JPWO2003063472A1 - 撮像装置および撮像方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、撮像装置および撮像方法に関する。
背景技術
従来の映画制作等では、特殊な映像効果を得ることができるように、フィルムカメラの撮影速度、すなわち1秒間のコマ数を可変させた撮影が行われている。例えば、撮影は通常の速度よりも高速で行い、再生は通常速度で行う。この場合、再生画像は水面に水滴が落下したときのような高速度動作を容易かつ詳細に観察できる画像となる。また、撮影は通常の速度よりも低速で行い、再生は通常速度で行う。この場合、再生画像は格闘シーンの臨場感を高めたりカーチェイスでのスピード感を高めた画像となる。
また、テレビジョン番組制作等では、番組の撮像や編集および送出等のディジタル化がはかられていたが、ディジタル技術の進展に伴う高画質化や機器の低価格化に伴い、映画制作等においてもディジタル化がはかられてきている。
ところで、映画製作等のディジタル化によりビデオカメラを用いて撮像を行うものとした場合、撮像素子例えばCCD(Charge Coupled Device)での出力間隔を可変することで、上述のように撮像速度すなわち単位時間あたりのフレーム数を可変することができる。しかし、CCDの各画素の電荷蓄積量は、撮像素子の構造等から予め決まっており、このCCDの許容電荷蓄積量を超えて電荷の蓄積が行われると、ブルーミング等の不具合を生じてしまう。したがって、低速度撮像時(単位時間当たりのフレーム数を通常撮像時よりも少ないものとするとき)には、CCDの許容電荷蓄積量を超えて電荷の蓄積が行われることが無いように、機械的あるいは電子的にアイリスを絞ってCCDへの入射光量を少なくしたり、メカニカルシャッターあるいは電子シャッターのシャッター開期間を短くしなければならない。
図1A〜図1Cは、通常撮像時と低速度撮像時におけるCCDでの電荷蓄積量をモデル化して示したものである。図1Aは通常撮像の場合を示しており、「QM」は1画素の許容電荷蓄積量、「QA」は撮像画像の電荷蓄積量、「QN」はノイズによって生じた電荷蓄積量を示している。なお、撮像画像の電荷蓄積量は、CCDへの単位時間当たりの入射光量によって変化するものである。
図1Bは低速度撮像時の場合を示している。低速度撮像時では、例えば入射光量が通常撮像時と等しいと共に撮像速度が通常撮像の1/3倍であるとき、CCDにおける電荷蓄積期間は3倍となる。このため、撮像画像の電荷蓄積量は「3QA」、ノイズによって生じる電荷蓄積量は「3QN」となり、撮像画像とノイズによる電荷蓄積量は許容電荷蓄積量「QM」を超えてしまう。このため、上述したように、CCDはブルーミング等の不具合を生じてしまう。
次に、撮像画像とノイズによる電荷蓄積量が許容電荷蓄積量を超えないようにCCDへの入射光量をアイリス等によって少なくして低速度撮像を行った場合を図1Cに示す。例えば、撮像速度を1/3倍とするとともにアイリスを絞って入射光量を1/3として電荷蓄積量を同じとするとき、CCDにおける電荷蓄積期間は3倍となるため、ノイズによる電荷蓄積量は「3QN」となり撮像画像の電荷蓄積量は例えば「QB」となる。このように撮像画像の電荷蓄積量が少なくなるので、撮像画像とノイズによる電荷蓄積量は許容電荷蓄積量「QM」を超えない。しかし、撮像画像の電荷蓄積量に対してノイズによる電荷蓄積量の割合が増えてしまうことから、撮像画像はS/N比が悪化してノイズの多い画像となってしまう。
また、上述のようにCCDにおける電荷蓄積期間を長くして低速度撮像を行うと、撮像画像の更新間隔は長くなる。このため、撮像者が電子ビューファインダの表示画像に基づいて、例えば動きの速い被写体を画面中央位置とするように撮像方向を調整しても、実際の被写体の位置は表示されている被写体の位置よりも進んだ位置となっていることから、被写体を所望の位置として正しく撮像することができないおそれがある。
発明の開示
この発明に係る撮像装置は、被写体を撮像して撮像フレームレートの画像信号を生成する撮像手段と、撮像フレームレートの画像信号に対してフレーム加算を行い出力フレームレートの画像信号を生成する加算処理手段と、出力フレームレート設定状態に応じて、撮像手段における撮像フレームレートの可変制御、および/または加算処理手段におけるフレーム加算での加算フレーム数の切換制御を行い、出力フレームレートの画像信号を、出力フレームレート設定状態に基づいたフレームレートとする制御手段とを有するものである。
また、撮像方法は、被写体を撮像して撮像フレームレートの画像信号を生成し、撮像フレームレートの画像信号に対してフレーム加算を行い出力フレームレートの画像信号を生成し、出力フレームレート設定状態に応じて、撮像フレームレートの可変制御、および/またはフレーム加算での加算フレーム数の切換制御を行い、出力フレームレートの画像信号を、出力フレームレート設定状態に基づいたフレームレートとするものである。
この発明では、撮像フレームレートの画像信号をCDR方式(Common Data Rate:共通サンプリング周波数方式)の画像信号として、被写体を撮像して得た撮像信号に付加する帰線期間の長さを制御して、撮像フレームレートの可変制御を行う。撮像フレームレートの画像信号を生成する撮像手段は、例えばマトリクス状に配置された複数の光電変換素子と、該複数の光電変換素子から読み出された電荷を垂直転送する垂直転送部と、垂直転送部からの電荷を水平転送する水平転送部とを有する撮像素子からなり、垂直転送部と水平転送部の転送動作を制御して、帰線期間の長さを制御する。この撮像フレームレートは出力フレームレート以上の速さとする。また、出力フレームレートに応じて加算フレーム数の切り換えを行い、撮像フレームレートの可変範囲を所定範囲に制限する。あるいは、撮像フレームレートの可変範囲を所定範囲に制限するための加算切換情報を記憶し、加算切換情報に基づいて、撮像フレームレートの可変制御、および/または前記フレーム加算での加算フレーム数の切換制御を行う。さらに、シャッター動作を行うときに、フレーム加算で加算されるフレームの期間に対してシャッター開期間を連続して設定し、このシャッター開期間の画像信号を生成する。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明をより詳細に説述するために、図面を用いてこれを説明する。図2A〜図2H、図2J〜図2Lは、撮像速度(フレームレート)を可変してすなわち単位時間当たりのフレーム数を可変して、どのように画像信号を生成しているかを示す動作原理図である。
図2Aに示す被写体OBaが、例えば所定時間で位置PJ1から図2Bに示す位置PJ3まで移動した場合、撮像速度がこの所定時間で1フレームの画像を生成するものであるときには図2Cに示す画像となり、PLライン位置の画像信号SLaの信号レベルは図2Dの実線で示すものとなる。ここで、画像信号SLaの信号レベルが「Lp」となって電荷蓄積量が撮像素子の許容電荷蓄積量となると、画像信号SLaが飽和してしまう。次に、撮像速度を2倍とすると、最初のフレームの画像は図2Eに示すように、被写体OBaが位置PJ1から位置PJ2まで移動したものとなり、PLラインの位置の画像信号SLbは図2Fに示すものとなる。また、次のフレームの画像は図2Gに示すように、被写体OBaが位置PJ2から位置PJ3まで移動したものとなり、PLラインの位置の画像信号SLcは図2Hに示すものとなる。ここで、図2Eと図2Fに示した2フレームの画像を加算したときのPLライン位置の画像信号SLbcは、図2Jの実線で示すように画像信号SLbと画像信号SLcを加算した信号となる。この画像信号SLbcを画像の加算フレーム数で除算すると図2Kの実線で示すものとなる。この図2Kに示す画像信号SLdに基づく画像は図2Lとなり、画像信号SLaが飽和することなく、被写体OBaが位置PJ1から位置PJ3まで移動した画像を正しく表示できる。すなわち、撮像速度を低速度としなくとも、撮像画像を加算して信号レベルを調整することで、低速度撮像の撮像画像を得ることができる。このため、本形態では、撮像画像のフレーム加算を行うことで所望の撮像速度まで撮像フレームレートを低下させることなく所望の低速度撮像画像を得るものである。
図3は、本形態の撮像装置の構成を示している。撮像レンズ11およびアイリス12を通して入射された光は撮像部21に入射されて、撮像素子の撮像面上に被写体画像が結像される。なお、撮像素子としては、CCDやCMOS撮像素子、BBD撮像素子等を用いることができるが、以下の説明では、撮像素子としてCCDを用いた場合を説明する。CCDは、光電変換によって被写体画像の撮像電荷を生成し、後述する駆動部71からの駆動制御信号RCに基づいて撮像電荷を読み出して電圧信号に変換する。さらに、この電圧信号を三原色の画像信号Spaとして前処理部31に供給する。
前処理部31は、画像信号Spaからノイズ成分を除去する処理、例えば相関二重サンプリング処理を行い、ノイズ除去された画像信号Spaを画像信号SpbとしてA/D変換部32に供給する。A/D変換部32は、画像信号Spbをディジタルの画像信号DVaに変換してフィードバッククランプ部33に供給する。また、フィードバッククランプ部33から供給された誤差信号に基づき、画像信号Spbを画像信号DVaに変換する際の変換動作を補正する。フィードバッククランプ部33は、帰線期間の黒レベル信号と基準信号との誤差を検出してA/D変換部32に供給する。このため、A/D変換部32とフィードバッククランプ部33によって、安定した黒レベルで所要の大きさの画像信号DVaを得ることができる。
補正処理部34は、画像信号DVaに対してシェーディング補正や撮像素子の欠陥に対する補正処理および撮像レンズ11でのレンズ収差の補正等を行う。この補正処理部34で補正処理が行われた画像信号DVaは、画像信号DVbとしてフレーム加算部41とフレームレート変換部51に供給される。
なお、この形態では、撮像部21から三原色の画像信号Spaを出力するものとしたが、輝度信号と色差信号を出力するものとしても良い。さらにカラー画像信号に限らず白黒画像の画像信号等を出力するものでも良い。また、前処理部31,フィードバッククランプ部33,補正処理部34および後述する出力信号処理部42やモニタ信号処理部52は、良好な撮像画像を得るためのものであり、この発明の撮像装置を構成するうえで必ずしも必要となるものではない。例えば、撮像部21で画像信号Spaをディジタル信号に変換したのち、この信号を画像信号DVbとしてフレーム加算部41とフレームレート変換部51に供給するものとしても良い。また、出力信号処理部42やモニタ信号処理部52を介することなく信号を出力するものとしてもよい。
図4は、フレーム加算部41の構成を示している。フレーム加算部41は、後述する制御部61からの制御信号に基づき、画像信号DVbを用いてのフレーム加算処理を行う。補正処理部34から供給された画像信号DVbは、加算器411と信号セレクタ412の端子Paに供給される。加算器411には、後述する信号セレクタ415から画像信号DVfを供給して、画像信号DVbと画像信号DVfを加算する。この加算器411で得られた加算信号DVgは、信号セレクタ412の端子Pbに供給される。
信号セレクタ412の可動端子Pmは、信号セレクタ413の可動端子Pmと接続されている。信号セレクタ412は、後述する制御部61からの制御信号CTaに基づき、端子Paに供給された画像信号DVbあるいは端子Pbに供給された加算信号DVgのいずれかを選択して、選択した信号を画像信号DVcとして信号セレクタ413の可動端子Pmに供給する。
信号セレクタ413は、制御部61からの制御信号CTbに基づき可動端子Pmを3つの端子Pa,Pb,Pcのいずれかに接続して、信号セレクタ412から供給された画像信号DVcを、可動端子Pmに接続された端子から出力する。ここで、信号セレクタ413の端子Paは、RAM(Random Access Memory)414−1の信号入力端子と接続されている。また、信号セレクタ413の端子Pbは、RAM414−2の信号入力端子と接続されており、端子PcはRAM414−3の信号入力端子と接続されている。
RAM414−1は、信号セレクタ413の端子Paを介して供給された画像信号DVcを、制御部61から供給された書込制御信号WTaに基づいて記憶する。また、RAM414−1は、記憶している画像信号DVcを、制御部61から供給された読出制御信号RTaに基づいて読み出し、画像信号DVm−1として信号セレクタ415の端子Paと信号セレクタ416の端子Pbに供給する。
同様に、RAM414−2,414−3は、信号セレクタ413の端子Pb,Pcを介して供給された画像信号DVcを、制御部61から供給された書込制御信号WTaに基づいて記憶する。また、RAM414−2,414−3に記憶している画像信号DVcを、制御部61から供給された読出制御信号RTaに基づいて読み出し、画像信号DVm−2,DVm−3として信号セレクタ415の端子Pb,Pcと信号セレクタ416の端子Pc,Pdに供給する。
信号セレクタ415の可動端子Pmは、加算器411と接続されている。信号セレクタ415は、制御部61からの制御信号CTcに基づき、可動端子Pmを端子Pa,Pb,Pcのいずれかに切り換えることで画像信号DVm−1〜DVm−3のいずれかを選択する。この信号セレクタ415で選択された画像信号は、画像信号DVfとして加算器411に供給される。
信号セレクタ416の端子Paは、ブランクフレーム設定回路417と接続されている。ブランクフレーム設定回路417は、一定レベル(例えば0レベル)の画像信号DVm−Bを生成して信号セレクタ416の端子Paに供給する。信号セレクタ416の可動端子Pmは、レベル調整回路418と接続されている。信号セレクタ416は、制御部61からの制御信号CTdに基づき可動端子Pmを端子Pa,Pb,Pc,Pdのいずれかに切り換えて、画像信号DVm−1〜DVm−3,DVm−Bのいずれかを選択することにより、所望の出力フレームレートで画像が含まれた信号を生成する。この信号セレクタ416dで選択された信号は、画像信号DVhとしてレベル調整回路418に供給される。
レベル調整回路418は、制御部61から供給された制御信号CTeに基づき、加算フレーム数に応じて画像信号DVhの信号レベルを調整し、画像信号DVjとして出力信号処理部42に供給する。
フレームレート変換部51は、画像信号DVbのフレームレートを、撮像画像確認用として接続された電子ビューファインダー等の画像表示装置に応じたフレームレート(以下「モニタフレームレート」という)に変換する。図5は、フレームレート変換部51の構成を示している。
補正処理部34から供給された画像信号DVbは、信号セレクタ511の可動端子Pmに供給される。信号セレクタ511の端子PaはRAM512aと接続されている。また、端子PbはRAM512bと接続されている。信号セレクタ511は、制御部61からの制御信号CTfに基づき可動端子Pmを端子Paあるいは端子Pbに切り換えて、可動端子Pmに供給された画像信号DVbを、RAM512aあるいはRAM512bに供給する。
RAM512a,512bは、信号の書き込みと読み出しを同時に行うことが可能なRAM、例えばデュアルポートRAMを用いて構成する。RAM512aあるいはRAM512bは、信号セレクタ511を介して供給された画像信号DVbを、制御部61から供給された書込制御信号WTbに基づいて記憶する。例えば、信号セレクタ511は、1フレーム毎に可動端子Pmを端子Paあるいは端子Pbに切り換えて、RAM512aとRAM512bに1フレーム分の画像信号DVbを交互に記憶させる。また、RAM512aあるいはRAM512bは、制御部61からの読出制御信号RTbに基づき、記憶している画像信号DVbをモニタフレームレートに応じた速度で読み出して信号セレクタ513の端子Paあるいは端子Pbに供給する。
信号セレクタ513は、制御部61からの制御信号CTgに基づき可動端子Pmを端子Paあるいは端子Pbに切り換えて、RAM512aあるいはRAM512bから読み出された信号を画像信号DVrとして出力する。例えば、RAM512aとRAM512bに対して、交互に1フレーム分の画像信号DVbを記憶したときには、RAM512aとRAM512bから記憶したフレーム順に信号を読み出す。また、信号セレクタ513の可動端子Pmを1フレーム単位で交互に切り換えて、記憶したフレーム順の信号を画像信号DVrとして出力する。
また、RAM512aとRAM512bとして、信号の書き込みと読み出しを同時に行うことできないRAMを用いる場合、ビット幅を拡張して2画素分単位で信号の書き込みや読み出しを行う。この場合、1画素分の期間で2画素分の信号の書き込みを行い、次の1画素分の期間で2画素分の信号の読み出しを行うことができる。すなわち、画像信号の記憶と読み出しを1画素分の遅延を持って行うことが可能となり、画像信号DVbからモニタフレームレートの画像信号DVrを生成できる。
図6は、フレームレート変換部の他の構成として、2画素分単位で信号の記憶や読み出しを行う場合を示している。補正処理部34から供給された画像信号DVbは、フレームレート変換部51aのレジスタ514と信号セレクタ515の可動端子Pmに供給される。
レジスタ514は、1画素分の画像信号DVbを順次蓄積し、この蓄積した画像信号DVbを次の画素タイミングで画像信号DVpとして信号セレクタ515の可動端子Pmに供給する。
信号セレクタ515の端子PaはRAM516aと接続されている。また、端子pbはRAM516bと接続されている。RAM516a,516bは、画像信号DVbと画像信号DVpを1つの信号として記録できる入力バンド幅(ビット幅)を有するものである。例えば、画像信号DVbが8ビットの信号であるときには16ビットの入力バンド幅を有するものとする。
信号セレクタ515は、制御部61からの制御信号CThに基づき可動端子Pmを端子Paあるいは端子Pbに切り換えて、可動端子Pmに供給された1画素分の画像信号DVbと画像信号DVpを1つの信号DWaとしてRAM516aあるいはRAM516bに供給する。
RAM516aあるいはRAM516bは、制御部61から供給された書込制御信号WTcに基づき、2画素分単位の信号DWaを記憶する。また、2画素分単位で記憶された信号DWaを、制御部61から供給された読出制御信号RTcに基づきモニタフレームレートに応じた速度で読み出し、信号セレクタ517の端子Paあるいは端子Pbに供給する。なお、信号の読み出しは、記憶順序と等しい順序で行う。
RAM516a,516bの記憶容量は、2画素分毎に記憶した信号を2画素分毎に読み出して所望の出力フレームレートの信号を生成する際、読み出しが行われていない信号の記憶位置に新たな信号が書き込まれることが無いように設定する。例えば、画像信号DVbのフレームレートが後述するように画像信号DVrのフレームレートであるモニタフレームレートの1〜2倍の範囲内で可変される場合、少なくとも2フレーム分の信号DWaを記憶できるように記憶容量を設定する。ここで、例えば1フレーム毎に可動端子Pmを切り換えてRAM516aとRAM516bに交互に1フレーム分の信号DWaを記憶させる。あるいは、1回の信号書き込み毎に可動端子Pmを切り換えることでRAM516aとRAM516bの前半部分に1フレーム分の信号DWaを記憶させ、RAM516aとRAM516bの後半部分に他の1フレーム分の信号DWaを記憶させる。このように設定すると、信号の記憶と読み出しをほぼ同時に行うことが可能となるとともに、画像信号DVbのフレームレートが可変されても、読み出しが行われていない信号の記憶位置に新たな信号が書き込まれることが無く、モニタフレームレートの信号を正しく生成することができる。
信号セレクタ517の可動端子Pmは、レジスタ518と信号再構成回路519に接続されている。信号セレクタ517は、制御部61からの制御信号CTjに基づき可動端子Pmを端子Paあるいは端子Pbに切り換えて、RAM516aあるいはRAM516bから読み出した信号を信号DWbとして可動端子Pmから出力する。この信号DWbは信号DWaと等しいものであり、フレームレートがモニタフレームレートの信号である。ここで、信号DWbから画像信号DVbに対応する部分をレジスタ518に供給し、画像信号DVpに対応する部分を信号再構成回路519に供給する。
信号再構成回路519は、上述の信号DWaにおいて、画素順序が画像信号DVpの画素の次に画像信号DVbの画素とされていることから、画像信号DVpに対応する部分の信号を1画素の画像信号として出力して、次にレジスタ518に保持されている画像信号DVbに対応する部分の信号を次の1画素の画像信号として交互に出力する。この信号再構成回路519から出力される画像信号は、画像信号DVrとしてモニタ信号処理部52に供給される。
出力信号処理部42は、フレーム加算部41から出力された画像信号DVjに対して例えばγ補正(Gamma Correction)や輪郭補償処理およびニー補正(Knee Correction)等のプロセス処理を行う。また、モニタ信号処理部52は、フレームレート変換部51から出力された画像信号DVrに対してプロセス処理を行う。ここで、モニタ信号処理部52で行うプロセス処理は、撮像画像の確認を行うために接続された画像表示装置に応じた処理である。例えば、撮像画像の確認のために陰極線管や液晶表示素子を用いて画像表示を行う場合、陰極線管や液晶表示素子のγ特性や階調表示特性等に応じたプロセス処理を行う。このように、出力信号処理部42とモニタ信号処理部52を設けることで、画像信号DVjと画像信号DVrに対するプロセス処理を別個に行うことができる。
また、プロセス処理を行う出力信号処理部42は、フレーム加算部41の後段に設けられているので、プロセス処理を正しく行うことができる。例えば、画像信号DVbを4フレーム分加算する場合でのニー補正について説明する。なお、画素位置ODの信号レベルは、フレーム1で「100」、フレーム2で「90」、フレーム3で「40」、フレーム4で「30」とする。ここで、ニー補正処理の一例として、信号レベルが「50」以上であるとき、この「50」を超える部分の信号レベルを半分とするものとする。
ニー補正をフレーム加算前に行う場合、フレーム1の信号レベルはニー補正によって「(100−50)/2+50=75」となる。またフレーム2の信号レベルはニー補正によって「(90−50)/2+50=70」となる。このため、4フレーム分の加算値は「75+70+40+30=215」となる。ニー補正をフレーム加算後に行う場合、信号レベルの加算値は「100+90+40+30=260」となる。また、4フレーム分の信号を加算していることから、ニー補正は信号レベルが「50×4」を超える部分について信号レベルを半分とする。このため、4フレーム分の加算値は「(260−200)/2+200=230」となる。
このように、フレーム加算前にニー補正を行うと、ニー補正によって信号レベルが圧縮された部分と圧縮されていない部分が同等に扱われて加算されてしまうため、正しくニー補正を行うことができない。しかし、出力信号処理部42をフレーム加算部41の後段に設けることで、撮像画像に応じた正しいニー補正を出力信号処理部42で行える。
γ補正の場合も同様に、フレーム加算前にγ補正を行うと、各フレームで違った割合で信号レベルの補正が行われるので、違った割合で信号レベルの調整が行われた部分が同列に扱われて加算されてしまうことから、ニー補正の場合と同様に正しくγ補正を行うことができない。このため、出力信号処理部42をフレーム加算部41の後段に設けることで、出力信号処理部42で行われるγ補正は、撮像画像に応じた正しいγ補正となる。
また、輪郭補償処理においても、フレーム加算前に輪郭補償処理を行うと、十分な輪郭補償を行うことができない場合が生じてしまう。図7A〜図7Gは、フレーム加算前とフレーム加算後の輪郭補償処理を説明するための図である。
ここで、図7Aに示すフレームF1と図7Bに示すフレームF2の信号を加算する場合について説明する。フレーム加算前に輪郭補償処理を行うと、図7Aに示す画素OGに対して両側の画素の信号も用いて補償信号DL1が生成されて、図7Cに示すように画素OGの信号に加算される。このとき、信号レベルがダイナミックレンジLDを超えたときに、特に何もしないとクリップされたものと同じになってしまう。また、図7Bに示す画素OGに対して両側の画素の信号も用いて補償信号DL2が生成されて、図7Dに示すように画素OGの信号に加算される。このため、輪郭補償処理を行ってからフレーム加算を行うと、画素OGの信号レベルは図7Eとなる。
一方、フレーム加算後に輪郭補償処理を行う場合、フレーム加算して得られた信号は図7Fに示すものとなる。このフレーム加算した信号の画素OGに対して輪郭補償処理を行うと、両側の画素の加算信号も用いて補償信号DL3が生成されて、図7Gに示すように画素OGの信号に加算される。ここで、2フレームの信号を加算したことからダイナミックレンジは「2LD」となり、画素OGの信号はクリップされることがなく、図7Eの場合に比べて信号レベルが大きくなる。このため、輪郭補償処理もフレーム加算後に行うことで、正しく輪郭補償処理処理を行うことができる。
このように、出力信号処理部42は、フレーム加算後の信号である画像信号DVjを用いてプロセス処理を行い、得られた画像信号DVkを信号出力部43に供給する。また、モニタ信号処理部52は、上述のように撮像画像の確認を行うために用いる画像表示装置に応じたプロセス処理をフレームレート変換後の信号である画像信号DVrに対して行い、得られた画像信号DVsを信号出力部53に供給する。
信号出力部43は、画像信号DVkをこの撮像装置に接続される記録機器等に応じた信号CMoutに変換して出力する。例えば、コンポーネント信号に対応した機器やコンポジット信号に対応した機器を撮像装置と接続されている場合、画像信号DVkをそれぞれの機器に応じた信号CMoutに変換して出力する。またSMPTE259MやSMPTE292Mとして規格化されているシリアルディジタルインタフェース等を介して画像信号を伝送する場合には、インタフェース規格に応じた伝送信号を画像信号DVkに基づいて生成して信号CMoutとして出力する。
信号出力部53は、供給された画像信号DVsを、撮像画像確認用の画像表示装置に応じた信号MToutに変換して出力する。例えば画像表示装置がアナログ信号を用いるものであるときには、画像信号DVsをアナログ信号に変換して信号MToutとして出力する。
制御部61には、操作部62が接続されている。この操作部62をビデオカメラのユーザが操作すると、ユーザの操作に応じた操作信号RSが操作部62から制御部61に供給される。制御部61は、この操作信号RSに基づいて制御信号等を生成して各部の動作を制御することにより、撮像装置をユーザの操作に応じて動作させる。また、出力フレームレート設定状態を決定するフレームレート設定信号RSFが制御部61に供給されたとき、例えば操作部62で撮像速度の切り換えを行い、操作信号RSとしてフレームレート設定信号RSFが制御部61に供給されたとき、あるいはリモートコントロール装置や外部の機器からフレームレート設定信号RSFが制御部61に供給されたとき、制御部61は、制御信号CTa〜CTjや書込制御信号WTa〜WTcおよび読出制御信号RTa〜RTcの生成を行いフレーム加算部41やフレームレート変換部51あるいはフレームレート変換部51aに供給することにより、切り換えられた撮像速度に応じて画像信号の生成を行わせる。さらに、制御部61は、撮像部21でのフレームレートを設定する制御信号TCをフレームレート設定信号RSFに基づいて生成して駆動部71に供給する。駆動部71は、制御信号TCに基づき駆動制御信号RCを生成して撮像部21に供給する。このため、切り換えられた撮像速度に応じた撮像フレームレートの画像信号Spaが撮像部21から出力される。なお、制御部61はアイリス12の制御等も行う。
次に、撮像装置の動作について説明する。撮像装置は、撮像部21で生成される画像信号Spaの撮像フレームレートの可変制御、および/またはフレーム加算部41での加算フレーム数の切換制御を行うことで、所望の出力フレームレートの画像信号DVjを生成する。
ここで、所望の出力フレームレートFRcの画像信号DVjを生成する際、出力フレームレートFRcが低いものとされても、撮像部21で生成する画像信号Spaのフレームレートである撮像フレームレートFRpが所定範囲内となるように、フレーム加算部41での加算フレーム数FAを切り換える。また、加算フレーム数FAは、例えば加算フレーム数FAを切り換えたときに撮像フレームレートFRpが所定範囲内であって高いフレームレートとなるように設定する。
図8は、出力フレームレートFRcに応じた加算フレーム数FAと撮像フレームレートFRpの設定動作を示すフローチャートである。ステップST1では、加算フレーム数の切換点および加算フレーム数を設定する。この設定は、撮像フレームレートFRpを正の整数で除算して、除算結果が整数値(但し1を除く)となるときの整数値を切換点とする。このときの除算結果を加算フレーム数FAとする。例えば、撮像フレームレートFRpの最大値が「60P(数字は1秒当たりのフレーム数、Pはプログレッシブ方式の信号であることを示すものであり、他の場合も同様である)」であるとき、設定された加算フレーム数の切換点および加算フレーム数は(30P,2フレーム)、(20P,3フレーム)、(15P,4フレーム)、(12P,5フレーム)・・・(2P,30フレーム)、(1P,60フレーム)となる。
ステップST2では、ステップST1で設定された加算フレーム数の切換点と加算フレーム数に基づいて、出力フレームレートFRcと加算フレーム数の関係を示す加算切換情報を生成する。ここで、撮像フレームレートFRpの最大値が60Pとされて上述のように加算フレーム数の切換点および加算フレーム数が設定された場合、図9に示すように加算切換情報が生成される。すなわち、出力フレームレートFRcが「60P≧FRc>30P」のときは、加算フレーム数FAを「1」とする。出力フレームレートFRcが「30P≧FRc>20P」のときは、加算フレーム数FAを「2」とする。出力フレームレートFRcが「20P≧FRc>15P」のときは、加算フレーム数FAを「3」とする。以下同様にして、出力フレームレートFRcが「2P≧FRc>1P」のときは、加算フレーム数FAを「30」とし、出力フレームレートFRcが「FRc=1P」のときは、加算フレーム数FAを「60」とする。
ステップST3では、ユーザによって設定された出力フレームレートFRcに対応する加算フレーム数を加算切換情報に基づいて決定する。例えば設定された出力フレームレートFRcが「45P」であるとき、加算フレーム数FAは「1」となる。また、出力フレームレートFRcが「14P」であるとき、加算フレーム数FAは「4」となる。
ステップST4では、撮像フレームレートの決定を行う。この撮像フレームレートFRpは、ステップST3で決定された加算フレーム数FAと設定された出力フレームレートFRcを乗算して、乗算結果を撮像フレームレートFRpとする。例えば出力フレームレートFRcが「45P」であるとき、加算フレーム数FAは「1」であることから撮像フレームレートFRpは「45P」となる。また、出力フレームレートFRcが「14P」であるとき、加算フレーム数FAは「4」であることから撮像フレームレートFRpは「56P」となる。また、出力フレームレートFRcを可変したとき、撮像フレームレートFRpの可変範囲は最高値側となる。例えば、出力フレームレートFRcを「20P≧FRc>15P」の範囲で可変したとき、撮像フレームレートFRpの可変範囲は最高値側である「60P≧FRp>45P」の範囲で可変されることとなる。なお、図9では、出力フレームレートFRcの範囲に対する撮像フレームレートFRpの範囲を加算切換情報とともに示している。
このように、出力フレームレートFRcが「60P〜1P」の範囲内で可変されても、加算フレーム数が切り換えられて、撮像フレームレートFRpを「60P〜30P」の範囲に抑えることができる。また、各加算フレーム数に対する撮像フレームレートFRpの可変範囲は、撮像フレームレートFRpの最大値側に設定されることとなるので、より高速に撮像された画像信号Spaに基づいて所望の出力フレームレートの画像信号DVjを得ることができる。
制御部61では、上述の図8の処理を行い、操作部62からのフレームレート設定信号RSFによって設定された出力フレームレートFRcに対する撮像フレームレートFRpと加算フレーム数FAを決定する。
ここで、フレームレート設定信号RSFに基づき、画像信号DVjの出力フレームレートFRcを「60P≧FRc>30P」の範囲内に設定して、この画像信号DVjに基づいて生成した信号CMoutを撮像装置から出力させる場合、制御部61はフレーム加算部41を制御して加算フレーム数FAを「1」に設定する。また、駆動部71の動作を制御して、撮像部21から出力される画像信号Spaの撮像フレームレートFRpを出力フレームレートのFA倍とする駆動制御信号RCを駆動部71から撮像部21に供給させる。
また、フレームレート設定信号RSFに基づき、出力フレームレートFRcを「30P≧FRc>20P」の範囲内に設定する場合、制御部61は、フレーム加算部41を制御して加算フレーム数FAを「2」に設定する。また制御部61は、駆動部71の動作を制御して、撮像部21から出力される画像信号Spaの撮像フレームレートFRpを出力フレームレートFRcのFA倍(2倍)とする駆動制御信号RCを駆動部71から撮像部21に供給させる。このとき、撮像フレームレートの画像信号が2フレーム加算されて画像信号DVjが生成されるので、画像信号DVjは所望の出力フレームレートとなる。また、撮像フレームレートFRpは、「60P≧FRp>40P」となることから、撮像フレームレートを「60P≧FRp>30P」の範囲内に納めることができる。
同様に、出力フレームレートFRcを「15P≧FRc>12P」の範囲内に設定する場合、制御部61は、フレーム加算部41を制御して加算フレーム数FAを「4」に設定する。また制御部61は、駆動部71の動作を制御して、撮像部21から出力される画像信号Spaの撮像フレームレートFRpを出力フレームレートFRcのFA倍(4倍)とする駆動制御信号RCを駆動部71から撮像部21に供給させる。このとき、撮像フレームレートの画像信号が4フレーム加算されて画像信号DVjが生成されるので、画像信号DVjは所望の出力フレームレートとなる。この場合、撮像フレームレートFRpは、「60P≧FRp>40P」となることから、撮像フレームレートを「60P≧FRp>30P」の範囲内に納めることができる
以下同様にして、撮像部21で生成する画像信号Spaの撮像フレームレートFRpとフレーム加算部41での加算フレーム数FAを可変することで、所望の出力フレームレートFRcの画像信号DVjを得ることができる。なお、図9に示すテーブルを予め保持しておけば、出力フレームレートFRcを切り換える毎に図8に示すフローチャートの処理を行う必要がないことは、言うまでもない。
次に、撮像部21で生成する画像信号Spaの撮像フレームレートFRpの可変動作について説明する。図10は、撮像部21で用いられている撮像素子の例として、FIT(Frame Interline Transfer)形CCDの構造を示している。CCD210の撮像領域211aは、マトリクス状に配設された光電変換素子212と、センサゲート213を介して各光電変換素子212から供給された撮像電荷を蓄積領域211bに転送するための垂直転送レジスタ214を有している。垂直転送レジスタ214は、1ラインの画素数に対応する数だけ設けられている。各垂直転送レジスタ214の転送段数は、走査ライン数に対応するものとされている。
CCD210の蓄積領域211bは、例えば1フレーム分の画素の撮像電荷を蓄積するもので、撮像領域211aの垂直転送レジスタ214と同様な構成の垂直転送レジスタ215により構成する。
また、撮像部21は、水平転送レジスタ216と水平転送レジスタ216の出力端側に接続された信号出力回路217を有している。水平転送レジスタ216の転送段数は、1ラインの画素数に対応するものとされている。また、信号出力回路217は、水平転送レジスタ216から供給された撮像電荷を電圧信号に変換して出力する。
このように構成された撮像部21には、駆動部71から各センサゲート213を開成するセンサゲートパルスや垂直転送レジスタ214を駆動する垂直転送クロックパルス、蓄積領域211bの垂直転送レジスタ215を駆動する垂直転送クロックパルス、水平転送レジスタ216を駆動する水平転送クロックパルスなどの各種タイミング信号が駆動制御信号RCとして供給されて、撮像部21の動作が制御される。
撮像領域211aの光電変換素子212で生成された撮像電荷は、垂直帰線期間中にセンサゲート213を介して各垂直転送レジスタ214に読み出され、この読み出された撮像電荷は、蓄積領域211bの垂直転送レジスタ215に高速転送されて蓄積される。その後、蓄積領域211bに蓄積されている撮像電荷は、水平帰線期間中に1ライン分だけ水平転送レジスタ216に読み出されると共に、この水平転送レジスタ216に読み出された撮像電荷は、信号出力回路217に順次転送される。信号出力回路217は、供給された撮像電荷を電圧信号に変換して出力する。このため、信号出力回路217から1ライン分の画像信号を得ることができる。次の水平走査期間でも同様な処理が行われて、信号出力回路217から次の1ライン分の画像信号を得ることができる。以下同様にして、1フレーム分の画像信号を得ることができる。
その後、垂直帰線期間中に垂直転送レジスタ214の信号の掃き出しを行ってスメア低減を図ったのち、光電変換素子212で生成されている撮像電荷を、センサゲート213を介して各垂直転送レジスタ214に読み出し、上述の処理を行うことで、画像信号Spaを生成できる。
また、撮像部21で用いられている撮像素子はFIT(Frame Interline Transfer)形CCDに限られるものではなく、図11に示すIT(Frame Interline Transfer)形CCD等を用いることもできる。このIT形CCD210bは、FIT形CCDのような蓄積領域211bを有していないものであり、撮像領域211aの光電変換素子212で生成された撮像電荷は、垂直帰線期間中にセンサゲート213を介してバッファ機能を担う垂直転送レジスタ214bに読み出される。この垂直転送レジスタ214bに読み出された撮像電荷は、順次水平帰線期間中に1ライン分だけ水平転送レジスタ216に読み出される。さらに、この水平転送レジスタ216に読み出された撮像電荷をFIT形CCDと同様に処理することで、信号出力回路217から1フレーム分の信号を得ることができ、上述の処理を毎フレーム行うことで画像信号Spaを生成できる。
ここで、画像信号Spaの撮像フレームレートFRpを可変する場合、駆動部71から撮像部21に供給する駆動制御信号RCによって、CCD210,210bでの電荷蓄積期間や撮像電荷の読み出しタイミング等を制御することでフレームレートが可変された画像信号Spaを得ることができる。さらに、CDR方式を用いて撮像フレームレートFRpの可変処理を行うものとすれば、撮像フレームレートFRpを可変しても有効画面期間の画像サイズが変化しない画像信号Spaを生成できる。また、CDR方式を用いることで、撮像フレームレートFRpを用いる各部の動作周波数を撮像フレームレートFRpに応じて可変する必要がなく、構成が簡単となる。
このCDR方式では、図12Aに示すように帰線期間と有効画面期間が設定された画像信号に対して、図12Bに示すように水平帰線期間の長さを調整したり、図12Cに示すように垂直帰線期間の長さを調整することで、有効画面期間の画像サイズを変化させることなく撮像フレームレートFRpを可変した画像信号を生成できる。
図13A〜図13H、図13J〜図13Nは水平帰線期間の長さを調整する場合の動作、図14A〜図14Gは垂直帰線期間の長さを調整する場合の動作を説明するための図である。図13Aは、露光開始タイミングTMs、図13Bは露光終了タイミングTMeを示している。露光開始タイミングTMsの間隔と露光終了タイミングTMeの間隔は、撮像フレームレートFRpのフレーム期間と等しいものであり、露光終了タイミングから次の露光開始タイミングまでの期間は、図13Cに示すように垂直帰線期間V.BLKに対応するものである。また、露光開始タイミングから次の露光終了タイミングまでの期間は露光期間である。
露光期間中に光電変換素子212で生成された撮像電荷は、図13Dに示すように、次の垂直帰線期間V.BLKで図10に示す垂直転送レジスタ215あるいは図11に示す垂直転送レジスタ214bに読み出される。
垂直転送レジスタ215あるいは垂直転送レジスタ214bに読み出された電荷は、図13Gに示す水平読出開始信号TMhの各読出開始パルスを基準として、1ライン分毎に水平転送レジスタ216に読み出されたのち、サンプリング周波数で順次信号出力回路217に供給されて、図13Eに示すように画像信号Spaにおける有効画面期間の1ライン分の信号が生成される。なお、図13Fは垂直同期信号VDを示している。
図13H、図13J及び図13Kは、フレーム期間の一部を拡大して示したものであり、図13Hは水平同期信号HD、図13Jは上述したように有効画面期間の1ライン分の信号の生成の基準である水平読出開始信号TMhを示している。ここで、水平同期信号HDの同期パルスから水平読出開始信号TMhの読出開始パルスまでの期間は、図13Kに示す画像信号Spaにおける水平帰線期間H.BLKに対応するものであり、水平読出開始信号TMhの読出開始パルスから次の水平同期信号HDの同期パルスまでの期間が有効画面期間となる。
図13L〜図13Nは、撮像フレームレートFRpが高いときを示しており、図13Nは水平同期信号HD、図13Mは水平読出開始信号TMhをそれぞれ示している。この場合、水平同期信号HDの同期パルスから水平読出開始信号TMhの読出開始パルスまでの期間である水平帰線期間H.BLKを、図13Kに比べて図13Lに示すように短いものに変更すると、水平同期信号HDの間隔が短くなり撮像フレームレートFRpが高くなる。また、水平読出開始信号TMhの読出開始パルスから次の水平同期信号HDの同期パルスまでの期間を一定とする。すなわちサンプリング周波数と有効画面期間の画素数を一定としておくことで、撮像フレームレートFRpによらず有効画面期間が一定とされた図13Kや図13Lに示すCDR方式の画像信号Spaを生成できる。なお、図13A〜図13H、図13J及び図13Kでは、有効画面期間が1920サンプル×1080ラインで「48P」のときのライン数およびサンプル数、図13L〜図13Nは、有効画面期間が1920サンプル×1080ラインで「60P」のときのライン数およびサンプル数を示している。
次に垂直帰線期間の長さを調整する場合の動作を図14A〜図14Gを用いて説明する。なお図14A〜図14Dは図13A〜図13Dと対応するものである。
垂直転送レジスタ214bあるいは垂直転送レジスタ215に読み出された電荷は、図14Gに示す水平読出開始信号TMhの読出開始パルスを基準として、1ライン分毎に水平転送レジスタ216に読み出されて、この読み出された撮像電荷が信号出力回路217に順次供給されて、図14Eに示すように画像信号Spaが生成される。ここで、図14Fに示す垂直同期信号VDの同期パルスから図14Gに示す各フレームの最初の水平読出開始信号TMhの読出開始パルスまでの期間である垂直帰線期間V.BLKを調整する。また、最初の水平読出開始信号TMhの読出開始パルスから垂直同期信号VDの同期パルスまでの期間を等しくすることで、撮像フレームレートFRpによらず有効画面期間が一定とされた図14Eに示すCDR方式の画像信号Spaを生成できる。
このように、サンプリング周波数と有効画面期間の画素数を一定として、撮像フレームレートFRpに応じて水平帰線期間や垂直帰線期間を可変することで、撮像フレームレートFRpを可変しても有効画面期間が一定とされて画像サイズが変化しない画像信号Spaを生成できる。なお、撮像フレームレートFRpに応じて例えば垂直帰線期間を長くすると、次のフレーム画像が表示されるまでの時間が長くなってちらつき(フリッカー)が目立つおそれがある。このため、撮像フレームレートFRpに応じて水平帰線期間を調整することが好ましい。
また、CCD210,210bでの電荷蓄積期間や撮像電荷の読み出しタイミング等を制御することで撮像フレームレートFRpが可変された画像信号Spaを得るだけでなく、電子シャッター動作を行うこともできる。この場合、制御部61は、駆動部71の動作を制御して、駆動部71から撮像部21に供給する駆動制御信号RCのタイミングを調整することにより、撮像部21で電子シャッター動作を行わせる。例えばシャッター開期間(露光期間)に光電変換素子212で生成された撮像電荷を垂直転送レジスタ214に読み出し、他の期間中に光電変換素子212で生成された撮像電荷は廃棄する。このシャッター開期間に生成された撮像電荷に基づいて画像信号Spaを生成することで、電子シャッター動作が可能となる。また、光電変換素子212で生成された撮像電荷の読み出しをシャッター開期間の開始および終了時に対応させて行うものとし、シャッター開期間の開始時のタイミングで読み出された撮像電荷を無効とし、シャッター開期間の終了時のタイミングで読み出された撮像電荷に基づいて画像信号Spaを生成することでも電子シャッター動作が可能となる。なお、シャッター動作は電子シャッターを用いる場合に限られるものではなく、メカニカルシャッターを用いるものとしたり、液晶等を利用したいわゆる光学的シャッター等を用いることもできる。
次に、フレーム加算部41で行うフレーム加算動作について説明する。図15は、フレーム加算動作を示すフローチャートである。
ステップST11では、初期設定を行う。この初期設定では、RAM414−1〜414−3の何れかを、画像信号DVcの書き込み用である書き込みRAMに指定する。この書き込みRAMの指定は、制御信号CTbによって信号セレクタ413の可動端子Pmを切り換えることで行うことができる。また、加算フレーム数FA分のフレーム加算処理が完了しているか否かを示す外部読み出し可能フラグを設けて、この外部読み出し可能フラグの状態をフレーム加算処理が完了していないことを示すオフ状態とする。
ステップST12では、書き込みRAMに書込制御信号WTaを供給して、書き込みRAMに対しての画像信号DVcの書き込みを開始する。
ステップST13では、読み出し対応処理を行う。この読み出し対応処理は、出力フレームレートFRcで画像信号を出力させるための処理であり、フレーム加算が完了しているときには、フレーム加算によって得られた信号に基づき出力フレームレートFRcの画像信号を生成して出力させる。また、フレーム加算が完了していないときにはブランクフレームとするものである。
図16は、読み出し対応処理を示すフローチャートである。ステップST31では、出力フレームレートFRcである外部読み出し用の垂直同期信号VDcにおける同期パルスが検出されたか否かを判別する。ここで、垂直同期信号VDcの同期パルスが検出されたときにはステップST32に進み、検出されていないときにはステップST35に進む。
ステップST32では、外部読み出し可能フラグがオン状態に設定されているか否かを判別する。ここで、外部読み出し可能フラグがオン状態に設定されていないときには、加算フレーム数FA分の加算が完了した信号がないことからステップST33でブランクフレーム信号を出力してステップST35に進む。また、外部読み出し可能フラグがオン状態に設定されているときにはステップST34に進み加算フレーム数FA分の加算が完了した信号が書き込まれている後述する外部読み出しRAMから、信号の読み出しを開始してステップST35に進む。
ステップST35では、外部読み出し可能フラグのオフ条件を満たすか否かを判別する。ここで、外部読み出しRAMから1フレーム分の信号読み出しが完了したときにはステップST36に進む。また、外部読み出しRAMから1フレーム分の信号読み出しが完了していないときや信号読み出しが行われていないとき、あるいは外部読み出し可能フラグがオフ状態であるときには、読み出し対応処理を終了する。ステップST36では、外部読み出し可能フラグをオフ状態とする。また、外部読み出し可能フラグをオフ状態としたときには、外部読み出しRAMの指定を解除して読み出し対応処理を終了する。
ステップST14では、書き込みRAMに対して1フレーム分の信号書き込みが終了したか否かを判別する。ここで、1フレーム分の信号書き込みが完了していないときにはステップST13に戻り、1フレーム分の信号書き込みが完了したときにはステップST15に進む。
ステップST15では、加算フレーム数FA分のフレーム加算が完了したか否かを判別する。ここで、加算フレーム数FA分のフレーム加算が完了していないときにはステップST16に進み、フレーム加算が完了しているときにはステップST20に進む。
ステップST16では第1のRAM切換処理を行う。この第1のRAM切換処理では、書き込みRAMの切り換えを行い、指定がなされていない他のRAMを書き込みRAMに指定する。また、切り換え前に書き込みRAMとして指定されていたRAMを内部読み出しRAMに指定する。さらに、切り換え前の内部読み出しRAMの指定を解除する。
ステップST17では、入力された画像信号DVcと内部読み出しRAMに書き込まれている信号とを加算して書き込みRAMに書き込む処理を開始してステップST18に進む。ステップST18では、上述の読み出し対応処理を行いステップST19に進む。
ステップST19では、書き込みRAMに対して1フレーム分の信号書き込みが終了したか否かを判別する。ここで、1フレーム分の信号書き込みが完了していないときにはステップST18に戻り、1フレーム分の信号書き込みが完了したときにはステップST15に戻る。
ステップST15において、加算フレーム数FA分のフレーム加算が完了したと判別されてステップST20に進むと、ステップST20では第2のRAM切換処理を行う。第2のRAM切換処理では、書き込みRAMの切り換えを行い、指定がなされていない他のRAMを書き込みRAMに指定する。また、切り換え前の書き込みRAMを外部読み出しRAMに指定する。さらに、切り換え前の内部読み出しRAMの指定を解除する。また、加算フレーム数FA分のフレーム加算が完了していることから、外部読み出し可能フラグをオン状態に設定してステップST12に戻る。
このように、信号書き込みを行いながら書き込みRAMや内部読み出しRAMの切り替えを行い、加算フレーム数FA分のフレーム加算が完了したときには、書き込みRAMを外部読み出しRAMに指定して、外部読み出し可能フラグをオン状態に設定する。また信号の書き込み中に外部読み出し可能フラグの状態を検出して、加算フレーム数FA分のフレーム加算が完了した信号を出力フレームレートFRcで出力させる。
次に、フレーム加算部41の動作を具体的に説明する。図17A〜図17G,図18A〜図18Eは、出力フレームレートFRcを例えば「24P」に設定して、加算フレーム数FAが「2」となる場合の動作を説明するための図である。なお、図17Aは画像信号DVb、図17BはRAM414−1の動作、図17CはRAM414−2の動作、図17DはRAM414−3の動作、図17Eは外部読み出し可能フラグ、図17F,図17Gは画像信号DVjを示している。また、図18A〜図18Eは、制御信号を省略して示しており、太線がフレーム加算部の動作に関する信号の流れを示している。
出力フレームレートFRcを「24P」に設定すると、撮像フレームレートFRpは、上述したように出力フレームレートFRcの2倍である「48P」となる。
画像信号DVbのフレーム「0f」が入力される図17A〜図17Gの時点t1に於いて、制御部61は、図18Aに示すようにフレーム加算部41の信号セレクタ412の可動端子Pmを端子Pa側に設定し、信号セレクタ413の可動端子Pmを端子Pa側に設定する。この場合、RAM414−1が書き込みRAMに指定されて、フレーム「0f」の画像信号は、RAM414−1に供給される。また、制御部61は、RAM414−1に書込制御信号WTaを供給して、フレーム「0f」の画像信号をRAM414−1に記憶させる。
時点t2で画像信号DVjのフレーム開始タイミングとなった場合、すなわち垂直同期信号VDcの同期パルスが検出された場合、外部読み出し可能フラグがオフ状態で、2フレームの画像信号の加算が完了していないことが示されているので、制御部61は信号セレクタ416の可動端子Pmをブランクフレーム設定回路417と接続されている端子Pa側に設定する。このとき、図17Fに示すように、画像信号DVjはブランクフレームとなる。
時点t3でフレーム「0f」が終了してフレーム「1f」の画像信号が入力されるときに、制御部61は、図18Bに示すように信号セレクタ415の可動端子Pmを端子Pa側に設定して、RAM414−1を内部読み出しRAMに指定する。このRAM414−1に読出制御信号RTaを供給して、記憶しているフレーム「0f」の画像信号を読み出す。このとき、加算器411には、フレーム「1f」の画像信号DVbが供給され、RAM414−1から読み出したフレーム「0f」の画像信号が画像信号DVfとして供給される。このため、加算器411は、フレーム「0f」の画像信号とフレーム「1f」の画像信号を加算して加算信号DVgを生成する。また、制御部61は、信号セレクタ412の可動端子Pmを端子Pb側に設定する。さらに、信号セレクタ413の可動端子Pmを例えば端子Pb側に設定することで、RAM414−1を書き込みRAMに指定して、加算信号DVgをRAM414−2に供給する。さらに、制御部61は、RAM414−2に書込制御信号WTaを供給して、フレーム「0f」とフレーム「1f」の画像信号が加算された加算信号DVgをRAM414−2に記憶させる。
時点t4でフレーム「1f」が終了してフレーム「2f」の画像信号DVbが入力されるとき、制御部61は、図18Cに示すように信号セレクタ412の可動端子Pmを端子Pa側に設定し、信号セレクタ413の可動端子Pmを例えば端子Pc側に設定する。このとき、RAM414−3が書き込みRAMに指定されたこととなり、フレーム「2f」の画像信号DVbはRAM414−3に供給される。また、制御部61は、RAM414−3に書込制御信号WTaを供給して、フレーム「2f」の画像信号をRAM414−3に記憶させる。また、時点t4では2フレームの信号加算が終了していることから、図17Eに示すように、外部読み出し可能フラグをオン状態とするとともに、加算信号が記憶されているRAM414−2を外部読み出しRAMに指定する。
次に、外部読み出しRAMが指定されたのち外部読み出し可能フラグがオン状態であるときに、画像信号DVjのフレーム開始タイミングとなった場合、例えば時点t5で画像信号DVjのフレーム開始タイミングとなった場合、制御部61は、信号セレクタ416の可動端子Pmを、図18Dに示すように外部読み出しRAMとして指定されたRAM414−2と接続されている端子Pc側に設定する。また、制御部61は、RAM414−2に読出制御信号RTaを供給して、記憶されている加算信号を読み出して画像信号DVhとしてレベル調整回路418に供給する。さらに、制御部61は、制御信号CTeをレベル調整回路418に供給して、画像信号DVhの信号レベルを「1/加算フレーム数」倍、すなわち加算フレーム数が「2」であることから画像信号DVhの信号レベルを「1/2」倍して画像信号DVjとして出力する。
ここで、画像信号DVjの出力フレームは、撮像装置に接続された外部機器に特別な動作の変更を強いることなく撮像速度の変更が可能なように、外部機器例えばビデオテープレコーダ等に合わせて「60P」で固定して行う。
時点t6でフレーム「3f」の画像信号が入力されるとき、制御部61は、図18Eに示すように信号セレクタ415の可動端子Pmを端子Pc側に設定する。また、RAM414−3に読出制御信号RTaを供給して、記憶しているフレーム「2f」の画像信号を読み出す。このとき、加算器411には、フレーム「3f」の画像信号DVbが供給され、RAM414−3から読み出したフレーム「2f」の画像信号が画像信号DVfとして供給される。このため、加算器411は、フレーム「2f」の画像信号とフレーム「3f」の画像信号を加算して加算信号DVgを生成する。また、制御部61は、信号セレクタ412の可動端子Pmを端子Pb側に設定し、信号セレクタ413の可動端子Pmを例えば端子Pa側に設定して、書き込みRAMとして指定したRAM414−1に加算信号DVgを供給する。さらに、制御部61は、RAM414−1に書込制御信号WTaを供給して、フレーム「2f」とフレーム「3f」の画像信号が加算された加算信号DVgをRAM414−1に記憶させる。
時点t7で、RAM414−2から1フレーム分の信号読み出しが終了したときには、外部読み出し可能フラグをオフ状態とする。また、外部読み出しRAMの指定を解除する。さらに、次の2フレームであるフレーム「2f」とフレーム「3f」の加算が完了していないことから、信号セレクタ416の可動端子Pmを端子Pa側に切り換えて、ブランクフレームを出力させる。
以下同様に、制御部61は、RAM414−1〜RAM414−3と加算器411等を使用して、画像信号DVbを2フレーム加算して加算信号を生成し、この加算信号を画像信号DVjのフレーム開始タイミングで読み出し加算フレーム数に応じて加算信号の信号レベルを調整する。これにより、所望の出力フレームレートFRcに対応する画像信号DVjを得ることができる。すなわち、図17Fに示すように、外部機器に対応したフレームレート「60P」であり、所望の出力フレームレート「24P」で画像が含まれた画像信号DVjを生成することができる。
また、撮像装置に接続された外部機器がフレームレートの可変に対応できるものであれば、所望の出力フレームレート「24P」の画像信号DVjを生成するものとしても良い。この場合、2フレームを加算した加算信号が得られるタイミングが、所望の出力フレームレート「24P」となっていることから、図17Gに示すように、RAM414への加算信号の書き込み終了時(例えば時点t4)に、書き込まれた加算信号の読み出しを行うものとすれば、所望の出力フレームレート「24P」の画像信号DVjを簡単に生成できる。
また、画像信号DVbがCDR方式の信号とされているとき、制御部61は例えば有効画面期間の信号を書き込みRAMに記憶させる。また、画像信号DVjを生成する際に、制御部61は、外部読み出しRAMに記憶されている信号を書き込み時と等しい周波数で読み出すと共に帰線期間を調整して所望の出力フレームレートFRcの画像信号DVjを生成する。この場合、出力フレームレートが可変されても有効画面期間の画像サイズが変化しないようにすることができる。
次に、3フレームの画像信号DVbを加算する場合について図19A〜図19Gおよび図20A〜図20Cを使用して説明する。例えば出力フレームレートを「16P」とする場合、加算フレーム数は「3」となる。このときの撮像フレームレートは、上述したように出力フレームレートの3倍である「48P」となる。なお、図19Aは画像信号DVb、図19BはRAM414−1の動作、図19CはRAM414−2の動作、図19DはRAM414−3の動作、図19Eは外部読み出し可能フラグ、図19F,図19Gは画像信号DVjを示している。また、図20A〜図20Cは、制御信号を省略して示しており、太線がフレーム加算部の動作に関する信号の流れを示している。
画像信号DVbのフレーム「0f」が開始する図19A〜図19Fの時点t11において、制御部61は、信号セレクタ412と信号セレクタ413およびRAM414−1を上述のように制御して、書き込みRAMとして指定したRAM414−1にフレーム「0f」の画像信号DVbを記憶させる。
時点t12で画像信号DVjの出力フレームのフレーム開始タイミングとなり、垂直同期信号VDcの同期パルスが検出された場合、3フレームの画像信号の加算が完了していないことから、制御部61は、信号セレクタ416の可動端子Pmを、ブランクフレーム設定回路417と接続されている端子Pa側に設定する。このとき、図19Fに示すように、画像信号DVjはブランクフレームとなる。
画像信号DVbのフレーム「0f」が終了してフレーム「1f」が開始するタイミングである時点t13において、制御部61は、RAM414−1を内部読み出しRAMとして指定する。また例えばRAM414−2を書き込みRAMに指定し、内部読み出しRAMであるRAM414−1に記憶されているフレーム「0f」の信号とフレーム「1f」の画像信号DVbを加算器411で加算させる。さらに、この加算信号DVgを書き込みRAMであるRAM414−2に記憶させる。
画像信号DVbのフレーム「1f」が終了してフレーム「2f」が開始するタイミングである時点t14となると、制御部61は、3フレームの加算信号を生成するため、書き込みRAMとして指定されていたRAM414−2を内部読み出しRAMに指定して、図20Aに示すように、信号セレクタ415の可動端子Pmを、内部読み出しRAMと接続されている端子Pb側に設定する。また、内部読み出しRAMであるRAM414−2に読出制御信号RTaを供給して、RAM414−2に記憶しているフレーム「0f」とフレーム「1f」との加算信号を読み出す。このとき、加算器411には、フレーム「2f」の画像信号DVbと、RAM414−2から読み出した加算信号が画像信号DVfとして供給される。このため、加算器411は、フレーム「0f」〜フレーム「2f」の画像信号を加算した加算信号DVgを生成する。また、制御部61は、信号セレクタ412の可動端子Pmを端子Pb側に設定し、信号セレクタ413の可動端子Pmを端子Pc側に設定することで、書き込みRAMに指定されたRAM414−3に加算信号DVgを供給する。さらに、制御部61は、RAM414−3に書込制御信号WTaを供給して、フレーム「0f」〜フレーム「2f」の加算信号DVgをRAM414−3に記憶させる。
画像信号DVbのフレーム「2f」が終了してフレーム「3f」が開始するタイミングである時点t15となると、制御部61は、加算フレーム数すなわち3フレームの画像信号DVbを加算した加算信号の生成が完了したことから、書き込みRAMであったRAM414−3を外部読み出しRAMに指定して、外部読み出し可能フラグをオン状態とする。さらに、図20Bに示すように信号セレクタ412の可動端子Pmを端子Pa側に設定し、信号セレクタ413の可動端子Pmを端子Pa側に設定して、書き込みRAMとしたRAM414−1に、フレーム「3f」の画像信号DVbを供給する。また、制御部61は、RAM414−1に書込制御信号WTaを供給して、フレーム「3f」の画像信号をRAM414−1に記憶させる。
次に、RAM414に対して加算信号の書き込みが完了して外部読み出し可能フラグがオン状態であるときに、画像信号DVjのフレーム開始タイミングとなった場合、例えば時点t16で画像信号DVjのフレーム開始タイミングとなった場合、制御部61は、図20Cに示すように信号セレクタ416の可動端子Pmを外部読み出しRAMであるRAM414−3と接続されている端子Pc側に設定する。また、制御部61は、RAM414−3に読出制御信号RTaを供給して、記憶されている3フレーム分の画像信号を加算した加算信号を読み出して画像信号DVhとしてレベル調整回路418に供給する。さらに、制御部61は、制御信号CTeをレベル調整回路418に供給して、画像信号DVhの信号レベルを「1/3」倍して画像信号DVjとして出力させる。
ここで、画像信号DVjの出力フレームは、上述したように撮像装置に接続された外部機器に合わせて「60P」で固定して行う。なお、RAMに対して加算フレーム数分の画像信号を加算した加算信号の書き込みが完了していないとき、あるいは書き込みが完了している加算信号の読み出しが完了しているとき、画像信号DVjの出力フレームのフレーム開始タイミングとなった場合には、この出力フレームをブランクフレームとする。
時点t17で、RAM414−3から1フレーム分の信号読み出しが終了したときには、外部読み出し可能フラグをオフ状態とするとともに、外部読み出しRAMの指定を解除する。さらに、次の3フレームであるフレーム「3f」〜「5f」の加算が完了していないことから、信号セレクタ416の可動端子Pmを端子Pa側に切り換えて、ブランクフレームを出力させる。
以下同様に、制御部61は、RAM414−1〜RAM414−3と加算器411等を使用して画像信号DVbを3フレーム加算して加算信号を生成し、この加算信号を画像信号DVjのフレーム開始タイミングで読み出すことにより、所望の出力フレームレートFRcに対応する画像信号DVjを得ることができる。すなわち、図19Fに示すように、外部機器に対応したフレームレート「60P」であり、所望の出力フレームレート「16P」で画像が含まれた画像信号DVjを生成することができる。
また、撮像装置に接続された外部機器がフレームレートの可変に対応できるものであれば、所望の出力フレームレート「16P」の画像信号DVjを生成するものとしても良い。この場合、3フレームの画像信号を加算した加算信号が得られるタイミングが、所望の出力フレームレート「16P」となっていることから、図19Gに示すように、RAM414に対して加算フレーム数の画像信号を加算した加算信号の書き込みが終了した時に、書き込まれた加算信号の読みだしを行うものとすれば、所望の出力フレームレート「16P」の画像信号DVjを簡単に生成できる。
また、2フレームの画像信号を加算する場合と同様に、有効画面期間の信号を書き込みRAMに記憶させると共に、外部読み出しRAMに記憶されている信号を書き込み時と等しい周波数で読み出して帰線期間を調整することにより、出力フレームレートが可変されても有効画面期間の画像サイズが変化しないようにすることができる。
さらに、フレーム加算部41は、画像信号DVhの信号レベルをレベル調整回路418で「1/加算フレーム数」倍して画像信号DVjを生成することから、画質の低下の少ない画像信号DVjを生成できる。また、フレーム加算部41は、画像信号DVbの信号レベルを加算フレーム数に応じて予め調整してから、フレーム加算処理を行うものとしても良い。この場合には、加算処理やRAMに記憶する信号のビット幅が小さくなることから、レベル調整回路418で画像信号DVhの信号レベルを調整する場合に比べてフレーム加算部41の構成を簡単とすることができる。
ところで、出力フレームレートFRcは、特殊な映像効果を得るために撮像中に可変される場合がある。そこで、撮像中に出力フレームレートを変更する場合の動作を次に説明する。
出力フレームレートを可変する場合、上述したように画像信号の加算処理を行う場合と加算処理を行わない場合がある。例えば図9に示すように、出力フレームレートFRcを「60P≧FRc>30P」の範囲内とするときにはフレーム加算処理が不要であり、出力フレームレートFRcが「30P」以下となるとフレーム加算処理を行う。このため、フレーム加算処理が行われているか否かによって、制御部61は異なる処理を実施する。
図21A〜図21Gは、フレーム加算処理を行わない場合、例えば出力フレームレートを60Pから48Pに変更する場合を示している。この場合、制御部61は、撮像フレームレートFRpの切換を、画像信号DVbのフレーム完了後に行う。また、RAM414−1〜RAM414−3を順次使用して、各RAMに1フレームの画像信号を記憶させ、この記憶された信号の読み出しが行われていない場合に画像信号DVjのフレーム開始タイミングとなったとき、記憶されている画像信号を出力フレームレートFRcで読み出して出力する。
例えば図21Aに示す操作部62からのフレームレート設定信号RSFによって、時点t31で出力フレームレートが「48P」から「60P」に変更されたとき、制御部61は、駆動部71を介して撮像部21を制御し、撮像フレームレートFRpの切換を、図21Bに示す画像信号DVbのフレームが完了する時点t32で行う。図21C,図21D,図21Eは、RAM414−1,RAM414−2,RAM414−3の動作を示しており、制御部61は、この図21Bに示す画像信号DVbを、図21C,図21D,図21Eに示すように1フレーム毎に順次RAM414−1〜RAM414−3に記憶させる。また、例えば時点t41で画像信号DVjのフレーム開始タイミングとなった場合、RAM414−1から記憶されている信号を読み出す。時点t42で画像信号DVjのフレーム開始タイミングとなった場合、RAM414−2から記憶されている信号を読み出し、時点t43で画像信号DVjのフレーム開始タイミングとなった場合、RAM414−3から記憶されている信号を読み出す。また、時点t44で示すように、RAM414−1〜RAM414−3に記憶している画像信号の読み出しが既に終了している場合、このフレームをブランクフレームとする。
このように処理を行うものとすれば、撮像中に出力フレームレートFRcを変更しても、図21Fに示すように、外部機器に対応したフレームレート「60P」であり、変更された出力フレームレートで画像が含まれた画像信号DVjを生成することができる。また、撮像装置に接続された外部機器がフレームレートの可変に対応できるとき、上述の図17Gや図19Gの場合と同様に処理することで図21Gに示すように、変更された出力フレームレートFRcの画像信号DVjを生成できる。
図22A〜図22Gは、フレーム加算処理を行う場合、例えば出力フレームレートFRcを31Pから30P,29P,28Pに変更する場合を示している。この場合、制御部61は、加算フレーム数の画像信号を加算した加算信号を得てから撮像フレームレートFRpおよび加算フレーム数FAの変更を行う。
例えば図22Aに示す操作部62からのフレームレート設定信号RSFによって、時点t51で出力フレームレートFRcが「31P」から「30P」に変更されたとき、制御部61は、駆動部71を介して撮像部21を制御することにより撮像フレームレートFRpの切り換えを、図22Bに示すように画像信号DVbのフレームが完了する時点で行う。なお、図22C,図22D,図22Eは、RAM414−1,RAM414−2,RAM414−3の動作を示している。
ここで、図9に示すように、出力フレームレートFRcが「31P」であるときの撮像フレームレートFRpは「31P」、出力フレームレートFRcが「30P」であるときの撮像フレームレートFRpは「60P」である。このため、制御部61は、時点t52で撮像フレームレートFRpを「31P」から「60P」に切り換える。また、制御部61は、撮像フレームレートFRpが「31P」であるときのフレーム「1f」の画像信号DVbを、例えば図22Cに示すようにRAM414−1に記憶させる。さらに、出力フレームレートFRcが「31P」から「30P」に変更されたことにより加算フレーム数FAは「1」から「2」に変更される。このため、制御部61はフレーム加算部41の動作を制御して、上述したように2フレームの画像信号DVbを加算して加算信号を生成し、この加算信号を画像信号DVjとして出力する処理を行う。
時点t53で出力フレームレートFRcが「30P」から「29P」に変更されたとき、このときの画像信号DVbのフレームは時点t54で完了する。しかし、時点t54では、2フレームの画像信号を加算する処理が完了していない。このため、制御部61は、2フレームの画像信号の加算が完了する時点である次のフレームの完了時、すなわち時点t55で撮像フレームレートFRpを「60P」から「58P」に切り換える。このように、フレーム加算処理が完了してから撮像フレームレートFRpの変更を行うため、図22Fに示すように、画像信号DVjは、操作部62で可変された出力フレームレートに応じた正しい画像信号となる。また、図22Gは、撮像装置に接続された外部機器がフレームレートの可変に対応できるとき、変更された出力フレームレートの画像信号DVjを生成した場合を示している。
このように、加算フレーム数の画像信号の加算処理が完了したのちに撮像フレームレートを切り換えることで、所望の出力フレームレートでの画像信号を正しく出力させることができる。
また、上述の実施の形態では、画像信号DVbがプログレッシブ走査方式の信号である場合を示したが、画像信号DVbはインタレース走査方式の信号であっても良い。図23Aは、図23Bに示すプログレッシブ走査方式の画像信号DVbに対する垂直同期信号VDbを示している。ここで、垂直同期信号VDbの同期パルスを基準として図23Bに示す画像信号DVbと図23Cに示す内部読み出しRAMから読み出された信号とを加算すると、ライン位置の等しい信号を加算できる。
画像信号がインタレース走査方式の信号である場合、垂直同期信号VDb−iは図23Dに示すものとなり、画像信号DVb−iは図23Eに示すものとなる。ここで、垂直同期信号VDb−iの同期パルスを基準として図23Eに示す画像信号DVbと図23Fに示す内部読み出しRAMから読み出された信号とを加算すると、ライン位置の異なる信号が加算されて垂直解像度が低下してしまう。したがって、インタレース走査方式の信号を用いる場合、図23Gに示すように、垂直同期信号VDb−iから括弧で示す同期パルスを無効として、垂直同期信号VDb−iの同期パルスをフレーム単位で用いるものとし、このフレーム単位の同期パルスを基準として、図23Hに示す画像信号DVbと図23Jに示す内部読み出しRAMから読み出された信号とを加算する。このように加算処理を行うと、ライン位置の等しい信号が加算されることとなり、インタレース走査方式であってもプログレッシブ走査方式の場合と同様にライン位置の等しい信号を加算できる。
ところで、撮像装置では、単に画像を撮像するだけでなく低速度撮像時でもシャッター機能を用いた撮像が行われる。ここで、撮像部21での電荷蓄積期間を調整して電子シャッター動作を行うものとした場合、上述のように複数フレームの画像信号を加算すると、従来のようにフレーム毎にCCDの電荷蓄積期間をシャッター速度に応じて制御すると、後述するように撮像画像に偽輪郭ができてしまう場合がある。このため、電子シャッター動作を行う場合、設定されたシャッター開期間と加算フレーム数に基づいてCCDの電荷蓄積期間を制御する。また、フレーム加算部41は、CCDでの電荷蓄積期間の制御に応じたフレーム加算処理を行う。
このCCD電荷蓄積期間の制御では、加算フレーム数の期間に対してシャッター開期間を連続して設定する。例えば、出力フレームレートを「20P」に設定したとき、図9から加算フレーム数FAが「3」で撮像フレームレートFRpは「60P」となる。ここで、シャッター開期間を出力フレームレートに対して所望の割合例えば図24Aに示すように50%とした場合、時点t61から時点t67までの出力フレームレートの1フレーム期間で図25Aに示すように被写体OBbが位置PJ11から位置PJ17まで移動するとき、シャッター開期間中では図25Bに示すように被写体OBbが位置PJ11から位置PJ14に移動して、PLラインの画像信号SLeは図25Cに示すものとなる。
撮像部21で撮像フレーム毎にシャッター開期間を設けると、上述のように所望の割合としてシャッター開期間を50%とした場合、図24Bに示すように、撮像フレームレートFRpが「60P」であるとき、時点t61から時点t62までのシャッター開期間中は、図25Dに示すように被写体OBbは位置PJ11から位置PJ12に移動して、PLラインの画像信号SLfは図25Eに示すものとなる。また、時点t63から時点t64までのシャッター開期間中は、図25Fに示すように被写体OBbは位置PJ13から位置PJ14に移動して、画像信号SLgは図25Gに示すものとなり、時点t65から時点t66までのシャッター開期間中では、図25Hに示すように被写体OBbは位置PJ15から位置PJ16に移動して、画像信号SLhは図25Jに示すものとなる。このため、3フレーム分の画像信号を加算した画像信号SLjは図25Kに示すものとなり、偽輪郭が生じた画像となってしまう。そこで、図24C〜図24Eに示すように、加算フレーム数の期間に対してシャッター開期間を連続した50%の期間とする。
このシャッター開期間は、連続していれば加算されるフレームの期間(以下「加算フレーム期間」という)内のいずれの位置に設けるものとしても良い。例えば図24Cに示すように、フレーム「FC−1」〜「FC−3」が加算されるときには、フレーム「FC−1」の開始からフレーム「FC−3」の終了までが加算フレーム期間とされて、この加算フレーム期間の先頭側からシャッター開期間を設けるものとする。あるいは、図24Dに示す様に加算フレーム期間の最後の部分にシャッター開期間を設けることもできる。さらに、図24Eに示す様に加算フレーム数の期間の中央部分にシャッター開期間を設けるものとしてもよい。
この図24Cに示す場合、CCDはフレーム「FC−1」の期間中、シャッター開動作を行う。このシャッター開動作では、電荷蓄積を行い蓄積された電荷に基づき画像信号を生成して出力する。またフレーム「FC−2」の期間中は、フレーム「FC−2」の開始である時点t71から時点t72までの期間、シャッター開動作を行う。その後、時点t72からフレーム「FC−2」の終了である時点t73は、シャッター閉動作として、画像信号の生成を行わないものとする。フレーム「FC−3」の期間中に蓄積された電荷は画像信号として用いることがないので、フレーム「FC−3」の期間はシャッター閉動作とする。また、フレーム加算部41は、フレーム「FC−1」〜フレーム「FC−3」までに生成された画像信号を加算する。このようにすると、偽輪郭の無い撮像画像を得ることができる。
また、図24Dに示す場合には、図24CのCCDとは逆に、シャッター閉動作を行って、その後シャッター開動作を行うことで偽輪郭の無い撮像画像を得ることができる。さらに、図24Eに示すように、フレーム「FC−1」の期間中の途中からシャッター開動作を行い、シャッター開期間の終了時点でシャッター開動作を終了しても、偽輪郭の無い撮像画像を得ることができる。
また、メカニカルシャッターや光学的シャッターを用いて図24C〜図24Eに示すような連続したシャッタ開期間を設ければ、電子シャッターの場合と同様に、偽輪郭の無い撮像画像を得ることができる。
次に、フレームレート変換部51の動作について説明する。上述のように出力フレームレートを変更して低速度撮像を行うものとした場合、この出力フレームレートの画像信号を用いて画像表示装置、例えば電子ビューファインダーに撮像画像を表示すると画像の更新間隔が長くなってしまう。そこで、フレームレート変換部51は、画像信号DVbに基づいてモニタフレームレートの画像信号を生成する。
図26は、図5に示すフレームレート変換部51のフレームレート変換動作を示すフローチャートである。ステップST51では画像信号DVbの垂直同期信号VDbにおける同期パルスが検出されたか否かを判別する。ここで垂直同期信号VDbの同期パルスが検出されたときにはステップST52に進む。また、検出されないときにはステップST56に進む。
ステップST52では、書き込みRAMの指定、すなわち画像信号DVbを記憶するRAMが、RAM512a,512bのいずれかに指定されているときにはステップST53に進み、指定されていなときにはステップST54に進む。
ステップST53では、指定されていない他方のRAMを書き込みRAMに指定してステップST55に進む。ステップST54では、RAM512a,512bのいずれか一方を書き込みRAMに指定してステップST55に進む。ステップST55では、指定された書き込みRAMに対して1フレーム分の画像信号DVbの書き込みを開始してステップST56に進む。
ステップST56では、画像表示装置に供給する画像信号に応じた垂直同期信号VDrの同期パルスが検出されたか否かを判別する。ここで、垂直同期信号VDrの同期パルスが検出されていないときにはステップST51に戻る。また、検出されたときにはステップST57に進む。
ステップST57では、書き込みRAMに指定されているRAMを読み出しRAMとしても指定してステップST58に進む。ステップST58では、読み出しRMAから1フレーム分の信号読み出しを開始してステップST51に戻る。
図27A〜図27Fは、フレームレート変換部51のフレームレート変換動作を説明するための図である。図27Aは、図27Bに示す画像信号DVbの垂直同期信号VDbである。図27CはRAM512aの動作、図27DはRAM512bの動作を示している。
ここで、最初に書き込みRAMが指定されていないときには、何れか一方例えばRAM512aを書き込みRAMに指定して、このRAM512aに画像信号DVbのフレーム「0f」の信号を記憶させる。また、1フレーム分の信号が記憶されて、時点t82で垂直同期信号VDbの同期パルスが検出されると、書き込みRAMがRAM512bに切り換えられて、画像信号DVbのフレーム「1f」の信号がRAM512bに記憶される。また、時点t83で垂直同期信号VDbの同期パルスが検出されると、書き込みRAMがRAM512aに切り換えられて、画像信号DVbのフレーム「2f」の信号がRAM512aに記憶される。以下同様にして、画像信号DVbがフレーム単位で交互にRAM512aあるいはRAM512bに記憶される。
図27Fは、モニタフレームレートの垂直同期信号VDrを示しており、時点t81で垂直同期信号VDbの同期パルスが検出されると、書き込みRAMであるRAM512aを読み出しRAMに指定して、RAM512aからフレーム「0f」の信号を読み出して図27Eに示す画像信号DVrを生成する。また、時点t84で垂直同期信号VDbの同期パルスが検出されると、書き込みRAMであるRAM512aを読み出しRAMに指定して、RAM512aからフレーム「2f」の信号を読み出して画像信号DVrとする。以下同様に処理することで、モニタフレームレートの画像信号DVrを生成できる。
ここで、RAM512a,512bとして、書き込みと読み出しを同時に行うことができるRAM例えばデュアルポートRAMを用いることで、画像信号DVbを書き込みながら画像信号DVrを出力できる。また、書き込みと読み出しを同時に行うことができないRAMをRAM516a,516bとして用いるとき、すなわち、図6に示すようにフレームレート変換部を構成したときには、図28A〜図28Dを用いて説明する動作を行うことで、モニタフレームレートの画像信号DVrを生成できる。
図28Aは、1画素を示すサンプリング周波数の基準信号PCLK、図28Bは画像信号DVb、図28Cはレジスタ514から出力された画像信号DVpを示している。ここで、RAM516a,516bは画像信号DVbの2倍の入力ビット幅を有していることから、図28Dに示すように画像信号DVb、DVpを1つの信号として書き込むことで、2画素期間の信号を1画素期間で書き込むことができる。例えば画像信号DVbの画素P1と画素P2の信号を1画素の信号DWa(1,2)として書き込むことができる。したがって、書き込まれている2画素分単位の信号を、書き込みの空き時間を利用して、モニタフレームレートに応じたフレーム開始タイミングで読み出して信号DWb(n,n+1)・・・とする。このように処理することで、書き込みと読み出しを同時に行うことができないRAMを用いても、ほぼ同時に書き込みと読み出しを行うことが可能となり、モニタフレームレートの画像信号DVrを生成できる。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明に係る撮像装置および撮像方法は、撮像フレームレートの画像信号を生成して、この撮像フレームレートの画像信号を用いてフレーム加算を行う。ここで、撮像フレームレートが所定範囲内で可変されてもフレームレート設定信号に基づいた出力フレームレートの画像信号が得られないときには、フレーム加算での加算フレーム数の切り換えも行い、撮像フレームレートの画像信号からフレームレート設定信号に基づいた出力フレームレートの画像信号を生成する。また、シャッター動作を行うときには、加算されるフレームの期間に対してシャッター開期間を連続して設定し、撮像フレームレートの画像信号の生成を行うので、フレーム加算時に偽輪郭等が生じることがない。このため、撮像フレームレートを低下させることなく低速度撮像を行うことができるので、低速度撮像時に撮像素子への入射光量を絞る必要が無く、良好な画質の撮像画像を得ることができ、可変速フレームレートでの撮像等に好適である。また、可変速フレームレートでの撮像等においてシャッター動作を行う場合にも好適である。
【図面の簡単な説明】
図1A〜図1Cは、撮像速度と電荷蓄積量の関係を示す図である。
図2A〜図2H、図2J〜図2Lは、動作原理を説明するための図である。
図3は、撮像装置の構成を示す図である。
図4は、フレーム加算部の構成を示す図である。
図5は、フレームレート変換部の構成を示す図である。
図6は、フレームレート変換部の他の構成を示す図である。
図7A〜図7Gは、フレーム加算前とフレーム加算後の輪郭補償処理を説明するための図である。
図8は、出力フレームレートFRcに応じた加算フレーム数FAと撮像フレームレートFRpの設定動作を示すフローチャートである。
図9は、加算切換情報と撮像フレームレートを示す図である。
図10は、FIT形CCDの概略構成を示す図である。
図11は、IT形CCDの概略構成を示す図である。
図12A〜図12Cは、CDR方式を用いた場合の帰線期間と有効画面期間を示す図である。
図13A〜図13H、図13J〜図13Nは、水平帰線期間の長さを調整する場合の動作を説明するための図である。
図14A〜図14Gは、垂直帰線期間の長さを調整する場合の動作を説明するための図である。
図15は、フレーム加算動作を示すフローチャートである。
図16は、読み出し対応処理を示すフローチャートである。
図17A〜図17Gは、加算フレーム数が「2」の場合の動作を示す図である。
図18A〜図18Eは、加算フレーム数が「2」の場合での信号セレクタ設定位置を示す図である。
図19A〜図19Gは、加算フレーム数が「3」の場合の動作を示す図である。
図20A〜図20Cは、加算フレーム数が「3」の場合での信号セレクタ設定位置を示す図である。
図21A〜図21Gは、出力フレームレートの可変動作(加算フレーム数が変化しない場合)を説明するための図である。
図22A〜図22Gは、出力フレームレートの可変動作(加算フレーム数が変化する場合)を説明するための図である。
図23A〜図23H及び図23Jは、インタレース走査方式の場合のフレーム加算方法を示す図である。
図24A〜図24Eは、フレーム加算時のシャッター動作を説明するための図である。
図25A〜図25H、図25J及び図25Kは、シャッター動作時での撮像画像の画像信号を示す図である。
図26は、フレームレート変換動作を示すフローチャートである。
図27A〜図27Fは、フレームレート変換部の動作を説明するための図である。
図28A〜図28Dは、フレームレート変換部の他の構成の動作を説明するための図である。
Claims (19)
- 被写体を撮像して撮像フレームレートの画像信号を生成する撮像手段と、
前記撮像フレームレートの画像信号に対してフレーム加算を行い出力フレームレートの画像信号を生成する加算処理手段と、
出力フレームレート設定状態に応じて、前記撮像手段における撮像フレームレートの可変制御、および/または前記加算処理手段におけるフレーム加算での加算フレーム数の切換制御を行い、前記出力フレームレートの画像信号を、前記出力フレームレート設定状態に基づいたフレームレートとする制御手段とを有する撮像装置。 - 前記撮像手段は、CDR(Common Data Rate)方式を用いて前記撮像フレームレートの画像信号を生成する請求の範囲第1項記載の撮像装置。
- 前記撮像手段は、前記被写体を撮像して得た撮像信号に付加する帰線期間の長さを制御することにより、前記撮像フレームレートの可変制御を行う請求の範囲第1項記載の撮像装置。
- 前記撮像手段は、マトリクス状に配置された複数の光電変換素子と、該複数の光電変換素子から読み出された電荷を垂直転送する垂直転送部と、前記垂直転送部からの電荷を水平転送する水平転送部とを有する撮像素子からなり、
前記制御手段は、前記撮像手段の垂直転送部と水平転送部の転送動作を制御して、前記帰線期間の長さを制御する請求の範囲第3項記載の撮像装置。 - 前記制御手段は、前記撮像フレームレートを前記出力フレームレート以上の速さとする請求の範囲第1項記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、前記出力フレームレートに応じて前記加算フレーム数の切り換えを行うことで、前記撮像フレームレートの可変範囲を所定範囲に制限する請求の範囲第1項記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、前記撮像フレームレートの可変範囲を所定範囲に制限するための加算切換情報を記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記加算切換情報に基づいて、前記撮像手段と前記加算処理手段を制御する請求の範囲第1項記載の撮像装置。 - 前記加算処理手段から出力される画像信号に対してプロセス処理を行う出力信号処理手段をさらに設けた請求の範囲第1項記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、シャッター動作を行うときに、前記加算処理手段で加算されるフレームの期間に対してシャッター開期間を連続して設定し、前記撮像手段で前記シャッター開期間の画像信号を生成させる請求の範囲第1項記載の撮像装置。
- 前記出力フレームレート設定状態を決定する操作手段をさらに設けた請求の範囲第1項記載の撮像装置。
- 被写体を撮像して撮像フレームレートの画像信号を生成し、
前記撮像フレームレートの画像信号に対してフレーム加算を行い出力フレームレートの画像信号を生成し、
出力フレームレート設定状態に応じて、前記撮像フレームレートの可変制御、および/または前記フレーム加算での加算フレーム数の切換制御を行い、前記出力フレームレートの画像信号を、前記出力フレームレート設定状態に基づいたフレームレートとする撮像方法。 - 前記撮像フレームレートの画像信号は、CDR(Common Data Rate:共通サンプリング周波数方式)方式の画像信号である請求の範囲第11項記載の画像信号生成方法。
- 前記被写体を撮像して得た撮像信号に付加する帰線期間の長さを制御することにより、前記撮像フレームレートの可変制御が行われる請求の範囲第11項記載の撮像方法。
- マトリクス状に配置された複数の光電変換素子と、該複数の光電変換素子から読み出された電荷を垂直転送する垂直転送部と、前記垂直転送部からの電荷を水平転送する水平転送部とを有する撮像素子によって、前記撮像フレームレートの画像信号が生成され、
前記垂直転送部と前記水平転送部の転送動作を制御することにより、前記帰線期間の長さが制御される請求の範囲第13項記載の撮像方法。 - 前記撮像フレームレートは前記出力フレームレート以上の速さである請求の範囲第11項記載の撮像方法。
- 前記切換制御を行うステップでは、前記出力フレームレートに応じて前記加算フレーム数の切り換えを行うことで、前記撮像フレームレートの可変範囲が所定範囲に制限される
ことを特徴とする請求の範囲第11項記載の撮像方法。 - 前記切換制御を行うステップでは、前記撮像フレームレートの可変範囲を所定範囲に制限するための加算切換情報に基づいて、前記撮像フレームレートの可変制御、および/または前記フレーム加算での加算フレーム数の切換制御が行われる
ことを特徴とする請求の範囲第11項記載の撮像方法。 - 前記出力フレームレートの画像信号に対してプロセス処理を行うステップをさらに有する請求の範囲第11項記載の撮像方法。
- シャッター動作を行うときに、前記撮像フレームレートの画像信号を生成するステップでは、前記フレーム加算で加算されるフレームの期間に対してシャッター開期間が連続して設定され、該シャッター開期間の画像信号が生成される請求の範囲第11項記載の撮像方法。
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