JPWO2003004745A1 - 獣毛調の外観を有するパイル布帛 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、明確な段差効果による獣毛調の外観を有するパイル布帛に関するものである。
背景技術
従来、アクリル系繊維は獣毛ライクな風合いおよび光沢を有し、ニット分野をはじめボア、ハイパイルの分野に広く使用されている。さらに、近年、これらのアクリル系繊維を用いることで、パイルの外観や風合をより天然毛皮に近づける要望が高まってきている。元来、天然毛皮は立毛部分がガードヘアー(刺毛)とダウンヘアー(産毛)から構成される二層構造を有しているのが一般的である。このような立毛部分に、二層もしくはそれ以上の多層構造を持たせることがより天然毛皮により近い外観を有するための手段と考えられており、このような構造をそのまま真似たものが合成繊維からなるパイル製品である。
合成繊維を用いたパイル布帛において、二層構造を再現するための効果的な方法としては、抜染やプリントの技術を利用しパイル部の長さ方向の色相を変化させる方法があるが、この方法は加工工程が複雑であり、品質の管理も難しく、その結果、コストが高くなり汎用的ではないのが現状である。
そこで二層構造を再現するための最も汎用的な方法としては、パイルを構成する繊維にガードヘアー(長い繊維)とダウンヘアー(短い繊維)を同時に存在させる方法がある。これを実現させる手段のひとつとして、収縮率の異なる繊維をパイル部に存在させ、予備仕上げの段階で繊維に収縮を発現させ、この収縮率の差から二層構造を発現させる方法が用いられることがある。この方法はプリントの様な特別な工程を必要とせず、通常の加工工程とほぼ同じ工程で二層構造を持つパイルを得ることができ、さらにコストも安いといったメリットがある。このようにパイル部を構成する繊維に収縮率の異なる繊維を存在させ、収縮差を利用することで二層構造のパイルを得る報告は数多く存在する。たとえば、特開昭62−85052号公報、特開昭62−58053号公報、特開昭62−97988号公報および特開昭62−97989号公報には、ガードヘアーとダウンヘアーのそれぞれの繊維の段差を明確にすることで、天然毛皮に近い外観を得ることを提案しているものであるが、通常、ガードヘアーとダウンヘアーの色相差が小さく十分な段差効果が得られない。また、色相差が大きい場合でもパイル布帛の底部で収縮繊維と非収縮繊維が混在するために、繊維間の境界部がはっきりとせず、二層構造が視覚的に強調されない。また、特開平8−260289号公報では、繊維間の摩擦係数の小さい原料を使用して、原料構成、繊度およびパイル長さの差などを規定することにより、良好な風合を持つ二層構造のパイルを得ることを提案しているが、これもやはり繊維間の境界部が明確でなく、二層構造が視覚的に十分強調されたものではない。また、これらの二層構造を持つパイル布帛において、底部の繊維間の境界を明確にする方法として、ダウンヘアーの構成本数を増やす方法があるが、結果、ガードヘアーの構成本数が減ることでパイル布帛表面の構成本数が減少し、ヘタリやすいパイル布帛になってしまい好ましくない。
発明の開示
本発明は、繊維の1本1本の存在感が視覚的に強調されたアクリル系繊維をダウンヘアーに用いることで、明確な段差効果による獣毛調の外観を有するパイル布帛を提供することである。
すなわち本発明は、少なくとも長パイル部と短パイル部で構成される段差パイル布帛であって、繊維の幅方向における光透過率が15〜70%で、かつ繊維の長さ方向に対し入射角60度での光の最大表面反射率が30〜80%であるアクリル系繊維(A)を、長パイル部以外のパイル部分に、パイル部全体の3重量%以上含有するパイル布帛に関する。
前記アクリル系繊維(A)の繊維断面における長軸幅が50〜300μmであることが好ましい。
前記アクリル系繊維(A)の繊維断面が扁平断面であることが好ましい。
前記アクリル系繊維(A)の乾熱収縮率が10〜50%であることが好ましい。
さらに本発明は、長パイル部、中パイル部および短パイル部で構成される段差パイル布帛であって、アクリル系繊維(A)を、中パイル部および/または短パイル部にパイル部全体の20〜80重量%含有するパイル布帛に関する。
前記段差パイル布帛において、アクリル系繊維(A)を中パイル部にパイル部全体の20〜50重量%含有することが好ましい。
前記段差パイル布帛において、長パイル部の明度(LG)と中パイル部の明度(LM)と短パイル部の明度(LS)が、|LM−LG|>40であり、かつ|LM−LS|>50の範囲となることが好ましい。
前記段差パイル布帛において、長パイル部の平均パイル長と中パイル部の平均パイル長との差が2mm以上であって、かつ中パイル部の平均パイル長が短パイル部の平均パイル長より1mm以上長く、さらに長パイル部の平均パイル長が9〜34mmであることが好ましい。
長パイル部の平均パイル長が12〜25mmであることが好ましい。
さらに本発明は、長パイル部と短パイル部のみからなる段差パイル布帛であって、アクリル系繊維(A)を、短パイル部にパイル部全体の20〜80重量%含有するパイル布帛に関する。
前記段差パイル布帛において、長パイル部の明度(LG)と短パイル部の明度(LS)が|LS−LG|>50の範囲となることが好ましい。
前記段差パイル布帛における、長パイル部の平均パイル長と短パイル部の平均パイル長との差が2mm以上であって、かつ長パイル部の平均パイル長が6〜34mmであることが好ましい。
長パイル部の平均パイル長が12〜25mmであることが好ましい。
前記アクリル系繊維(A)の繊度が、長パイル部を形成する繊維の平均繊度より太いことが好ましい。
前記アクリル系繊維(A)が、アクリル系共重合体100重量部に対し、最大粒径が0.8μm以下である白色系顔料を1.2〜30重量部含有することが好ましい。
白色系顔料が酸化チタンであることが好ましい。
発明を実施するための最良の形態
本発明は、少なくとも長パイル部と短パイル部で構成される段差パイル布帛であって、繊維の幅方向における光透過率が15〜70%で、かつ繊維の長さ方向に対し入射角60度での光の最大表面反射率が30〜80%であるアクリル系繊維(A)を、長パイル部以外のパイル部分に、パイル部全体の3重量%以上含有するパイル布帛に関する。
本発明でいう繊維の幅方向における光透過率とは、可視顕微分光測定により得られるものである。可視顕微分光測定とは、顕微鏡部と分光器およびこれらを接続する光ファイバーよりなる装置を用い、顕微鏡の対物レンズにより拡大された像が光ファイバーの端面に結像されることで測定部位の光がファイバーに入射し、この入射光は光ファイバーにより分光器へ導かれ、ここで分光した光を受光することで測定される。
具体的には、入射光Aを繊維断面の幅方向に入射させることで測定を行なうことが好ましい。たとえば、扁平断面1や楕円断面2およびドックボーン型断面などのような繊維断面を有するものでは短軸の幅方向の極大部分(たとえば、図1、2)、また、丸断面3や三角断面などのような繊維断面を有するものでは断面の中心部分(たとえば、図3)、さらに、十字型断面4やY字型断面などのような繊維断面を有するものでは直接、断面の中心部分Xに光の入射を行なう(たとえば、図4)ことで測定を実施する。
測定波長領域は400〜700nmの可視光領域で測定を行ない、550nmにおける光透過率が15〜70%を示すことが必要であるが、15〜65%であるのが好ましく、25〜55%であるのがより好ましい。繊維の光透過率が15%未満では、光沢の不十分ないわゆる“死毛”調になってしまい、繊維の1本1本の視覚的効果が強調されず外観特性が不十分であり、逆に、70%を超えると繊維に透明感が発生しパイル布帛においても“透け”によって繊維間の境界部が明確でなく、長パイル部との段差が強調されず外観に乏しい。また、繊度の太い繊維であればその“透け”感も緩和されるため、光透過率の高い場合、たとえば65%以上の場合などは周りの部分よりも繊度の太い繊維を選択するのが好ましい。
本発明でいう最大表面反射率とは、自動変角光度計を用い、標準光源からの光を規定の角度で試料面に当て、その時の反射成分を受光器で測定する方法であり、たとえば、JIS−K7105に代表される試験方法を用いることができる。
本発明においては、繊維の長さ方向における標準光源の入射角を60度とし、この時の反射成分を受光器にて0〜90度の受光角度で測定した場合、繊維の最大表面反射率が30〜80%を示すことが必要であるが、40〜70%を示すのがより好ましい。入射角60度で光を入射させた場合の最大表面反射率が30%未満では光沢の不十分ないわゆる“死毛”調になってしまい、繊維の1本1本の視覚的効果が強調されず外観特性が不十分であり、80%を超えると繊維に光沢が付与されすぎギラギラした金属感が表面化することで長パイル部との段差効果も明確でない。
本発明のパイル布帛に用いるアクリル系繊維(A)は繊維断面における長軸幅が50〜300μmであることが好ましく、さらに好ましくは70〜200μmである。上限としては300μmであって、それを超えると、単繊維の持つ線状イメージより極めて平面性が強調され違和感を与える繊維状フィルムの印象が強くなりパイル布帛においても好ましくなく、風合いに関してもガサツキ感を持った触感の悪いものとなってしまう傾向がある。一方、繊維長軸幅が下限である50μm未満であると外観上繊維1本1本の存在感が低下し、本発明品の光学的特徴を有した繊維であってもパイル布帛における明確な段差効果が得られず、よって、従来のものと差のないものになってしまい、また、パイル布帛のボリューム感およびリカバリー性においても良好なものが得られず従来のものと差のないものになってしまう傾向がある。
なお、ここでの繊維断面における長軸幅とは繊維断面に外接する平行な2本の直線間の最大距離をいう。また、繊維断面は特に限定されるものではないが、触感を考えた時に扁平断面が好ましい。また、長軸の最小値と短軸の最大値との比で表わされる扁平率が3〜20であるのが好ましく、さらには10〜18であるものがより効果が顕著である。扁平率が3未満では、視覚的に重要な繊維幅が狭くなり、繊維1本1本の存在感に欠けたものとなってしまう傾向がある。一方、扁平率が20を超えると長軸方向に対して垂直方向から繊維を観察した場合、透けるイメージが強調され好ましくない傾向がある。
この時の繊度は3〜30デシテックス(以下、dtexと記す)が好ましく、特に5〜20dtexの範囲が特徴を発揮しやすくより好適である。繊度が3dtex未満では、繊維が細すぎパイル布帛にした場合、単繊維1本1本の存在感が観測されず段差が明確でなく、さらに、ボリューム感およびリカバリー性の面でも従来のものと差のないものになってしまう傾向がある。一方、30dtexを超えるとパイル布帛において段差は明確であるものの風合いの悪いものになってしまう傾向がある。
本発明において、段差パイル布帛を得るために、カット長の異なる繊維を用いるなどの従来の方法を用いても構わないが、段差が明確であり、かつチッププリント調の段差を得るためには、好ましくは、収縮率の異なる繊維を併用する事で段差を生じさせるのがよい。本発明では収縮率を乾熱収縮率で表わし、乾熱収縮率とは、まず収縮前の繊維を8.83×10−3cN/dtex荷重下で試料長(Lb)を測定し、つぎにこの繊維試料を無荷重下の状態で均熱オーブン中で130℃×20分の処理を行ない、この時の収縮後の試料長をLaとして次式より算出されるものである。
乾熱収縮率(%)=[(Lb−La)/Lb]×100
パイル布帛にした場合のガードヘアーとの段差効果および嵩高性などを十分に発揮する点から、本発明のパイル布帛に使用する長パイル部以外のパイル部を構成する前記アクリル系繊維(A)の乾熱収縮率は10〜50%の範囲が好ましく、2段パイルにおいては15〜30%の範囲がより好ましい。一方、3段パイルにおいては、短パイル部の繊維の乾熱収縮率は、中パイル部の繊維より大きい必要があることから、アクリル系繊維(A)を中パイル部に用いる場合には、その乾熱収縮率は10〜30%の範囲が好ましく、前記アクリル系繊維(A)を短パイル部に用いる場合には、その乾熱収縮率は35〜50%の範囲が好ましい。アクリル系繊維(A)の乾熱収縮率が、上記範囲をそれぞれ満たさない場合には、他のパイル部の繊維との収縮率の差があまりないことから、段差効果が明瞭でなくなってしまう傾向がある。もちろん、他の方法で段差パイルを得る場合にはこの限りではない。
本発明でいうパイル部とは、図6に示すようにパイル布帛(立毛布帛)の基布7(地糸の部分)の部分を除く立毛部分を指すものである。また、パイル長lとは前記の立毛部分の根本から先端までの長さをいう。
また、平均パイル長とは、パイル布帛のパイル部を構成している繊維を毛並みが揃うように垂直に立たせ、パイル部を構成している繊維の根元(パイル布帛表面の根元)からパイルの先端部までの長さの測定を10カ所について行ない、その平均値で表わしたものである。
一般にパイル布帛は、パイル長が一定の場合や長短のパイル部が混在するものまで様々である。本発明のパイル布帛は、前記したパイル長に特に制限はないが、少なくとも長パイル部と短パイル部で構成される段差パイル布帛である。なかでも、長パイル部、中パイル部および短パイル部で構成される三段パイル、長パイル部と短パイル部のみからなる二段パイルのような段差を有するパイル布帛であるものが好ましい。さらには四段あるいはそれ以上の段差パイル布帛であっても良いが、段数があまり多くなるとその分段差が明確でなくなるので好ましくない傾向がある。
長パイル部aとは、たとえば、第6図に示すような三段パイルにおいては、パイル長の最も長い(部分a)、いわゆるガードヘアー部を示し、中パイル部bとはパイル長が長パイル部aについで長い(部分b)、いわゆるミドルヘアー部を示し、さらに、短パイル部cとはパイル長が最も短い(部分c)、いわゆるダウンヘアーを示す。四段以上のパイル布帛であれば、パイル長の最も長い部分を長パイル部a、パイル長が最も短い部分を短パイル部cとし、それ以外の部分をまとめて便宜上中パイル部とする。本発明における段差とは、部分a、部分bおよび部分cからなる三段パイルであれば、部分aと部分bの最もパイル長の長いもの(部分bが二段であれば長い方のパイル長)との差、部分aおよび部分cからなる二段パイルであれば、部分aと部分cとの差、で表わせるものである。
本発明のパイル布帛は、前記のような段差を有するパイル布帛において、アクリル系繊維(A)を、長パイル部以外のパイル部に、パイル部全体の3重量%以上含有するパイル布帛である。さらに、20重量%以上含有することが好ましく、とくに30重量%以上含有することが好ましい。上限値は90重量%であることが好ましく、80重量%であることがより好ましい。アクリル系繊維(A)を長パイル部以外のパイル部に、パイル部全体の3重量%未満含有すると、段差効果が従来の収縮性繊維を使用したパイル布帛と大差がなくなる。一方、90重量%を超えると段差パイル布帛において、外観的に長パイル部以外の視覚的効果が支配的となってしまい段差効果が不明瞭となり獣毛調として似つかわしくなくなる傾向にあり、さらに、ガードヘアー部が著しく少なくなるため、ガードヘアーとダウンヘアーとのバランスが崩れヘタリなどの問題により商品価値が低下する傾向がある。
好ましくは、長パイル、中パイルおよび短パイル部で構成される段差パイル布帛であって、アクリル系繊維(A)を、中パイル部および/または短パイル部にパイル部全体の20〜80重量%含有することが好ましく、さらに20〜70重量%含有することが好ましい。アクリル系繊維(A)が20重量%未満であると段差パイル布帛としての明瞭な段差効果が得られず、一方で、80重量%を超えると段差パイル布帛において、外観的に中パイル部および/または短パイル部の視覚的効果が支配的となってしまい長パイル部との段差効果が不明瞭となり獣毛調として似つかわしくなくなる傾向がある。
また、本発明のパイル布帛の別の構成は、前記のような三段パイルにおいて、アクリル系繊維(A)をパイル布帛中の中パイル部を構成する繊維としてパイル部全体の20〜50重量%含有することが好ましく、さらに20〜40重量%含有することが好ましい。中パイル部のアクリル系繊維(A)の割合が20重量%未満であると、外観上中パイル部としての存在感がなく従来の収縮性繊維を使用した二段パイル布帛と大差なく、一方、50重量%を超えると外観上長パイル部と識別できず、やはり従来の二段パイル布帛と大差なく視覚的に獣毛調の外観が不十分となる傾向がある。
ここでいうアクリル系繊維(A)の含有率とは、パイル部全体に対する割合である。また、ここで、中パイル部や短パイル部にアクリル系繊維(A)と他のアクリル系繊維を併用しても構わない。
さらに、長パイル部、中パイル部および短パイル部で構成されるパイル布帛において、長パイル部の明度(LG)と中パイル部の明度(LM)と短パイル部の明度(LS)が、LGとLMの差の絶対値が40より大きい場合、すなわち、|LM−LG|>40で、かつLSとLMの差の絶対値が50より大きい場合、すなわち、|LM−LS|>50を同時に満たす場合に、三段パイル布帛の段差がより明確となり本発明の効果を著しく向上できる傾向がある。ここで、|LM−LG|は、|LM−LG|>45であることがより好ましく、|LM−LS|は、|LM−LS|>55であることがより好ましい。|LM−LG|>40を満たさない場合には、長パイル部と中パイル部の明度差が小さく段差がわかりにくく、外観がチッププリント調に見えない傾向がある。また、|LM−LS|>50を満たさない場合にも、長パイル部と中パイル部の段差は観測されるも中パイル部と短パイル部との明度差が小さいため繊維間の境界部が明確でなく、従って段差効果が不十分であり、三段パイル布帛としては外観特性に乏しいものとなる傾向がある。
ここで、明度Lとは色差計で測定された色の尺度である。本発明において、明度Lは、日本電色工業株式会社製の色差計タイプΣ90により測定したが、色差計は特に限定されない。明度Lは、100に近いほど白色であることを示し、0に近づくほど灰色から黒色であることを示している。さらに色度a、bという色の尺度もある。これは、+、−で示される。色度aが+側で数値が大きいほど赤の度合いが大きく、−側で数値が大きいほど緑の度合いが大きいことを示す。また、色度bが+側で数値が大きいほど黄の度合いが大きく、−側で数値が大きいほど青の度合いが大きいことを示す。これらL、a、bは、ハンターLab表色系と呼ばれている。特にL値は、色の明るさ、暗さを示しており、前記本発明の効果に寄与する値として適している。
三段パイル布帛における、長パイル部を占める繊維の平均パイル長と中パイル部を占める繊維の平均パイル長との段差は2mm以上、好ましくは3mm以上であって、かつ中パイル部の平均パイル長が短パイル部の平均パイル長より1mm以上、さらには2mm以上長いのが好ましい。加えて、長パイル部分を占める繊維の平均パイル長が9〜34mm、好ましくは12〜28mm、より好ましくは15〜25mmであるものが、より三段パイルとしての段差効果に優れる傾向がある。長パイル部を占める繊維の平均パイル長と中パイル部を占める繊維の平均パイル長との段差が2mm未満ではチッププリント調の外観が十分に表現出来ず従来のミックス調に近い外観を有するものとなってしまい、また、中パイル部を占める繊維の平均パイル長と短パイル部を占める繊維の平均パイル長との段差が1mm未満では中パイル部と短パイル部と境界がはっきりしないため、従来の二段パイル布帛と大差ない傾向がある。さらに、長パイル部の平均パイル長が9mm未満では、本発明の構成要件を満たしたパイル布帛であっても、パイル長が短かすぎ三段パイルの明瞭な段差が観測されにくく、逆に、34mmを越えたときにはパイル布帛の外観がチッププリント調に見えず効果が十分でない傾向がある。
なお、段差パイル布帛としては、長パイル部、中パイル部および短パイル部から構成される三段パイルが好ましいが、中パイル部(ミドルヘアー)を含まない二段パイルでも差し支えない。前記三段パイルの説明で、アクリル系繊維(A)の含有量、明度差および段差などの好ましい数値範囲からはずれた場合に、二段パイルと変わらない外観となってしまうことがある旨を述べたが、これは三段パイルとしての効果を期待した場合に好ましくないということであって、必ずしも二段パイルを否定するものではない。
本発明のパイル布帛の別の構成としては、長パイル部と短パイル部のみからなる段差パイルであって、アクリル系繊維(A)を短パイル部を構成する繊維としてパイル部全体の20〜80重量%含有することが好ましく、さらには30〜70重量%含有することが好ましい。短パイル部のアクリル系繊維(A)の割合が20重量%未満であると、段差パイル布帛として明瞭な段差効果が得られず、一方、80重量%を超えると、段差パイル布帛において、外観的に短パイル部の視覚的効果が支配的となってしまい長パイル部との段差効果が不明瞭となり獣毛調として似つかわしくなくなる傾向がある。
さらに、前記段差パイル布帛において、長パイル部の明度(LG)と短パイル部の明度(LS)の差の絶対値が50より大きい場合、すなわち、|LS−LG|>50を満たす場合に二段パイルの段差がより明確となり本発明の効果を著しく向上する傾向がある。|LS−LG|>50を満たさない場合には長パイル部と短パイル部の明度差が小さく段差がわかりにくいためチッププリント調の外観を有しない傾向がある。
さらに、前記段差パイル布帛において、長パイル部を占める繊維の平均パイル長と短パイル部を占める繊維の平均パイル長との段差は2mm以上、好ましくは3mm以上であって、かつ長パイル部を占める繊維の平均パイル長が6〜34mm、好ましくは9〜28mm、より好ましくは12〜25mmであるものがよい。長パイル部を占める繊維の平均パイル長と短パイル部を占める繊維の平均パイル長との段差が2mm未満では、チッププリント調の外観が十分表現できず、従来のミックス調に近い外観となってしまい本発明の十分な効果が得られない傾向があり、さらに、長パイル部の平均パイル長が6mm未満では、たとえパイル部に有意な段差があったとしても段差効果が十分に観測されないため、顕著な効果が発揮されず、逆に、34mmを超えるとパイル布帛の外観がチッププリント調に見えず効果が十分でない傾向がある。
さらには、アクリル系繊維(A)の光透過率が高い場合には、アクリル系繊維(A)の繊度が他の繊維の繊度よりも太い方が“透け”感が緩和され好ましいというのは先にも述べたが、そうでない場合にも、アクリル系繊維(A)の繊度は、長パイル部を形成する繊維の平均繊度よりも太い方が、パイル布帛中で目立つために外観に寄与し、さらにはボリューム感が付与され、また、リカバリー性に優れるという傾向があるために好ましい。
本発明でいうアクリル系繊維(A)または収縮性アクリル系繊維とは、アクリル系重合体からなる繊維をいう。好ましくはアクリロニトリルを35〜98重量%、アクリロニトリルと共重合可能な他のビニル系モノマーを65〜2重量%およびこれらと共重合可能なスルホン酸基含有ビニル系モノマー0〜10重量%よりなる共重合体である。さらに好ましくは、アクリロニトリルの含有量は35〜90重量%である。
前記アクリロニトリルと共重合可能なビニル系モノマーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデンなどに代表されるハロゲン化ビニルおよびハロゲン化ビニリデン類、アクリル酸、メタクリル酸に代表される不飽和カルボン酸類およびこれらの塩類、アクリル酸メチルやメタクリル酸メチルに代表されるアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル、グリシジルメタクリレートなどに代表される不飽和カルボン酸のエステル類、酢酸ビニルや酪酸ビニルに代表されるビニルエステル類、アクリルアミドやメタクリルアミドに代表されるビニル系アミド類、メタリルスルホン酸やその他ビニルピリジンやメチルビニルエーテル、メタクリロニトリルなど公知のビニル化合物があり、これらの1種あるいは2種以上を共重合して得られるアクリル系共重合体であってもよい。
また、前記スルホン酸基含有ビニル系モノマーとしては、スチレンスルホン酸、パラスチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、パラメタクリロイルオキシベンゼンスルホン酸、メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸、またはこれらの金属塩類およびアミン塩類などを用いることができる。
本発明に用いる白色系顔料とは、無機化合物の微粉末状の添加剤である。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アンチモン、水酸化チタン、水酸化亜鉛、水酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫化亜鉛、燐酸アルミニウム、燐酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸鉛、炭酸バリウム、炭酸マグネシウムなどがあげられる。
本発明においては、アクリル系重合体100重量部に対し最大粒径が0.8μm以下である分散性を有する白色系顔料を1.2〜30重量部、好ましくは2〜15重量部添加するのが好ましい。白色系顔料の最大粒径が0.8μmを超えるものを用いると、液中に分散した白色系顔料の凝集により濾過性が低下し、工業的に安定連続生産が損なわれる傾向がある。
さらに、最大粒径が0.8μmを超える白色系顔料の添加により得られたアクリル系繊維は、隠蔽効果にも乏しく、よってパイル布帛における特殊発色が視覚的に強調されない傾向がある。
また、白色系顔料の添加量については、1.2重量部未満では、単繊維の透明度が大きくなり、パイル布帛において、明度差が小さく“透け”による単繊維同士の境界が不明確になり外観特性が強調されない傾向があり、逆に30重量部を越えると、得られる繊維の機械的物性に悪影響を及ぼすだけでなく、生産性を損なう傾向がある。
なお、ここで用いる白色系顔料としては高屈折率、高隠蔽性である酸化チタンを用いるのがより好ましい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。実施例の記載に先立ち、分析測定条件および評価方法について説明する。
(A)光透過率測定
顕微鏡にはオリンパス株式会社製金属システム顕微鏡を用い、明度を一定にした種々の単繊維の光透過率の評価をサンプル数5点で、かつ、それぞれのサンプルについて各2カ所、合計10点で測定を行なった。対物レンズの倍率は50倍(N.A.=0.70、β=89°)とし、測定領域はφ20μmで行なった。なお、光源には透過・明視野・ハロゲンランプを用いた。分光器には大塚電子株式会社製瞬間マルチ測光システムMCPD−113を用い400〜700nmの可視光領域で測定を行なった。この時の分解能は2.4nm、積算時間20000msecまでで積算回数4回で測定を行いその平均値を用いた。
なお、例として図1〜4に、各種断面形状による好ましい入射光Aの位置を示した。
(B)最大表面反射率測定
株式会社村上色彩技術研究所製自動変角光度計GP−200型を用い、明度を一定にした種々のサンプルに対して最大表面反射率を求めて表面光沢の評価を行なった。JIS−K7105を参考に試料長50mm、総繊度3万デシテックスの繊維5の両端を凹凸のできないように試料長方向Yに挟む形で試料台6に貼り付け、入射角60で光を入射した時の反射光Bを、受光絞り4.5mm、受光角度0〜90度、受光回転角速度180度/minの条件下で測定を行なった。標準光源には、12V、60Wのハロゲンランプを使用した。なお、光電子増倍管印加電圧は−593Vに設定した。
なお、例として図5に、測定試料と光の入射光Aおよび反射光Bの方向を示した。
(C)繊維断面長軸幅の測定
得られた繊維束を内径2.2〜2.6mmのシリコーン製のチューブに詰め、繊維軸方向と直角にカットした。さらにカット面を真空蒸着処理して走査型電子顕微鏡にて繊維断面の数が約50個となるように撮影した。つぎにその中の30個をランダムに抽出し、各々繊維断面の長軸の長さ測定を行ないその30個の長軸の長さの平均値を繊維断面の長軸幅とした。
(D)明度(L値)測定
パイル布帛中から各構成部分のパイル繊維を一定重量計り取り、直径30mmの試料台に入れ、JIS Z 8720記載の標準光源Cに準ずる光源を備えた色差計タイプΣ90(日本電色工業製)を使用して測定した。測定にあたっては、サンプル綿を綿密度0.16g/cm3に調整して試料セルに入れL値を測定した。
(E)粒度分布測定
白色系顔料の粒度分布測定は、株式会社島津製作所社製透過遠心沈降測定装置
SA−CP4Lを用いて行なった。試料調製は、まず、第一工業製薬株式会社製ディスコール206(一般名:ポリアルキレンオキサイドポリアミン)をアセトンに溶解させ、液比重0.814g/cm3、液粘度0.798mpaとなるよう調整したものを所定のセルに充填する。この中に1.5重量%の濃度でアセトン中に分散させた顔料を10mg滴下し測定を行なった。なお、ディスコール206のアセトン溶液中に顔料の分散溶液を添加するのは分散溶液に粘度を持たせることで沈降速度を遅らせるためである。
(F)ハイパイル布帛の作成
得られた繊維に対し、油剤付与、機械クリンプ付与およびカットなどの必要な処理、操作を行った。ここで、後に段差パイル布帛を得るために、原料となる繊維に乾熱収縮率の異なる繊維を用いた。この時の機械クリンプとは、ギアークリンプ法やスタフィングボックス法などの公知の方法で得られたクリンプをいい、特に限定されるものではないが、好ましいクリンプ形状としては、捲縮度4〜15%、好ましくは5〜10%。クリンプの山数としては6〜15山/インチ、好ましくは8〜13山/インチの範囲であるのが良い。前記した捲縮度とはJIS−L1074に代表される測定法によって得られるものである。
その後、これらの繊維をカットし、スライバー編機にてパイル布帛を編成した。ついで120℃でプレポリッシング処理とプレシャーリング処理を行ないパイル長を揃えた後、パイル裏面にアクリル酸エステル系接着剤でバックコーティングを行なった。この時、コーティングの熱による繊維の乾熱収縮率差を利用することで段差を発現させた。その後、155℃のポリッシング、続いてブラッシングを行い、さらに135℃、120℃、90℃でポリッシングとシャーリングを組み合わせ(各工程2回ずつ)、立毛表層部のクリンプを除去することで一定のパイル長を持ち、かつ段差を有する立毛布帛を作成した。
(G)外観特性官能評価
前記のようにして作成したパイル布帛に対し、明確な段差が強調された獣毛調の外観の程度を視覚的および感覚的な観点から4段階評価による官能的評価を行ない、以下の基準で評価した。
◎:極めて明確な段差が感じられ、かなり獣毛調に近い外観を有する。
○:明確な段差が感じられ、獣毛調の外観を有する。
△:明確な段差が不十分であり獣毛調の外観が劣る
×:明確な段差が不十分であり獣毛調の外観がかなり劣る。
(H)平均パイル長の測定
パイル布帛中のパイル部を構成している繊維を毛並みが揃うように垂直に立たせ、ノギスを用いることで、パイル部を構成している繊維の根元からパイル部の先端までの長さ(パイル布帛裏面からの長さではない)の測定を10カ所について行ない、その平均値を平均パイル長とした。
(I)パイルの段差の測定
パイルの段差とは、前記の方法によって測定された長パイル部の平均パイル長と短パイル部の平均パイル長との差であり、下記式により算出した。
段差(mm)=長パイル部の平均パイル長(mm)−短パイル部の平均パイル長(mm)
製造例1〜2
アクリロニトリル49重量%、塩化ビニル50重量%とスチレンスルホン酸ナトリウム1重量%よりなるアクリル系共重合体をアセトンに溶解し、さらに前記アクリル系共重合体100重量部に対し、最大粒径が0.8μmである分散性に優れた酸化チタン(A−160、堺化学工業株式会社製)を2.3重量部加えたものを紡糸原液として孔径0.06×0.8mm、孔数3900(製造例1)、または孔径0.04×0.65mm、孔数7133(製造例2)の紡糸口金を通し、アセトン濃度が30%の水溶液による凝固浴槽に湿式紡糸し、ついでアセトン濃度が35%と25%の水溶液である2つの浴槽を通し2.0倍の延伸を行ない、その後90℃の水洗浴槽にて前記の延伸と合わせて3.0倍の1次延伸を行なった。その後、得られた繊維に油剤を付与した後、125℃の雰囲気下で乾燥させ、さらに125℃で最終ドラフト6.0倍になるように延伸を行ない単繊維繊度17dtexの収縮性繊維(製造例1)、または7.8dtexの収縮性繊維(製造例2)を得た。製造例1で得られた収縮性繊維の断面は扁平断面形状であり、その扁平率は14.2、製造例2で得られた収縮性繊維の断面は扁平断面形状であり、その扁平率は12.2であった。
製造例3
アクリロニトリル93重量%、酢酸ビニル7重量%からなるアクリル系共重合体をジメチルアセトアミド(以下DMAc)に溶解し、さらに前記アクリル系重合体100重量部に対し最大粒径が0.8μmである分散性に優れた酸化チタン5重量部を加えることでポリマー濃度25%の紡糸原液を得た。この紡糸原液を孔径0.06×0.8mm、孔数3900の紡糸口金を通し、DMAc濃度60重量%の水溶液による凝固浴槽に湿式紡糸し、さらに沸水中で溶剤を洗浄しながら2.0倍延伸を施し、続いて油剤を付着させ130℃の熱ローラーで乾燥させ、さらにこの乾燥糸を70℃の熱水中で2.0倍に延伸を行ない単繊維繊度17dtexの収縮性繊維を得た。製造例3で得られた収縮性繊維の断面は扁平断面形状であり、その扁平率は14.3であった。
製造例4
製造例3に示すアクリル系共重合体100重量部に対し、最大粒径が0.8μmである分散性に優れた酸化チタン1.0重量部を加えたものを紡糸原液として製造例3と同様に湿式紡糸することで単繊維繊度17dtexの収縮性繊維を得た。製造例4で得られた収縮性繊維の断面は扁平断面形状であり、その扁平率は14.3であった。
製造例5〜6
製造例1に示すアクリル系共重合体100重量部に対し、酸化チタン添加なし(製造例5)、最大粒径が0.8μmである分散性に優れた酸化チタン0.3重量部(製造例6)、を加えたものを紡糸原液として製造例1と同様に湿式紡糸することで単繊維繊度17dtexの収縮性繊維を得た。製造例5で得られた収縮性繊維の断面は扁平断面形状であり、その扁平率は13.5であり、製造例6で得られた収縮性繊維の断面は扁平断面形状であり、その扁平率は14.0であった。
製造例7
製造例1に示すアクリル系共重合体100重量部に対し、酸化チタンを加えないものを紡糸原液として、製造例2と同様に湿式紡糸することで短繊維繊度7.8dtexの収縮性繊維を得た。製造例7で得られた収縮性繊維の断面は扁平断面形状であり、その扁平率は12.2であった。
得られた繊維の特性値などのデータを表1に示した。
実施例1〜3
製造例1、製造例3または製造例4で得られた繊維にクリンプ付与を行なった後44mmにカットした。ついで、製造例1で得られた収縮性繊維40重量部と市販のアクリル系繊維「カネカロン(登録商標)」RLM(BR517)12dtex、44mm(鐘淵化学工業株式会社製)30重量部と市販のアクリル系収縮性繊維「カネカロン(登録商標)」AHD(10)4.4dtex、32mm(鐘淵化学工業株式会社製)30重量部(以上、実施例1)、同じく製造例3で得られた収縮性繊維40重量部と市販のアクリル系繊維「カネカロン(登録商標)」RLM(BR517)12dtex、44mm(鐘淵化学工業株式会社製)30重量部と市販のアクリル系収縮性繊維「カネカロン(登録商標)」AHD(10)4.4dtex、32mm(鐘淵化学工業株式会社製)30重量部(以上、実施例2)、同じく製造例4で得られた収縮性繊維40重量部と市販のアクリル系繊維「カネカロン(登録商標)」RLM(BR517)12dtex、44mm(鐘淵化学工業株式会社製)30重量部と市販のアクリル系収縮性繊維「カネカロン(登録商標)」AHD(10)4.4dtex、32mm(鐘淵化学工業株式会社製)30重量部(以上、実施例3)とを、それぞれ混綿しパイル布帛を作成した。なお、長パイル部の平均パイル長は20mmであった。実施例1〜3で得られたパイル布帛の外観特性官能評価は表2に示したように極めて明確な段差が感じられ、かなり獣毛調に近い外観特性を有するものであった。
比較例1〜2
製造例5または製造例6で得られた収縮性繊維にクリンプ付与を行なった後44mmにカットした。ついで、製造例4で得られた収縮性繊維40重量部と長パイル部として市販のアクリル系繊維「カネカロン(登録商標)」RLM(BR517)12dtex、44mm(鐘淵化学工業株式会社製)30重量部と市販のアクリル系収縮性繊維「カネカロン(登録商標)」AHD(10)4.4dtex、32mm(鐘淵化学工業株式会社製)30重量部(以上、比較例1)、同じく製造例5で得られた収縮性繊維40重量部と市販のアクリル系繊維「カネカロン(登録商標)」RLM(BR517)12dtex、44mm(鐘淵化学工業株式会社製)30重量部と市販のアクリル系繊維「カネカロン(登録商標)」AHD(10)4.4dtex、32mm(鐘淵化学工業株式会社製)30重量部(以上、比較例2)とを、それぞれ混綿しパイル布帛を作成した。長パイル部の平均パイル長は20mmであった。得られたパイル布帛の外観特性官能評価は表2に示したように比較例1では、段差が不十分であり獣毛調の外観とはかなり劣るものであった。比較例2では、段差が不十分であり獣毛調の外観が劣るものであった。
実施例4および、比較例3〜4
製造例2で得られた繊維にクリンプ付与を行なった後38mmにカットした。ついで製造例2で得られた繊維80重量部と市販のアクリル系繊維「カネカロン(登録商標)」RCL17dtex、51mm(鐘淵化学工業株式会社製)を染色したものを20重量部(以上、実施例4)、同じく市販のアクリル系繊維「カネカロン(登録商標)」AHP4.4dtex、32mm(鐘淵化学工業株式会社製)80重量部と市販のアクリル系繊維「カネカロン(登録商標)」RCL17dtex、51mm(鐘淵化学工業株式会社製)を染色したものを20重量部(以上、比較例3)、同じく市販のアクリル繊維「ボンネル(登録商標)」V85 2.2dtex、38mm(三菱レイヨン株式会社製)80重量部と市販のアクリル系繊維「カネカロン(登録商標)」RCL17dtex、51mm(鐘淵化学工業株式会社製)を染色したものを20重量部(以上、比較例4)とを、それぞれ混綿しパイル布帛を作成した。長パイルの平均パイル長は15mmであった。実施例4で得られたパイル布帛の外観特性官能評価は表2に示すように明確な段差が感じられ、獣毛調の外観を有するものであったが、比較例3および4で得られたパイル布帛の外観特性官能評価は段差が不十分であり獣毛調の外観とはかなり劣るものであった。
なお、実施例4および比較例3〜4で使用したRCLの染色綿は以下のように作成を行なった。Maxilon Golden Yellow GL 200% 0.285%omf、Maxilon Red GRL200% 0.0975%omf、Maxilon Blue GRL 300% 0.057%omf(以上チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の染料とウルトラMT#100(ミテジマ化学社製)0.5g/Lの染色助剤を配合した染色処方で、室温から3℃/分で昇温し98℃に達したところで60分間保温染色した後染色を完了させた。その後、染色液を冷却して染色した綿を取り出して遠心脱水後、60℃で乾燥させることで作成した。
比較例5
製造例7で得られた繊維にクリンプ付与を行った後38mmにカットした。次いで製造例7で得られた繊維40重量部と市販のアクリル系繊維「カネカロン(登録商標)」AH(740)5.6dtex、38mm(鐘淵化学工業株式会社製)60重量部とを、それぞれ混綿しパイル布帛を作成した。長パイル部の平均パイル長は15mmであった。比較例5で得られたパイル布帛の外観特性官能評価は段差が不十分であり獣毛調の外観とはかなり劣るものであった。
産業上の利用可能性
本発明のパイル布帛は、段差を有するパイル布帛であって、パイル部の中パイル部および/または短パイル部を構成する繊維に特定の光透過率および最大表面反射率を有し、繊維1本1本の存在感が視覚的に強調されたアクリル系繊維を含有することで、従来にない明確な段差が感じられ、獣毛調の外観を有するものである。さらには、前記アクリル系繊維の繊維断面の長軸幅を好ましい範囲であるか、形状が扁平断面で、または他を構成する繊維より繊度の太い繊維を使用することで、上記段差をより際立たせることができるだけでなく、ボリューム感が付与されリカバリー性にも優れたハイパイルおよびボアなどのパイル布帛を得ることができる。その結果、衣料、玩具(ぬいぐるみなど)およびインテリア用などの広範囲に新たな商品企画を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
図1は、扁平断面繊維の光透過率を測定する場合の、入射光の位置を表わした図である。
図2は、楕円断面繊維の光透過率を測定する場合の、入射光の位置を表わした図である。
図3は、丸断面繊維の光透過率を測定する場合の、入射光の位置を表わした図である。
図4は、十字型断面繊維の光透過率を測定する場合の、入射光の位置を表わした図である。
図5は、繊維に対する光の最大表面反射率を測定する場合の試料などの向きを表わした図である。
図6は、三段パイルにおける段差を表わした図である。
Claims (16)
- 少なくとも長パイル部と短パイル部で構成される段差パイル布帛であって、繊維の幅方向における光透過率が15〜70%で、かつ繊維の長さ方向に対し入射角60度での光の最大表面反射率が30〜80%であるアクリル系繊維(A)を、長パイル部以外のパイル部分に、パイル部全体の3重量%以上含有するパイル布帛。
- 前記アクリル系繊維(A)の繊維断面における長軸幅が50〜300μmである請求の範囲第1項記載のパイル布帛。
- 前記アクリル系繊維(A)の繊維断面が扁平断面である請求の範囲第1項記載のパイル布帛。
- 前記アクリル系繊維(A)の乾熱収縮率が10〜50%である請求の範囲第1項記載のパイル布帛。
- 断面形状で長パイル部、中パイル部および短パイル部で構成されており、アクリル系繊維(A)を、中パイル部および/または短パイル部にパイル部全体の20〜80断面形状で含有する請求の範囲第1項記載のパイル布帛。
- 前記段差パイル布帛が、アクリル系繊維(A)を中パイル部にパイル部全体の20〜50重量%含有する請求の範囲第5項記載のパイル布帛。
- 前記段差パイル布帛が、長パイル部の明度(LG)と中パイル部の明度(LM)と短パイル部の明度(LS)が、|LM−LG|>40であり、かつ|LM−LS|>50の範囲となる請求の範囲第5項記載のパイル布帛。
- 前記段差パイル布帛が、長パイル部の平均パイル長と中パイル部の平均パイル長との差が2mm以上であって、かつ中パイル部の平均パイル長が短パイル部の平均パイル長より1mm以上長く、さらに長パイル部の平均パイル長が9〜34mmである請求の範囲第5項記載のパイル布帛。
- さらに長パイル部の平均パイル長が12〜25mmである請求の範囲第8項記載のパイル布帛。
- 長パイル部と短パイル部のみからなる段差パイル布帛であって、アクリル系繊維(A)を、短パイル部にパイル部全体の20〜80重量%含有する請求の範囲第1項記載のパイル布帛。
- 前記段差パイル布帛が、長パイル部の明度(LG)と短パイル部の明度(LS)が|LS−LG|>50の範囲となる請求の範囲第10項記載のパイル布帛
- 前記段差パイル布帛が、長パイル部の平均パイル長と短パイル部の平均パイル長との差が2mm以上であって、かつ長パイル部の平均パイル長が6〜34mmであること請求の範囲第10項記載のパイル布帛。
- さらに長パイル部の平均パイル長が12〜25mmである請求の範囲第12項記載のパイル布帛。
- 前記アクリル系繊維(A)の繊度が、長パイル部を形成する繊維の平均繊度より太い請求の範囲第1項記載のパイル布帛。
- 前記アクリル系繊維(A)が、アクリル系共重合体100重量部に対し、最大粒径が0.8μm以下である白色系顔料を1.2〜30重量部含有する請求の範囲第1項記載のパイル布帛。
- 白色系顔料が酸化チタンである請求の範囲第15項記載のパイル布帛。
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