JPWO2002014433A1 - 重合性組成物、その硬化物および複合材料 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明はX線造影性を有する無機酸化物を含有する重合性組成物、その硬化物およびこの硬化物の粉砕物を含む複合材料に関する。さらに詳しくは、100nm以下の無機酸化物が均一に分散した、透明性に優れ、また、表面光沢が優れるだけでなくX線造影性も有し、さらには工業用材料だけではなく歯科用材料にも使用できる重合性組成物、その硬化物および硬化物の粉砕物を含有する複合材料に関する。
従来の技術
近年、粒子径が100nmを境として様々な材料特性の相違が明らかになりつつある。例えば、顔料は着色力、隠蔽力が大きくなるように可視光線の波長の半分からそれ以上の粒子径に作られているが、100nm以下の粒子径になると有色特性を示さなくなり新たな調色の展開が期待されている。また、磁性体では100nm付近を境として多磁区粒子が単磁区粒子となり磁気特性が変化する現象が現れる。このような新規な特性を期待してセラミックス材料、有色顔料、光学材料、導電材料、圧電材料等の研究が盛んに行われている。一方、ナノオーダー(100nm以下)の粒子径と透明性との関係について、透明性を高めるためには、吸収、散乱、反射が少ないことが必要である。また、粒子径を可視光線波長の1/4以下にすると散乱が少なくなり透明性が高くなることが知られている(ナノ微粒子の新展開 (株)東レリサーチセンター P.3〜6参照)。
一般に、微粒子のチタンホワイト粉体の例でも示されるように重合性化合物100重量部に対して重合性化合物と屈折率が0.1以上異なるX線造影性を有する、一次粒子径がナノオーダーの無機酸化物粒子の粉体を3重量部程度以上添加した後、重合開始剤を加え十分混練して重合させても透明感のある硬化物は得られない。この理由としては、無機酸化物を微粒子化すればするほど、一次粒子の表面エネルギーが高くなり一次粒子が不安定化するため、一次粒子はそれ同士が強固に凝集し、表面エネルギーを低下させることで安定化するためである。即ち、重合性化合物に添加する場合、その凝集粒子はすでに可視光線の波長と同程度以上の大きさになっており、さらに一旦凝集した一次粒子の大部分を再分散することはきわめて困難であり、透明感のある硬化体が得られないためである。
ところで、(メタ)アクリレート系材料は透明性に優れ、表面光沢性が良好である等の特性から工業用材料だけでなく歯科用材料として広く利用されているが、(メタ)アクリレート単独では重合収縮率が高く、また、その硬化物は機械的強度および耐磨粍性も劣るため無機酸化物との複合化がこれまで多数検討されてきた。特開昭60−11505号公報には、ビニル系化合物に特定の粒子径を有する球状の無機酸化物を配合した後、重合させて得られた耐磨粍性が改善された歯科用組成物が開示されている。しかしながら、この方法では使用している無機酸化物の粒子径が100nm以上であるため表面光沢性に優れるとは言い難く、さらに摩粍によって無機酸化物が突起したり、逆に脱落したりして、その摩耗面も粗造なレジン表面となり歯科用途に使用する場合には対合歯摩耗の原因となりかねない等の懸念がある。さらに粒子径が100nm以下の無機酸化物を重合性化合物に配合する場合には、無機酸化物の比表面積が大きいため、高配合しようとするとペーストの著しい粘度上昇が惹起して使用できず、他方、配合量を低下させるとペーストがべたつき、スパチュラに付着したりして成形加工性の面で実用化するには問題があった。一方、特開平5−209027号公報にはコロイダルシリカとシラン化合物とを用いてビニル系化合物中にシリカを均一に分散させることにより、透明性と剛性に優れた複合体組成物が得られることが開示されている。この方法によれば100nm以下のシリカを均一に分散できるため透明性に優れ、さらに粘度上昇による成形加工性の問題がないとされている。また、特開平7−291817号公報にはこの複合体組成物が歯科用組成物に使用されることが開示されている。しかしながら、コロイダルシリカを使用しているため無機酸化物がシリカに限定され、得られる硬化物はX線造影性をほとんど有さない。
従って、歯科用のセメントや充填材等に使用する際にレントゲンに写り難いため治療が成功したか否かの判断がしづらく不都合が生じる場合がある。また、コロイダルシリカ以外の無機酸化物を重合性化合物中に均一に分散させる方法について何ら言及されていない。さらに、歯科用以外の工業用途に使用する場合も硬度や耐磨粍性は向上するがシリカには紫外線や放射線など可視光線より波長の短い高エネルギーの光を吸収する能力がないため硬化物を屋外に暴露すると、硬化物が黄変したりクラックが入ったりして劣化する危険がある。
発明の開示
本発明者らは、(メタ)アクリレート系材料が有する様な優れた透明性、表面光沢性および成形加工性を損なうことなく、さらにX線造影性をも付与させた重合性組成物およびその硬化物を得るために、一次粒子径が100nm以下の微粒子が溶媒中に凝集することなく均一分散しているコロイド溶液に着目した。即ち、X線造影性を有する無機酸化物が水または水性有機溶剤に分散した水性コロイド溶液を出発原料とし、コロイド粒子を凝集(ゲル化)させることなく、その溶媒を重合性化合物で置換することにより、重合性化合物中にX線造影性を有する無機酸化物が分散している重合性コロイド溶液が得られ、それをさらに展開してX線造影性があり且つ透明性に優れる新規な重合性組成物、その硬化物および硬化物の粉砕物を含有する複合材料が得られることを究明し、本発明に到達した。
本発明によれば、(A)X線造影性を有する、平均粒子径100nm以下の無機酸化物、(B)表面改質剤、(C)重合性化合物、さらに(D)重合開始剤を含む重合性組成物、これらを重合して得られる硬化物、および硬化物の粉砕物を含有する複合材料が提供される。
本発明の特徴は、X線造影性を有する無機酸化物が水もしくはメタノールやエタノールなどのアルコールやアセトンなどの水性有機溶媒に均一に分散したコロイド溶液を、出発物質として用いることにより、従来困難とされてきた一次粒子径が100nm以下のナノオーダーの無機酸化物を均一に重合性化合物中に分散させることが可能となるだけでなく、この重合性組成物から得られる硬化物にX線造影性の付与をも可能にさせたことにある。さらに、本発明の他の特徴は、無機酸化物の平均粒子径が100nm以下であるため(メタ)アクリレート系材料が有する様な優れた透明性、表面光沢性を保持して、耐磨耗性および機械的特性等がより良好である重合性組成物、その硬化物および粉砕物を提供できることである。また、これらの硬化物および粉砕物は、優れた透明性を有することにより、歯科用充填材、歯科用セメント等の色合せが容易に行えるという利点も有する。
以下、本発明ついてさらに詳しく説明する。それによって、本発明の特徴がさらに明確になるであろう。
本発明に使用される(A)X線造影性を有する、平均粒子径100nm以下の無機酸化物としては、各種の市販品もしくは合成品が使用できる。無機酸化物の種類としては、X線造影性を有するものであれば特に限定されない。具体的にはアルミニウム、チタン、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、ランタノイド、アンチモン、バリウム、ハフニウム、ストロンチウム等の無機酸化物、およびチタン酸バリウムなどの2種以上の元素を同時に含む無機酸化物、2種類以上の無機酸化物が混合された無機酸化物等が挙げられる。その中でもシリカを構成するケイ素以外の2A族から7B族の元素が好ましく、生体為害性が少ない等の理由からチタンおよびジルコニウム等の無機酸化物が特に好ましく用いられる。また、本発明の特性を損なわなければ、これらの無機酸化物と一緒に、X線造影性をほとんど有さないシリカ等を、一緒に使用することができ、また例えばシリカ/ジルコニア複合体などの複合体として無機酸化物中に含有させて使用することができる。無機酸化物の平均粒子径は、一般には1〜100nmである。ここで透明性の点で1〜60nmが好ましく、さらに好ましくは1〜30nmである。なお、無機酸化物の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡により決定される。
本発明に使用される平均粒径100nm以下の無機酸化物は、通常、水、水性有機溶媒または水と水性有機溶媒の混合溶媒の水性コロイド溶液として入手できる。無機酸化物の水性コロイド溶液の溶媒としては、通常メタノール、エタノールおよびイソプロピルアルコールのような炭素数1〜5のアルコール類、セロソルブ類、ジメチルアセトアミド等の水性有機溶媒、水等が使用される。好ましくは水に均一に混合し得るアルコール類、セロソルブ類および水が単独または混合して利用される。また、コロイド粒子が凝集しなければ水性有機溶媒と水とを任意の割合で混合して利用してもよい。無機酸化物(A)の溶液のpHに関しては特に制限はないが、下記する表面改質剤(B)を使用するためには中性から酸性であることが好ましく、pHが3〜7の範囲が特に好ましい。
無機酸化物(A)の水性コロイド溶液には、(A)100重量部に対して、通常(E)コロイド安定化剤が0.1〜70重量%含有される。(E)コロイド安定化剤としては、例えば塩酸、硝酸、蓚酸、酢酸等の酸性化合物やアンモニア等のアルカリ性化合物が挙げられる。
本発明に使用される(B)表面改質剤は、無機酸化物(A)の表面を改質し得るものであれば特に限定されないが、アルコキシシラン化合物が好ましく使用される。中でも下記式(I)
SiR1 aR2 b(OR3)c ...(I)
式中、R1およびR2は、互いに独立に、エーテル結合、エステル結合、エポキシ結合または炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜20の置換基、または、その置換基中に窒素原子、硫黄原子、燐原子を含んでいてもよい。R3は水素原子またはエーテル結合、エステル結合もしくは炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜20の置換基、またはその置換基中に窒素原子、硫黄原子、燐原子を含んでいてもよい。a、bは0〜3の整数、c=4−a−bであって、1〜4の整数を表す、
で示される、アルコキシシラン化合物が好ましく使用される。下記式[I−A]〜(I−F)で表されるアルコキシシラン化合物を用いることが特に好ましい。
式中、R4およびR5は、互いに独立に、エーテル結合、エステル結合、エポキシ結合または炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜20の置換基、またはその置換基中に窒素原子、硫黄原子、燐原子を含んでいてもよい。R6は水素原子または炭素数1〜20の炭化水素残基、R7は水素原子またはメチル基、R8は炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基、a、bは0〜3の整数、c=4−a−bであって、1〜4の整数、dは0〜2の整数、eは1〜6の整数を表す。
前記式(I−A)で表されるシラン化合物としては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、メトキシエチルトリエトキシシラン、トリメトキシヘキシルシラン、トリメトキシオクチルシラン、アセトキシエチルトリエトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記式(I−B)で示されるシラン化合物としては、例えばテトラキス(アクリロキシエトキシ)シラン、テトラキス(メタクリロキシエトキシ)シラン、メチルトリス(メタクリロキシエトキシ)シラン等が挙げられる。
前記式(I−C)で示されるシラン化合物としては、例えばβ−(メタ)アクリロキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(メタ)アクリロキシエチルジエトキシメチルシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルエトキシジメチルシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記式(I−D)で示されるシラン化合物としては、例えばビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記式(I−E)で示されるシラン化合物として、例えばγ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
前記式(I−F)で示されるシラン化合物として、例えばp−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、p−ビニルフェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む化合物としては、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド等、一般的に使用されるシランカップリング剤も制限無く利用できる。
前記式(I)に表される化合物のうち、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランが特に好ましく用いられる。
また、上記表面改質剤とは異なる、チタン系、ジルコニア系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系の表面改質剤を使用しても何ら差し支えない。また、本発明の複合材料の特性を損なわなければ、上記式(I)で表されるシランカップリング剤とこれらシラン系カップリング剤以外の表面改質剤を同時に使用しても何ら差し支えない。
次に、無機酸化物(A)を含有する水性コロイド溶液に添加する表面改質剤(B)の添加量および添加方法について説明する。表面改質剤(B)の添加量が少なすぎると重合性化合物に置換する場合に無機酸化物が均一に分散せず、透明性の優れた重合性組成物およびその硬化物が得られない場合があるので好ましくない。そのため、表面改質剤(B)の好ましい添加量は、無機酸化物(A)100重量部に対して、好ましくは10〜500重量部、さらに好ましくは10〜350重量部、特に好ましくは10〜250重量部である。ここで、予め加水分解、部分的加水分解、2分子以上縮合した化合物を添加する場合にも上記の量を添加することが好ましい。また、表面改質剤(B)として上記のアルコキシシラン化合物を用いる場合、その添加方法には特に制限はないが、無機酸化物(A)を含有した水性コロイド溶液に表面改質剤(B)のアルコキシシラン化合物の水性有機溶媒溶液を直接添加する方法や、予め表面改質剤(B)を加水分解したものを添加することができる。予め加水分解したものを添加する場合には、アルコキシシラン化合物に水、またはアルコールと酸性水の均一溶液をアルコキシシラン1モルに対して0.5モル以上添加して、室温から還流温度で数分間から数十時間の範囲で処理した溶液を使用する方法を採用することができる。
無機酸化物(A)を含有した水性コロイド溶液の固形分濃度は、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは1〜30重量%である。1重量%未満であると希薄すぎて重合性化合物に置換するときにコロイド溶液の分散媒である有機溶媒もしくは水等の除去量が多くなることや、重合性化合物(C)の添加量が少なくなり過ぎて、重合性組成物の生産性の悪化を招く恐れがある。一方、固形分濃度が50重量%を超えるとコロイド溶液が不安定となり、ゲル化し易くなるので好ましくない。
重合性組成物の好ましい調製方法の一例について述べると、無機酸化物の水性コロイド溶液をそのまま、もしくはメタノール、エタノールもしくはイソプロピルアルコール等のコロイド溶液がゲル化しない水性溶媒と混合して、コロイド溶液中の固形分濃度が1〜30重量%の範囲になるように調製する。この溶液にアルコキシシラン化合物を添加した後、室温から還流温度の範囲で数分間から数十時間攪拌した後、重合性化合物を添加する。このとき、アルコキシシラン化合物とメタノール等の水性溶媒とを先に均一に混合した中に、無機酸化物の水性コロイド溶液を所望の固形分濃度になるように加えて攪拌しても何ら差し支えない。また、上記したようにアルコキシシラン化合物を予め加水分解、部分的な加水分解、または2分子以上が縮合した化合物に誘導したものをコロイド溶液に添加し攪拌してもよい。ここで、コロイド溶液の透明性を低下させたり、ゲル化を誘発させなければアルコキシシラン化合物を添加後、直ちに置換したい重合性化合物をコロイド溶液中に添加したり、両者を同時に添加して攪拌してもよい。また、無機酸化物(A)を含有したコロイド溶液が酸性溶液でない場合には、コロイド粒子がゲル化しなければアルコキシシラン化合物の加水分解速度を調整し、また無機酸化物へのアルコキシシラン化合物の親和性を促進するために、コロイド溶液中に酸性化合物を加えてもよい。酸性化合物として、無機酸または有機酸を使用することができ、無機酸としては例えば、フッ化水素、臭化水素および塩酸等のハロゲン化水素酸や硝酸、硫酸、燐酸等の鉱酸が挙げられる。有機酸としては、例えば蟻酸、酢酸、蓚酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。中でも塩酸、酢酸が好ましく利用できる。また、無機酸化物(A)を含有したコロイド溶液がアルカリ溶液であるとシランカップリング剤が単独でゲル化する恐れがあるので好ましくない。
次に、上記のアルコキシシラン化合物を添加したコロイド溶液の分散媒であるアルコール類や水等を重合性化合物に置換する方法は特に限定はされず、公知の方法が使用できる。例えばコロイド溶液中に所定量の重合性化合物を直接添加し、均一になるまで攪拌した後、常圧で加熱したりロータリーエバポレータ等で加熱減圧してアルコール類や水を除去してもよいし、常圧で還流によりアルコール類や水を除去しながら重合性化合物を徐々に添加してもよい。ここで、分散媒の除去法および除去量についてさらに詳しく説明すると、ロータリーエバポレータ等で一度に除去するのではなく、除去したい溶媒100重量部に対して60重量部(溶媒の約60重量%)程度を一旦除去した後、イソプロピルアルコール等の水と共沸可能な溶媒を60重量部程度加え、再度加熱減圧して除去することが好ましい。これにより重合性化合物への無機酸化物の均一な分散が可能となり、目的物の重合性組成物が得られる。重合性組成物には(E)コロイド安定化剤が(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜150重量部、より好ましくは0.1〜100重量部、特に好ましくは0.1〜80重量部含有される。重合性組成物から(E)コロイド安定化剤等の酸性化合物やハロゲン等の不純物を除去しようとする場合には、公知の方法で除去すればよい。例えば、重合性組成物を水、アルカリ溶液で洗浄したり、モレキュラーシーブス、ゼオライト、Al、Mg、Si等を成分とする酸性化合物吸収剤(例えばキョーワード:協和化学工業(株)製)を添加して酸性化合物を吸収もしくは吸着させたり、重合性組成物単独もしくはその有機溶媒との希釈物から透析膜や限外濾過法で除去してもよいし、さらに重合性組成物を重合して得られる硬化物、あるいはその硬化物を粉砕物にした後に、酸性化合物が可溶な水または水性有機溶媒などの溶媒を用いて洗浄したり、アルカリ水溶液で中和して除去してもよい。また、ゼオライト、モレキュラーシーブス、酸性化合物吸収剤、透析膜、限外濾過膜等にて通常の方法を利用して除去してもよい。重合性組成物を重合して得られる硬化物、あるいはその硬化物の粉砕物を複合材料に使用する場合には、(E)コロイド安定化剤は完全に除去されていることが好ましい。
本発明に用いられる(C)重合性化合物としては、従来公知のものであれば、その種類は特に限定されるものではなく種々の重合性化合物が用いられる。好ましくは下記に示す重合可能な単官能性、二官能性および多官能性(メタ)アクリル酸エステル、ウレタン化合物類もしくはポリエステルジ(メタ)アクリレート化合物を使用することができ、使用目的に応じて適宜選択される。その一例を示すと、次のとおりである。
(i)単官能重合性化合物
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロキシエチルハイドロゲンフタレート、β−(メタ)アクリロキシエチルハイドロゲンサクシネート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレン(メタ)アクリレート、N−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)−N−フェニルグリシン、N−(メタ)アクリロイルグリシン、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸無水物等の(メタ)アクリル酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、(メタ)アクリルアルデヒドエチルアセタール等のビニルエーテル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等のアルケニルベンゼン類;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル類;(メタ)アクリルアルデヒド、3−シアノ(メタ)アクリルアルデヒド等の(メタ)アクリルアルデヒド類;(メタ)アクリルアミド、N−スクシン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド類;(メタ)アクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸等の(メタ)アクリル酸類もしくはそれらの金属塩類;アシッドホスホエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル燐酸等の燐酸エステル基を含有する重合性化合物もしくはそれらの金属塩類;アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸等のスルホン酸基を含有する重合性化合物もしくはそれらの金属塩類であり、特にメチルメタクリレート、エチルメタクリレートがより好ましい。
(ii)二官能重合性化合物
一般式(II)
ここで、fは1〜30の整数で、R9およびR10はそれぞれ独立してHもしくは炭素数1〜5のアルキル基を表す、
で示される化合物。例えば、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、エイコサンジオール等のジ(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートのような水酸基を有するビニル化合物とヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフオロンジイソシアネート、メチルビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)のようなジイソシアネート化合物との付加物から誘導されるウレタン系重合性化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートのような水酸基を有するビニル化合物とジイソシアネートメチルベンゼン、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのような芳香族含有ジイソシアネート化合物との付加物から誘導される芳香族環とウレタン結合を有する(メタ)アクリレート系重合性化合物;2,2−ビス((メタ)アクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリロキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、2−(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロキシジプロポキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシイソプロポキシフェニル)プロパン等の芳香族環とエーテル結合を有する(メタ)アクリレート系重合性化合物が挙げられる。これらのうち、特にトリエチレングリコールジメタクリレート、ジ(メタクリロキシエチル)トリメチルヘキサメチレンジウレタンを用いることがより好ましい。
(iii)三官能以上の重合性化合物
分子中に3個以上のエチレン性不飽和基を有する(メタ)アクリレート化合物としては下記化合物を挙げることができる。下記式(III)で示される化合物。なお、式(III)で示される化合物は2種以上を一緒に使用してもよい。
式中、R11、R12、R13は、それぞれ独立して、下記式
(ここで、g=1〜10、h=0〜2、R15はHもしくは炭素数1〜5のアルキル基)で示される基でありそしてR14はH、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基を示すか、あるいは
R11、R12、R13、R14は、それぞれ独立して、下記式
(ここで、g=1〜10、h=0〜2、R15はHもしくは炭素数1〜5のアルキル基)で示される基である。
上記式(III)で表される化合物としては、例えば、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールブタントリ(メタ)アクリレート、トリ(メチレンオキシル)メチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリ(エチレンオキシル)メチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリ(プロピレンオキシル)メチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリ(ジエチレンオキシル)メチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリ(ジプロピレンオキシル)メチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でもトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
また、下記式(IV)で表される化合物。
式中、R16、R17、R18、R19、R20、R21は、それぞれ独立して、下記式
(ここで、i=1〜10、j=0〜2、R22はHもしくは炭素数1〜5のアルキル基)で示される基であるか、あるいは
R16、R17、R20、R21は、それぞれ独立して、下記式
(ここで、i=1〜10、j=0〜2、R22はHもしくは炭素数1〜5のアルキル基)で示される基でありそしてR18およびR19は、それぞれ独立して、H、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基を示す。
上記式(IV)で示される化合物としては、例えばジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でもジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
また、分子中にエチレン性不飽和基を有するポリエステルジ(メタ)アクリレート化合物としては、下記式(V)、(VI)および(VII)で表される化合物が挙げられる。
(式中、k、k’、m、m’は1〜10、1およびnは0〜7且つ1+n≧1、R23およびR28は、それぞれ独立して、Hもしくは炭素数1〜5のアルキル基であり、R24、R25、R26、R27はそれぞれ独立してH、炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
で表される化合物。
(式中、oは1〜10、pは0〜7、qは1〜10、R29およびR30はそれぞれ独立してHもしくは炭素数1〜5のアルキル基で示される基を示す。)
で表される化合物。
(式中、Yは−(CH2)s−、−CH2CH(CH3)−、−CH2C(CH3)2CH2−、−CH2C6H10CH2−、−CH2CH2(OCH2CH2)t−、
等で示される基であり、sは2〜6、tは1〜15、uは1〜10、vは1〜5、R31およびR32は、それぞれ独立して、Hもしくは炭素数1〜5のアルキル基であり、Zは−CH2CH2−、
等で示される基およびrは1〜3の整数である。)
で表される化合物。
ここで、上述したポリエステルジ(メタ)アクリレートは一分子中に複数個のエステル結合および(メタ)アクリロイル基を有するもので、一般に、多塩基酸無水物と水酸基を持つ(メタ)アクリレートとの反応、または多塩基酸、多価アルコールおよび(メタ)アクリル酸との脱水反応によって得られる全てのものを指す。
上記(V)、(VI)および(VII)で表される化合物はそれぞれ2種類以上を一緒に使用してもよい。また、前記式(V)において、k=m=5および1+n=2、もしくはk=m=5および1+n=4であるポリエステルジ(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、さらに好ましくは式(V)において、k=m=5、k’=m’=1および1+n=2、もしくはk=m=5、k’=m’=1および1+n=4でR24、R25、R26、R27がCH3である下記式(VIII)示されるポリエステルジ(メタ)アクリレートである。
式(VIII)
二官能以上の重合性化合物には、例えばトリエチレングリコールアクリレートメタクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレートジメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートジメタクリレートのようにメタクリレート基とアクリレート基を一分子中に併せ持つ化合物も含まれる。
ここで、単官能化合物を単独で使用すると強度等が劣る可能性があるため二官能以上の重合性化合物と混合して使用するのが好ましい。なお、本発明の重合性組成物中における重合性化合物(C)の含有量は、付与するX線造影性や操作性から、無機酸化物(A)100重量部に対して、好ましくは10〜1000重量部、さらに好ましくは10〜800重量部、特に好ましくは10〜600重量部である。
本発明に使用される重合開始剤(D)としては、熱または光重合開始剤、レドックス系開始剤等、公知の重合開始剤が制限無く用いられる。熱重合開始剤としては有機過酸化物、ジアゾ系化合物等が好ましく使用できる。重合を短時間で効率よく行いたい場合には、80℃での分解半減期が10時間以下である化合物が好ましい。有機過酸化物としては、例えばアセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジアリルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類;tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルネオデカネート、クメンパーオキシネオデカネート等のパーオキシエステル類;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド等の過酸化スルホネート類が挙げられる。ジアゾ系化合物としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)等を挙げることができる。特にベンゾイルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルが好ましい。また、レドックス開始剤としてアミン等の還元剤を併用することもできる。また、光重合開始剤としては、光増感剤単独または光増感剤および光重合促進剤の組み合わせが使用できる。光増感剤としては、例えばベンジル、α−ジケトン化合物、カンファーキノン、α−ナフチル、p,p’−ジメトキシベンジル、ペンタジオン、1,4−フェナントレンキノン、ナフトキノンやジフェニルトリメチルベンゾイルフォスフィンオキシド等のアシルフォスフィンオキシド誘導体の如き、可視光あるいは紫外光照射で励起され重合を開始する公知の化合物類が挙げられる。これらは1種類または2種類以上を一緒に使用できる。特に、カンファーキノン、ジフェニルトリメチルベンゾイルフォスフィンオキシドが好ましく使用される。
光重合促進剤としては、ベンゾイルオキシド等の有機過酸化物やアシルホスフィンオキサイドまたはその誘導体、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸、p−N,N−ジエチルアミノ安息香酸、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−N,N−ジエチルアミノ安息香酸エチル、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸メチル、p−N,N−ジエチルアミノ安息香酸メチル、p−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸2−n−ブトキシエチル、p−N,N−ジエチルアミノ安息香酸2−n−ブトキシエチル、p−N,N−ジメチルアミノベンゾニトリル、p−N,N−ジエチルアミノベンゾニトリル、p−N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、p−ジメチルアミノフェネチルアルコール、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、N−エチルエタノールアミン等の第三級アミン類、前記第三級アミンとクエン酸、リンゴ酸、2−ヒドロキシプロパン酸との組み合わせ、5−ブチルアミノバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸等のバルビツール酸類、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物を挙げることができ、1種類もしくは2種類以上を混合して用いてもよい。特に、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸2−n−ブトキシエチル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等の芳香族に直接窒素原子が結合した第三級芳香族アミンもしくは重合性基を有する脂肪族第三級アミン、アシルホスフィンオキシドまたはその誘導体が好ましく用いられる。硬化を速やかに終了させるには、光増感剤と光重合促進剤との組み合わせが好ましく、カンファーキノンとp−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸2−n−ブトキシエチル等の芳香族に直接窒素原子が結合した第三級芳香族アミンのエステル化合物、またはアシルホスフィンオキシドの組み合わせが好ましく用いられる。光重合促進剤は、重合開始剤100重量部に対して、好ましくは1〜100重量部の範囲で使用される。本発明における重合開始剤(D)の配合量は、(A)、(B)、(C)成分の合計100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部で、より好ましくは0.01〜1重量部である。
重合性組成物への重合開始剤の添加は、重合性コロイド溶液が調製された後に混練機を用いて添加してもよいし、無機酸化物の凝集を生起させずまたコロイド溶液の透明性に影響を与えなければ重合性コロイド溶液の調製段階で重合開始剤を有機溶媒に溶解させたものを添加し重合性コロイド溶液中に分散させても何ら差し支えない。
重合性組成物の硬化物を得るための重合方法は特に制限されず、公知の重合方法が利用できる。また、重合性組成物の硬化物の粉砕物(F)を得る場合には、通常、金型に重合性組成物を入れ加熱圧縮成型機にて0.1〜20MPaの圧力下、60〜200℃で数分間〜数時間熱硬化する方法が、重合操作が簡便であるため好ましく利用できる。この硬化物をボールミル、ジェットミル等の乾式粉砕機、もしくはアペックスミル等の湿式粉砕機を使用して硬化物の粉体とすることで粉砕物が得られる。必要であれば篩等で所望の粒子径になるように分級して使用してもよい。硬化物の粉砕物の粒子径は、平均粒子径として1〜100μmが好ましく、さらに好ましくは1〜50μm、特に好ましくは1〜35μmである。また、硬化物を粉砕する場合、粉砕時に過酸化物が発生するため、これをそのまま重合性化合物に配合するとペーストの保存安定性が著しく劣る可能性がある。そこで、発生した過酸化物を低減させるために亜硫酸ナトリウム水溶液で処理した後に水洗乾燥したり、窒素雰囲気下および気流下で60℃〜180℃、好ましくは80℃〜150℃で数分間から数十時間、好ましくは数時間から数十時間加熱処理して使用することが好ましい。
このように重合開始剤を配合した重合性組成物を重合することで硬化物が得られる。ここで重合性組成物の安定性を向上させるために、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ヒンダードアミン等の公知の重合禁止剤を添加してもよい。添加量としては特に制限は無いが、重合性化合物に対して50〜5000ppmの範囲が好ましい。
重合性組成物の硬化物の透明性としては、利用される用途の調色に影響しない程度の透明感があればよいが、一般には硬化物の厚さが2.0mmで可視光線波長の560nmにおける光透過率が1%以上であることが好ましく、2%以上がより好ましい。
また、上記透明性と同時に重合性組成物の硬化物のX線造影性は使用する用途によって決定すればよいが、歯科で使用される一般的なレントゲンの感度(JIS T6514−1993の5.11のX線造影性試験に準拠して測定)から、一般には硬化物の厚さが2.0mmでAl当量が45%以上、好ましくは55〜400%、さらに好ましくは80〜300%以上である。
次に、歯科用および工業用複合材料について説明する。上記の重合性組成物の硬化物の粉砕物を重合性化合物に配合した複合材料の硬化物の透明性としては、重合性組成物の硬化物の場合と同様に利用される用途の調色に影響しない程度の透明感があればよいが、一般には複合材料の硬化物の厚みが2.0mmで可視光線波長の560nmにおける光透過率が1%以上であることが好ましく、2%以上がより好ましい。
重合性組成物の硬化物の粉砕物の複合材料中の配合量は、必要なX線造影性、粘度、操作性等により決定され、複合材料中の重合性化合物100重量部に対して、好ましくは1〜80重量部、より好ましくは5〜70重量部である。
本発明の重合性組成物の硬化物の粉砕物は歯科用複合材料中に、複合材料の操作性、複合材料の硬化物のX線造影性、透明性、研磨後の光沢、接着性レジンセメントとして使用されたときの余剰硬化物除去の容易性の付与を目的に配合される。
複合材料中の重合性化合物は前記重合性組成物に使用される重合性化合物(C)が同様に使用される。
複合材料の操作性や、その硬化物の物性等を考慮すると複合材料中にさらに無機充填材を配合することが好ましい。その形状としては、球状体であっても不定形体であってもよく、粒子径と共に適宜選択される。無機充填材の種類にも公知のものが使用でき、例えば、周期律第I、II、III、IV族、遷移金属およびそれらの酸化物、水酸化物、塩化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、燐酸塩、珪酸塩、およびこれらの混合物、複合塩等が挙げられる。より詳しくは、二酸化珪素、ストロンチュウムガラス、ランタンガラス、バリウムガラス等のガラス粉末、石英粉末、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、バリウム塩、ガラスビーズ、ガラス繊維、フッ化バリウム、鉛塩、タルクを含有するガラス粉末、コロイダルシリカ、シリカゲル、ジルコニウム酸化物、スズ酸化物、炭素繊維、その他のセラミックス粉末等である。無機充填材はそのまま使用しても差し支えないが、表面改質剤を用いて重合性化合物と無機充填材との間に親和性を高めて無機充填材の配合量を向上させたりする等の目的で疎水化することが好ましい。表面改質剤としては、上記のものが制限無く使用でき、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランが特に好ましく用いられる。表面改質方法としては、ボールミル、V−ブレンダー、ヘンシェルミキサー等で表面改質剤単独、表面改質剤をエタノール水溶液等の有機溶剤と水とが均一に混合した有機溶剤含有の水溶液で希釈したものを無機充填材に添加して混合した後、50℃〜150℃で数分間〜数時間熱処理する方法(乾式法)、無機充填材をエタノール等の有機溶剤、またはエタノール水溶液等の有機溶剤と水とが均一に混合した溶液、もしくは水に加えてスラリー状にし、上記の表面改質剤を加えて室温〜還流温度で数分間〜数時間処理し溶媒をデカンテーションやエバポレーション等公知の方法で除去した後、50℃〜150℃で数時間熱処理する方法(湿式、スラリー法)、高温の無機充填材に表面改質剤をそのまま、または上記の水溶液を直接噴霧する方法(スプレー法)を挙げることができ、各シランカップリング剤や無機充填材の性状を加味した方法で適宜処理すればよい。もちろん、市販品が既に表面改質されている無機充填材はそのまま使用してもよいし、上記の方法等でさらに表面改質を追加してもよい。なお、上述のエタノール水溶液は中性であっても酸性であってもよい。無機充填材に対する表面改質剤の量は、無機充填材100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜15重量部であり、0.1〜10重量部が特に好ましい。
また、無機充填材の平均粒子径は硬化表面の光沢性、透明性を付与するために、好ましくは0.01〜5μmの範囲であり、より好ましくは0.01〜3μmで、さらに好ましくは0.01〜1μm、特に好ましくは0.01〜0.1μmである。上記の利点を発揮させるために、例えばR972、R972V、R972CF、RX200、RY200、R202、R805、R976、R812、R812S等の疎水性アエロジル(日本アエロジル(株))やOX−50または50等の親水性アエロジルと呼ばれているシリカを好ましく用いることができる。これらは高純度の二酸化珪素エアロゾルの疎水化品として市販されているため敢えて表面改質する必要がなく、さらに平均粒子径が0.05μm以下と可視光線の波長よりも一次粒子径が小さいために、これを配合した硬化物は可視光線が乱反射し難く、透明感のある硬化物が得られることから好ましく使用できる。これらの中でもR972、R812、R812S、R805が好適である。
さらに、本発明の特性を損なわない範囲で、機械的強度の付与や粘度調整のために平均粒径が5〜100μm、好ましくは5〜30μmの充填材をさらに添加してもよい。
無機充填材の配合量は、無機充填材の形状、粒子径、複合材料の粘度等を考慮して選択され、(C)重合性化合物100重量部に対し、好ましくは10〜900重量部、より好ましくは10〜600重量部、さらに好ましくは10〜400重量部の範囲である。
また、上記の透明性と同時に複合材料の硬化物のX線造影性は使用する用途によって決定すればよいが、歯科で使用される一般的なレントゲンの感度から、一般には複合材料の硬化物の厚みが2.0mmでAl当量が45%以上、好ましくは55%〜400%、さらに好ましくは80%〜300%である。
本発明の重合性組成物およびその硬化物、さらにはこれを粉砕して得られる硬化物の粉砕物を含む複合材料の用途としては特に限定はないが、歯科用の用途としてはシーラント、裏層材、接着性レジンセメント、レジン充填材(コンポジットレジン)、硬質レジン、人工歯等の歯科用複合材料が挙げられる。また、歯科用以外の工業用途としては、ハードコート材、樹脂用バインダー、従来無機ガラスが使用されていた家屋や車両の窓ガラス、さらには耐紫外線もしくは耐放射線が要求されるシールド材、樹脂等の劣化防止材等の工業用複合材料に使用できる。
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の光透過率(%)は厚さ2.0mmの硬化物を分光光度計(UV−160A、島津社製)を用いて560nmの可視光線波長において測定した。X線造影性(JIS T6514−1993の5.11に記載の方法に準拠)は、厚さ2.0mmの円形状の硬化物をX線制御装置(PCX−100、朝日レントゲン工業社製)にてX線撮影した後、デンシトメーター(PDA15、コニカ社製)にて、同じ厚さのAl板の影像の濃さを基準(100%)としてAl当量(%)として算出した。また、圧縮強度は可視光照射器(α−Light、モリタ社製)にて3分間光照射することによって得られた直径3mm、厚さ3mmの円筒形硬化物を、水中(37℃)に24時間浸漬後、オートグラフ(AGS−2000G、島津製作所社製)を用いてクロスヘッドスピード 2.0mm/minで測定した。
実施例1
ナスフラスコに、水分散ジルコニアゾル(CHEMAT社製 ジルコニア20重量%、酢酸15重量%、水65重量%:ジルコニア粒子径5〜10nm)100重量部、メタノール(以下MeOHと略す)400重量部およびγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(以下γ−MPTSと略す)20重量部を入れ、室温下で48時間攪拌した。次に、トリメチロールプロパントリメタクリレート(以下TMPTと略す)を45重量部入れ数分間攪拌した後、ロータリーエバポレータにて減圧下40℃で溶媒を250重量部留去した。留去された溶媒と同等量のイソプロピルアルコール(以下IPAと略す)を加え、再度ロータリーエバポレータで減圧下60℃でほとんどの溶媒が留去するまで濃縮した後、乾燥機にて80℃の温度下で6時間減圧乾燥することにより溶媒を重合性化合物であるTMPTで置換し、全量が85重量部の透明感のある重合性組成物(ジルコニア濃度20重量%)を得た。
この重合性組成物100重量部に対し重合開始剤として過酸化ベンゾイル(以下BPOと略す)を0.3重量部添加し、厚さ2.0mmの金型に充填した後、加熱圧縮成型機にて0.5MPaの圧力下、120℃で10分間熱重合を行った。得られた透明感のある複合組成物の硬化物について560nmの可視光線波長における光透過率(%)およびX線造影性をAl当量(%)で評価した(表1)。
実施例2
TMPTの添加量を22重量部とした以外は実施例1と同様の方法にて調製し(ジルコニア濃度26重量%)、その硬化物の光透過率およびX線造影性を評価した(表1)。
実施例3
TMPTの添加量を11.5重量部とした以外は実施例1と同様の方法にて調製し(ジルコニア濃度30重量%)、その硬化物の光透過率およびX線造影性を評価した(表1)。
実施例4
重合性化合物が前記式(IV)で示されるジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート(以下D−TMPと略す)と前記式(V)で示されるポリエステルアクリレート系化合物であるHX−220(日本化薬社製)とのモル比がD−TMP/HX−220=1/2である均一な混合物であること以外は実施例3と同様の方法で調製し(ジルコニア濃度30重量%)、その硬化物の光透過率およびX線造影性を評価した(表1)。
実施例5
セパラブルフラスコに、MeOH分散チタニアゾル(触媒化成工業(株)製表面をシリカ−ジルコニアでコートしたチタニア30重量%、MeOH70重量%:チタニア粒子径8〜11nm)100重量部にMeOH100重量部を入れ、均一になるまで数分間攪拌した。これに0.1重量%の酢酸水溶液46重量部にγ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン76重量部を加え、室温にて1時間攪拌することにより予め加水分解させた均一な加水分解溶液121.8重量部を入れ、90℃のオイルバス中にて数分間攪拌した。次に、MeOH100重量部を徐々に除去しながら14重量部のTMPTを同時に滴下した。室温に冷却後、IPAを400重量部加え、ロータリーエバポレータにて減圧下40℃で溶媒を留去し、乾燥機にて80℃の温度下で6時間減圧乾燥することにより溶媒をTMPTで完全に置換し、全量が120重量部の透明感のある重合性組成物(チタニア濃度25重量%)を得た。
この重合性組成物120重量部に対し重合開始剤としてBPOを0.3重量部添加し、実施例1と同様の方法で複合組成物の硬化物を得た。得られた透明感のある硬化物の光透過率およびX線造影性を評価した(表1)。
実施例6
0.1重量%の酢酸水溶液を26重量部、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランを43重量部、TMPTを13重量部とした以外は実施例5と同様の方法にて調製し(チタニア濃度35重量%)、その硬化物の光透過率およびX線造影性を評価した(表1)。
実施例7
0.1重量%の酢酸水溶液を26重量部、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランを43重量部、TMPTを6重量部とした以外は実施例5と同様の方法にて調製し(チタニア濃度38重量%)、その硬化物の光透過率およびX線造影性を評価した(表1)。
比較例1
一次粒子径20nmのジルコニア粉体(日本アエロジル社製試作品)100重量部をエタノール(以下EtOHと略す)1000重量部、γ−MPTS5重量部、蒸留水1重量部の混合溶媒中に加え、2時間還流した。次に、EtOHをロータリーエバポレータで除去後、乾燥機にて80℃、窒素雰囲気下で10時間減圧乾燥した。改質後のジルコニア粉体をTMPT100重量部に対し30重量部配合し、BPOを0.3重量部添加した後、実施例1と同様の方法で硬化物を調製したが、透明感の全くない白色の硬化物であった。この硬化物の光透過率およびX線造影性を評価した(表1)。
比較例2
ナスフラスコに、水分散ジルコニアゾル(ジルコニア20重量%、酢酸15重量%、蒸留水65重量%:ジルコニア粒子径5〜10nm)100重量部、MeOH400重量部を入れ、室温下で48時間攪拌した。次に、TMPTを32重量部入れ数分間攪拌した後、ロータリーエバポレータにて減圧下40℃で溶媒を留去した。留去された300重量部の溶媒と同等量のIPAを加え、再度濃縮して溶媒をTMPTで完全に置換し全量を67重量部としたが、透明感の全くない白色の複合組成物(ジルコニア濃度30重量%)であった。
この複合組成物67重量部に対し重合開始剤としてBPOを0.3重量部添加し、厚さ2.0mmの金型に充填した後、加熱圧縮成型機にて0.5MPaの圧力下、120℃で10分間熱重合を行った。得られた白色の硬化物の光透過率およびX線造影性を評価した(表1)。
実施例8
重合性化合物がジ(メタクリロキシエチル)トリメチルヘキサメチレンジウレタン(以下UDMAと略す)およびトリエチレングリコールジメタクリレート(以下3Gと略す)を75/25重量%比の均一な混合物である以外は実施例5と同様の方法で調製した(チタニア濃度25重量%)。その硬化物の光透過率およびX線造影性を評価した(表1)。また、圧縮強度を測定した結果、440MPaであった。
比較例3
UDMAおよび3Gを75/25重量%比で混合した重合性化合物100重量部に対し、カンファーキノン0.3重量部、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸2−n−ブトキシエチル0.06重量部、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.084重量部配合し、光重合性化合物とした。この光重合性化合物100重量部に一次粒子径21nmのチタニア粉体(T−805、日本アエロジル社製)を25重量部添加した後、これを可視光照射器α−ライト(モリタ社製)を用いて3分間光照射することによって得られた厚さ2.0mmの円形状硬化物は、透明感の全くない白色の硬化物であった。この硬化物の光透過率およびX線造影性を評価した(表1)。また、圧縮強度測定用の試験片の作製を試みたが、照射面の裏側が十分に硬化せず、測定は不可能であった(試験片の厚みである3.0mmまで硬化しない)。
実施例9
実施例3で得られた硬化物をボールミルにて粉砕し、目開き53μmの篩で篩ったパス品を回収した。これを蒸留水およびEtOHで洗浄した後、乾燥機にて80℃の温度下で2時間減圧乾燥した(平均粒子径29μm:以下T/Zr−1と略す)。次に、3G、1,3−ビス(メタクリロキシエトキシ)ベンゼン(以下RDMAと略す)および2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン(以下2.6Eと略す)を3G/RDMA/2.6E=15/25/60重量%比で均一に混合した重合性化合物100重量部に対し、カンファーキノン0.3重量部、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸2−n−ブトキシエチル0.06重量部、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.084重量部配合し、光重合性化合物とした。
この光重合性化合物100重量部にT/Zr−1を42重量部、疎水性コロイダルシリカであるR972(日本アエロジル社製)18重量部を配合した光重合性化合物を得た。これを可視光照射器α−ライト(モリタ社製)を用いて3分間光照射することによって、透明感のある複合材料の硬化物を得た。この硬化物の光透過率、X線造影性および圧縮強度を評価した(表2)。
実施例10
実施例4で得られた硬化物をボールミルにて粉砕し、目開き53μmの篩で篩ったパス品を回収した。これを蒸留水およびEtOHで洗浄した後、乾燥機にて80℃の温度下で2時間減圧乾燥した(平均粒子径26μm:以下D/Zr−2と略す)。次に、実施例9と同様の光重合性化合物100重量部にD/Zr−2を42重量部、R972を18重量部配合し、実施例9と同様の方法で透明感のある複合材料の硬化物を得た。この硬化物の光透過率、X線造影性および圧縮強度を評価した(表2)。
比較例4
比較例1で得られた硬化物をボールミルにて粉砕し、目開き53μmの篩で篩ったパス品を回収した(平均粒子径27μm:以下Zr−3と略す)。次に、実施例9と同様の光重合性化合物100重量部にZr−3を42重量部、R972を18重量部配合し、実施例9と同様の方法で硬化物を調製したが、透明感の全くない硬化物であった。この硬化物の光透過率、X線造影性および圧縮強度を評価した(表2)。
比較例5
比較例2で得られた硬化物をボールミルにて粉砕し、目開き53μmの篩で篩ったパス品を回収した(平均粒子径28μm:以下Zr−4と略す)。次に、実施例9と同様の光重合性組成物100重量部にZr−4を42重量部、R972を18重量部配合し、実施例9と同様の方法で硬化物を調製したが、透明感の全くない硬化物であった。この硬化物の光透過率、X線造影性および圧縮強度を評価した(表2)。
比較例6
TMPT/UDMA=90/10重量%比の重合性化合物100重量部にR972を44.4重量部、BPOを0.5重量部加えたのち、加熱圧縮成型機にて0.5MPaの圧力下、120℃で10分間熱重合を行った。得られた硬化物をボールミルにて粉砕し、目開き53μmの篩で篩ったパス品を回収した(平均粒子径23μm:以下T−90fと略す)。次に、実施例9と同様の光重合性化合物100重量部にT−90fを42重量部、R972を18重量部配合し、実施例9と同様の方法で硬化物を調製した。この硬化物の光透過率、X線造影性および圧縮強度を評価した(表2)。
実施例11
実施例9で得られたT/Zr−1を58.2重量%、GM8235の表面処理品40重量%、N−フェニルグリシンのNa塩1.8重量%をボールミルで混合して均一な粉材とした。
2−ヒドロキシエチルメタクリレート/エポキシ樹脂(VR−90 昭和高分子(株)製)/2.6E/3G/4−メタクリロキシトリメリット酸無水物/4−メタクリロキシトリメリット酸/ベンゾイルペルオキサイド/2,6−ジ−tert−ブチルレゾルシン/4−メトキシフェノールをぞれぞれ39/15/15/10/16/4/1/0.06/0.03重量%で混合して均一なモノマー混合物とした。
粉材とモノマー混合物を乳鉢に等容量採取して、均一に混練した後、直ちに実施例9と同様の光透過率測定用およびX線造影性のモールドに充填した。
560nmの可視光線波長における光透過率は50%、X線造影性はAl当量で150%であり、透明性があり、しかもX線造影性にも優れる歯科用セメント材料としての好適な特性を有していた。
なお、GM8235の表面処理品は以下のようにして調製した。
室温下でセパラブルフラスコにエタノールを316mL、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを100g、精製水を20g添加して均一溶液にした。この溶液を攪拌しながらバリウムガラス(平均粒子径:1μm、ショット社製 GM8235)1kgを徐々に添加して、スラリーにした。次に、このスラリーを2時間加熱還流した後、エバポレータにて溶媒を留去した。得られた粉体を窒素雰囲気下で80℃で48時間加熱して、GM8235の表面処理品を得た。
実施例12
ナスフラスコに、実施例1と同様の水分散ジルコニアゾル100重量部、MeOH400重量部およびY−MPTS20重量部を入れ、室温下で48時間攪拌した。次に、TMPTを11.5重量部入れ数分間攪拌した後、ロータリーエバポレータにて減圧下40℃にて溶媒を250重量部留去した。これにBPO0.3重量部をIPA250重量部に溶解させた溶液を添加し、再度ロータリーエバポレータでほとんどの溶媒が留去するまで濃縮した後、バットに取り出し60℃の温度下で6時間減圧乾燥することにより溶媒を重合性化合物であるTMPTで置換し、全量が52重量部の透明感のある重合性組成物(ジルコニア濃度30重量%)を得た。
この重合性組成物を厚さ2.0mmの金型に充填した後、加熱圧縮成型機にて0.5MPaの圧力下、120℃で20分間熱重合を行った。その結果、得られた透明感のある複合組成物の硬化物の可視光線波長(560nm)における光透過率は71.4%でX線造影性はAl当量で281%であった。
実施例13
実施例12で得られた硬化物をボールミルにて粉砕し、目開き53μmの篩で篩ったパス品を回収した。これを蒸留水及びEtOHで洗浄した後、80℃の温度下で2時間減圧乾燥した(平均粒子径25μm:以下D/Zr−3と略す)。次に、実施例9と同様の光重合性化合物100重量部にD/Zr−3を42重量部、R972を18重量部配合し、実施例9と同様の方法で透明感のある複合材料の硬化物を得た。その結果、この硬化物の光透過率は4.3%、X線造影性はAl当量で133%、圧縮強度は453MPaであった。
発明の効果
本発明により、優れた透明性およびX線造影性を共に有する重合性組成物、これを重合した硬化物および硬化物の粉砕物を含有する複合材料が得られる。これにより、歯科材料への応用範囲が広がることはもちろんのこと、歯科材料以外の工業用途への幅広い応用が可能である。
Claims (23)
- (A)X線造影性を有する、平均粒子径100nm以下の無機酸化物、(B)表面改質剤および(C)重合性化合物を含有する重合性組成物。
- (D)重合開始剤をさらに含有する請求項1に記載の重合性組成物。
- 無機酸化物(A)が均一分散している重合性コロイド溶液状態にある請求項1または2に記載の重合性組成物。
- X線造影性を有する、平均粒子径100nm以下の無機酸化物の水性有機溶媒中の水性コロイド溶液と表面改質剤(B)との混合物を、重合性化合物(C)で処理して、該混合物中の水性有機溶媒と水を該重合性化合物(C)で置換して調製された請求項3に記載の重合性組成物。
- (E)コロイド安定化剤をさらに含有する請求項1または2に記載の重合性組成物。
- コロイド安定化剤(E)が酢酸である請求項5記載の重合性組成物。
- 無機酸化物(A)がZrO2および/またはTiO2を主な構成成分とする請求項1〜6のいずれかに記載の重合性組成物。
- 無機酸化物(A)の平均粒子径が1〜100nmである請求項1〜7のいずれかに記載の重合性組成物。
- 無機酸化物(A)100重量部に対して表面改質剤(B)10〜500重量部および重合性化合物(C)10〜1000重量部である請求項1に記載の重合性組成物。
- 重合開始剤(D)の含有量は、(A)、(B)、(C)成分の合計100重量部に対して0.01〜5重量部である請求項2〜4のいずれかに記載の重合性組成物。
- コロイド安定剤(E)の含有量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜150重量部である請求項5または6に記載の重合性組成物。
- 表面改質剤(B)がアルコキシシラン化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の重合性組成物。
- 表面改質剤(B)が下記式(I)で示される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の重合性組成物。
SiR1 aR2 b(OR3)c ...(I)
式中、R1およびR2は、互いに独立に、エーテル結合、エステル結合、エポキシ結合または炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜20の置換基、または、その置換基中に窒素原子、硫黄原子、燐原子を含んでいてもよい。R3は水素原子またはエーテル結合、エステル結合もしくは炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜20の置換基、またはその置換基中に窒素原子、硫黄原子、燐原子を含んでいてもよい。a、bは0〜3の整数、c=4−a−bであって、1〜4の整数を表す。 - 表面改質剤(B)が上記式(I)で示される化合物の少なくとも1種類を、予め、加水分解、部分的な加水分解、または2分子以上縮合せしめた化合物である請求項13に記載の重合性組成物。
- 厚み2.0mmの硬化物が560nmの可視光線波長の光透過率が1%以上であり且つX線造影性がAl当量で45%以上である請求項2または5に記載の重合性組成物。
- 請求項15の重合性組成物の硬化物またはその粉砕物。
- 平均粒子径が1〜100μmである請求項16記載の粉砕物。
- 請求項16記載の粉砕物を含有する複合材料。
- (C)重合性化合物、(D)重合開始剤および(F)請求項16記載の粉砕物を含有する複合材料。
- 請求項16記載の粉砕物を含有する歯科用複合材料。
- (C)重合性化合物、(D)重合開始剤および(F)請求項16記載の粉砕物を含有する歯科用複合材料。
- 厚み2.0mmの硬化物が560nmの可視光線波長の光透過率が1%以上であり且つX線造影性がAl当量で45%以上である請求項21記載の歯科用複合材料。
- 重合性化合物(C)が単官能性、二官能性および多官能性(メタ)アクリル酸エステル、ウレタン化合物およびポリエステルジ(メタ)アクリレート化合物よりなる群から選ばれる1種以上の化合物である請求項1の重合性組成物または請求項19の複合材料または請求項21の歯科用複合材料。
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