JPS649851B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は電動送風機を内蔵した真空式の電気掃
除機に関するものである。

従来例の構成とその問題点 第１図は従来のこの種電気掃除機における電動
送風機の設置部分を示すもので、すなわち、電動
送風機１は電気掃除機本体２に内設され、そのフ
アン部３の外周は防振ゴム４で、モーター部５の
後方は防振ゴム６でそれぞれ保持してある。また
フアン部３の中央には吸込口７が、モーター部５
の後方には排気口８が開口している。９はモータ
ー部５の外周に設けた通気性の防音板、１１は電
気掃除機本体２の後方の排気口１０の内側に設け
た防音板である。

上記構成において、電動送風機１の運転にとも
ない、フアン部３の吸込口７から吸引された空気
はモーター部５内を冷却した後、その排気口８よ
り排出され、次いで防音板９により吸音されなが
らそれを通過し、同じく防音板１１で吸音され
て、排気口１０より排出される。

電動送風機１は運転にともない振動を起こす。
この振動が電気掃除機本体２に伝わつて振動音と
ならないよう防振ゴム４，６はゴム、あるいは発
泡ゴム等の軟質材で形成されている。

ところが、電動送風機１は通常鉄、銅等の材料
でできているため、重く、その重量が防振ゴム
４，６の下方にかかる。その結果、せつかく軟質
材で形成された防振ゴム４，６が圧縮されて、硬
くなり、その防振性能が低下する。したがつて、
従来では電動送風機１の振動が防振ゴム４，６の
下方を伝わつて振動音となり、騒音が高いという
欠点があつた。

発明の目的 本発明はこのような従来の欠点を解消したもの
で、防振ゴムに電動送風機の重量及び吸込力がか
かつて、防振性能が低下し、振動音が発生するの
を防止したものである。

発明の構成 本発明は電動送風機を水平方向に内蔵した掃除
機本体と、この電動送風機の排気側外周に設けた
防音筒とを具備し、この防音筒は、上記電動送風
機のフアン部外周に設けた前方弾性材とモータ部
後方に設けた後方弾性材とで支持し、上記前方弾
性材は、その前方よりエアータイト用のリツプ
を、外周より外方向への薄板部をそれぞれ有し、
この薄板部の外周端を斜め後方へ引張つて掃除機
本体に固定することで電動送風機を同掃除機本体
内につり下げ状態に支持したものである。

したがつて、電動送風機は薄板部で確実に防振
的に支持されるものである。また薄板部に後方へ
の張力を作用させることによつてリツプの負担を
軽減させることができる。これは、リツプを柔ら
かくしてエアータイト性を向上させる上で非常に
有効である。

実施例の説明 以下その実施例を添付図面とともに説明する。
第２図において、１２は電気掃除機本体で、その
前方にはゴミを吸込むための吸気口１３が開口し
ている。１４はフイルターで、その後方に電動送
風機１５が内設されている。上記電動送風機１５
は、そのフアン部１６の外周が防振用弾性材１７
で、モーター部１８の後方が防振用弾性材１９で
それぞれ保持されており、またモーター部１８の
外側は防音材２０を貼り付けた防音筒２１で囲つ
てある。フアン部１６の前方中央部には吸込口２
２が開口しており、モーター部１８の後方外周に
は排気口２３が開口している。また防音筒２１に
も排気口２４が開口している。電気掃除機本体１
２の後方には排気口２５が設けてあり、その内側
に通気性の吸音材２６が設けられている。

ところで先の弾性材１７は、フアン部１６の外
周を保持するとともに、防音筒２１の外周をも保
持し、そして電気掃除機本体１２内に狭持され
て、電動送風機１５と防音筒２１全体をつり下げ
ることになる。またその形状はフアン部１６の前
方にリツプ２７を形成するとともに、防音筒２１
の外周においてはほぼ電動送風機１５の中央部ま
で後方に延在するとともに、電動送風機１５の外
周方向で、かつ後方へ延びる薄板部２８が形成さ
れ、その先端２９で電気掃除機本体１２に止めら
れている。リツプ部２７は薄く軟らかく形成さ
れ、薄板部２８は後方へ引張られて設けてある。

上記構成において、電動送風機１５の運転にと
もない、本体１２の前方に設けた吸気口１３から
吸い込まれた空気はフイルター１４によつてゴミ
が分離され、電動送風機１５のフアン部１６の中
央に設けた吸込口２２からフアン部１６へ流入
し、モーター部１８の排気口２３から排出され
る。

この空気流は吸音材２０により吸音され、防音
筒２１の排気口２４から出て、吸音材２６に吸音
され、排気口２５より電気掃除機本体１２から排
気される。この時の音は防音筒２１内で吸音、遮
音され、また吸音材２６により吸音されて、低騒
音化することができる。

電動送風機１５の振動は、防振用弾性材１７，
１９によつて吸収される。しかしながら、その振
動の一部は防音筒２１へ伝わるが、この防音筒２
１及び電動送風機１５全体が弾性材１７より本体
１２からつり下げられているため、従来よりも本
体１２へ伝わる振動は非常に低いものとなる。こ
れに加えて、弾性材１７が本体１２内でつり下げ
られている構造のため、従来のように電動送風機
１５の重さによつて弾性材１７の下方が圧縮され
てその弾性がそこなわれ、防振効果が低下すると
いうこともない。つり下げ部を形成する薄板部２
８は電動送風機１５の上部では引つ張り力を受
け、下方ではすこしたわんだ形となる。また、こ
の薄板部２８は電動送風機１５の中央近くに設け
てあるため、電動送風機１５の重心近くをつり下
げることになり、つり下げのバランスがとれる。
さらには薄板部２８は後方に引つ張つて取り付け
てあるため、フアン部１６の吸込みにより電動送
風機１５が前方へ動こうとするのを防止でき、し
かも本体１２とのシールはリツプ２７により行な
われるため、弾性材１７が圧縮されて防振性能が
低下するというような事はない。

発明の効果 上記実施例から明らかなように本発明は、電動
送風機の外側に防音筒を設け、電動送風機を弾性
材を介して防音筒で保持するとともに、この防音
筒、電動送風機全体を電気掃除機本体内に弾性材
にて後方に張架することにより、防振効果を大き
く向上させ、低騒音の電気掃除機を提供できるも
のである。また本発明では前方弾性材のリツプに
加わる負荷が小さいため、そのリツプを柔らかく
設定でき、その分電動送風機吸引側のエアータイ
ト性を向上して吸込特性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電気掃除機の電動送風機取付部
部分の断面図、第２図は本発明の実施例を示す電
気掃除機の断面図であり。 １２……電気掃除機本体、１５……電動送風
機、１７……弾性材、１９……弾性材、２１……
防音筒、２８……薄板部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 電動送風機を水平方向に内蔵した掃除機本体
   と、この電動送風機の排気側外周に設けた防音筒
   とを具備し、この防音筒は、上記電動送風機のフ
   アン部外周に設けた前方弾性材とモーター部後方
   に設けた後方弾性材とで支持し、上記前方弾性材
   は、その前方よりエアータイト用のリツプを、外
   周より外方向への薄板部をそれぞれ有し、この薄
   板部の外周端を斜め後方へ引張つて掃除機本体に
   固定することで電動送風機を同掃除機本体内につ
   り下げ状態に支持した電気掃除機。