JP5392344B2 - 電界効果トランジスタ型バイオセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、半導体電界効果トランジスタを用いたバイオセンサに関する。
近年、疾患の診断、薬物代謝に関する個人差の検出、または、食品若しくは環境モニタ等の目的で、DNA、糖鎖、たんぱく質等の生体関連物質の検査をするための種々の方法が開発されており、特に、電気的な信号によって生体分子(biomolecule)を検出するバイオセンサの研究が進んでいる。最近では、電気的な信号の転換が速く、集積回路とMEMS(Micro Electro Mechanical System)の接続が容易であるという観点から、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor、以下、「FET」ともいう。)を使用して生物学的な反応を検出するバイオセンサについて多くの研究が為されている。
従来、FETを用いたバイオセンサは、MOSFETからゲート電極を除去し、絶縁膜の上にイオン感応膜を被着した構造を有しており、「ISFET(Ion Sensitive FET)」と呼ばれている。そして、イオン感応膜に酸化還元酵素、各種タンパク質、DNA、抗原または抗体などを配置することによって、各種バイオセンサとして機能するようになっている(例えば、特許文献1)。
具体的には、バイオセンサに用いられるFETは、シリコン基板の表面にソース電極、ドレイン電極及びゲート絶縁膜を形成し、ソース電極とドレイン電極間のゲート絶縁物表面に金属電極を有している。この金属電極の表面には、DNAプローブとアルカンチオールが配置されている。実際に測定を行う場合には、金属電極と、金属電極の表面上に配置されたDNAプローブ及びアルカンチオールと、参照電極58とが測定セル内の反応溶液中に配置されるようになっており、参照電極を介して高周波電圧が印加されると、反応溶液中に含まれるターゲットDNAとDNAプローブとの結合の前後で変化する絶縁ゲート電界効果トランジスタの電気特性変化、すなわち、ソースとドレインとの間を流れる電流値の変化を検出することにより、反応溶液中に含まれるターゲットDNAの伸長の有無を検出することができるようになっている。
特開2007−108160号公報
通常、細胞またはDNAなどの生体関連物質の状態を電気的な信号で検出する場合には、細胞またはDNAの状態を顕微鏡で観察しつつ、当該状態における電気的な信号特性が重要な要素となる。その一方、一般的には、細胞等の観察は透過光により高倍率で観察するのが望ましい。
しかしながら、特許文献1に記載のバイオセンサは、不透明なベース基材及びソースまたはドレインの各電極などによってイオン感応膜に配置された被検査流体内に含まれる生体関連物質を高倍率で観察することができない。
また、生体関連物質を高倍率で観察するためには、当該配置された生体関連物質と顕微鏡の対物レンズなどの観察面を接近させる必要がある。その一方、イオン感応膜に配置された生体関連物質をその上方(基板側の反対側)から観察する場合には、水溶液、培養液、その他の薬品など当該生体関連物質が含まれる被検査流体自体が観察するための阻害要因となり、顕微鏡の対物レンズなどの観察面をイオン感応膜に接近させて高倍率によって配置された生体関連物質膜を観察することが難しい。また、ベース基材及び電極が不透明な材質によって形成されているために、ベース基材側からイオン感応膜に配置されたサンプルを観察することができない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、感応膜に配置された被検査流体に含まれる生体関連物質の電気的特性を検出することができるとともに、顕微鏡などの観察機器によって、かつ、高倍率によって配置された生体関連物質を観察することが可能なバイオセンサを提供することにある。
(1)上記課題を解決するため、本発明の電界効果トランジスタ型バイオセンサは、透明基材と、前記透明基材上に積層された透明な半導体膜と、前記半導体膜の両端に形成されたソース電極及びドレイン電極と、前記半導体膜上に絶縁膜を介して積層され、上面に被検査流体内に含まれる生体関連物質が配置される感応膜と、を備え、前記半導体膜が、InMZnO(MはGa,Al,Feのうち少なくとも1種)を主成分とするアモルファス酸化物、ZnOを主成分とする酸化物、インジウム錫オキサイド、インジウム亜鉛オキサイド、または、酸化マグネシウムから形成されている構成を有している。
本発明によれば、被検査流体の上部(基材側と反対側)から光を照射して当該感応膜に配置された生体関連物質を、基材側から顕微鏡その他の光学観察機器によって観察することができるので、被検査流体の上部から感応膜に配置された生体関連物質を観察する場合には比べて、当該生体関連物質における観察を高倍率にかつ的確に行うことができるとともに、生体関連物質の電気的特性の検出と当該生体関連物質における高倍率の観察とを両立させることができる。
(2)また、本発明の電界効果トランジスタ型バイオセンサは、前記生体関連物質が配置される前記感応膜の上面であって少なくとも前記半導体膜のチャネル上に形成される親水性を有する第1領域と、前記第1領域における積層方向とは垂直となる水平方向に隣接して形成された疎水性を有する第2領域と、を更に備える構成を有している。
本発明によれば、被検査流体を感応膜に滞留させるための隔壁その他の部材が不要とすることができるので、隔壁を設けなくても被検査流体を感応膜上に滞留させることができるとともに、当該バイオセンサの製造プロセスを簡易することができる。
(3)また、本発明の電界効果トランジスタ型バイオセンサは、前記生体関連物質が配置される前記感応膜の上面であって少なくとも前記半導体膜のチャネル上に形成される細胞接着性の特性を有する第1領域と、前記第1領域における積層方向とは垂直となる水平方向に隣接して形成されるとともに、炭素酸素結合を有する有機化合物を含む親水性膜によって形成された細胞接着阻害性の特性を有する第2領域とを更に備える構成を有している。
通常、細胞は、重力の関係で感応膜などの被検査流体の底部に集中する。本発明によれば、細胞接着性領域に生体関連物質を結集させて細胞接着阻害領域に生体関連物質を存在させないことによって、電気的特性を検出する際に細胞接着性領域以外に存在する生体関連物質の影響を排除することができるので、細胞接着性領域に接着された生体関連物質における電気的特性を的確に検出することができる。
(4)また、本発明の電界効果トランジスタ型バイオセンサは、前記ソース電極及びドレイン電極と絶縁されつつ、前記感応膜に隣接して設けられ、前記被検査流体に可変電圧を印加するための参照電極を更に有し、前記参照電極が透明電極である構成を有している。
本発明によれば、被検査流体を感応膜上に滞留させた後に参照電極を被検査流体に挿入することなく、当該被検査流体を感応膜上に滞留させれば。参照電極によって参照電圧を被検査流体に印加することができるので、検査プロセスを簡易にすることができる。
(5)また、本発明の電界効果トランジスタ型バイオセンサは、前記透明半導体膜が、透明な酸化物半導体によって形成されている構成を有している。
本発明によれば、透明半導体膜が、透明な酸化物半導体によって形成されているので、顕微鏡などの観察機器によって、かつ、高倍率によって被検査流体に含まれる生体関連物質を高倍率に観察することができる。
(6)また、本発明の電界効果トランジスタ型バイオセンサは、前記ソース電極及び前記ドレイン電極が、透明電極によって形成されている。
本発明によれば、ソース電極及びドレイン電極が、例えば、ITOまたはIZOなどの透明電極によって形成されているので、顕微鏡などの観察機器によって、かつ、高倍率によって被検査流体に含まれる生体関連物質を高倍率に観察することができる。
(7)また、本発明の電界効果トランジスタ型バイオセンサは、前記基材が、ガラス、PENまたはPETの何れかによって形成されている構成を有している。
本発明によれば、基材が、ガラス、PENまたはPETの何れかによって形成さているので、顕微鏡などの観察機器によって、かつ、高倍率によって被検査流体に含まれる生体関連物質を高倍率に観察することができる。
(8)また、本発明の電界効果トランジスタ型バイオセンサは、少なくとも感応膜における前記生体関連物質が配置される配置領域の周囲に被検査流体を当該配置領域に滞留させるための隔壁を更に備える構成を有している。
本発明によれば、隔壁によって感応膜における生体関連物質が配置される配置領域上に被検査流体を滞留させることができるので、的確に生体関連物質の電気的特性を検出することができる。
本発明に係るバイオセンサは、被検査流体の上部(基材側と反対側)から光を照射して当該感応膜に配置された生体関連物質を、基材側から顕微鏡その他の光学観察機器によって観察することができるので、被検査流体の上部から感応膜に配置された生体関連物質を観察する場合には比べて、当該生体関連物質における観察を高倍率に行うことができるとともに、生体関連物質の電気的特性の検出と当該生体関連物質における高倍率の観察とを両立させることができる。
本発明に係るISFETバイオセンサの第1実施形態の断面図である。 第1実施形態におけるISFETバイオセンサの動作原理を説明するための図である。 本発明に係るISFETバイオセンサの第2実施形態の断面図である。 第2実施形態におけるISFETバイオセンサの動作原理を説明するための図である。 本発明に係るISFETバイオセンサの第3実施形態の断面図である。 本発明に係るISFETバイオセンサの第4実施形態の断面図である。 本発明に係るISFETバイオセンサの第5実施形態の断面図である。
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、基材側から感応膜上に配置された被検査流体に含まれるサンプル、すなわち、細胞、DNA、糖鎖、タンパク質などの生体関連物質(以下、「サンプル」ともいう。)が当該基材側から顕微鏡によって可視化可能な構造を有するISFETバイオセンサに、本発明の電界効果トランジスタ型バイオセンサを適用した場合の実施形態である。また、図1〜図6のISFETバイオセンサに用いられるISFETは、擬トップゲートボトムコンタクトの構成を有し、図7のISFETバイオセンサに用いられるISFETは、擬トップゲートトップコンタクトの構成を有する。
[第1実施形態]
はじめに、図1及び図2を用いて本発明に係るISFETバイオセンサの第1実施形態について説明する。
(ISFETバイオセンサの構成)
次に、図1を用いて本実施形態のISFETバイオセンサにおける構成について説明する。なお、図1は、本実施形態のISFETバイオセンサの断面図である。
本実施形態のISFETバイオセンサは、図1に示すように、基材10と、基材10上に積層された透明半導体膜20と、透明半導体膜20の両端に形成されたソース電極30a及びドレイン電極30bと、透明半導体膜20とソース電極30a及びドレイン電極30bとを覆うように積層される絶縁膜(「ゲート絶縁膜」ともいう。)40と、絶縁膜40上に積層される感応膜50と、感応膜50の両端に形成され、当該感応膜50上にサンプルが含まれる水溶液または培養液などの被検査流体100を滞留させるための隔壁60と、を有している。
基材10は、基材10の下部から感応膜50が観察することができるように、透明であって、透明半導体膜20、ソース電極30a及びドレイン電極30bを積層することが可能な材料で形成されたものであれば特に限定されるものではない。この透明とは、顕微鏡などの観察機器を用いて基材10から感応膜50に配置された生体関連物質200が観察することができる程度に透明であればよく、半透明のものは含まれない。具体的には、ガラス等の無機材料、PENまたはPETなどのプラスチック(ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂)で代表される有機材料を挙げることができる。また、基材10の形状も限定されず、例えば、平板、平膜、フィルム、多孔質膜等の平坦な形状や、シリンダ、スタンプ、マルチウェルプレート、マイクロ流路等の立体的な形状が挙げられる。フィルムを使用する場合、その厚さは特に制限されないが、通常、1μm〜1mm程度である。
透明半導体膜20は、基材10上に積層されて形成されている。この透明半導体膜20は、基材10の下部から感応膜50が観察することができるように、透明であって、絶縁膜40を積層することが可能な材料で形成されたものであれば特に限定されるものではない。また、この透明とは、基材10と同様に、顕微鏡などの観察機器を用いて基材10から感応膜50に配置された生体関連物質200が観察することができる程度に透明であればよく、半透明のものは含まれない。
具体的には、透明半導体膜20は、InMZnO(Mはガリウム(Ga),アルミニウム(Al),鉄(Fe)のうち少なくとも1種)を主成分とするアモルファス酸化物によって形成される。特に、MがGaであるInGaZnO系のアモルファス酸化物が好ましい。また、このIGZOを主成分とする透明半導体膜20には、必要に応じて、Al、Fe、Sn等を構成元素として加えたものであってもよい。IGZO半導体膜など透明半導体膜20は、室温から150℃程度の低温での成膜が可能であることから、耐熱性に乏しいプラスチック基板やガラス基板に対して好ましく適用できる。
また、透明半導体膜20は、酸化物亜鉛(ZnO)を主成分とする酸化物半導体から形成されていてもよい。また、このZnOを主成分とする透明半導体膜20には、真性の酸化物亜鉛の他に、必要に応じて、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、窒素(N)及び炭素(C)等のp型ドーパント及びホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)等のn型ドーパントがドーピングされた酸化亜鉛及びマグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)などがドーピングされた酸化亜鉛を加えたものであってもよい。さらに、透明半導体膜20は、錫を添加した酸化インジウム(インジウム錫オキサイド:ITO)、インジウム亜鉛オキサイド(IZO)または酸化マグネシウム(MgO)などの酸化物半導体から形成されていてもよい。
なお、透明半導体膜20の膜厚は、諸条件により適宜選択されることが可能であって、特に、20nm〜100nm程度が好ましい。
ソース電極30a及びドレイン電極30bは、透明半導体膜20の両端に、すなわち、積層方向に対して垂直となる水平方向に隣接されて形成されている。このソース電極30a及びドレイン電極30bは、透明半導体膜20とのオーミック接触が得られるとともに、基材10の下部から感応膜50が観察することができるように、透明電極であって、絶縁膜40を積層することが可能な導電膜で形成されたものであれば特に限定されるものではない。また、この透明とは、基材10と同様に、顕微鏡などの観察機器を用いて基材10から感応膜50に配置された生体関連物質200が観察することができる程度に透明であればよく、半透明のものは含まれない。具体的には、インジウム錫オキサイド(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)などの導電性のものから形成される。
なお、ソース電極30a及びドレイン電極30bの膜厚は、諸条件により適宜選択されることが可能であって、特に、20nm〜200nm程度が好ましい。
絶縁膜40は、透明半導体膜20、ソース電極30a及びドレイン電極30bを覆うように、透明半導体膜20、ソース電極30a及びドレイン電極30b上に積層される。また、この絶縁膜40は、基材10の下部から感応膜50が観察することができるように、透明であって、感応膜50を積層することが可能な材料で形成されたものであれば特に限定されるものではない。具体的には、絶縁性の観点から、酸化珪素(SiO)、窒化珪素(SiNx)、窒化酸化珪素(SiOxNy)などのシリコン酸化物若しくはシリコン窒化物から形成される。特に、本実施形態の絶縁膜40には、酸化珪素を用いるのが好ましい。なお、絶縁膜40の膜厚は、諸条件により適宜選択可能であって、特に、50nmから1μm程度が好ましい。
感応膜50は、絶縁膜40上に積層され、被検査流体100に含まれるサンプル、すなわち、細胞、DNA、糖鎖、タンパク質などの生体関連物質200を配置可能なものによって形成される。特に、感応膜50は、透明半導体膜20におけるチャネルが形成される領域上に、滞留された被検査流体100に含まれる生体関連物質200が配置されるための領域(以下、「配置領域」という。)51を少なくとも有している。また、感応膜50は、イオン感応膜であって、シリコン酸化膜(SiO)シリコン窒化膜(SiN)、タンタル酸化膜(Ta)または酸化アルミニウム膜(Al)によって形成される。これらのイオン感応膜を測定したいイオン種に応じて適宜採用すればよい。また必要に応じて、DNAタンパク質、糖鎖を固定化する為の表面修飾がなされていてもよい。
隔壁60は、感応膜50上であって配置領域51の周囲に形成されており、水溶液または培養液などの被検査流体100を感応膜50上に滞留させるように積層方向に対して所定の高さを有している。障壁は、配置領域51外に被検査流体100の漏出させないための材料で形成されたものであれば、特に限定されるものではない。具体的には、ガラス、プラスチックまたは金属によって形成されている。
(ISFETバイオセンサの動作原理)
次に、図2を用いて本実施形態におけるISFETバイオセンサの動作原理について説明する。なお、図2は、本実施形態におけるISFETバイオセンサの動作原理を説明するための図である。
本実施形態のISFETバイオセンサは、上述のような構成を有することによって、被検査流体100に含まれるサンプル、すなわち、細胞、DNA、糖鎖、タンパク質などの生体関連物質200を感応膜50上に配置させることができるようになっている。したがって、図2に示すように、ソース−ドレイン間に0.1V〜1V程度の電圧VDSを印加しつつ、被検査流体100内に挿入された参照電極300を介して可変電圧(参照電圧)Vを被検査流体100に印加すると、感応膜50に生ずる電位(以下、「膜電位」ともいう。)の変化に応じて、透明半導体膜20に形成されるチャネル領域が変化し、ドレイン電流Iの変化を検出することができる。この結果、参照電圧Vに基づくドレイン電流Iの変化、すなわち、トランジスタとしての電流−電圧特性を、予め測定した生体関連物質200における電流−電圧特性と比較することによって被検査流体100に含まれるサンプルの種別を特定することができるようになっている。
その一方、図示しない被検査流体100の上部(基材10側と反対側)から光を照射して当該感応膜50に配置された生体関連物質200を、基材10側から顕微鏡その他の光学観察機器によって観察することができる。特に、透過光を利用した倒立型顕微鏡を用いる場合には、対物レンズを感応膜50に配置された生体関連物質200に接近させることができる。なお、必要に応じて明視野観察の他に位相差顕微鏡、微分干渉顕微鏡等を用いることも可能である。したがって、感応膜50に配置された生体関連物質200の電気的特性の検出と、当該生体関連物質200における高倍率の観察とを両立させることができるようになっている。
(作用効果)
以上、本実施形態のISFETバイオセンサは、被検査流体100の上部(基材10側と反対側)から光を照射して当該感応膜50に配置された生体関連物質200を、基材10側から顕微鏡その他の光学観察機器によって観察することができるので、被検査流体100の上部から感応膜50に配置された生体関連物質200を観察する場合に比べて、当該生体関連物質200における観察を高倍率に行うことができるとともに、生体関連物質200の電気的特性の検出と当該生体関連物質200における高倍率の観察とを両立させることができる。
本実施形態のISFETバイオセンサは、透明半導体膜20が、透明な酸化物半導体によって形成されているので、顕微鏡などの観察機器によって、かつ、高倍率によって被検査流体100に含まれる生体関連物質200を観察することが可能なバイオセンサを提供することにある。
本実施形態のISFETバイオセンサは、透明電極が、ITOまたはIZOの何れかによって形成されているので、顕微鏡などの観察機器によって、かつ、高倍率によって被検査流体100に含まれる生体関連物質200を観察することが可能なバイオセンサを提供することにある。
本実施形態のISFETバイオセンサは、基材10が、ガラス、PENまたはPETの何れかによって形成さているので、顕微鏡などの観察機器によって、かつ、高倍率によって被検査流体100に含まれる生体関連物質200を観察することが可能なバイオセンサを提供することにある。
本実施形態のISFETバイオセンサは、隔壁60によって感応膜50における生体関連物質200が配置される配置領域51上に被検査流体100を滞留させることができるので、的確に生体関連物質200の電気的特性を検出することができる。
[第2実施形態]
次に、図3及び図4を用いて本発明に係るISFETバイオセンサの第2実施形態について説明する。
本実施形態のISFETバイオセンサは、第1実施形態において参照電極300が被検査流体100内に挿入されている点に代えて、透明であって、感応膜50に隣接し、かつ、被検査流体100に参照電圧を印加することが可能な領域に形成された参照電極400を有している点に特徴がある。なお、その他の構成は、第1実施形態と同一であるので、同一部材に対しては同一の符号を付してその説明を省略する。
(ISFETバイオセンサの構成)
まず、図3を用いて本実施形態のISFETバイオセンサの構成について説明する。なお、図3は、本実施形態のISFETバイオセンサの断面図である。
本実施形態のISFETバイオセンサは、図3に示すように、基材10と、基材10上に積層された透明半導体膜20と、透明半導体膜20の両端に形成されたソース電極30a及びドレイン電極30bと、透明半導体膜20とソース電極30a及びドレイン電極30bとを覆うように積層される絶縁膜40と、絶縁膜40上に積層される感応膜50と、感応膜50の配置領域51に隣接され、被検査流体100に参照電圧を印加するための透明参照電極400と、当該感応膜50上にサンプルが含まれる水溶液または培養液などの被検査流体100を滞留させるための隔壁60と、を有している。
透明参照電極400は、積層方向に垂直な水平方向において感応膜50における配置領域51に隣接して形成されており、一部が被検査流体100と接触するように当該被検査流体100が滞留されている領域に形成される。また、透明参照電極400は、ソース電極30a及びドレイン電極30bと絶縁されて設けられており、感応膜50の配置領域51以外の領域に積層されている。さらに、透明参照電極400は、透明電極であって導電膜で形成されたものであれば特に限定されるものではない。また、この透明とは、基材10と同様に、顕微鏡などの観察機器を用いて基材10から感応膜50に配置された生体関連物質200が観察することができる程度に透明であればよく、半透明のものは含まれない。具体的には、インジウム錫オキサイド(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)などの導電性のものから形成される。
(ISFETバイオセンサの動作)
次に、図4を用いて本実施形態におけるISFETバイオセンサの動作原理について説明する。なお、図4は、本実施形態におけるISFETバイオセンサの動作原理を説明するための図である。
本実施形態のISFETバイオセンサは、上述のような構成を有することによって、被検査流体100に含まれるサンプル、すなわち、細胞、DNA、糖鎖、タンパク質などの生体関連物質200を感応膜50上に配置させることができるようになっている。したがって、第1実施形態同様に、図4に示すように、ソース−ドレイン間に0.1V〜1V程度の電圧VDSを印加しつつ、透明参照電極400を介して可変電圧(参照電圧)Vを被検査流体100に印加すると、感応膜50に生ずる膜電位の変化に応じて、透明半導体膜20に形成されるチャネル領域が変化し、ドレイン電流Iの変化を検出することができる。この結果、参照電圧Vに基づくドレイン電流Iの変化、すなわち、電流−電圧特性を、予め測定した生体関連物質200における電流−電圧特性と比較することによって被検査流体100に含まれるサンプルの種別を特定することができるようになっている。
その一方、第1実施形態と同様に、図示しない被検査流体100の上部(基材10側と反対側)から光を照射して当該感応膜50に配置された生体関連物質200を、基材10側から顕微鏡その他の光学観察機器によって観察することができるので、感応膜50に配置された生体関連物質200の電気的特性の検出と、当該生体関連物質200における高倍率の観察とを両立させることができるようになっている。
(作用効果)
以上本実施形態のISFETバイオセンサは、第1実施形態の効果に加えて、被検査流体100を感応膜50上に滞留させた後に参照電極を被検査流体100に挿入することなく、当該被検査流体100を感応膜50上に滞留させれば、透明参照電極400によって参照電圧を被検査流体100に印加することができるので、検査プロセスを簡易にすることができる。
[第3実施形態]
次に、図5を用いて本発明に係るISFETバイオセンサの第3実施形態について説明する。
本実施形態のISFETバイオセンサは、第1実施形態における隔壁60に代えて、感応膜50の配置領域52が親水性であって、かつ、感応膜50における配置領域52に隣接した領域が疎水性を有する点に特徴がある。なお、その他の構成は、第1実施形態と同一であるので、同一部材に対しては同一の符号を付してその説明を省略する。
(ISFETバイオセンサの構成)
まず、図5を用いて本実施形態のISFETバイオセンサの構成について説明する。なお、図5は、本実施形態のISFETバイオセンサの断面図である。
本実施形態のISFETバイオセンサは、図3に示すように、基材10と、基材10上に積層された透明半導体膜20と、透明半導体膜20の両端に形成されたソース電極30a及びドレイン電極30bと、透明半導体膜20とソース電極30a及びドレイン電極30bとを覆うように積層される絶縁膜40と、絶縁膜40上に積層され、疎水性と親水性の領域を有する感応膜50と、を有している。
感応膜50は、親水性を発揮するための物質が塗布等によって形成されている配置領域52と、感応膜50上に形成された領域であって、配置領域52に被検査流体100を滞留させるために配置領域52の外周に沿って疎水性を発揮するための物質が塗布等によって形成されている疎水性領域53と、を有している。
配置領域52は、感応膜50が親水性の物質によって形成されている場合に、他の物質を用いることなく、感応膜50の物質によって形成されている。また、配置領域52は、上記に代えて、感応膜50の表面への親水性の物質の塗布等、または、低親水性若しくは疎水性を有する物質の塗布及びUV照射等によって形成されていてもよい。
疎水性領域53は、該当する感応膜50の表面の領域に疎水性の物質の塗布等、または、有機物などの親水性を有する物質の塗布及び四フッ化メタンガスのプラズマを用いてプラズマ処理を行うことによって形成されている。例えば、本実施形態においては、親水性を有するシリコン酸化膜(SiO)によって感応膜50が形成されている場合には、配置領域52は、当該シリコン酸化膜によって形成され、疎水性領域53に相当する領域にレジストなどの有機物を軽視してプラズマ処理を行うことによって当該疎水性領域53を形成するようになっている。
(作用効果)
以上本実施形態のISFETバイオセンサは、被検査流体100を感応膜50に対流させるための隔壁60その他の部材が不要とすることができるので、隔壁60を設けなくても被検査流体100を感応膜50上に滞留させることができるとともに、当該バイオセンサの製造プロセスを簡易することができる。
(変形例)
なお、本実施形態においては、第1実施形態のように被検査流体100に参照電極を挿入して、参照電圧を被検査流体100に印加してもよいし、第2実施形態のように、参照電極が前記ソース電極30a及びドレイン電極30bと絶縁されつつ、前記感応膜50に隣接して設けられていてもよい。この場合には、参照電極上においても、親水性を有するように形成するとともに、参照電極に隣接した領域を疎水性を有するように形成すればよい。ただし、参照電極上の一部が疎水性を有していてもよい。
[第4実施形態]
次に、図6を用いて本発明に係るISFETバイオセンサの第4実施形態について説明する。
本実施形態のISFETバイオセンサは、第1実施形態において、感応膜50の配置領域が細胞の接着性を有する特性を有するとともに、感応膜50における配置領域に隣接した領域が細胞の接着を阻害する特性を有する点に特徴がある。なお、その他の構成は、第1実施形態と同一であるので、同一部材に対しては同一の符号を付してその説明を省略する。
(ISFETバイオセンサの構成)
まず、図6を用いて本実施形態のISFETバイオセンサの構成について説明する。なお、図6は、本実施形態のISFETバイオセンサの断面図である。
本実施形態のISFETバイオセンサは、図6に示すように、基材10と、基材10上に積層された透明半導体膜20と、透明半導体膜20の両端に形成されたソース電極30a及びドレイン電極30bと、透明半導体膜20とソース電極30a及びドレイン電極30bとを覆うように積層される絶縁膜40と、絶縁膜40上に積層され、細胞の接着性を有する配置領域(以下、「細胞接着性領域」ともいう。)55と細胞の接着を阻害する領域(以下、「細胞接着阻害性領域」という。)56を有する感応膜50と、当該感応膜50上にサンプルが含まれる水溶液または培養液などの被検査流体100を滞留させるための隔壁60と、を有している。
感応膜50は、細胞を接着させる強度の高い物質によって形成されている配置領域(細胞接着性領域)55と、配置領域に被検査流体100を滞留させるために配置領域55の外周に沿って形成される細胞接着阻害性領域56と、を有している。
なお、「細胞接着性」とは、細胞を接着する強度、すなわち細胞の接着しやすさを意味するとともに、細胞接着性領域55とは、細胞接着性が良好な領域を意味し、細胞接着阻害性領域56とは、細胞の接着性が悪い領域を意味する。したがって、細胞接着性領域55と細胞接着阻害性領域56とがパターン化された基板上に細胞が含まれた被検査流体100を滞留させると、細胞接着性領域55には細胞が接着するが、細胞接着阻害性領域56には細胞が接着しないため、細胞接着性領域55、すなわち、配置領域には細胞がパターン状に配列されることになる。
また、細胞接着性は、接着しようとする細胞によって異なる場合もあるため、細胞接着性が良好とは、ある種の細胞に対する細胞接着性が良好であることを意味する。したがって、感応膜50上には、複数種の細胞に対する複数の細胞接着性領域55が存在する場合、すなわち細胞接着性が異なる細胞接着性領域55が2水準以上存在する場合もある。
具体的には、細胞接着性領域55は、炭素酸素結合を有する有機化合物を含む細胞接着阻害性の親水性膜に酸化処理及び/または分解処理を施して細胞接着性とした膜で形成されている。この細胞接着性領域55は、感応膜50の表面全体に炭素酸素結合を有する有機化合物を含む細胞接着阻害性の親水性膜を形成し、次いで、細胞の接着が望まれる領域に対して酸化処理及び/または分解処理を施すことにより当該領域に細胞接着性を付与して細胞接着性領域55に改変する。なお、前記処理を施さない部分は細胞接着阻害性領域56である。
また、細胞接着性領域55は、炭素酸素結合を有する有機化合物を低密度で含む親水性膜で形成されていてもよい。この場合には、細胞接着性領域55は、炭素酸素結合を有する有機化合物を高密度で含む親水性膜が細胞接着阻害性を有するのに対して、前記化合物を低密度で含む親水性膜は細胞接着性を有することを利用したものである。なお、感応膜50の表面に前記化合物が結合しやすい第一領域と結合しにくい第二領域とを設け、該感応膜50の表面に前記化合物の膜を形成すると、第一領域は細胞接着阻害性領域56となり、第二領域は細胞接着性領域55となる。
一方、細胞接着阻害性領域56は、炭素酸素結合を有する有機化合物により形成される親水性膜により形成される。当該親水性膜は、水溶性や水膨潤性を有する、炭素酸素結合を有する有機化合物を主原料とする薄膜であり、酸化される前は細胞接着阻害性を有し、酸化及び/または分解された後は細胞接着性を有しているものであれば特に限定されない。この炭素酸素結合とは、炭素と酸素との間に形成される結合を意味し、単結合に限らず二重結合であってもよい。炭素酸素結合としてはC−O結合、C(=O)−O結合、C=O結合が挙げられる。
また、主原料としては、水溶性高分子、水溶性オリゴマー、水溶性有機化合物、界面活性物質、両親媒性物質等が挙げられ、これらが相互に物理的または化学的に架橋し、感応膜50と物理的または化学的に結合することにより親水性膜となる。具体的な水溶性高分子材料としては、ポリアルキレングリコール及びその誘導体、ポリアクリル酸及びその誘導体、ポリメタクリル酸及びその誘導体、ポリアクリルアミド及びその誘導体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、双性イオン型高分子、多糖類、等を挙げることができる。分子形状は、直鎖状、分岐を有するもの、デンドリマー等を挙げることができる。より具体的には、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体、例えば、Plutonic F108、Plutonic F127、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メタクリロイルオキシエチルフォスフォリルコリン)、メタクリロイルオキシエチルフォスフォリルコリンとアクリルモノマーの共重合体、デキストラン、及びヘパリンが挙げられるがこれらには限定されない。具体的な水溶性オリゴマー材料や水溶性低分子化合物としては、アルキレングリコールオリゴマー及びその誘導体、アクリル酸オリゴマー及びその誘導体、メタクリル酸オリゴマー及びその誘導体、アクリルアミドオリゴマー及びその誘導体、酢酸ビニルオリゴマーの鹸化物及びその誘導体、双性イオンモノマーからなるオリゴマー及びその誘導体、アクリル酸及びその誘導体、メタクリル酸及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体、双性イオン化合物、水溶性シランカップリング剤、水溶性チオール化合物等を挙げることができる。より具体的には、エチレングリコールオリゴマー、(N−イソプロピルアクリルアミド)オリゴマー、メタクリロイルオキシエチルフォスフォリルコリンオリゴマー、低分子量デキストラン、低分子量ヘパリン、オリゴエチレングリコールチオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、2−〔メトキシ(ポリエチレンオキシ)−プロピルトリメトキシシラン、及びトリエチレングリコール−ターミネーティッド−チオールが挙げられるがこれらには限定されない。
なお、親水性膜は、処理前は高い細胞接着阻害性を有し、酸化処理及び/または分解処理後は弱い細胞接着性を示すものであることが望ましい。また、親水性膜の平均厚さは、0.8nm〜500μmが好ましく、0.8nm〜100μmがより好ましく、1nm〜10μmがより好ましく、1.5nm〜1μmが最も好ましい。平均厚さが0.8nm以上であれば、タンパク質の吸着や細胞の接着において、基板表面の親水性薄膜で覆われていない領域の影響を受けにくいため好ましい。また、平均厚さが500μm以下であればコーティングが比較的容易である。
(作用効果)
以上本実施形態のISFETバイオセンサは、細胞接着性領域55に生体関連物質200を結集させて細胞接着阻害性領域56に生体関連物質200を存在させないことによって、電気的特性を検出する際に、細胞接着性領域55以外に存在する生体関連物質200の影響を排除することができるとともに、細胞接着性領域55に接着された生体関連物質200における電気的特性を的確に検出することができる。
(変形例)
なお、本実施形態においては、第1実施形態のように被検査流体100に参照電極を挿入して、参照電圧を被検査流体100に印加してもよいし、第2実施形態のように、参照電極がソース電極30a及びドレイン電極30bと絶縁されつつ、感応膜50に隣接して設けられていてもよい。この場合には、的確に生体関連物質200の電気的特性を検出するために、参照電極上には細胞接着阻害性領域56が形成されるようになっている。
[第5実施形態]
次に、図7を用いて本発明に係るISFETバイオセンサの第5実施形態について説明する。
(ISFETバイオセンサの構成)
次に、図7を用いて本実施形態のISFETバイオセンサにおける構成について説明する。なお、図7は、本実施形態のISFETバイオセンサの断面図である。
本実施形態のISFETバイオセンサは、第1実施形態のソース電極30a及びドレイン電極30bにおける構造に、コプレーナ型を適用した点に特徴がある。なお、その他の構成は、第1実施形態と同一であるので、同一部材に対しては同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態のISFETバイオセンサは、図7に示すように、基材10と、基材10上に積層された透明半導体膜20と、透明半導体膜20の両端に形成されたソース側拡散領域31a及びドレイン側拡散領域31bと、ソース側拡散領域31aまたはドレイン側拡散領域31bと接続されるソース電極30a及びドレイン電極30bと、透明半導体膜20とソース電極30a及びドレイン電極30bとを覆うように積層される絶縁膜40と、絶縁膜40上に積層される感応膜50と、感応膜50の両端に形成され、当該感応膜50上にサンプルが含まれる水溶液または培養液などの被検査流体100を滞留させるための隔壁60と、を有している。
ソース側拡散領域31aまたはドレイン側拡散領域31bは、透明半導体に対してプラズマ処理(例えば、水素プラズマ、アルゴンプラズマ)の所定の処理を行うことによって低抵抗化することによって形成される。また、ソース側拡散領域31aまたはドレイン側拡散領域31bは絶縁膜40中に形成されたコンタクトホールHを介してソース電極30aまたはドレイン電極30bと電気的に接合される。
(作用効果)
本実施形態のISFETバイオセンサは、第1実施形態と同様に、被検査流体100の上部(基材10側と反対側)から光を照射して当該感応膜50に配置された生体関連物質200を、基材10側から顕微鏡その他の光学観察機器によって観察することができるので、被検査流体100の上部から感応膜50に配置された生体関連物質200を観察する場合には比べて、当該生体関連物質200における観察を高倍率に行うことができるとともに、生体関連物質200の電気的特性の検出と当該生体関連物質200における高倍率の観察とを両立させることができる。
(変形例)
なお、本実施形態においては、第1実施形態のように被検査流体100に参照電極を挿入して、参照電圧を被検査流体100に印加してもよいし、第2実施形態のように、参照電極がソース電極30a及びドレイン電極30bと絶縁されつつ、感応膜50に隣接して設けられていてもよい。
10 … 基材
20 … 半導体膜
30a … ソース電極
30b … ドレイン電極
31a … ソース側拡散領域
31b … ドレイン側拡散領域
40 … 絶縁膜
50 … 感応膜
51 … 配置領域
52 … 親水性領域
53 … 疎水性領域
55 … 細胞接着性領域
56 … 細胞接着阻害性領域
60 … 隔壁
100 … 被検査流体
200 … 生体関連物質
300、400 … 参照電極

Claims (8)

  1. 透明基材と、
    前記透明基材上に積層された透明な半導体膜と、
    前記半導体膜の両端に形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    前記半導体膜上に絶縁膜を介して積層され、上面に被検査流体内に含まれる生体関連物質が配置される感応膜と、を備え
    前記半導体膜が、InMZnO(MはGa,Al,Feのうち少なくとも1種)を主成分とするアモルファス酸化物、ZnOを主成分とする酸化物、インジウム錫オキサイド、インジウム亜鉛オキサイド、または、酸化マグネシウムから形成されていることを特徴とする電界効果トランジスタ型バイオセンサ。
  2. 前記生体関連物質が配置される前記感応膜の上面であって少なくとも前記半導体膜のチャネル上に形成される親水性を有する第1領域と、前記第1領域における積層方向とは垂直となる水平方向に隣接して形成された疎水性を有する第2領域と、
    を更に備える、請求項1に記載の電界効果トランジスタ型バイオセンサ。
  3. 前記生体関連物質が配置される前記感応膜の上面であって少なくとも前記半導体膜のチャネル上に形成される細胞接着性の特性を有する第1領域と、前記第1領域における積層方向とは垂直となる水平方向に隣接して形成されるとともに、炭素酸素結合を有する有機化合物を含む親水性膜によって形成された細胞接着阻害性の特性を有する第2領域とを更に備える、請求項1に記載の電界効果トランジスタ型バイオセンサ。
  4. 前記ソース電極及びドレイン電極と絶縁されつつ、前記感応膜に隣接して設けられ、前記被検査流体に可変電圧を印加するための参照電極を更に有し、
    前記参照電極が透明電極である、請求項1〜3の何れか一項に記載の電界効果トランジスタ型バイオセンサ。
  5. 前記透明半導体膜が、透明な酸化物半導体によって形成されている、請求項1〜4の何れか一項に記載の電界効果トランジスタ型バイオセンサ。
  6. 前記ソース電極及び前記ドレイン電極が、透明電極によって形成されている、請求項1〜5の何れか一項に記載の電界効果トランジスタ型バイオセンサ。
  7. 前記基材が、ガラス、PENまたはPETの何れかによって形成されている、請求項1〜6の何れか一項に記載の電界効果トランジスタ型バイオセンサ。
  8. 少なくとも感応膜における前記生体関連物質が配置される配置領域の周囲に被検査流体を当該配置領域に滞留させるための隔壁を更に備える、請求項1または3に記載の電界効果トランジスタ型バイオセンサ。
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