JP2004263088A - 蛍光体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】着色が無く、200nm以下のVUV励起下で高輝度を発現する、希土類バナジウム塩系および希土類バナジウムリン酸塩系の蛍光体を得る。
【解決手段】ランタノイド化合物と、バナジウム化合物および/またはリン化合物を、フラックスの存在下で加熱してLn1−x(V1−y)O・aZ(但し、式中、LnはSc、Y、La、Gd、Luの群から選ばれる少なくとも一種の元素、AはCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybの群から選ばれる少なくとも一種の元素、ZはLn、A、V、P以外の陽イオンとなり得る元素の酸化物、xは0.001≦x≦1の範囲、yは0≦y<1の範囲、aは0≦a≦0.2の範囲の数値である。)の組成を有する蛍光体を製造する方法であって、ランタノイド化合物が共沈酸化物であり、かつ、蛍光体を構成する各元素の仕込比が、目的とする蛍光体の化学量論組成から±5%以内の偏差であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長が200nm以下の真空紫外線(VUV)で励起され高効率に発光する希土類バナジウム塩および希土類バナジウムリン酸塩系蛍光体の製造方法に関し、該蛍光体を含有する蛍光体ペースト、および該蛍光体を含有する蛍光膜を備えた発光装置、特にプラズマディスプレー(PDP)や希ガス放電ランプ等の真空紫外線励起発光装置(VUV励起発光装置)に適した、高い発光輝度を発現する希土類バナジウム塩および希土類バナジウムリン酸塩系の真空紫外線励起用蛍光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PDPや希ガス放電ランプ等に代表されるVUV励起発光装置は、透明な外囲器の内部に形成されたVUV用蛍光体含有蛍光膜を、外囲器内に封入したAr、Xe、He、He−Xe、Ne−Xe等の希ガス放電によって放射される波長が200nm以下のVUVで励起して可視光を発光させるものである。VUV励起発光装置の蛍光膜として使用されるVUV蛍光体は、高輝度であることが要求される。
【0003】
VUV用蛍光体の中でも赤色蛍光体である希土類バナジウム塩および希土類バナジウムリン酸塩系の蛍光体は、色調に優れているが、発光輝度が低く、その改善が望まれていた。そこで、輝度を向上するために、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩がフラックスとして添加する方法が行われていたが、蛍光体原料とフラックス原料の不均一な混合のために、輝度の向上効果が十分に発現できなかった。
【0004】
また、特開昭57−352号公報に記載の技術では、蛍光体原料であるランタノイド化合物として、酸化イットリウムおよび酸化ユーロピウムを用いるが、製造した蛍光体の結晶レベルでのイットリウムとユーロピウムの均一性が悪く、低い輝度の蛍光体しか得られなかった。
また、該方法においては、バナジウム及び/又はリンを、例えば10%〜40%過剰に原料中に仕込んでいた。そのため、焼成能力の低下を招いていた。更に、焼成後に過剰のバナジウムが酸化バナジウムとして残存するために赤茶色に着色して輝度が低かった。これを洗浄して白色の蛍光体を得るためには、アルカリ、例えば炭酸アンモニウムによる洗浄によって酸化バナジウムを溶解・除去した後に、このアルカリを完全に除去するために水洗を行い輝度を向上する必要があった。また、場合によっては、更に酸、例えば塩酸による洗浄を行い、その後、水洗を行い、酸を完全に除去する必要があった。
【0005】
また、バナジン酸イットリウム蛍光体の製造方法に関する特公平8−23011号公報に記載の方法でも、化学量論組成からずれた原料混合組成が採用されているが、焼成後の蛍光体は同様に赤茶色に着色し輝度の低い蛍光体しか得られなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開昭57−352号公報
【特許文献2】
特公平8−23011号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解消し、波長が200nm以下のVUV励起下で高輝度を発現する希土類バナジウム塩系および希土類バナジウムリン酸塩系蛍光体の製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、蛍光体原料としてランタノイド化合物の共沈酸化物を用い、かつ蛍光体の化学量論組成に近い各原料の仕込比により製造することにより得られる蛍光体が高輝度を発現する、具体的には、200nm以下のVUV励起下で高輝度を発現する蛍光体を得られることを見出し、本発明の完成に至った。
【0009】
即ち、本発明は、ランタノイド化合物、バナジウム化合物および/またはリン化合物を、フラックスの存在下で加熱して、特定の組成を有する蛍光体を製造する方法であって、用いるランタノイド化合物が共沈酸化物であり、かつ蛍光体を構成する各元素の仕込比が、目的とする蛍光体の化学量論組成から±5%以内の偏差であることを特徴とする蛍光体の製造方法、を要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法により得られる蛍光体は、Ln1−x(V1−y)O・aZの組成を有するものである。
LnはSc、Y、La、Gd、Luの群から選ばれる少なくとも一種の元素であるが、色調および輝度の点からY、La、Gdの群から選ばれる少なくとも一種の元素が好ましく、Yがより好ましい。
【0011】
AはCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybの群から選ばれる少なくとも一種の元素であるが、色度および輝度の点からEuが好ましい。
Zは上記Ln及びA、並びにV、P以外の陽イオンとなり得る元素の酸化物であれば特に制限はないが、増感剤やフラックスとして微量に含有する物質を含み、NaO、KO、Bなどが好ましい。
【0012】
xは0.001≦x≦1の範囲であるが、輝度をより高くする上でxの下限は、x≧0.01が好ましく、x≧0.05がより好ましい。上限は、x≦0.5が好ましく、x≦0.15がより好ましい。xが小さ過ぎると十分な輝度が得られない。
yは0≦y<1の範囲であるが、真空紫外線励起輝度を高くする上で、下限としては、y≧0.4が好ましく、y≧0.6がより好ましい。上限は、y≦0.9が好ましく、y≦0.85がより好ましい。
【0013】
aは0≦a≦0.2の範囲の数値であるが、蛍光体中にフラックス等を含有している場合には、下限は、a≧0.0000001が好ましく、a≧0.000001がより好ましい。上限は、a≦0.01が好ましく、a≦0.001がより好ましい。
本発明では、原料であるランタノイド化合物として、蛍光体の母体結晶を構成する元素Lnと発光イオンとなる付活剤元素Aの共沈酸化物を用いる。かかる共沈酸化物を用いることにより、付活剤元素が蛍光体母体結晶中に均一に分散するために高い輝度を得られる。中でも、原子レベルでの均一混合状態となっている共沈酸化物を用いることが適している。例えば、Y1−xEu(V1−y)O・aZの場合には、共沈法により得らたY−Eu化合物を焼成して得た共沈酸化物を用いる。この場合には、蛍光体結晶母体の構成元素であるYと付活元素であるEuを蛍光体結晶中に均一に分布させることにより、高輝度が発現されると考えられ、そのためには、原料段階で可能な限りYとEuを均一に混合することが重要である。
【0014】
また、上記共沈酸化物としては様々な粒子径の粒子が使用できるが、レーザー回折法による重量メジアン径D50μmが0.1≦D50≦1の範囲の粒子からなることが好ましい。ランタノイド化合物、バナジウム化合物およびリン化合物を焼成により均一に反応させるには、細かな粒子径の共沈酸化物が適している。粒子径が大き過ぎると、均一な反応が起こりにくく、また小さ過ぎると、粉末として嵩高くなってしまい、生産性が低下してしまう傾向がある。
【0015】
細かな粒子径を持つ共沈酸化物を作製するには、それが得られる限りその方法は特に限定されないが、例えば、尿素均一沈澱法、金属アルコキシド法、水熱合成法、などが挙げられ、特に、尿素均一沈殿法が好ましく、具体的には、ランタノイドの硝酸水溶液に尿素を添加して加熱して、尿素の熱分解により生成した炭酸イオンとアンモニウムイオンをランタノイドと反応させ、炭酸アンモニウム塩の形態で沈澱を生成させ、これを焼成して酸化物を得る方法などが好ましい。
【0016】
バナジウム化合物としては、五酸化バナジウム、メタバナジン酸アンモニウム、オルトバナジン酸アンモニウムなどが挙げられ、工業製品として量産されている点で、五酸化バナジウムが好ましい。
リン化合物としては、リン酸一水素二アンモニウム、リン酸二水素一アンモニウム、五酸化リン、リン酸などが挙げられ、取扱い易さの点で、リン酸一水素二アンモニウム又はリン酸二水素一アンモニウムが好ましい。
【0017】
蛍光体を構成する各元素の仕込比は、Ln1−x(V1−y)Oで表される化学量論組成から±5%以内の偏差、好ましくは±4%以内、より好ましくは±3%以内である。この範囲外の割合で用いると、前記の従来技術の様に不純物が残存したり、着色することがあり、輝度低下を招く。
他の蛍光体原料と共に加熱時に共存させるフラックスとしては、結晶成長を促進する効果のあるものであれば、特に制限はないが、他の蛍光体原料との均一混合性に優れ、加熱時にフラックスとして有効に作用して、結晶欠陥の少ない結晶を発達させる効果のある、有機アルカリ金属化合物及び/又はバナジウムアルカリ化合物が好ましい。
【0018】
有機アルカリ金属化合物としては、大気中での加熱時にアルカリ金属酸化物を形成するものであればどの様な化合物でも使用できるが、他の蛍光体原料と特に均一に混合できるために、ステアリン酸ナトリウムとステアリン酸カリウムが好ましい。
バナジウムアルカリ金属化合物としては、結晶成長を特に促進させるために、オルトバナジン酸ナトリウムとメタバナジン酸ナトリウムが好ましい。
【0019】
前述の効果を得るためには、上記の化合物の中から選ばれる1以上の化合物をフラックスとして用いるのが好ましいが、原料として使用するランタノイド化合物の粒子径と同程度の粒子径の蛍光体を得るには、カリウムを含有する化合物をフラックスとして用いるのが好ましく、中でも、炭酸カリウム及び/又はステアリン酸カリウムが好ましい。
【0020】
フラックスの量は、Ln1−x(V1−y)O・aZ:1molに対して、アルカリ金属として0.01〜40mol%とする。フラックスの量が少ない場合には高い輝度が得られにくく、多い場合にも輝度が低くなる傾向にある。高い輝度が得られる点で、フラックスの量の範囲は、下限としては、0.5mol%以上が好ましく、1mol%以上がより好ましい。上限としては、20mol%以下が好ましく、10mol%以下がより好ましい。また、フラックスを2種類以上併用しても高い輝度を得ることができる。
【0021】
尚、フラックスは、他の蛍光体原料と加熱後、水洗あるいはアルカリ洗浄や必要に応じて酸洗浄も併用することにより除去されるが、必要以上に多くフラックスを使用した場合には、輝度が低下するだけでなく、洗浄設備が大きくなり、また洗浄により長時間を要するなどの不都合も生じる。従って、フラックスの使用量は均質で発達した結晶を得るための必要最小量であることが好ましい。フラックスは、結晶成長を促進する必要のある加熱工程でその他の蛍光体原料の近傍に存在すれば良い。従って、他の蛍光体原料を混合したものを加熱して予め目的化合物を生成させた後に、フラックスを添加して再度加熱して蛍光体粒子の結晶成長を促進させて輝度を高める方法などが実施の一形態として採用できる。しかし、他の蛍光体原料と予めフラックスを混合することにより、加熱工程を1回にすることが可能でしかもフラックスをより効果的に蛍光体粒子の結晶成長を進めることができるので好ましい。
【0022】
蛍光体原料とフラックスを含む混合物は、通常800〜1300℃、好ましくは900〜1200℃で、0.1〜72時間、好ましくは1〜12時間加熱することにより製造される。
本発明の方法で得られる焼成後の蛍光体は白色であり、必ずしも洗浄する必要はないが、高い輝度を得るためには、水洗することが好ましい。更に高輝度とするには、アルカリによる洗浄に加えて酸による洗浄を行うことが好ましい。量産性を重視する観点からは、水洗のみとすることが好ましい。一方、高い輝度などの性能を重視する観点からは、水洗およびアルカリによる洗浄に加えて酸による洗浄をするほうが適している。
【0023】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例で測定した、波長147nmの真空紫外線で励起した際の輝度(VUV輝度)は、比較例1で作製した蛍光体のVUV輝度を100としたときの相対値である。
【0024】
実施例1
目標蛍光体組成:Y0.92Eu0.08(V0.250.75)O
目標とする組成に対して、各構成元素が化学量論組成となるよう、以下のとおり秤量した蛍光体原料と、フラックスとしてステアリン酸ナトリウム:0.0973g(ナトリウムとして2.5mol%)を、溶媒としてエタノールを用いてアルミナ乳鉢中で良く混合した後、乾燥させ、混合粉を得た。使用したYとEuの共沈酸化物の重量メジアン径D50は0.5μmであった。
【0025】
YとEuの共沈酸化物(Y0.92Eu0.08:1.50g
:0.289g
(NHHPO:1.26g
上記混合粉を1150℃で4時間焼成した。焼成後の蛍光体は白色であり、これを水洗して乾燥することにより白色の蛍光体を得た。
得られた蛍光体の組成は、Y0.92Eu0.08(V0.250.75)O、VUV輝度は117であった。また、得られた蛍光体を電子走査顕微鏡(SEM)で観察したところ、蛍光体粒子の大きさは、約4μmであった。
【0026】
実施例2
焼成後の蛍光体を、水洗して乾燥する代わりに、2.2wt%の炭酸アンモニウム水で洗浄し、次いで水洗し、更に、0.02規定の希塩酸で洗浄した後、水洗、乾燥したこと以外は、実施例1と同様の方法で、白色の蛍光体を得た。
得られた蛍光体の組成は、Y0.92Eu0.08(V0.250.75)O、VUV輝度は119であった。また、得られた蛍光体をSEMで観察したところ、蛍光体粒子の大きさは、約4μmであった。
【0027】
実施例3
フラックスとして、ステアリン酸カリウム:0.103g(ナトリウムとして2.5mol%)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で蛍光体を得た。得られた蛍光体は、焼成後、水洗後ともに白色であった。
得られた蛍光体の組成は、Y0.92Eu0.08(V0.250.75)O、VUV輝度は118であった。また、得られた蛍光体をSEMで観察したところ、蛍光体粒子の大きさは、約0.5μmであった。
【0028】
実施例4
フラックスとして、オルトバナジン酸ナトリウム(含水塩):0.0311g(ナトリウムとして3.75mol%)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で蛍光体を得た。得られた蛍光体は、焼成後、水洗後ともに白色であった。
得られた蛍光体の組成は、Y0.92Eu0.08(V0.250.75)O、VUV輝度は114であった。また、得られた蛍光体を電子走査顕微鏡(SEM)で観察したところ、蛍光体粒子の大きさは、約3μmであった。
【0029】
実施例5
フラックスとして炭酸ナトリウム(NaCO):0.0337g(ナトリウムとして5mol%)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で蛍光体を得た。得られた蛍光体は、焼成後、水洗後ともに白色であった。
得られた蛍光体の組成は、Y0.92Eu0.08(V0.250.75)O、VUV輝度は114であった。また、得られた蛍光体を電子走査顕微鏡(SEM)で観察したところ、蛍光体粒子の大きさは、約5μmであった。
【0030】
実施例6
フラックスとして炭酸カリウム(KCO):0.0439g(カリウムとして5mol%)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で蛍光体を得た。得られた蛍光体は、焼成後、水洗後ともに白色であった。
得られた蛍光体の組成は、Y0.92Eu0.08(V0.250.75)O、VUV輝度は114であった。また、得られた蛍光体を電子走査顕微鏡(SEM)で観察したところ、蛍光体粒子の大きさは、約0.5μmであった。
【0031】
比較例1
目標蛍光体組成:Y0.92Eu0.08(V0.250.75)O
VおよびPを目標組成に対して各10%過剰にして、以下のとおり秤量した蛍光体原料と、フラックスとして炭酸ナトリウム(NaCO):0.1197g(ナトリウムとして17.76mol%)を、溶媒としてエタノールを用いてアルミナ乳鉢中で良く混合した後、乾燥させ、混合粉を得た。使用したYとEuの共沈酸化物の重量メジアン径D50は0.5μmであった。
【0032】
YとEuの共沈酸化物(Y0.92Eu0.08:1.50g
:0.318g
(NHHPO:1.384g
上記混合粉を1150℃で4時間焼成した。焼成後の蛍光体は白色であり、これを水洗して乾燥することにより蛍光体を得た。
得られた蛍光体の組成は、Y0.92Eu0.08(V0.250.75)O、VUV輝度は100であった。また、得られた蛍光体を電子走査顕微鏡(SEM)で観察したところ、蛍光体粒子の大きさは、約5μmであった。
【0033】
比較例2
フラックスとして炭酸ナトリウム(NaCO):0.0337g(ナトリウムとして5mol%)と、Na/(Y+Eu+Na)=0.05、V/(Y+Eu+Na)=0.25、P/(Y+Eu+Na)=0.75、即ち、VとPを量論組成に対して、5.3%ずつ過剰となるよう以下のように秤量した蛍光体原料を、溶媒としてエタノールを用いてアルミナ乳鉢中で良く混合した後、乾燥させ、混合粉を得た。使用したYとEuの共沈酸化物の重量メジアン径D50は0.5μmであった。
【0034】
YとEuの共沈酸化物(Y0.92Eu0.08:1.425g
:0.289g
(NHHPO:1.258g
NaCO:0.0337g
上記混合粉を1150℃で4時間焼成した。焼成後の蛍光体は赤茶色であり、これを水洗、乾燥し、僅かにピンク色を帯びた白色の蛍光体を得た。
得られた蛍光体の組成は、Y/Eu/Na/V/P=0.875/0.075/0.05/0.25/0.75、VUV輝度は106であった。また、得られた蛍光体を電子走査顕微鏡(SEM)で観察したところ、蛍光体粒子の大きさは、約4μmであった。
【0035】
比較例3
YとEuの共沈酸化物の代わりに、重量メジアン径4μmのY:1.321gと重量メジアン径4μmのEu:0.179gを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で蛍光体を得た。得られた蛍光体は、焼成後、水洗後ともに白色であった。
得られた蛍光体の組成は、Y0.92Eu0.08(V0.250.75)O、VUV輝度は98であった。
目標とする組成に対して、各構成元素が化学量論組成となる割合で原料を使用したが、VUV輝度は実施例に比べて低かった。
【0036】
比較例4
YとEuの共沈酸化物の代わりに、重量メジアン径4μmのY:1.321gと重量メジアン径4μmのEu:0.179gを、フラックスとして炭酸ナトリウム(NaCO):0.0337g(ナトリウムとして5mol%)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で蛍光体を得た。得られた蛍光体は、焼成後、水洗後ともに白色であった。
得られた蛍光体の組成は、Y0.92Eu0.08(V0.250.75)O、VUV輝度は97であった。
目標とする組成に対して、各構成元素が化学量論組成となる割合で原料を使用したが、VUV輝度は実施例に比べて低かった。
【0037】
比較例5
フラックスとして炭酸ナトリウム(NaCO):0.0337g(ナトリウムとして5mol%)と、Na/(Y+Eu+Na)=0.05、V/(Y+Eu+Na)=0.25、P/(Y+Eu+Na)=0.75、即ち、VとPを量論組成に対して、5.3%ずつ過剰となるよう以下のように秤量した蛍光体原料を、溶媒としてエタノールを用いてアルミナ乳鉢中で良く混合した後、乾燥させ、混合粉を得た。使用したYの重量メジアン径は4μm、Euの重量メジアン径は4μmであった。
【0038】
:1.255g
Eu:0.170g
:0.289g
(NHHPO:1.258g
NaCO:0.0337g
上記混合粉を1150℃で4時間焼成した。焼成後の蛍光体は赤茶色であり、これを水洗、乾燥し、薄茶色の蛍光体を得た。
【0039】
得られた蛍光体の組成は、Y/Eu/Na/V/P=0.875/0.075/0.05/0.25/0.75、VUV輝度は74であった。
実施例及び比較例で得られた蛍光体の物性を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 2004263088
【0041】
原料ランタノイド化合物として共沈酸化物を用いることにより、高VUV輝度が得られることが分かる。更に、目標蛍光体組成に対して各構成元素を化学量論組成で仕込むことにより、高VUV輝度が得られることが分かる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、着色が無く、VUV励起発光装置への使用に適した蛍光体を提供することが出来る。

Claims (5)

  1. ランタノイド化合物と、バナジウム化合物および/またはリン化合物を、フラックスの存在下で加熱してLn1−x(V1−y)O・aZ(但し、式中、LnはSc、Y、La、Gd、Luの群から選ばれる少なくとも一種の元素、AはCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybの群から選ばれる少なくとも一種の元素、ZはLn、A、V、P以外の陽イオンとなり得る元素の酸化物、xは0.001≦x≦1の範囲、yは0≦y<1の範囲、aは0≦a≦0.2の範囲の数値である。)の組成を有する蛍光体を製造する方法において、ランタノイド化合物がLnとAの共沈酸化物であり、かつランタノイド化合物、バナジウム化合物及び/又はリン化合物を、蛍光体を構成する各元素が、Ln1−x (V1−y)Oで表される化学量論組成から±5%以内の偏差となる割合で用いることを特徴とする蛍光体の製造方法。
  2. ランタノイド化合物、バナジウム化合物および/またはリン化合物、およびフラックスを、予め混合した後に加熱することを特徴とする請求項1に記載の蛍光体の製造方法。
  3. フラックスの量が、Ln1−x(V1−y)O・aZ:1molに対して、0.01mol%〜40mol%であることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光体の製造方法。
  4. フラックスが、有機アルカリ金属化合物および/またはバナジウムアルカリ化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
  5. 共沈酸化物が粒子であって、該粒子の重量メジアン径D50μmが、0.1≦D50≦1であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
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