルギーの広がるコモンモードに対しては、大きなヒステレシス損失を与えることにより輻射を抑制するようにしてきた(図8(b))。 しかしながら、上記のように円筒型焼結フエライト3でケーブル6の一部を覆うようにする従来の方法では、(1)コモンモードの電流が大きい(当該インピーダンスが低い)点で大きな磁界がフエライトに交差しないと大きな損失が得られない。すなわち、高インピーダンス点では効果が低い。また、(2)スネークの限界(Snoek’s limit)と称される周波数限界により、300MHz以上の周波数では磁性体の作用が低下するので、最近のギガビット伝送では使えない、と言う二つの問題があった。特にマイクロ波のように波長の短い周波数では、ケーブルのインピーダンスの高低はケーブルの電気長に沿い周期的に変動するので、上記問題を一層難しくしている。
一方、電子機器の電磁波遮蔽においては、高速デジタルLSIなどのLSIから輻射する電磁波が他の電子部品、電子回路或いは電子機器に妨害を与えたり、逆にこれらから輻射した電磁波から干渉を受けたりしないようにする対策(EMC対策)が要求されている。従来のEMC対策には、図12に示すような構成が採用されている。
すなわち、図12において、102がLSIであり、その表面はシリコーンコンパウンド102aで封止されている。このLSI102は電子基板103に取り付けられ、シリコーンコンパウンド102aで封止された上面に磁性体シート111を貼り付けることにより、LSI102から輻射される電磁波104を抑圧するようにしている。その磁性体シート111には、磁性体粉末をバインダーで固めたものが一般的に使用されており、通常厚さが約1mmになっている。
上記EMC構造に使用される磁性体シート111の輻射減衰率の測定には、図13に示すような簡便法が使用され、LSIに代えて信号源108により励振される電波を放射する微小ループアンテナ105を磁性体シート111に距離dに近接配置する。この距離dの大きさは、LSIに外装されたシリコーンコンパウンド102aの厚さで決められ、通常は約1mm程度である。磁性体シート111を透過した電磁波は反対側に近接配置した受信ループアンテナ105’で受信し、受信計器106により磁性体シート111による透過量を測定する。この測定で得られる結果を近−近点の測定結果という。
この近−近点の測定結果は図15のグラフのようになる。図15において、曲線aは磁性体シート111の厚さが1mmの場合であり、同じく曲線bは厚さが0.09mmの場合である。磁性体の厚さが1mmあれば10〜15dB前後の減衰量が得られる。しかるに、実際の電子基板の遮蔽は近接した点に限定されることはなく、図14に示すように、数十ミリ或いは数メートルの距離Dが離れた点(遠点)の遮蔽減衰も必要とされる。この場合の受信点は近接したループではなく、通常のアンテナ7を使用して測定することになる。これを遠−近点測定結果という。
図16は、図14による近−遠点測定結果(D=1m)を示す。(だだし、縦軸は輻射強度で示す。)同図16において、曲線aは磁性体シートの厚さが1mmの場合であり、曲線bは厚さが0.09mmの場合である。ここで注目すべきは、磁性体シートの厚さが1mmの場合の輻射量が増大しており、目的に反した特性になっている。また、シートの厚さを0.09mmにすれば、図15に示すように近−近点の遮蔽効果を失うことになる。
ところが、実際に必要とされるLSIの電磁遮蔽は、遠−近、近−近のいずれの場合にも抑圧効果をもつものでなければならない。
発明の開示
本発明の第1の目的は電磁波の輻射を防止し、また外部からの電磁波妨害を受けない電磁波遮蔽シートを提供する。
その発明の構成は、電気抵抗が103Ω/□以下の抵抗層又は導体層(B又はA)と磁性体微粒子を誘電体バインダーで固定した磁性体層(C)を積層したことを特徴とする電磁波遮蔽シートである。
また、前記(B)が、電気抵抗10−2〜103Ω/□の抵抗層であること、前記(B又はA)と(C)からなる積層体のさらに片面に絶縁層、反対面に補強層を積層すること、磁性体層(C)を構成する磁性体微粒子の初期透磁率が5以上であることは好ましい態様である。
本発明の第2の目的は、伝送ケーブルを被覆するための伝送ケーブル用電磁波遮蔽シートを提供する。
その発明の構成は、上記電磁波遮蔽シートを伝送ケーブルの電磁波遮蔽のために用いることを特徴とする伝送ケーブル用電磁波遮蔽シートである。
また、抵抗層又は導体層(B又はA)が、磁性体層(C)の両側に積層されていること、前記(B)が、電気抵抗1〜102Ω/□の抵抗層であること、前記(B)が、電気抵抗1〜60Ω/□の抵抗層であることは好ましい態様である。
本発明の第3の目的は、LSIを被覆するためのLSI被覆用電磁波遮蔽シートを提供することにある。
その発明の構成は、上記電磁波遮蔽シートをLSIの電磁波遮蔽のために用いることを特徴とするLSI用電磁波遮蔽シートである。
また、前記(B又はA)が磁性体層(C)の片側に積層されていること、前記(B)が、電気抵抗20Ω/□以下の抵抗層又は導体層であること、前記(B)が、電気抵抗10−2〜20Ω/□の抵抗層であること、磁性体層(C)の厚みが0.05〜0.5mmであること、本文で定義する、電磁波発生源から1m離れた点で測定した輻射電界強度減衰量が4dB以上であることは好ましい態様である。
本発明の第4の目的は、インピーダンスに関係なく数ギガビットであってもコモンモードの抑制作用を実現可能にする電磁波遮蔽伝送ケーブルを提供する。
その発明の構成は、上記電磁波遮蔽シート又は伝送ケーブル用電磁波遮蔽シートで伝送ケーブルの長手方向の一部又は全長を被覆したことを特徴とする電磁波遮蔽伝送ケーブルである。
また、多芯ケーブルにおいて、信号を伝送する2線を隣接するように配置し、その多芯ケーブルの長手方向の一部又は全長を被覆したことを特徴とする電磁波遮蔽伝送ケーブルである。
さらには、磁性体コアと電磁波遮蔽シートを併用してケーブルを被覆する電磁波遮蔽電送ケーブルである。
また、電磁波遮蔽シート又はチューブ状シートでケーブルの長手方向の一部又は全長を被覆し、さらにその外側を収縮チューブで被覆し固定すること、抵抗層又は導体層(B又はA)の両端または片端を接地することは、好ましい態様である。
本発明の第5の目的は、遠−近点間及び近−近点間のいずれの場合にも、電磁波抑圧効果を有する電磁波遮蔽LSIを提供する。
その発明の構成は、上記電磁波遮蔽シート又はLSI用電磁波遮蔽シートでLSIの上面を被覆したことを特徴とする電磁波遮蔽LSIである。
また、磁性体層(C)がLSI側にくるように電磁波遮蔽シートで被覆することは好ましい態様である。
発明を実施するための形態
本発明において、抵抗層Bとは抵抗体をシート状に構成したものを言い、抵抗体とは、電気抵抗が10−2〜103Ω/□のものを言う。導体層Aとは導電体をシート状に構成したものであり、導電体とは、電気抵抗が10−2Ω/□以下のものを言う。
本発明で言うシートとは、テープ状、チューブ状、リボン状、幅の広い敷物状などすべての形状を含む概念を言う。そして、本発明の電磁波遮蔽シートをケーブルに捲回するにはテープ状のものが好ましく、本発明ではその場合電磁波遮蔽テープと呼ぶ。
図1は、本発明の伝送ケーブル用電磁波遮蔽テープの一例を長手方向に直交する横断面で示したものである。
この電磁波遮蔽テープ5は、導体層A(又は抵抗層B)と抵抗層Bの間に磁性体層Cを挟むように積層して構成されている。また、中間の磁性体層Cは、磁性体微粒子と誘電体バインダーとの混合体からなり、磁性体微粒子は誘電体バインダーで固定された状態になっている。
この電磁波遮蔽テープ5を、図2に示すように、伝送ケーブル6の長手方向に沿って、その一部または全長を覆うように巻き付けることにより、後述するようにケーブル6から電磁波を輻射したり、かつ外から受けたりしないようにする作用効果を奏する。ここでケーブル6は、複数の芯線4を一括した中心導体40の周囲にゴム、軟質樹脂などの絶縁体7を被覆して形成されている。また、電磁波遮蔽テープ5は、ケーブル6に対し抵抗層Bを内側にして巻き付けられる。巻き付け方は特に限定されないが、ケーブル6の長手方向に対して斜めに螺旋状に連続的に巻き付けるのがよい。
抵抗層Bとしては、電気抵抗が10−2〜103Ω/□のものであり、好ましくは電気抵抗が1〜102Ω/□以上であるものがよい。例えば、プラスチックやゴムに対し、アルミニウム、銀、ニッケル等の金属、ITO(インジウム・錫酸化物)、酸化錫などの金属酸化物、カーボンブラックなどの導電体をメッキ、蒸着、熔射等の手法で作成した膜をつけたものやこれらの物質を通常の方法でプラスチックに混合したシートを使用することができる。
磁性体層Cは、磁性体微粒子を誘電体バインダーで固定したものである。磁性体層の透磁率は大きい程よいが、通常15以上あれば使用可能である。磁性体微粒子としては、初期透磁率が5以上であることが好ましく、ニッケル、パーマロイ、アモルファス合金などの金属、フェライト、カルボニール鉄のような金属化合物の微粒子を使用することができる。現実的には、磁気テープ等の磁性テープを複数枚重ねたものでもよい。特に、廃ビデオテープは資源リサイクルも兼ねることができるので、一層好ましく使用することができる。
本発明の伝送ケーブル用電磁波遮蔽テープは、上記のように導体層A(又は抵抗層B)と抵抗層Bの間に磁性体層Cをサンドイッチ状に積層した構成としたことにより、(1)ケーブルの周囲を磁性体層Cで覆うのみならず、抵抗層Bを付加して覆っているので、電界の高い(インピーダンスの高い)点であっても減衰が増えるようにすることができる。また、(2)焼結型フエライトではなくフエライト微粒子を誘電体バインダーで固定した磁性体と誘電体との双方の作用を持つ電磁波遮蔽テープでケーブルを覆っているので、減衰機能が可能な周波数を焼結型フエライトの10〜20倍に拡張することができる。
図2を参照して具体的に説明すると、複数の芯線4を一括した中心導体40にコモンモード電流iが流れると、中心導体40の周囲には磁界Hが生じる。この磁界Hは負荷インピーダンスが低ければ大きな値となり、電磁波遮蔽テープ5の磁性体層Cによりヒステレシス損失を受ける。一方、負荷インピーダンスが高い点では電界Eが高まり、抵抗層Bにより損失を受ける。すなわち、電磁波遮蔽テープ5は、ケーブル6のインピーダンスの高低に拘らず、コモンモード電磁エネルギーに損失を与える作用をことが出来るのである。
また、電磁波遮蔽テープ5の特記すべき作用は、もし磁性体層Cが無ければ抵抗層Bが導体層Aに密着するので、抵抗層Bに印加される高周波電界Eは導体層Aが抵抗層Bに短絡されて実質抵抗値を失い、伝送損失を失うことになる。しかし、電磁波遮蔽テープ5は磁性体層Cを有するため、その磁性体層Cの存在により導体層Aが抵抗層Bに及ぼす影響を大きく軽減することができる。
上記の抵抗層Bは、電気抵抗が1〜102Ω/□であることが好ましく、さらに好ましくは1〜60Ω/□であるのがよい。このときの導体層(A)は、電気抵抗が10−2Ω/□以下の導体から構成されたものであれば特に限定されない。例えば、銅、アルミニウム等の金属箔、或いはフィルムや編織物等の表面に導電性物質をメッキ、蒸着、熔射などで導電性薄膜を形成したもの等を使用することができる。
また、図3(a)の接続において、図4(a)及び(b)のように磁性体コアと併用すれば低域周波数の遮蔽効果を向上させることができる。
上記は、磁性体層Cを導体層Aと抵抗層Bで挟む例について説明したが、伝送ケーブルの電磁波遮蔽の場合は、2枚の抵抗層B、Bで磁性体層C挟むようにしてもほぼ同様の効果が得られる。
次に、LSI用の電磁波遮蔽シートについて説明する。
LSIは、一般にシリコーンコンパウンドで封止された状態で用いられる。
本発明の電磁波遮蔽LSIは、上記シリコーンコンパウンド封止LSIの上面に電磁波遮蔽シートを貼り付けるに当たり、その電磁波遮蔽シートとして、磁性体微粒子を誘電体バインダーで固定した磁性体層Cの外表面に電気抵抗が100Ω/□以下の抵抗層又は導体層B又はAを積層した構成のシートを用いるようにしたものである。
図9は本発明の電磁波遮蔽LSIを例示したものである。
LSI102はシリコーンコンパウンド102aで表面を封止され、電子基板103に取り付けられている。このLSI102のシリコーンコンパウンド102aで封止された上面に電磁波遮蔽シート101が貼り付けられ、この電磁波遮蔽シート101によりLSI102から輻射される電磁波を抑圧するようにしている。
図10は上記のようにLSIの上面に貼り付けられる電磁波遮蔽シートを例示した断面図である。
電磁波遮蔽シート101は、磁性体層Cと導体層Aとの積層体からなる。磁性体層Cは磁性体微粒子と誘電体バインダーとの混合体であり、かつ分散状態にした磁性体微粒子が誘電体バインダーにより固定された構成になっている。
ここで磁性体微粒子とは、ニッケル、パーマロイ、アモルファス合金、フェライト、カルボニル鉄などの金属微粒子をいう。磁性体微粒子が誘電体バインダーと混合分散して形成された磁性体層Cは、磁性体層を構成する磁性体微粒子の初期透磁率が大きいほど好ましく、通常5以上であるものがよい。
磁性体層Cは、現実的には磁気テープ等の磁性テープを複数枚重ねたものでもよく、特に廃ビデオテープを使用すれば資源リサイクルの観点からも好ましい。磁性体層Cの厚さは特に限定されず、磁性体の定数によって適正化すべきであるが、従来の磁性体シートのように1mmもの厚さは必要なく、通常0.5mm以下でよく、好ましくは0.025〜0.5mm程度で十分である。
導体層Aは、電気抵抗が10−2Ω/□以下の導体から構成される。例えば、銅、アルミニウム等の金属箔、或いは樹脂フィルムや編織物等に導電物質をメッキ、蒸着、熔射することにより導電薄膜を形成したもの等を使用することができる。
この導体層Aは、外部からの電磁波の干渉を受けないようにする反射板として機能するものである。この導体層Aは、1辺の電気長が半波長近傍の周波数において共振現象を誘起して、パッチ・アンテナと称するアンテナの動作を行い当該抑圧効果を損なうこともある。この場合は、導体層Aの代わりに抵抗層Bにするか、導体層Aの上にさらに抵抗層を貼るようにすれば共振を抑圧するようにすることができる。
また、図示していないが導体層Aの代わりに抵抗層Bを用いることもでき、その遮蔽効果はほぼ同じである。この場合の抵抗層Bの電気抵抗は103Ω/□以下、好ましくは10−2〜20Ω/□である。
また、電磁波遮蔽シートのLSIへの接着を容易にするため、接着剤を使用したり、電磁波遮蔽シートの表面にLSIの名板を印刷あるいはシールを貼り付けるようにしてもよい。
通常、大気による空間は377Ωの波動インピーダンスを持つ事が知られている。しかし、電流源(即ち、磁気源)の近傍の波動インピーダンスは測定が不可能であり、かつ、理論上では非常に低い値である。そのため本発明では、電磁波遮蔽シートを磁性体層の背面に導体層又は抵抗層を設けた構成にし、さらにその厚さを調節することによりシートのインピーダンスを電流源のインピーダンスに近づけるようにした。
LSI側から磁性体層を見たインピーダンスを、前述のLSIが呈するインピーダンスに近づければ、LSIからの電磁波は磁性体層の損失により吸収減衰される。このように本発明によれば、磁性体層の背面に反射層となる導体層又は抵抗層を設けることにより、近−近点間及び近−遠点間の双方の減衰量の電磁波抑圧作用を実現することができる。
実施例1
単位面積当たり重量が260g/m2、厚さが100μmの導体層Aと電気抵抗が30/□の抵抗層Bとの間に、平均粒径15μmのアモルファス合金微粒子を60g/m2の接着材で固定した厚さ120μmの磁性体層Cを介在するように積層した電磁波遮蔽テープを作成した。次いで、この電磁波遮蔽テープを広くLANの標準ケーブルとして使用されている伝送ケーブル(100BASE−T、Category−5)に260mmの長さにわたり巻き付けた。
次いで、この伝送ケーブルに、図3(a),(b),(c)に示すように、複数の芯線4がコモンモードであるので同相電流が流れるとして、一括して電源インピーダンス(Zg)11が50Ωになる信号源12に接続して信号を供給するようにした。また、終端に電気抵抗が50Ωである負荷抵抗(ZL)13を接続した。また、ケーブル6の外側に巻き付けた電磁波遮蔽テープ5の導体層Aの大地15に対する接地状態を3通りに異ならせ、図3a)は両端開放、図3(b)は片端接地、図3(c)は両端接地にした。
これら図3(a),(b),(c)の3通りの接続につき、それぞれに消費される電力から当該ケーブル6のコモンモードの損失量を計測した。この損失量がケーブルから輻射される不要電磁波の減衰にほぼ等しいといえる。
図4は磁性体コアと電磁波遮蔽シートを併用した例を示し、図4(a)では、内径7mm、外形10mm、長さ28mmの筒状焼結フェライトコア3に電送ケーブル6を貫通し、フェライトコア3の端部とケーブル6の一部を電磁波遮蔽テープ5で巻き付け、被覆した状態を示している。また、図4(b)は、フェライトコア3の表面をアルミ箔からなる導体16で覆い、その導体16の端部に接触させて電磁波遮蔽テープ5を巻いた状態を示している。
図5(a),(b)のグラフは、それぞれ上記3通りの接続ケースについて測定した高域周波数および低域周波数の動作特性を示す。図5(a)は高域周波数特性であり、図5(b)は低域周波数特性である。また、各グラフにおいて、(i)は図3(a)の接続、(ii)は図3(b)の接続、(iii)は図3(c)の接続を表す。
図5(a)のグラフから、高域周波数では導体層Aの接地状態に拘らず図6に示す従来の方法で達成される3〜5dBより遥かに大きな減衰量を示す。また、図5(b)から、低域周波数においては両端開放(i)(図3(a)に相当)では数dBの損失に留まっている。この両端開放(i)での低域周波数動作は低域同期信号伝送などの特殊な目的に有効である。 この測定例は両端が50Ω終端という条件であるが、図3b或いは図3cの接地条件であれば、終端インピーダンスの条件に拘らず有効な伝送損失が確保できることが検証されている。
なお、本来の伝送対象であるノーマルモードに対する実効損失は非常に低く、測定不能であった。
また、図3(a)の接続において、焼結フェライトコアを図4(a)のようにケーブルに被覆し、さらに電磁波遮蔽テープを巻き付けた場合の減衰量を図5(iv)に示した。
実施例2
シリコーンコンパウンド封止LSIの上面に、厚さ0.09mmの酸化第2鉄を主成分とする磁性体粉末をプラスチック・バインダーで固定した磁性体層Cと導体層Aとの積層体からなる電磁波遮蔽用シートを貼り付けた電磁波遮蔽LSIを製造した。
この電磁波遮蔽LSIの近−遠点の電磁波吸収減衰データを測定し、図11の結果を得た。図11から、0.01〜0.1GHzの低域周波数では15dB、2GHzの高域周波数でも約5dBの抑圧を認めることができた。なお、近−近点間の減衰量は非常に大きく測定不能な値であった。
また、上記電磁波遮蔽シートは、図12に示す従来の磁性体シートに比べて厚さが約1/10であるため軽量であり、かつ低コストで製作することができた。
実施例3
電気抵抗0.1Ω/□、厚さ0.015mmの抵抗層Bに、表1に示した厚さの磁性体層Cを積層してLSI用電磁波遮蔽シートを作成した。この電磁波遮蔽シート101を、図17(a)に示したように、厚さ1mmの発泡スチロール16の上に積層し、その下に電磁波発生源として微小ループアンテナ105を貼り付けた。この微小ループアンテナ105は、直径3.3mmセミリジッドケーブルで外径8mmのループを作り、電界の影響を避けるため図17(b)に示すように中央部に切り込み109を入れたものである。
表1に示したように周波数0.1〜5.0Hzの電磁波を発生させ、電磁波遮蔽シートから1m離れた所に設置したログペリオアンテナ110で輻射電界を測定した。
結果を表1に示す。
注(1)表中の数値は減衰量(dB)である。
(2)厚さ0.02mm以下は磁性体粒子の径に近くなるため、均一な層ができない。
産業上の利用可能性
本発明は電子機器、特に伝送ケーブル、LSIから出る電磁波の輻射を防止し、また外部からの電磁波妨害を受けないような電磁波遮蔽シート、あるいはこのシートで被覆した電磁波遮蔽伝送ケーブル、電磁波遮蔽LSIであり、電子機器を扱う分野において極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の電磁波遮蔽テープを例示した断面図である。
図2は、図1の電磁波遮蔽テープが巻き付けられた本発明の電磁波遮蔽伝送ケーブルの一部を示す断面図である。
図3(a)〜(c)は、それぞれ本発明の電磁波遮蔽伝送ケーブルの態様を示す説明図である。
図4(a)及び(b)は、磁性体コアと電磁波遮蔽シートを併用した場合の、本発明の電磁波遮蔽伝送ケーブルの態様を示す説明図である。
図5(a)及び(b)は、それぞれ本発明の実施例1の効果を示す実測データグラフである。
図6は、従来の電磁波遮蔽ケーブルの説明図である。
図7(a)及び(b)は、それぞれ伝送ケーブルの電界と磁界の状態を示す説明図である。
図8(a)及び(b)は、それぞれ伝送ケーブルを損失体で覆う場合の効果を示す説明図である。
図9は、本発明の電磁波遮蔽LSIを示す概略図である。
図10は本発明に使用されるLSI電磁波遮蔽用シートを例示した断面図である。
図11は、本発明の実施例で製作したLSI電磁波遮蔽用シートの周波数−輻射強度特性を示すグラフである。
図12は、従来の電磁波遮蔽LSIを示す概略図である。
図13は、従来のLSI電磁波遮蔽用シートの評価方法の説明図である。
図14は、従来のLSI電磁波遮蔽用シートの別の評価方法の説明図である。
図15は、従来のLSI電磁波遮蔽用シートの周波数−輻射減衰量特性を示すグラフである。
図16は、従来のLSI電磁波遮蔽用シートの周波数−輻射強度特性を示すグラフである。
図17(a)及び(b)、それぞれ実施例3で行った輻射強度の測定法を説明する説明図であり、図17(a)は全体図、図17(b)はループアンテナの平面図である。
本発明は電磁波遮蔽シート及びその用途に関し、更に詳しくは、デジタル情報の有線伝送ケーブル、あるいは大規模集積回路(LSI=Large Scale Integration)におけるEMC(不要輻射を出さないし、受けない機構)を改良するための電磁波遮蔽シート及びそれを適用した電磁波遮蔽伝送ケーブル及び電磁波遮蔽LSIに関する。
背景技術
LANあるいはADSLなどのデジタル情報の伝送には、ツイスト・ペアーと称する伝送ケーブルが多用されている。この伝送ケーブルで情報の伝送を行う場合、半導体の不平衡動作に起因する不平衡成分(コモンモード)が生じ、EMCを劣化させるという問題がある。
従来、これを抑制する手段としては、図6に示すように、複数の芯線4を絶縁体7で被覆したケーブル6を円筒型焼結フエライト8に貫通させ、このケーブル6を流れる電流により生じる磁束をフエライトに交差させることでヒステレシス損失を生じさせ、不平衡成分による不要輻射を抑圧するようにしていた。
ケーブルで情報伝送を行う場合、図7(a)に示すノーマルモード(平衡成分)と図7(b)に示すコモンモード(不平衡成分)の2種類の伝送形態がある。図7(a)のノーマルモードでは、電界1および磁界2がケーブル6の芯線4の中心に集中するので、外部輻射は無視できるほど小さくなっている。これに対して、図7(b)のコモンモードでは、複数の芯線4(図では簡単の為に2本だけで表示)の電界1および磁界2が外部に広がり、電磁エネルギーがケーブル外部に輻射される。15は仮想大地を示す。
そこで、図8(a),(b)に示すように、ケーブル6の絶縁体外被7の一部を焼結フエライトコア3で覆い、電磁エネルギーが中央に集中するノーマルモードでは無視できる輻射に留め(図8(a))、また電磁エネルギーの広がるコモンモードに対しては、大きなヒステレシス損失を与えることにより輻射を抑制するようにしてきた(図8(b))。 しかしながら、上記のように円筒型焼結フエライト3でケーブル6の一部を覆うようにする従来の方法では、(1)コモンモードの電流が大きい(当該インピーダンスが低い)点で大きな磁界がフエライトに交差しないと大きな損失が得られない。すなわち、高インピーダンス点では効果が低い。また、(2)スネークの限界(Snoek’s limit)と称される周波数限界により、300MHz以上の周波数では磁性体の作用が低下するので、最近のギガビット伝送では使えない、と言う二つの問題があった。特にマイクロ波のように波長の短い周波数では、ケーブルのインピーダンスの高低はケーブルの電気長に沿い周期的に変動するので、上記問題を一層難しくしている。
一方、電子機器の電磁波遮蔽においては、高速デジタルLSIなどのLSIから輻射する電磁波が他の電子部品、電子回路或いは電子機器に妨害を与えたり、逆にこれらから輻射した電磁波から干渉を受けたりしないようにする対策(EMC対策)が要求されている。従来のEMC対策には、図12に示すような構成が採用されている。
すなわち、図12において、102がLSIであり、その表面はシリコーンコンパウンド102aで封止されている。このLSI102は電子基板103に取り付けられ、シリコーンコンパウンド102aで封止された上面に磁性体シート111を貼り付けることにより、LSI102から輻射される電磁波104を抑圧するようにしている。その磁性体シート111には、磁性体粉末をバインダーで固めたものが一般的に使用されており、通常厚さが約1mmになっている。
上記EMC構造に使用される磁性体シート111の輻射減衰率の測定には、図13に示すような簡便法が使用され、LSIに代えて信号源108により励振される電波を放射する微小ループアンテナ105を磁性体シート111に距離dに近接配置する。この距離dの大きさは、LSIに外装されたシリコーンコンパウンド102aの厚さで決められ、通常は約1mm程度である。磁性体シート111を透過した電磁波は反対側に近接配置した受信ループアンテナ105’で受信し、受信計器106により磁性体シート111による透過量を測定する。この測定で得られる結果を近−近点の測定結果という。
この近−近点の測定結果は図15のグラフのようになる。図15において、曲線aは磁性体シート111の厚さが1mmの場合であり、同じく曲線bは厚さが0.09mmの場合である。磁性体の厚さが1mmあれば10〜15dB前後の減衰量が得られる。しかるに、実際の電子基板の遮蔽は近接した点に限定されることはなく、図14に示すように、数十ミリ或いは数メートルの距離Dが離れた点(遠点)の遮蔽減衰も必要とされる。この場合の受信点は近接したループではなく、通常のアンテナ7を使用して測定することになる。これを遠−近点測定結果という。
図16は、図14による近−遠点測定結果(D=1m)を示す。(だだし、縦軸は輻射強度で示す。)同図16において、曲線aは磁性体シートの厚さが1mmの場合であり、曲線bは厚さが0.09mmの場合である。ここで注目すべきは、磁性体シートの厚さが1mmの場合の輻射量が増大しており、目的に反した特性になっている。また、シートの厚さを0.09mmにすれば、図15に示すように近−近点の遮蔽効果を失うことになる。
ところが、実際に必要とされるLSIの電磁遮蔽は、遠−近、近−近のいずれの場合にも抑圧効果をもつものでなければならない。
発明の開示
本発明の第1の目的は電磁波の輻射を防止し、また外部からの電磁波妨害を受けない電磁波遮蔽シートを提供する。
その発明の構成は、電気抵抗が103Ω/□以下の抵抗層又は導体層(B又はA)と磁性体微粒子を誘電体バインダーで固定した磁性体層(C)を積層したことを特徴とする電磁波遮蔽シートである。
また、前記(B)が、電気抵抗10−2〜103Ω/□の抵抗層であること、前記(B又はA)と(C)からなる積層体のさらに片面に絶縁層、反対面に補強層を積層すること、磁性体層(C)を構成する磁性体微粒子の初期透磁率が5以上であることは好ましい態様である。
本発明の第2の目的は、伝送ケーブルを被覆するための伝送ケーブル用電磁波遮蔽シートを提供する。
その発明の構成は、上記電磁波遮蔽シートを伝送ケーブルの電磁波遮蔽のために用いることを特徴とする伝送ケーブル用電磁波遮蔽シートである。
また、抵抗層又は導体層(B又はA)が、磁性体層(C)の両側に積層されていること、前記(B)が、電気抵抗1〜102Ω/□の抵抗層であること、前記(B)が、電気抵抗1〜60Ω/□の抵抗層であることは好ましい態様である。
本発明の第3の目的は、LSIを被覆するためのLSI被覆用電磁波遮蔽シートを提供することにある。
その発明の構成は、上記電磁波遮蔽シートをLSIの電磁波遮蔽のために用いることを特徴とするLSI用電磁波遮蔽シートである。
また、前記(B又はA)が磁性体層(C)の片側に積層されていること、前記(B)が、電気抵抗20Ω/□以下の抵抗層又は導体層であること、前記(B)が、電気抵抗10−2〜20Ω/□の抵抗層であること、磁性体層(C)の厚みが0.05〜0.5mmであること、本文で定義する、電磁波発生源から1m離れた点で測定した輻射電界強度減衰量が4dB以上であることは好ましい態様である。
本発明の第4の目的は、インピーダンスに関係なく数ギガビットであってもコモンモードの抑制作用を実現可能にする電磁波遮蔽伝送ケーブルを提供する。
その発明の構成は、上記電磁波遮蔽シート又は伝送ケーブル用電磁波遮蔽シートで伝送ケーブルの長手方向の一部又は全長を被覆したことを特徴とする電磁波遮蔽伝送ケーブルである。
また、多芯ケーブルにおいて、信号を伝送する2線を隣接するように配置し、その多芯ケーブルの長手方向の一部又は全長を被覆したことを特徴とする電磁波遮蔽伝送ケーブルである。
さらには、磁性体コアと電磁波遮蔽シートを併用してケーブルを被覆する電磁波遮蔽電送ケーブルである。
また、電磁波遮蔽シート又はチューブ状シートでケーブルの長手方向の一部又は全長を被覆し、さらにその外側を収縮チューブで被覆し固定すること、抵抗層又は導体層(B又はA)の両端または片端を接地することは、好ましい態様である。
本発明の第5の目的は、遠−近点間及び近−近点間のいずれの場合にも、電磁波抑圧効果を有する電磁波遮蔽LSIを提供する。
その発明の構成は、上記電磁波遮蔽シート又はLSI用電磁波遮蔽シートでLSIの上面を被覆したことを特徴とする電磁波遮蔽LSIである。
また、磁性体層(C)がLSI側にくるように電磁波遮蔽シートで被覆することは好ましい態様である。
発明を実施するための形態
本発明において、抵抗層Bとは抵抗体をシート状に構成したものを言い、抵抗体とは、電気抵抗が10−2〜103Ω/□のものを言う。導体層Aとは導電体をシート状に構成したものであり、導電体とは、電気抵抗が10−2Ω/□以下のものを言う。
本発明で言うシートとは、テープ状、チューブ状、リボン状、幅の広い敷物状などすべての形状を含む概念を言う。そして、本発明の電磁波遮蔽シートをケーブルに捲回するにはテープ状のものが好ましく、本発明ではその場合電磁波遮蔽テープと呼ぶ。
図1は、本発明の伝送ケーブル用電磁波遮蔽テープの一例を長手方向に直交する横断面で示したものである。
この電磁波遮蔽テープ5は、導体層A(又は抵抗層B)と抵抗層Bの間に磁性体層Cを挟むように積層して構成されている。また、中間の磁性体層Cは、磁性体微粒子と誘電体バインダーとの混合体からなり、磁性体微粒子は誘電体バインダーで固定された状態になっている。
この電磁波遮蔽テープ5を、図2に示すように、伝送ケーブル6の長手方向に沿って、その一部または全長を覆うように巻き付けることにより、後述するようにケーブル6から電磁波を輻射したり、かつ外から受けたりしないようにする作用効果を奏する。ここでケーブル6は、複数の芯線4を一括した中心導体40の周囲にゴム、軟質樹脂などの絶縁体7を被覆して形成されている。また、電磁波遮蔽テープ5は、ケーブル6に対し抵抗層Bを内側にして巻き付けられる。巻き付け方は特に限定されないが、ケーブル6の長手方向に対して斜めに螺旋状に連続的に巻き付けるのがよい。
抵抗層Bとしては、電気抵抗が10−2〜103Ω/□のものであり、好ましくは電気抵抗が1〜102Ω/□以上であるものがよい。例えば、プラスチックやゴムに対し、アルミニウム、銀、ニッケル等の金属、ITO(インジウム・錫酸化物)、酸化錫などの金属酸化物、カーボンブラックなどの導電体をメッキ、蒸着、熔射等の手法で作成した膜をつけたものやこれらの物質を通常の方法でプラスチックに混合したシートを使用することができる。
磁性体層Cは、磁性体微粒子を誘電体バインダーで固定したものである。磁性体層の透磁率は大きい程よいが、通常15以上あれば使用可能である。磁性体微粒子としては、初期透磁率が5以上であることが好ましく、ニッケル、パーマロイ、アモルファス合金などの金属、フェライト、カルボニール鉄のような金属化合物の微粒子を使用することができる。現実的には、磁気テープ等の磁性テープを複数枚重ねたものでもよい。特に、廃ビデオテープは資源リサイクルも兼ねることができるので、一層好ましく使用することができる。
本発明の伝送ケーブル用電磁波遮蔽テープは、上記のように導体層A(又は抵抗層B)と抵抗層Bの間に磁性体層Cをサンドイッチ状に積層した構成としたことにより、(1)ケーブルの周囲を磁性体層Cで覆うのみならず、抵抗層Bを付加して覆っているので、電界の高い(インピーダンスの高い)点であっても減衰が増えるようにすることができる。また、(2)焼結型フエライトではなくフエライト微粒子を誘電体バインダーで固定した磁性体と誘電体との双方の作用を持つ電磁波遮蔽テープでケーブルを覆っているので、減衰機能が可能な周波数を焼結型フエライトの10〜20倍に拡張することができる。
図2を参照して具体的に説明すると、複数の芯線4を一括した中心導体40にコモンモード電流iが流れると、中心導体40の周囲には磁界Hが生じる。この磁界Hは負荷インピーダンスが低ければ大きな値となり、電磁波遮蔽テープ5の磁性体層Cによりヒステレシス損失を受ける。一方、負荷インピーダンスが高い点では電界Eが高まり、抵抗層Bにより損失を受ける。すなわち、電磁波遮蔽テープ5は、ケーブル6のインピーダンスの高低に拘らず、コモンモード電磁エネルギーに損失を与える作用をことが出来るのである。
また、電磁波遮蔽テープ5の特記すべき作用は、もし磁性体層Cが無ければ抵抗層Bが導体層Aに密着するので、抵抗層Bに印加される高周波電界Eは導体層Aが抵抗層Bに短絡されて実質抵抗値を失い、伝送損失を失うことになる。しかし、電磁波遮蔽テープ5は磁性体層Cを有するため、その磁性体層Cの存在により導体層Aが抵抗層Bに及ぼす影響を大きく軽減することができる。
上記の抵抗層Bは、電気抵抗が1〜102Ω/□であることが好ましく、さらに好ましくは1〜60Ω/□であるのがよい。このときの導体層(A)は、電気抵抗が10−2Ω/□以下の導体から構成されたものであれば特に限定されない。例えば、銅、アルミニウム等の金属箔、或いはフィルムや編織物等の表面に導電性物質をメッキ、蒸着、熔射などで導電性薄膜を形成したもの等を使用することができる。
また、図3(a)の接続において、図4(a)及び(b)のように磁性体コアと併用すれば低域周波数の遮蔽効果を向上させることができる。
上記は、磁性体層Cを導体層Aと抵抗層Bで挟む例について説明したが、伝送ケーブルの電磁波遮蔽の場合は、2枚の抵抗層B、Bで磁性体層C挟むようにしてもほぼ同様の効果が得られる。
次に、LSI用の電磁波遮蔽シートについて説明する。
LSIは、一般にシリコーンコンパウンドで封止された状態で用いられる。
本発明の電磁波遮蔽LSIは、上記シリコーンコンパウンド封止LSIの上面に電磁波遮蔽シートを貼り付けるに当たり、その電磁波遮蔽シートとして、磁性体微粒子を誘電体バインダーで固定した磁性体層Cの外表面に電気抵抗が100Ω/□以下の抵抗層又は導体層B又はAを積層した構成のシートを用いるようにしたものである。
図9は本発明の電磁波遮蔽LSIを例示したものである。
LSI102はシリコーンコンパウンド102aで表面を封止され、電子基板103に取り付けられている。このLSI102のシリコーンコンパウンド102aで封止された上面に電磁波遮蔽シート101が貼り付けられ、この電磁波遮蔽シート101によりLSI102から輻射される電磁波を抑圧するようにしている。
図10は上記のようにLSIの上面に貼り付けられる電磁波遮蔽シートを例示した断面図である。
電磁波遮蔽シート101は、磁性体層Cと導体層Aとの積層体からなる。磁性体層Cは磁性体微粒子と誘電体バインダーとの混合体であり、かつ分散状態にした磁性体微粒子が誘電体バインダーにより固定された構成になっている。
ここで磁性体微粒子とは、ニッケル、パーマロイ、アモルファス合金、フェライト、カルボニル鉄などの金属微粒子をいう。磁性体微粒子が誘電体バインダーと混合分散して形成された磁性体層Cは、磁性体層を構成する磁性体微粒子の初期透磁率が大きいほど好ましく、通常5以上であるものがよい。
磁性体層Cは、現実的には磁気テープ等の磁性テープを複数枚重ねたものでもよく、特に廃ビデオテープを使用すれば資源リサイクルの観点からも好ましい。磁性体層Cの厚さは特に限定されず、磁性体の定数によって適正化すべきであるが、従来の磁性体シートのように1mmもの厚さは必要なく、通常0.5mm以下でよく、好ましくは0.025〜0.5mm程度で十分である。
導体層Aは、電気抵抗が10−2Ω/□以下の導体から構成される。例えば、銅、アルミニウム等の金属箔、或いは樹脂フィルムや編織物等に導電物質をメッキ、蒸着、熔射することにより導電薄膜を形成したもの等を使用することができる。
この導体層Aは、外部からの電磁波の干渉を受けないようにする反射板として機能するものである。この導体層Aは、1辺の電気長が半波長近傍の周波数において共振現象を誘起して、パッチ・アンテナと称するアンテナの動作を行い当該抑圧効果を損なうこともある。この場合は、導体層Aの代わりに抵抗層Bにするか、導体層Aの上にさらに抵抗層を貼るようにすれば共振を抑圧するようにすることができる。
また、図示していないが導体層Aの代わりに抵抗層Bを用いることもでき、その遮蔽効果はほぼ同じである。この場合の抵抗層Bの電気抵抗は103Ω/□以下、好ましくは10−2〜20Ω/□である。
また、電磁波遮蔽シートのLSIへの接着を容易にするため、接着剤を使用したり、電磁波遮蔽シートの表面にLSIの名板を印刷あるいはシールを貼り付けるようにしてもよい。
通常、大気による空間は377Ωの波動インピーダンスを持つ事が知られている。しかし、電流源(即ち、磁気源)の近傍の波動インピーダンスは測定が不可能であり、かつ、理論上では非常に低い値である。そのため本発明では、電磁波遮蔽シートを磁性体層の背面に導体層又は抵抗層を設けた構成にし、さらにその厚さを調節することによりシートのインピーダンスを電流源のインピーダンスに近づけるようにした。
LSI側から磁性体層を見たインピーダンスを、前述のLSIが呈するインピーダンスに近づければ、LSIからの電磁波は磁性体層の損失により吸収減衰される。このように本発明によれば、磁性体層の背面に反射層となる導体層又は抵抗層を設けることにより、近−近点間及び近−遠点間の双方の減衰量の電磁波抑圧作用を実現することができる。
実施例1
単位面積当たり重量が260g/m2、厚さが100μmの導体層Aと電気抵抗が30/□の抵抗層Bとの間に、平均粒径15μmのアモルファス合金微粒子を60g/m2の接着材で固定した厚さ120μmの磁性体層Cを介在するように積層した電磁波遮蔽テープを作成した。次いで、この電磁波遮蔽テープを広くLANの標準ケーブルとして使用されている伝送ケーブル(100BASE−T、Category−5)に260mmの長さにわたり巻き付けた。
次いで、この伝送ケーブルに、図3(a),(b),(c)に示すように、複数の芯線4がコモンモードであるので同相電流が流れるとして、一括して電源インピーダンス(Zg)11が50Ωになる信号源12に接続して信号を供給するようにした。また、終端に電気抵抗が50Ωである負荷抵抗(ZL)13を接続した。また、ケーブル6の外側に巻き付けた電磁波遮蔽テープ5の導体層Aの大地15に対する接地状態を3通りに異ならせ、図3a)は両端開放、図3(b)は片端接地、図3(c)は両端接地にした。
これら図3(a),(b),(c)の3通りの接続につき、それぞれに消費される電力から当該ケーブル6のコモンモードの損失量を計測した。この損失量がケーブルから輻射される不要電磁波の減衰にほぼ等しいといえる。
図4は磁性体コアと電磁波遮蔽シートを併用した例を示し、図4(a)では、内径7mm、外形10mm、長さ28mmの筒状焼結フェライトコア3に電送ケーブル6を貫通し、フェライトコア3の端部とケーブル6の一部を電磁波遮蔽テープ5で巻き付け、被覆した状態を示している。また、図4(b)は、フェライトコア3の表面をアルミ箔からなる導体16で覆い、その導体16の端部に接触させて電磁波遮蔽テープ5を巻いた状態を示している。
図5(a),(b)のグラフは、それぞれ上記3通りの接続ケースについて測定した高域周波数および低域周波数の動作特性を示す。図5(a)は高域周波数特性であり、図5(b)は低域周波数特性である。また、各グラフにおいて、(i)は図3(a)の接続、(ii)は図3(b)の接続、(iii)は図3(c)の接続を表す。
図5(a)のグラフから、高域周波数では導体層Aの接地状態に拘らず図6に示す従来の方法で達成される3〜5dBより遥かに大きな減衰量を示す。また、図5(b)から、低域周波数においては両端開放(i)(図3(a)に相当)では数dBの損失に留まっている。この両端開放(i)での低域周波数動作は低域同期信号伝送などの特殊な目的に有効である。 この測定例は両端が50Ω終端という条件であるが、図3b或いは図3cの接地条件であれば、終端インピーダンスの条件に拘らず有効な伝送損失が確保できることが検証されている。
なお、本来の伝送対象であるノーマルモードに対する実効損失は非常に低く、測定不能であった。
また、図3(a)の接続において、焼結フェライトコアを図4(a)のようにケーブルに被覆し、さらに電磁波遮蔽テープを巻き付けた場合の減衰量を図5(iv)に示した。
実施例2
シリコーンコンパウンド封止LSIの上面に、厚さ0.09mmの酸化第2鉄を主成分とする磁性体粉末をプラスチック・バインダーで固定した磁性体層Cと導体層Aとの積層体からなる電磁波遮蔽用シートを貼り付けた電磁波遮蔽LSIを製造した。
この電磁波遮蔽LSIの近−遠点の電磁波吸収減衰データを測定し、図11の結果を得た。図11から、0.01〜0.1GHzの低域周波数では15dB、2GHzの高域周波数でも約5dBの抑圧を認めることができた。なお、近−近点間の減衰量は非常に大きく測定不能な値であった。
また、上記電磁波遮蔽シートは、図12に示す従来の磁性体シートに比べて厚さが約1/10であるため軽量であり、かつ低コストで製作することができた。
実施例3
電気抵抗0.1Ω/□、厚さ0.015mmの抵抗層Bに、表1に示した厚さの磁性体層Cを積層してLSI用電磁波遮蔽シートを作成した。この電磁波遮蔽シート101を、図17(a)に示したように、厚さ1mmの発泡スチロール16の上に積層し、その下に電磁波発生源として微小ループアンテナ105を貼り付けた。この微小ループアンテナ105は、直径3.3mmセミリジッドケーブルで外径8mmのループを作り、電界の影響を避けるため図17(b)に示すように中央部に切り込み109を入れたものである。
表1に示したように周波数0.1〜5.0Hzの電磁波を発生させ、電磁波遮蔽シートから1m離れた所に設置したログペリオアンテナ110で輻射電界を測定した。
結果を表1に示す。
注(1)表中の数値は減衰量(dB)である。
(2)厚さ0.02mm以下は磁性体粒子の径に近くなるため、均一な層ができない。
産業上の利用可能性
本発明は電子機器、特に伝送ケーブル、LSIから出る電磁波の輻射を防止し、また外部からの電磁波妨害を受けないような電磁波遮蔽シート、あるいはこのシートで被覆した電磁波遮蔽伝送ケーブル、電磁波遮蔽LSIであり、電子機器を扱う分野において極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の電磁波遮蔽テープを例示した断面図である。
図2は、図1の電磁波遮蔽テープが巻き付けられた本発明の電磁波遮蔽伝送ケーブルの一部を示す断面図である。
図3(a)〜(c)は、それぞれ本発明の電磁波遮蔽伝送ケーブルの態様を示す説明図である。
図4(a)及び(b)は、磁性体コアと電磁波遮蔽シートを併用した場合の、本発明の電磁波遮蔽伝送ケーブルの態様を示す説明図である。
図5(a)及び(b)は、それぞれ本発明の実施例1の効果を示す実測データグラフである。
図6は、従来の電磁波遮蔽ケーブルの説明図である。
図7(a)及び(b)は、それぞれ伝送ケーブルの電界と磁界の状態を示す説明図である。
図8(a)及び(b)は、それぞれ伝送ケーブルを損失体で覆う場合の効果を示す説明図である。
図9は、本発明の電磁波遮蔽LSIを示す概略図である。
図10は本発明に使用されるLSI電磁波遮蔽用シートを例示した断面図である。
図11は、本発明の実施例で製作したLSI電磁波遮蔽用シートの周波数−輻射強度特性を示すグラフである。
図12は、従来の電磁波遮蔽LSIを示す概略図である。
図13は、従来のLSI電磁波遮蔽用シートの評価方法の説明図である。
図14は、従来のLSI電磁波遮蔽用シートの別の評価方法の説明図である。
図15は、従来のLSI電磁波遮蔽用シートの周波数−輻射減衰量特性を示すグラフである。
図16は、従来のLSI電磁波遮蔽用シートの周波数−輻射強度特性を示すグラフである。
図17(a)及び(b)、それぞれ実施例3で行った輻射強度の測定法を説明する説明図であり、図17(a)は全体図、図17(b)はループアンテナの平面図である。
Claims (24)
- 電気抵抗が103Ω/□以下の抵抗層又は導体層(B又A)と磁性体微粒子を誘電体バインダーで固定した磁性体層(C)を積層したことを特徴とする電磁波遮蔽シート
- 前記(B)が、電気抵抗10−2〜103Ω/□の抵抗層であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の電磁波遮蔽シート。
- 前記(B又はA)と(C)からなる積層体のさらに片面に絶縁層、反対面に補強層を積層したことを特徴とする請求の範囲第1又は2項記載の電磁波遮蔽シート。
- 磁性体層(C)を構成する磁性体微粒子の初期透磁率が5以上であることを特徴とする請求の範囲第1〜3項いずれか記載の電磁波遮蔽シート。
- 請求の範囲第1〜4項いずれか記載の電磁波遮蔽シートを伝送ケーブルの電磁波遮蔽のために用いることを特徴とする伝送ケーブル用電磁波遮蔽シート。
- 抵抗層(B)が、磁性体層(C)の両側に積層されていることを特徴とする請求の範囲第5項記載の伝送ケーブル用電磁波遮蔽シート。
- 前記(B)が、電気抵抗1〜102Ω/□の抵抗層である請求の範囲第5又は6項記載の伝送ケーブル用電磁波遮蔽シート。
- 前記(B)が、電気抵抗1〜60Ω/□の抵抗層である請求の範囲第5又は6項記載の伝送ケーブル用電磁波遮蔽シート。
- 請求の範囲第1〜4項いずれか記載の電磁波遮蔽シートをLSIの電磁波遮蔽のために用いることを特徴とするLSI用電磁波遮蔽シート。
- 前記(B又はA)が磁性体層(C)の片側に積層されていることを特徴とする請求の範囲第9項記載のLSI用電磁波遮蔽シート。
- 前記(B)又は(A)が、電気抵抗20Ω/□以下の抵抗層又は導体層であることを特徴とする請求の範囲第9又は10項記載のLSI用電磁波遮蔽シート。
- 前記(B)が、電気抵抗10−2〜20Ω/□の抵抗層であることを特徴とする請求の範囲第9又は10項記載のLSI用電磁波遮蔽シート。
- 磁性体層(C)の厚みが0.05〜0.5mmであることを特徴とする請求の範囲第9〜12項いずれか記載のLSI用電磁波遮蔽シート。
- 本文で定義する、電磁波発生源から1m離れた点で測定した輻射電界強度減衰量が4dB以上であることを特徴とする請求の範囲第9〜13項いずれか記載のLSI用電磁波遮蔽シート。
- 電気抵抗が103Ω/□以下の抵抗層又は導体層(B又A)と磁性体微粒子を誘電体バインダーで固定した磁性体層(C)を積層した電磁波遮蔽シートで、ケーブルの長手方向の一部又は全長を被覆したことを特徴とする電磁波遮蔽伝送ケーブル。
- 請求の範囲第2〜8項いずれか記載の電磁波遮蔽シートで、ケーブルの長手方向の一部又は全長を被覆したことを特徴とする電磁波遮蔽伝送ケーブル。
- 請求の範囲第2〜8項いずれか記載の電磁波遮蔽シートで、ケーブルの長手方向の一部又は全長を被覆し、さらにその外側を熱収縮チューブで被覆したことを特徴とする電磁波遮蔽伝送ケーブル。
- 抵抗層又は導体層(B又はA)の両端または片端を接地した請求の範囲第15〜17項いずれか記載の電磁波遮蔽伝送ケーブル。
- 多芯ケーブルにおいて、信号を伝送する2線を隣接するように配置した請求の範囲第15〜18いずれか記載の電磁波遮蔽伝送ケーブル。
- 請求の範囲第1〜8項いずれか記載の電磁波遮蔽シートを磁性体コアと接触させて用いることを特徴とする請求の範囲第15又は16項記載の電磁波遮蔽伝送ケーブル。
- 磁性体コアを導電体で被覆し、この導電体に電磁波遮蔽シートを接触させて用いることを特徴とする請求の範囲第20項記載の電磁波遮蔽伝送ケーブル。
- 電気抵抗が103Ω/□以下の抵抗層又は導体層(B又はA)と磁性体微粒子を誘電体バインダーで固定した磁性体層(C)を積層した電磁波遮蔽シートで、LSIを被覆したことを特徴とする電磁波遮蔽LSI。
- 請求の範囲第2〜4、9〜14項いずれか記載の電磁波遮蔽シートで、LSIを被覆したことを特徴とする電磁波遮蔽LSI。
- 磁性体層(C)がLSI側にくるように電磁波遮蔽シートを被覆したことを特徴とする請求の範囲第22又は23項記載の電磁は遮蔽LSI。
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