JP5903872B2 - トランジスタ型センサ、およびトランジスタ型センサの製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献2に記載のイオン選択性電極は、測定対象となる試料液を上述した流路に流して測定する際に生じる課題に対応したものであり、測定対象となる試料がイオン感応膜上に静止している場合に、高精度な測定を実現させるものではない。
そのため、上記イオン感応膜の表面粗さをRa=6.5nm以上とし、上記イオン感応膜の表面に所定の大きさの凹凸形状を形成することで、上記イオン感応膜近傍の電荷(正(負)の電荷を有するイオン)によって影響を受ける単位面積あたりの領域を増やすことができる、すなわち被検査流体の帯電の様子を感じることができる単位面積あたりの領域を増やすことができ、上記イオン感応膜の感度を上げることが可能となる。
このように、本発明においては、上記イオン感応膜の表面の処理を行うに際して、トランジスタ型センサの製造において一般的な製造工程の1つである上記ドライエッチング処理工程を採用しているため、上記イオン感応膜の表面を粗くするための特別な処理等を要することがない。すなわち、表面粗さがRa=6.5nm以上である上記イオン感応膜を備えたトランジスタ型センサを簡易的に製造することができる。
本発明により得られる上記トランジスタ型センサに用いることで、測定の際に生じるノイズの影響を受けることなく、上記被検査流体のイオン濃度測定をより高精度に行うことが可能となる。
また、上記トランジスタ部の最上部および上記検知用電極上に、上記保護層および上記イオン感応膜を一体に形成する保護層およびイオン感応膜形成工程を有することにより、経時劣化を防止することが可能なトランジスタ型センサをより簡易に製造することができる。
さらに、上記イオン感応膜の表面をドライエッチング処理するドライエッチング処理工程を有することにより、上記イオン感応膜の感度を上げ、高精度な測定が可能なトランジスタ型センサを製造することができる。
本発明のトランジスタ型センサは、基材と、上記基材上に形成された半導体層、ならびに上記半導体層に接するように形成されたソース電極およびドレイン電極を有するトランジスタ部と、絶縁性材料を含むイオン感応膜を少なくとも有するセンサ部とを有し、上記イオン感応膜の表面における電気特性の変化を、上記トランジスタ部で検出するトランジスタ型センサであって、上記イオン感応膜の表面粗さがRa=6.5nm以上であることを特徴とするものである。
このように、上記イオン感応膜の表面粗さを粗くすることで、高精度な測定が可能となる、すなわち上記イオン感応膜の感度が上がるのは、以下の作用によるものであると推測される。
溶液中における電荷の帯電現象は、原則的には電荷中性保存則のもと行われるものである。そのため、上記イオン感応膜上に測定対象となる被検査流体を配置して、上記被検査流体に可変電圧(参照電圧)を印加すると、上記被検査流体に含まれる正(負)の電荷を有するイオンは、上記イオン感応膜の表面電荷がつくる電場によって引き寄せられ、負(正)の電荷を有するイオンは遠ざけられる。すなわち、上記被検査流体の上方に負(正)の電荷を有するイオンが多く存在することとなり、上記被検査流体内において、電荷の偏りが生じることとなる。
この時、上記イオン感応膜は、上記イオン感応膜の表面に引き寄せられた正(負)の電荷を有するイオンの影響をより強く受けることとなる。なお、正(負)の電荷が上記イオン感応膜に影響を与えるのに必要な距離をデバイ長という。
上記デバイ長は、溶液(ここでは被検査流体)の濃度によって異なるものであり、例えば、溶液の濃度が1mMのときのデバイ長は10nm以下程度とされている。すなわち、溶液の濃度が1mMであるとき、イオン感応膜は、上記イオン感応膜の表面から10nm程度の範囲における溶液の帯電の様子を感じることができる。
そのため、上記イオン感応膜の表面粗さをRa=6.5nm以上とし、上記イオン感応膜の表面に所定の大きさの凹凸形状を形成することで、上記イオン感応膜近傍の電荷(正(負)の電荷を有するイオン)によって影響を受ける単位面積あたりの領域を増やすことができる、すなわち被検査流体の帯電の様子を感じることができる単位面積あたりの領域を増やすことができ、上記イオン感応膜の感度を上げることが可能となる。
なお、測定にはVeeco社のDimension3000、および解析ユニットとしてNanoScopeIVaを用いることができる。
測定条件は、スキャンエリア1μm、測定点数256、ScanRate1Hzとすることができる。
本態様のトランジスタ型センサは、上記イオン感応膜が、上記半導体層上に配置されたものである。このような構造はISFETと呼ばれ、ゲート電極を用いない態様である。
以下、図を参照しながら説明する。
まず、図1(a)および図1(b)に示すトランジスタ型センサ100は、基材10とトランジスタ部20とセンサ部30とを有するものである。
図1(a)および図1(b)における上記トランジスタ部20は、基材10上に形成された半導体層23と、上記半導体層23に接するように形成されたソース電極24Sおよびドレイン電極24Dと、を少なくとも有するものである。
また、図1(a)および図1(b)における上記トランジスタ部20は、上記半導体層23上に絶縁層22が形成されている。本態様における上記トランジスタ部20は、必要に応じて絶縁性材料からなる絶縁層22(「ゲート絶縁層」ともいう。)を有していても良い。図1(a)のトップゲートボトムコンタクトの構成を有する場合には、上記トランジスタ部における絶縁層と、上記センサ部における絶縁性材料からなるイオン感応膜とが、一体として形成されていてもよい。
さらに、センサ部30は、上述したように、被検査流体40を測定するためのイオン感応膜32を少なくとも有するものである。図1(a)および図1(b)に示すように、イオン感応膜32上には水溶液または培養液等の被検査流体40が配置されており、上記被検査流体40を滞留させるための隔壁41を有している。
上記ソース側拡散領域23sおよび上記ドレイン側拡散領域23dは、半導体層23に対してプラズマ処理等(例えば、水素プラズマ、アルゴンプラズマ)の所定の処理を行い、低抵抗化することによって形成される。また、上記ソース側拡散領域23sおよび上記ドレイン側拡散領域23dは、絶縁層22に形成されたコンタクトホールHを介してソース電極24Sまたはドレイン電極24Dと電気的に接合される。
また、このような構造とすることにより、トランジスタ型センサを小型にすることが可能となり、上記トランジスタ型センサの適用範囲が広がるからである。
さらに、本態様においては、上述したような構造とすることにより、トランジスタ型センサにおけるセンサ部のイオン感応膜上に被検査流体を配置してイオン濃度を測定する際に、上記トランジスタ部を透明部材とすることで、上記被検査流体を透過光で目視観察することが可能となる。
以下、本態様のトランジスタ型センサに用いられる各構成について説明する。
本態様におけるセンサ部について説明する。
本態様におけるセンサ部は、絶縁性材料からなるイオン感応膜を少なくとも有するものである。
本態様のトランジスタ型センサに用いられるイオン感応膜は、表面粗さがRa=6.5nm以上であることを特徴とするものである。
上記イオン感応膜の表面粗さについては、上述した内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、成膜後のイオン感応膜の密度が、99%以上となるような材料であることが好ましく、中でも99.9%以上となるような材料であることが好ましく、特に99.99%以上となるような材料であることが好ましい。
上記イオン感応膜を、上記のような純度および密度となるようにするためには、CVD法、スパッタリング法、蒸着法等のドライプロセスにより形成することが好ましい。
なお、本態様のトランジスタ型センサがバイオセンサとして用いられる場合は、必要に応じて、イオン感応膜の表面にDNAタンパク質や糖鎖を固定化する為の表面修飾がなされていてもよい。このような表面修飾の例としては、例えば、金チオール反応やシランカップリング材を使った結合、LB膜等の自己組織化単分子膜の形成方法や静電吸着、物理吸着等を挙げることができる。
本態様のトランジスタ型センサを用いて測定を行う場合は、センサ部のイオン感応膜上に測定対象となる被検査流体を配置し、これに伴う電圧変化を後述するトランジスタ部で検知することになる。ここで、本態様のトランジスタ型センサの用途によっては、単に電圧変化を評価するのみではなく、イオン感応膜上に配置された被検査流体の形態変化の評価も同時に行えることが望ましい場合がある。特に、本態様のトランジスタ型センサをバイオセンサとして用いる場合には、生物関連試料を上記イオン感応膜上に付与することになるが、当該生物関連試料の評価に際しては、単に電圧変化を評価することにより、pH等の変化を測定することのみならず、生物関連試料の経時的な形態変化の評価を同時に行えることが望ましい場合がある。また、このような場合において、イオン感応膜上の生物関連試料の形態を観察する方法としては、生物関連試料は、例えば細胞等のサイズが微小なものである場合が多いことから、顕微鏡観察が行えることがより好ましいといえる。このような観点から、本態様におけるセンサ部は、上記イオン感応膜が透明性を有するものであることが好ましい。これにより、イオン感応膜上の生物関連試料を、例えば、倒立型の透過型顕微鏡を用いて観察することが可能になるからである。なお、この場合、後述する基材も、透明性を有することが必要となる。
本態様におけるトランジスタ部について説明する。
本態様におけるトランジスタ部は、上記基材上に形成された半導体層、ならびに上記半導体層に接するように形成されたソース電極およびドレイン電極を有するものである。
本態様における半導体層について説明する。本態様における半導体層は、後述する基材上に形成されるものであり、半導体特性を示すものである。本態様における半導体層としては、半導体としての機能を有する材料からなるものであれば特に限定されるものではない。
一方、上記不透明な材料の例としては、例えば、アモルファスシリコン、ポリシリコン、有機半導体等を挙げることができる。
本態様においては、中でも酸化物半導体であることが好ましい。酸化物半導体は、アモルファスシリコンに比べて安定性に優れており、また、ポリシリコンに比べて安価であるという利点がある。
本態様におけるソース電極およびドレイン電極について説明する。
本態様におけるソース電極およびドレイン電極は、上記半導体層に接するように形成されるものである。
ここで、「上記半導体層に接するように形成される」とは、上記ソース電極および上記ドレイン電極が、上記半導体層に所定の間隔を空けて形成されることであり、例えば、半導体層の両端に接するようにソース電極およびドレイン電極が形成される態様等が挙げられる。
また、「上記半導体層に接するように形成される」態様としては、上記半導体層の底面と接するように形成される態様(図1(a))であってもよく、または上記半導体層上に接するように形成される態様(図1(b))であってもよい。ここで、前者の態様の場合、本態様におけるトランジスタ部は、ボトムコンタクト型の薄膜トランジスタとなり、後者の態様の場合は、トップコンタクト型の薄膜トランジスタとなる。
本態様における絶縁層について説明する。
本態様における絶縁層は、所望の絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではない。
本態様においては、上述したように、上記イオン感応膜がトランジスタ部の構成要素である絶縁層と一体として形成されていることが好ましい。上記イオン感応膜がこのような態様で形成されていることにより、本態様のトランジスタ型センサの構成をより簡略化することができるため、より簡易な工程で製造することができるトランジスタ型センサを提供することができるからである。
本態様のトランジスタ型センサを用いて測定を行う場合は、センサ部のイオン感応膜上に測定対象となる被検査流体を配置し、これに伴う電圧変化を上記トランジスタ部で検知することとなる。ここで、本態様のトランジスタ型センサの用途によっては、上記被検査流体の形態変化の評価も同時に行えることが好ましい。なお、詳しい理由については、上記「1.センサ部 (2)センサ部」に記載した内容と同様とすることができる。
本態様における基材について説明する。
本態様における基材としては、上述したトランジスタ部、およびセンサ部を支持できるものであれば特に限定されるものではない。このような基材としては、例えば、ガラス等の無機材料、PENまたはPETなどのプラスチック(ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂)で代表される有機材料を挙げることができる。
なお、詳しい記載については、「1.センサ部 (2)センサ部」および「2.トランジスタ部 (4)トランジスタ部」に記載した内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
イオン濃度を測定する際に用いられる隔壁について説明する。
上記隔壁は、イオン感応膜上に形成されており、水溶液または培養液などの被検査流体をイオン感応膜上に滞留させるように積層方向に対して所定の高さを有している。上記隔壁の材料としては、被検査流体の漏出を防止できる材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス、プラスチック、または金属等が挙げられる。
本態様のトランジスタ型センサは、上記トランジスタ部は、上記半導体層に対して絶縁層を介して配置されたゲート電極を有し、上記センサ部は、上記基材上に形成された検知用電極と、上記検知用電極上に形成された上記イオン感応膜とを有し、上記検知用電極は、上記ゲート電極と電気的に接続されていることを特徴とするものである。よって、上記トランジスタ部と、上記センサ部とが、上記基材の同一面側に並列するように配置されていていてもよい。
また、本態様のトランジスタ型センサは、トランジスタ部が最上部に保護層を有し、上記保護層と前記イオン感応膜とが一体として形成されたものであってもよい。
以下、図を参照しながら説明する。
図2(a)〜(c)に示すように、本態様のトランジスタ型センサ100は、基材10上にトランジスタ部20とセンサ部30とを有するものである。
図2(a)に示すトランジスタ型センサ100は、上記トランジスタ部20は、基材10上に電極21(「ゲート電極」ともいう。)が形成され、上記ゲート電極21を覆うようにゲート絶縁層22が形成されている。また、上記ゲート絶縁層22上には、半導体層23が形成され、上記半導体層23にそれぞれ接するように、所定の間隔を空けてソース電極24Sおよびドレイン電極24Dが形成されたものである。なお、上記ソース電極24Sおよびドレイン電極24Dによって、チャネル領域が画定される。
上記センサ部30は、基材10上に検知用電極31が形成され、上記検知用電極31上にイオン感応膜32が形成されたものである。
なお、本態様におけるトランジスタ型センサ100は、トランジスタ部20における上記ゲート電極21と、センサ部30における上記検知用電極31とは電気的に接続されたものである。上記ゲート電極と上記検知用電極とが電気的に接続された態様としては、図2(a)に示すように、一般的に、上記ゲート電極21と検知用電極31とが一体として形成された態様が挙げられる。
また、図2(a)に示すトランジスタ型センサ100は、トランジスタ部20におけるゲート絶縁層22と、センサ部30におけるイオン感応膜32とが一体として形成されたものである。
なお、図2(b)に示すトランジスタ型センサ100は、トランジスタ部20における上記ゲート電極21と、センサ部30における上記検知用電極31とが電気的に接続され、また、トランジスタ部20における保護層25と、センサ部30におけるイオン感応膜32とが一体として形成されたものである。
なお、図2(b)で説明しなかった符号については、図2(a)と同様とすることができる。
さらに、図2(c)に示すトランジスタ型センサ100は、トランジスタ部20における上記ゲート電極21と、センサ部30における上記検知用電極31とが電気的に接続されたものである。
なお、図2(c)において説明しなかった符号については、図2(a)と同様とすることができる。
本態様の上記トランジスタ型センサを用いたイオン濃度の測定の一例としては、まず、ドレイン電流を電流原としてソース電極およびドレイン電極間に一定のドレイン電流Id:100nAを流しつつ、被検査流体内に参照電極を挿入し、上記挿入された参照電極を介して可変電圧(参照電圧)Vg(V):5Vを被検査流体に印加する。このとき、被検査流体が帯電することに伴って膜電位に変化が生じ、上記ゲート電極にかかる電圧が、5V+αとなる。ここでの+αは、被検査流体が帯電した分に相当する。これにより、ソース電極およびドレイン電極間にかかる電圧Vd(V)が変化し、この変化から被検査流体におけるイオン濃度を測定することができる。なお、トランジスタの抵抗が一定であれば、上記電圧Vd(V)は一定となり、また、トランジスタの抵抗が高くなれば、上記電圧Vd(V)は高くなる。すなわち、トランジスタの抵抗変化を観察することで、被検査流体におけるイオン濃度を測定できるようになっている。
なお、測定装置としてはAgilent社製の半導体パラメータアナライザ4156Cを用いることができる。また、ドレイン電極にはSMU(Source Measure Unit)を用いて電流と電圧を同時に印加、計測を行うことができる。
また、本態様におけるトランジスタ部は、上記半導体層に対して上記絶縁層を介して配置された上記ゲート電極を有するものである。例えば、上記半導体層表面の基材と反対側の面に上記絶縁層を形成し、さらに上記ゲート電極を上記絶縁層上に形成してもよい。また、上記半導体層表面の基材側の面に上記絶縁層を形成し、さらに上記ゲート電極を上記絶縁層の下に形成してもよい。
なお、図2(a)〜図2(c)に示すトランジスタ型センサにおいては、いずれも、半導体層23の下にゲート電極21を有する場合の構造となっている。
本態様のトランジスタ型センサにおいて、半導体層表面の基材側の面に絶縁層を有し、上記半導体層に対して上記絶縁層を介して上記ゲート電極を配置する構造は、上記トランジスタ部と、上記センサ部とが基材の同一面側にある場合に、トランジスタ部における上記ゲート電極とセンサ部における検知用電極とを容易に一体として形成することができるため、上記トランジスタ型センサを簡易に形成することができるという利点を有する。
このように、本態様においては、半導体層表面の基材側の面に絶縁層を有し、上記半導体層に対して上記絶縁層を介して上記ゲート電極を配置する構造であり、かつ、上記トランジスタ部および上記センサ部が、基材の同一面側に並列するような構造であることが好ましい。このような場合には、さらに上記トランジスタ部における絶縁層と上記センサ部におけるイオン感応膜とを一体として形成することができ、また、上記トランジスタ部の最上部に保護層を有する際に、上記保護層と上記イオン感応膜とを一体として形成することができるという利点を有する。
なお、図2(a)〜図2(c)に示すトランジスタ型センサは、トランジスタ部およびセンサ部が、基材の同一面側に並列するような構造を有するものである。
以下、本態様のトランジスタ型センサに用いられる各構成について説明する。
本態様のトランジスタ型センサにおけるセンサ部は、後述する基材上に形成された検知用電極と、上記検知用電極上に形成されたイオン感応膜とを有するものである。また、上記イオン感応膜と検知用電極との間に、必要に応じて検知用絶縁層を有していてもよい。
本態様のトランジスタ型センサに用いられるイオン感応膜は、表面粗さがRa=6.5nm以上であることを特徴とするものである。
上記イオン感応膜の表面粗さについては、上記「I.トランジスタ型センサ」の項で記載した内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本態様におけるセンサ部に用いられる検知用電極について説明する。本態様における検知用電極は、図2(a)〜(c)に示すように、上記基材上に形成され、かつ後述するトランジスタ部のゲート電極と電気的に接続されたものである。電気的に接続された態様としては、例えば、上記検知用電極と上記ゲート電極とが、一体として形成された態様が一般的である。
ここで、「一体として」とは、上記検知用電極と、上記ゲート電極とが両者の機能を兼ねる単一の部材として形成されていることを意味する。
本態様おける検知用電極としては、例えば、Alなどの一般的な金属材料に加え、ITOなどの透明電極を使用することができる。また本態様における検知用電極の厚みは、通常、50nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。
ここで、上述した検知用電極に用いられる材料のうち、透明性を有する検知用電極を形成可能なものとしては、例えば、ITO、IZO、ZnO等を挙げることができる。
本態様におけるセンサ部は、少なくとも上記イオン感応膜、および上記検知用電極を有するものであるが、必要に応じて他の構成を有するものであってもよい。
上記他の構成としては、センサ部の機能を損なうものでなければ特に限定されるものではなく、所望の機能を備える構成を適宜選択して用いることができる。このような他の構成として、本態様に好適に用いられるものとしては、例えば、図2(c)に示すように、上記検知用電極31および上記イオン感応膜32の間に形成され、絶縁性材料からなる検知用絶縁層33を挙げることができる。
なお、センサ部に上記検知用絶縁層を形成する場合には、本態様のトランジスタ型センサを簡略化するという観点から、後述するトランジスタ部のゲート絶縁層と一体として形成されていることが好ましい。
本態様のトランジスタ型センサに用いられるトランジスタ部について説明する。
本態様におけるトランジスタ部は、上記半導体層に対して絶縁層を介して配置されたゲート電極を有するものである。
なお、ゲート絶縁層、半導体層、ソース電極およびドレイン電極については、上記「A.第1態様 2.トランジスタ部」の項で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。また、ゲート電極については、上記「B.第2態様 1.センサ部 (2)検知用電極」の項で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
以下、本態様におけるトランジスタ部に用いられる保護層について説明する。
本態様における基材については、上記「A.第1態様 3.基材」の項で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本態様においては、図3に示すように、トランジスタ型センサ100のセンサ部におけるイオン感応膜32上に被検査流体40を配置して測定を行う。この際に、上記被検査流体40の漏出を防止するために、隔壁41を設けることが好ましい。
なお、図3において説明していない符号については、図2と同様である。
本態様における隔壁については、上記「A.第1態様 4.隔壁」の項で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
上述したトランジスタ型センサの製造方法としては、所望の効果が得られるトランジスタ型センサとすることができる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、上記「A.第1態様」および「B.第2態様」の項に示した態様のトランジスタ型センサを製造する場合には、以下、「II.トランジスタ型センサの製造方法」の項で記載する方法を用いることができる。
本発明のトランジスタ型センサの製造方法は、2つの態様を有する。
以下、第3態様、第4態様に分けてそれぞれ説明する。
本態様のトランジスタ型センサの製造方法は、上記「I.トランジスタ型センサ」の項に記載したトランジスタ型センサを製造するトランジスタ型センサの製造方法であって、上記基材を準備する基材準備工程と、上記半導体層を形成する半導体層形成工程と、上記半導体層と接するように上記ソース電極および上記ドレイン電極を形成するソース電極およびドレイン電極形成工程と、上記イオン感応膜を形成するイオン感応膜形成工程と、を有し、上記イオン感応膜の表面粗さをRa=6.5nm以上にするために、上記イオン感応膜の表面をドライエッチング処理するドライエッチング処理工程を有することを特徴とする製造方法である。
以下、図を参照しながら説明する。
図4に示すように、上述した第1態様のトランジスタ型センサ100(図1(a))を製造する本態様のトランジスタ型センサの製造方法は、基材10を準備する基材準備工程(図4(a))と、上記基材10上に、ソース電極24Sおよびドレイン電極24Dを所定の間隔を空けて形成するソース電極およびドレイン電極形成工程(図4(b))と、上記ソース電極24Sおよび上記ドレイン電極24Dに接するように、上記ソース電極24Sおよび上記ドレイン電極24Dの間に半導体層23を形成する半導体層形成工程(図4(c))と、上記半導体層23を覆うように絶縁層22を形成する絶縁層形成工程(図4(d))と、上記絶縁層22上にイオン感応膜32を形成するイオン感応膜形成工程(図4(e))と、上記イオン感応膜32の表面粗さをRa=6.5nm以上にするために、上記イオン感応膜32表面をドライエッチングするドライエッチング処理工程(図4(e))とを有するものである。
なお、図4に示す製造方法は、上記半導体層23を覆うように絶縁層22を形成する絶縁層形成工程(図4(d))を有する製造方法であるが、「I.トランジスタ型センサ」の項で説明したように、上記絶縁層と上記イオン感応膜とが一体として形成される場合には、図4(d)に示す絶縁層形成工程は省略することができる。
このように、本発明においては、上記イオン感応膜の表面の処理を行うに際して、トランジスタ型センサの製造において一般的な製造工程の1つである上記ドライエッチング処理工程を採用しているため、上記イオン感応膜の表面を粗くするための特別な処理等を要することがない。すなわち、表面粗さがRa=6.5nm以上である上記イオン感応膜を備えたトランジスタ型センサを簡易的に製造することができる。
本発明により得られる上記トランジスタ型センサを用いることで、測定の際に生じるノイズの影響を受けることなく、上記被検査流体のイオン濃度測定をより高精度に行うことが可能となる。
以下、本態様のトランジスタ型センサの製造方法に含まれる各工程について説明する。
本態様における基材準備工程は、基材を準備する工程である。
なお、基材については、上記「I.トランジスタ型センサ A.第1態様 3.基材」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本態様における半導体形成工程は、半導体層を形成する工程である。
本態様におけるソース電極およびドレイン電極形成工程は、上記半導体層に接するようにソース電極およびドレイン電極を形成する工程である。
ここで、「上記半導体層に接するようにソース電極およびドレイン電極を形成する」とは、上記ソース電極および上記ドレイン電極を、上記半導体層におけるチャネル領域を画定するように所定の間隔を空けて形成することであり、例えば、半導体層の両端に接するようにソース電極およびドレイン電極を形成する態様等が挙げられる。
トップコンタクト構造のように、ソース電極およびドレイン電極を半導体層上に形成する場合、ソース電極およびドレイン電極の形成方法は、例えば、DCスパッタリング法、対向ターゲット式スパッタリング法、ECRスパッタリング法、塗布法等を用いることができる。
一方、ボトムコンタクト構造のように、半導体層形成前にソース電極およびドレイン電極を形成する場合、ソース電極およびドレイン電極の形成方法は、導電性材料の種類に応じて適宜選択され、例えば、低温CVD法や、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法を用いることができる。
本態様におけるイオン感応膜形成工程は、上記イオン感応膜を形成する工程である。
本態様におけるドライエッチング処理工程は、イオン感応膜の表面粗さをRa=6.5nm以上にするために、上記イオン感応膜の表面をドライエッチング処理する工程である。すなわち、イオン感応膜が全て無くならない程度にドライエッチング処理を行うことによって、表面粗さがRa=6.5nm以上のイオン感応膜を形成する工程である。
本態様においては、必要に応じて絶縁層を形成する絶縁層形成工程を有してもよい。
本態様のトランジスタ型センサの製造方法は、「I.トランジスタ型センサ B.第2態様」の項に記載したトランジスタ型センサを製造するトランジスタ型センサの製造方法であって、上記基材を準備する基材準備工程と、上記基材上に上記ゲート電極および上記検知用電極を一体に形成する電極形成工程と、上記絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、上記半導体層を形成する半導体層形成工程と、上記半導体層と接するように上記ソース電極および上記ドレイン電極を形成するソース電極およびドレイン電極形成工程と、上記トランジスタ部の最上部および上記検知用電極上に、上記保護層および上記イオン感応膜を一体に形成する保護層およびイオン感応膜形成工程と、上記保護層をパターニングするパターニング処理工程と、上記イオン感応膜の表面粗さをRa=6.5nm以上にするために、上記イオン感応膜の表面をドライエッチング処理するドライエッチング処理工程と、を有し、上記パターニング処理工程が、上記ドライエッチング処理工程と同一の工程として行われることを特徴とする製造方法である。
以下、図を参照しながら説明する。
図5に示すように、上述した第2態様のトランジスタ型センサ100(図2(c))を製造する本態様のトランジスタ型センサの製造方法は、基材10を準備する基材準備工程(図5(a))と、上記基材10上にゲート電極21および検知用電極31を一体に形成する電極形成工程(図5(b))と、上記ゲート電極21上および上記検知用電極31上にゲート絶縁層22および検知用絶縁層33を一体に形成するゲート絶縁層および検知用絶縁層形成工程(図5(c))と、上記ゲート絶縁層22上に半導体層23を形成する半導体層形成工程(図5(d))と、上記半導体層23と接するようにソース電極24Sおよびドレイン電極24Dを形成するソース電極およびドレイン電極形成工程(図5(e))と、トランジスタ部の最上部および上記検知用絶縁層33上に、保護層25およびイオン感応膜32を一体に形成する保護層およびイオン感応膜形成工程(図5(f))と、を有する。
また、本態様のトランジスタ型センサの製造方法は、上記保護層をパターニングしてコンタクトホールHを形成するパターニング処理工程(図5(g))と、上記イオン感応膜の表面粗さをRa=6.5nm以上にするために、上記イオン感応膜の表面をドライエッチング処理するドライエッチング処理工程(図5(g))とを有するものである。上記パターニング処理工程および上記ドライエッチング処理工程は、同一の工程として行われるものである。
なお、図5では、図2(c)に示すトランジスタ型センサの製造方法について説明したが、本態様のトランジスタ型センサの製造方法は、図2(a)および図2(b)に示すトランジスタ型センサの製造方法も含むものである。
また、上記ゲート電極および上記検知用電極を一体に形成する電極形成工程と、上記ゲート絶縁層および上記検知用絶縁層を一体に形成するゲート絶縁層および検知用絶縁層形成工程と、上記保護層および上記イオン感応膜を一体に形成する保護層およびイオン感応膜形成工程とを有することにより、経時劣化を防止することが可能な上記トランジスタ型センサをより簡易に製造することが可能となる。
さらに、本態様においては、イオン感応膜の表面をドライエッチングするドライエッチング処理工程により、上記イオン感応膜の表面粗さをRa=6.5nm以上とすることができる。
このように、本態様においては、上記イオン感応膜の表面の処理を行うに際して、トランジスタ型センサの製造において一般的な製造工程の1つである上記ドライエッチング処理工程を採用しているため、上記イオン感応膜の表面を粗くするための特別な処理等を要することがない。すなわち、表面粗さがRa=6.5nm以上である上記イオン感応膜を備えたトランジスタ型センサを簡易的に製造することができる。
本態様により得られる上記トランジスタ型センサに用いることで、測定の際に生じるノイズの影響を受けることなく、上記被検査流体のイオン濃度測定をより高精度に行うことが可能となる。
以下、本態様のトランジスタ型センサに含まれる各工程について説明する。
また、本態様の保護層およびイオン感応膜形成工程は、上記「A.第3態様 4.イオン感応膜形成工程」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
以下、本態様における電極形成工程とパターニング処理工程とについて説明する。
本態様における電極形成工程は、上記基材上に、ゲート電極および検知用電極を一体に形成する工程である。
本態様の製造方法におけるパターニング処理工程は、上記保護層をパターニングする工程である。すなわち、保護層にコンタクトホールを形成する工程である。
なお、ドライエッチング処理については、上記「A.第3態様 5.ドライエッチング処理工程」の項で説明したものと同様とすることができる。
本実施例では、本発明に係る第2態様のトランジスタ型センサを作製した。
先ず、ガラス基材を準備した。
上記ガラス基材上に、厚さ100nmの電極をスパッタ法により成膜した。その後、レジストパターンをフォトリソグラフィー法により形成し、エッチング処理を行うことで、上記電極を所定のパターンにパターニングし、ゲート電極および検知用電極とした。
次に、上記ゲート電極および検知用電極を覆うように、厚さ300nmの酸化ケイ素を全面に形成し、これをゲート絶縁層および検知用絶縁層とした。
この絶縁層は、RFマグネトロンスパッタリング装置を用い、8インチのSiO2ターゲットに投入電力:2.0kW(=6W/cm2)、圧力:0.3Pa、O2とArの混合ガスにて形成した。
上記ゲート絶縁層および検知用絶縁層を覆うように、全面に、In:Ga:Znが1:1:1のInGaZnO系IGZO半導体層(InGaZnO4)を厚さ25nmとなるように形成した。IGZO半導体層は、RFマグネトロンスパッタリング装置を用い、室温(25℃)、Ar:O2を30:50とした条件下で、4インチのInGaZnO(In:Ga:Zn=1:1:1)ターゲットを用いて形成した。次に、このIGZO半導体層上にレジストパターンをフォトリソグラフィー法により形成し、シュウ酸溶液でウェットエッチング処理を行うことで、上記IGZO半導体層を所定のパターンにパターニングして半導体層を形成した。
上記IGZO半導体層上の全面に、厚さ200nmのチタニウム層をソース電極及びドレイン電極とするためにスパッタ法により成膜した。次に、レジストパターンをフォトリソグラフィー法により形成し、過酸化水素水とアンモニアの混合溶液でウェットエッチング処理を行うことで、チタニウム層を所定のパターンにパターニングしてソース電極およびドレイン電極を形成した。このとき、ソース電極およびドレイン電極は、IGZO半導体層上であってIGZO半導体層の中央部直上以外に離間したパターンとなるように形成した。
次に、ソース電極、ドレイン電極及びIGZO半導体層の全てを覆うように、厚さ100nmの酸化ケイ素を保護層およびイオン感応膜としてRFマグネトロンスパッタリング法により形成した。
次いで、300℃・60分間の熱処理を大気雰囲気下で行った。
こうしてトランジスタ型センサを作製した。
イオン感応膜の表面粗さをRa=6.5nm以上とするためのドライエッチング処理を行わないこと以外は、実施例と同様にトランジスタ型センサを作製した。
実施例および比較例におけるイオン感応膜の表面を、原子間力顕微鏡(Atomic Forece Microscope:AFM)を用いて観察した。図6(a)は、実施例におけるイオン感応膜の表面画像であり、図6(b)は、比較例におけるイオン感応膜の表面画像である。
ドライエッチング処理を行った実施例におけるイオン感応膜の表面粗さ(Ra)は、6.5nmであり、一方、ドライエッチング処理を行っていない比較例におけるイオン感応膜の表面粗さ(Ra)は、3.7nmであった。
ドライエッチング処理を行った実施例におけるイオン感応膜の表面の凸部の高さ(Grain height)は、26.8nmであり、一方、ドライエッチング処理を行っていない比較例におけるイオン感応膜の表面の凸部の高さは、17nmであった。
上記イオン感応膜上にpH4およびpH7の溶液を配置して、pH溶液試験を行った。
図8は、実施例(図8(a))および比較例(図8(b))のトランジスタ型センサにおけるトランジスタのトランスファー特性を測定した結果である。図8に示すように、実施例および比較例でトランスファー特性に大きな差はない。
図9は、pH4およびpH7のpH溶液に対するイオン感応膜の感度を、実施例と比較例とで比較したグラフであり、図9(a)がOutput Voltage(以下、Vg(v)とする。)を示し、図9(b)がDrain Voltage(以下、Vd(v)とする。)を示している。図9(a)に示すように、実施例(Ra=6.5nm)および比較例(Ra=3.7nm)のいずれにおいても、Vg(v)の値が変化していることから、被検査流体であるpH溶液が帯電することに伴って膜電位に変化が生じ、ゲート電極にかかる電圧が、5Vから5V+αとなっていることが分かる。したがって、図9(b)に示すVd(v)の値に変化が生じているのは、トランジスタによる影響ではないと言える。
次いで、図9(b)に示すように、実施例(Ra=6.5nm)におけるVd(v)の変化量と比較例(Ra=3.7nm)におけるVd(v)の変化量とをそれぞれ比較すると、実施例(Ra=6.5nm)におけるVd(v)の変化量が、比較例(Ra=3.7nm)におけるVd(v)の変化量の約10倍大きくなっていることが分かる。
すなわち、イオン感応膜の表面粗さをRa=6.5nm以上にするためにドライエッチング処理を行うことで、イオン感応膜の感度が上がったことが分かる。具体的には、比較例(Ra=3.7nm)におけるイオン感応膜の感度が、0.03V/pH〜0.05V/pH程度であるのに対し、実施例(Ra=6.5nm)におけるイオン感応膜の感度は、0.5V/pH〜0.53V/pHであった。
なお、図示はしないが、イオン感応膜の表面粗さがRa=1nmのときの感度は、0.02V/pH〜0.045V/pHであった。
20 … トランジスタ部
21 … ゲート電極
22 … 絶縁層
23 … 半導体層
24S、24D … ソース電極、ドレイン電極
25 … 保護層
30 … センサ部
31 … 検知用電極
32 … イオン感応膜
33 … 検知用絶縁層
100 … トランジスタ型センサ
Claims (6)
- 基材と、
前記基材上に形成された半導体層、ならびに前記半導体層に接するように形成されたソース電極およびドレイン電極を有するトランジスタ部と、
絶縁性材料を含むイオン感応膜を少なくとも有するセンサ部とを有し、
前記イオン感応膜の表面における電気特性の変化を、前記トランジスタ部で検出するトランジスタ型センサであって、
前記イオン感応膜の表面粗さがRa=6.5nm以上、20nm以下であり、
前記イオン感応膜の表面の凸部の高さの平均値が、20nm〜50nmの範囲内であり、
前記絶縁性材料が、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、タンタル酸化膜、酸化アルミニウム膜からなる群から選択される少なくとも一つを含むことを特徴とするトランジスタ型センサ。 - 前記イオン感応膜が、前記半導体層上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のトランジスタ型センサ。
- 前記トランジスタ部は、前記半導体層に対して絶縁層を介して配置されたゲート電極を有し、
前記センサ部は、前記基材上に形成された検知用電極と、前記検知用電極上に形成された前記イオン感応膜とを有し、
前記検知用電極は、前記ゲート電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のトランジスタ型センサ。 - 前記トランジスタ部が、最上部に保護層を有し、前記保護層と前記イオン感応膜とが一体として形成されていることを特徴とする請求項3に記載のトランジスタ型センサ。
- 請求項1に記載のトランジスタ型センサを製造するトランジスタ型センサの製造方法であって、
前記基材を準備する基材準備工程と、前記半導体層を形成する半導体層形成工程と、前記半導体層と接するように前記ソース電極および前記ドレイン電極を形成するソース電極およびドレイン電極形成工程と、前記イオン感応膜を形成するイオン感応膜形成工程と、を有し、
前記イオン感応膜の表面粗さをRa=6.5nm以上にするために、前記イオン感応膜の表面をドライエッチング処理するドライエッチング処理工程を有することを特徴とするトランジスタ型センサの製造方法。 - 請求項4に記載のトランジスタ型センサを製造するトランジスタ型センサの製造方法であって、
前記基材を準備する基材準備工程と、前記基材上に前記ゲート電極および前記検知用電極を一体に形成する電極形成工程と、前記絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、前記半導体層を形成する半導体層形成工程と、前記半導体層と接するように前記ソース電極および前記ドレイン電極を形成するソース電極およびドレイン電極形成工程と、前記トランジスタ部の最上部および前記検知用電極上に、前記保護層および前記イオン感応膜を一体に形成する保護層およびイオン感応膜形成工程と、前記保護層をパターニングするパターニング処理工程と、前記イオン感応膜の表面粗さをRa=6.5nm以上にするために、前記イオン感応膜の表面をドライエッチング処理するドライエッチング処理工程と、を有し、
前記パターニング処理工程が、前記ドライエッチング処理工程と同一の工程として行われることを特徴とするトランジスタ型センサの製造方法。
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