JP2947662B2 - 不透明.熱遮蔽性及び発色性に優れた水着用並びに下着用複合繊維 - Google Patents

不透明.熱遮蔽性及び発色性に優れた水着用並びに下着用複合繊維

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JP2947662B2 JP4047302A JP4730292A JP2947662B2 JP 2947662 B2 JP2947662 B2 JP 2947662B2 JP 4047302 A JP4047302 A JP 4047302A JP 4730292 A JP4730292 A JP 4730292A JP 2947662 B2 JP2947662 B2 JP 2947662B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた不透明性、熱遮
蔽性及び発色性を兼備し、特に衣料用やインテリア用と
して有用な複合繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成繊維はそのポリマ基質が本来透明で
あることから、そのポリマのみからなる繊維を衣料用や
インテリア用等の布帛に用いた場合には、その下の物が
透けて見えるという欠点をもつ。それ故、一般に、不透
明な無機系や有機系の白色顔料を配合して繊維化してい
る。
【0003】また、太陽光等による熱を遮蔽する機能が
要求される場合には白色顔料の配合を多くすることも試
みられている。
【0004】しかし、十分な不透明性や熱遮蔽性を得よ
うとすると多量の顔料配合が必要であり、その結果、得
られる繊維はチョーク状の艶消し外観となり、これを染
色した場合に鮮明な色調が得られ難い。また、配合した
高濃度の顔料により、その後の工程通過時に糸条が接触
走行する装置部分に磨耗を生じ易いという問題や、繊維
本来の機械的特性が低下し易いという問題もあった。
【0005】また、この不透明化のために、高濃度に顔
料を配合した不透明ポリマ層を芯に顔料配合量の少ない
ポリマ層を鞘にして同心円状芯鞘型複合繊維とする方法
も知られているが、十分な不透明性を得るためには、発
色性を犠牲にして多量の顔料配合が必要であり、発色性
の低下を抑制しつつ不透明化及び熱遮蔽性を図ることは
困難であった。
【0006】さらにまた、布帛構成の改良により不透明
化を図る方法として、白色布帛の裏側にグレー色の裏布
を配するという方法が特開平3−45791号公報で提
案されているが、この方法は透け防止には有効である
が、グレー色の裏布のために布帛表側の色彩がくすみ易
く、また、白色系以外に染色する場合には適用できない
という問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記のような従来技術の欠点を解消し、不透明性及び熱遮
蔽性に優れるとともに、染色した際の発色性の低下が少
なく色調にも優れた複合繊維の提供を主な目的とする。
【0008】併せて、工程通過時の装置摩耗性が小さ
く、強伸度特性にも優れた不透明繊維の提供を目的とす
る。
【0009】そして、不透明性が必要とされる下着(肌
着)、水着類の素材繊維として特に有用であって、視覚
的な被覆効果、審美性及びファッション性を両立させる
ことが可能な合成繊維の提供を別の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明に係る不透明、熱遮蔽性及び発色性に優れた
水着用複合繊維は、白色顔料の含有量が6〜30重量%
(対ポリマ)である不透明白色ポリマ層と白色顔料の含
有量が0〜2重量%(対ポリマ)である透明ポリマ層と
からなる複合繊維であって、前記透明ポリマ層が前記不
透明白色ポリマ層によって3層以上に分割されかつ前記
透明ポリマ層が繊維表面の50%以上を占める繊維横断
面複合構造を有するとともに、繊維横断面積全体に対す
る光通過透明層部分の割合(χ)が50%以下の要件を
満たす複合構造であることを特徴とする。また、本発明
に係る不透明、熱遮蔽性及び発色性に優れた下着用複合
繊維も上記のとおりの特徴を有する。
【0011】本発明の複合繊維を構成する2種のポリマ
組成物は、白色顔料の配合の相違により、一方が不透明
性が大幅に高められた不透明白色ポリマ組成物で、他方
が透明性に優れた透明ポリマ組成物(基質ポリマのみで
構成された場合も含む)であり、それぞれ、複合繊維に
おける不透明白色ポリマ層及び透明ポリマ層を構成す
る。
【0012】不透明白色ポリマ組成物は、白色顔料の高
濃度配合によって不透明化されたものである。この不透
明のために配合する顔料は、十分な不透明性を付与しか
つ染料による発色性や溶融紡糸に障害を及ぼさないとい
う点から白色顔料であることが必要であり、例えば、酸
化チタン、亜鉛華、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウ
ム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等が用いられ、
特に酸化チタンが好ましい。これに対し、白色以外の有
色顔料、例えば、黒色顔料、赤色顔料、青色顔料の配合
によっても不透明化することはできるが、この場合、そ
の顔料の色によって色調が大きく影響され、意図する調
色を行なうことが困難である。
【0013】その不透明白色ポリマ組成物中における白
色顔料の配合量は、顔料の種類や複合繊維構造等によっ
て最適値はやや異なるが、溶融紡糸性と不透明効果との
両方からして一般的に基質ポリマに対して〜30重量
%とする必要がある。特に白色顔料が酸化チタンである
場合には、〜25重量%の配合量が好ましい。その白
色顔料が少なければ不透明化効果が不十分であり、逆に
多過ぎると顔料の均一分散が困難となり曳糸性が悪化し
て繊維化することが困難となる。
【0014】透明ポリマ組成物は白色顔料を含まないポ
リマあるいは白色顔料を2重量%以下含むポリマ組成物
である。勿論、透明なポリマ組成物とするためには白色
以外の有色顔料は実質的に含むことができない。染料の
発色性を高めるためには、光を散乱させる外部異物とな
るあらゆる顔料を全く含まないことが好ましいが、繊維
のキラツキ感や加工性の低下を抑える必要がある場合に
は、ポリマに対して2重量%以下の少量、特に不透明効
果の高い酸化チタンの場合は0.5重量%以下の少量の
白色顔料を含むことが好ましい。
【0015】この透明ポリマ組成物中に配合できる白色
顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、酸化アル
ミニウム、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化マ
グネシウム等が用いられ、特に酸化チタンが好ましい。
【0016】両ポリマ組成物の基質ポリマは、紡糸によ
る繊維化が可能であれば同一でもよいし異なっていても
良いが、なかでも、紡糸により複合繊維とした場合に両
者が剥離し難いようなポリマ組合せとすることが好まし
い。即ち、ポリエステルとポリアミドのように互いに剥
離し易いポリマ組合せは好ましくない。この点からして
も、同一あるいは類似の化学構造を有するポリマ、さら
には、同一のポリマを用いることが好ましい。
【0017】このようなポリマ基質となるポリマとして
は、繊維形成可能なポリアミド、ポリエステル、ポリオ
レフィン等の溶融紡糸可能なポリマが好適である。具体
的には、ポリεカプラミド、ポリヘキサメチレンアジパ
ミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げら
れる。また、これらポリマは共重合可能なモノマ成分を
共重合させた共重合体であってもよいし、あるいはこれ
らのポリマを混合したポリマブレンドやポリマアロイで
あってもよい。
【0018】さらにまた、これら基質ポリマには、顔料
以外に、制電性、耐光性、耐熱性を付与する薬剤を含ん
でいてもよい。
【0019】両ポリマ組成物からの繊維横断面複合構造
は、透明ポリマ層が不透明白色ポリマ層によって3層以
上に分割されていること、かつ透明ポリマ層が繊維表面
の50%以上を占めることが、不透明性、熱遮蔽性及び
発色性を共に高めた繊維とするために必要である。
【0020】図1(a) 〜(c) 及び図2に示す繊維横断面
複合構造は本発明に係るものであり、また、図3(a) 、
(b) 及び図4(a) 、(b) は本発明外のものである。
【0021】図1(a) 〜(c) 及び図2のように、透明ポ
リマ層(2)が不透明白色ポリマ層(1)によって3層
以上に分割された複合構造とすることによって、目的と
する不透明性及び熱遮蔽性を得ることができる。
【0022】これに対し、透明ポリマ層が繊維表面の5
0%以上を占める複合繊維であっても図3(a) 、(b) の
ように透明ポリマ層(2)が1層や2層のみの場合は、
十分な不透明性及び熱遮蔽性を得ることが困難である。
【0023】この不透明性の点からは、さらに、繊維横
断面における透明ポリマ層と不透明白色ポリマ層との分
割構造を、光通過透明層部分の割合(χ)が50%以
下、好ましくは30%以下という条件によって特定され
る複合構造とするものである。
【0024】ここで、光通過透明層部分の割合(χ)と
は、次のようにして求めた値である。
【0025】図2に示す繊維軸に直角に切った時の繊維
横断面において、不透明白色ポリマ層(1)と交差しな
いような直線をなるべく繊維外周面近くに引く。この直
線A0 、B0 、C0 、D0 のそれぞれと繊維断面外周部
とで囲まれた部分3a、3b、3c、3dの透明ポリマ
層(光通過透明層部分)のそれぞれの面積を測り、その
総和(X=3a+3b+3c+3d)を算出する。そし
て、この光通過透明層部分の総和(X)が繊維横断面全
体(S)中に占める割合(光通過透明層部分の割合:χ
=(X/S)×100(%))を求める。
【0026】繊維への入射角が大きいほど光や熱線は繊
維表面で反射されるが、入射角の小さいものは繊維内部
に入り込む。しかし、光通過透明層部分の割合(χ%)
が50%以下のように不透明白色ポリマ層(1)が配さ
れた複合構造の場合、繊維内部に入り込んだ光や熱線は
その殆どが不透明白色ポリマ層(1)にぶつかって遮ら
れ繊維内部を通過することができないので、優れた不透
明性と熱遮蔽性とが発揮されるのである。
【0027】一方、透明ポリマ層(2)が繊維表面の5
0%以上を占める複合構造とすることによって、不透明
化しても、光沢や発色性の低下を十分に抑制することが
できるのである。
【0028】ここで、透明ポリマ層が繊維表面に占める
割合とは、透明ポリマ層の繊維表面長の和(l)の繊維
横断面における繊維表面全体周長(L)に対する割合
(l/L)×100(%)の値である。
【0029】透明ポリマ層と不透明白色ポリマ層との容
積比率(繊維横断面積比率)は、不透明白色ポリマ層中
の白色顔料濃度や複合構造等にも左右されるが、一般
に、80/20〜30/70であればよく、さらに70
/30〜50/50が好ましい。
【0030】例えば、不透明白色ポリマ層中の白色顔料
の濃度が高い場合や前記光通過透明層部分の割合が小さ
い場合は、その不透明白色ポリマ層の複合比率は少な目
でも所期の不透明化効果及び熱遮蔽効果を得ることがで
きる。
【0031】また、透明ポリマ層の比率が多いほど染料
による鮮明な発色が得られるが、不透明性は一般に悪化
する傾向にある。
【0032】本発明における白色顔料のポリマ基質への
配合は、パウダー状の所定量の白色顔料をポリマペレッ
トの表面にまぶし均一混合する方法、ポリマ基質の重合
時に白色顔料を添加混合し重合する方法等により行なえ
ばよい。特に高濃度の顔料配合を必要とする不透明白色
ポリマ組成物の場合は、重合時に添加する方法が顔料の
均一分散性の点で好ましい。
【0033】不透明白色ポリマ組成物と透明ポリマ組成
物とは、それぞれペレット化された後、通常の方法でも
って複合紡糸されて所望の複合構造を有する複合繊維と
される。
【0034】溶融複合紡糸するにあたっては、上述の2
種類のポリマ組成物を別々に溶融し、透明ポリマ組成物
が不透明白色ポリマ組成物によって3以上に分割される
複合構造とすることができる通常の複合紡糸口金孔(例
えば、特開昭55−80512号公報記載の複合紡糸口
金孔が用いられる)から紡出し、冷却、給油の後、必要
に応じて延伸する、あるいは高速紡糸するというような
通常の製糸方法で繊維化し、所望の繊維複合構造を有す
るフィラメント糸とすればよい。必要ならば得られたフ
ィラメント糸を細断し、巻縮を付与したステープル繊維
としてもよい。
【0035】得られたフィラメント糸やステープル繊維
等は、通常の方法で紡績、編成あるいは製繊して布帛と
する。そして、これら布帛は、通常は最後に、染色、仕
上加工されて製品布帛となる。
【0036】この染色は、衣料用やインテリア用等に通
常使われる染料によって通常の方法で行なえばよい。例
えば、白色布帛製品とする場合には、蛍光白色染料を用
いればよいし、また、着色布帛製品とする場合には任意
の有色染料を用いればよい。その染色処理は通常布帛段
階で行なわれるが、糸の段階等で行なってもよい。
【0037】このように本発明の繊維は染色した繊維製
品としも、染料固有の鮮明さの低下が小さく発色性が高
いものであり、しかも、極めて高い不透明性をも具備す
る染色繊維製品とできるのである。
【0038】
【作用】以上説明したように、本発明の複合繊維は、透
明ポリマ層が不透明白色ポリマ層によって3層以上に分
割されているという特定の複合構造であることによっ
て、高濃度の白色顔料を含有する不透明白色ポリマ層に
よる不透明効果及び熱遮蔽効果が十分に発揮され、しか
も、透明ポリマ層が繊維表面の50%以上を占めるとい
う特定の複合構造であることによって顔料添加による発
色性低下を十分に抑制することができる。この結果、不
透明性、熱遮蔽性及び発色性という相反する特性を具備
した繊維を得ることができたのである。
【0039】これに対し、芯鞘型複合繊維(図3(a)
)、2層分割型複合繊維(図3(b) )、外層不透明化
芯鞘型複合繊維(図4(a) 、(b) )のような本発明外の
複合繊維では、同程度の不透明性と熱遮蔽性とを得るに
多くの顔料配合が必要で、繊維特性の低下、染色時の発
色性の低下という弊害が生じる。
【0040】
【実施例】
[実施例1]ε−カプロラクタムに酸化チタンを25重
量%添加し、通常の方法で重合し、硫酸相対粘度が2.
40の不透明ナイロン組成物を得た。
【0041】この不透明ナイロン組成物に、酸化チタン
も他の顔料も全く添加してないブライトナイロン6を所
定量混合し、酸化チタン含有量が3重量%、6重量%、
12重量%に調整した不透明ナイロン組成物を得た。
【0042】これらの不透明ナイロン組成物と、酸化チ
タンを実質的に含まず他の顔料も含まないブライトナイ
ロン6とを、それぞれ別々に溶融し、特開昭55−80
512号公報記載の方法で6分割型複合紡糸口金を用い
て溶融複合紡糸し、通常の方法で延伸し、50デニール
17フィラメントの複合繊維糸を得た( No.1〜4)。
【0043】得られた複合繊維横断面における不透明ナ
イロン層と透明ナイロン層との複合比率は30/70で
あり、その複合構造は図1(b)のようであり、その光
通過透明層部分の割合(χ)は12%であった。
【0044】一方、比較として、3.4重量%の酸化チ
タンあるいは7.3重量%の酸化チタンを均一に含むナ
イロン6組成物、または、酸化チタンを実質的に含まず
他の顔料も含まないブライトナイロン6のそれぞれを、
通常の方法で単独紡糸し、同様に延伸して50デニール
17フィラメントの単独繊維糸を得た( No.5〜7)。
【0045】これら糸条のそれぞれを4本揃え、筒編地
を作成しこれについて酸性染料“サンドランファストブ
ルー”(サンド(株)製)で染色した。得られた布帛に
ついて、透け感を示すLt値及び発色性を示すLw値と
を測定した。
【0046】Lt値及びLw値は次の測定方法によっ
た。
【0047】即ち、サンプル布帛の裏側に黒いフェルト
を張りつけて白色光の反射率(Lb)を測定する。次い
で、黒いフェルトの代わりに標準白板を張りつけ同様な
条件で反射率(Lw)を測定する。両反射率の差(Lb
−Lw)を求めLt値とする。このLt値が小さいほど
布帛の透け感が少ない。
【0048】また、Lw値は染色した布帛の発色性の目
安となるものであり、このLw値が小さい程、チョーク
状艶消し色調がなく発色性が良好である。
【0049】さらにまた、これら糸条を、スチール製の
編針の上を、10gの荷重をかけて500m/min の速
度で60分間走らせ、その後の編針の磨耗の程度を相対
評価した。
【0050】得られたの結果を表1に示した。
【0051】
【表1】 本発明によって得られた布帛( No.2〜4)は、繊維全
体の酸化チタン含有量が比較的少ない場合でも透け感が
小さいし、しかも、染色した布は、チョーク状色調とな
ることが十分に抑えられて、発色性に優れていた。さら
に、糸条の針磨耗は、繊維内部に酸化チタンを均一配合
した単独糸( No.5、6)に比べて非常に軽減されてい
た。
【0052】これに対し、本発明と同じ断面形状でも不
透明白色ポリマ層中の酸化チタン含有量が少な過ぎる場
合( No.1)は、不透明化効果が小さく不適当であっ
た。
【0053】また、 No.4の複合繊維とポリウレタン弾
性繊維とを交編してシングルトリコットを編成し、通常
の蛍光白色染料で染色し、縫製して、白色水着とした。
得られた白色水着は、水に濡れても透けることがなくか
つ鮮明な白色であり、透け防止及び色調がともに優れた
白色水着であった。
【0054】[実施例2]実施例1と同様に酸化チタン
を20重量%添加し重合して不透明ナイロン6組成物を
得た。
【0055】この不透明ナイロン6組成物と、酸化チタ
ンも他の顔料も実質的に含まないブライトナイロン6と
を複合比率15:85で、実施例1と同様の方法で溶融
複合紡糸した。ただし、繊維横断面複合構造は、図1
(a) 、図3(a) 、図3(b) となるように複合紡糸口金を
変更した。
【0056】これら糸条について、実施例1と同様の方
法で透け感と発色性とを測定し、その結果を表2に示し
た。
【0057】
【表2】 不透明白色ポリマ層が繊維表面の50%以上を占める複
合繊維であっても、透明ポリマ層が不透明白色ポリマ層
によって3層以上に分割された複合構造である場合( N
o.8)は不透明性に優れるが、それ以外の芯鞘型( No.
9)や2層分割型( No.10)の場合は、不透明効果が
不十分であった。
【0058】さらに、 No.8、 No.9の複合繊維、及
び、同一繊度の市販セミダルナイロン6フィラメント糸
(酸化チタン含量3.0重量%)のそれぞれについて、
目付け95g/m2 、厚さ0.17mmの編地を編成し、
これを通常の白色蛍光染料で染色して白色布帛とした。
【0059】得られた白色布帛について熱遮蔽性を試験
した。
【0060】熱遮蔽性の試験法: 試料布帛を試料台の
上に横に広げて置き、その上部から300Wのレフレタ
ーランプの光を10分間照射した。その直後に、試料布
帛と試料台との間の温度を測定する。
【0061】その結果、本発明の No.8の布帛の場合は
50℃であったのに対し、 No.9の布帛の場合は53
℃、市販セミダルナイロン6糸の場合は58℃と高かっ
た。このように、本発明の繊維は熱遮蔽性においても優
れていた。
【0062】[実施例3]ポリエチレンテレフタレート
に酸化チタンを10重量%添加して不透明ポリエチレン
テレフタレート組成物を得た。
【0063】この不透明ポリエチレンテレフタレート
と、酸化チタンも他の顔料も実質的に含まないブライト
ポリエチレンテレフタレートとを複合比率40:60で
通常の方法により溶融紡糸し、繊維横断面形状が図2、
図4(a) 、図4(b) である75デニール24フィラメン
トのポリエステル繊維糸を得た。
【0064】これら糸条について、実施例1と同様の方
法で透け感と発色性とを測定し、その結果を表3に示し
た。
【0065】
【表3】 透明性ポリマ層が繊維表面の50%以上を占める No.1
1の場合は透け防止と発色性とを兼備できたが、その割
合が小さ過ぎた No.12、13の場合は発色性が劣って
いた。
【0066】
【発明の効果】本発明によると、染料による発色性の低
下を十分に抑制しつつ、不透明性と熱遮蔽性とを向上さ
せることができるので、不透明性、熱遮蔽性及び発色性
がともに優れた繊維を容易に得ることができる。
【0067】例えば、本発明の染色繊維による布帛製品
は、その布帛製品を着用したときの視覚的な被覆性が極
めて高く、その下の肌や着用衣服が透けて見えることが
大幅に防止される。これに加うるに、染色してもダル化
が抑制できるので、ファッション性に富む繊維製品の設
計が可能となる。
【0068】また、水濡れ時の不透明効果も高いので、
透けの点から従来は製造困難とされていた薄地の白色水
着の製造も可能となる。
【0069】さらに、工程通過時の装置摩耗性が小さ
く、強伸度特性にも優れた不透明性、熱遮蔽性繊維が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複合繊維における繊維複合構造を例
示する繊維横断面図である。
【図2】 本発明の複合繊維における繊維複合構造の他
の例を示す繊維横断面図であって、請求項3にいう光通
過透明層部分の割合の測定方法を説明する。
【図3】 本発明以外の繊維複合構造を例示する繊維横
断面図である。
【図4】 本発明以外の繊維複合構造の他の例を示す繊
維横断面図である。
【符号の説明】
1:不透明白色ポリマ層、 2:透明ポリマ層、 3a
〜3d:光通過透明層部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−65034(JP,A) 特開 昭57−154435(JP,A) 特公 昭46−844(JP,B1)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】白色顔料の含有量が6〜30重量%(対ポ
    リマ)である不透明白色ポリマ層と白色顔料の含有量が
    0〜2重量%(対ポリマ)である透明ポリマ層とからな
    る複合繊維であって、前記透明ポリマ層が前記不透明白
    色ポリマ層によって3層以上に分割されかつ前記透明ポ
    リマ層が繊維表面の50%以上を占める繊維横断面複合
    構造を有するとともに、繊維横断面積全体に対する光通
    過透明層部分の割合(χ)が50%以下の要件を満たす
    複合構造であることを特徴とする不透明性、熱遮蔽性及
    び発色性に優れた水着用複合繊維。
  2. 【請求項2】白色顔料の含有量が6〜30重量%(対ポ
    リマ)である不透明白色ポリマ層と白色顔料の含有量が
    0〜2重量%(対ポリマ)である透明ポリマ層とからな
    る複合繊維であって、前記透明ポリマ層が前記不透明白
    色ポリマ層によって3層以上に分割されかつ前記透明ポ
    リマ層が繊維表面の50%以上を占める繊維横断面複合
    構造を有するとともに、繊維横断面積全体に対する光通
    過透明層部分の割合(χ)が50%以下の要件を満たす
    複合構造であることを特徴とする不透明性、熱遮蔽性及
    び発色性に優れた下着用複合繊維。
  3. 【請求項3】前記不透明白色ポリマ層を構成するポリマ
    と前記透明ポリマ層を構成するポリマとが同一であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の不透明性、熱遮
    蔽性及び発色性に優れた複合繊維。
  4. 【請求項4】前記白色顔料が酸化チタンであることを特
    徴とする請求項1または2記載記載の不透明性、熱遮蔽
    性及び発色性に優れた複合繊維。
  5. 【請求項5】前記複合繊維が染色されていることを特徴
    とする請求項1または2記載の不透明性、熱遮蔽性及び
    発色性に優れた複合繊維。
JP4047302A 1992-03-04 1992-03-04 不透明.熱遮蔽性及び発色性に優れた水着用並びに下着用複合繊維 Expired - Fee Related JP2947662B2 (ja)

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