JPWO2003042683A1 - Fet型センサと、そのセンサを用いたイオン濃度検出方法及び塩基配列検出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、MOS電界効果型トランジスタ(FET)のゲート絶縁膜上にイオンに感応するセンシング部を形成し、このセンシング部の表面の電位の変化に基づくチャネルの電位レベルの変化量を検出して、イオン濃度を検出するFET型センサの構造と、そのセンサ構造を用いたイオン濃度検出方法及び塩基配列検出方法に関するものである。
背景技術
これまで集積回路技術を用いた化学センサとして、FETの原理による種々のセンサが開発されてきた。このFET型センサは、電気化学的な電位変化を検出するものであり、一例として、水素イオン濃度を検出するイオンセンシティブFET(ISFET)と呼ばれている。
ISFETは、MOSFETのゲート絶縁膜上にイオンに感応するセンシング部を形成したものであり、このISFETを水溶液中に浸け、センシング部の電位の変化に基づくチャネルコンダクタンスの変化量を検出して、水溶液中の水素イオン濃度を求めるように構成されている。
しかし、ISFETは、感度が低く(ネルンストの式から求められる理論的最大感度は59mV/pHである)、時間的に出力が不安定であり、イオン濃度を高精度に検出できないという問題があった。一方、生化学測定分野においては、ISFETの感度を向上することができれば、例えばオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション(核酸雑種分子形成)の発生の有無を検出し、検体の塩基配列の決定に用いることなどが期待されている。
ハイブリダイゼーション分析とは、同定、検出及び単離すべき核酸(標的核酸)と相補的である一本鎖核酸(プローブ)を用意し、試料の一本鎖核酸がプローブとハイブリダイズしたか否かを検出し、又はハイブリダイズした二本鎖核酸の量を測定するものである。
このハイブリダイゼーション分析にゲル電気泳動を適用し、核酸の塩基配列を調べる方法としてサザン・プロット法がある。サザン・プロット法においては、まず、所定長さの二本鎖DNA断片をゲル電気泳動にかけ、ゲルをアルカリ性の液に浸し、電気泳動により分離された二本鎖を、バンドを保持した状態で一本鎖にする。これをDNA結合用のシートに写し取る。そして、ハイブリッド形成液に前記シートを浸し、放射能を有したプローブを加え、加温してハイブリダイズさせる。これにより、どのバンドがどのプローブと結合したかが判り、プローブと相補性がある塩基配列を有するバンドを検出することができる。しかし、この方法は、処理が煩雑であって時間及びコストがかかるという本質的な問題がある。したがって、前述のようにISFETにおいて感度を向上させ、これをハイブリダイゼーション分析等の生化学的測定に適用できる方途を探ることこそ急務である。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ISFETのセンシング部の表面電位の変化に基づくセンシング部直下のポテンシャル井戸の深さの変化をドレインに電荷として転送することを繰り返し、ドレインに電荷が累積されるべく構成したことにより、センシング部の表面電位の変化が微量であっても確実に検出し、高感度にイオン濃度の変化を検出することができるという原理を利用したイオン型センサの構造と、そのセンサ構造によるイオン濃度検出方法を提供しようとするものである。
上記のように、ソースからドレインへの電荷の転送をn回行って電荷を累積した場合、ドレイン電位の変化量はn倍となるのに対し、ノイズは一般にランダムな値であって、√n倍しか増加せず、従ってS/N比はn/√n=√n倍となり、その分だけ感度が高くなる。これにより、センシング部の表面電位の変化に基づくその直下のポテンシャル井戸の深さの変化は微量であっても、それを累積して確実に検出し、高感度にイオン濃度の変化を検出することができる。
上記の電荷累積原理に係るISFETの基本構造については、先に本発明者等が発明し、平成12年9月27日に「累積型化学・物理現象検出装置」と題して出願(特願2000−293669号)したものの実施形態として記載されている。この先願において開示された構造は、上記MOSFETのゲート絶縁膜上のゲートを二分割し、その分割間隔にイオン感応膜(センシング部)を挿入した構造のISFETにおいて、ドレイン電位をリセットするリセット・トランジスタを組み込んだものである。
従って、本発明の一つの目的は、ISFETのセンシング部に、試料中の検体と反応若しくは結合し、又は検体の反応の触媒となる物質を固定することにより、前記反応又は結合に基づくイオン濃度の変化を正確に検出し、試料中の検体の有無又は含有量等を正確に検出できるFET型センサ及びイオン濃度検出方法を提供することである。
また、本発明の別の目的は、ISFETのセンシング部に、標的核酸と相補的である一本鎖核酸を固定することにより、センシング部の表面電位の変化に基づくセンシング直下の半導体基板の表面の電位の変化が微量であっても確実に検出し、高感度に試料中の核酸と一本鎖核酸との間のハイブリダイゼーションの発生の有無を検出することができ、PCR法によりDNAを増量させることなく、簡便に、短時間に、低コストに塩基配列を決定することができるFET型センサ及び塩基配列検出方法を提供することである。
更に、本発明の他の目的は、前記ISFETを複数含むことにより、一度に複数のハイブリダイゼーションの発生の有無を検出することができ、簡便に、短時間に、試料中の核酸の塩基配列を決定することができるイオンセンサを提供することである。
一方、本発明は、ISFETがnチャネルによって電子を流す方が、pチャネルによって正孔を流すよりも伝送速度が早くなるために、npn構造を採用し、その結果、入/出力ゲート間のセンシング部下方に生成されるポテンシャル井戸の深さが、センシング部に作用する相対的なプラスイオン/マイナスイオン濃度の大きさに依存し、プラスイオン濃度が低いか又はマイナスイオン濃度が優勢の場合に井戸が浅くなるか、或いは形成できないというISFET構造上の欠点を克服しようとするものである。
発明の開示
本発明は、第1の課題を解決するため、P型又はN型半導体基板の表面側に所定の間隔を置いて形成された、基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部及び浮遊拡散部と、
前記入力ダイオード部から浮遊拡散部までの間に形成されるべき導通チャネルの始端及び終端にそれぞれ対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定された入力ゲート及び出力ゲートと、
前記チャネルの中間部に対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたイオン感応膜からなるセンシング部と、
前記浮遊拡散部の、前記チャネルから離れた側に連なる前記基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたリセットゲートと、
前記リセットゲートにおける前記浮遊拡散部から離れた側の前記基板表面部に形成された、基板と逆型の拡散領域からなるリセットダイオード部とを備え、
前記センシング部に、同部内の試料液中の検体と反応もしくは結合し又は検体の反応の触媒となる物質を固定し、その結果、前記センシング部に作用するイオン濃度に応じて変化したポテンシャル井戸の深さと、そのポテンシャル井戸からの汲み出し回数に応じ、電位リセット後の前記浮遊拡散部が蓄積する電荷量を、電位変化として検出するようにしたFET型センサを構成したものである。
本発明は、第2の課題(ハイブリダイゼーション検出)を解決するため、センシング部に固定する物質を、検体と相補的である一本鎖核酸としたものである。これにより、PCR法等でDNAを増量させることなく、簡便且つ短時間、及び低コストで試料中の標的核酸の存在をことができ、これによって容易に塩基配列を決定することができる。
本発明は、第3の課題(複数のハイブリダイゼーション検出)を解決する手段として、P型又はN型半導体基板の表面側に所定の間隔を置いて形成された、基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部及び浮遊拡散部と、
前記入力ダイオード部から浮遊拡散部までの間に形成されるべき導通チャネルの始端及び終端にそれぞれ対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定された入力ゲート及び出力ゲートと、
前記チャネルの中間部に対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたイオン感応膜からなるセンシング部と、
前記浮遊拡散部の、前記チャネルから離れた側に連なる前記基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたリセットゲートと、
前記リセットゲートにおける前記浮遊拡散部から離れた側の前記基板表面部に形成された、基板と逆型の拡散領域からなるリセットダイオード部と、を備えてなるFET型センサ素子を、同一半導体基板上において複数個並列的に形成したものであって、
各センサ素子の入力ゲートと、リセットゲート及びリセットダイオードが、それら全素子間に延びる単一の入力ゲート、単一のリセットゲート及び単一のリセットダイオードより共通的に形成されたものであることを特徴とするFET型センサを構成したものである。
本発明は、第4の課題(nチャネル型FET構造上の制約の克服)を解決する手段として、P型又はN型半導体基板の表面側に所定の間隔を置いて形成された、基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部及び浮遊拡散部と、
前記入力ダイオード部から浮遊拡散部までの間に形成されるべき導通チャネルの中間部及び終端部にそれぞれ対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定された入力ゲート及び出力ゲートと、
前記チャネルの入力端に対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたイオン感応膜からなるセンシング部と、
前記浮遊拡散部の、前記チャネルから離れた側に連なる前記基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたリセットゲートと、
前記リセットゲートにおける前記浮遊拡散部から離れた側の前記基板表面部に形成された、基板と逆型の拡散領域からなるリセットダイオード部とを備え、
前記センシング部に作用するイオン濃度に応じて変化したポテンシャル井戸の深さと、そのポテンシャル井戸からの汲み出し回数に応じ、前記浮遊拡散部が電位リセット後において蓄積する電荷量を、電位変化として検出するようにしたFET型センサを構成したものである。
上記のFET型センサにおいては、入力ゲートの下側に安定的に形成されるポテンシャル井戸の入口(電荷のすり切りレベル)の高さが、このゲートと入力ダイオード(電荷供給部)との間に位置するセンシング部のポテンシャルにより与えられるというメカニズムにおいて、ポテンシャル井戸の深さ(容量)を設定するものである。
試料のイオン濃度によるポテンシャル井戸の深さを、基本形の如く底面レベルにより決するのでなく、入口レベルにより決する上記のFET型センサにおいても、前記センシング部に、検体と反応もしくは結合し又は検体の反応の触媒となる物質を固定する場合において、その固定体を、検体と相補的である一本鎖核酸とすれば、試料中の核酸とその一本鎖核酸と間の間のハイブリダイゼーションの発生の有無を検出しうることは勿論である。この場合は、負に帯電した核酸同士の結合として、マイナスイオン濃度が高くなるハイブリダイゼーションの発生をより高感度に検出することができる。
また上記のFET型センサにおいても、同一半導体基板上において複数個並列的に形成する構造とし、各センサの入力ゲートと、リセットゲート及びリセットダイオードが、それら全センサ素子間に延びる単一の入力ゲート、単一のリセットゲート及び単一のリセットダイオードより共通的に形成されたものであれば、これをもって、試料中の核酸構造を測定できることは明らかである。
本発明は更に、基本構造の累積型ISFETと、上記第4の課題解決手段であるセンシング部で、ポテンシャル井戸入口レベルを規定する構造の累積型ISFETを同一基板に並列配置したことにより、プラスイオン及びマイナスイオンの双方に渡る測定範囲の広いFET型センサとして、P型又はN型半導体基板の表面側に所定の間隔を置いて、基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部及び浮遊拡散部を形成するとともに、前記浮遊拡散部を第1ドレインと第2ドレインに二分割するとともに、前記入力ダイオード部を前記二分割に対応する部分を有する共通ソースとして、これらのソース−ドレイン間の基板表面部に第1及び第2の互いに並列したチャネルが形成されるようにし、
前記第1及び第2ドレインを構成する浮遊拡散部の、前記二チャネルと背反する側に、同部と小間隔を置いて、基板と逆型の拡散領域からなる共通リセットダイオードを形成するとともに、前記小間隔内の基板表面上に絶縁膜を介して共通リセットゲートを固定し、
前記第1チャネルの両端に対応した基板表面上の位置に、それぞれ絶縁膜を介して入力ゲート及び出力ゲートを固定するとともに、同チャネルの中間部に対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介してイオン感応膜からなるセンシング部を固定し、
前記第2チャネルの中間部、及び終端部にそれぞれ対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して入力ゲート及び出力ゲートをそれぞれ固定するとともに、同チャネルの始端部に対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介してイオン感応膜からなるセンシング部を固定し、
前記第1チャネル及び第2チャネル上の各センシング部に作用するイオン濃度に応じて変化したポテンシャル井戸の深さと、そのポテンシャル井戸からの汲み出し回数に応じ、前記浮遊拡散部の第1及び第2ドレインが電位リセット後において蓄積する電荷量を、電位変化として検出するようにした構造を提供する。
本発明は更に、上記複合型のセンサを、同一半導体基板上において、複数個形成し、これによって検体中の、複数の相補性核酸構造等を同時に効率よく検出できるようにしたものである。
本発明は、以上の構成に係るイオンセンサを用いることにより、特に生化学分野においては、測定した試料に所定の細菌又は病気に特有の塩基配列を有する核酸が含まれるかどうかを判断して、容易且つ確実に細菌又は病気の有無、及び細菌の含有量等を検出すること、また環境ホルモンやダイオキシン関連物質の測定にも新たな道を開くものである。
本発明はまた、半導体基板上に、その基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部及び浮遊拡散部を所定の間隔で形成し、その間隔内の基板表層部に形成されるべき導通チャネルの中間又は始端に対応する基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定され且つ表面に露出したイオン感応膜からなるセンシング部を備え、前記導通チャネルの中間において前記センシング部に作用するイオン濃度に応じてその深さが変化するポテンシャル井戸を形成し、前記浮遊拡散部でそのポテンシャル井戸からのくみ出し量に応じた電荷量を測定するようにしたFET型センサを用い、前記電荷量の測定値から、センシング部に関連して固定した1本鎖核酸と検体とのハイブリダイゼーションの有無、又はセンシング部に関連して固定した抗原又は抗体と検体との適合性を検出する方法を提供するものである。
本発明は更に、半導体基板上に、その基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部及び浮遊拡散部を所定の間隔で形成し、その間隔内の基板表層部に形成されるべき導通チャネルの中間又は始端に対応する基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定され且つ表面に露出した金膜を有するセンシング部を備え、前記導通チャネルの中間において前記センシング部に作用するイオン濃度に応じてその深さが変化するポテンシャル井戸を形成し、前記浮遊拡散部でそのポテンシャル井戸からのくみ出し量に応じた電荷量を測定するようにしたFET型センサを用いる塩基配列検出方法であって、
前記センシング部の近傍における基板表面において、少なくとも1個の比較電極を絶縁膜を介して固定し、
前記金膜にDNA検体と相補性を有する1本鎖核酸の末端基を固定するとともに、前記センシング部及び比較電極を含む領域で同一試料溶液を支持し、
前記ポテンシャル井戸からのくみ出し電荷量を、前記比較電極の電位を基準として測定することにより、前記1本鎖核酸と検体とのハイブリダイゼーションの有無を検出する方法を提供するものである。
本発明は更に、半導体基板上に、その基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部及び浮遊拡散部を所定の間隔で形成し、その間隔内の基板表層部に形成されるべき導通チャネルの中間又は始端に対応する基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定され且つ表面に露出した金膜を有するセンシング部を備え、前記導通チャネルの中間において前記センシング部に作用するイオン濃度に応じて深さが変化するポテンシャル井戸を形成し、前記浮遊拡散部でそのポテンシャル井戸からのくみ出し量に応じた電荷量を測定するようにしたFET型センサを用いる塩基配列検出方法であって、
前記金膜にDNA検体と相補性を有する1本鎖核酸の末端基を固定するとともに、前記センシング部で試料溶液を支持し、
前記センシング部の上方において、前記金膜の直上に位置する測定電極と、その金膜上の固定核酸に電気的に影響しない距離だけずらして配置された比較電極を設けるとともに、これら二電極を下降させて前記試料溶液中に没入させ、且つ前記測定電極が前記金膜上の固定核酸にハイブリダイズしたDNA末端基を吸着する程度の電位を、これら二電極に印加し、測定電極と接地電位との間に流れる電流を、比較電極に流れる電流を基準として測定することにより、
前記1本鎖核酸と検体とのハイブリダイゼーションの有無を検出する方法を提供するものである。
本発明は更に、半導体基板上に、その基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部及び浮遊拡散部を所定の間隔で形成し、その間隔内の基板表層部に形成されるべき導通チャネルの中間又は始端に対応する基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたイオン感応膜からなるセンシング部を備え、前記導通チャネルの中間において前記センシング部に作用するイオン濃度に応じて深さが変化するポテンシャル井戸を形成し、前記浮遊拡散部でそのポテンシャル井戸からのくみ出し量に応じた電荷量を測定するようにしたFET型センサを用いる塩基配列検出方法であって、
前記センシング部の近傍における基板表面において、試料固定用金電極を絶縁膜を介して固定するとともに、その金電極にDNA検体と相補性を有する1本鎖核酸の末端基を固定し、
前記センシング部及び金電極を含む領域で同一試料溶液を支持するとともに、その金電極上の固定核酸にハイブリダイズして形成されるべきDNA二重螺旋間に侵入させるための挿入剤を添加し、
前記金電極に所定の電圧を印加することにより前記DNA二重螺旋間の挿入剤と、その金電極との間に流れる酸化・還元電流に基づいて試料溶液のPHを変化させ、
前記PH変化に応じた深さとなるポテンシャル井戸からのくみ出し電荷量を、前記比較電極の電位を基準として測定することにより、前記1本鎖核酸と検体とのハイブリダイゼーションの有無を検出する方法を提供するものである。
本発明はまた、上記4方法を実施するにあたり、一対のFET型センサを同一の半導体基板上に併設し、その一対のFET型センサの周縁を一括して包囲する電気化学的に不活性な外周壁と、それらのセンサ間を仕切って両端が外周壁に内接する仕切り壁を設けたことにより、各センサ上に収容する試料溶液が互いに流通しないように構成したことにより、同一基板上で隣接した2センサのうち、一方のみに検体と反応するターゲット物質を固定し、他方のセンサには何も固定しないで、同一の試料溶液を用いて、当該他方のセンサにより、溶液・物質等の経時ドリフトを測定し、当該一方のセンサの測定値から差し引いて、正確に検体とターゲット物質との適合性等を検出することが可能な方法を提供するものである。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るFET型センサを示す断面図(A)及び基本ポテンシャル状態を示す模式図(B)であり、図2は動作状態における各ポテンシャル状態を順次に示す模式図である。図1A中、1は典型的にはシリコン製のp−型の半導体基板であり、半導体基板1の表側には、互いに所定間隔を置いてn+型拡散層からなる電荷供給部としての入力ダイオード2及び浮遊拡散部(FD)3が形成され、更に浮遊拡散部3から小間隔を置いてリセットダイオード4が形成される。半導体基板1上には、この場合、n+型拡散層上も含めSiO2又はSi3N4からなる絶縁膜5が形成される。
入力ダイオード2及び浮遊拡散部3間における半導体基板1表面部には、次に述べるゲート構造との関連において導通チャネル(n型反転層)が形成され、その結果、入力ダイオード2をソースとし、浮遊拡散部3をドレインとするFET型センサが構成される。絶縁膜5上には、チャネル始端部に対応する入力ダイオード2の隣接位置において入力ゲート6が、またチャネル終端部に対応する浮遊拡散部3の隣接位置において出力ゲート7が、それぞれポリシリコン、又はアルミニウムからなる蒸着層より形成され、更に浮遊拡散部3とリセットダイオード4との間においてリセットゲート8が同様の蒸着層より形成される。
入力ゲート6、出力ゲート7及びリセットゲート8の上面と、これらのゲートを支持したゲート外の絶縁膜5上には、典型的にはSi3N4蒸着層からなる被着膜10が形成される。Si3N4膜はSiO2膜に比べて構造が緻密で、酸素の拡散係数が小さいため、それ自身が入/出力ゲート6、7間に形成する凹部をセンシング部9として、良好なイオン感応膜を構成する。イオン感応膜としてはSi3N4の他、SiO2やAu等も用いることができる。このセンシング部9のイオン感応膜には、試料中の検体と反応若しくは結合し、又は検体反応の触媒となる酵素、抗体、微生物及び核酸等の物質が固定される(図示せず)。
好ましくは、入力ダイオード2及び浮遊拡散部3の外側における半導体基板の表面部には、リーク電流を低減するためのチャネルストッパとして、この場合、p−基板よりアクセプタ密度が高く、これらのn+拡散部2及び3のドナー密度と拮抗しうるp+拡散部(図示せず)を設け、入力ダイオード2及び浮遊拡散部3から電荷がチャネル外に漏洩するのを防止することできる。
なお、半導体基板1の表面において、入力ダイオード2及びリセットダイオード4の外側には、絶縁膜5と同様なシリコン酸化膜等からなる比較的厚いマスク層11が形成され、前述したセンシング部、9を形成する蒸着膜10は、このマスク層11にも被さり、更に被着膜10上にはセンシング部9を除き、例えば、リンガラスからなる保護膜12と、その保護膜12上において外表面を面一にした外装膜13が被着形成される。
図の左側より、入力ダイオード2、入力ゲート電極6及び出力ゲート電極7、浮遊拡散部3、リセットゲート8及びリセットダイオード4の上面には、各々アルミニウム等からなる電極リードが形成され、それらの電極リードを介して測定シーケンスに従った電圧が印加され、又は検出(浮遊拡散部3の電位)される。浮遊拡散部3は電極リード端子Voutを、それ自体、同一半導体基板1に組み込むことも可能なソースフォロワ増幅器を含む電位検出及び増幅回路14の入力に接続される。
図2は、イオン濃度の測定シーケンスに従って上記の各電極リードより各部に電圧を加えるタイミングを示している。まず、センシング部9においては、図1Aに示す通り、同部9に収容した試料液又は逆に同部9を浸漬した試料浴中に、可変電圧源Erからの参照電圧Vrefを印加し、これを基準とした試料液のイオン化によるイオン感応膜電位を生じさせる。
センシング部9以外の各部電極リードへの直流電圧の印加回路(図示せず)において、図2に示す初期状態(t0〜t1)では電荷供給部である入力ダイオード2に約5Vの逆バイアス電圧Vinが、また入力ゲート6には直流電圧Vgin(約2V)が印加され、出力ゲート7はVgut=0に維持される。この場合、やや遅れてリセットゲート8に数ミリ秒程度のリセット電圧パルスVgrが印加され、隣接する浮遊拡散部3の電位Voutは、その間Vddに引き寄せられる形でやや上昇するが、ここではその前後における電位の変化、従って蓄積電荷は存在しないものとする。
以下、イオン濃度検出測定ステップについて、図1B及び図3を参照して説明する。図1Bは上記の初期状態における本実施形態のFET型センサの、各部ポテンシャルと電荷量を、図1Aの各部と対応して示しており、入力ダイオード2への逆バイアス5Vでは、その部分の残存電荷量Q1は僅かであり、入力ゲート6の直流電圧Vgin(略2.0V)による障壁レベルの下方に止まる。またセンシング部9における参照電圧Vrefは、試料液(典型的には水溶液)を介して同部9の直下の半導体基板1の表面の電位を一定にし、これがポテンシャル井戸の深さ(底面レベル)b0を定める初期設定値となるが、この時点ではゲート障壁を越えて流入する電荷は存在しない。
次に、時間t1に達すると、入力ダイオード2の逆バイアス電圧Vinを、時間t2に達するまでの数ミリ秒間、1Vに下げる。この逆バイアス電圧の低下は、相対的な電荷供給をもたらし、その貯留上限レベルは約2Vの入力ゲート障壁をこえて、0Vの出力ゲート7による障壁上端の近くに達する。このため、供給された電荷(この場合、電子)は入力ダイオード2、入力ゲート6下方の半導体表面、及びセンシング部9下方の半導体表面におけるポテンシャル井戸にも流入する。この状態(初期電荷供給)は、図3Aに示すとおりである。
時間t2に達すると、入力ダイオード2への逆バイアス5Vが復帰し、数ミリ秒間持続する。図3Bに示すように、電荷Q2のかなりの部分は、電源回路に戻され、センシング部9下方のポテンシャル井戸の上方に溜まっていた電荷は、入力ゲート6による障壁にすりきられて入力ダイオード2に戻り、電源回路への還流に加わり、障壁側部のポテンシャル井戸内には、底面レベルb0の深さに応じた量の電荷が残存する。このポテンシャル井戸に残留した電荷の量は、水溶液のイオン濃度に従ったセンシング部9の表面電位の変化量に応じたものとなる。
なお、センシング部9内に収容した水溶液中のプラスイオン濃度が高くなると、センシング部5の表面電位が変化し、センシング部9直下の半導体基板1の表面電位は初期設定値より低くなる。その結果、ポテンシャル井戸の底面レベルは、例えば図示のb1まで深くなる。プラスイオン濃度が低くなるか、又はマイナスイオン濃度が高くなった場合には、逆に底面レベルが上昇することは明らかである。
次に、出力ゲート7に電圧Vgoutが5V印加されると、この出力ゲート7が開いて、電荷が予めリセットされていた浮遊拡散部3に転送される(図3C)。ここで、浮遊拡散部3の容量をセンシング部9の容量より小さくしておけば、図の如く、浮遊拡散部3の電位変化量は大きくなる。図2において、浮遊拡散部3の電位変化は、その無電荷時の定常電位Voutから、電荷の流入に伴って最初は急勾配で降下し、徐々に緩やかとなってGnd電位に接近した電位で安定する。
かくして、電荷の転送後、出力ゲート7に印加する電圧Vgoutが0Vに下がり、出力ゲート7が閉じられる(図3D)。以上のごとくして、t1〜t3のサイクルを繰り返すと、入力ダイオード2からポテンシャル井戸への電荷供給/入力ゲート6によるすりきり/出力ダイオード7の開放によるポテンシャル井戸残留電荷の浮遊拡散部3への転送というステップが順次実行され、浮遊拡散部3には次々と転送電荷が累積されることになる。
この累積電荷量は、大きな電位変化として、図1Aに示す浮遊拡散部3からのVout出力端子より、電位検出及び増幅回路に入力されるセンサ出力信号SO(図2)となる。浮遊拡散部3はその電位を読み取られた後、隣接するリセットゲート8が開ゲート電圧Vgrの印加により開かれるため、+Vdd電位に接続されたリセットダイオード4への導通チャネルを通じて、蓄積電荷を放流し、再び初期電位に設定される(図3E)。
以上のように構成されたFET型センサにおいては、浮遊拡散部3へn回、転送を行った場合、時間累積を行わない場合と比較してn倍になり、ノイズは√n倍にしかならず、S/N比は√n倍に上昇し、感度が高くなることは前述したとおりである。従って、センシング部9の表面電位の変化に基づく同部9直下のポテンシャル井戸の深さの変化が微量であっても、その変化を確実に検出し、検体の固定体との反応若しくは結合に基づくイオン濃度の変化、又は固定体の触媒反応に基づくイオン濃度の変化を高感度に検出することができる。
このFET型センサにおいては、センシング部9に酵素が固定されている場合、尿素、グルコース、ペニシリン、アセチルコリン、アルコール等を検出することができる。例えば、尿素を検出する場合、酵素としてウレアーゼを用い、ウレアーゼによる尿素の分解反応に伴う水素イオン濃度の変化を検出することができる。
また、センシング部9に、検体(標的核酸)と相補的である一本鎖核酸(プローブ)が固定されている場合、高感度に検体とプローブとの間のハイブリダイゼーションの発生の有無を検出することができる。従って、PCR法によりDNAを増量させることなく、簡便に、短時間に、低コストに、ハイブリダイゼーションの発生の有無を検出して、塩基配列を決定することができる。
更に、この実施の形態1に係るFET型センサを同一半導体基板1上に複数個含み、各ISFETのセンシング部5に、複数の標的核酸と相補的である一本鎖核酸を各別に固定することにより、一度に複数のハイブリダイゼーションの発生の有無を検出することができ、簡便に、短時間に、試料の核酸の塩基配列を決定することも可能である。
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2に係るFET型センサを示す断面図(A)及び基本ポテンシャルを示す模式図(B)であり、図5は、ポテンシャル状態及び蓄積電荷の推移を示す同様な模式図である。図中、図1及び図3と同一部分は同一符号を付して説明を簡略化、あるいは省略する。
この実施の形態2に係るFET型センサは、実施の形態1と同様にP−型半導体基板の表面側に所定の間隔を置いて形成された、基板と逆型、すなわち、N+型の拡散領域からなる入力ダイオード部2及び浮遊拡散部3と、リセットダイオード4を有し、浮遊拡散部3とリセットダイオード4との間の絶縁膜5上には同じくリセットゲート8を有することにより、浮遊拡散部3のためのリセットトランジスタを構成したものであるが、入力ダイオード部2と浮遊拡散部3との間の絶縁膜5上の構造が、実施の形態1とは次のように相違する。
まず、入力ゲート6’、及び出力ゲート7’は入力ダイオード部2から浮遊拡散部3までの間に形成されるべき導通チャネルの中間部、及び終端部にそれぞれ対応した絶縁膜9上に固定され、両ゲート6’及び7’を隣接させるため、比較的細幅で高さを持たせた出力ゲート7’が、比較的広幅の入力ゲート6’の当該隣接側を覆う被着膜10によって、このゲート6’と絶縁された構造となっている。出力ゲート7’は底面が半導体基板1上の絶縁膜5に接するとともに、その上方部が被着膜10、及び保護膜12を貫通し、上端が外装膜13内に位置する高さを有している。
これによって生じた入力ダイオード2と、入力ゲート6’との間の基板表面上の位置、すなわち形成されるべき反転チャネルの入力端に対応した位置には、底面をなす絶縁膜5とともにイオン感応膜となる入力ゲート6’側の絶縁膜5と、入力ダイオード2側の被着膜10、及び保護膜12の断層と、に挟まれて凹部をなすセンシング部9’が形成される。
以下、このイオンセンサを用いたイオン濃度を検出方法について説明する。
実施の形態1と同様に、まず、可変電圧源からセンシング部9’内の水溶液に参照電圧Vrefを印加し、センシング部5の直下の半導体基板1の表面の電位を一定にする。これがポテンシャル井戸入口の初期設定値となる。次に、図2に示したように、入力ゲート6’に適当な直流電圧Vgin(例えば、2.0V)を印加し、その直下の半導体基板1の表面電位を固定するとともに、電荷供給部としての入力ダイオード2に逆バイアス電圧Vin=5Vを、またリセットゲート8に電圧Vgrを印加し、浮遊拡散部3の電位の初期値を設定する。このとき、出力ゲート7’の電圧はゼロボルトである。
入力ダイオード2の電圧Vin5Vは十分な逆バイアスとして、同ゲート内に残留する電荷を図4Bに示すとおりごく僅かに抑え、この電荷プールの上端は、センシング部9’のレベルに届かず、同部9’以降には侵入しない。この場合、水溶液中のマイナスイオン濃度が高くなった場合、センシング部9’の表面電位が変化し、このセンシング部直下の半導体基板1の表面の電位は前記初期設定値b0より、更に上がり(図4Bのb2)、逆に、マイナスイオン濃度が低くなった場合、又はプラスイオンが高くなった場合には、表面電位はb0より下がる(図示せず)。
入力ダイオード2に印加する電圧Vinが5Vから1.0Vに下がると、逆バイアスが緩和された分、電荷プール量が多くなり、そのレベルは、この場合センシング部9’直下の基板表面電位b0(ポテンシャル井戸入口レベル)を越え、この入力ダイオード2からの電荷が入力ゲート6’直下のポテンシャル井戸に供給される(図5A)。
再度、入力ダイオード2に印加する電圧Vinが5Vに上がると、センシング部9’直下の表面電位のレベルで電荷がすりきられ、このレベル下におけるポテンシャル井戸の容量分だけ電荷が残存し、それ以外の電荷は入力ダイオード2を経て、当該ダイオード2に残留する分を残し、電源に還流する(図5B)。この場合も、ポテンシャル井戸に残留した電荷の量はマイナスイオン濃度によって変化し、センシング部9’の表面電位の変化量がこの電荷の量に変換されたことは明らかである。
次に、出力ゲート7’に電圧Vgoutが5V印加されると、このゲート7’が開いて、電荷が予めリセット電位に維持された浮遊拡散部3に転送される(図5C)。
この電荷の転送後、出力ゲート7’に印加する電圧Vgoutが0Vに下がり、出力ゲート7が閉じられる(図5D)。
以上、図4Bから図5Dに示した過程を繰り返し行わうことにより、センシング部9’の表面電位の変化量が浮遊拡散部3の電荷量として累積される。そして、浮遊拡散部3に蓄積された電位変化量は、Voutとして、電位検出及び増幅回路14に入力され、指示され且つ記録その他の処理に用いられる。
浮遊拡散部3は電位が読み取られた後は、リセットゲート8にリセットゲート電圧Vgrを印加し、その部分3の電荷を+Vddに接続されたリセットダイオード4に導き、更に電源に吸収せしめて、初期Vout値を再設定する。
以上のように構成されたポテンシャル井戸入口調整型センサにおいても、n回、転送を行った場合、時間累積を行わない場合と比較してS/N比は√n倍に上昇し、感度が高くなることは明らかである。従って、センシング部5の表面電位の変化に基づくセンシング部9’直下のポテンシャル井戸の深さの変化が微量であってもそれを確実に検出し、検体の固定体との反応若しくは結合に基づくイオン濃度の変化、又は固定体の触媒反応に基づくイオン濃度の変化を高感度に検出することができる。
ここで、図1及び3に示した実施の形態1に係るセンサを想起すると、そのセンサではマイナスイオン濃度が高くなった場合、又はプラスイオン濃度が低くなった場合に、電荷を貯留するポテンシャル井戸の深さが浅くなるか又は無くなり、従って、浮遊拡散部3に転送され且つ残留する電荷の量が少なくなるか、又は存在しなくなるものであった。
しかし、実施の形態2においては、入力ダイオード2に隣接したセンシング部9’直下の基板表面電位が上がり、これと隣合った入力ゲート6直下の基板表面電位との差が逆に大きくなり、この入力ゲート6直下部分にポテンシャル井戸を構成せしめたものであり、相対的にマイナスイオン濃度が高い試料に対しては、実施の形態1と比較して検出感度がより高くなるか、又は実施の形態1では検出できなかった試料を検出することが可能となるものである。従って、センシング部5に検体と相補的であるプローブを固定した場合、負に帯電した核酸同士の結合であり、マイナスイオン濃度が高くなるハイブリダイゼーションの発生をより高感度に検出することができる。
実施の形態2に係るイオンセンサを用いることにより、例えばアルツハイマー病及び糖尿病等の特定の病気に特有の塩基配列を有する核酸と相補的である核酸をセンシング部5にプローブとして固定し、該プローブが試料中の核酸とハイブリダイゼーションしたか否かを検出することにより、ハイブリダイゼーションが発生したときは、試料中に前記塩基配列を有する核酸が含まれることが判るので、容易に、確実に、病気の有無を容易に検出することができる。
また、実施の形態2に係るイオンセンサを用いることにより、試料に所定の細菌に特有の塩基配列を有する核酸と相補的である核酸をセンシング部5にプローブとして固定し、該プローブが試料中の核酸とハイブリダイゼーションしたか否かを検出することにより、容易に、確実に、試料中に前記塩基配列を有する核酸が含まれるか否かを判断することができ、容易に、試料中の細菌の有無及び含有量を検出することができる。
更に、この実施の形態2に係るFET型センサを同一半導体基板1上に複数個含み、各ISFETのセンシング部5に、複数の標的核酸と相補的である一本鎖核酸を各別に固定することにより、一度に複数のハイブリダイゼーションの発生の有無を検出することができ、簡便に、短時間に、試料の核酸の塩基配列を決定することも可能である。
なお、前記実施の形態1及び2においては、本発明のFET型センサのセンシング部9、9’に酵素又は核酸を固定し、尿素を検出したり、ハイブリダイゼーションの発生の有無を検出する場合につき説明しているが、測定対象はこれに限定されるものではなく、センシング部9、9’に抗体及び微生物等の他の固定体を固定し、種々の検体を検出することが可能である。またハイブリダイゼーションの検出によって、所定の病気の有無を検出したり、所定の細菌を検出する場合につき説明しているが、応用範囲はこれに限定されるものではない。
その他の実施形態
前記実施の形態1及び2においては、入/出力ゲート間にセンシング部を形成し、リセットトランジスタ機能をも組み込んだ第1形式のFET型センサと、入/出力ゲートを近接させて出力側に寄せ、入力ダイオード/入力ゲート間にセンシング部を形成し、リセットトランジスタ機能をも組み込んだ第1形式のFET型センサとを、それぞれ単独で用いた場合、及びそれぞれ同一形式のFET型センサを複数個用いた場合について言及したが、本発明のその他の実施形態として、更にこれらの複合型とも言うべき第3の形式のFET型センサを形成することができる。
この第3の形式のFET型センサは、プラスイオン及びマイナスイオンの双方に渡る測定範囲の広いFET型センサであり、図6はそのセンサ構造の要部水平断面を示しており、図1及び図4に示した各FET型センサを、言わば並列配置したものであり、それらのものと同一機能を果たす部分については同一の参照数字を付してある。
常套的にP−型半導体からなる基板1の表面側には、所定の間隔を置いて基板1と逆型、従ってN+型の拡散領域からなる共通入力ダイオード部2と、浮遊拡散部3が形成されるとともに、浮遊拡散部3は第1ドレイン3a(第1形式における浮遊拡散部)と第2ドレイン3b(第2形式における浮遊拡散部)とに二分割され、前記入力ダイオード部2を前記二分割ドレインに対応する部分を有する共通ソースとして、これらのソース−ドレイン間の基板表面部に第1及び第2の互いに並列したチャネルが形成されるようになっている。
また、第1及び第2ドレイン3a、3bを構成する浮遊拡散部3の、前記二チャネルと背反する側には、同部3と小間隔を置いて、同じくN+型の拡散領域からなる共通リセットダイオード4が形成されるとともに、その小間隔内の基板絶縁膜(図示せず)上に共通リセットゲート8が固定される。
第1チャネルの両端に対応した基板絶縁膜上の位置には、それぞれ第1形式における入力ゲート6及び出力ゲート7を固定するとともに、同チャネルの中間部(入/出力ゲート間)に対応した基板絶縁膜上の位置には、イオン感応膜からなるセンシング部8が固定される。結局、この第1チャネル及びリセットトランジスタからなるFET型センサ部の縦断面(例えば、図6のA−A矢視断面)構造は図1Aと同じになる。
また、第2チャネルの中間部、及び終端部に対応した基板絶縁膜上の位置には、第2形式における入力ゲート6’及び出力ゲート7’をそれぞれ固定するとともに、同チャネルの始端部(入力ダイオード2/入力ゲート6’間)に対応した基板絶縁膜上には、イオン感応膜からなるセンシング部9’が形成される。このような第2チャネル及びリセットトランジスタからなるFET型センサ部の縦断面(例えば、図6のB−B矢視断面)構造は図4Aと同じになる。
上記のように構成すれば、第1チャネル及び第2チャネル上の各センシング部9、及び9’に作用する正/負イオン濃度に応じて変化したポテンシャル井戸の深さと、そのポテンシャル井戸からの電荷汲み出し回数に応じ、前記浮遊拡散部3の第1及び第2ドレインが電位リセット後において蓄積する電荷量を、電位変化として検出することができる測定範囲の広いFET型センサが得られる。
上記複合型のセンサの応用形態として、この複合型センサ構造を同一半導体基板上において、複数個形成すれば、これによって検体中の、複数の相補性核酸構造等を同時に効率よく検出することができる。
なお、上記複合型のセンサ構造から得られる構造原理として、実施の形態1及び2において示した第1及び第2形式のセンサ構造を、その構造ごとに同一半導体基板上に複数配置する場合には、少なくとも入力ダイオードと、リセットゲート及びリセットダイオードを共通体として、構造及び制御を単純化することができる。
本発明は以上の実施例を総括した上で、次のようなセンサの応用構造及び測定方法を構成したものである。まず、応用構造の基本形態は図7に模式的に示すとおりである。
応用例1
図7において、破線円15は前述した半導体基板の表面絶縁層上に形成されたイオン感応膜からなるセンシング部9又は9’と、少なくともその周辺を含む基板表面(絶縁膜)の領域を包囲する試料液収容範囲である。この範囲15内に含まれるべき(絶縁膜の下に隠れている)ゲート電極や、基板と逆型のダイオードその他の拡散層(この場合、N+層)については、センサ出力に関わる浮遊拡散部3のみを代表的に破線枠で示し、センサ全体像との関係を想起せしめるものとする。
Si3N4等のイオン感応膜からなるセンシング部9又は9’上には部分的に金膜(又は金膜に準ずる電気化学的安定性と導電性を有する材料の膜:以下同じ)16を形成し、センシング部9又は9’の近傍部(図では左側及び左下側)には、例えば三個の金パッド(又は金パッドに準ずる電気化学的安定性と導電性を有する材料のパッド:以下同じ)17a、17b、17cが固定され、スイッチ18a、18b、18cを介してそれぞれ測定または比較用電圧を、電池Eroより印加するようになっている。電池Eroの他端子(この場合、マイナス側)は基板pの裏面、すなわち接地電位に接続される。
上記の構造を用いることにより、金膜にDNA検体と相補性を有する1本鎖核酸の末端基を固定するとともに、センシング部(好ましくは半導体の導通チャネル始端に対応するセンシング部9’)及び比較電極を含む領域で同一試料溶液を支持し、前述したポテンシャル井戸からのくみ出し電荷量を浮遊拡散部3の累積電位として、前記比較電極の電位を基準に測定することにより、前記1本鎖核酸と検体とのハイブリダイゼーションの有無を検出することが可能となる。
応用例2
本発明は、更なる応用形態に係るセンサ構造として、図8に示すような電極吊り下げ降下方式を構成する.半導体基板1上の少なくともセンシング部(好ましくは半導体の導通チャネルの中間に対応する導通チャネル9)を含む領域を包囲した絶縁膜5上には、周壁15’が、エポキシガラス等の電気化学的に不活性な材料によって立設・形成され、好ましくは金製の測定電極19a及び比較電極19bは、リニアスケール等により、測定電極19aがセンシング部9又は9’内の金膜16の真上となる位置にもたらされてから、降下して試料溶液内に没入するように構成される。これらの電極は電源Eroによる電圧を、スイッチ20a及び20bを介して半導体基板1の裏面(接地電位)との間に印加されるか、又は、金膜16からEroのマイナス側に直結するためのスイッチ20cを更に閉じることによって、その際に流れる電流を電流計Aにより測定できるようになっている。
上記の変形構造において、金膜16にはDNA検体と相補性を有する1本鎖核酸の末端基(好ましくは、システインのSH基)を固定するとともに、試料溶液を周壁15’の範囲内に収容してセンシング部で支持する。この場合、金膜16の直上に位置する測定電極19aと比較電極19bとの間は、後者(19b)がその金膜16上の固定核酸に電気的に影響しない距離だけずらして配置されているものとする。
試料溶液中に没入した測定電極19aには、前記金膜上の末端基固定核酸にDNAがハイブリダイズした後、スイッチ20aを閉じて適当な電圧、例えば10mV〜5Vが印加される。これによりハイブリダイズしたDNAの自由端末端基が測定電極19aに吸着され、このハイブリッドDNAは電気的に直結し、電源Eroによる電圧を両端間に印加されて通電する。次にスイッチ20aを開き、スイッチ20bを閉じて測定電極19aと同レベルの溶液内に位置する比較電極19bに流れる電流を基準値として測定する。
したがって、このセンサ構造では、FET型センサ本来のポテンシャル井戸における電荷蓄積量の測定によることは勿論、前記DNA回路の通電電流として測定電極に流れる電流、又は接地電位との間の電圧によってもハイブリダイゼーションの有無を検出することができる。
応用例3
この例では、応用例1で用いたセンサ構造と異なり、図9に示すごとく、センシング部9”のイオン感応膜としては窒化膜又は五酸化タンタル膜を用い、その膜上の金パッド(図示せず)は用いない。センシング部9”周辺の金パッド(総括して17で示す)の少なくともひとつには検体DNAと相補性を有する一本鎖核酸の末端SH基を固定する。試料溶液収容のための外周壁15’を有するほか、他の構造は応用例1(図7)に示すものと同じである。
この測定法の実施においては、センシング部9”及び金電極を含む外周壁15’内の領域で試料溶液を収容・支持することにより、その金電極上の固定核酸に相補性を有する検体DNAがあれば、ハイブリダイゼーションが生じる。この状態で、ハイブリッド形成されたDNAがあれば、その二重螺旋間に侵入しうる挿入剤、例えば「ヘキスト33258」として市販されているもの21を、試料溶液に添加する。
その後、金パッド17に、マイナス側を接地接続された電源Eroの正電圧を、外装膜13上のアルミニウムリード膜22を介して印加すると、挿入剤21は金パッド17と導通したDNA骨格の電気抵抗分だけ降下した電位となるために酸化され、これによって挿入剤21から金パッド17にかけて酸化・還元電流が生じると考えられる。
この結果、当該DNA近辺で2H+2e=H2反応が起こり、溶液相全体のPH(H+指数)値は減少する。なお、水溶液中に浮遊した挿入剤21には、DNA骨格による電圧はかからず、酸化(H+)は実質的に生じないとみなすことができる。同一センサ内、もしくは隣接・配列センサ間に渡って、このようなDNA固定用金パッドは、数10〜数100個配置することができ、どの金パッドに電圧を加えたときにPHが変わったかで、DNAの鑑定をすることができる。
また、DNA末端基を固定しない、センシング部周辺の金パッドは比較電極として用いられる。PH値は、PH変化に応じた深さとなるポテンシャル井戸からのくみ出し電荷量を、前記比較電極の電位を基準として測定され、その測定値は前記1本鎖核酸と検体とのハイブリダイゼーションの有無の指標となる。
更に、挿入剤21から金パッド17にかけて流れる酸化・還元電流は、電源Eroからの電圧印加回路中に微小電流計(図示せず)を挿入することによっても測
応用例4
本発明はまた、図10に示すように、上記4方法を実施するにあたり有利なセンサ構造として、一対のFET型センサ23、24をを同一の半導体基板1上に併設し、その一対のFET型センサの周縁を一括して包囲する電気化学的に不活性なアクリルガラス等からなる外周壁25と、それらのセンサ23、24間を仕切って両端が外周壁25に内接する仕切り壁26を設けたものである。
これにより、各センサ23、24上に収容する試料溶液が互いに流通しないため、同一基板上で隣接した2センサのうち、一方のセンサのみに検体と反応するターゲット物質を固定し、他方のセンサには何も固定せずに同一の試料溶液を用い、当該他方のセンサにより溶液・物性等の経時ドリフトを測定し、このドリフト値を当該一方のセンサの測定値から差し引いて、正確に検体とターゲット物質との適合性等を検出することが可能となる。勿論、2センサにおいて異なった試料溶液を収容し、互いに影響なく、各別の測定を行うことも可能である。
産業上の利用可能性
以上述べたとおり、本発明によれば、リセットトランジスタを併設したことにより電荷転送過程を繰り返して高感度化したFET型センサであって、センシング部が、試料又は検体反応の結果としてのプラス又はマイナスイオン濃度の変化を、高範囲にわたって高感度に検出することが可能である。
また第1形式、第2形式それぞれのFET型センサの複数配置、及び両形式の複合形式、更にはその複合形式の複数配置を同一半導体基板上に構成することにより、物質の電気化学的測定、特に生化学分野においては、測定した試料に所定の細菌又は病気に特有の塩基配列を有する核酸が含まれるか否かを判断して、容易且つ確実に細菌又は病気の有無、及び細菌の含有量等を検出すること、また環境ホルモンやダイオキシン関連物質の測定等にも新たな道を開くものである。
またFET型センサに、特に金パッド又は金電極を好ましく用いることによって行われる本発明のDNA測定法は、簡便にして正確・安定なDNA鑑定に資するものである。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施の形態1に係るFET型センサを示す断面図(A)及びポテンシャル状態を示す模式図(B)である。
図2は、本発明のFET型センサの各部に電圧を印加し且つ出力電位を検出するタイミングを示す電圧波形図である。
図3は、本発明の実施の形態1に係るFET型センサのポテンシャル状態の推移を示す模式図である。
図4は、本発明の実施の形態2に係るFET型センサを示す断面図(A)及びポテンシャル状態を示す模式図(B)である。
図5は、本発明の実施の形態2に係るFET型センサのポテンシャル状態の推移を示す模式図である。
図6は、本発明の実施の形態1及び2に係るFET型センサの複合形式を示す模式的水平断面図である。
図7は、本発明のFET型センサの応用形態の基本構造を示す概略平面及び電気回路図である。
図8は、応用形態に係るセンサ構造として構成された電極吊り下げ降下方式を示す部分断面図である。
図9は、イオン感応膜としては窒化膜又は五酸化タンタル膜を用い、センシング部周辺の金パッドの少なくともひとつに検体DNAと相補性を有する一本鎖核酸の末端SH基を固定し、センサをPH計として使用する方式を示す部分断面図である。
する。
図10は、一対のFET型センサを同一の半導体基板1上に併設し、その一対のFET型センサの周縁を一括して包囲する電気化学的に不活性なアクリルガラス等からなる外周壁と、それらのセンサ間を仕切って両端が外周壁に内接する仕切り壁を設けた構造を略示する平面図である。
Claims (14)
- P型又はN型半導体基板の表面側に所定の間隔を置いて形成された、基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部及び浮遊拡散部と、
前記入力ダイオード部から浮遊拡散部までの間に形成されるべき導通チャネルの始端及び終端にそれぞれ対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定された入力ゲート及び出力ゲートと、
前記チャネルの中間部に対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたイオン感応膜からなるセンシング部と、
前記浮遊拡散部の、前記チャネルから離れた側に連なる前記基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたリセットゲートと、
前記リセットゲートにおける前記浮遊拡散部から離れた側の前記基板表面部に形成された、基板と逆型の拡散領域からなるリセットダイオード部とを備え、
前記センシング部に、同部内の試料液中の検体と反応もしくは結合し又は検体の反応の触媒となる物質を固定し、その結果、前記センシング部に作用するイオン濃度に応じて変化したポテンシャル井戸の深さと、そのポテンシャル井戸からの汲み出し回数に応じ、電位リセット後の前記浮遊拡散部が蓄積する電荷量を、電位変化として検出するようにしたことを特徴とするFET型センサ。 - 前記センシング部に固定する物質が、検体と相補的である一本鎖核酸であることを特徴とする請求項1記載のイオンセンサ。
- P型又はN型半導体基板の表面側に所定の間隔を置いて形成された、基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部及び浮遊拡散部と、
前記入力ダイオード部から浮遊拡散部までの間に形成されるべき導通チャネルの始端及び終端にそれぞれ対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定された入力ゲート及び出力ゲートと、
前記チャネルの中間部に対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたイオン感応膜からなるセンシング部と、
前記浮遊拡散部の、前記チャネルから離れた側に連なる前記基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたリセットゲートと、
前記リセットゲートにおける前記浮遊拡散部から離れた側の前記基板表面部に形成された、基板と逆型の拡散領域からなるリセットダイオード部と、を備えてなるFET型センサ素子を、同一半導体基板上において複数個並列的に形成したものであって、
各センサ素子の入力ゲートと、リセットゲート及びリセットダイオードが、それら全素子間に延びる単一の入力ゲート、単一のリセットゲート及び単一のリセットダイオードより共通的に形成されたものであることを特徴とするFET型センサ。 - P型又はN型半導体基板の表面側に所定の間隔を置いて形成された、基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部及び浮遊拡散部と、
前記入力ダイオード部から浮遊拡散部までの間に形成されるべき導通チャネルの中間部及び終端部にそれぞれ対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定された入力ゲート及び出力ゲートと、
前記チャネルの入力端に対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたイオン感応膜からなるセンシング部と、
前記浮遊拡散部の、前記チャネルから離れた側に連なる前記基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたリセットゲートと、
前記リセットゲートにおける前記浮遊拡散部から離れた側の前記基板表面部に形成された、基板と逆型の拡散領域からなるリセットダイオード部とを備え、
前記センシング部に作用するイオン濃度に応じて変化したポテンシャル井戸の深さと、そのポテンシャル井戸からの汲み出し回数に応じ、前記浮遊拡散部が電位リセット後において蓄積する電荷量を、電位変化として検出するようにしたものであることを特徴とするFET型センサ。 - 前記センシング部に、試料中の検体と反応若しくは結合し、又は前記検体の反応を触媒する固定体を固定したことを特徴とする請求項4記載のFET型センサ。
- 前記センシング部に固定する物質が、前記検体と相補的である一本鎖核酸である請求項5記載のFET型センサ。
- 請求項4記載のFET型センサを一単位の素子として、同一半導体基板上において複数個並列的に形成したものであって、
各センサ素子の入力ゲートと、リセットゲート及びリセットダイオードが、それら全センサ素子間に延びる単一の入力ゲート、単一のリセットゲート及び単一のリセットダイオードより共通的に形成されたものであることを特徴とするFET型センサ。 - P型又はN型半導体基板の表面側に所定の間隔を置いて、基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部及び浮遊拡散部を形成するとともに、前記浮遊拡散部を第1ドレインと第2ドレインに二分割するとともに、前記入力ダイオード部を前記二分割に対応する部分を有する共通ソースとして、これらのソース−ドレイン間の基板表面部に第1及び第2の互いに並列したチャネルが形成されるようにし、
前記第1及び第2ドレインを構成する浮遊拡散部の、前記二チャネルと背反する側に、同部と小間隔を置いて、基板と逆型の拡散領域からなる共通リセットダイオードを形成するとともに、前記小間隔内の基板表面上に絶縁膜を介して共通リセットゲートを固定し、
前記第1チャネルの両端に対応した基板表面上の位置に、それぞれ絶縁膜を介して入力ゲート及び出力ゲートを固定するとともに、同チャネルの中間部に対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介してイオン感応膜からなるセンシング部を固定し、
前記第2チャネルの中間部、及び終端部にそれぞれ対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して入力ゲート及び出力ゲートをそれぞれ固定するとともに、同チャネルの始端部に対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介してイオン感応膜からなるセンシング部を固定し、
前記第1チャネル及び第2チャネル上の各センシング部に作用するイオン濃度に応じて変化したポテンシャル井戸の深さと、そのポテンシャル井戸からの汲み出し回数に応じ、前記浮遊拡散部の第1及び第2ドレインが電位リセット後において蓄積する電荷量を、電位変化として検出するようにしたものであることを特徴とするFET型センサ。 - 請求項8記載のFET型センサを、同一半導体基板上において、複数個形成したことを特徴とする並列FET型センサ。
- 半導体基板上に、その基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部及び浮遊拡散部を所定の間隔で形成し、その間隔内の基板表層部に形成されるべき導通チャネルの中間又は始端に対応する基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定され且つ表面に露出したイオン感応膜からなるセンシング部を備え、前記導通チャネルの中間において前記センシング部に作用するイオン濃度に応じてその深さが変化するポテンシャル井戸を形成し、前記浮遊拡散部でそのポテンシャル井戸からのくみ出し量に応じた電荷量を測定するようにしたFET型センサを用い、前記電荷量の測定値から、センシング部に関連して固定した1本鎖核酸と検体とのハイブリダイゼーションの有無、又はセンシング部に関連して固定した抗原又は抗体と、検体との適合性を検出する方法。
- 半導体基板上に、その基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部及び浮遊拡散部を所定の間隔で形成し、その間隔内の基板表層部に形成されるべき導通チャネルの中間又は始端に対応する基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定され且つ表面に露出した金膜を有するセンシング部を備え、前記導通チャネルの中間において前記センシング部に作用するイオン濃度に応じてその深さが変化するポテンシャル井戸を形成し、前記浮遊拡散部でそのポテンシャル井戸からのくみ出し量に応じた電荷量を測定するようにしたFET型センサを用いる塩基配列検出方法であって、
前記センシング部の近傍における基板表面において、少なくとも1個の比較電極を絶縁膜を介して固定し、
前記金膜にDNA検体と相補性を有する1本鎖核酸の末端基を固定するとともに、前記センシング部及び比較電極を含む領域で同一試料溶液を支持し、
前記ポテンシャル井戸からのくみ出し電荷量を、前記比較電極の電位を基準として測定することにより、前記1本鎖核酸と検体とのハイブリダイゼーションの有無を検出する方法。 - 半導体基板上に、その基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部及び浮遊拡散部を所定の間隔で形成し、その間隔内の基板表層部に形成されるべき導通チャネルの中間又は始端に対応する基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定され且つ表面に露出した金膜を有するセンシング部を備え、前記導通チャネルの中間において前記センシング部に作用するイオン濃度に応じて深さが変化するポテンシャル井戸を形成し、前記浮遊拡散部でそのポテンシャル井戸からのくみ出し量に応じた電荷量を測定するようにしたFET型センサを用いる塩基配列検出方法であって、
前記金膜にDNA検体と相補性を有する1本鎖核酸の末端基を固定するとともに、前記センシング部で試料溶液を支持し、
前記センシング部の上方において、前記金膜の直上に位置する測定電極と、その金膜上の固定核酸に電気的に影響しない距離だけずらして配置された比較電極を設けるとともに、これら二電極を下降させて前記試料溶液中に没入させ、且つ前記測定電極が前記金膜上の固定核酸にハイブリダイズしたDNA末端基を吸着する程度の電位を、これら二電極に印加し、測定電極と接地電位との間に流れる電流を、比較電極に流れる電流を基準として測定することにより、
前記1本鎖核酸と検体とのハイブリダイゼーションの有無を検出する方法。 - 半導体基板上に、その基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部及び浮遊拡散部を所定の間隔で形成し、その間隔内の基板表層部に形成されるべき導通チャネルの中間又は始端に対応する基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたイオン感応膜からなるセンシング部を備え、前記導通チャネルの中間において前記センシング部に作用するイオン濃度に応じて深さが変化するポテンシャル井戸を形成し、前記浮遊拡散部でそのポテンシャル井戸からのくみ出し量に応じた電荷量を測定するようにしたFET型センサを用いる塩基配列検出方法であって、
前記センシング部の近傍における基板表面において、試料固定用金電極を絶縁膜を介して固定するとともに、その金電極にDNA検体と相補性を有する1本鎖核酸の末端基を固定し、
前記センシング部及び金電極を含む領域で同一試料溶液を支持するとともに、その金電極上の固定核酸にハイブリダイズして形成されるべきDNA二重螺旋間に侵入させるための挿入剤を添加し、
前記金電極に所定の電圧を印加することにより前記DNA二重螺旋間の挿入剤と、その金電極との間に流れる酸化・還元電流に基づいて試料溶液のPHを変化させ、
前記PH変化に応じた深さとなるポテンシャル井戸からのくみ出し電荷量を、前記比較電極の電位を基準として測定することにより、前記1本鎖核酸と検体とのハイブリダイゼーションの有無を検出する方法。 - 請求項10〜13のいずれか1項に記載した方法を実施するにあたり、一対のFET型センサを同一の半導体基板上に併設し、その一対のFET型センサの周縁を一括して包囲する電気化学的に不活性な外周壁と、それらのセンサ間を仕切って両端が外周壁に内接する仕切り壁を設けたことにより、各センサ上に収容する試料溶液が互いに流通しないように構成したことを特徴とする方法。
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