JP4876031B2 - 分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は,生体成分を分析する分析装置及び方法に関する。
近年の医学の進歩は著しく,多くの病気に対して迅速で適切な診断・治療が行われており,心身共に健康な生活が過ごせるようになっている。また,成人病検診等の各種検診の実施により,疾病の早期発見・治療も広く行われている。これらの各種検診や検査では,主に血液や尿を検体として生化学自動分析装置が用いられている(特開昭57-82769号公報)。生化学自動分析装置では,検体である血液中の糖や蛋白質,脂質,酵素などの成分を酵素反応や化学的発色反応を利用して分析する吸光度計測を用いている。
生化学自動分析装置では,患者の負担を減らすための低侵襲化(採血量の低減)と使用する試薬量を減らすことによる低コスト化を目的として,測定溶液の微量化が進められている。測定溶液を微量化することで,廃液量も低減できる利点もある。
しかしながら,吸光度計測での測定溶液の微量化は,装置を相似形で小さくするだけでは実現できない。吸光度Aは,
A=εcl
ε:モル吸光係数
c:試料濃度
l:光路長
で表されるランベルト・ベールの法則に従う。そのため,測定溶液の微量化の際に,吸光度変化を同程度に保つには,光路長lを同程度に保つ必要がある。従って,測定溶液を微量化するには,光の進行方向に細長いセルとしなくてはならず,光学系の単純な小型化による測定溶液の微量化は現実的ではない。その上,測定溶液の微量化により照射する光の断面積が小さくなると,光検出器で得られる信号強度が減少するため,測定精度は低下するといった問題もある。
電気化学検出を用いた測定装置として,電流測定を測定原理とする酵素センサが知られている。酵素センサの一例であるグルコースセンサでは,過酸化水素電極を用いている。検体である血液中のグルコースと溶存酸素をグルコースオキシダーゼの働きで反応させ,過酸化水素を生成させる。生成された過酸化水素は,過酸化水素電極上でのH2O2→2H++O2+2e-の反応により電流に変換されるため,測定された電流値からグルコース濃度が求められる。また,この原理を利用して多項目の成分を測定可能にした生化学分析装置として,i-Stat(Clin. Chem. 39/2 (1993) 283-287)がある。しかし,電流計測では,電極面積に信号強度が依存しているため,吸光度計測と同様に,反応溶液の微量化が困難である。例えば,酸化還元物質の電極表面での酸化還元反応に伴う電流は,酸化還元物質濃度と電極面積の積に比例する。
一方,電位測定を用いてグルコースを測定する生化学分析装置もある(特表平9-500727号公報)。本センサは,金や白金などでできた作用電極と参照電極で構成され,測定溶液中に酵素と酸化還元物質が存在する。また,作用電極と参照電極は,電位差を測定する装置に接続されている。測定溶液中に測定対象物質が添加されると,酵素反応により測定対象物質が酸化され,同時に酸化状態の酸化還元物質が還元される。その際に生じる作用電極と参照電極間の電位差は次のネルンストの式に従う。
Figure 0004876031
E:作用電極の表面電位
E0:酸化還元物質の標準電位
R:気体定数
T:絶対温度
n:酸化還元物質の酸化型と還元型の電荷の差
F:ファラデー定数
Cox:酸化還元物質の酸化型の濃度
Cred:酸化還元物質の還元型の濃度
上式から分かるように,作用電極と参照電極間の電位差は電極面積に依存しない。そのため,電位測定を用いた生化学分析装置では,測定溶液を微量化しても信号強度が減少しない。
特開昭57-82769号公報 特表平9-500727号公報 Clin. Chem. 39/2 (1993) 283-287
測定溶液の微量化には,信号強度が液量や電極面積に依存しない電位計測が適している。しかし,電位計測を用いて複数の試料や項目を同時に測定できる装置を構築する場合,新たな課題が生じる。電位計測では,基準となる電位として参照電極が必要なため,参照電極が試料の数だけ必要となる。参照電極が多数必要になると,装置のコストが増大するだけでなく,参照電極間のばらつきに起因する電位差の誤差が生じてしまう。
さらに,微量な測定溶液の測定では,参照電極を小型にする必要がある。その場合,通常用いられる内部液を有する参照電極を,安定性や寿命を維持したまま小型化することは困難である。現状では,内部液を有しない銀塩化銀電極等の疑似電極を用いているため,安定性と寿命が問題となっている。
上記課題を解決するために,本発明では,媒体として水と非混和の液体を用いた電位測定を行う。複数の槽にまたがって有機塩を含有する水と非混和の液体もしくは有機塩そのものを配置し,内部液を有した参照電極をその内部液が前記媒体と接触するように配置する。望ましくは,参照電極の内部液の量を各試料溶液の量よりも多くする。
複数のセルにまたがった媒体として水と非混和の液体を配置することで,試料間の混和の抑制と単一の内部液を有した参照電極を用いた複数の電極の界面電位の計測を両立させることができる。単一の参照電極であるため,複数の参照電極を用いた場合に生じる参照電極間のばらつきが問題とならない。内部液を有した参照電極を用いることで,従来の擬似電極で問題となった安定性と寿命が問題とならない。望ましくは,参照電極の内部液の量を各試料溶液の量よりも多くすることで,微小なリーク電流が生じた際の基準電位に与える影響を低減することができる。微量な試料を測定するために槽を小型化した際にも,槽におさまらない大きさの内部液を有した参照電極を用いることができるため,安定な基準電位を得ることができる。一つの槽を内部液を有した参照電極として機能させることで,さらに装置を小型化することができる。媒体が有機塩を含有することで,媒体内の電位分布が抑制され,媒体内の電位分布に起因する測定誤差を低減させられる。
以下,図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は,本発明による小型分析装置の一例を示すブロック図である。本実施例の分析装置は,測定部101,信号処理回路102,及びデータ処理装置103から構成される。測定部101は,測定容器104,媒体105,測定溶液106,電極107,電位計108,参照電極109からなる。測定容器104は隔壁によって複数の槽に区切られていて,各槽に電極107が一つずつ配置され,各電極107には電位計108が一つずつ接続され,電位計108のもう一端は参照電極109に接続されている。各槽には,測定溶液106が存在し,複数の槽にまたがって媒体105が存在している。媒体105は,複数の測定溶液106及び参照電極109と接触している。
測定手順の一例を示す。まず,各測定溶液106を各槽に注入する。このとき,測定溶液106は槽から溢れない程度としておく。次に,媒体105を測定容器104中に複数の槽をまたがるように注入する。媒体105の比重が測定溶液106よりも重い場合,媒体105が測定溶液106の下に回りこまないように注意深く行う。次に,参照電極109を液絡部が媒体105と接触するように配置する。最後に各電位計108の示す電位を読み取る。
測定溶液106を媒体105と接触しやすくするために,測定溶液106を槽から溢れるぎりぎりまで注入する場合もある。また,媒体105を注入してから,各槽に各測定溶液106を注入する場合もある。一つの槽に,試料と試薬のような異なる溶液をそれぞれ注入し,槽内で反応させてもよい。
媒体105には,水と非混和の液体を用いる。水と非混和の液体を用いることで,槽間の試料溶液106を混和させることなく,複数の槽内に配置された電極107と測定溶液106の界面電位を読み取ることができる。例えば,媒体105の代わりに水と混和する液体を用いることでも,複数の槽内に配置された電極107と測定溶液106の界面電位を読み取ることはできるが,その際,前記液体と各測定溶液106が混和したり,さらに,各測定溶液106が混和したりしてしまう恐れがある。
媒体105を介して参照電極109と各槽内に配置された電極107との電位差を測定することで,各槽の断面よりも大きな断面を有する参照電極を用いることができる。媒体105を介さずに参照電極109と各槽内に配置された電極107との電位差を測定するには,例えば,各槽内に参照電極を配置することが考えられる。しかし,その場合,各槽の断面は,参照電極の断面を包括するだけの大きさがなくてはならない。従って,より少ない測定溶液106で各槽内に配置された電極107と測定溶液106の界面電位を読み取るには,参照電極の断面を小さくすることが必要となる。小さな参照電極は,液絡部のつまりや電位の安定性,寿命などの点において,大きな参照電極よりも不利となる。実際は小型の参照電極として内部液を有しない銀塩化銀電極等の疑似電極を用いることが多く,その場合安定性と寿命の点で,さらに不利となる。
媒体105を介して各槽内に配置された電極107と測定溶液106の界面電位を読み取ることで,槽の数よりも少ない数の参照電極を用いることができる。媒体105を介さずに各槽内に配置された電極107と測定溶液106の界面電位を読み取るには,例えば,各槽内に参照電極を配置することが考えられる。しかし,その場合,槽の数と同じ数の参照電極が必要であり,装置コストがかかるばかりでなく,各参照電極間の電位のばらつきが問題となることがある。もしくは,一つの参照電極を各槽に代わる代わる配置し,各槽内に配置された電極107と測定溶液106の界面電位を一つずつ読み取ることが考えられる。その場合,前述のコストや各参照電極間の電位のばらつきは問題とならないが,一方で,各測定溶液106の混和を防ぐために参照電極を一回の電位測定のたびに洗浄する必要があり手間であったり,一つずつ電位差を読み取るため一度に複数の電位差を読み取る場合に比べて測定時間がかかったりする。
試料溶液106を覆うように媒体105を配置することで,試料溶液106の蒸発を防ぐことができる。試料溶液を微量化すると,試料溶液の蒸発の効果は顕著になる。その際,試料溶液と非混和の何らかの物質で試料溶液を覆うことで試料溶液の蒸発を抑制することができるが,本実施例のように媒体105を配置することで,蒸発の抑制と電位の測定を両立することができる。
媒体105は有機塩を含むことが望ましい。もしくは,液体の有機塩を用いることが望ましい。媒体105が絶縁性である場合,媒体内に電位勾配が生じてしまうことがある。その場合,各槽近傍での媒体内の電位は等しくないため,各槽内に配置された電極107と測定溶液106の界面電位をより正確に測定することが難しくなる。各槽n内に配置された電極107と接続された各電位計108の値をVnとすると,
Vn = VRef+ φRef + VGrad,n + φpho,nn
となる。ここで,
VRef: 参照電極109の界面電位
φRef: 参照電極109の内部液と媒体105の界面電位
VGrad,n: 媒体105内の,参照電極109近傍と各槽n近傍の電位勾配
φpho,n: 媒体105と各槽n内の各測定溶液106の界面電位
φn: 各槽n内に配置された電極107と測定溶液106の界面電位
である。この式に基づいて,Vnからφnを求めることができる。ここで,VRefとφRefは槽nに依存しない。φpho,nが各測定溶液間で大きく違わないと考えると,VGrad,nが0であれば,Vnからφnを求めることができる。しかし,VGrad,nが存在すると,Vnから正確なφnを求めることができない。媒体105に有機塩が溶解していると,有機塩が支持電解質となり,VGradを低減することができ,Vnからより正確なφnを求めることができる。さらに,媒体105もしくは測定溶液106は,どちらの液体にも溶解することのできる塩を含有することが望ましい。そのような塩が存在することで,φpho,nを低減することができ,Vnからより正確なφnを求めることができる。
参照電極109としては,内部液を有する銀塩化銀電極,水素電極,カロメル電極,硫酸第一水銀電極,酸化水銀電極の他,フェロセン/フェリシニウムイオンやフェリシアン/フェロシアンのような可逆なレドックス系の電極反応を基準電位として用いた参照電極を用いることができる。電極107には,金,銀,銅,白金などの貴金属や,それらをアルカンチオール単分子膜で修飾したもの,さらには,イオン感応膜で修飾した電極などを用いることができる。媒体105には,ブタノール,ニトロベンゼン,NPOEなどを用いることができる。それらに溶解する有機塩としては,テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレートなどを用いることができる。また,有機塩単体として,1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミドなどを用いることができる。
図2は,本発明による小型分析装置の一例を示すブロック図である。本実施例の分析装置は,測定部201,信号処理回路202,及びデータ処理装置203から構成される。測定部201は,測定容器204,媒体205,測定溶液206,測定電極207,電位計208,参照電極内部液209,参照電極210からなる。測定容器204は複数の槽に区切られていて,各槽に測定電極207が一つずつ配置され,一つの槽に参照電極210が配置されている。各測定電極207には電位計208が一つずつ接続され,電位計208のもう一端は参照電極210に接続されている。各測定電極207が配置された各槽には各測定溶液206が存在し,参照電極210が配置された槽には参照電極内部液209が存在している。各測定電極の存在する各槽と参照電極の存在する槽にまたがって媒体205が存在している。媒体205は,各測定溶液206及び参照電極内部液209と接触している。
測定手順の一例を示す。まず,測定溶液206を各測定電極の存在する各槽に注入する。このとき,測定溶液206は槽から溢れない程度としておく。参照電極の存在する槽には,参照電極内部液209を注入する。次に,媒体205を測定容器204中に複数の槽をまたがるように注入する。媒体205の比重が測定溶液206や参照電極内部液209よりも重い場合,媒体205が測定溶液206や参照電極内部液209の下に回りこまないように注意深く行う。最後に各測定電極207に接続された各電位計208の示す電位を読み取る。
測定溶液206や参照電極内部液209を媒体205と接触しやすくするために,測定溶液206や参照電極内部液209を槽から溢れるぎりぎりまで注入する場合もある。また,媒体205を注入してから,各槽に各測定溶液206や参照電極内部液209を注入する場合もある。一つの槽に,試料と試薬のような異なる溶液をそれぞれ注入し,槽内で反応させてもよい。
媒体205には,水と非混和の液体を用いる。水と非混和の液体を用いることで,槽間の試料溶液206や参照電極内部液209を混和させることなく,複数の槽内に配置された電極207と測定溶液206の界面電位を読み取ることができる。例えば,媒体205の代わりに水と混和する液体を用いることでも,複数の槽内に配置された電極207と測定溶液206の界面電位を読み取ることはできるが,その際,前記液体と各測定溶液206が混和したり,各測定溶液206が混和したり,各測定溶液206と参照電極内部液209してしまう恐れがある。
一つの槽を参照電極とすることによって,参照電極を別途設ける場合に比べて,装置を小型にできる場合がある。さらに,電位測定のための配線を短くすることができる場合があり,ノイズやリーク電流の点で有利となる。参照電極が小さくなったことで安定性が低下した場合は,測定電極207の一部を参照電極209と同一のものを用いて,その槽に試料溶液206の代わりに参照電極内部液209を注入し,これらの電極を副参照電極とする。参照電極209と副参照電極が正しく機能している場合,これら二電極間の電位差は0となる。そのため,これら二電極間の電位差が0でない場合,その電位を用いて他の測定された電位を補正すれば,参照電極の安定性を向上させられる場合がある。例えば,ある測定電極207で測定された電位をV,副参照電極で測定された電位をVrefとした場合,補正後の電位V'を,V'=V-Vref/2 の式から求める。さらに,複数の副参照電極の電位を用いて補正を行うことで,安定性はさらに向上する場合がある。副参照電極の別の用途として,媒体205の内部に存在する電位勾配を補償することができる場合がある。媒体205の導電率が十分でないと,媒体205の内部で電位勾配が生じることがある。副参照電極を分散して配置し,それぞれの電位差を計測することで,媒体205の内部の電位勾配を推測できる。その値を用いて各測定電極207での測定値を補正することで,媒体205の内部の電位勾配の影響を低減することができる。
試料溶液206を覆うように媒体205を配置することで,試料溶液206の蒸発を防ぐことができる。試料溶液を微量化すると,試料溶液の蒸発の効果は顕著になる。その際,試料溶液と非混和の何らかの物質で試料溶液を覆うことで試料溶液の蒸発を抑制することができるが,本実施例のように媒体205を配置することで,蒸発の抑制と電位の測定を両立することができる。
媒体205は有機塩を含むことが望ましい。もしくは,液体の有機塩を用いることが望ましい。媒体205が絶縁性である場合,媒体内に電位勾配が生じてしまうことがある。その場合,各槽近傍での媒体内の電位は等しくないため,各槽内に配置された電極207と測定溶液206の界面電位をより正確に測定することが難しくなる。各槽n内に配置された電極207と接続された各電位計208の値をVnとすると,
Vn = VRef + φRef + VGrad,n + φpho,nn
となる。ここで,
VRef: 参照電極210の界面電位
φRef: 参照電極内部液209と媒体205の界面電位
VGrad,n: 媒体205内の,参照電極内部液209近傍と各槽n近傍の電位勾配
φpho,n: 媒体205と各槽n内の各測定溶液206の界面電位
φn: 各槽n内に配置された電極207と測定溶液206の界面電位
である。この式に基づいて,Vnからφnを求めることができる。ここで,VRefとφRefは槽nに依存しない。φpho,nが各測定溶液間で大きく違わないと考えると, VGrad,nが存在しなければ,Vnからφnを求めることができる。しかし,VGrad,nが存在すると,Vnから正確なφnを求めることができない。媒体205に有機塩が溶解していると,有機塩が支持電解質となり,VGradを低減することができ,Vnからより正確なφnを求めることができる。さらに,媒体205もしくは測定溶液206は,どちらの液体にも溶解することのできる塩を含有することが望ましい。そのような塩が存在することで,φpho,nを低減することができ,Vnからより正確なφnを求めることができる。
参照電極210と参照電極内部液209の組み合わせとしては,銀塩化銀電極と塩化カリウム水溶液,銀塩化銀電極と塩化ナトリウム水溶液,金,銀,銅,白金などの貴金属の電極とフェロセン/フェリシニウムイオン,金,銀,銅,白金などの貴金属の電極とフェリシアン/フェロシアンなどを用いることができる。測定電極207には,金,銀,銅,白金などの貴金属や,それらをアルカンチオール単分子膜で修飾したもの,さらには,イオン感応膜で修飾した電極などを用いることができる。媒体205には,ブタノール,ニトロベンゼン,NPOEなどを用いることができる。それらに溶解する有機塩としては,テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレートなどを用いることができる。また,有機塩単体として,1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミドなどを用いることができる。
図3は,本発明による小型分析装置の測定部の別の一例を示す図である。図3(A)は未使用時の測定部を上から見た図,図3(B)は使用時の測定部の断面図である。本測定部は,測定容器301,疎水性表面302,親水性表面303,電極304からなる。測定の際には,親水性表面303上に測定溶液306を配置し,疎水性表面302上に媒体305を配置する。媒体305は連続していて,各測定溶液306と接触している。
測定の手順は以下のとおりである。まず,各親水性表面303上に各測定溶液306を配置する。次に,容器内に媒体305を注入する。このとき,各測定溶液306が各親水性表面303上から移動しないように注意深く行う。次に,他の実施例と同様に各電極304に接続された電位計の示す電位を読み取るが,このとき,参照電極を媒体305と接触するように配置してもよいし,測定電極の一つを参照電極とし,その上に参照電極内部液を配置してもよい。
測定容器内を疎水性表面と親水性表面に区分することで測定容器内に凹凸を設けることなく測定溶液を配置することができる。このようにすることで,洗浄の効率を向上させることができる。また,測定溶液よりも媒体の比重が重い場合でも,浮力よりも親水性表面への測定溶液の吸着力が大きければ,測定溶液の下に媒体が回りこむことなく測定を行うことができる。
参照電極としては,銀塩化銀電極,水素電極,カロメル電極,硫酸第一水銀電極,酸化水銀電極の他,フェロセン/フェリシニウムイオンやフェリシアン/フェロシアンのような可逆なレドックス系の電極反応を基準電位として用いた参照電極を用いることができる。電極304には,金,銀,銅,白金などの貴金属や,それらをアルカンチオール単分子膜で修飾したもの,さらには,イオン感応膜で修飾した電極などを用いることができる。媒体305には,ブタノール,ニトロベンゼン,NPOEなどを用いることができる。それらに溶解する有機塩としては,テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレートなどを用いることができる。また,有機塩単体として,1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミドなどを用いることができる。
親水性表面として,プラズマ処理した表面,シランカップリングなどの単分子膜やLB膜で処理した表面などを用いることができる。疎水性表面として,フッ素オイル処理やフロン処理やシランカップリングなどの単分子膜やLB膜で処理した表面などを用いることができる。
図4は,本発明による小型分析装置の測定部の別の一例を示す図である。本測定部は,二つの部位から構成される。図4(A),(B)はそれぞれの部位を上もしくは下から見た図,図4(C)は使用時の測定部の断面図である。本測定部の下の部位は,測定容器401,疎水性表面402,親水性表面403,電極404からなる。本測定部の上の部位は,容器蓋405,疎水性表面406,親水性表面407からなる。測定の際には,下の部位と上の部位を向かいあわせて配置し,親水性表面403,407で挟み込むように測定溶液409を配置し,疎水性表面402,406で挟み込むように媒体408を配置する。
測定の手順は以下のとおりである。まず,空の測定容器401を準備し,各親水性表面403上に各測定溶液409を配置する。次に,測定容器401上に容器蓋405を配置し,各測定溶液409を各親水性表面403と407で挟み込む。測定容器401と容器蓋405の間隔を規定するために,スペーサーを測定容器401と容器蓋405の間に配置してもよい。また,容器蓋405の側面にツメを設け,ツメを測定容器401に引っ掛けるようにして測定容器401と容器蓋405の間隔を維持しても良い。次に,容器内に媒体408を注入する。このとき,各測定溶液409が各親水性表面403,407から移動しないように注意深く行う。また,容器内に空気が残らないように注意する。次に,他の実施例と同様に各電極404に接続された電位計の示す電位を読み取るが,このとき,参照電極を媒体408と接触するように配置してもよいし,親水性表面のうち一つ以上に参照電極内部液を注入しておき参照電極としても良い。各電極404は,本実施例では下の部位に存在するが,上の部位に存在しても良い。
測定容器内を疎水性表面と親水性表面に区分することで,測定容器内に凹凸を設けることなく測定溶液を配置することができる。このようにすることで,洗浄の効率を向上させることができる。また,測定溶液よりも媒体の比重が重い場合でも,浮力よりも親水性表面への測定溶液の吸着力が大きければ,測定溶液の下に媒体が回りこむことなく測定を行うことができる。
測定溶液409を測定容器401の親水性表面403と容器蓋405の親水性表面407で挟み込むことで,測定溶液の親水性表面への吸着力が挟み込まない場合に比べて大きくなるため,測定溶液よりも媒体の比重が重い場合でも測定溶液の下に媒体が回りこむことなく測定を行うことができる。また,上部の親水性表面で測定溶液を押さえ込んでいるため,測定溶液の下に多少の媒体が入り込んでも,測定溶液409と電極404が接触したままであれば,測定を問題なく行うことができる。
参照電極としては,銀塩化銀電極,水素電極,カロメル電極,硫酸第一水銀電極,酸化水銀電極の他,フェロセン/フェリシニウムイオンやフェリシアン/フェロシアンのような可逆なレドックス系の電極反応を基準電位として用いた参照電極を用いることができる。電極404には,金,銀,銅,白金などの貴金属や,それらをアルカンチオール単分子膜で修飾したもの,さらには,イオン感応膜で修飾した電極などを用いることができる。媒体408には,ブタノール,ニトロベンゼン,NPOEなどを用いることができる。それらに溶解する有機塩としては,テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレートなどを用いることができる。また,有機塩単体として,1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミドなどを用いることができる。
親水性表面として,プラズマ処理した表面,シランカップリングなどの単分子膜やLB膜で処理した表面などを用いることができる。疎水性表面として,フッ素オイル処理やフロン処理やシランカップリングなどの単分子膜やLB膜で処理した表面などを用いることができる。
図5は,本発明による小型分析装置の一例を示すブロック図である。本実施例の分析装置は,測定部501,信号処理回路502,及びデータ処理装置503から構成される。測定部501は,測定容器504,媒体505,測定溶液506,基板507,参照電極508,電源509からなる。基板507には複数の電界効果トランジスタ510と電極511の対が存在し,各対は測定容器504にある複数の槽に対応して配置されている。電界効果トランジスタ510のゲート部は電極511と接続されていて,電界効果トランジスタ510によって電極511の電位を測定できるようになっている。各槽には,測定溶液506が存在し,複数の槽にまたがって媒体505が存在している。媒体505は,複数の測定溶液506及び参照電極508と接触している。
測定手順の一例を示す。まず,測定溶液506を各槽に注入する。このとき,測定溶液506は槽から溢れない程度としておく。次に,媒体505を測定容器504中に複数の槽をまたがるように注入する。媒体505の比重が測定溶液506よりも重い場合,媒体505が測定溶液506の下に回りこまないように注意深く行う。次に,参照電極508を液絡部が媒体505と接触するように配置する。最後に各槽内に配置された各電極511の電位を各電界効果トランジスタ510によって読み取る。
測定溶液506を媒体505と接触しやすくするために,測定溶液506を槽から溢れるぎりぎりまで注入する場合もある。また,媒体505を注入してから,各槽に各測定溶液506を注入する場合もある。一つの槽に,試料と試薬のような異なる溶液をそれぞれ注入し,槽内で反応させてもよい。
電界効果トランジスタ510を用いた電極511の電位の測定法の一例を示す。参照電極508に電源509から電圧を印加する。そのとき,電源509は直流電源であっても交流電源であっても良い。次に,電界効果トランジスタのソース−ドレイン間の電圧電流特性を測定する。測定には半導体パラメータアナライザやそれを模倣した回路などを用いることができる。測定した電圧電流特性を,予め測定した電圧電流特性を用いて電極511の電位に変換する。
媒体505には,水と非混和の液体を用いる。水と非混和の液体を用いることで,槽間の試料溶液506を混和させることなく,複数の槽内に配置された電極511と測定溶液506の界面電位を読み取ることができる。例えば,媒体505の代わりに水と混和する液体を用いることでも,複数の槽内に配置された電極511と測定溶液506の界面電位を読み取ることはできるが,その際,前記液体と各測定溶液506が混和したり,さらに,各測定溶液506が混和したりしてしまう恐れがある。
媒体505を介して参照電極508と各槽内に配置された電極511との電位差を測定することで,各槽の断面よりも大きな断面を有する参照電極を用いることができる。媒体505を介さずに参照電極508と各槽内に配置された電極511との電位差を測定するには,例えば,各槽内に参照電極を配置することが考えられる。しかし,その場合,各槽の断面は,参照電極の断面を包括するだけの大きさがなくてはならない。従って,より少ない測定溶液506で各槽内に配置された電極511と測定溶液506の界面電位を読み取るには,参照電極の断面を小さくすることが必要となる。小さな参照電極は,液絡部のつまりや電位の安定性,寿命などの点において,大きな参照電極よりも不利となる。実際は小型の参照電極として内部液を有しない銀塩化銀電極等の疑似電極を用いることが多く,その場合安定性と寿命の点で,さらに不利となる。
媒体505を介して各槽内に配置された電極511と測定溶液506の界面電位を読み取ることで,槽の数よりも少ない数の参照電極を用いることができる。媒体505を介さずに各槽内に配置された電極511と測定溶液506の界面電位を読み取るには,例えば,各槽内に参照電極を配置することが考えられる。しかし,その場合,槽の数と同じ数の参照電極が必要であり,装置コストがかかるばかりでなく,各参照電極間の電位のばらつきが問題となることがある。もしくは,一つの参照電極を各槽に代わる代わる配置し,各槽内に配置された電極511と測定溶液506の界面電位を一つずつ読み取ることが考えられる。その場合,前述のコストや各参照電極間の電位のばらつきは問題とならないが,一方で,各測定溶液506の混和を防ぐために参照電極を一回の電位測定のたびに洗浄する必要があり手間であったり,一つずつ電位差を読み取るため一度に複数の電位差を読み取る場合に比べて測定時間がかかったりする。
試料溶液506を覆うように媒体505を配置することで,試料溶液506の蒸発を防ぐことができる。試料溶液を微量化すると,試料溶液の蒸発の効果は顕著になる。その際,試料溶液と非混和の何らかの物質で試料溶液を覆うことで試料溶液の蒸発を抑制することができるが,本実施例のように媒体505を配置することで,蒸発の抑制と電位の測定を両立することができる。
媒体505は有機塩を含むことが望ましい。もしくは,液体の有機塩を用いることが望ましい。媒体505が絶縁性である場合,媒体内に電位勾配が生じてしまうことがある。その場合,各槽近傍での媒体内の電位は等しくないため,各槽内に配置された電極511と測定溶液506の界面電位をより正確に測定することが難しくなる。電界効果トランジスタ510で測定した各槽n内に配置された電極511と参照電極508間の電位差をVnとすると,
Vn = VRef + φRef + VGrad,n + φpho,nn
となる。ここで,
VRef: 参照電極508の界面電位
φRef: 参照電極508の内部液と媒体505の界面電位
VGrad,n: 媒体505内の,参照電極508近傍と各槽n近傍の電位勾配
φpho,n: 媒体505と各槽n内の各測定溶液506の界面電位
φn: 各槽n内に配置された電極511と測定溶液506の界面電位
である。この式に基づいて,Vnからφnを求めることができる。ここで,VRefとφRefは槽nに依存しない。φpho,nが各測定溶液間で大きく違わないと考えると, VGrad,nが存在しなければ,Vnからφnを求めることができる。しかし,VGrad,nが存在すると,Vnから正確なφnを求めることができない。媒体505に有機塩が溶解していると,有機塩が支持電解質となり,VGrad,nを低減することができ,Vnからより正確なφnを求めることができる。さらに,媒体505もしくは測定溶液506は,どちらの液体にも溶解することのできる塩を含有することが望ましい。そのような塩が存在することで,φpho,nを低減することができ,Vnからより正確なφnを求めることができる。
参照電極508としては,銀塩化銀電極,水素電極,カロメル電極,硫酸第一水銀電極,酸化水銀電極の他,フェロセン/フェリシニウムイオンやフェリシアン/フェロシアンのような可逆なレドックス系の電極反応を基準電位として用いた参照電極を用いることができる。電極511には,金,銀,銅,白金などの貴金属や,それらをアルカンチオール単分子膜で修飾したもの,さらには,イオン感応膜で修飾した電極などを用いることができる。媒体505には,ブタノール,ニトロベンゼン,NPOEなどを用いることができる。それらに溶解する有機塩としては,テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレートなどを用いることができる。また,有機塩単体として,1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミドなどを用いることができる。
図6は,本発明による小型分析装置の一例を示すブロック図である。本実施例の分析装置は,測定部601,信号処理回路602,及びデータ処理装置603から構成される。測定部601は,測定容器604,媒体605,測定溶液606,基板607,電源609からなる。基板607には複数の電界効果トランジスタ610と測定電極611の対が存在し,各対は測定容器604にある複数の槽に対応して配置されている。電界効果トランジスタ610のゲート部は測定電極611と接続されていて,電界効果トランジスタ610によって測定電極611の電位を測定できるようになっている。さらに,基板には電源609と接続された参照電極612が存在し,参照電極612の存在する槽には参照電極内部液608が存在する。各槽には,測定溶液606が存在し,複数の槽にまたがって媒体605が存在している。媒体605は,複数の測定溶液606及び参照電極内部液608と接触している。
測定手順の一例を示す。まず,測定溶液606を各槽に注入する。このとき,測定溶液606は槽から溢れない程度としておく。次に,参照電極内部液608を電極612の存在する槽に注入する。次に,媒体605を測定容器604中に複数の槽をまたがるように注入する。媒体605の比重が測定溶液606や参照電極内部液608よりも重い場合,媒体605が測定溶液606や参照電極内部液608の下に回りこまないように注意深く行う。最後に各槽内に配置された各電極611の電位を各電界効果トランジスタ610によって読み取る。
測定溶液606や参照電極内部液608を媒体605と接触しやすくするために,測定溶液606を槽から溢れるぎりぎりまで注入する場合もある。また,媒体605を注入してから,各槽に各測定溶液606を注入する場合もある。一つの槽に,試料と試薬のような異なる溶液をそれぞれ注入し,槽内で反応させてもよい。
電界効果トランジスタ610を用いた測定電極611の電位の測定法の一例を示す。参照電極612に電源609から電圧を印加する。そのとき,電源609は直流電源であっても交流電源であっても良い。次に,電界効果トランジスタ610のソース−ドレイン間の電圧電流特性を測定する。測定には半導体パラメータアナライザやそれを模倣した回路などを用いることができる。測定した電圧電流特性を,予め測定した電圧電流特性を用いて測定電極611の電位に変換する。
媒体605には,水と非混和の液体を用いる。水と非混和の液体を用いることで,槽間の試料溶液606や参照電極内部液608を混和させることなく,複数の槽内に配置された測定電極611と測定溶液606の界面電位を読み取ることができる。例えば,媒体605の代わりに水と混和する液体を用いることでも,複数の槽内に配置された測定電極607と測定溶液606の界面電位を読み取ることはできるが,その際,前記液体と各測定溶液606が混和したり,各測定溶液606が混和したり,各測定溶液606と参照電極内部液608が混和してしまう恐れがある。
一つの槽を参照電極とすることによって,参照電極を別途設ける場合に比べて,装置を小型にできる場合がある。さらに,電位測定のための配線を短くすることができる場合があり,ノイズやリーク電流の点で有利となる。参照電極が小さくなったことで安定性が低下した場合は,一部の測定電極611を参照電極612と同一のものを用いて,その槽に試料溶液606の代わりに参照電極内部液608を注入し,これらの電極を副参照電極とする。参照電極612と副参照電極が正しく機能している場合,これら二電極間の電位差は0となる。そのため,これら二電極間の電位差が0でない場合,その電位を用いて他の測定された電位を補正すれば,参照電極の安定性を向上させられる場合がある。例えば,ある測定電極611で測定された電位をV,副参照電極で測定された電位をVrefとした場合,補正後の電位V'を,V'=V-Vref/2 の式から求める。さらに,複数の副参照電極の電位を用いて補正を行うことで,安定性はさらに向上する場合がある。副参照電極の別の用途として,媒体605の内部に存在する電位勾配を補償することができる場合がある。媒体605の導電率が十分でないと,媒体605の内部で電位勾配が生じることがある。副参照電極を分散して配置し,それぞれの電位差を計測することで,媒体605の内部の電位勾配を推測できる。その値を用いて各測定電極611での測定値を補正することで,媒体605の内部の電位勾配の影響を低減することができる。
試料溶液606を覆うように媒体605を配置することで,試料溶液606の蒸発を防ぐことができる。試料溶液を微量化すると,試料溶液の蒸発の効果は顕著になる。その際,試料溶液と非混和の何らかの物質で試料溶液を覆うことで試料溶液の蒸発を抑制することができるが,本実施例のように媒体605を配置することで,蒸発の抑制と電位の測定を両立することができる。
媒体605は有機塩を含むことが望ましい。もしくは,液体の有機塩を用いることが望ましい。媒体605が絶縁性である場合,媒体内に電位勾配が生じてしまうことがある。その場合,各槽近傍での媒体内の電位は等しくないため,各槽内に配置された測定電極611と測定溶液606の界面電位をより正確に測定することが難しくなる。電界効果トランジスタ610で測定した各槽n内に配置された電極611と参照電極612間の電位差をVnとすると,
Vn = VRef + φRef + VGrad,n + φpho,nn
となる。ここで,
VRef: 参照電極612の界面電位
φRef: 参照電極内部液608と媒体605の界面電位
VGrad,n: 媒体605内の,参照電極608近傍と各槽n近傍の電位勾配
φpho,n: 媒体605と各槽n内の各測定溶液606の界面電位
φn: 各槽n内に配置された電極611と測定溶液606の界面電位
である。この式に基づいて,Vnからφnを求めることができる。ここで,VRefとφRefは槽nに依存しない。φpho,nが各測定溶液間で大きく違わないと考えると, VGrad,nが存在しなければ,Vnからφnを求めることができる。しかし,VGrad,nが存在すると,Vnから正確なφnを求めることができない。媒体605に有機塩が溶解していると,有機塩が支持電解質となり,VGrad,nを低減することができ,Vnからより正確なφnを求めることができる。さらに,媒体605もしくは測定溶液606は,どちらの液体にも溶解することのできる塩を含有することが望ましい。そのような塩が存在することで,φpho,nを低減することができ,Vnからより正確なφnを求めることができる。どちらの液体にも溶解することのできる塩としては,例えば,テトラメチルアンモニウムなどを用いることができる。
参照電極612と参照電極内部液608の組み合わせとしては,銀塩化銀電極と塩化カリウム水溶液,銀塩化銀電極と塩化ナトリウム水溶液,金,銀,銅,白金などの貴金属の電極とフェロセン/フェリシニウムイオン,金,銀,銅,白金などの貴金属の電極とフェリシアン/フェロシアンなどを用いることができる。電極611には,金,銀,銅,白金などの貴金属や,それらをアルカンチオール単分子膜で修飾したもの,さらには,イオン感応膜で修飾した電極などを用いることができる。媒体605には,ブタノール,ニトロベンゼン,NPOEなどを用いることができる。それらに溶解する有機塩としては,テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレートなどを用いることができる。また,有機塩単体として,1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミドなどを用いることができる。
図7は,本発明による小型分析装置の測定部の別の一例を示す図である。図7(A)は未使用時の測定部を上から見た図,図7(B)は未使用時の測定部の断面図,図7(C)は使用時の測定部の断面図である。本測定部は,測定容器701,疎水性表面702,親水性表面703,基板704からなる。基板704には複数の電界効果トランジスタ705と測定電極706の対が存在する。電界効果トランジスタ705のゲート部は測定電極706と接続されていて,電界効果トランジスタ705によって測定電極706の電位を測定できるようになっている。また,基板には参照電極707が存在する。測定の際には,親水性表面703上に測定溶液709を配置し,疎水性表面702上に媒体708を配置する。参照電極707上には参照電極内部液710を配置する。
測定の手順は以下のとおりである。まず,各親水性表面703上に各測定溶液709を配置する。電極707上には,参照電極内部液710を配置する。次に,容器内に媒体708を注入する。このとき,各測定溶液709や参照電極内部液710が各親水性表面703上から移動しないように注意深く行う。次に,他の実施例と同様に各電界効果トランジスタを用いて各電極706に接続された電位計の示す電位を読み取る。
電界効果トランジスタ705を用いた測定電極706の電位の測定法の一例を示す。参照電極内部液710と接触している参照電極707に別途用意した電源から電圧を印加する。そのとき,電源は直流電源であっても交流電源であっても良い。次に,電界効果トランジスタ705のソース−ドレイン間の電圧電流特性を測定する。測定には半導体パラメータアナライザやそれを模倣した回路などを用いることができる。測定した電圧電流特性を,予め測定した電圧電流特性を用いて測定電極706の電位に変換する。
測定容器内を疎水性表面と親水性表面に区分することで,測定容器内に凹凸を設けることなく測定溶液を配置することができる。このようにすることで,洗浄の効率を向上させることができる。また,測定溶液よりも媒体の比重が重い場合でも,浮力よりも親水性表面への測定溶液の吸着力が大きければ,測定溶液の下に媒体が回りこむことなく測定を行うことができる。
参照電極707と参照電極内部液710の組み合わせとしては,銀塩化銀電極と塩化カリウム水溶液,銀塩化銀電極と塩化ナトリウム水溶液,金,銀,銅,白金などの貴金属の電極とフェロセン/フェリシニウムイオン,金,銀,銅,白金などの貴金属の電極とフェリシアン/フェロシアンなどを用いることができる。参照電極707を設けずに,別途参照電極を媒体708に接触させても良い。その場合,参照電極としては,銀塩化銀電極,水素電極,カロメル電極,硫酸第一水銀電極,酸化水銀電極の他,フェロセン/フェリシニウムイオンやフェリシアン/フェロシアンのような可逆なレドックス系の電極反応を基準電位として用いた参照電極を用いることができる。測定電極706には,金,銀,銅,白金などの貴金属や,それらをアルカンチオール単分子膜で修飾したもの,さらには,イオン感応膜で修飾した電極などを用いることができる。媒体708には,ブタノール,ニトロベンゼン,NPOEなどを用いることができる。それらに溶解する有機塩としては,テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレートなどを用いることができる。また,有機塩単体として,1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミドなどを用いることができる。
親水性表面として,プラズマ処理した表面,シランカップリングなどの単分子膜やLB膜で処理した表面などを用いることができる。疎水性表面として,フッ素オイル処理やフロン処理やシランカップリングなどの単分子膜やLB膜で処理した表面などを用いることができる。
図8は,本発明による小型分析装置の測定部の別の一例を示す図である。本測定部は,上部,下部の二つの部位から構成される。図8(A)は未使用時の下部を上から見た図,図8(B)は未使用時の下部の断面図,図8(C)は未使用時の上部を下から見た図,図8(D)は使用時の測定部の断面図である。本測定部の下部は,測定容器801,疎水性表面802,親水性表面803,基板804からなる。基板804には複数の電界効果トランジスタ805と測定電極806の対が存在する。電界効果トランジスタ805のゲート部は測定電極806と接続されていて,電界効果トランジスタ805によって測定電極806の電位を測定できるようになっている。また,基板には参照電極807が存在する。本測定部の上部は,容器蓋808,疎水性表面809,親水性表面810からなる。測定の際には,上部と下部を向かいあわせて配置し,親水性表面803と810で挟み込むように測定溶液812を配置し,疎水性表面802と809で挟み込むように媒体811を配置する。参照電極807上には参照電極内部液813を配置する。
測定の手順は以下のとおりである。まず,空の測定容器801を準備し,各親水性表面803上に各測定溶液812を配置する。参照電極807上には参照電極内部液813を配置する。次に,測定容器801上に容器蓋808を配置し,各測定溶液812を各親水性表面803と810で挟み込む。測定部の上部と下部の間隔を規定するために,スペーサーを上部と下部の間に配置してもよい。また,上部の側面にツメを設け,ツメを下部に引っ掛けるようにして上部と下部の間隔を維持してもよい。次に,容器内に媒体811を注入する。このとき,各測定溶液812が各親水性表面803,810から移動しないように注意深く行う。また,容器内に空気が残らないように注意する。次に,他の実施例と同様に各電界効果トランジスタ805を用いて各電極806の電位を読み取る。各電界効果トランジスタ805及び各電極812は,本実施例では下の部位に存在するが,上の部位に存在しても良い。
電界効果トランジスタ805を用いた測定電極806の電位の測定法の一例を示す。参照電極内部液813と接触している参照電極807に別途用意した電源から電圧を印加する。そのとき,電源は直流電源であっても交流電源であっても良い。次に,電界効果トランジスタ805のソース−ドレイン間の電圧電流特性を測定する。測定には半導体パラメータアナライザやそれを模倣した回路などを用いることができる。測定した電圧電流特性を,予め測定した電圧電流特性を用いて測定電極806の電位に変換する。
測定容器内を疎水性表面と親水性表面に区分することで,測定容器内に凹凸を設けることなく測定溶液を配置することができる。このようにすることで,洗浄の効率を向上させることができる。また,測定溶液よりも媒体の比重が重い場合でも,浮力よりも親水性表面への測定溶液の吸着力が大きければ,測定溶液の下に媒体が回りこむことなく測定を行うことができる。
測定溶液812を測定容器801の親水性表面803と容器蓋808の親水性表面810で挟み込むことで,測定溶液の親水性表面への吸着力が挟み込まない場合に比べて大きくなるため,測定溶液よりも媒体の比重が重い場合でも測定溶液の下に媒体が回りこむことなく測定を行うことができる。また,上部の親水性表面で測定溶液を押さえ込んでいるため,測定溶液の下に多少の媒体が入り込んでも,測定溶液812と電極810が接触したままであれば,測定を問題なく行うことができる。
参照電極807と参照電極内部液813の組み合わせとしては,銀塩化銀電極と塩化カリウム水溶液,銀塩化銀電極と塩化ナトリウム水溶液,金,銀,銅,白金などの貴金属の電極とフェロセン/フェリシニウムイオン,金,銀,銅,白金などの貴金属の電極とフェリシアン/フェロシアンなどを用いることができる。参照電極807を設けずに,別途参照電極を媒体811に接触させても良い。その場合,参照電極としては,銀塩化銀電極,水素電極,カロメル電極,硫酸第一水銀電極,酸化水銀電極の他,フェロセン/フェリシニウムイオンやフェリシアン/フェロシアンのような可逆なレドックス系の電極反応を基準電位として用いた参照電極を用いることができる。測定電極806には,金,銀,銅,白金などの貴金属や,それらをアルカンチオール単分子膜で修飾したもの,さらには,イオン感応膜で修飾した電極などを用いることができる。媒体811には,ブタノール,ニトロベンゼン,NPOEなどを用いることができる。それらに溶解する有機塩としては,テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレートなどを用いることができる。また,有機塩単体として,1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド,1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミドなどを用いることができる。
親水性表面として,プラズマ処理した表面,シランカップリングなどの単分子膜やLB膜で処理した表面などを用いることができる。疎水性表面として,フッ素オイル処理やフロン処理やシランカップリングなどの単分子膜やLB膜で処理した表面などを用いることができる。
図9は本発明による小型分析装置の一例を示す図である。本実施例の分析装置は,測定部901,信号処理回路902,及びデータ処理装置903から構成される。測定部901は,電位測定部904,試料905,試薬906,分注器907,媒体注入部908からなる。電位測定部904は,図1〜8の実施例のような測定部を用いる。
測定の手順の一例を示す。まず,分注器907を用いて,電位測定部904の試料配置部(例えば,槽や親水性表面)に各試料905を配置する。次に,分注器907を用いて,配置した各試料905に各試薬906を注入する。そして,媒体注入部907を用いて電位測定部904に媒体を注入する。最後に,電位測定部904の各電極の電位を測定し,信号処理回路902,データ処理装置903を用いて所望の値を算出する。
試料905の一例として,血液,血清,血漿,DNAなどの生体試料が挙げられる。試薬906の一例として,酵素反応液,DNAなどが挙げられる。試料905と試薬906を混合することで,試料905中の測定対象物質に応じた電位が電極に発生するようにしておく。例えば,試料905として測定対象であるグルコースを含むものを,試薬906としてフェリシアン化カリウムとグルコース脱水素酵素を含むものを用いると,グルコース脱水素酵素の働きでグルコースとフェリシアン化カリウムが反応し,グルコノラクトンとフェロシアン化カリウムが生成する。電極には,フェリシアン化カリウムとフェロシアン化カリウムの比に応じた電位が発生するため,電極の電位を測定することで,試料中のグルコース濃度を求めることができる。
本測定装置を用いて測定を行うことで,測定に必要な試料905と試薬906を微量化することができる。その理由として,電位測定は原理的に測定体積に依存しないこと,媒体を介して電位を測定することで測定溶液間の混和を生じさせること無く,測定溶液に直接参照電極を接触させること無く測定でき,参照電極の大きさと無関係に測定溶液の液量を決められること,媒体の存在により測定溶液が直接空気に触れなくなるため測定溶液の蒸発を抑制できることなど,他の実施例で述べたことが挙げられる。
本実施例では,試薬905と試料906の混合は電位測定部904で行ったが,別途混合したものを電位測定部904に注入しても良い。分注器907は,単一のノズルであっても,複数のノズルであっても,さらには,試料905や試薬906からチューブによって供給されていても,空気圧やピエゾ素子を用いていても,分注の目的を果たせればよい。試料溶液と媒体を注入する順番は,どちらが先でも,同時であっても良い。
図10は本発明による小型分析装置の一例を示す図である。本実施例の分析装置は,測定部1001,制御及び信号処理回路1002,及びデータ処理装置1003から構成される。測定部1001は,洗浄液容器1004,反応溶液容器1005,dATP溶液容器1006,dTTP溶液容器1007,dGTP溶液容器1008,dCTP溶液容器1009,媒体容器1023,洗浄液供給バルブ1010,反応溶液供給バルブ1011,dATP溶液供給バルブ1012,dTTP溶液供給バルブ1013,dGTP溶液供給バルブ1014,dCTP溶液供給バルブ1015,媒体供給バルブ1024,測定容器1016,メッシュ1017,ビーズ1018,測定電極1019,電界効果トランジスタ1020,参照電極1021,廃液容器1022からなる。各バルブを開閉することで,測定セルへの各溶液の供給を制御することができる。各バルブの開閉は,制御及び信号処理回路1002によって決められた順序で行われる。
測定容器1016には複数の槽が存在し,各槽にはビーズ1018,測定電極1019,電界効果トランジスタ1020が一組ずつ配置されている。各ビーズ1018表面には,プローブDNAが固定化されていて,プローブDNAにはターゲットDNAがハイブリダイズしている。ビーズには通常用いられるポリスチレンビーズ,磁気ビーズなどを用いる。ビーズ表面はカルボキシル基,アミノ基,マレイミド基,水酸基,ビオチン,アビジンなどで修飾されている。ここに,アミノ基,カルボキシル基,SH基,シラノール基,アビジン,ビオチンなどで修飾されたプローブDNAを固定化する。ビーズの代わりに,金微粒子などを用いても構わない。この場合,SH基で修飾されたプローブDNAを用いたり,金微粒子を様々な官能基を有する分子で被覆したりすることで,様々な官能基で修飾されたプローブDNAを固定化することができる。ビーズが溶液交換の際に槽から飛び出さないように,ビーズを各槽に配置した後,メッシュ1017を配置する。測定電極1019表面には,絶縁性分子を介して電気化学活性物質を固定化してもよい。例えば,測定電極1019に金を用いた場合,絶縁性分子として11−アミノウンデカチオールを電極表面に固定化し,さらに,アミノ基とカルボキシル基の脱水反応によるアミド結合を用いて,電気化学活性物質であるピロロキノリンキノン(PQQ)を固定化する。測定電極1019には,金電極などの貴金属の電極やカーボンの電極を用いる。測定電極の代わりに,感応膜など測定対象物質濃度に応じた電位を発生するものを用いてもよい。参照電極1021は廃液容器1022内の溶液と接触している。
洗浄液容器1004内の洗浄液として還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)を用いた。反応溶液容器1005内の反応溶液としてトリス塩酸緩衝液にDNAポリメラーゼ,ピルベートオルソフォスフェートジキナーゼ(PPDK),乳酸脱水素酵素,ホスホエノールピルベート(PEP),アデノシンモノリン酸(AMP),NADHを溶解した溶液を用いた。dATP溶液容器1006,dTTP溶液容器1007,dGTP溶液容器1008,dCTP溶液容器1009それぞれの中の溶液にはdATP,dTTP,dGTP,dCTPそれぞれをトリス塩酸緩衝液に溶解した溶液を用いた。参照電極1021には,内部溶液に飽和塩化カリウム溶液を用いた銀塩化銀参照電極を用いたが,一塩基伸長時の電位変化に比べて電位の変動が十分小さいものであればどのような参照電極を用いてもよい。本実施例では廃液容器1022内で参照電極1021と溶液とを接触させているが,測定セル内の溶液と接触していれば,参照電極1021は測定系のいずれの箇所に配置されていてもよい。ビーズには,50μm径のカルボキシル末端を有するポリスチレンビーズを用いた。ビーズへのプライマーDNAの固定化には,ビーズとアミノ基修飾されたプライマーDNAを混合し,N-hydroxysuccinimide(NHS),1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide(EDC)を加え,ビーズにプライマーDNAを化学的に結合させた。測定電極1019には金電極を用いた。絶縁性分子として11−アミノ−1−ウンデカンチオール(11−AUT)を,電気化学活性物質としてPQQを用いた。11−AUT溶液を用いて,金電極表面に11−AUTの単分子膜を形成した。この電極の表面に,PQQ,NHS,EDCの混合液を滴下し,一晩反応させ,11−AUTのアミノ基とPQQのカルボキシル基の化学結合を用いて,PQQを固定化した。
測定手順の一例を図11に示す。まず初めに,洗浄液供給バルブ1010を開き(S1102),測定容器内を洗浄液で満たしてから(S1103),洗浄液供給バルブ1010を閉じた(S1104)。この操作により,測定電極1019の表面に固定化された電気化学活性物質を還元状態にした。次に,反応溶液供給バルブ1011を開き(S1105),測定容器1016内を反応溶液で満たしてから(S1106),反応溶液供給バルブ1011を閉じた(S1107)。参照電極1021に一定電圧Vを印加し,各電界効果トランジスタのドレイン電流を測定した(S1108)。このときの各ドレイン電流値をI(1,n)(nは電界効果トランジスタに割り振られた番号)とした。反応溶液供給バルブ1011とdNTP溶液供給バルブ1012,1013,1014もしくは1015を開き(S1109),反応溶液とdNTP溶液の混合溶液で測定容器1016内を満たしてから(S1110),反応溶液供給バルブ1011とdNTP溶液供給バルブ1012,1013,1014もしくは1015を閉じた(S1111)。すぐさま媒体供給バルブ1024を開き(S1112),測定容器内1016に媒体を導入し(S1113),媒体供給バルブ1024を閉じた(S1114)。
この操作により,媒体導入前(図12(A))の状態から,媒体導入後(図12(B))の状態に変化した。このとき,媒体は各槽内には侵入せず,かつ,各槽内の液体を分断する状態となっている。参照電極1021に一定電圧Vを印加し,各電界効果トランジスタ1020のドレイン電流を測定した(S1115)。このときの各ドレイン電流値をI(2,n)(nは測定セルの番号)とし,ΔI(n)=I(2,n)−I(1,n)とした。ΔIはdNTP供給による各電界効果トランジスタでのドレイン電流の変化分である。再び洗浄液供給バルブ1010を開く操作(S1102)に戻り,dNTPとしてdATP,dTTP,dCTP,dGTPを順に用いて繰り返し測定を行った(S1101,S1116〜S1120)。
dATP溶液容器1006内のdATP溶液として,反応溶液容器1005内の反応溶液にdATPを予め溶解したものを,dTTP溶液容器1007内のdTTP溶液として,反応溶液容器1005内の反応溶液にdTTPを予め溶解したものを,dGTP溶液容器1008内のdGTP溶液として,反応溶液容器1005内の反応溶液にdGTPを予め溶解したものを,dCTP溶液容器1009内のdCTP溶液として,反応溶液容器1005内の反応溶液にdCTPを予め溶解したものを,用いることもできる。その場合には,反応溶液供給バルブ1011とdNTP溶液供給バルブ1012,1013,1014もしくは1015を開く操作(S1109)を,dNTP溶液供給バルブ1012,1013,1014もしくは1015を開く操作とする。dNTPとして用いるdATP,dTTP,dCTP,dGTPの順番は,どのような順番でも4回周期であればよい。dNTPの代わりに,一部の分子を硫黄原子で置き換えたアナログ体(dNTPαS, 糖4'部位硫黄置換(N. Inoue et. al., Nucleic Acids Research, 3476-3483, 34, 2006))など,DNA鎖合成酵素によって塩基配列特異的に二本鎖DNAの合成反応に取り込まれ,ピロリン酸を生成するものであれば用いることができる。
洗浄液は,ピロリン酸を酸化還元物質の酸化還元状態に変換したことで変化した電極の表面電位を初期化するために用いる。本実施例では伸長反応により表面電位が増加するが,洗浄液内の還元物質によって表面電位が減少し,再び伸長反応を測定できるようになる。洗浄液としては上記の物質以外に,チオール化合物などの還元物質を含む溶液を用いることもできる。また,反応液内の酸化還元物質と酵素の組み合わせによっては,伸長反応により表面電位が減少する場合もある。その場合には,洗浄液として,過酸化水素水,フェロシアン化カリウムなどの酸化物質を含む溶液を用いることもできる。プライマーDNAは,測定セル1016の各槽に固定化してもよいし,測定電極1019に固定化しても良い。プライマーDNAを固定化する代わりに,サンプルDNAを固定化し,固定化したサンプルDNAにプライマーDNAをハイブリダイズさせても良い。サンプルDNAとプライマーDNAをハイブリダイズさせてから固定化しても良い。
媒体に水と非混和の液体を用いて各槽内の反応溶液を分離することで,反応溶液間の混和を防止することができる。媒体を用いない場合,各槽内の溶液が槽外へ拡散することで,隣接する槽に混和し,隣接する槽内の電極に誤った信号を生じさせる。媒体の部分を空気で置き換えると,反応溶液間の混和は防止できるが,図10の構成では参照電極からの電圧が反応溶液に伝わらず,正しい界面電位を計測することができない。これを解決する別の手段として,槽内に小型の参照電極を設けることが考えられる。しかし,耐久性と安定性を得ることは困難であり,そもそも100μm程度かそれ以下の部位に参照電極を構築することは大変困難である。本実施例のように媒体を介して参照電極から各槽に電圧を印加することで,従来の参照電極を用いたまま,各反応溶液間の混和を防止することができる。
図13は,本発明の他の実施例で用いる電界効果トランジスタと電極を有する基板の一例を示す図である。図13(A),(B)は,各々断面構造及び平面構造を表わしている。電界効果トランジスタは,シリコン基板1301の表面にソース1302,ドレイン1303,及びゲート絶縁膜1304を形成し,導電性配線1305を介してゲート部と電極1307が接続されている。基板の表面は,電極1307以外は窒化膜1306で覆われている。電極1307の周りはプラズマ処理にて親水性表面1308になっている。
図14は,本発明による小型分析装置を用いて3種類の異なる試料を測定した結果を示す図である。測定には,図1の装置を用いた。各槽は,直径2mm,深さ3.5mmとした。媒体105には,1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメチルスルホニルイミド50μlを用いた。測定溶液106には,PBS(10mM Na2HPO4, 1.8mM KH2PO4, 137mM NaCl, 2.7mM KCl, pH7.4)に下記の比率で溶解したフェリシアン化カリウム/フェロシアン化カリウム溶液(それぞれ,1:9,5:5,9:1)を,各々9μlずつ用いた。
1:9 10mMフェリシアン化カリウム,90mMフェロシアン化カリウム
5:5 50mMフェリシアン化カリウム,50mMフェロシアン化カリウム
9:1 90mMフェリシアン化カリウム,10mMフェロシアン化カリウム
電極107には金を,参照電極109には内部液に飽和塩化カリウム溶液を有する銀塩化銀参照電極を用いた。測定温度は24℃であった。図14(A)は測定開始後の電位の時間変化である。測定開始後200秒後あたりまで電位のドリフトが見られるが,1:9と5:5と9:1の電位の差はほぼ一定の値を保っている。図14(B)は測定終了時の電位を,横軸をlog[Ox]/[Red]としてプロットしたものである。ここで,[Ox]は酸化物質であるフェリシアン化カリウム濃度,[Red]は還元物質であるフェロシアン化カリウム濃度である。ネルンストの式によると,電極にはlog[Ox]/[Red]に比例した電位が発生し,その傾き(スロープ感度)は25℃において59mVである。実験では,理論値と等しい59mVのスロープ感度が観測された。
図15は,本発明による小型分析装置を用いて3種類の異なる試料を測定した結果を示す図である。測定には,図1の装置を用いた。各槽は,直径2mm,深さ3.5mmとした。媒体105には,10mg/ml テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボーレートを含有するニトロフェニルオクチルエーテル50μlを用いた。測定溶液106には,PBS(10mM Na2HPO4, 1.8mM KH2PO4, 137mM NaCl, 2.7mM KCl, pH7.4)に下記の比率で溶解したフェリシアン化カリウム/フェロシアン化カリウム溶液(それぞれ,1:9,5:5,9:1)を,各々9μlずつ用いた。
1:9 10mMフェリシアン化カリウム,90mMフェロシアン化カリウム
5:5 50mMフェリシアン化カリウム,50mMフェロシアン化カリウム
9:1 90mMフェリシアン化カリウム,10mMフェロシアン化カリウム
電極107には金を,参照電極109には内部液に飽和塩化カリウム溶液を有する銀塩化銀参照電極を用いた。測定温度は24℃であった。図15(A)は測定開始後の電位の時間変化である。測定開始後800秒後あたりまで電位のドリフトが見られるが,1:9と5:5と9:1の電位の差はほぼ一定の値を保っている。図15(B)は測定終了時の電位を,横軸をlog[Ox]/[Red]としてプロットしたものである。ここで,[Ox]は酸化物質であるフェリシアン化カリウム濃度,[Red]は還元物質であるフェロシアン化カリウム濃度である。ネルンストの式によると,電極にはlog[Ox]/[Red]に比例した電位が発生し,その傾き(スロープ感度)は25℃において59mVである。実験では,理論値とほぼ等しい58mVのスロープ感度が観測された。
本発明による微量液体分析装置の一例を示すブロック図。 本発明による微量液体分析装置の一例を示すブロック図。 本発明による微量液体分析装置の測定部の一例を示す図。 本発明による微量液体分析装置の測定部の一例を示す図。 本発明による微量液体分析装置の一例を示すブロック図。 本発明による微量液体分析装置の一例を示すブロック図。 本発明による微量液体分析装置の測定部の一例を示す図。 本発明による微量液体分析装置の測定部の一例を示す図。 本発明による生体試料分析装置の一例を示すブロック図。 本発明による核酸配列分析装置の一例を示すブロック図。 本発明による核酸配列分析装置での測定フローの一例を示す図。 本発明による核酸配列分析装置での媒体導入の一例を示す図。 本発明による微量液体分析装置で用いる基板の一例を示す図。 本発明による微量液体分析装置を用いた測定結果の一例を示す図。 本発明による微量液体分析装置を用いた測定結果の一例を示す図。
符号の説明
101,201,501,601,901,1001…測定部
102,202,502,602,902,1002…信号処理回路
103,203,503,603,903,1003…データ処理装置
104,204,301,401,504,604,701,1016…測定容器
105,205,305,408,505,605,708,811…媒体
106,206,306,409,506,606,709,801,812…測定溶液
107,304,404,511,611,706,806,1019,1307…電極
108,208…電位計
109,210,508,612,707,807,1021…参照電極
207…測定電極
209,608,710,813…参照電極内部液
302,402,406,702,802,809…疎水性表面
303,403,407,703,803,810,1308…親水性表面
405,808…容器蓋
507,607,704,804…基板
509,609…電源
510,610,705,805,1020…電界効果トランジスタ
904…電位測定部
905…試料
906…試薬
907…分注器
908…媒体注入部
1004…洗浄液容器
1005…反応溶液容器
1006…dATP溶液容器
1007…dTTP溶液容器
1008…dGTP溶液容器
1009…dCTP溶液容器
1010…洗浄液供給バルブ
1011…反応溶液供給バルブ
1012…dATP溶液供給バルブ
1013…dTTP溶液供給バルブ
1014…dGTP溶液供給バルブ
1015…dCTP溶液供給バルブ
1017…メッシュ
1018…ビーズ
1022…廃液容器
1023…媒体容器
1024…媒体供給バルブ
1301…シリコン基板
1302…ソース
1303…ドレイン
1304…ゲート絶縁膜
1305…導電性配線
1306…窒化膜

Claims (10)

  1. 複数の試料配置部が設けられた容器と,
    前記複数の試料配置部にそれぞれ設置された複数の測定電極と,
    前記複数の試料配置部に配置された複数の試料溶液の全てに接するように導入された媒体と,
    内部液を収める内部液収容部を備え,前記媒体に接触するように配置された1つの参照電極と,
    前記複数の測定電極と前記参照電極の間の電位差を測定する手段とを有し,
    前記媒体は有機塩を含み水と非混和性の液体,もしくは水と非混和性の液状の有機塩であることを特徴とする分析装置。
  2. 請求項1記載の分析装置において,前記測定電極は貴金属,カーボンもしくはイオン感応膜であることを特徴とする分析装置。
  3. 請求項1記載の分析装置において,前記内部液収容部の容量が前記試料配置部に配置された試料溶液の容量よりも大きいことを特徴とする分析装置。
  4. 請求項1記載の分析装置において,前記電位差を測定する手段は電界効果トランジスタを有することを特徴とする分析装置。
  5. 請求項1記載の分析装置において,前記媒体を前記容器に導入する媒体導入部を有することを特徴とする分析装置。
  6. 請求項1記載の分析装置において,前記複数の試料配置部は各々隔壁によって区切られていることを特徴とする分析装置。
  7. 請求項1記載の分析装置において,前記容器は底面に,それぞれ孤立して設けられた,前記複数の試料配置部となる複数の親水性領域を有し,前記複数の親水性領域の間の領域は疎水性であることを特徴とする分析装置。
  8. 請求項1記載の分析装置において,前記電位差を測定する手段によって計測される電位差は,前記測定電極と前記試料溶液との界面,前記試料溶液と前記媒体との界面,及び前記媒体と前記内部液との界面を跨る電位差であることを特徴とする分析装置。
  9. 複数の試料配置部と1つの参照電極配置部とが設けられた容器と,
    前記複数の試料配置部にそれぞれ設置された複数の測定電極と,
    前記参照電極配置部に設置された参照電極と,
    前記参照電極と接触するように配置された参照電極内部液と,
    前記複数の試料配置部に配置された複数の試料溶液の全て及び前記参照電極内部液と液絡するように導入された,有機塩を含み水と非混和性の液体,もしくは水と非混和性の液状の有機塩からなる媒体と,
    前記複数の測定電極と前記参照電極の間の電位差を測定する手段と
    を有することを特徴とする分析装置。
  10. それぞれが隔壁によって区画され,核酸が固定されており,もしくは核酸が固定された部材が内部に配置された複数の反応槽を有する容器と,
    前複数の反応槽にそれぞれ配置された複数の測定電極と,
    内部液を収める内部液収容部を備え,前記容器に導入された溶液と接触するように配置された1つの参照電極と,
    前記複数の測定電極と前記参照電極の間の電位差を測定する複数の電界効果トランジスタを含む測定部と,
    dATPもしくはそのアナログ体を前記容器に供給する第1供給部と,
    dGTPもしくはそのアナログ体を前記容器に供給する第2供給部と,
    dCTPもしくはそのアナログ体を前記容器に供給する第3供給部と,
    dTTPもしくはそのアナログ体を前記容器に供給する第4供給部と,
    反応液を前記容器に供給する第5供給部と,
    洗浄液を前記容器に供給する第6供給部と,
    有機塩を含み水と非混和性の液体,もしくは水と非混和性の液状の有機塩からなる媒体を前記容器に供給する第7供給部と,
    前記容器への前記第1供給部,第2供給部,第3供給部,第4供給部,第5供給部,第6供給部及び第7供給部からの溶液の供給を制御し,前記第5供給部からの反応液の供給及び前記第7供給部からの媒体の供給に同期して前記測定部による電位差測定を行う制御部と
    を備えることを特徴とする分析装置。
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