JPWO2003073860A1 - 捏和装置の混捏子及びこの混捏子を備えた捏和装置 - Google Patents
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Abstract
容器底壁の半径を大きく超えた直径をもつ大きな生地塊でも混捏子に付着させずに良好に混捏し、生地に対して連続的に圧縮を与えて速やかに生地塊を混捏することができる混捏子と、この混捏子を備えた捏和装置とを提供する。混捏子の側面は、回転中心軸を含む面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、底部から頂面に向かうにつれて減少し又は一定であるように形成され、混捏子の側面は、回転中心軸に直交する面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、1回転するなかで常に増加するように形成されている。
Description
技術分野
本発明は、パン生地、うどん生地、餅等を捏ねる捏和装置の技術分野に属し、この混捏装置に設けられる混捏子およびこれを備えた混捏装置に関する。
背景技術
この種の混捏子として、特公平5−38828号公報には、長短一対の半楕円状の羽根を連設してなり、両方の羽根における底部周縁から上面にかけての側面部が、回転方向前方から後方にかけて順次急峻となる放物線状の傾斜面であり、一方の羽根の回転方向後方の回転方向背面に深い絶壁状の立設面が形成され、他方の羽根の一側端が、一方の羽根の立設面底部と連なり、他側の回転方向背面に浅い絶壁状の立設面を形成した混捏子が開示されている。この混捏子を容器のなかで回転させると、長い羽根の傾斜面により材料や生地塊を容器周壁に移動させつつ上昇させ、立設面から落下させて混合および混捏が行われる。混捏子の立設面の背面には混捏時に生地塊と混捏子との間に減圧空気層ができるため、生地塊を回転させる力が働くと同時に、生地が容器底壁や混捏子に付着することを防止する作用を奏し、容器底壁の半径以上の直径をもつ大きな生地塊を混捏する場合でも、生地の混捏子への付着により生地が混捏子と共に回転し、混捏が行われなくなるという不具合が防止される。一般に、生地塊の転がりは混捏子の回転により受ける遠心力と転がり摩擦により行われ、転がり摩擦は生地の水和の進展によって増加するが、容器底壁の半径以上の直径をもつ大きな生地塊を混捏する場合、生地塊に作用する遠心力よりも転がり摩擦が勝つと、生地が混捏子に付着して混捏子と共に回転し、混捏が行われなくなる。上記公報の技術は上記減圧空気層をつくって転がり摩擦を減少させ、転がり摩擦よりも遠心力を大きく維持することで生地の混捏子への付着を阻止し、容器底壁の半径以上の直径をもつ大きな生地塊の混捏を可能としている。
しかし、更に大きな生地塊を混捏する場合、生地塊の重量と表面積が大きくなるので、上記公報の技術によっても生地の混捏子への付着を阻止することが困難になる。
生地塊の混捏は、生地塊の圧縮、回転、折り込み等により行われるが、混捏作業の本質は生地を圧縮することにあるので、生地塊に対して連続的に圧縮を与えることが、速やかに生地塊を混捏するためには望ましい。
発明の開示
本発明はこのような点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、混捏子の側面上の一点から回転中心軸までの距離が、1回転するなかで常に増加するように形成することにより、常に生地に作用する遠心力を助長させ、これによって容器底壁の半径を大きく超えた直径をもつ大きな生地塊でも混捏子に付着させることなく良好に混捏させると共に、生地に対して連続的に圧縮を与えて速やかに生地塊を混捏することにある。
上記目的を達成するため、本発明の捏和装置の混捏子は、底壁及び底壁周縁から立ち上がる周壁を有する容器を備えた捏和装置の容器のなかに、回転中心軸が底壁央部から立ち上がるように配置して容器と相対的に回転する混捏子であって、全周にわたって形成された側面と、この側面の上縁に周縁が連設された頂面とを備え、側面は、回転中心軸を含む面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、底部から頂面に向かうにつれて減少し又は一定であるように形成されており、側面は、回転中心軸に直交する面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、1回転するなかで常に増加するように形成されている。
この混捏子を容器のなかで回転させると、側面により材料や生地塊を容器周壁に移動させつつ上昇させ、重力により落下させ、この動きを繰り返すことで混合および混捏が行われる。また、生地塊に対しては、その下部に混捏子が楔を打ち込むように突入することで、生地塊の生地を回転させる力が働き、これによって生地は浮き沈みして対流し、混捏が進む。その場合、混捏子の側面上の一点から回転中心軸までの距離が、1回転するなかで常に増加するように形成されているので、常に生地に作用する遠心力が助長され、この遠心力が転がり摩擦に打ち勝ちやすくなる。このことにより、生地が混捏子に付着することが防止され、容器底壁の半径を大きく超えた直径をもつ大きな生地塊でも混捏子に付着することなく良好に混捏される。しかも、生地に対して連続的に圧縮が与えられるので、混捏が促進され、速やかに生地塊が混捏される。
本発明の捏和装置の混捏子は、混捏子の側面上の一点から回転中心軸までの距離が、1回転するなかで常に増加するように形成されているので、常に生地に作用する遠心力が助長され、この遠心力が転がり摩擦に打ち勝ちやすくなる。従って、生地が混捏子に付着することが防止され、容器底壁の半径を大きく超えた直径をもつ大きな生地塊でも混捏子に付着することなく良好に混捏することができる。しかも、生地に対して連続的に圧縮が与えられるので、混捏が促進され、速やかに生地塊を混捏することができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の混捏子及び捏和装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は第1実施例の捏和装置100を示し、この捏和装置100は、容器110と、容器110のなかに配置された混捏子120と、混捏子120及び容器110のうち少なくとも一方を回転させる回転駆動手段(図示省略)とを備えている。捏和装置100は装置本体(図示省略)を備え、この装置本体に容器110及び回転駆動手段が設けられる。容器110は、底壁111と、底壁111の周縁から立ち上がる周壁112とを備える。容器110の形状は限定しないが、底壁111を円形に形成し、周壁112を円筒形に形成すれば、むら無く混捏が行えて好ましい。混捏子120は仮想的に設けられた回転中心軸121を備えており、混捏子120は容器110のなかに、回転中心軸121が底壁111の央部から立ち上がるように配置されている。回転中心軸121を底壁111の中央部から立ち上げれば、むら無く混捏が行えて好ましい。この実施例では回転駆動手段により混捏子120を回転させている。回転駆動手段はモータ及び必要に応じて設けられる減速機構であり、その出力軸が容器110の底壁111の央部から混捏子120の回転中心軸121に一致するように立ち上がり、混捏子120に連結されている。本発明は、回転駆動手段により容器を回転させる実施例と、回転駆動手段により混捏子及び容器を回転させる実施例とを含み、後者の場合、両者の回転方向を逆方向とする実施例と、同方向とする実施例とを含み、いずれも両者の回転数の比率は限定しない。また、回転数は一定であってもよいし、変動させてもよい。
混捏子120は、図2ないし図5に示すように、全周にわたって形成された側面122と、この側面122の上縁に周縁が連設された頂面123とを備えている。図4及び図6に示すように、側面122は、回転中心軸121を含む面で断面したときに、側面122の上の一点から回転中心軸121までの距離R1が、底部から頂面123に向かうにつれて減少し又は一定であるように形成されている。図5及び図7に示すように、側面122は、回転中心軸121に直交する面で断面したときに、側面122の上の一点から回転中心軸121までの距離R2が、1回転するなかで常に増加するように形成されている。頂面123は平面であっても曲面であってもよい。
図5及び図7に示すように、第1実施例では、側面122は、回転中心軸121に直交する面で断面したときに、対数螺旋となるように形成されている。図7には後述する連続部124が表れているので、理解を助けるために対数螺旋の一部を点線で表している。ここで、対数螺旋とは極座標において、logr=aθ(aは定数)で表される線である。この場合、回転中心軸121を原点として極座標をとると、側面122は、回転中心軸121に直交する面で断面したときに、logr=aθで表される対数螺旋により形成されている。ここで、対数螺旋は等角螺旋ともいい、このなかで定数a=1.618≒(√5+1)/2のときには黄金螺旋という。
図4及び図6に示すように、側面122が、回転中心軸121を含む面で断面したときに直線、曲線又はこれらを繋いだ折れ線となるように形成されている。
第1実施例の混捏子120は、更に、回転中心軸121に直交する面で断面したときに、側面122の上の一点から回転中心軸121までの距離R2が最大となる部位と最小となる部位との間に形成された入角部に、これを埋めて上記距離R2の変動を緩和する連続部124が設けられている。
第1実施例の混捏子120は、表面にフッ素樹脂がコーティングされて表面が均一且つ平滑になっており、これによって転がり摩擦を低減するようにしている。表面をバフ研磨してもよい。本発明はフッ素樹脂コーティングもバフ研磨も行わない混捏子の実施例を含む。
従って、上記第1実施例の場合、パン生地を製造する場合で説明すると、例えば小麦粉、イースト、砂糖、塩、水、バター等を容器110のなかに入れ、混捏子120を容器110のなかで、混捏子120の側面上の一点から回転中心軸121までの距離が1回転するなかで常に増加する方向(白抜きの矢印で示した方向)に回転させると、側面122により、これらの材料を容器110の周壁112に移動させつつ上昇させ、重力により落下させ、この動きを繰り返すことで材料の混合が行われる。材料の混合が進むと、生地塊が形成され、この生地塊を容器110の周壁112に移動させつつ上昇させ、重力により落下させ、この動きを繰り返すことで生地塊の混捏が行われる。また、生地塊に対しては、その下部に混捏子120が楔を打ち込むように突入することで、生地塊の生地を回転させる力が働き(例えば、図6の矢印で示す方向への回転)、これによって生地は浮き沈みして対流し、混捏が進む。その場合、混捏子120の側面122の上の一点から回転中心軸121までの距離が、1回転するなかで常に増加するように形成されているので、常に生地に作用する遠心力が助長され、この遠心力が転がり摩擦に打ち勝ちやすくなる。このことにより、生地が混捏子120に付着することが防止され、容器110の底壁111の半径を大きく超えた直径をもつ大きな生地塊でも混捏子120に付着することなく良好に混捏される。しかも、生地に対して連続的に圧縮が与えられるので、混捏が促進され、速やかに生地塊が混捏される。
本発明は、側面が、回転中心軸に直交する面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、1回転するなかで常に増加するように形成されている実施例を全て含む。そのなかで、上記実施例は、側面122が、回転中心軸121に直交する面で断面したときに、対数螺旋となるように形成されている。このようにすれば、混捏子120の側面122の上の一点から回転中心軸121までの距離R2が、1回転するなかで不連続点を持たずにスムーズに増加していくので、本発明の混捏子の側面形状として好ましい。
本発明は、側面が、回転中心軸を含む面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、底部から頂面に向かうにつれて減少し又は一定であるように形成されている実施例を全て含む。そのなかで、上記実施例は、側面122が、回転中心軸121を含む面で断面したときに直線、曲線又はこれらを繋いだ折れ線となるように形成されている。このようにすれば、側面122が高さ方向に不連続点を持たず又は段差を持たないので、側面122により材料や生地塊を容器110の周壁112に移動させつつ上昇させるときに、材料や生地塊がスムーズに移動、上昇を行う。
本発明は、入角部に連続部を設けない実施例を含む。これに対して上記実施例は、更に、回転中心軸121に直交する面で断面したときに、側面122の上の一点から回転中心軸121までの距離R2が最大となる部位と最小となる部位との間に形成された入角部に、これを埋めて上記距離R2の変動を緩和する連続部124が設けられている。このようにすれば、入角部に材料、生地が付着しにくくなるので、清掃が容易になると共に衛生面で好ましい。
以下、他の実施例を説明する。各実施例では基本的に第1実施例の説明を、各部材に付した符合と共に引用し、これと構成の異なる点のみを説明することにする。図8は第2実施例の混捏子120の断面を示す(ハッチングした部位が断面に相当する)。この混捏子120の側面122は、回転中心軸121に直交する面で断面したときに、側面122の上の一点から回転中心軸121までの距離R2が、フィボナッチ数列に対応して半径が増加する複数の円の4分の1周を順に正接させて繋いでなる線の2周目以降における1周分の線により形成されている。フィボナッチ数列とは、1,1から始まり、前の2つの数を足して出来る数列で、Fn=Fn−1+Fn−2により表される。具体的には、1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89・・・と続く。従って、フィボナッチ数列に対応して半径が増加する複数の円の4分の1周を順に正接させて繋いでなる線の2周目以降における1周分の線とは、このフィボナッチ数列の比に応じて半径が1c,1c,2c,3c,5c,8c,13c,21c,34c,55c,89c・・・(cは定数)の円をつくり、各円の4分の1周を段差が出来ないように連続させて繋ぎ、こうしてできた線の2周目以降のうち任意の1周分の線のことである。こうすれば、隣り合う半径の比が1,2,1.5,1.67,1.6,1.625,1.615というように1.618に近づいてゆき、黄金螺旋を近似することができる。その場合、1周目を除くのは1.618に対して、ずれが大きいからである。
この第2実施例の混捏子120は、対数螺旋のうち黄金比を用いた螺旋軌道を有する等角螺旋に近似した線が得られる。そのため、混捏子120の側面122の上の一点から回転中心軸121までの距離R2が、1回転するなかで不連続点を持たずにスムーズに増加していくので、本発明の混捏子の側面形状として好ましい。この場合、円を組み合わせることで螺旋に近似した線が得られるので、混捏子120の製造が容易である。その他の作用及び効果は第1実施例の混捏子120のときと同様であるので説明を省略する。
図9は第3実施例の混捏子120の断面を示す。側面122が、回転中心軸121を含む面で断面したときに階段状となるように形成されている。このようにすれば、横断面形状が高さ方向に一定である部材要素120a〜120fを積み上げることで混捏子120を製造することができるので、製造容易である。階段の各ステップの高さを等しくしてもよいが、不等にすれば生地にイレギュラーな動きを発生させることができる。その他の作用及び効果は第1実施例の混捏子120のときと同様であるので説明を省略する。
図10は第4実施例の混捏子120を示し、図11は第5実施例の混捏子120を示す。これらの混捏子120の側面122及び頂面123のうち少なくとも一方には、凹凸が形成されている。すなわち、第4実施例の混捏子120には、えくぼ状のディンプル125が散点状に設けられ、第5実施例の混捏子120には、溝126が設けられており、これによって凹凸が形成されている。このようにすれば、混捏子120のうち生地に接触する面積が減るので、生地塊の転がり摩擦が減り、遠心力が転がり摩擦に打ち勝ちやすくなる。このことにより、生地が混捏子120に付着することが防止され、容器110の底壁111の半径を大きく超えた直径をもつ大きな生地塊でも混捏子120に付着することなく良好に混捏される。その他の作用及び効果は第1実施例の混捏子120のときと同様であるので説明を省略する。
図12は第6実施例の混捏子120を示す。この混捏子120では、更に、頂面123及び側面122のうち少なくとも一方に、突起127が設けられている。この突起127は混捏子120に固定してもよいし、ネジ止め等により混捏子120に対して脱着可能に設けてもよい。突起127は、剛性の高い材料で形成してもよいし、弾性変形しやすい材料で形成してもよい。この突起127の作用を説明する。
回転する混捏子120により、生地塊は昇降し、また生地塊の生地は浮き沈みして対流する。その場合、例えば油脂を多く含むなどの理由から生地の粘度が低いときは、生地がダレるので、生地塊がほぼ混捏子120の回転中心軸121を中心として傘状に広がり、この生地塊がほぼ回転中心軸121のまわりには回転するものの、生地塊の昇降、生地塊の生地の対流がなくなり、混捏が行われにくくなることがある。これでは混捏の作用が望めず、最終的に生地塊を混捏し終えるまでに時間がかかりすぎる。第6実施例の混捏子120を用いると、生地塊がこのような状態に入ろうとしたときに突起127が生地塊を引っかけ、生地塊と突起127との間に存在する回転中心軸121まわりの回転速度差を利用して生地塊に混捏子120の側面122に沿って上昇し落下する動きを始めるきっかけを与え、また生地塊の生地に回転するきっかけを与える。これによって、生地塊の昇降、生地塊の生地の対流が耐えることなく継続し、混捏が進むことになる。
また、例えば油脂を多く含むなどの理由から生地が滑りやすいときは、生地塊が混捏子120の側面122又は頂面123を滑って逃げる。これでは圧縮による混捏作用が望めず、最終的に生地塊を混捏し終えるまでに時間がかかりすぎる。第6実施例の混捏子120を用いると、生地塊がこのような状態に入ろうとしたときに突起127が生地塊を引っかけて滑りを止め、生地塊に混捏子120の側面122に沿って上昇し落下する動きを始めるきっかけを与え、また生地塊の生地に回転するきっかけを与える。これによって、生地塊の昇降、生地塊の生地の対流が耐えることなく継続し、混捏が進むことになる。その他の作用及び効果は第1実施例の混捏子120のときと同様であるので説明を省略する。
突起127は、混捏子120の頂面123、側面122のいずれに設けてもよいし、両方に設けてもよい。突起の数は限定しない。例えば図13に示す変形例では突起127を3つ設けている。頂面123及び側面122のうち少なくとも一方に、突起127の付いた部材を設けてもよい。図14に示す変形例は、側面122に突起127の付いた部材を設けている。このような部材は、頂面123、側面122のいずれに設けてもよいし、両方に設けてもよい。その場合、部材の形状が混捏子120の一部を形成するような形状に形成することが好ましい。
図15は第7実施例の混捏子120を示す。この混捏子120には、更に、側面122から容器110の周壁112に向かって延びる掻き取り部材128が設けられている。この掻き取り部材128は混捏子120に固定してもよいし、ネジ止め等により混捏子120に対して脱着可能に設けてもよい。掻き取り部材128は、剛性の高い材料で形成してもよいし、弾性変形しやすい材料で形成してもよい。また、この実施例では、掻き取り部材128における回転方向の前方の面である前面128aが容器110の底壁111に対して垂直に立ち上がる仮想面よりも後方へ倒れており、すくい角がついている。しかし、本発明は、図16の変形例に示すように、前面128aが底壁111に対して垂直に立ち上がるようにして、すくい角を設けない実施例も含んでいる。この突起127の作用を説明する。
混捏子120が容器110のなかで回転すると、側面122により材料や生地塊を容器周壁112に移動させつつ上昇させ、重力により落下させるが、混捏子120の側面122における回転中心軸121から最も離れた部分と容器周壁112との間に材料が残り、なかなか生地塊に取り込まれないことがある。これでは最終的に生地塊を混捏し終えるまでに時間がかかりすぎる。これは例えば水分の少ない材料を用いたときに起きやすい。また、容器110及び混捏子120を種々組み合わせる場合に、容器周壁112の半径に対して小さい混捏子120を組み合わせたときに起きやすい。第7実施例の混捏子120を用いると、掻き取り部材128が混捏子120の側面122と容器110の周壁112との隙間を塞ぐので、混捏子120と容器周壁112との間の材料を掻き取り、生地塊に取り込まれるきっかけを与える。これによって、生地塊に取り込まれにくい材料であってもスムーズに生地塊に取り込み、混捏を早く終えることができる。しかも、容器110及び混捏子120を任意に組み合わせた場合、混捏子120と容器周壁112との間に比較的大きな隙間ができたとしても掻き取り部材128を取り付けることで良好に混捏を行うことができ、部品の共通化が進む。その他の作用及び効果は第1実施例の混捏子120のときと同様であるので説明を省略する。
本発明は、以上説明した各実施例の特徴を組み合わせた実施例を全て含む。数例を挙げると、第2実施例の混捏子120において、側面が、回転中心軸を含む面で断面したときに階段状となるように形成されている実施例、側面及び頂面のうち少なくとも一方に凹凸が形成されている実施例を含むものである。また、第3実施例の混捏子120において、側面が、回転中心軸に直交する面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、フィボナッチ数列に対応して半径が増加する複数の円の4分の1周を順に正接させて繋いでなる線の2周目以降における1周分の線により形成されている実施例、側面及び頂面のうち少なくとも一方には、凹凸が形成されている実施例を含むものである。さらに、第4実施例又は第5実施例の混捏子120において、側面が、回転中心軸に直交する面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、フィボナッチ数列に対応して半径が増加する複数の円の4分の1周を順に正接させて繋いでなる線の2周目以降における1周分の線により形成されている実施例、側面が、回転中心軸を含む面で断面したときに階段状となるように形成されている実施例を含むものである。また、これらの実施例に更に突起を設けた実施例、これらの実施例に更に掻き取り部材を設けた実施例を含む。そして、以上の実施例の説明により、底壁及び底壁周縁から立ち上がる周壁を有する容器と、容器のなかに、回転中心軸が底壁央部から立ち上がるように配置された第1実施例ないし第7実施例の混捏子と、この混捏子及び容器のうち少なくとも一方を回転させる回転駆動手段とを備えた捏和装置も十分に開示された。
これらの実施例の記載により、先に「発明の開示」の欄で説明した本発明の第1の捏和装置の混捏子を十分に開示することができた。さらに、これらの実施例の記載により、以下に説明する第2ないし第9の捏和装置の混捏子と、これらの混捏子を備えた捏和装置も十分に説明された。
すなわち、第2の捏和装置の混捏子は、第1の捏和装置の混捏子において、側面は、回転中心軸に直交する面で断面したときに、対数螺旋となるように形成されている。
このようにすれば、混捏子の側面上の一点から回転中心軸までの距離が、1回転するなかで不連続点を持たずにスムーズに増加していくので、第1の捏和装置の混捏子の作用を得る混捏子の側面形状として好ましい。
第3の捏和装置の混捏子は、第1の捏和装置の混捏子において、側面は、回転中心軸に直交する面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、フィボナッチ数列に対応して半径が増加する複数の円の4分の1周を順に正接させて繋いでなる線の2周目以降における1周分の線により形成されている。
このようにすれば、対数螺旋のうち黄金比を用いた螺旋軌道を有する等角螺旋に近似した線が得られる。そのため、混捏子の側面上の一点から回転中心軸までの距離が、1回転するなかで不連続点を持たずにスムーズに増加していくので、第1の捏和装置の混捏子の作用を得る混捏子の側面形状として好ましい。この場合、円を組み合わせることで螺旋に近似した線が得られるので、混捏子の製造が容易である。
第4の捏和装置の混捏子は、第1ないし第3のうちいずれか1つの捏和装置の混捏子において、側面が、回転中心軸を含む面で断面したときに直線、曲線又はこれらを繋いだ折れ線となるように形成されている。
このようにすれば、側面が高さ方向に不連続点を持たず又は段差を持たないので、側面により材料や生地塊を容器周壁に移動させつつ上昇させるときに、材料や生地塊がスムーズに移動、上昇を行う。
第5の捏和装置の混捏子は、第1ないし第4のうちいずれか1つの捏和装置の混捏子において、側面が、回転中心軸を含む面で断面したときに階段状となるように形成されている。
このようにすれば、横断面形状が高さ方向に一定である部材要素を積み上げることで混捏子を製造することができるので、製造容易である。階段の各ステップの高さを等しくしてもよいが、不等にすれば生地にイレギュラーな動きを発生させることができる。
第6の捏和装置の混捏子は、第1ないし第5のうちいずれか1つの捏和装置の混捏子において、側面及び頂面のうち少なくとも一方には、凹凸が形成されている。
このようにすれば、混捏子のうち生地に接触する面積が減るので、生地塊の転がり摩擦が減り、遠心力が転がり摩擦に打ち勝ちやすくなる。このことにより、生地が混捏子に付着することが防止され、容器底壁の半径を大きく超えた直径をもつ大きな生地塊でも混捏子に付着することなく良好に混捏される。
第7の捏和装置の混捏子は、第1ないし第6のうちいずれか1つの捏和装置の混捏子において、更に、回転中心軸に直交する面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が最大となる部位と最小となる部位との間に形成された入角部に、これを埋めて上記距離の変動を緩和する連続部が設けられている。
このようにすれば、入角部に材料、生地が付着しにくくなるので、清掃が容易になると共に衛生面で好ましい。
第8の捏和装置の混捏子は、第1ないし第7のうちいずれか1つの捏和装置の混捏子において、更に、頂面及び側面のうち少なくとも一方に、突起又は突起付きの部材が設けられている。
このようにすれば、例えば油脂を多く含むなどの理由から生地の粘度が低いときであっても、突起が生地塊を引っかけ、生地塊に昇降し始めるきっかけを与え、また生地塊の生地に回転するきっかけを与えるので、生地塊の昇降、生地の対流が耐えることなく継続し、混捏が進むことになる。また、例えば油脂を多く含むなどの理由から生地が滑りやすいときであっても、突起が生地塊を引っかけて滑りを止め、生地塊に昇降し始めるきっかけを与え、また生地塊の生地に回転するきっかけを与えるので、生地塊の昇降、生地の対流が耐えることなく継続し、混捏が進むことになる。
第9の捏和装置の混捏子は、第1ないし第8のうちいずれか1つの捏和装置の混捏子において、更に、側面から容器の底壁及び周壁に向かって延びる掻き取り部材が設けられている。
このようにすれば、掻き取り部材が混捏子の側面と容器の周壁との隙間を塞ぐので、混捏子と容器周壁との間の材料を掻き取り、生地塊に取り込まれるきっかけを与える。これによって、生地塊に取り込まれにくい材料であってもスムーズに生地塊に取り込み、混捏を早く終えることができる。しかも、容器及び混捏子を任意に組み合わせた場合、混捏子と容器周壁との間に比較的大きな隙間ができたとしても掻き取り部材を取り付けることで良好に混捏を行うことができ、部品の共通化が進む。
本発明の混捏子を備えた捏和装置は、底壁及び底壁周縁から立ち上がる周壁を有する容器と、容器のなかに、回転中心軸が底壁央部から立ち上がるように配置された第1ないし第9のうちいずれか1つの混捏子と、混捏子及び容器のうち少なくとも一方を回転させる回転駆動手段とを備えている。
この混捏子を備えた捏和装置により、第1ないし第9の混捏子で得られる作用がそのまま得られる。
【図面の簡単な説明】
図1は、第1実施例の捏和装置の斜視図である。
図2は、第1実施例の混捏子の斜視図である。
図3は、第1実施例の混捏子を別の角度からみた斜視図である。
図4は、第1実施例の混捏子の平面図である。
図5は、第1実施例の混捏子の正面図である。
図6は、図4のA−A線における端面図である。
図7は、図5のB−B線における端面図である。点線は対数螺旋の一部を仮想的に表す。
図8は、第2実施例の混捏子を回転中心軸に直交する面で断面したときの断面図である。格子状の線は半径の増加を計測しやすくするための目盛りである。
図9は、第3実施例の混捏子の図6相当図である。
図10は、第4実施例の混捏子の平面図である。
図11は、第5実施例の混捏子の平面図である。
図12は、第6実施例の混捏子の斜視図である。
図13は、第6実施例の変形例である混捏子の斜視図である。
図14は、第6実施例の別の変形例である混捏子の斜視図である。
図15は、第7実施例の混捏子の斜視図である。
図16は、第7実施例の変形例である混捏子の斜視図である。
本発明は、パン生地、うどん生地、餅等を捏ねる捏和装置の技術分野に属し、この混捏装置に設けられる混捏子およびこれを備えた混捏装置に関する。
背景技術
この種の混捏子として、特公平5−38828号公報には、長短一対の半楕円状の羽根を連設してなり、両方の羽根における底部周縁から上面にかけての側面部が、回転方向前方から後方にかけて順次急峻となる放物線状の傾斜面であり、一方の羽根の回転方向後方の回転方向背面に深い絶壁状の立設面が形成され、他方の羽根の一側端が、一方の羽根の立設面底部と連なり、他側の回転方向背面に浅い絶壁状の立設面を形成した混捏子が開示されている。この混捏子を容器のなかで回転させると、長い羽根の傾斜面により材料や生地塊を容器周壁に移動させつつ上昇させ、立設面から落下させて混合および混捏が行われる。混捏子の立設面の背面には混捏時に生地塊と混捏子との間に減圧空気層ができるため、生地塊を回転させる力が働くと同時に、生地が容器底壁や混捏子に付着することを防止する作用を奏し、容器底壁の半径以上の直径をもつ大きな生地塊を混捏する場合でも、生地の混捏子への付着により生地が混捏子と共に回転し、混捏が行われなくなるという不具合が防止される。一般に、生地塊の転がりは混捏子の回転により受ける遠心力と転がり摩擦により行われ、転がり摩擦は生地の水和の進展によって増加するが、容器底壁の半径以上の直径をもつ大きな生地塊を混捏する場合、生地塊に作用する遠心力よりも転がり摩擦が勝つと、生地が混捏子に付着して混捏子と共に回転し、混捏が行われなくなる。上記公報の技術は上記減圧空気層をつくって転がり摩擦を減少させ、転がり摩擦よりも遠心力を大きく維持することで生地の混捏子への付着を阻止し、容器底壁の半径以上の直径をもつ大きな生地塊の混捏を可能としている。
しかし、更に大きな生地塊を混捏する場合、生地塊の重量と表面積が大きくなるので、上記公報の技術によっても生地の混捏子への付着を阻止することが困難になる。
生地塊の混捏は、生地塊の圧縮、回転、折り込み等により行われるが、混捏作業の本質は生地を圧縮することにあるので、生地塊に対して連続的に圧縮を与えることが、速やかに生地塊を混捏するためには望ましい。
発明の開示
本発明はこのような点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、混捏子の側面上の一点から回転中心軸までの距離が、1回転するなかで常に増加するように形成することにより、常に生地に作用する遠心力を助長させ、これによって容器底壁の半径を大きく超えた直径をもつ大きな生地塊でも混捏子に付着させることなく良好に混捏させると共に、生地に対して連続的に圧縮を与えて速やかに生地塊を混捏することにある。
上記目的を達成するため、本発明の捏和装置の混捏子は、底壁及び底壁周縁から立ち上がる周壁を有する容器を備えた捏和装置の容器のなかに、回転中心軸が底壁央部から立ち上がるように配置して容器と相対的に回転する混捏子であって、全周にわたって形成された側面と、この側面の上縁に周縁が連設された頂面とを備え、側面は、回転中心軸を含む面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、底部から頂面に向かうにつれて減少し又は一定であるように形成されており、側面は、回転中心軸に直交する面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、1回転するなかで常に増加するように形成されている。
この混捏子を容器のなかで回転させると、側面により材料や生地塊を容器周壁に移動させつつ上昇させ、重力により落下させ、この動きを繰り返すことで混合および混捏が行われる。また、生地塊に対しては、その下部に混捏子が楔を打ち込むように突入することで、生地塊の生地を回転させる力が働き、これによって生地は浮き沈みして対流し、混捏が進む。その場合、混捏子の側面上の一点から回転中心軸までの距離が、1回転するなかで常に増加するように形成されているので、常に生地に作用する遠心力が助長され、この遠心力が転がり摩擦に打ち勝ちやすくなる。このことにより、生地が混捏子に付着することが防止され、容器底壁の半径を大きく超えた直径をもつ大きな生地塊でも混捏子に付着することなく良好に混捏される。しかも、生地に対して連続的に圧縮が与えられるので、混捏が促進され、速やかに生地塊が混捏される。
本発明の捏和装置の混捏子は、混捏子の側面上の一点から回転中心軸までの距離が、1回転するなかで常に増加するように形成されているので、常に生地に作用する遠心力が助長され、この遠心力が転がり摩擦に打ち勝ちやすくなる。従って、生地が混捏子に付着することが防止され、容器底壁の半径を大きく超えた直径をもつ大きな生地塊でも混捏子に付着することなく良好に混捏することができる。しかも、生地に対して連続的に圧縮が与えられるので、混捏が促進され、速やかに生地塊を混捏することができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の混捏子及び捏和装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は第1実施例の捏和装置100を示し、この捏和装置100は、容器110と、容器110のなかに配置された混捏子120と、混捏子120及び容器110のうち少なくとも一方を回転させる回転駆動手段(図示省略)とを備えている。捏和装置100は装置本体(図示省略)を備え、この装置本体に容器110及び回転駆動手段が設けられる。容器110は、底壁111と、底壁111の周縁から立ち上がる周壁112とを備える。容器110の形状は限定しないが、底壁111を円形に形成し、周壁112を円筒形に形成すれば、むら無く混捏が行えて好ましい。混捏子120は仮想的に設けられた回転中心軸121を備えており、混捏子120は容器110のなかに、回転中心軸121が底壁111の央部から立ち上がるように配置されている。回転中心軸121を底壁111の中央部から立ち上げれば、むら無く混捏が行えて好ましい。この実施例では回転駆動手段により混捏子120を回転させている。回転駆動手段はモータ及び必要に応じて設けられる減速機構であり、その出力軸が容器110の底壁111の央部から混捏子120の回転中心軸121に一致するように立ち上がり、混捏子120に連結されている。本発明は、回転駆動手段により容器を回転させる実施例と、回転駆動手段により混捏子及び容器を回転させる実施例とを含み、後者の場合、両者の回転方向を逆方向とする実施例と、同方向とする実施例とを含み、いずれも両者の回転数の比率は限定しない。また、回転数は一定であってもよいし、変動させてもよい。
混捏子120は、図2ないし図5に示すように、全周にわたって形成された側面122と、この側面122の上縁に周縁が連設された頂面123とを備えている。図4及び図6に示すように、側面122は、回転中心軸121を含む面で断面したときに、側面122の上の一点から回転中心軸121までの距離R1が、底部から頂面123に向かうにつれて減少し又は一定であるように形成されている。図5及び図7に示すように、側面122は、回転中心軸121に直交する面で断面したときに、側面122の上の一点から回転中心軸121までの距離R2が、1回転するなかで常に増加するように形成されている。頂面123は平面であっても曲面であってもよい。
図5及び図7に示すように、第1実施例では、側面122は、回転中心軸121に直交する面で断面したときに、対数螺旋となるように形成されている。図7には後述する連続部124が表れているので、理解を助けるために対数螺旋の一部を点線で表している。ここで、対数螺旋とは極座標において、logr=aθ(aは定数)で表される線である。この場合、回転中心軸121を原点として極座標をとると、側面122は、回転中心軸121に直交する面で断面したときに、logr=aθで表される対数螺旋により形成されている。ここで、対数螺旋は等角螺旋ともいい、このなかで定数a=1.618≒(√5+1)/2のときには黄金螺旋という。
図4及び図6に示すように、側面122が、回転中心軸121を含む面で断面したときに直線、曲線又はこれらを繋いだ折れ線となるように形成されている。
第1実施例の混捏子120は、更に、回転中心軸121に直交する面で断面したときに、側面122の上の一点から回転中心軸121までの距離R2が最大となる部位と最小となる部位との間に形成された入角部に、これを埋めて上記距離R2の変動を緩和する連続部124が設けられている。
第1実施例の混捏子120は、表面にフッ素樹脂がコーティングされて表面が均一且つ平滑になっており、これによって転がり摩擦を低減するようにしている。表面をバフ研磨してもよい。本発明はフッ素樹脂コーティングもバフ研磨も行わない混捏子の実施例を含む。
従って、上記第1実施例の場合、パン生地を製造する場合で説明すると、例えば小麦粉、イースト、砂糖、塩、水、バター等を容器110のなかに入れ、混捏子120を容器110のなかで、混捏子120の側面上の一点から回転中心軸121までの距離が1回転するなかで常に増加する方向(白抜きの矢印で示した方向)に回転させると、側面122により、これらの材料を容器110の周壁112に移動させつつ上昇させ、重力により落下させ、この動きを繰り返すことで材料の混合が行われる。材料の混合が進むと、生地塊が形成され、この生地塊を容器110の周壁112に移動させつつ上昇させ、重力により落下させ、この動きを繰り返すことで生地塊の混捏が行われる。また、生地塊に対しては、その下部に混捏子120が楔を打ち込むように突入することで、生地塊の生地を回転させる力が働き(例えば、図6の矢印で示す方向への回転)、これによって生地は浮き沈みして対流し、混捏が進む。その場合、混捏子120の側面122の上の一点から回転中心軸121までの距離が、1回転するなかで常に増加するように形成されているので、常に生地に作用する遠心力が助長され、この遠心力が転がり摩擦に打ち勝ちやすくなる。このことにより、生地が混捏子120に付着することが防止され、容器110の底壁111の半径を大きく超えた直径をもつ大きな生地塊でも混捏子120に付着することなく良好に混捏される。しかも、生地に対して連続的に圧縮が与えられるので、混捏が促進され、速やかに生地塊が混捏される。
本発明は、側面が、回転中心軸に直交する面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、1回転するなかで常に増加するように形成されている実施例を全て含む。そのなかで、上記実施例は、側面122が、回転中心軸121に直交する面で断面したときに、対数螺旋となるように形成されている。このようにすれば、混捏子120の側面122の上の一点から回転中心軸121までの距離R2が、1回転するなかで不連続点を持たずにスムーズに増加していくので、本発明の混捏子の側面形状として好ましい。
本発明は、側面が、回転中心軸を含む面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、底部から頂面に向かうにつれて減少し又は一定であるように形成されている実施例を全て含む。そのなかで、上記実施例は、側面122が、回転中心軸121を含む面で断面したときに直線、曲線又はこれらを繋いだ折れ線となるように形成されている。このようにすれば、側面122が高さ方向に不連続点を持たず又は段差を持たないので、側面122により材料や生地塊を容器110の周壁112に移動させつつ上昇させるときに、材料や生地塊がスムーズに移動、上昇を行う。
本発明は、入角部に連続部を設けない実施例を含む。これに対して上記実施例は、更に、回転中心軸121に直交する面で断面したときに、側面122の上の一点から回転中心軸121までの距離R2が最大となる部位と最小となる部位との間に形成された入角部に、これを埋めて上記距離R2の変動を緩和する連続部124が設けられている。このようにすれば、入角部に材料、生地が付着しにくくなるので、清掃が容易になると共に衛生面で好ましい。
以下、他の実施例を説明する。各実施例では基本的に第1実施例の説明を、各部材に付した符合と共に引用し、これと構成の異なる点のみを説明することにする。図8は第2実施例の混捏子120の断面を示す(ハッチングした部位が断面に相当する)。この混捏子120の側面122は、回転中心軸121に直交する面で断面したときに、側面122の上の一点から回転中心軸121までの距離R2が、フィボナッチ数列に対応して半径が増加する複数の円の4分の1周を順に正接させて繋いでなる線の2周目以降における1周分の線により形成されている。フィボナッチ数列とは、1,1から始まり、前の2つの数を足して出来る数列で、Fn=Fn−1+Fn−2により表される。具体的には、1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89・・・と続く。従って、フィボナッチ数列に対応して半径が増加する複数の円の4分の1周を順に正接させて繋いでなる線の2周目以降における1周分の線とは、このフィボナッチ数列の比に応じて半径が1c,1c,2c,3c,5c,8c,13c,21c,34c,55c,89c・・・(cは定数)の円をつくり、各円の4分の1周を段差が出来ないように連続させて繋ぎ、こうしてできた線の2周目以降のうち任意の1周分の線のことである。こうすれば、隣り合う半径の比が1,2,1.5,1.67,1.6,1.625,1.615というように1.618に近づいてゆき、黄金螺旋を近似することができる。その場合、1周目を除くのは1.618に対して、ずれが大きいからである。
この第2実施例の混捏子120は、対数螺旋のうち黄金比を用いた螺旋軌道を有する等角螺旋に近似した線が得られる。そのため、混捏子120の側面122の上の一点から回転中心軸121までの距離R2が、1回転するなかで不連続点を持たずにスムーズに増加していくので、本発明の混捏子の側面形状として好ましい。この場合、円を組み合わせることで螺旋に近似した線が得られるので、混捏子120の製造が容易である。その他の作用及び効果は第1実施例の混捏子120のときと同様であるので説明を省略する。
図9は第3実施例の混捏子120の断面を示す。側面122が、回転中心軸121を含む面で断面したときに階段状となるように形成されている。このようにすれば、横断面形状が高さ方向に一定である部材要素120a〜120fを積み上げることで混捏子120を製造することができるので、製造容易である。階段の各ステップの高さを等しくしてもよいが、不等にすれば生地にイレギュラーな動きを発生させることができる。その他の作用及び効果は第1実施例の混捏子120のときと同様であるので説明を省略する。
図10は第4実施例の混捏子120を示し、図11は第5実施例の混捏子120を示す。これらの混捏子120の側面122及び頂面123のうち少なくとも一方には、凹凸が形成されている。すなわち、第4実施例の混捏子120には、えくぼ状のディンプル125が散点状に設けられ、第5実施例の混捏子120には、溝126が設けられており、これによって凹凸が形成されている。このようにすれば、混捏子120のうち生地に接触する面積が減るので、生地塊の転がり摩擦が減り、遠心力が転がり摩擦に打ち勝ちやすくなる。このことにより、生地が混捏子120に付着することが防止され、容器110の底壁111の半径を大きく超えた直径をもつ大きな生地塊でも混捏子120に付着することなく良好に混捏される。その他の作用及び効果は第1実施例の混捏子120のときと同様であるので説明を省略する。
図12は第6実施例の混捏子120を示す。この混捏子120では、更に、頂面123及び側面122のうち少なくとも一方に、突起127が設けられている。この突起127は混捏子120に固定してもよいし、ネジ止め等により混捏子120に対して脱着可能に設けてもよい。突起127は、剛性の高い材料で形成してもよいし、弾性変形しやすい材料で形成してもよい。この突起127の作用を説明する。
回転する混捏子120により、生地塊は昇降し、また生地塊の生地は浮き沈みして対流する。その場合、例えば油脂を多く含むなどの理由から生地の粘度が低いときは、生地がダレるので、生地塊がほぼ混捏子120の回転中心軸121を中心として傘状に広がり、この生地塊がほぼ回転中心軸121のまわりには回転するものの、生地塊の昇降、生地塊の生地の対流がなくなり、混捏が行われにくくなることがある。これでは混捏の作用が望めず、最終的に生地塊を混捏し終えるまでに時間がかかりすぎる。第6実施例の混捏子120を用いると、生地塊がこのような状態に入ろうとしたときに突起127が生地塊を引っかけ、生地塊と突起127との間に存在する回転中心軸121まわりの回転速度差を利用して生地塊に混捏子120の側面122に沿って上昇し落下する動きを始めるきっかけを与え、また生地塊の生地に回転するきっかけを与える。これによって、生地塊の昇降、生地塊の生地の対流が耐えることなく継続し、混捏が進むことになる。
また、例えば油脂を多く含むなどの理由から生地が滑りやすいときは、生地塊が混捏子120の側面122又は頂面123を滑って逃げる。これでは圧縮による混捏作用が望めず、最終的に生地塊を混捏し終えるまでに時間がかかりすぎる。第6実施例の混捏子120を用いると、生地塊がこのような状態に入ろうとしたときに突起127が生地塊を引っかけて滑りを止め、生地塊に混捏子120の側面122に沿って上昇し落下する動きを始めるきっかけを与え、また生地塊の生地に回転するきっかけを与える。これによって、生地塊の昇降、生地塊の生地の対流が耐えることなく継続し、混捏が進むことになる。その他の作用及び効果は第1実施例の混捏子120のときと同様であるので説明を省略する。
突起127は、混捏子120の頂面123、側面122のいずれに設けてもよいし、両方に設けてもよい。突起の数は限定しない。例えば図13に示す変形例では突起127を3つ設けている。頂面123及び側面122のうち少なくとも一方に、突起127の付いた部材を設けてもよい。図14に示す変形例は、側面122に突起127の付いた部材を設けている。このような部材は、頂面123、側面122のいずれに設けてもよいし、両方に設けてもよい。その場合、部材の形状が混捏子120の一部を形成するような形状に形成することが好ましい。
図15は第7実施例の混捏子120を示す。この混捏子120には、更に、側面122から容器110の周壁112に向かって延びる掻き取り部材128が設けられている。この掻き取り部材128は混捏子120に固定してもよいし、ネジ止め等により混捏子120に対して脱着可能に設けてもよい。掻き取り部材128は、剛性の高い材料で形成してもよいし、弾性変形しやすい材料で形成してもよい。また、この実施例では、掻き取り部材128における回転方向の前方の面である前面128aが容器110の底壁111に対して垂直に立ち上がる仮想面よりも後方へ倒れており、すくい角がついている。しかし、本発明は、図16の変形例に示すように、前面128aが底壁111に対して垂直に立ち上がるようにして、すくい角を設けない実施例も含んでいる。この突起127の作用を説明する。
混捏子120が容器110のなかで回転すると、側面122により材料や生地塊を容器周壁112に移動させつつ上昇させ、重力により落下させるが、混捏子120の側面122における回転中心軸121から最も離れた部分と容器周壁112との間に材料が残り、なかなか生地塊に取り込まれないことがある。これでは最終的に生地塊を混捏し終えるまでに時間がかかりすぎる。これは例えば水分の少ない材料を用いたときに起きやすい。また、容器110及び混捏子120を種々組み合わせる場合に、容器周壁112の半径に対して小さい混捏子120を組み合わせたときに起きやすい。第7実施例の混捏子120を用いると、掻き取り部材128が混捏子120の側面122と容器110の周壁112との隙間を塞ぐので、混捏子120と容器周壁112との間の材料を掻き取り、生地塊に取り込まれるきっかけを与える。これによって、生地塊に取り込まれにくい材料であってもスムーズに生地塊に取り込み、混捏を早く終えることができる。しかも、容器110及び混捏子120を任意に組み合わせた場合、混捏子120と容器周壁112との間に比較的大きな隙間ができたとしても掻き取り部材128を取り付けることで良好に混捏を行うことができ、部品の共通化が進む。その他の作用及び効果は第1実施例の混捏子120のときと同様であるので説明を省略する。
本発明は、以上説明した各実施例の特徴を組み合わせた実施例を全て含む。数例を挙げると、第2実施例の混捏子120において、側面が、回転中心軸を含む面で断面したときに階段状となるように形成されている実施例、側面及び頂面のうち少なくとも一方に凹凸が形成されている実施例を含むものである。また、第3実施例の混捏子120において、側面が、回転中心軸に直交する面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、フィボナッチ数列に対応して半径が増加する複数の円の4分の1周を順に正接させて繋いでなる線の2周目以降における1周分の線により形成されている実施例、側面及び頂面のうち少なくとも一方には、凹凸が形成されている実施例を含むものである。さらに、第4実施例又は第5実施例の混捏子120において、側面が、回転中心軸に直交する面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、フィボナッチ数列に対応して半径が増加する複数の円の4分の1周を順に正接させて繋いでなる線の2周目以降における1周分の線により形成されている実施例、側面が、回転中心軸を含む面で断面したときに階段状となるように形成されている実施例を含むものである。また、これらの実施例に更に突起を設けた実施例、これらの実施例に更に掻き取り部材を設けた実施例を含む。そして、以上の実施例の説明により、底壁及び底壁周縁から立ち上がる周壁を有する容器と、容器のなかに、回転中心軸が底壁央部から立ち上がるように配置された第1実施例ないし第7実施例の混捏子と、この混捏子及び容器のうち少なくとも一方を回転させる回転駆動手段とを備えた捏和装置も十分に開示された。
これらの実施例の記載により、先に「発明の開示」の欄で説明した本発明の第1の捏和装置の混捏子を十分に開示することができた。さらに、これらの実施例の記載により、以下に説明する第2ないし第9の捏和装置の混捏子と、これらの混捏子を備えた捏和装置も十分に説明された。
すなわち、第2の捏和装置の混捏子は、第1の捏和装置の混捏子において、側面は、回転中心軸に直交する面で断面したときに、対数螺旋となるように形成されている。
このようにすれば、混捏子の側面上の一点から回転中心軸までの距離が、1回転するなかで不連続点を持たずにスムーズに増加していくので、第1の捏和装置の混捏子の作用を得る混捏子の側面形状として好ましい。
第3の捏和装置の混捏子は、第1の捏和装置の混捏子において、側面は、回転中心軸に直交する面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、フィボナッチ数列に対応して半径が増加する複数の円の4分の1周を順に正接させて繋いでなる線の2周目以降における1周分の線により形成されている。
このようにすれば、対数螺旋のうち黄金比を用いた螺旋軌道を有する等角螺旋に近似した線が得られる。そのため、混捏子の側面上の一点から回転中心軸までの距離が、1回転するなかで不連続点を持たずにスムーズに増加していくので、第1の捏和装置の混捏子の作用を得る混捏子の側面形状として好ましい。この場合、円を組み合わせることで螺旋に近似した線が得られるので、混捏子の製造が容易である。
第4の捏和装置の混捏子は、第1ないし第3のうちいずれか1つの捏和装置の混捏子において、側面が、回転中心軸を含む面で断面したときに直線、曲線又はこれらを繋いだ折れ線となるように形成されている。
このようにすれば、側面が高さ方向に不連続点を持たず又は段差を持たないので、側面により材料や生地塊を容器周壁に移動させつつ上昇させるときに、材料や生地塊がスムーズに移動、上昇を行う。
第5の捏和装置の混捏子は、第1ないし第4のうちいずれか1つの捏和装置の混捏子において、側面が、回転中心軸を含む面で断面したときに階段状となるように形成されている。
このようにすれば、横断面形状が高さ方向に一定である部材要素を積み上げることで混捏子を製造することができるので、製造容易である。階段の各ステップの高さを等しくしてもよいが、不等にすれば生地にイレギュラーな動きを発生させることができる。
第6の捏和装置の混捏子は、第1ないし第5のうちいずれか1つの捏和装置の混捏子において、側面及び頂面のうち少なくとも一方には、凹凸が形成されている。
このようにすれば、混捏子のうち生地に接触する面積が減るので、生地塊の転がり摩擦が減り、遠心力が転がり摩擦に打ち勝ちやすくなる。このことにより、生地が混捏子に付着することが防止され、容器底壁の半径を大きく超えた直径をもつ大きな生地塊でも混捏子に付着することなく良好に混捏される。
第7の捏和装置の混捏子は、第1ないし第6のうちいずれか1つの捏和装置の混捏子において、更に、回転中心軸に直交する面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が最大となる部位と最小となる部位との間に形成された入角部に、これを埋めて上記距離の変動を緩和する連続部が設けられている。
このようにすれば、入角部に材料、生地が付着しにくくなるので、清掃が容易になると共に衛生面で好ましい。
第8の捏和装置の混捏子は、第1ないし第7のうちいずれか1つの捏和装置の混捏子において、更に、頂面及び側面のうち少なくとも一方に、突起又は突起付きの部材が設けられている。
このようにすれば、例えば油脂を多く含むなどの理由から生地の粘度が低いときであっても、突起が生地塊を引っかけ、生地塊に昇降し始めるきっかけを与え、また生地塊の生地に回転するきっかけを与えるので、生地塊の昇降、生地の対流が耐えることなく継続し、混捏が進むことになる。また、例えば油脂を多く含むなどの理由から生地が滑りやすいときであっても、突起が生地塊を引っかけて滑りを止め、生地塊に昇降し始めるきっかけを与え、また生地塊の生地に回転するきっかけを与えるので、生地塊の昇降、生地の対流が耐えることなく継続し、混捏が進むことになる。
第9の捏和装置の混捏子は、第1ないし第8のうちいずれか1つの捏和装置の混捏子において、更に、側面から容器の底壁及び周壁に向かって延びる掻き取り部材が設けられている。
このようにすれば、掻き取り部材が混捏子の側面と容器の周壁との隙間を塞ぐので、混捏子と容器周壁との間の材料を掻き取り、生地塊に取り込まれるきっかけを与える。これによって、生地塊に取り込まれにくい材料であってもスムーズに生地塊に取り込み、混捏を早く終えることができる。しかも、容器及び混捏子を任意に組み合わせた場合、混捏子と容器周壁との間に比較的大きな隙間ができたとしても掻き取り部材を取り付けることで良好に混捏を行うことができ、部品の共通化が進む。
本発明の混捏子を備えた捏和装置は、底壁及び底壁周縁から立ち上がる周壁を有する容器と、容器のなかに、回転中心軸が底壁央部から立ち上がるように配置された第1ないし第9のうちいずれか1つの混捏子と、混捏子及び容器のうち少なくとも一方を回転させる回転駆動手段とを備えている。
この混捏子を備えた捏和装置により、第1ないし第9の混捏子で得られる作用がそのまま得られる。
【図面の簡単な説明】
図1は、第1実施例の捏和装置の斜視図である。
図2は、第1実施例の混捏子の斜視図である。
図3は、第1実施例の混捏子を別の角度からみた斜視図である。
図4は、第1実施例の混捏子の平面図である。
図5は、第1実施例の混捏子の正面図である。
図6は、図4のA−A線における端面図である。
図7は、図5のB−B線における端面図である。点線は対数螺旋の一部を仮想的に表す。
図8は、第2実施例の混捏子を回転中心軸に直交する面で断面したときの断面図である。格子状の線は半径の増加を計測しやすくするための目盛りである。
図9は、第3実施例の混捏子の図6相当図である。
図10は、第4実施例の混捏子の平面図である。
図11は、第5実施例の混捏子の平面図である。
図12は、第6実施例の混捏子の斜視図である。
図13は、第6実施例の変形例である混捏子の斜視図である。
図14は、第6実施例の別の変形例である混捏子の斜視図である。
図15は、第7実施例の混捏子の斜視図である。
図16は、第7実施例の変形例である混捏子の斜視図である。
Claims (10)
- 底壁及び底壁周縁から立ち上がる周壁を有する容器を備えた捏和装置の容器のなかに、回転中心軸が底壁央部から立ち上がるように配置して容器と相対的に回転する混捏子であって、
全周にわたって形成された側面と、この側面の上縁に周縁が連設された頂面とを備え、
側面は、回転中心軸を含む面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、底部から頂面に向かうにつれて減少し又は一定であるように形成されており、
側面は、回転中心軸に直交する面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、1回転するなかで常に増加するように形成されている捏和装置の混捏子。 - 側面は、回転中心軸に直交する面で断面したときに、対数螺旋となるように形成されている請求の範囲第1項記載の捏和装置の混捏子。
- 側面は、回転中心軸に直交する面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が、フィボナッチ数列に対応して半径が増加する複数の円の4分の1周を順に正接させて繋いでなる線の2周目以降における1周分の線により形成されている請求の範囲第1項記載の捏和装置の混捏子。
- 側面が、回転中心軸を含む面で断面したときに直線、曲線又はこれらを繋いだ折れ線となるように形成されている請求の範囲第1項ないし第3項のうちいずれか1項記載の捏和装置の混捏子。
- 側面が、回転中心軸を含む面で断面したときに階段状となるように形成されている請求の範囲第1項ないし第4項のうちいずれか1項記載の捏和装置の混捏子。
- 側面及び頂面のうち少なくとも一方には凹凸が形成されている請求の範囲第1項ないし第5項のうちいずれか1項記載の捏和装置の混捏子。
- 請求の範囲第1項ないし第6項のうちいずれか1項記載の捏和装置の混捏子において、更に、回転中心軸に直交する面で断面したときに、側面上の一点から回転中心軸までの距離が最大となる部位と最小となる部位との間に形成された入角部に、これを埋めて上記距離の変動を緩和する連続部が設けられている捏和装置の混捏子。
- 請求の範囲第1項ないし第7項のうちいずれか1項記載の捏和装置の混捏子において、更に、頂面及び側面のうち少なくとも一方には、突起又は突起付きの部材が設けられている捏和装置の混捏子。
- 請求の範囲第1項ないし第8項のうちいずれか1項記載の捏和装置の混捏子において、更に、側面から容器の底壁及び周壁に向かって延びる掻き取り部材が設けられている捏和装置の混捏子。
- 底壁及び底壁周縁から立ち上がる周壁を有する容器と、
容器のなかに、回転中心軸が底壁央部から立ち上がるように配置された請求の範囲第1項ないし第9項のうちいずれか1項記載の混捏子と、
混捏子及び容器のうち少なくとも一方を回転させる回転駆動手段とを備えている混捏子を備えた捏和装置。
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