JPWO2002044303A1 - 金属酸化物蛍光体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、組成制御性が良好であり、且つ略球形でほぼ均一な粒径を有し、輝度特性に優れた金属酸化物蛍光体の製造方法に関するものである。
背景技術
金属酸化物蛍光体を製造する方法として最も一般的に採用されているのは、蛍光体の原料として金属の炭酸塩や酸化物などの固体原料を所定の金属組成となるように混合し、これを焼成して複合酸化物を得る固相法である。しかしこの方法は、原料粉末を固相状態で混合することから、ミクロ的観点からすると明らかに不均一相であり、異相の生成による組成ズレが避けられない。また、得られる金属酸化物の粒子径が大きく且つ不揃いになることから、小粒径のものを得るには粉砕や分級などの後処理が不可欠となるため収率も低くなり、粒度調整も意外に難しい。
粒度調整を行なう方法としては、融剤(フラックス)を混合してから焼成する方法が一般的に採用されており、主に融剤の種類と添加量および焼成温度の選択により粒度調整が行われているが、この方法では、蛍光体の平均粒径は容易に調整し得るものの、粒度分布の制御は殆ど不可能に近い。また、融剤を使用することによって金属組成は必然的にズレが生じるので、原料成分の組成制御が煩雑となり、過剰な成分が異相となって析出する恐れも生じてくる。
ところで出発物質自体を均一なものとするには、原料からまず均一系の状態を経て合成することが有効となる。この様な方法としては、ゾル−ゲル法や共沈法に代表される化学的プロセスを重視した液相法が知られている。しかしこれら従来の液相法は、出発原料溶液が均一であったとしても、金属化合物の種類によっては加水分解速度や溶解度積などが異なるため、その後の加水分解や中和、あるいは沈殿生成などの過程で、微粒子状ではあっても系が不均一になるという本質的な傾向を避けて通ることはできない。
この様な問題を解決する方法として、水系において金属イオンとオキシカルボン酸またはポリアミノキレート剤等との間で金属錯体を形成し、これに架橋剤としてエチレングリコールの如きポリオールを加えてエステル重合することによりゲル状の錯体重合体を製造し、これを熱分解する方法も提案されている(米国特許第3,330,697号、特開平11−181419号公報)。しかしこれらの方法でも、エステル重合工程で金属錯体から金属が外れることによって偏析を生じる恐れがある。しかもこれを出発原料として使用するには、ゲルを焼成した後に焼成物を粉砕する工程が不可欠であり、得られる複合酸化物の粒度を一定にすることが困難であるばかりでなく、作業が煩雑で製造コストも高くつくという経済的理由も軽視できない。
上記方法以外にも様々の出発原料の合成法が提案されているが、いずれも操作が煩雑で製造コストが高くつくため、工業的規模での実用性を欠く。また、現在実用化されている金属酸化物系粉体の製法では、得られる粉体の形状や粒径などを所望に応じて任意に調整することは殆ど不可能である。
近年、金属キレート錯体からセラミックスを合成する方法が開発され、この方法は、金属組成のズレを抑える可能性が高いということで注目されている。しかしこの方法では、固相状態の各金属キレート錯体を分子レベルで均一に混合することのできる適切な方法が開発されておらず、金属キレート錯体を用いることの優位性が十分に生かされていない。
本発明はこの様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、金属酸化物蛍光体を製造するに当たり、出発原料として分子レベルで均一な混合組成を有し、粒子形状が略球形で且つ粒径の揃った原料粉末を使用することにより、単相の略球形で粒径の揃った輝度特性の良好な金属酸化物蛍光体を、従来法に比べて格段に低い温度で工業的に有利に製造することのできる方法を提供することにある。
発明の開示
上記課題を達成することのできた本発明に係る金属酸化物蛍光体の製造方法とは、金属酸化物蛍光体を製造するに当たり、該金属酸化物を構成する金属を均一組成で含む有機金属キレート錯体粉末を使用し、これを焼成するところに要旨を有している。
上記方法によって得られる金属酸化物系の蛍光体は、粒径の揃った略球形の粉末として得ることができる。そして、この方法を実施する際に使用される前記有機金属キレート錯体としては、金属もしくはその化合物と有機キレート形成剤もしくは金属キレート錯体を、金属酸化物換算で所定の金属組成となるように混合して澄明な有機金属キレート錯体水溶液を調製し、該水溶液を噴霧乾燥する方法によって得たものを使用するのが好ましい。この際に使用する前記有機キレート形成剤として特に好ましいのは、アミノカルボン酸系のキレート剤である。
本発明を実施するに当たり、上記アミノカルボン酸系キレート剤としてジエチレントリアミン五酢酸を使用すると、これを用いて得られる有機金属キレート錯体粉末を焼成した時の体積収縮量を大きくすることができ、それによりより微細な金属酸化物蛍光体粒子を得ることができるので好ましい。
発明を実施するための最良の形態
まず本発明で対象となる金属酸化物蛍光体とは、例えば赤色蛍光体となるY2O3:Eu3+,Y2O2S:Eu3+,YVO4:Eu3+,(Y,Gd)BO3:Eu3+,MgSiO3:Mn,InBO4:Eu3+,SrTiO3:Prなど、青色蛍光体となるBaMgAl14O23:Eu2+,CaAl2O4:Eu2+,Sr2P2O7:Eu2+,BaSO4:Eu2+,Y2SiO5:Ce3+,Ca2B5O9Cl:Eu2+,ZnGa2O4など;緑色蛍光体となるZnSiO4:Mn,BaAl12O19:Mn(Ba,Sr,Mg)O・6Al2O3:Mn,SrAl2O4:Eu2+,LaPO4:(Ce3+,Tb3+)など;更にはZn(Ga,Al)2O4:Mn,Y3(Al,Ga)5O12,Y2SiO5:Tbなどが例示される。
本発明では、上記組成の金属酸化物蛍光体を製造する際に、原料として均一混合組成の有機金属キレート錯体粉末を使用するところに要旨を有している。ここで使用される均一混合組成の有機金属キレート錯体とは、金属成分が分子レベルで均一に混合された有機金属キレート錯体を意味しており、このキレート錯体は、金属または金属化合物と有機キレート形成剤を、目的とする金属酸化物の金属換算で所定の含有組成となる様に混合して澄明な有機金属キレート錯体水溶液を調製した後、該水溶液を噴霧乾燥することによって得ることができる。上記有機キレート形成剤としては、200℃以下の温度で熱分解しないアミノカルボン酸系キレート剤が特に好ましく使用される。
そして上記キレート錯体、特に多元系の金属キレート錯体水溶液を調製するに当たっては、全ての金属が完全に錯塩を形成する様に、各金属に対し当量以上のキレート剤を混合して澄明な水溶液とする。この時、水溶液中で金属キレート錯体の金属イオンが空気酸化などを受けて金属酸化物に変化したり、高価数の金属イオンに変化し易い金属を使用する場合は、金属キレート錯体の水溶液中での安定性を更に向上させるため、上記有機金属キレート錯体水溶液に還元剤および/または酸化防止剤を添加して金属イオンの酸化を防止することが望ましい。例えば、金属としてチタンを含む場合には、還元剤を加えることによってチタン(III)の安定化を図ることが有効である。
本発明で使用する上記均一混合組成の有機金属キレート錯体粉末は、アモルファス状であって分子レベルで均一な組成を有しており、外観は略球形である。しかも後記実施例でも明らかにする如く、従来の金属酸化物蛍光体の製法に比べて格段に低い温度で焼成することができ、それにより略球形で粒子径の揃ったものを容易に得ることができる。
本発明は上記の様に構成されるが、要するに、分子レベルで均一に混合された有機金属キレート錯体を含む粉末を金属酸化物蛍光体粉末の合成原料とする方法であり、この様なアモルファスなキレート錯体を含む粉末は、前述した従来の複合酸化物の製法に比べて相対的に低い温度(従来例よりも例えば100〜250℃程度低い温度)で焼成することにより金属酸化物に変えることができる。しかも得られる粉末は、分子レベルで均一に混合された有機金属キレート錯体粉末の使用に由来して、略球形で粒径の揃った極めて高度に組成制御されたものとなる。
本発明で原料として使用する上記分子レベルで均一に混合された有機金属キレート錯体は、後記第1図のX線解析チャートにも示す如く入射X線の散乱によるハロー図形を示し、結晶構造的に非晶質のものである。即ち上記金属キレート錯体を、均一相である液相から噴霧乾燥法などによって瞬時に乾燥すると、均一相を保ったままで固相となり、多元素系有機金属キレート錯体であっても各錯体が分子レベルで均一に混合されたものとなり、結晶の形態をとらないまま各分子が凝集した非晶質のものとなる。ミクロ的には、構造内に残存している規則性に差異がみられるのが一般的であるが、前述した様な従来技術に比較するとその規則性は極めて小さく、結晶質の錯体とは明確に差別化できる。
またこの有機金属キレート錯体粉末は、第2図に例示する如く略球形で粒径が揃っているため、これを焼成すると、焼成前の形状を保った状態の金属酸化物蛍光体を得ることができる。従って、噴霧乾燥時の粉末化条件をコントロールしてアモルファス粉末の形状や粒径を調整したり、用いる有機キレート形成剤を使い分けることで、得られる金属酸化物蛍光体の粒子形状や粒径、粒度分布を任意に調整することが可能となる。特に、有機キレート形成剤としてジエチレントリアミン五酢酸を使用すると、有機金属キレート錯体粉末を焼成する際の体積収縮を大きくすることができ、それにより微細な蛍光体粉末が得られ易くなるので好ましい。
また、該アモルファス粉体から作製した金属酸化物蛍光体は、上記のように略球形で方向性を有していないので、例えばブラウン管(CRT)やプラズマディスプレイ(PD)、電界放射型ディスプレイ(FED)、蛍光表示管、蛍光ランプなどに用いられる金属酸化物蛍光体の製造に極めて有用である。
次に、上記分子レベルで均一な混合組成を有するアモルファスな有機金属キレート錯体粉末の製法について詳細に説明する。
該キレート錯体粉末の製造に当たっては、まず、目的とする金属酸化物に換算して所定の金属組成となる様に金属または金属化合物を秤量し、これを有機キレート形成剤と反応させて澄明な有機金属キレート錯体水溶液を調製する。この反応は、水性媒体中で、温度20℃〜沸点、好ましくは50〜70℃の範囲で行われる。水溶液濃度は、固形分で好ましくは1〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%に調整する。
有機キレート形成剤の使用量は、全金属イオンに対して過剰量であれば特に制限されないが、好ましくは1.0〜1.5倍モルの範囲が望ましい。金属キレート錯体または有機キレート形成剤が完全に溶解しない場合には、アンモニアやアミン等を加えて完全溶解させる。
ところで、機能性金属酸化物を製造する際に一番問題となるのは不純金属成分の混入である。殊に、有機金属キレート錯体の中でもナトリウム塩やカリウム塩などは、熱分解後も蛍光体内に残留して組成を狂わせる要因になるので、金属酸化物蛍光体内に積極的に取り込む場合を除いて使用は極力避けるべきである。また塩素や硫黄、リン等を含む無機酸や無機酸塩(塩酸、硫酸、リン酸、またはこれらの塩など)および有機物(チオール化合物など)も、金属酸化物蛍光体組成内に塩素やリン、硫黄、ホウ素、珪素などの非金属成分を積極的に含有させる場合を除けば、同様の理由で使用すべきではない。しかし、これら以外(即ち、塩素、硫黄、リン等を含有しない有機物、硝酸、硝酸塩、アンモニアなど)であれば、それらは熱分解乃至焼成工程で全て分解されるので、必要によっては適量加えても構わない。しかし大量に加えると、加えた有機物に含まれる不純物によって汚染されることもあるので、必要最小限に止めるべきである。
本発明で使用される好ましい有機キレート形成剤としては、エチレンジアミン四酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、ジアミノプロパノール四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン二プロピオン酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヘキサメチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンジ(o−ヒドロキシフェニル)酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、エチレンジアミン二こはく酸、1,3−ジアミノプロパン二こはく酸、グルタミン酸−N,N−二酢酸、アスパラギン酸−N,N−二酢酸、等の如き水溶性のアミノカルボン酸系キレート剤を挙げることがき、これらのモノマーやオリゴマー或いはポリマーのいずれも使用可能である。
その他の有機キレート形成剤としてはグルコン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などのヒドロキシカルボン酸等が挙げられるが、本発明においてはアミノカルボン酸キレート剤が最適である。
但し、アミノカルボン酸キレート剤を使用する場合でも、遊離酸タイプやアンモニウム塩またはアミン塩を使用し、各金属とのキレート生成定数や、キレート錯体の安定性、更にはキレート錯体の水またはアルカリ水溶液中への溶解性などを考慮して、使用する各金属または金属化合物毎に適切なものを適宜選択することが望ましい。また、キレート剤の選択によっては、焼成時の体積収縮量を大きくすることも可能であり、例えばジエチレントリアミン五酢酸を使用すると、焼成時の体積収縮量が増大し、より微細な金属酸化物蛍光体粉末を得ることができるので好ましい。
一方、本発明で使用する金属としては、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、酸化物など、様々の形態のものを使用できるが、特に好ましいのは、反応性や反応後に余分なイオン等が残らない炭酸塩や水酸化物、酸化物である。なお、金属酸化物蛍光体の組成系に、例えば塩素、リン、硫黄、ホウ素、珪素などの非金属元素が含まれる場合、塩化物や硫酸塩、燐酸塩、ほう酸塩、珪酸塩などの併用も勿論可能である。
なお、クロムの如く金属としての反応性が乏しい場合や、あるいは例えばチタンの如く炭酸塩、硝酸塩、水酸化物の形態をとらず、且つ酸化物が非常に安定な金属を用いる場合は、塩化物や硫酸塩を用いてまず有機キレート錯体溶液を製造し、晶析などにより高純度の有機キレート錯体結晶を予め作製しておき、これを原料として使用することが望ましい。
また、オキソ酸等として安定な金属元素、例えばケイ素、モリブデン、タングステン等は、有機金属キレート錯体として得ることが困難なこともあるが、これらの元素については、オキソ酸の如き水系溶媒(酸性およびアルカリ性を含む)に可溶な無機金属化合物形態で前記有機金属キレート錯体と併用することにより、前記工程(1)の粉末を製造すればよい。この場合、上記無機金属化合物を併用する際の配合法としては、金属酸化物蛍光体の目標金属組成に応じて、有機金属キレート錯体を形成する前の原料段階で前記無機金属化合物を配合しておいてもよいし、或いは有機金属キレート錯体の形成後に適量の前記無機金属化合物を配合してもよい。併用されることのある上記無機金属化合物は、共存する前記有機金属キレート錯体との均一な混合状態から噴霧乾燥などによって乾燥することにより、均一なアモルファス状の粉末として得ることができる。
また金属の種類によっては、水溶液中で金属キレート錯体を形成していても、金属イオンの空気との接触またはその他の酸化還元作用により酸化を受けて水溶液中で不安定な相になることがある。この様な現象を未然に防止するため、処理系に還元剤や酸化防止剤を加えて金属の酸化防止を図ると共に金属イオンを安定化した後、他の金属イオンが錯塩を形成する様に各金属または金属化合物とキレート形成剤との量を当量に合わせてから完全に澄明な水溶液とし、有機金属キレート錯体水溶液を作製することが望ましい。こうした手段を採用するときに用いる還元剤(または酸化防止剤)としては、例えばアスコルビン酸、イソアスコルビン酸、シュウ酸、ヒドラジン等を挙げることができる。
上記の様にして調製された有機金属キレート錯体水溶液は、次いで噴霧乾燥することによって粉体化される。噴霧乾燥時の運転条件は、溶液の濃度や溶液処理速度、噴霧気体量、熱風量などによって適宜に調整すればよいが、乾燥温度としては、有機物が分解しない温度を上限とし、また十分に乾燥可能な温度を下限とする。こうした観点から、好ましい乾燥温度は100〜200℃、より好ましくは140〜180℃の範囲である。また、こうした乾燥温度を考慮すると、本発明で好ましく使用される前記アミノカルボン酸系キレート剤としては、少なくとも200℃以下の温度では熱分解しないものを選択することが望まれる。
噴霧乾燥により得られたアモルファス粉末は、そのまま焼成することにより単相の金属酸化物蛍光体粉末となる。この粉末は高反応性であり、焼成温度は金属酸化物の種類にもよるが、例えば500〜800℃程度の比較的低い温度で焼成できる。尚、焼成雰囲気は必ずしも空気中である必要はなく、所望により中性雰囲気や還元性雰囲気中で焼成を行なっても構わない。
かくして得られる単相の金属酸化物蛍光体粉末は、粒径の揃った略球形で方向性を有していない。従って、例えばボールミル等の如き機械的粉砕法(ブレークダウン法)により粉砕して粉体特性を調整するといった処理を要することなく、蛍光体原料として好適な粒径の揃った球形粒子として得ることができる。
上記の様に本発明によれば、金属酸化物蛍光体合成用の出発原料として、分子レベルで均一に混合された有機金属キレート錯体を含む粉末を焼成することにより、略球形で粒径制御された金属酸化物蛍光体粉末を比較的低い焼成温度で容易に得ることができ、しかも得られる蛍光体粉末は、原料として使用される分子レベルで均一に混合された有機金属キレート錯体粉末の性状に由来して極めて高度に組成制御されたものとなり、卓越した輝度特性を有する複合酸化物蛍光体粉末を提供し得ることになった。
実施例
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例1
2リットルのビーカーにエチレンジアミン四酢酸166.35g(0.57mol)と水を加えて総量700gとした後、アンモニア水75gを加えて溶解させた。これを攪拌しながら加熱し、液温60℃で攪拌しながら炭酸イットリウム三水和物(イットリウム含量:43.0%)115.44g(イットリウム:0.57×0.98mol)と酸化ユウロピウム(ユウロピウム含量:85.3%)2.03g(ユウロピウム:0.57×0.02mol)を、吹きこぼれない様に順次ゆっくりと投入した。その後100℃で3時間攪拌を続けると、pH5.0となって完全溶解した。これに水を加えて総量1500gにすると、金属モル比がY:Eu=0.98:0.02である無色澄明の有機キレート錯体溶液が得られた。この溶液を噴霧乾燥法により乾燥温度160℃で粉末化すると、混合金属錯体粉末(Y2O3:Eu)137gが得られた。
第1図は、該粉末のX線回折チャートを示しており、入射X線の散乱によるハロー図形を示し、結晶構造的にもアモルファス(非晶質)のものであることが分かる。また第2図は該粉末のSEM写真であり、粒径の揃った略球形を呈していることが分かる。
この錯体粉末を大気開放型電気炉により450℃および600℃で8時間仮焼すると、赤色酸化物蛍光体である(Y2O3:Eu)の粉末が得られた。
比較例1
原料混合物中の金属組成比が実施例1と同様となる様にY2O3およびEu2O3の酸化物粉末を秤量し、乳鉢で十分に混合した後アルミナ坩堝に詰め、大気開放型電気炉により450℃および600℃で8時間焼成し、(Y2O3:Eu)の粉末を得た。
評価試験1
実施例1の600℃焼成により得た酸化物をSEM観察した結果、第3図に示す通りややへこんだ球形ではあるが、錯体粉末の形状をほぼ承継していることが確認された。また第4図に示すX線回折チャートから、焼成温度450℃で既にY2O3のピークが確認され、(Y2O3:Eu)の固溶体が形成されていることが分かる。また、遠心分離式粒度分布測定装置(島津製作所社製「Shimadzu SA−CP3」)によって測定した600℃焼成物の粒度分布は第5図に示す通りであり、平均粒径4.4μm近傍に粒径が分布し粒径の揃ったものであることを確認できる。
一方、比較例1の600℃焼成によって得た酸化物粉末は、数mmの凝集体であった。また第4図に示すX線回折チャートから、焼成温度450℃ではY2O3のピークは痕跡程度であり、この温度では(Y2O3:Eu)の固溶体は不完全であることが分かる。
実施例1および比較例1の600℃焼成によって得た各(Y2O3:Eu)蛍光体に、励起波長254nmの紫外線を照射したときの発光輝度を測定したところ、実施例1は比較例1に対して1.26倍の輝度を有していることが確認された。
実施例2
1リットルのビーカーにエチレンジアミン四酢酸21.58g(0.074mol)と水を加えて総量500gとした後、アンモニア水10gを加えて溶解させた。これを攪拌しながら加熱し、液温60℃で攪拌しながら炭酸バリウム(バリウム含量:69.1%)6.44g(バリウム:0.033mol)と水酸化マグネシウム(マグネシウム含量:41.1%)2.14g(マグネシウム:0.036mol)、酸化ユウロピウム(ユウロピウム含量:85.3%)0.645g(ユウロピウム:0.0036mol)を吹きこぼれない様に順次ゆっくりと投入した。その後80℃で1時間攪拌を続けた後、アンモニア水6gを加えて完全溶解した。この溶液にエチレンジアミン四酢酸アルミニウム−アンモニウム塩(アルミニウム含量:7.1%)137.66g(アルミニウム:0.36mol)を添加すると、pH6.7となって完全に溶解する。この溶液に更に水を加えて総量1000gとすると、金属モル比が(Ba+Eu):Mg:Al=1:1:10、Ba:Eu=0.9:0.1である無色澄明の有機キレート錯体溶液が得られた。この溶液を噴霧乾燥法により乾燥温度160℃で粉末化すると、混合金属錯体粉末(BaMgAl10O17:Eu)89gが得られた。
この粉末のX線回折チャートによると、実施例1と同様に入射X線の散乱によるハロー図形を示し、結晶構造的にもアモルファス(非晶質)のものであることが確認された。また、SEM観察から、粒径の揃った略球形を呈していることが確認された。この錯体粉末を、大気開放型電気炉により450℃で8時間焼成した後、H2/N2還元雰囲気下に600℃で8時間焼成すると、青色酸化物蛍光体であるBaMgAl10O17:Euの粉末が得られた。
比較例2
原料混合物中の金属組成比が実施例2と同様となる様にBaCO3およびMg(OH)2、Al2O3、Eu2O3の粉末をそれぞれ秤量し、乳鉢で十分に混合した後アルミナ坩堝に詰め、大気開放型電気炉により450℃で8時間焼成した後、H2/N2還元雰囲気下に600℃で8時間焼成し、BaMgAl10O17:Euの粉末を得た。
比較例3
原料混合物中の金属組成比が実施例2と同様となる様にBaCO3およびMg(OH)2、Al2O3、Eu2O3の粉末をそれぞれ秤量し、これに弗化アルミニウムをフラックスとして添加して乳鉢で十分に混合した後アルミナ坩堝に詰め、H2/N2還元雰囲気下に1600℃で8時間焼成し、BaMgAl10O17:Euの粉末を得た。
評価試験2
実施例2の600℃焼成により得た酸化物をSEM観察した結果、ややへこんだ球形であり、金属キレート錯体粉末の形状をほぼ承継していることが確認された。またX線回折チャートから、焼成温度450℃で既にBaMgAl10O17のピークが確認され、BaMgAl10O17:Euの固溶体が形成されていることが確認された。また、600℃焼成によって得た酸化物粉末の粒径分布は、平均粒径5.48μm近傍に粒径が分布し、粒径の揃ったものであることが確認された。
一方、比較例2の600℃焼成によって得た酸化物は、数mmの凝集体であった。またX線回折チャートから、焼成温度450℃、600℃共にBaMgAl10O17のピークは見られず、比較例2の様な固相法では、焼成温度600℃ではBaMgAl10O17:Euの固溶体どころか母体の形成すら不可能であることが確認された。
また、実施例2の600℃焼成によって得た酸化物蛍光体粉末と、比較例3のBaMgAl10O17:Eu蛍光体に励起波長254nmの紫外線を照射したときの発光輝度を測定したところ、実施例2は比較例3に対して1.28倍の輝度を有していることが確認された。
実施例3
1リットルのビーカーにエチレンジアミン四酢酸10.02g(0.034mol)と水を加えて総量500gとした後、アンモニア水5gを加えて溶解させた。これを攪拌しながら加熱し、液温60℃で攪拌しながら炭酸バリウム(バリウム含量:69.1%)6.35g(バリウム:0.032mol)と炭酸マンガン(マンガン含量:43.5%)0.213g(マンガン:0.0017molを吹きこぼれない様に順次ゆっくりと投入した。その後80℃で1時間攪拌を続けた後、アンモニア水4gを加えて完全溶解した。この溶液にエチレンジアミン四酢酸アルミニウム−アンモニウム塩(アルミニウム含量:7.1%)153.43g(アルミニウム:0.404mol)を添加すると、pH6.5となって完全に溶解し、更に水を加えて総量1000gとすると、金属モル比が(Ba+Mn):Al=1:12、Ba:Mn=0.95:0.05である無色澄明の有機キレート錯体溶液が得られた。この溶液を噴霧乾燥法により乾燥温度160℃で粉末化すると、混合金属錯体粉末(BaAl12O19:Mn)83gが得られた。
この粉末のX線回折測定の結果、実施例1と同様に入射X線の散乱によるハロー図形を示し、結晶構造的にもアモルファス(非晶質)のものであることが確認された。また、SEM観察から、粒径の揃った略球形を呈していることが確認された。この錯体粉末を、大気開放型電気炉により450℃および600℃で8時間焼成すると、緑色酸化物蛍光体であるBaAl12O19:Mnの粉末が得られた。
比較例4
原料混合物中の金属組成比が実施例3と同様となる様にBaCO3およびAl2O3、MnCO3の粉末をそれぞれ秤量し、乳鉢で十分に混合した後アルミナ坩堝に詰め、大気開放型電気炉により450℃および600℃で8時間焼成し、BaAl12O19:Mnの粉末を得た。
比較例5
原料混合物中の金属組成比が実施例3と同様となる様にBaCO3およびAl2O3、MnCO3の粉末をそれぞれ秤量し、これに弗化アルミニウムをフラックスとして添加して乳鉢で十分に混合した後アルミナ坩堝に詰め、大気雰囲気下に1600℃で8時間焼成することにより、BaAl12O19:Mnの粉末を得た。
評価試験3
実施例3の600℃焼成により得た酸化物をSEM観察した結果、ややへこんだ球形であり、金属キレート錯体粉末の形状をほぼ継承していることが確認された。またX線回折チャートから、焼成温度450℃で既にBaAl12O19のピークが確認され、BaAl12O19:Mnの固溶体が形成されていることが確認された。また、600℃焼成における粒径分布は、平均粒径5.5μm近傍に粒径が分布し、粒径が揃っていることが確認された。
一方、比較例4の600℃焼成によって得られた酸化物は、数mmの凝集体であった。またX線回折チャートから、焼成温度450℃、600℃共にBaAl12O19のピークは見られず、比較例4の様な固相法では、焼成温度600℃ではBaAl12O19:Mnの固溶体どころか母体の形成すら不可能であることが確認された。
また、実施例3および比較例5によって得たBaAl12O19:Mnの蛍光体に励起波長254nmの紫外線を照射したときの発光輝度を測定したところ、実施例3は比較例5に対して1.18倍の輝度を有していることが確認された。
実施例4
1リットルのビーカーにジエチレントリアミン五酢酸114.91g(0.29mol)と水を加えて総量700gとした後、アンモニア水40gを加えて溶解させた。これを攪拌しながら加熱し、液温60℃で攪拌しながら炭酸イットリウム三水和物(イットリウム含量:43.0%)57.44g(イットリウム:0.29×0.95mol)と酸化ユウロピウム(ユウロピウム含量:85.3%)2.61g(ユウロピウム:0.29×0.05mol)を吹きこぼれない様に順次ゆっくりと投入した。その後100℃で3時間攪拌を続けると、pH6.0となって完全に溶解した。
この溶液に水を加えて総量1000gにすると、金属モル比がY:Eu=0.95:0.05である無色透明の有機キレート錯体溶液が得られた。この溶液を噴霧乾燥法により乾燥温度160℃で粉末化すると、混合金属錯体粉末(Y2O3:Eu)71gが得られた。
第6図は該粉末のSEM写真であり、粒径の揃った略球形を呈していることが分る。この錯体粉末を大気開放型電気炉により1000℃で0.5時間仮焼すると、赤色酸化物蛍光体である(Y2O3:Eu)の粉末が得られた。
実施例5
1リットルのビーカーにエチレンジアミン四酢酸110.9g(0.38mol)と水を加えて総量700gとした後、アンモニア水38gを加えて溶解させた。これを攪拌しながら加熱し、液温60℃で攪拌しながら炭酸イットリウム三水和物(イットリウム含量:43.0%)74.6g(イットリウム:0.38×0.95mol)と酸化ユウロピウム(ユウロピウム含量:85.3%)3.38g(ユウロピウム:0.38×0.05mol)を吹きこぼれない様に順次ゆっくりと投入した。その後100℃で3時間攪拌を続けると、pH5.0となって完全に溶解した。
この溶液に水を加えて総量1000gにすると、金属モル比がY:Eu=0.95:0.05である無色透明の有機キレート錯体溶液が得られた。この溶液を噴霧乾燥法により乾燥温度160℃で粉末化すると、混合金属錯体粉末(Y2O3:Eu)84gが得られた。
第7図は該粉末のSEM写真であり、粒径の揃った略球形を呈していることが分る。この錯体粉末を大気開放型電気炉により1000℃で0.5時間仮焼すると、赤色酸化物蛍光体である(Y2O3:Eu)の粉末が得られた。
評価試験4
実施例4,5で得た各混合金属錯体のSEM写真からも明らかなように、焼成前の粒径はほぼ同程度である。また、実施例4,5で得た各酸化物のX線回折チャートは第8図に示す通りであり、双方ともY2O3:Eu固溶体であることが確認された。
また、各酸化物粉末のSEM写真は第9図(実施例4)および第10図(実施例5)に示す通りであり、双方ともややへこんだ球形であり、各錯体粉末の形状を継承しているが、粒径は実施例4の方が小さい。
また、遠心分離式粒度分布測定装置によって測定した各酸化物粉末の粒径分布は第11図に示す通りであり、実施例5で得た粉末の平均粒径は6.0μmであるのに対し、実施例4で得た粉末の平均粒径は3.9μmであり、実施例4で得たものの方が小さいことを確認できる。
産業上の利用可能性
本発明は以上の様に構成されており、原料として分子レベルで均一な混合組成を有し、粒子形状が略球形で且つ粒径の揃った粉末を使用することにより、均一組成の略球形で粒径の揃った輝度特性の良好な酸化物蛍光体を提供し得ることになった。しかも本発明によれば、従来法に比べて低い焼結温度で単相かつ高密度の酸化物系蛍光体を効率よく製造できる。そして本発明に係る酸化物系蛍光体は、原料として使用される有機金属キレート錯体粉末の性状に由来して極めて高度に組成制御されたものとなり、卓越した輝度特性を有すると共に、略球形で方向性を有していないので、例えばブラウン管(CRT)やプラズマディスプレイ(PD)、電界放射型ディスプレイ(FED)、蛍光表示管、蛍光ランプなどに用いられる金属酸化物系蛍光体として優れた性能を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で焼結原料の作製に用いたアモルファス状有機金属キレート錯体粉末のX線回折チャートである。
第2図は、実施例1で焼結原料の作製に用いたアモルファス状有機金属キレート錯体粉末のSEM写真である。
第3図は、実施例1で得た酸化物系蛍光体のSEM写真である。
第4図は、実施例1および比較例1で得た酸化物系蛍光体のX線回折チャートである。
第5図は、実施例1で得た酸化物系蛍光体粉末の粒度分布を示す図である。
第6図は、実施例4で焼結原料の作製に用いた有機金属キレート錯体粉末のSEM写真である。
第7図は、実施例5で焼結原料の作製に用いた有機金属キレート錯体粉末のSEM写真である。
第8図は、実施例4,5で得た酸化物蛍光体粉末のX線回折チャートである。
第9図は、実施例4で得た酸化物蛍光体粉末のSEM写真である。
第10図は、実施例5で得た酸化物蛍光体粉末のSEM写真である。
第11図は、実施例4,5で得た酸化物蛍光体粉末の粒径分布を示す図である。
業的規模での実用性を欠く。また、現在実用化されている金属酸化物系粉体の製法では、得られる粉体の形状や粒径などを所望に応じて任意に調整することは殆ど不可能である。
近年、金属キレート錯体からセラミックスを合成する方法が開発され、この方法は、金属組成のズレを抑える可能性が高いということで注目されている。しかしこの方法では、固相状態の各金属キレート錯体を分子レベルで均一に混合することのできる適切な方法が開発されておらず、金属キレート錯体を用いることの優位性が十分に生かされていない。
本発明はこの様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、金属酸化物蛍光体を製造するに当たり、出発原料として分子レベルで均一な混合組成を有し、粒子形状が略球形で且つ粒径の揃った原料粉末を使用することにより、単相の略球形で粒径の揃った輝度特性の良好な金属酸化物蛍光体を、従来法に比べて格段に低い温度で工業的に有利に製造することのできる方法を提供することにある。
発明の開示
上記課題を達成することのできた本発明に係る金属酸化物蛍光体の製造方法とは、金属酸化物蛍光体を製造するに当たり、該金属酸化物を構成する金属を均一組成で含む有機金属キレート錯体粉末を使用し、これを焼成するところに要旨を有している。
上記方法によって得られる金属酸化物系の蛍光体は、粒径の揃った略球形の粉末として得ることができる。そして、この方法を実施する際に使用される前記有機金属キレート錯体としては、金属もしくはその化合物とアミノカルボン酸系キ
レート形成剤もしくはそれらの金属キレート錯体を、金属酸化物換算で所定の金属組成となるように混合して澄明な有機金属キレート錯体水溶液を調製し、該水溶液を噴霧乾燥する方法によって得たものを使用する。
本発明を実施するに当たり、上記アミノカルボン酸系キレート剤としてジエチレントリアミン五酢酸を使用すると、これを用いて得られる有機金属キレート錯体粉末を焼成した時の体積収縮量を大きくすることができ、それによりより微細な金属酸化物蛍光体粒子を得ることができるので好ましい。
図面の簡単な説明
第1図は、実施例1で焼結原料の作製に用いたアモルファス状有機金属キレート錯体粉末のX線回折チャートである。
第2図は、実施例1で焼結原料の作製に用いたアモルファス状有機金属キレート錯体粉末のSEM写真である。
第3図は、実施例1で得た酸化物系蛍光体のSEM写真である。
第4図は、実施例1および比較例1で得た酸化物系蛍光体のX線回折チャートである。
第5図は、実施例1で得た酸化物系蛍光体粉末の粒度分布を示す図である。
第6図は、実施例4で焼結原料の作製に用いた有機金属キレート錯体粉末のSEM写真である。
第7図は、実施例5で焼結原料の作製に用いた有機金属キ
するところに要旨を有している。ここで使用される均一混合組成の有機金属キレート錯体とは、金属成分が分子レベルで均一に混合された有機金属キレート錯体を意味しており、このキレート錯体は、金属または金属化合物とアミノカルボン酸系キレート形成剤を、目的とする金属酸化物の金属換算で所定の含有組成となる様に混合して澄明な有機金属キレート錯体水溶液を調製した後、該水溶液を噴霧乾燥することによって得ることができる。上記アミノカルボン酸系キレート形成剤としては、200℃以下の温度で熱分解しないアミノカルボン酸系キレート剤が特に好ましく使用される。
そして上記キレート錯体、特に多元系の金属キレート錯体水溶液を調製するに当たっては、全ての金属が完全に錯塩を形成する様に、各金属に対し当量以上のキレート剤を混合して澄明な水溶液とする。この時、水溶液中で金属キレート錯体の金属イオンが空気酸化などを受けて金属酸化物に変化したり、高価数の金属イオンに変化し易い金属を使用する場合は、金属キレート錯体の水溶液中での安定性を更に向上させるため、上記有機金属キレート錯体水溶液に還元剤および/または酸化防止剤を添加して金属イオンの酸化を防止することが望ましい。例えば、金属としてチタンを含む場合には、還元剤を加えることによってチタン(III)の安定化を図ることが有効である。
本発明で使用する上記均一混合組成の有機金属キレート錯体粉末は、アモルファス状であって分子レベルで均一な組成を有しており、外観は略球形である。しかも後記実施例でも明らかにする如く、従来の金属酸化物蛍光体の製法に比べて格段に低い温度で焼成することができ、それにより略球形で
粒子径の揃ったものを容易に得ることができる。
本発明は上記の様に構成されるが、要するに、分子レベルで均一に混合された有機金属キレート錯体を含む粉末を金属酸化物蛍光体粉末の合成原料とする方法であり、この様なアモルファスなキレート錯体を含む粉末は、前述した従来の複合酸化物の製法に比べて相対的に低い温度(従来例よりも例えば100〜250℃程度低い温度)で焼成することにより、金属酸化物に変えることができる。しかも得られる粉末は、分子レベルで均一に混合された有機金属キレート錯体粉末の使用に由来して、略球形で粒径の揃った極めて高度に組成制御されたものとなる。
本発明で原料として使用する上記分子レベルで均一に混合された有機金属キレート錯体は、後記第1図のX線解析チャートにも示す如く入射X線の散乱によるハロー図形を示し、結晶構造的に非晶質のものである。即ち上記金属キレート錯体を、均一相である液相から噴霧乾燥法によって瞬時に乾燥すると、均一相を保ったままで固相となり、多元素系有機金属キレート錯体であっても各錯体が分子レベルで均一に混合されたものとなり、結晶の形態をとらないまま各分子が凝集した非晶質のものとなる。ミクロ的には、構造内に残存している規則性に差異がみられるのが一般的であるが、前述した様な従来技術に比較するとその規則性は極めて小さく、結晶質の錯体とは明確に差別化できる。
またこの有機金属キレート錯体粉末は、第2図に例示する如く略球形で粒径が揃っているため、これを焼成すると、焼成前の形状を保った状態の金属酸化物蛍光体を得ることができる。従って、噴霧乾燥時の粉末化条件をコントロールして
アモルファス粉末の形状や粒径を調整したり、用いるアミノカルボン酸系キレート形成剤を使い分けることで、得られる金属酸化物蛍光体の粒子形状や粒径、粒度分布を任意に調整することが可能となる。特に、アミノカルボン酸系キレート形成剤としてジエチレントリアミン五酢酸を使用すると、有機金属キレート錯体粉末を焼成する際の体積収縮を大きくすることができ、それにより微細な蛍光体粉末が得られ易くなるので好ましい。
また、該アモルファス粉体から作製した金属酸化物蛍光体は、上記のように略球形で方向性を有していないので、例えばブラウン管(CRT)やプラズマディスプレイ(PD)、電界放射型ディスプレイ(FED)、蛍光表示管、蛍光ランプなどに用いられる金属酸化物蛍光体の製造に極めて有用である。
次に、上記分子レベルで均一な混合組成を有するアモルファスな有機金属キレート錯体粉末の製法について詳細に説明する。
該キレート錯体粉末の製造に当たっては、まず、目的とする金属酸化物に換算して所定の金属組成となる様に金属または金属化合物を秤量し、これをアミノカルボン酸系キレート形成剤と反応させて澄明な有機金属キレート錯体水溶液を調製する。この反応は、水性媒体中で、温度20℃〜沸点、好ましくは50〜70℃の範囲で行われる。水溶液濃度は、固形分で好ましくは1〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%に調整する。
アミノカルボン酸系キレート形成剤の使用量は、全金属イオンに対して過剰量であれば特に制限されないが、好ましくは1.0〜1.5倍モルの範囲が望ましい。金属キレート錯
体またはアミノカルボン酸系キレート形成剤が完全に溶解しない場合には、アンモニアやアミン等を加えて完全溶解させる。
ところで、機能性金属酸化物を製造する際に一番問題となるのは不純金属成分の混入である。殊に、有機金属キレート錯体の中でもナトリウム塩やカリウム塩などは、熱分解後も蛍光体内に残留して組成を狂わせる要因になるので、金属酸化物蛍光体内に積極的に取り込む場合を除いて使用は極力避けるべきである。また塩素や硫黄、リン等を含む無機酸や無機酸塩(塩酸、硫酸、リン酸、またはこれらの塩など)および有機物(チオール化合物など)も、金属酸化物蛍光体組成内に塩素やリン、硫黄、ホウ素、珪素などの非金属成分を積極的に含有させる場合を除けば、同様の理由で使用すべきではない。しかし、これら以外(即ち、塩素、硫黄、リン等を含有しない有機物、硝酸、硝酸塩、アンモニアなど)であれば、それらは熱分解乃至焼成工程で全て分解されるので、必要によっては適量加えても構わない。しかし大量に加えると、加えた有機物に含まれる不純物によって汚染されることもあるので、必要最小限に止めるべきである。
本発明で使用される好ましいアミノカルボン酸系キレート形成剤としては、エチレンジアミン四酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、ジアミノプロパノール四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン二プロピオン酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヘキサメチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンジ(o−ヒドロキシフェニル)酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、1,2−
Claims (6)
- 金属酸化物蛍光体を製造するに当たり、該金属酸化物を構成する複数の金属を均一組成で含む有機金属キレート錯体粉末を使用し、これを焼成することを特徴とする金属酸化物蛍光体の製造方法。
- 前記金属酸化物蛍光体が、粒径の揃った略球形の粉末である請求項1に記載の製造方法。
- 前記有機金属キレート錯体粉末が、金属もしくはその化合物と有機キレート形成剤もしくは金属キレート錯体を所定の金属組成となるように混合して澄明な有機金属キレート錯体水溶液を調製し、該水溶液を噴霧乾燥して得たものである請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記有機キレート形成剤が、アミノカルボン酸系キレート剤である請求項3に記載の製造方法。
- 前記有機キレート形成剤としてジエチレントリアミン五酢酸塩を使用する請求項4に記載の製造方法。
- 金属酸化物蛍光体がY2O3:Euである請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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