JP7209095B2 - ファン集合体懸架装置 - Google Patents

Description

本発明は、ファン集合体懸架装置に関し、特に、ファン集合体を備えた筐体（例えば電気掃除機）に関する。

欧州特許出願公開ＥＰ２４０８３４５は、少なくとも塵区画とモータ区画とに分離された筐体を有する電気掃除機を開示している。また、掃除機は、モータ室内に配置されたモータと、塵埃室とモータとの間の空気ガイドとを有する。モータは、少なくとも１つのばねを有する懸架システムによってモータ区画内に懸架される。

中国実用新案ＣＮ２０３２８０３３３Ｕは、モータの減衰構造を有する集塵器を開示しており、集塵器は、モータを収容するためのモータフードと、モータの一端で座屈された固定ベースと、モータフードと固定ベースとの間に配置された減衰ばねと、を有する。減衰ばねを介してモータを減衰させるため、モータの振動により発生する低周波騒音が低減される。集塵器は、カバーと、モータをカバーに封止するように配置された封止部材とを更に有する。

米国特許ＵＳ９９８６８８２は、主筐体と、主筐体の内側に位置する吸引室と、主筐体を通って吸引室内に流体通路を提供する吸引室吸気口と、吸引室と流体連通する吸引モータ吸気口を有し、吸引室吸気口から吸引室へ及び吸引モータ吸気口への空気の流れを生成するように構成された吸引モータとを有する中央真空クリーナを開示している。吸引モータは、上部シェルと凹部を含む下部シェルとによって形成されるエンクロージャ内に収容される。吸引モータの下端は凹部内に適合し、吸引モータと凹部との間に下部ガスケットが介在し、下部ガスケットは振動低減機能を提供し、場合によっては封止機能も提供する。更に、吸引モータは、吸引モータの上端を通過するストラップ状の材料からなるブラケットによって下部シェル上に保持され、ブラケットの各端は、下部シェルに接続される。振動が吸引モータからブラケットへ通過するのを減らすのを助けるために、ブラケットと吸引モータの頂部との間に上部ガスケットを設けることができる。

別の従来技術のファン集合体懸架装置では、ファン集合体は、扇入口／排出口の周りの弾性リングによって、及びファン集合体のモータ側の弾性結合ブロックによって、筐体に取り付けられる。振動力は、多くの望ましくないノイズをもたらすようである。

とりわけ、本発明の目的は、改善されたファン集合体懸架を提供することにある。本発明は、独立請求項によって定義される。有利な実施例は、従属請求項に規定されている。

本発明の一態様によれば、筐体（例えば掃除機）は、回転可能なファンが取り付けられた部分と、回転可能なファンを駆動するモータと、を持つファン集合体と、を有する。モータは、部品の第１の側に取り付けられ、弾性懸架装置は、ファン入口又はファン出口を筐体に結合するために、部品の第１の側とは反対側の第２の側に取り付けられる。クランプ機構は、ファン集合体を筐体に向かって押圧するために設けられ、クランプ機構の一端は、筐体に取り付けられ、弾性懸架装置と同じファン集合体の側にあり、クランプ機構の別の端は、ファン集合体に取り付けられ、ファン集合体の質量中心付近のモータの部分の位置又はモータの位置にある。前記クランプ機構は、ばね、例えば、前記筐体にロックイン特徴を介してクランプされるワイヤばねを備えても良い。好適には、クランプ機構の共振周波数は、ファン集合体の共振回転周波数と一致しない。前記クランプ機構は、前記部品を前記筐体に向かって押圧するように配置されることが好ましい。好適には、クランプ機構は、部品の周りの等距離位置に少なくとも２つ、好適には３つのクランプを有する。前記モータの回転軸の軸方向における前記クランプ機構のばね定数は、前記弾性懸架装置のばね定数よりも小さいことが好ましい。このようなファン集合体懸架装置を備えた装置（例えば電気掃除機）は、ノイズがより少なくなる。

本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施例から明らかになり、それを参照して説明される。

本発明によるファン集合体懸架装置の実施例を示す。 本発明によるファン集合体懸架装置の実施例を示す。 本発明によるファン集合体懸架装置の実施例を示す。

図１は、本発明によるファン集合体懸架装置の実施例を示す。筐体Ｈは、回転可能なファンが取り付けられた部分Ｐと、回転可能なファンを駆動するためのモータＭと、を持つファン集合体を有し、モータＭは、部分Ｐの第１の側に取り付けられている。部分Ｐの第１の側とは反対の第２の側の弾性懸架装置Ｓは、ファン入口又は出口Ｉ／Ｏを筐体Ｈに結合する。クランプ機構Ｃは、部分Ｐを筐体Ｈに向かって押圧する。弾性懸架装置Ｓは、ゴムリングのような粘弾性懸架要素であっても良い。

欧州特許出願公開ＥＰ２４０８３４５に示されているように、ファン集合体のモータ側の懸架部品を取り外すことで、振動力をその側を介して筐体に伝達することはできない。集合体のモータ側での径方向振動力は、集合体の回転運動に変換され、その質量Ｚの中心の周りで集合体の回転運動に変換される。従って、新しい懸架装置の重要な要素は、ファン集合体の片側に（粘）弾性懸架部品を、クランプ機構Ｃのような同じ側の固体材料構成要素と組み合わせて、ファン集合体を筐体Ｈに向かって押圧することである。好適な実施例では、ワイヤばねが使用され、該ワイヤばねは、外部筐体でロックイン特徴を介してクランプされる。ばねは、好適には、ばねの共振周波数がファン集合体の共振回転周波数の外側になるように設計される。

クランプ機構Ｃの全てのばね／クランプは、共に、懸架装置Ｓのばね定数ｋ（Ｓ）を１０のファクタで超えないばね定数ｋ（Ｃ）(軸方向クランプ方向）を持つべきである。同等のばね定数値を目標とするのが好適である。又は、ｋ（Ｃ）＜＜ｋ（Ｓ）とするのがより好適である。最後の場合では、振動の支配的な部分は、懸架装置Ｓを介して筐体に伝達され、一方、クランプ機構Ｃを介した振動伝達は、無視できるであろう。対照的に、ｋ（Ｃ）＞＞ｋ（Ｓ）の場合、振動は、主にクランプ機構Ｃを介して、部分Ｐから筐体Ｈに伝達される。このことは、懸架装置機能を役立たないものにするであろう。

図１に示すように、ファン集合体は、弾性懸架装置Ｓによって筐体Ｈに懸架され、またクランプ機構Ｃによっても懸架され、良好で安定した懸架のためには、ファン集合体が懸架された筐体Ｈの部分が筐体Ｈの他の部分と良好に連結され、固定された全体を表す比較的大きな質量を形成することが有利である。

図２及び３は、電気掃除機に使用されるような、本発明によるファン集合体懸架の実施例の側面図及び断面図を示す。それらは、ファン集合体が吊り下げられている筐体Ｈの部分が、筐体Ｈの他の部分と良好に接続されていることを示している。空気流の上流には、扇の空気入口の前に空気入口グリッドＡＩＧがある。図３の断面に示すように、部分Ｐの内部には、モータＭによって駆動される回転可能なファンＦがあり、部分Ｐの第１の側にモータＭが取り付けられ、即ち、部分ＰにモータＭが取り付けられ、その一方の辺から延びている。図３は更に、空気入口グリルＡＩＧが装着されたプレートのリブ付き構造を示しており、このリブ付き構造は筐体Ｈ内に剛性を作り出し、それを他の筐体構成要素に接続し、その結果、付加的な剛性及び結合質量をもたらし、良好で安定したファン集合体懸架をもたらし、結果としてノイズがより少なくなる。

上述の実施例は、本発明を限定するのではなく、例示するものであり、当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの代替実施例を設計することができることに留意されたい。１つの代替実施例において、筐体Ｈに取り付けられていないクランプＣの側面は、集合体の質量中心Ｚ付近で、部分Ｐに取り付けられず、モータＭに取り付けられる。いずれの場合でも、ファン集合体のモータ側が、部分Ｐと質量中心Ｚの両方から離れた位置で懸架部分がない場合には実用的である。部分Ｐの周囲に等距離の位置に２個以上のクランプＣが配置されても良い。図２に示すように３個のクランプを有することが、寸法が大きくなり過ぎずに最も安定した状態を提供するために好適である。

弾性懸架装置Ｓは、ファン集合体の吸気部分を筐体Ｈに吊り下げるために、螺旋ばね、ワイヤばね、ブレードばねなどの任意のタイプのばね（又はばねとの組み合わせ）を含むことができ、電気掃除機集合体の場合、欧州特許出願公開ＥＰ２４０８３４５に記載されている空気ガイドのように、筐体Ｈと部品Ｐとの間に封止機能もあることが重要である。この従来技術の空気ガイド自体は、本発明の枠組みにおいて弾性懸架装置として機能するには柔軟すぎる。しかしながら、ゴムリングのような粘弾性懸架装置は、ファンの入口部分を懸架するためのばねとして、及び空気封止としての両方の役割を果たすのに十分であろう。

請求項において、括弧の間に付された参照記号は、請求項を限定するものと解釈してはならない。単語「有する（comprising）」は、請求項に列挙されたもの以外の要素又はステップの存在を排除するものではなく、要素に先行する単語「１つの（a又はan）」は、複数のそのような素子の存在を排除するものではない。有利には、相互に異なる従属請求項に記載された手段を組み合わせて使用することができる。

Claims (7)

1. 筐体であって、
   回転可能なファンが装着された部分と、前記回転可能なファンを駆動するためのモータと、を持ち、前記モータは、前記部分の第１の側に装着された、ファン集合体と、
   前記筐体にファン入口又は出口を結合するための、前記部分の前記第１の側の反対側である第２の側における弾性懸架装置と、
   前記筐体に向けて前記ファン集合体を押圧するためのクランプ機構であって、前記クランプ機構の一方の端は、前記筐体に装着され、前記ファン集合体の前記弾性懸架装置と同じ側にあり、前記クランプ機構の他方の端は、前記ファン集合体に装着され、前記ファン集合体の質量中心に近い、前記部分の位置又は前記モータの位置にある、クランプ機構と、
   を有する筐体において、
   前記クランプ機構はばねを有する、筐体。
2. 前記ばねは、ロックイン機構を介して前記筐体にクランプされたワイヤばねである、請求項１に記載の筐体。
3. 前記クランプ機構の共振周波数は、前記ファン集合体の共振回転周波数と一致しない、請求項１又は２に記載の筐体。
4. 前記クランプ機構は、前記筐体に向けて前記部分を押圧するよう構成された、請求項１乃至３のいずれか一項に記載の筐体。
5. 前記クランプ機構は、前記部分のまわりに等間隔で少なくとも２つの、好適には３つのクランプを有する、請求項１乃至４のいずれか一項に記載の筐体。
6. 前記モータの回転軸の軸方向における前記クランプ機構のばね定数は、前記弾性懸架装置のばね定数よりも小さい、請求項１乃至５のいずれか一項に記載の筐体。
7. 前記筐体は電気掃除機である、請求項１乃至６のいずれか一項に記載の筐体。

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