JP2013050426A - Fet型センサを用いたインフルエンザウイルスrnaの検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】センシング部に標的とするインフルエンザウイルスRNAとハイブリダイゼーションしうる一本鎖核酸が固定化されてなるFET型センサを用いる。該FETセンサに試料溶液を供給することによって、センシング部に作用するイオン濃度に応じて変化したポテンシャル井戸の深さと、ポテンシャル井戸からの汲み出し回数に応じ、電位リセット後の浮遊拡散部が蓄積する電荷量を電位変化として検出する。検出された電位変化に基づいて、試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの有無およびその濃度を判定する。
【選択図】図14
Description
(1)P型またはN型半導体基板の表面側に所定の間隔を置いて形成された、基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部および浮遊拡散部と、
前記入力ダイオード部から浮遊拡散部までの間に形成されるべき導通チャネルの始端および終端にそれぞれ対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定された入力ゲートおよび出力ゲートと、
前記チャネルの中間部に対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたイオン感応膜からなるセンシング部と、
前記浮遊拡散部の、前記チャネルから離れた側に連なる前記基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたリセットゲートと、
前記リセットゲートにおける前記浮遊拡散部から離れた側の前記基板表面部に形成された、基板と逆型の拡散領域からなるリセットダイオード部とを備え、
前記センシング部に、標的とするインフルエンザウイルスRNAとハイブリダイゼーションしうる一本鎖核酸が固定化されてなるFET型センサを用いた試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの検出方法であって、
前記試料溶液を前記センシング部に供給する工程と、
前記試料溶液の供給によって前記センシング部に作用するイオン濃度に応じて変化したポテンシャル井戸の深さと、そのポテンシャル井戸からの汲み出し回数に応じ、電位リセット後の前記浮遊拡散部が蓄積する電荷量を電位変化として検出する工程と、
検出された前記電位変化に基づいて、前記試料溶液中の前記インフルエンザウイルスRNAの有無およびその濃度を判定する工程と、
を含む、FET型センサを用いた試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの検出方法;
(2)P型またはN型半導体基板の表面側に所定の間隔を置いて形成された、基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部および浮遊拡散部と、
前記入力ダイオード部から浮遊拡散部までの間に形成されるべき導通チャネルの中間部および終端部にそれぞれ対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定された入力ゲートおよび出力ゲートと、
前記チャネルの入力端に対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたイオン感応膜からなるセンシング部と、
前記浮遊拡散部の、前記チャネルから離れた側に連なる前記基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたリセットゲートと、
前記リセットゲートにおける前記浮遊拡散部から離れた側の前記基板表面部に形成された、基板と逆型の拡散領域からなるリセットダイオード部とを備え、
前記センシング部に、標的とするインフルエンザウイルスRNAとハイブリダイゼーションしうる一本鎖核酸が固定化されてなるFET型センサを用いた試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの検出方法であって、
前記試料溶液を前記センシング部に供給する工程と、
前記試料溶液の供給によって前記センシング部に作用するイオン濃度に応じて変化したポテンシャル井戸の深さと、そのポテンシャル井戸からの汲み出し回数に応じ、電位リセット後の前記浮遊拡散部が蓄積する電荷量を電位変化として検出する工程と、
検出された前記電位変化に基づいて、前記試料溶液中の前記インフルエンザウイルスRNAの有無およびその濃度を判定する工程と、
を含む、FET型センサを用いた試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの検出方法;
(3)上記(1)または(2)に記載の検出方法であって、
前記FET型センサを一単位の素子として、これが同一半導体基板上において複数個並列的に形成されてなる並列FET型センサを用い、
この際、前記並列FET型センサにおいて、前記素子の入力ゲートと、リセットゲートおよびリセットダイオードとが、それぞれ、すべての前記素子間に延びる単一の入力ゲートと、単一のリセットゲートおよび単一のリセットダイオードとから共通的に形成されてなる、検出方法;
(4)P型またはN型半導体基板の表面側に所定の間隔を置いて、基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部および浮遊拡散部を形成するとともに、前記浮遊拡散部を第1ドレインと第2ドレインに二分割するとともに、前記入力ダイオード部を前記二分割に対応する部分を有する共通ソースとして、これらのソース−ドレイン間の基板表面部に第1および第2の互いに並列したチャネルが形成されるようにし、
前記第1および第2ドレインを構成する浮遊拡散部の、前記二チャネルと背反する側に、同部と小間隔を置いて、基板と逆型の拡散領域からなる共通リセットダイオードを形成するとともに、前記小間隔内の基板表面上に絶縁膜を介して共通リセットゲートを固定し、
前記第1チャネルの両端に対応した基板表面上の位置に、それぞれ絶縁膜を介して入力ゲートおよび出力ゲートを固定するとともに、同チャネルの中間部に対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介してイオン感応膜からなる第1センシング部を固定し、
前記第2チャネルの中間部、および終端部にそれぞれ対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して入力ゲートおよび出力ゲートをそれぞれ固定するとともに、同チャネルの始端部に対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介してイオン感応膜からなる第2センシング部を固定し、
前記第1および第2センシング部に、標的とするインフルエンザウイルスRNAとハイブリダイゼーションしうる一本鎖核酸が固定化されてなるFET型センサを用いた試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの検出方法であって、
前記試料溶液を前記第1および第2センシング部に供給する工程と、
前記試料溶液の供給によって前記第1および第2センシング部に作用するイオン濃度に応じて変化したポテンシャル井戸の深さと、そのポテンシャル井戸からの汲み出し回数に応じ、前記浮遊拡散部の前記第1および第2ドレイン電位リセット後において蓄積する電荷量を電位変化として検出する工程と、
検出された前記電位変化に基づいて、前記試料溶液中の前記インフルエンザウイルスRNAの有無およびその濃度を判定する工程と、
を含む、FET型センサを用いた試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの検出方法;
(5)半導体基板上に、その基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部および浮遊拡散部を所定の間隔で形成し、その間隔内の基板表層部に形成されるベき導通チャネルの中間または始端に対応する基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されかつ表面に露出した金膜を有するセンシング部を備え、
前記センシング部の近傍における基板表面に、少なくとも1個の比較電極が絶縁膜を介して固定されてなり、
前記金膜に前記一本鎖核酸が固定化されてなるFET型センサを用いた試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの検出方法であって、
前記センシング部および前記比較電極を含む領域に同一の前記試料溶液を供給する工程と、
前記試料溶液の供給によって前記センシング部に作用するイオン濃度に応じて変化したポテンシャル井戸の深さと、そのポテンシャル井戸からの汲み出し回数に応じ、電位リセット後の前記浮遊拡散部が蓄積する電荷量を、前記比較電極の電位を基準として測定することで、前記一本鎖核酸と前記インフルエンザウイルスRNAとのハイブリダイゼーションの有無を検出する工程と、
を含む、検出方法;
(6)半導体基板上に、その基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部および浮遊拡散部を所定の間隔で形成し、その間隔内の基板表層部に形成されるべき導通チャネルの中間または始端に対応する基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されかつ表面に露出した金膜を有するセンシング部を備え、
前記金膜に前記一本鎖核酸が固定化されてなり、
前記センシング部の上方において、前記金膜の直上に位置する測定電極と、前記金膜に固定化された前記一本鎖核酸に電気的に影響しない距離だけずらして配置された比較電極とが設けられてなるFET型センサを用いた試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの検出方法であって、
前記試料溶液を前記センシング部に供給する工程と、
前記測定電極および前記比較電極を下降させて前記試料溶液中に没入させ、かつ前記測定電極が前記金膜に固定化された前記一本鎖核酸とハイブリダイズした前記インフルエンザウイルスRNAの末端を吸着する程度の電位を前記測定電極および前記比較電極に印加し、前記測定電極と接地電位との間に流れる電流を、前記比較電極に流れる電流を基準として測定することで、前記一本鎖核酸と前記インフルエンザウイルスRNAとのハイブリダイゼーションの有無を検出する工程と、
を含む、検出方法;
(7)半導体基板上に、その基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部および浮遊拡散部を所定の間隔で形成し、その間隔内の基板表層部に形成されるべき導通チャネルの中間または始端に対応する基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたイオン感応膜からなるセンシング部を備え、
前記センシング部の近傍における基板表面に、金電極および比較電極を絶縁膜を介して固定するとともに、前記金電極に標的とするインフルエンザウイルスRNAとハイブリダイゼーションしうる一本鎖核酸が固定化されてなるFET型センサを用いた試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの検出方法であって、
前記センシング部および前記金電極を含む領域に同一の前記試料溶液を供給する工程と、
前記金電極に固定化された前記一本鎖核酸のハイブリダイゼーションにより形成されるべき二重螺旋間に侵入させるための挿入剤を添加する工程と、
前記金電極に所定の電圧を印加することにより前記二重螺旋間の挿入剤と前記金電極との間に流れる酸化・還元電流に基づいて前記試料溶液のpHを変化させる工程と、
前記pHの変化に応じた深さとなるポテンシャル井戸からの汲み出し電荷量を、前記比較電極の電位を基準として測定することで、前記一本鎖核酸と前記インフルエンザウイルスRNAとのハイブリダイゼーションの有無を検出する工程と、
を含む、検出方法;
(8)上記(5)〜(7)のいずれか1項に記載の検出方法であって、
一対のFET型センサが同一の半導体基板上に併設されてなり、前記一対のFET型センサの周縁を一括して包囲する電気化学的に不活性な外周壁と、前記センサ間を仕切って両端が外周壁に内接する仕切り壁を設けたことにより、それぞれの前記センサ上に供給される前記試料溶液が互いに流通しないように構成されてなるセンサ群を用いることを特徴とする、検出方法。
(10)上記(9)に記載のインフルエンザウイルスRNA検出装置の、ヒトインフルエンザウイルス型別迅速診断への使用。
図1は、本発明の第1実施形態に係る検出方法に用いられるFET型センサを示す断面図(A)および基本ポテンシャル状態を示す模式図(B)であり、図2は動作状態における各ポテンシャル状態を順次に示す模式図である。図1のAにおいて、1は典型的にはシリコン製のP-型の半導体基板であり、半導体基板1の表側には、互いに所定間隔を置いてN+型拡散層からなる電荷供給部としての入力ダイオード2および浮遊拡散部(FD)3が形成され、さらに浮遊拡散部3から小間隔を置いてリセットダイオード4が形成される。半導体基板1上には、この場合、N+型拡散層上も含めSiO2またはSi3N4からなる絶縁膜5が形成される。
図4は、本発明の第2実施形態に係る検出方法に用いられるFET型センサを示す断面図(A)および基本ポテンシャル状態を示す模式図(B)であり、図5は動作状態における各ポテンシャル状態を順次に示す模式図である。図中、図1および図3と同一部分は同一符号を付して説明を簡略化し、または省略する。
上述した第1実施形態および第2実施形態においては、入/出力ゲート間にセンシング部を形成し、リセットトランジスタ機能をも組み込んだ形式(第1形式)のFET型センサと、入/出力ゲートを近接させて出力側に寄せ、入力ダイオード/入力ゲート間にセンシング部を形成し、リセットトランジスタ機能をも組み込んだ形式(第2形式)のFET型センサとを、それぞれ単独で用いた場合、およびそれぞれ同一形式のFET型センサを複数個用いた場合について言及したが、本発明のその他の実施形態として、さらにこれらの複合型ともいうべき形式(第3形式)のFET型センサを形成することができる。
図7において、破線円15は前述した半導体基板の表面絶縁層上に形成されたイオン感応膜からなるセンシング部9または9'と、少なくともその周辺を含む基板表面(絶縁膜)の領域を包囲する試料溶液収容範囲である。この範囲15内に含まれるべき(絶縁膜の下に隠れている)ゲート電極や、基板と逆型のダイオードその他の拡散層(この場合、N+層)については、センサ出力に関わる浮遊拡散部3のみを代表的に破線枠で示し、センサ全体像との関係を想起せしめるものとする。
本発明は、さらなる応用形態に係るセンサ構造として、図8に示すような電極吊り下げ降下方式を構成する。半導体基板1上の少なくともセンシング部(好ましくは半導体の導通チャネルの中間に対応する導通チャネル9)を含む領域を包囲した絶縁膜5上には、周壁15'が、エポキシガラス等の電気化学的に不活性な材料によって立設・形成されている。そして、好ましくは金製の測定電極19aおよび比較電極19bは、リニアスケール等により、測定電極19aがセンシング部9または9'内の金膜16の真上となる位置にもたらされてから、降下して試料溶液内に没入するように構成される。これらの電極は電源Eroによる電圧を、スイッチ20aおよび20bを介して半導体基板1の裏面(接地電位)との間に印加されるか、または、金膜16からEroのマイナス側に直結するためのスイッチ20cをさらに閉じることによって、その際に流れる電流を電流計Aにより測定できるようになっている。
この例では、応用例1で用いたセンサ構造と異なり、図9に示すように、センシング部9"のイオン感応膜として窒化膜または五酸化タンタル膜を用い、その膜上の金パッド(図示せず)は用いない。センシング部9"周辺の金パッド(総括して17で示す)の少なくとも1つには標的インフルエンザウイルスRNAと相補的な一本鎖核酸を固定化する。なお、この例では、試料溶液を収容するための外周壁15'を有するほか、他の構造は応用例1(図7)に示すものと同じである。
本発明はまた、図10に示すように、上記のいずれかの方法を実施するにあたり有利なセンサ構造として、一対のFET型センサ23、24を同一の半導体基板1上に併設し、その一対のFET型センサの周縁を一括して包囲する電気化学的に不活性なアクリルガラス等からなる外周壁25と、それらのセンサ23、24間を仕切って両端が外周壁25に内接する仕切り壁26を設けたものである。
本実施例では、上述した第1実施形態の原理を有するFET型センサが32×32=1024ピクセル配置されてなるイメージセンサを用いて標的インフルエンザウイルスRNAの検出を試みた。ここで、本実施例で用いたイメージセンサの全体を示す写真を図11に示す。ここで、センシング部9を構成するイオン感応膜としては、Si3N4の表面に金を3.0×10-3Paの成膜圧力にて20nmの厚みで蒸着したものを用いた。なお、各ピクセルのサイズは40μm×40μmである。
PR-8 H1N1ヒトインフルエンザウイルスのRNAを含む希釈液(0.2% Triton X-100、60%硫安、基準DNA(ウイルスおよびヒト遺伝子以外の配列))を、ウイルスRNA濃度の異なる希釈系列として調製した。調製した各希釈系列について、リアルタイムPCRによりウイルスコピー数を測定した。なお、測定の際の標準コピー数としては、PR-8インフルエンザウイルスのM1遺伝子のcDNAを組み込んだプラスミド(TOPO TA Cloning Kit Dual Promoter pCR II-TOPO Vecter (Invitrogen, USA))による標準コピー数を用いた。なお、コントロール溶液として、インフルエンザウイルスRNAを含まないこと以外は上記と同様の溶液を調製した。
まず、上述したFET型センサ(図11および図12に示すもの)の各象限にコントロール溶液を室温にて60μLずつ滴下し、センサが出力する信号を電位として計測した。
ヒトPR-8:H1N1インフルエンザウイルスRNAの検出に用いられるプローブDNAの塩基配列を表す。
〔配列番号:2〕
ヒトPR-8:H1N1インフルエンザウイルスRNAの検出に用いられるプローブDNAの塩基配列を表す。
〔配列番号:3〕
トリインフルエンザウイルスRNAの検出に用いられるプローブDNAの塩基配列を表す。
〔配列番号:4〕
トリインフルエンザウイルスRNAの検出に用いられるプローブDNAの塩基配列を表す。
〔配列番号:5〕
ブタインフルエンザウイルスRNAの検出に用いられるプローブDNAの塩基配列を表す。
〔配列番号:6〕
ブタインフルエンザウイルスRNAの検出に用いられるプローブDNAの塩基配列を表す。
Claims (10)
- P型またはN型半導体基板の表面側に所定の間隔を置いて形成された、基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部および浮遊拡散部と、
前記入力ダイオード部から浮遊拡散部までの間に形成されるべき導通チャネルの始端および終端にそれぞれ対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定された入力ゲートおよび出力ゲートと、
前記チャネルの中間部に対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたイオン感応膜からなるセンシング部と、
前記浮遊拡散部の、前記チャネルから離れた側に連なる前記基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたリセットゲートと、
前記リセットゲートにおける前記浮遊拡散部から離れた側の前記基板表面部に形成された、基板と逆型の拡散領域からなるリセットダイオード部とを備え、
前記センシング部に、標的とするインフルエンザウイルスRNAとハイブリダイゼーションしうる一本鎖核酸が固定化されてなるFET型センサを用いた試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの検出方法であって、
前記試料溶液を前記センシング部に供給する工程と、
前記試料溶液の供給によって前記センシング部に作用するイオン濃度に応じて変化したポテンシャル井戸の深さと、そのポテンシャル井戸からの汲み出し回数に応じ、電位リセット後の前記浮遊拡散部が蓄積する電荷量を電位変化として検出する工程と、
検出された前記電位変化に基づいて、前記試料溶液中の前記インフルエンザウイルスRNAの有無およびその濃度を判定する工程と、
を含む、FET型センサを用いた試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの検出方法。 - P型またはN型半導体基板の表面側に所定の間隔を置いて形成された、基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部および浮遊拡散部と、
前記入力ダイオード部から浮遊拡散部までの間に形成されるべき導通チャネルの中間部および終端部にそれぞれ対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定された入力ゲートおよび出力ゲートと、
前記チャネルの入力端に対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたイオン感応膜からなるセンシング部と、
前記浮遊拡散部の、前記チャネルから離れた側に連なる前記基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたリセットゲートと、
前記リセットゲートにおける前記浮遊拡散部から離れた側の前記基板表面部に形成された、基板と逆型の拡散領域からなるリセットダイオード部とを備え、
前記センシング部に、標的とするインフルエンザウイルスRNAとハイブリダイゼーションしうる一本鎖核酸が固定化されてなるFET型センサを用いた試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの検出方法であって、
前記試料溶液を前記センシング部に供給する工程と、
前記試料溶液の供給によって前記センシング部に作用するイオン濃度に応じて変化したポテンシャル井戸の深さと、そのポテンシャル井戸からの汲み出し回数に応じ、電位リセット後の前記浮遊拡散部が蓄積する電荷量を電位変化として検出する工程と、
検出された前記電位変化に基づいて、前記試料溶液中の前記インフルエンザウイルスRNAの有無およびその濃度を判定する工程と、
を含む、FET型センサを用いた試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの検出方法。 - 請求項1または2に記載の検出方法であって、
前記FET型センサを一単位の素子として、これが同一半導体基板上において複数個並列的に形成されてなる並列FET型センサを用い、
この際、前記並列FET型センサにおいて、前記素子の入力ゲートと、リセットゲートおよびリセットダイオードとが、それぞれ、すべての前記素子間に延びる単一の入力ゲートと、単一のリセットゲートおよび単一のリセットダイオードとから共通的に形成されてなる、検出方法。 - P型またはN型半導体基板の表面側に所定の間隔を置いて、基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部および浮遊拡散部を形成するとともに、前記浮遊拡散部を第1ドレインと第2ドレインに二分割するとともに、前記入力ダイオード部を前記二分割に対応する部分を有する共通ソースとして、これらのソース−ドレイン間の基板表面部に第1および第2の互いに並列したチャネルが形成されるようにし、
前記第1および第2ドレインを構成する浮遊拡散部の、前記二チャネルと背反する側に、同部と小間隔を置いて、基板と逆型の拡散領域からなる共通リセットダイオードを形成するとともに、前記小間隔内の基板表面上に絶縁膜を介して共通リセットゲートを固定し、
前記第1チャネルの両端に対応した基板表面上の位置に、それぞれ絶縁膜を介して入力ゲートおよび出力ゲートを固定するとともに、同チャネルの中間部に対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介してイオン感応膜からなる第1センシング部を固定し、
前記第2チャネルの中間部、および終端部にそれぞれ対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介して入力ゲートおよび出力ゲートをそれぞれ固定するとともに、同チャネルの始端部に対応した基板表面上の位置に、絶縁膜を介してイオン感応膜からなる第2センシング部を固定し、
前記第1および第2センシング部に、標的とするインフルエンザウイルスRNAとハイブリダイゼーションしうる一本鎖核酸が固定化されてなるFET型センサを用いた試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの検出方法であって、
前記試料溶液を前記第1および第2センシング部に供給する工程と、
前記試料溶液の供給によって前記第1および第2センシング部に作用するイオン濃度に応じて変化したポテンシャル井戸の深さと、そのポテンシャル井戸からの汲み出し回数に応じ、前記浮遊拡散部の前記第1および第2ドレイン電位リセット後において蓄積する電荷量を電位変化として検出する工程と、
検出された前記電位変化に基づいて、前記試料溶液中の前記インフルエンザウイルスRNAの有無およびその濃度を判定する工程と、
を含む、FET型センサを用いた試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの検出方法。 - 半導体基板上に、その基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部および浮遊拡散部を所定の間隔で形成し、その間隔内の基板表層部に形成されるベき導通チャネルの中間または始端に対応する基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されかつ表面に露出した金膜を有するセンシング部を備え、
前記センシング部の近傍における基板表面に、少なくとも1個の比較電極が絶縁膜を介して固定されてなり、
前記金膜に前記一本鎖核酸が固定化されてなるFET型センサを用いた試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの検出方法であって、
前記センシング部および前記比較電極を含む領域に同一の前記試料溶液を供給する工程と、
前記試料溶液の供給によって前記センシング部に作用するイオン濃度に応じて変化したポテンシャル井戸の深さと、そのポテンシャル井戸からの汲み出し回数に応じ、電位リセット後の前記浮遊拡散部が蓄積する電荷量を、前記比較電極の電位を基準として測定することで、前記一本鎖核酸と前記インフルエンザウイルスRNAとのハイブリダイゼーションの有無を検出する工程と、
を含む、検出方法。 - 半導体基板上に、その基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部および浮遊拡散部を所定の間隔で形成し、その間隔内の基板表層部に形成されるべき導通チャネルの中間または始端に対応する基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されかつ表面に露出した金膜を有するセンシング部を備え、
前記金膜に前記一本鎖核酸が固定化されてなり、
前記センシング部の上方において、前記金膜の直上に位置する測定電極と、前記金膜に固定化された前記一本鎖核酸に電気的に影響しない距離だけずらして配置された比較電極とが設けられてなるFET型センサを用いた試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの検出方法であって、
前記試料溶液を前記センシング部に供給する工程と、
前記測定電極および前記比較電極を下降させて前記試料溶液中に没入させ、かつ前記測定電極が前記金膜に固定化された前記一本鎖核酸とハイブリダイズした前記インフルエンザウイルスRNAの末端を吸着する程度の電位を前記測定電極および前記比較電極に印加し、前記測定電極と接地電位との間に流れる電流を、前記比較電極に流れる電流を基準として測定することで、前記一本鎖核酸と前記インフルエンザウイルスRNAとのハイブリダイゼーションの有無を検出する工程と、
を含む、検出方法。 - 半導体基板上に、その基板と逆型の拡散領域からなる入力ダイオード部および浮遊拡散部を所定の間隔で形成し、その間隔内の基板表層部に形成されるべき導通チャネルの中間または始端に対応する基板表面上の位置に、絶縁膜を介して固定されたイオン感応膜からなるセンシング部を備え、
前記センシング部の近傍における基板表面に、金電極および比較電極を絶縁膜を介して固定するとともに、前記金電極に標的とするインフルエンザウイルスRNAとハイブリダイゼーションしうる一本鎖核酸が固定化されてなるFET型センサを用いた試料溶液中のインフルエンザウイルスRNAの検出方法であって、
前記センシング部および前記金電極を含む領域に同一の前記試料溶液を供給する工程と、
前記金電極に固定化された前記一本鎖核酸のハイブリダイゼーションにより形成されるべき二重螺旋間に侵入させるための挿入剤を添加する工程と、
前記金電極に所定の電圧を印加することにより前記二重螺旋間の挿入剤と前記金電極との間に流れる酸化・還元電流に基づいて前記試料溶液のpHを変化させる工程と、
前記pHの変化に応じた深さとなるポテンシャル井戸からの汲み出し電荷量を、前記比較電極の電位を基準として測定することで、前記一本鎖核酸と前記インフルエンザウイルスRNAとのハイブリダイゼーションの有無を検出する工程と、
を含む、検出方法。 - 請求項5〜7のいずれか1項に記載の検出方法であって、
一対のFET型センサが同一の半導体基板上に併設されてなり、前記一対のFET型センサの周縁を一括して包囲する電気化学的に不活性な外周壁と、前記センサ間を仕切って両端が外周壁に内接する仕切り壁を設けたことにより、それぞれの前記センサ上に供給される前記試料溶液が互いに流通しないように構成されてなるセンサ群を用いることを特徴とする、検出方法。 - 請求項5〜8のいずれか1項に記載の検出方法を行うための、前記FET型センサを含むインフルエンザウイルスRNA検出装置。
- 請求項9に記載のインフルエンザウイルスRNA検出装置の、ヒトインフルエンザウイルス型別迅速診断への使用。
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