JPH0734328A - 金属様光沢を有するポリエステル系繊維 - Google Patents

金属様光沢を有するポリエステル系繊維

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JPH0734328A
JPH0734328A JP20012893A JP20012893A JPH0734328A JP H0734328 A JPH0734328 A JP H0734328A JP 20012893 A JP20012893 A JP 20012893A JP 20012893 A JP20012893 A JP 20012893A JP H0734328 A JPH0734328 A JP H0734328A
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JP
Japan
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polyester
sheath
fiber
core
metallic luster
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JP20012893A
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English (en)
Inventor
Hisashi Kuroda
久 黒田
Hideo Sakakura
秀夫 坂倉
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication of JPH0734328A publication Critical patent/JPH0734328A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属様の光沢と染色効果を有するポリエステ
ル系繊維を提供する。 【構成】 主たる繰返し単位がエチレンテレフタレート
であるポリエステルを鞘部に配し、該ポリエステルより
低屈折率の重合体を芯部に配する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属様光沢を有するポ
リエステル系繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は、多くの優れた特性
を有し広く用いられているが、染色加工された繊維品の
色艶に劣り、綿、絹、羊毛等の天然繊維、レーヨン、ア
セテート繊維等の半合成繊維に比べ、色の鮮明性、深み
に欠けるという欠点がある。染色特性に関するこれらの
欠点は、繊維の屈折率、表面形状、形態に起因するが、
その光学特性に極めて影響される。
【0003】ポリエステル繊維の光学特性として、ポリ
エステル繊維は、その屈折率が1.6〜1.7程度であ
り、他の繊維の屈曲率が1.45〜1.6程度であるの
に比べてかなり高く、またポリエステル繊維は、溶融紡
糸法により製造されることから、一般にその表面が極め
て滑らかであるため繊維表面での白色光の反射率が大き
い。また、繊維の断面形状を変化させて表面に平坦部を
形成させた場合は、鏡面反射特性を上げるが、発色性を
低下させる。
【0004】一方、ポリエステル繊維は、その商業的生
産において、一般に酸化チタン等の無機微粒子が添加さ
れているが、その艶消し効果により透明性を低下させ
る。この対策として、カオリン等ポリエステルと同等の
屈折率の無機微粒子の添加がポリエステル繊維の透明性
を改善することも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、繊維の透明
性、繊維表面の滑らかさによる光沢性を保持し、繊維構
造を光学特性的に異ならせることにより、金属様の光沢
と染色効果を有するポリエステル系繊維を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、主たる繰返し
単位がエチレンテレフタレートであるポリエステルを鞘
部に配し、該ポリエステルより低屈折率の重合体を芯部
に配したことを特徴とする金属様光沢を有するポリエス
テル系繊維にある。
【0007】本発明を明確にする上で、ポリエステル繊
維の光沢性及び染色性について次に説明する。
【0008】繊維に白色光が入射すると、光は繊維表面
で反射され正反射光、拡散反射光となり、屈折して繊維
内部に入った光は、更に内部で反射され内部反射光或い
は繊維を透過する透過光となる。このうち、内部反射光
と透過光は、繊維が着色されていると着色光となり、染
料に吸収されなかった可視光波長領域、即ち補色が人間
の目に見える。ここで、繊維が良好な金属様光沢を呈す
るためには、以下の2点が重要となる。 反射光(正反射光+内部反射光)の光量が多いこと。 反射光に色がついて見えること。
【0009】しかして、本発明のポリエステル系繊維
は、その鞘部にポリエステルを配したことより、その高
い屈折率と溶融紡糸法による繊維表面の滑らかさによっ
て、大きい正反射率を有していることから光沢性を示
す。また、本発明のポリエステル系繊維は、その芯部に
ポリエステルより低屈折率の重合体を配したことによ
り、芯鞘の界面で全反射が生じる。この全反射光(内部
反射光)は、繊維表面で屈折し、正反射光と区別なく放
出され反射光量を増加させ、より光沢性を増加する。更
に、この全反射光は、鞘部を往復通過する際、透過光内
に吸着されている染料によって着色されることから高い
発色性を示す。
【0010】本発明において、鞘部に配されるポリエス
テルは、主たる繰返し単位がエチレンテレフタレートで
あるポリエステルであり、15モル%以下の範囲で他の
ジカルボン酸或いはそのエステル形成性誘導体またはグ
リコール等の成分が共重合されていてもよい。かかる共
重合可能な成分として、イソフタール酸、5−ナトリウ
ムスルホイソフタール酸、アジピン酸、ヘキサヒドロテ
レフタール酸、ジ安息香酸、アゼライン酸、ジエチレン
グリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレ
ングリコール等が挙げられる。
【0011】鞘部に配されるポリエステルには、また、
ポリエステルとほぼ等しい屈折率を示すカオリンを添加
含有させることがポリエステルの透明性を確保する上で
好ましいことである。カオリンの添加量としては0.0
5〜1重量%が好ましい。
【0012】また、芯部に配される重合体は、鞘部に配
されるポリエステルより低屈折率を示すことが必要であ
る。芯部に配される重合体としては、ポリメチルメタク
リレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン
6、ナイロン12、ナイロン66、ポリカーボネートが
挙げられ、特にポリメチルメタクリレート、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、ナイロン6が好ましく用いられ
る。
【0013】本発明の繊維における芯鞘比(容積比)
は、芯/鞘=1/1〜1/10、好ましくは1/2〜1
/4であり、鞘部の比率が大きすぎるとポリエステルの
みの繊維と同じ光沢性しか示さず金属様光沢は得られ
ず、また小さすぎると繊維を形成する際の工程及びその
後の繊維としての各種加工工程での芯鞘構造の保持の安
定性を欠く。本発明の繊維の繊度は、繊維断面の直径、
即ち単繊維繊度を小さくする程光沢度が大となることか
ら、単繊維繊度で6デニール以下とすることが好まし
く、特に4デニール以下とすることが好ましい。
【0014】本発明の繊維の製造は、公知の溶融芯鞘複
合紡糸法、延伸熱処理法を用いることにより行われ、繊
維製造後は、仮撚加工、編織加工、染色加工等の任意の
加工が適用される。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中の鏡面光沢試験はJIS Z−87
41 方法3(60度鏡面光沢度)に拠り、金属光沢感
は目視に拠った。また、○は良好、△はやや良好、×は
不良を示す。
【0016】(実施例1)カオリンを0.1重量%添加
した相対粘度1.6、密度1.38g/cm3、融点2
56℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を鞘成
分に用い、メルトフローインデックス(MI)45、密
度0.92g/cm3、融点170℃のポリプロピレン
(PP)を芯成分に用い、芯鞘比(容積比)をPP/P
ET=1/4として290℃で丸断面形状に溶融芯鞘複
合紡糸し、234.2デニールの未延伸糸を得た。次い
で2段延伸機で延伸し、90デニール(d)/24フィ
ラメント(f)(単繊維繊度3.75d)の延伸糸を安
定性よく得た。得られた糸の評価結果を表1に示した。
【0017】更に、延伸糸を2段ヒーター付き仮撚加工
機で仮撚加工した。この加工でのヒーター温度はPET
100%の延伸糸の場合より低めの140℃としたが、
仮撚加工では糸切れもなく安定していた。この仮撚加工
糸を用い20G丸編機でスポーツ衣料として好適なモッ
クロディ組織に編成し、ポリエステル繊維に適用する通
常の染色加工を施したところ、金属様の光沢性及び風合
い良好な染色編地が得られた。
【0018】(実施例2)実施例1におけるPPに代え
芯成分としてMI20、密度0.96g/cm3、融点
130℃のポリエチレン(PE)を用い、芯鞘比(容積
比)をPE/PET=1/4として290℃で芯鞘複合
紡糸し、236dの未延伸糸を得た。その後実施例1と
同様にして90d/24fの延伸糸を安定性よく得た。
得られた糸の評価結果を表1に示した。
【0019】(実施例3)実施例1におけるPPに代え
芯成分として密度1.13g/cm3、融点225℃の
ナイロン6(Ny6)を用い、芯鞘比(容積比)をNy
6/PET=1/4として290℃で芯鞘複合紡糸し、
236dの未延伸糸を得た。その後実施例1と同様にし
て90d/24fの延伸糸を安定性よく得た。得られた
糸の評価結果を表1に示した。
【0020】(実施例4〜10)実施例1における芯鞘
比(容積比)及び繊度を表1に示すとおりに変更した以
外は、実施例1と同様にして延伸糸を安定性よく得た。
得られた糸の評価結果を表1に示した。
【0021】(実施11)実施例1における断面形状を
三角断面形状に変更した以外は、実施例1と同様にして
98d/24fの延伸糸を安定性よく得た。得られた糸
の評価結果を表1に示したが、目視に拠れば良好な金属
光沢感を示した。
【0022】(実施例12)実施例1におけるPPに代
え芯成分として固有粘度0.056、MI5.9のメチ
ルアクリレート5モル%共重合ポリメチルメタクリレー
ト(PMMA)を用い、芯鞘比(容積比)をPMMA/
PET=1/4として285℃で芯鞘複合紡糸し、95
dの未延伸糸を得た。その後実施例1と同様にして50
d/24fの延伸糸を得た。得られた糸の評価結果を表
1に示した。
【0023】(比較例1〜2)実施例1において鞘成分
としたPETを用い、290℃で丸断面形状及び三角断
面形状に通常の溶融紡糸し、218.1dの未延伸糸を
得た。その後実施例1と同様にして90d/24fの延
伸糸を得た。得られた糸の評価結果を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明による繊維は、繊維構造を鞘部と
芯部からなる芯鞘構造としたことにより、芯鞘界面での
光の反射と鞘部の光の透過により、金属光沢性を奏し、
鞘部のポリエステルのみよりなる繊維に比し1.5〜
1.7倍の光沢度を示し、染色されたときには、金属様
の光沢性と相まって優れた染色効果、いわゆるメタリッ
クカラー効果を奏するものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる繰返し単位がエチレンテレフタレ
    ートであるポリエステルを鞘部に配し、該ポリエステル
    より低屈折率の重合体を芯部に配したことを特徴とする
    金属様光沢を有するポリエステル系繊維。
  2. 【請求項2】 ポリエステルがカオリンを含有する請求
    項1記載の金属様光沢を有するポリエステル系繊維。
  3. 【請求項3】 芯鞘比(容積比)が芯/鞘=1/1〜1
    /10であり、単繊維繊度が4デニール以下である請求
    項1記載の金属様光沢を有するポリエステル系繊維。
  4. 【請求項4】 芯鞘比(容積比)が芯/鞘=1/2〜1
    /4である請求項3記載の金属様光沢を有するポリエス
    テル系繊維。
  5. 【請求項5】 低屈折率の重合体がポリメチルメタクリ
    レート、ポリプロピレン、ポリエチレン及びナイロン6
    の群から選ばれる重合体である請求項1記載の金属様光
    沢を有するポリエステル系繊維。
JP20012893A 1993-07-21 1993-07-21 金属様光沢を有するポリエステル系繊維 Pending JPH0734328A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000023034A (ko) * 1998-09-16 2000-04-25 추후제출 폴리에스테르 파이버들과 필라멘트들 및 그 제조방법
US6734366B2 (en) 1998-05-13 2004-05-11 The Furukawa Electric Co., Ltd. Overhead cable
JP2012193483A (ja) * 2011-03-18 2012-10-11 Daiwabo Holdings Co Ltd 芯鞘型複合繊維及びこれを用いた繊維構造物

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