JPH11293239A - 画像表示装置およびその製造方法 - Google Patents

画像表示装置およびその製造方法

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JPH11293239A
JPH11293239A JP10139102A JP13910298A JPH11293239A JP H11293239 A JPH11293239 A JP H11293239A JP 10139102 A JP10139102 A JP 10139102A JP 13910298 A JP13910298 A JP 13910298A JP H11293239 A JPH11293239 A JP H11293239A
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phosphor
activator
film
sol
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JP10139102A
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English (en)
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Hidekazu Hayama
秀和 羽山
Motoyuki Toki
元幸 土岐
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KANSAI SHINGIJUTSU KENKYUSHO K
KANSAI SHINGIJUTSU KENKYUSHO KK
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KANSAI SHINGIJUTSU KENKYUSHO K
KANSAI SHINGIJUTSU KENKYUSHO KK
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  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固相法で得られる従来蛍光体の母体結晶中で
の付活剤の局在による濃度消光および蛍光体の粒子形状
や粒径の不均一による基板面への低い被覆性の問題を解
決し、蛍光体自体の発光効率を向上させるとともに被覆
性の高い蛍光膜を備えた高輝度な画像表示装置を提供す
る。 【解決手段】 蛍光体1Aの母体3および付活剤2の構
成元素を含有する金属アルコキシド、有機酸金属化合
物、金属錯体もしくは金属塩等を加水分解、重合させる
ことで構成金属が分子レベルで均一に混合されたゾルを
エマルジョン化もしくは噴霧し、加熱、焼成することに
より得られる付活剤2が母体結晶3中に均一に分散し、
かつ球状で粒子径の均一な蛍光体1Aを塗布することで
輝度の高い画像表示装置が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示装置の蛍
光体膜を形成する蛍光体材料および製造方法に関する。
(ここで、蛍光体膜とは蛍光体の粒子を基板上に塗布す
ることで得られる膜状の蛍光体粒子の集合体である。)
【0002】
【従来の技術】カラーテレビやコンピュータディスプレ
イなどの画像表示装置である陰極線管(CRT)やプラ
ズマディスプレイパネル(PDP)は、蛍光体粒子を塗
布して形成される蛍光体膜に電子線や紫外線などの励起
エネルギーを与えて蛍光体を発光させることで画像を表
示している。蛍光体は、電子線や紫外線などの励起エネ
ルギーの種類、発光色や残光時間が適切になるように母
体結晶およびその中に分散される発光センターである付
活剤が選ばれる。たとえば、酸化物系の蛍光体では一般
的に、母体となる金属の酸化物と付活剤となる金属の酸
化物あるいは炭酸塩の粉体を混合し、1200℃以上の
高温で焼成する固相法により得られる。
【0003】また、ゾルーゲル法を用いてランタノイド
系アルミン酸塩蛍光体から成る高透光性蛍光膜を焼成温
度が500℃〜1300℃で形成する方法が特公平6−
43580に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の固相法で得られた蛍光体は熱拡散で付活剤を母体結
晶中に拡散させるため、高い焼成温度が必要であり、母
体結晶中にの付活剤が充分に分散せず局在しており、濃
度消光といわれる発光強度の低下が起こることが知られ
ている。また、蛍光体粒子の形状および粒径が不均一で
あり、蛍光体膜を形成した際の充填密度が低く基板面が
充分に蛍光体で被覆されないために蛍光体膜で発光しな
い部分が生じる。
【0005】逆に充分に被覆するために蛍光体を積み重
ねて蛍光体膜を厚くすると、CRTのように透過型と呼
ばれる蛍光体を透過してくる光を見る場合、蛍光体膜が
厚くなると最も励起源に近く発光強度の高い蛍光体から
の光は厚い蛍光体膜を通過するために減衰して輝度が低
下したり、PDPのように反射型と呼ばれる励起源側の
蛍光体表面を見る場合は、蛍光体膜が厚くなることによ
る輝度の低下はないが、励起源である紫外線の放電発光
のための空間容量が狭くなり放電発光の効率が低下する
ために結果として輝度が低くなる問題が生じる。また、
高価な希土類を用いた蛍光体では、蛍光体膜を厚くする
ことは蛍光体膜の製造コストが高くなる問題がある。
【0006】また、特公平6−43580に開示されて
いるように蛍光体を高透光性の膜とする場合、ゲル膜を
形成した後、蛍光膜を得るために500℃〜1300℃
に焼成する必要があるが、CRTやPDPでは蛍光体は
軟化点が600℃付近のガラス基板上に形成されてお
り、焼成の際に基板が湾曲してしまう。たとえ、軟化点
の高いガラスを用いた場合でも、X線や紫外線の遮蔽の
問題やコストアップの問題が生じる。また、高透光性の
蛍光膜では透過型の画像表示装置では輝度が高くなると
考えられるが、反射型の画像表示装置では蛍光体の発光
は放射状にあらゆる方向に向かうが、後方等への発光は
隣接する蛍光体の表面反射により前方に向かって反射す
るものもあるが、蛍光体の界面が少なくなるとかえって
輝度が低下する。
【0007】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、蛍光体自体の発光効率を向上させるとともに、蛍光
体膜の被覆性を向上して安価でかつ高輝度な蛍光体膜を
備える画像表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係わる蛍光体膜として用いられる蛍光体
は、母体および付活剤の構成元素を含有する金属アルコ
キシド、有機酸金属化合物、金属錯体もしくは金属塩等
を加水分解、重合させることで得られるゾルを加熱、焼
成して得られることを特徴とする。
【0009】金属アルコキシド、有機酸金属化合物、金
属錯体もしくは金属塩等がアルコール等の溶媒中で均一
に溶解した溶液となっているため、複数の母体構成金属
と付活剤構成金属が分子レベルで均一に混合されてお
り、焼成後の結晶の格子構造に近い配列に重合させた前
駆体ゾルを形成することができ、低い焼成温度で結晶化
させることができる。また、発光センターである付活剤
が母体結晶中に均一に分散され、局部的な濃度消光がお
こりにくく付活剤の濃度を高めることができるので蛍光
体の発光効率が向上する。
【0010】ゾルを極性の異なる溶媒中でエマルジョン
化することにより球状のゾルを形成し、ゲル化および焼
成することで所望の粒径の球状蛍光体を得ることができ
る。エマルジョン化については撹拌によっても可能であ
るが、均一な径の多数の細孔を有する膜を通してゾル溶
液を極性の異なる溶媒中に押し出すことで均一な粒径の
球状ゾルを得ることができ、これをゲル化、焼成するこ
とで、膜の細孔径に対応した所望の粒径で粒度分布が狭
い粒径の揃った球状蛍光体を得ることができる。また、
ゾルをスプレーや超音波噴霧などでミスト化し、乾燥お
よび熱分解することでも球状の蛍光体粒子を得ることが
できる。
【0011】得られた均一粒度分布の球状蛍光体を用い
て、従来と同様のフローコート法やスクリーン印刷法に
より充填率の高い蛍光体膜を形成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を用いて具体的に説明する。本発明に係わる蛍光体お
よび蛍光体膜について図1図2および図3を参照しなが
ら以下に説明する。
【0013】図1(a)は本発明に係わる蛍光体の概念
を表す拡大断面図であり、図1(b)の従来の蛍光体の
1例の概念を表す拡大断面図と比較して示す。本発明に
係わる蛍光体1Aは粒子形状が球状であり、発光センタ
ーである付活剤2が母体結晶3中に均一に分散されてい
る。一方、従来の蛍光体1Bの形状は、不定形であり、
付活剤2が母体結晶3中に不均一に存在している。
【0014】図2(a)は本発明に係わる蛍光体1Aに
より形成された蛍光体膜4Aの断面拡大図であり、図2
(b)の従来の蛍光体1Bにより形成された蛍光膜4B
の断面拡大図と比較して示す。従来の蛍光体1Bは形状
が不定形であり、粒度分布が広いために蛍光体膜4Bは
多数の間隙があり、間隙を埋めるために蛍光体1Bを厚
く積み重ねている。一方、本発明に係わる蛍光体1Aは
球状なので、蛍光体の充填性が良く、蛍光体を積み重ね
なくとも極めて間隙の少ない蛍光膜4Aが形成される。
【0015】また、図3の付活剤濃度と発光輝度の関係
を表す概念図に示すように、母体結晶3中の付活剤濃度
が高いほど発光輝度は高くなる傾向にあるが、付活剤濃
度が高すぎると濃度消光と呼ばれる発光輝度の低下が見
られる。従来の蛍光体1Bのように付活剤2が母体結晶
3中に不均一に分散されている場合は、付活剤濃度の高
い部分と低い部分が同一蛍光体中に存在しているため、
それぞれの部分での最適な付活剤濃度が異なる。蛍光体
の発光輝度は付活剤濃度の低い部分の輝度11と付活剤
濃度の高い部分の輝度12の平均された輝度となる。本
発明に係わる蛍光体1Aは付活剤2が母体結晶3中で均
一に分散しているので、最適な付活剤濃度にすることが
でき、最良の輝度13にすることができる。
【0016】図4により、本発明に係わる蛍光体膜を具
備したCRTの構成図を用いて画像表示の要点について
説明する。図4にCRTの全体構成の1例を断面図に示
すように、CRTを構成する管体は、前面部を形成する
パネル部20、電子銃21が収納されたネック部22、
および、パネル部20とネック部22との中間部を形成
するファンネル部23から構成されている。フェースプ
レート24と呼ばれるパネル部20の前面部は、内側に
黒鉛層25と赤、緑、青色の蛍光体から成る蛍光体膜2
6とがモザイク上に塗り分けられて形成されている。パ
ネル部20の周縁部の内側には多数の細孔を有するシャ
ドウマスク27が固着され、シャドウマスク27はフェ
ースプレート24に対向して配置されている。ファンネ
ル部23とネック部22との結合部分の外側に偏向ヨー
ク28が配置されて、電子銃21から投射された3本の
電子線29(1本のみを図示している)が、偏向ヨーク
28によって所定の方向に偏向された後、シャドウマス
ク27の細孔を通してそれぞれ赤、緑、青色に対応する
蛍光体膜26に到達するように構成されている。
【0017】上記構成において、電子線29は蛍光体膜
26を励起し、蛍光体膜26が発光する。発光した光は
フェースプレート24を通して観測される。このように
表示面に対して蛍光体膜26の背面側に励起源があり、
発光した光が蛍光体膜26およびフェースプレート24
を通過した光を観測する透過型と呼ばれる方式では、図
2(b)に示したような蛍光体膜26(=図2(b)の
4B)に大きな間隙がある場合は、非発光部分が生じて
輝度が低下し,また,蛍光体膜26(=図2(b)の4
B)が厚すぎると蛍光膜を通過する光が減衰するために
輝度が低下するが,図2(a)に示したように本発明に
係わる蛍光体粒子を用いて形成された蛍光体膜26(=
図2(a)の4A)はフェースプレート24の全面を充
分に被覆するように形成されており,膜厚を必要以上に
厚くする必要がないので輝度に対して最適化が図れる。
【0018】次いで、図5により、本発明に係わる蛍光
体膜を具備したPDPの構成図を用いて画像表示の要点
について説明する。図5にPDPの全体構成の1例を構
造図に示すように、PDPを構成するパネルは、表示面
側のガラス基板30に透明表示電極31と抵抗を下げる
ためのバス電極32がストライプ状に形成され、これら
の電極の上に誘電体層33、さらにその上に保護膜34
が形成されている。一方、対向の裏面ガラス基板35上
にストライプ状のアドレス電極36と放電空間を保ち光
学的クロストークを防ぐためのストライプ状の隔壁37
が透明表示電極31のストライプの方向と直交するよう
に形成されている。さらにアドレス電極36上と隔壁の
側面に赤、緑、青色の蛍光体から成る蛍光体膜38が交
互に塗り分けられ形成されている。また、表示面側ガラ
ス基板30と裏面ガラス基板35の間の空間はNe+X
e(4%)ペニング混合ガス39が封入されている。上
記構成において、透明表示電極31とアドレス電極36
間に電圧がかかるとペニング混合ガス39の気体放電に
伴いXeから波長が147nmの紫外線40が放射され
る。この紫外線40により蛍光体膜38が励起され発光
する。
【0019】上記構成において、紫外線40により発光
した蛍光体膜38の表面から表示面側に発せられる光が
表示面側のガラス基板30を通して観測される。このよ
うに蛍光体膜38の表面で発光した光を観測する反射型
と呼ばれる方式では、図2(b)に示したような蛍光体
膜38(=図2(b)の4B)に大きな間隙がある場合
は、非発光部分が生じて輝度が低下し,また,蛍光体膜
38(=図2(b)の4B)が厚すぎると放電空間が狭
くなるために気体放電による紫外線の発光効率が低下す
るため輝度が低下するが、本発明に係わる蛍光体を用い
て形成された蛍光体膜38はアドレス電極36上と隔壁
37の側面面を充分に被覆するように形成されており、
膜厚を必要以上に厚くする必要がない。
【0020】以下,本発明に係わる蛍光体の作製に関す
る実施例について説明する。 [実施例1]酢酸亜鉛二水和物0.04モルを20gの
エタノール中に28%アンモニア水6gを加えて溶解し
た溶液に酢酸マンガン四水和物0.00765モルのエ
タノール溶液5gを加え、さらに、テトラエトキシシラ
ン0.02モルのエタノール溶液20gを加えた。室温
での撹拌により加水分解および重合反応により亜鉛およ
びマンガンがケイ素と酸素を介して結合したゾルが形成
され、さらに数時間撹拌を続けると白色のゲルが得られ
た。このようにして得られたゲルを乾燥したものは、示
差熱分析によれば450℃で反応および結晶化が完了し
ており、1100℃に焼成することでZnSiO
Mnで組成式が示されるケイ酸亜鉛を母体、マンガンを
付活剤とする蛍光体粒子が得られた。ZnSiO
Mnの形成はX線回折で確認した。また、この組成では
発光センターであるMnの含有量は、蛍光体ZnSi
:Mnに対して0.9重量%である。この蛍光体に
紫外線を照射すると波長が524nmにピークを持つ緑
色の蛍光が見られた。
【0021】[実施例2]酢酸亜鉛二水和物0.04モ
ルを20gのエタノール中に28%アンモニア水6gを
加えて溶解した溶液に酢酸マンガン四水和物0.016
4モルのエタノール溶液5gを加え、さらに、テトラエ
トキシシラン0.02モルのエタノール溶液20gを加
えた。室温での撹拌により加水分解および重合反応によ
り亜鉛およびマンガンがケイ素と酸素を介して結合した
ゾルが形成され、さらに数時間撹拌を続けると白色のゲ
ルが得られた。このようにして得られたゲルを乾燥した
ものは、示差熱分析によれば450℃で反応および結晶
化が完了しており、1100℃に焼成することでZn
SiO:Mnで組成式が示されるケイ酸亜鉛を母体、
マンガンを付活剤とする蛍光体粒子が得られた。Zn
SiO:Mnの形成はX線回折で確認した。また、こ
の組成では発光センターであるMnの含有量は、蛍光体
ZnSiO:Mnに対して10重量%である。この
蛍光体に紫外線を照射すると濃度消光を起こさず波長が
524nmにピークを持つ緑色の強い蛍光が見られた。
【0022】[実施例3]酢酸亜鉛二水和物0.04モ
ルを20gのエタノール中に28%アンモニア水6gを
加えて溶解した溶液に酢酸マンガン四水和物0.007
65モルのエタノール溶液5gを加え、さらに、テトラ
エトキシシラン0.02モルのエタノール溶液20gを
加えた。室温での撹拌により加水分解および重合反応に
より亜鉛およびマンガンがケイ素と酸素を介して結合し
たゾルが形成された。このゾルを超音波噴霧によりミス
ト化し、1100℃の雰囲気中に噴霧することで、組成
式がZnSiO:Mnで示されるケイ酸亜鉛を母
体、マンガンを付活剤とする粒径が2〜5μmの球状の
蛍光体粒子を得た。形状は走査電子顕微鏡で観察し、組
成はX線回折で同定した。この蛍光体に紫外線を照射す
ると波長が524nmにピークを持つ緑色の蛍光が見ら
れた。
【0023】[実施例4]酢酸亜鉛二水和物0.04モ
ルを150gのエタノールに加えて79℃に加熱して得
た溶液に酢酸マンガン四水和物0.00765モルをエ
タノール5gに溶解した溶液を加え、さらに、テトラエ
トキシシラン0.02モルのエタノール溶液20gを加
えた。撹拌後、この混合溶液を28%アンモニア水1m
lを加えたエタノール150mlと蒸留水150mlの
混合溶媒中に滴下し、減圧下でエタノールを蒸発させて
水系のゾル30mlを得た。この水系ゾルを細孔径が
1.5μmの多孔質ガラス膜を通して界面活性剤として
ソルビタンモノラウレート1.5gを含むトルエン15
0mlに圧入することでエマルジョン化し、これにゲル
化剤として1規定の塩化アンモニュウム5mlを添加し
てゾルをゲル化させた後、濾別し1100℃で焼成する
ことで、組成式がZnSiO:Mnで示されるケイ
酸亜鉛を母体、マンガンを付活剤とする粒径が2〜5μ
mの球状の蛍光体粒子を得た。形状は走査電子顕微鏡で
観察し、組成はX線回折で同定した。この蛍光体に紫外
線を照射すると波長が524nmにピークを持つ緑色の
蛍光が見られた。
【0024】[実施例5]平均粒径が3μmの球状の蛍
光体粒子に10重量%のアクリル重合体を混ぜてペース
トにしてガラス基板上に塗布した蛍光体膜は膜厚が3μ
mであり、走査電子顕微鏡で確認したところ1層の蛍光
体層で被覆率が90%以上のほとんど間隙がない蛍光体
により被覆された基板が形成された。
【0025】上記実施例においては、特に、緑色蛍光体
であるZnSiO:Mnについて説明したが、同様
にして金属酸化物系蛍光体を形成することができる。特
に限定はされないが、赤色に発光する蛍光体としては
(Y,Gd)BO:Eu、Y:EUやYV
:Eu、Y(PV)O:Euや(Zn,Ca)
(PO:Mnなどであり、緑色に発光する蛍光体
としては、BaO・6Al:Mn、YSi
:Tb、LaPO:Ce,Tb、Ba
:Ti、MgAl1119:Ce,Tb,M
n、YAl(AlO:Ce、YAl(A
lO:TbやY(Al,Ga)(Al,Ga
:Ceなどであり、青色に発光する蛍光体とし
てはBaMgAl1423:Eu、(Ca,Sr,B
a)10(PO4)Cl:Eu、(Sr,Mg)
:Eu、Sr:Sn、CaWO
Pb、CaMgSi:CeやYSiO:C
eなどである。また、原料として金属酢酸塩の他に金属
硝酸塩、金属アルコキシドおよびアセチルアセトナー
ト、アミン類やアミド類との金属錯体を用いることがで
きる。
【発明の効果】以上のように本発明法によれば、均一な
粒度分布の球状の蛍光体粒子により薄い膜厚の被覆性の
高い蛍光体膜が形成でき、少ない蛍光体量で優れた輝度
の画像表示装置の作製が可能となる。CRTのような透
過型と呼ばれる画像表示装置では、蛍光体膜を通過する
ことによる輝度が低下がなく、PDPのような反射型と
呼ばれる画像表示装置では、放電空間容量が大きくとれ
るので蛍光体の励起源である紫外光の発光効率が高ま
り、さらに輝度が向上する。また、従来の固相法により
合成された蛍光体に比べて発光センターである付活剤が
母体結晶中で均一に分散しているので10〜20%の輝
度向上が得られ、しかも低い温度でかつ短時間の焼成で
蛍光体粒子の形成ができるので、少ないエネルギー消費
量で蛍光体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明に係わる蛍光体の概念を表す
拡大断面図であり、(b)は従来の蛍光体の1例の概念
を表す拡大断面図である。
【図2】 (a)は本発明に係わる蛍光体により形成さ
れた蛍光体膜の断面拡大図であり、(b)は従来の蛍光
体により形成された蛍光膜の断面拡大図である。
【図3】 付活剤濃度と発光輝度の関係を表す概念図で
ある。
【図4】 本発明に係わる蛍光体膜を具備したCRT全
体構成の1例を表す断面図である。
【図5】 本発明に係わる蛍光体膜を具備したPDPの
全体構成の1例を表す構成図である。
【符号の説明】
1A 本発明に係わる蛍光体粒子 1B 従来の蛍光体粒子 2 発光センター(付活剤) 3 母体結晶 4A 本発明に係わる蛍光体粒子により形成された蛍光
膜 4B 従来の蛍光体粒子により形成された蛍光膜 11 従来蛍光体における付活剤濃度の低い部分の輝度 12 従来蛍光体における付活剤濃度の高い部分の輝度 13 本発明に係わる蛍光体における最適付活剤濃度で
の輝度 24 フェースプレート 26 蛍光体膜 29 電子線 30 表示面側ガラスパネル 38 蛍光体膜 40 紫外線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体の母体および付活剤の構成元素を
    含有する金属アルコキシド、有機酸金属化合物、金属錯
    体もしくは金属塩等を加水分解、重合させることで得ら
    れるゾルを加熱、焼成して得られることを特徴とする金
    属酸化物系蛍光体粒子。
  2. 【請求項2】 粒子形状が球状であることを特徴とする
    請求項1記載の蛍光体粒子。
  3. 【請求項3】 エマルジョン化させたゾルをゲル化させ
    るかもしくは、噴霧によりミスト化したゾルを熱分解す
    ることにより作製される粒子形状が球状であることを特
    徴とする請求項1記載の蛍光体粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の蛍光体を具備した画像
    表示装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の蛍光体により1層ない
    し2層の層で構成され、かつ基板に対する被覆率が90
    %以上の蛍光膜を具備することを特徴とする画像表示装
    置。
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