JP5416902B2 - 電気掃除機 - Google Patents

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Description

本発明は、電動送風機を収容するケースに電動ケースの発生する振動を絶縁する防振支持部を備えた電気掃除機に関する。
一般に電気掃除機は、掃除機本体に収容された電動送風機の作動によって生じる負圧を利用して、掃除機本体に連通された集塵ホースの先端に設けられた吸込口体から空気とともに床などの被掃除面に溜まった塵埃を吸い込み、掃除機本体に内装された高速分離方式の塵埃除去手段あるいはフィルタで塵埃を捕獲して、被掃除面の掃除を行うものである。
電気掃除機に用いる電動送風機では作動流体である空気中に必ず不必要な圧力変動が引き起こされ、この圧力変動が周囲に伝ぱして騒音になる。例えばファン部の動翼の運動につれて空間には周期的な圧力変動が起こり、この圧力変動が騒音として伝ぱする。また、電動送風機では、サージングなどの流体的な振動と、回転体のアンバランスによる機械的な振動とが生じる。このような電動送風機の騒音や振動を防振する防振支持部の条件は、振幅の小さい位置を充分に柔らかく支持することが望ましい。また、電動送風機の径方向にはその重量、軸方向には電動送風機の作動によって生じる吸引力を支持する必要がある。
そこで、特許文献1には、電動送風機の重心近くと掃除機本体との間に、この掃除機本体に設けた外周リングを介して設置されたばね部材と、モータと掃除機本体との間に空隙を設けて設置された衝撃吸収用の後部弾性体と、ファン部外周と掃除機本体との間に空隙を設けて設置された衝撃吸収用の前弾性体とを用いて、電動送風機を掃除機本体に弾性支持する電気掃除機が記載されている。
図5は、従来の電気掃除機の電動送風機を収容する掃除機本体の部分的な断面図である。
図5に示すように、特許文献1に記載された従来の電気掃除機40は、掃除機本体2と、掃除機本体2内に形成された電動送風機収容室42と、引張弾性支持体43によって弾性支持されて電動送風機収容室42内に収容された電動送風機10とを有する。
引張弾性支持体43は、掃除機本体2に設けられた内周リング45と、電動送風機10の重心近くに形成されたファン部端面46と取付リブ47との間に設けられた外周リング48と、一端を内周リング45に、他端を外周リング48に固定されて引張力が付勢されたバネ材であるコイルバネ49とから構成される。電動送風機10の軸方向と径方向とは、引張弾性支持体43によって弾性支持される。
電動送風機10のファン部には、ゴム質の略円筒形状の衝撃吸収用の前弾性体50が取り付けられる。掃除機本体2の内壁には、固着された環状の前リブ51と、電動送風機10の軸方向に突設された端リブ52とが形成される。前リブ51および端リブ52と前弾性体50との間は空隙53によって離間される。
電動送風機10のモータ部10fの軸受ハウジング部10dには、ゴム質の円筒形状の衝撃吸収用の後部弾性体56が取り付けられる。後部弾性体56の周囲には、掃除機本体2の内壁から後リブ57が突設される。後リブ57と後部弾性体56との間は空隙58によって離間される。
電動送風機10の吸込口10aには、吸込口10aに連通する孔の縁部に円筒ツバ部59が形成された円板形状のシール60が設けられる。掃除機本体2内に形成された集塵部61と電動送風機収容室42との仕切り板62には、シール60の端部が当接される。
図6は、従来の電気掃除機の電動送風機を弾性支持する弾性支持体の電動送風機の軸方向の特性を示す図である。
図6に示すように、引張弾性支持体43のコイルバネ49によって弾性支持された電動送風機10は、その軸方向に加わる力と変位との関係が非線形な特性になる。すなわち、電動送風機10の軸方向に加えられた微小な振動に対してはコイルバネ49によって柔軟に支持され、電動送風機10の吸引力によって生じる静的な力や掃除機本体2に落下衝撃などによる大きな力に対しては強く支持される。
また、特許文献2には、掃除機本体に吸気口を上方に向けて収容された電動送風機と、電動送風機のモータと掃除機本体との間に設置された衝撃吸収用の後部弾性体と、電動送風機のファン部外周と掃除機本体との間に設置された衝撃吸収用の前弾性体とを用い、前弾性体または後部弾性体のいずれかにコイルバネを用い、他方の弾性体には軟質なゴム材等を用いて電動送風機を掃除機本体に弾性支持する電気掃除機が記載されている。
特開平5−84194号公報 特開2003−135338号公報
特許文献1に記載の従来の電気掃除機の電動送風機は、引張力を付勢されたコイルバネによって掃除機本体内に引張弾性支持され、その径方向に働く力は柔軟に支持され、他方その軸方向に働く力は軸方向の変位の増加に伴い強く支持される。したがって、電動送風機の作動によって生じる振動が掃除機本体に伝達されるのを防ぐことができる。
また、特許文献2に記載の従来の電気掃除機の電動送風機は、吸込口を上方に向けられて掃除機本体内に弾性支持され、その径方向、すなわち掃除機本体の水平方向に働く力は減衰率が大きいゴム材等の弾性体によって支持され、他方その軸方向、すなわち掃除機本体の上下方向に働く力は減衰率が小さいコイルバネによって弾性支持される。
ここで、騒音や振動の防振の観点では、防振支持部を構成するコイルバネのバネ定数は小さいことが好ましい。他方、電動送風機の作動によって生じる吸引力に抗して電動送風機の軸方向を支持する部材には所要の剛性を必要とする。しかし、特許文献1に記載の従来の電気掃除機の電動送風機では、電動送風機を保持するコイルバネのバネ定数を小さくすると、電動送風機の作動によって生じる吸引力による電動送風機の軸方向の変位を保持するための十分な空間を必要とする。すなわち、電動送風機を収容する空間を小さくすることができない。
特許文献2に記載の従来の電気掃除機の電動送風機では、その径方向の振動の防振がゴム材等の弾性体によって行われるが、ゴム材等の弾性体は減衰率が大きく、所要の周波数域の振動の防振には効果があるが、他の周波数域では減衰率が大きいほど振動の伝達率が大きくなる。
また、例えば電動送風機を電動送風機ケースに収容し、この電動送風機ケースを電気掃除機本体内に収容することで電動送風機の作動による騒音と振動とを防音、防振する場合がある。この場合、電動送風機ケースが収容される掃除機本体の小型化のためには、電動送風機ケースも小型化が図られる必要があるが、特許文献1、2に記載の従来の電気掃除機の電動送風機の防振支持部によっては、防振と小型化との両立が困難である。
本発明は、掃除機本体に収容される電動送風機を弾性支持して、電動送風機の作動による騒音と振動を防音、防振でき、かつ電動送風機が収容される空間を小型化できる電気掃除機を提案する。
前記の課題を解決するため本発明では、塵埃を含んだ空気を電気掃除機に吸い込む電動送風機と、前記電動送風機が収容される電動送風機ケースと、前記電動送風機ケースに設けられ、前記電動送風機の径方向に圧縮力を付勢され前記電動送風機を弾性支持する防振支持部と、前記電動送風機と前記電動送風機ケースとの軸方向に設けられ、前記電動送風機のファンカバー側端部と前記電動送風機ケースとの間、および前記電動送風機の排気側ケース部材側端部と前記電動送風機ケースとの間それぞれに挟まれ、かつ前記電動送風機の軸方向に圧縮力を付勢された一対のコイルバネによって弾性支持する軸方向防振支持部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、掃除機本体に収容される電動送風機を弾性支持して、電動送風機の作動による騒音と振動を防音、防振でき、かつ電動送風機が収容される空間を小型化できる電気掃除機を提案することができる。
本発明に係る電気掃除機の実施形態について添付図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
本発明に係る電気掃除機の第1実施形態について、図1から図3を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気掃除機の外観を示した図である。
図1に示すように、本実施形態に係る電気掃除機1は、掃除機本体2と、掃除機本体2に設けられた接続口2aに一端が着脱白在に接続された集塵ホース3と、集塵ホース3の他端に一端が設けられた手元操作管4と、手元操作管4の他端に一端が着脱自在に接続された延長管5と、延長管5の他端に着脱自在に接続された吸込口体6とを備える。
手元操作管4には操作部4aが設けられ、操作部4aには掃除機本体2に収容された電動送風機10の駆動を停止する切スイッチ4bや電動送風機10の送風力を設定する強弱スイッチ4cなどが設けられる。
吸込口体6には、下面に塵埃を吸引する吸込開口(図示省略)が形成され、吸込口体6内部に形成された吸込室(図示省略)に連通される。この吸込室は延長管5と手元操作管4と集塵ホース3とを介して接続口2aから掃除機本体2内へ連通される。
掃除機本体2は、その内部に収容され、接続口2aを介して吸込口体6に負圧を作用させる電動送風機10と、電動送風機10の生じた負圧によって空気とともに吸い込んだ塵埃を空気から分離して集塵する着脱可能な塵埃分離集塵ユニット(図示省略)と、この塵埃分離集塵ユニットに塵埃が捕集された空気を電動送風機10の排気風として掃除機本体2の外部に排気する排気口(図示省略)とを備える。
図2は、本発明の第1実施形態に係る電気掃除機の電動送風機を収容する電動送風機ケースと電動送風機とを部分的に切り欠いて示した斜視図である。
なお、図2に示された電動送風機10は、そのケーシングのみ示している。
図2に示すように、電気掃除機1の電動送風機10は、掃除機本体2に収容された電動送風機ケース12内に弾性支持体13によって圧縮弾性支持される。
電動送風機ケース12は、吸込側ケース部材15と、排気側ケース部材16とから構成される。
吸込側ケース部材15は、略円筒形状に形成され、掃除機本体2と電動送風機10の吸込口10aとを連通させる孔を有するシール部材17が嵌め込まれたシール部材取付孔12aが形成された吸込口側壁部12bを一端に有し、他端が開放される。
吸込口側壁部12bと電動送風機10の吸気口10aが形成されたファンカバー10bとの間には、圧縮力fが付勢されたコイルバネ18が挟持される。電動送風機10のファンカバー10bには、電動送風機10の遠心ファン(図示省略)外周に対向させて形成された環状の段差部10cが形成される。電動送風機ケース12の吸込口側壁部12bには、電動送風機10に形成された段差部10cに対応させた段差部12cが形成される。コイルバネ18の電動送風機10側の端部は、段差部10cに係止され、コイルバネ18の吸込側ケース部材15側の端部は、段差部12cに係止される。
排気側ケース部材16は、軸直交方向断面が略方形の管状に形成され、電動送風機10のモータ部のロータを回動可能に軸支する軸受(図示省略)が収容される軸受ハウジング部10dが、圧縮力fが付勢されたモータ支持部コイルバネ19を介して弾性支持される軸受用挿入凸部12dが突設された排気口側壁部12eを一端に有し、他端が開放される。排気側ケース部材16の側壁は、電動送風機10の排気口10eと離間させて開口されたケース排気口12fを有する。
コイルバネ18とモータ支持部コイルバネ19とは、電動送風機10の軸方向変位を弾性支持して振動を絶縁する軸方向防振支持部であって、コイルバネ18とモータ支持部コイルバネ19とによって、電動送風機ケース12内に収容された電動送風機10の軸方向が支持される。
すなわち、電動送風機10は、コイルバネ18によって、電動送風機10の作動によって生じる吸引力に抗して電動送風機10の軸方向変位が支持され、かつ電動送風機10の作動によって生じる軸方向の振動が防振される。さらに、電動送風機10の非作動時は、コイルバネ18とモータ支持部コイルバネ19とによって、電動送風機10の軸方向変位が弾性支持される。
電動送風機ケース12は、シール部材取付孔12aとケース排気口12fとに設けられたゴム質の円筒状の保持部材(図示省略)によって掃除機本体2に保持されて収容される。電動送風機ケース12には、ABSなどの樹脂が使用される。
吸込側ケース部材15の開口側端部には、吸込側ケース部材15の円筒状の胴部と、排気側ケース部材16の略方形の管状に形成された胴部との断面形状の差を封止させる吸込側ケース鍔部15aが形成される。吸込側ケース部材15の吸込側ケース鍔部15aの周縁から長手軸方向に突設された吸込側ケース結合部20と、排気側ケース部材16の開口端部の一端に形成された排気側ケース結合部21とによって、吸込側ケース部材15と排気側ケース部材16とが一体的に嵌合される。また、排気側ケース部材16は吸込側ケース部材15に螺着される。
排気側ケース部材16の軸直交方向断面が略方形の管状に形成された胴部は、排気側ケース結合部21に連続し、吸込側ケース部材15の円筒状の胴部の直径と同等な辺の長さに形成された大径筒部22と、大径筒部22に連続させて形成された小径筒部23とから構成される。大径筒部22と小径筒部23との間には、排気側ケース部材16の開放された端部に対向する方形枠状の段差面24が形成される。弾性支持体13は、排気側ケース部材16の段差面24と、吸込側ケース部材16の開口側端部に形成された吸込側ケース鍔部15aとの間に挟持される。
したがって、排気側ケース部材16の大径筒部22によって弾性支持体13の径方向変位が拘束され、排気側ケース部材16の段差面24と吸込側ケース結合部20の吸込側ケース鍔部15aとによって弾性支持体13の軸方向変位が拘束される。
弾性支持体13は、電動送風機10の発生させる振動を絶縁する防振支持部であって、電動送風機ケース12に設けられた内周リング28と、電動送風機10の重心近くに設けられた外周リング29と、一端を内周リング28に、他端を外周リング29に固定されて圧縮力Fが付勢された弾性支持部材であるコイルバネ30とから構成される。電動送風機10の軸方向と径方向とは、弾性支持体13によって弾性支持される。
シール部材17は、2つの截頭円錐中空体の小口径側をつき合わせて構成され、2つの截頭円錐中空体のつき合わせ部分である小口径部17aが、電動送風機ケース12の吸込口側壁部12bに形成されたシール部材取付孔12aに嵌め込まれる。シール部材17の一方の截頭円錐中空体の大口径開口部17bには鍔が形成され、電動送風機10の吸込口10aの周縁部に当接される。シール部材17の他方の截頭円錐中空体の大口径開口部17cには鍔が形成され、塵埃分離集塵ユニットに連通された掃除機本体2の連通路(図示省略)の周縁部に当接される。シール部材17の小口径部17aに形成された通気路部17dによって掃除機本体2の開口と電動送風機10の吸込口10aとが連通される。すなわち、シール部材17は、掃除機本体2の連通路と電動送風機10の吸込口10aとが連通される風路を構成する。
本実施形態に係る弾性支持体13では、コイルバネ30に圧縮力Fを作用させて電動送風機10を支持するため、コイルバネ30を係止させる内周リング28と外周リング29との離間距離は、同じ線径のコイルバネに引張力を作用させて電動送風機10を支持する場合に必要な離間距離に比べて狭く構成することができる。すなわち、電動送風機10と電動送風機ケース12との離間距離を極力狭く構成し、電動送風機ケース12の外径を小さくできるので電動送風機ケース12の小型化、軽量化が可能になる。
図3は、本発明の第1実施形態に係る電気掃除機の電動送風機を収容する電動送風機ケースと電動送風機とを部分的に切り欠いて示した斜視図である。
図3に示すように、弾性支持体13の内周リング28は、電動送風機10のモータ部10fの外周に周設される。内周リング28の外面には、コイルバネ30が係止される凸部28aが半径方向に突設される。
弾性支持体13の外周リング29は、排気側ケース部材16の大径筒部22の内周に周設され、排気側ケース部材16の段差面24と、吸込側ケース部材16の開口側端部に形成された吸込側ケース鍔部15aとの間に挟持される。外周リング29は、環状に形成された補強リング部29aと、補強リング部29aの円弧から排気側ケース部材16の略方形の大径筒部22の角部に突設され、コイルバネ30が係止される係合凹部29bとから構成される。排気側ケース部材16の大径筒部22の角部には、係合凹部29bが挟持されるリブ22aが形成される。外周リング29には、耐熱性部材として金属部材、例えば帯状鉄板や耐熱性合成樹脂、耐熱性強化合成樹脂が用いられる。
外周リング29に設けられた係合凹部29bと、内周リング28に設けられた凸部28aとは、離間させて対向される。
弾性支持体13のコイルバネ30は、内周リング28と外周リング29との間に所要の本数、例えば4本が放射状に等間隔に離間されて設けられる。コイルバネ30には、圧縮力Fが付勢され、外周リング29に設けられた係合凹部29bと、内周リング28に設けられた凸部28aとに係止される。すなわち、電動送風機10は、電動送風機10の径方向に圧縮力Fを付勢されたコイルバネ30によって内周リング28と外周リング29とを介して電動送風機ケース12内に弾性支持される。コイルバネ30の代わりに、内周リング28と外周リング29との間に圧縮力Fを付勢可能な板バネ、トーションバーなどの他の形式のバネや弾性体を用いて弾性支持体13を構成しても良い。
電動送風機ケース12を介さずに掃除機本体2内に直接的に電動送風機10を弾性支持させる場合には、防振支持部である弾性支持体13の外周リング29が掃除機本体2内に設けられ、塵埃分離集塵ユニットに連通された掃除機本体2の連通路の周縁部と電動送風機10との間に圧縮力fが付勢されたコイルバネ18が挟持され、電動送風機10の軸受ハウジング部10dと掃除機本体2に形成された電動送風機保持リブ(図示省略)との間に圧縮力fが付勢されたモータ支持部コイルバネ19が挟持されることで、本実施形態に係る電気掃除機1と同様な効果を得る。
本実施形態に係る電気掃除機1によれば、電動送風機10の防振支持部を構成するコイルバネ30のバネ定数は小さく構成し、他方、電動送風機の作動によって生じる吸引力に抗して電動送風機の軸方向を支持する部材として、軸方向防振支持部であるコイルバネ18とモータ支持部コイルバネ19とのバネ定数を所要に構成することができる。すなわち、電気掃除機1では、電動送風機10の防振支持部を構成するコイルバネ30のバネ定数を小さくしても、電動送風機10の作動によって生じる吸引力による電動送風機10の軸方向の変位を支持するコイルバネ18とモータ支持部コイルバネ19とのバネ定数を所要に構成して電動送風機を収容する空間を小さくすることができる。
また、本実施形態に係る電気掃除機1によれば、その径方向の振動の防振は、コイルバネ30によって構成される弾性支持体13によって行われ、コイルバネ30はゴム材等の弾性体に比べて減衰率が小さく、広い周波数域の振動の防振に効果がある。
さらに、本実施形態に係る電気掃除機1によれば、その軸方向の振動の防振は、コイルバネ18によって行われ、コイルバネ18はゴム材等の弾性体に比べて減衰率が小さく、広い周波数域の振動の防振に効果がある。
すなわち、本実施形態に係る電気掃除機1によれば、電動送風機ケース12が収容される掃除機本体2の小型化のために、電動送風機ケース12の小型化と、弾性支持体13による防振との両立が可能である。
したがって、本実施形態に係る電気掃除機1によれば、掃除機本体2に収容される電動送風機10を弾性支持して、電動送風機10の作動による騒音と振動を防音、防振でき、かつ電動送風機10が収容される空間を小型化できる。
[第2の実施形態]
本発明に係る電気掃除機の第2実施形態について、図4を参照して説明する。
図4は、本発明の第2実施形態に係る電気掃除機の電動送風機を収容する電動送風機ケースと電動送風機とを部分的に切り欠いて示した斜視図である。
この電気掃除機1Aにおいて第1実施形態の電気掃除機1と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図4に示すように、電気掃除機1Aの電動送風機ケース12Aの吸込口側壁部12bと、電動送風機10の吸気口10aが形成されたファンカバー10bとの間には、圧縮力fが付勢されたコイルバネ18Aが挟持される。電動送風機10のファンカバー10bには、吸気口10aに係止される鍔部が形成され、吸気口10aの周縁を覆うディフューザ32が設けられる。コイルバネ18Aの電動送風機10のファンカバー10b側の端部は、整流体32の外周部に係止される。
コイルバネ18Aとモータ支持部コイルバネ19とは、電動送風機10の軸方向変位を弾性支持して振動を絶縁する軸方向防振支持部であって、コイルバネ18Aとモータ支持部コイルバネ19とによって、電動送風機ケース12内に収容された電動送風機10の軸方向が支持される。
コイルバネ18Aは、電動送風機10の吸気口10a、もしくはシール部材17によって構成される掃除機本体2の連通路と電動送風機10の吸込口10aとが連通される風路の周縁に近接させて形成される。コイルバネ18Aのバネ定数は、コイルバネ18Aの外径に反比例するので、本実施形態に係るコイルバネ18Aでは、バネ定数を大きくすることが容易であり、電動送風機10の作動によって生じる吸引力による電動送風機10の軸方向の変位を支持するコイルバネ18Aの変位量を小さくして電動送風機ケース12Aの小型化を図ることができる。
すなわち、電動送風機10は、コイルバネ18Aによって、電動送風機10の作動によって生じる吸引力に抗して電動送風機10の軸方向変位が支持され、かつ電動送風機10の作動によって生じる軸方向の振動が防振される。さらに、電動送風機10の非作動時は、コイルバネ18Aとモータ支持部コイルバネ19とによって、電動送風機10の軸方向変位が弾性支持される。
シール部材17の一方の截頭円錐中空体の大口径開口部17bには鍔が形成され、電動送風機10の吸込口10aの周縁を覆うディフューザ32に当接される。また、シール部材17の大口径開口部17bに形成された鍔は、ディフューザ32の周縁部に沿って、電動送風機10のファンカバー10bに当接させ、この鍔をコイルバネ18Aの電動送風機10のファンカバー10b側の端部と電動送風機10のファンカバー10bとに挟持させて、シール部材17の大口径開口部17bのシール性を向上させることもできる。
電動送風機ケース12Aを介さずに掃除機本体2内に直接的に電動送風機10を弾性支持させる場合には、防振支持部である弾性支持体13の外周リング29が掃除機本体2内に設けられ、塵埃分離集塵ユニットに連通された掃除機本体2の連通路の周縁部と電動送風機10との間に圧縮力fが付勢されたコイルバネ18Aが挟持され、電動送風機10の軸受ハウジング部10dと掃除機本体2に形成された電動送風機保持リブ(図示省略)との間に圧縮力fが付勢されたモータ支持部コイルバネ19が挟持されることで、本実施形態に係る電気掃除機1Aと同様な効果を得る。
本実施形態に係る電気掃除機1Aによれば、電動送風機10の防振支持部を構成するコイルバネ30のバネ定数は小さく構成し、他方、電動送風機の作動によって生じる吸引力に抗して電動送風機の軸方向を支持する部材として、軸方向防振支持部であるコイルバネ18Aとモータ支持部コイルバネ19とのバネ定数を所要に構成することができる。すなわち、電気掃除機1Aでは、電動送風機10の防振支持部を構成するコイルバネ30のバネ定数を小さくしても、電動送風機10の作動によって生じる吸引力による電動送風機10の軸方向の変位を支持するコイルバネ18Aとモータ支持部コイルバネ19とのバネ定数を所要に構成して電動送風機を収容する空間を小さくすることができる。
また、本実施形態に係る電気掃除機1Aによれば、その軸方向の振動の防振は、コイルバネ18Aによって行われ、コイルバネ18Aはゴム材等の弾性体に比べて減衰率が小さく、広い周波数域の振動の防振に効果がある。
すなわち、本実施形態に係る電気掃除機1Aによれば、電動送風機ケース12Aが収容される掃除機本体2の小型化のために、電動送風機ケース12Aの小型化と、弾性支持体13による防振との両立が可能である。
したがって、本実施形態に係る電気掃除機1Aによれば、掃除機本体2に収容される電動送風機10を弾性支持して、電動送風機10の作動による騒音と振動を防音、防振でき、かつ電動送風機10が収容される空間を小型化できる。
本発明の第1実施形態に係る電気掃除機の外観を示した図。 本発明の第1実施形態に係る電気掃除機の電動送風機を収容する電動送風機ケースと電動送風機とを部分的に切り欠いて示した斜視図。 本発明の第1実施形態に係る電気掃除機の電動送風機を収容する電動送風機ケースと電動送風機とを部分的に切り欠いて示した斜視図。 本発明の第2実施形態に係る電気掃除機の電動送風機を収容する電動送風機ケースと電動送風機とを部分的に切り欠いて示した斜視図。 従来の電気掃除機の電動送風機を収容する掃除機本体の部分的な断面図。 従来の電気掃除機の電動送風機を弾性支持する弾性支持体の電動送風機の軸方向の特性を示す図。
符号の説明
1、1A 電気掃除機
2 掃除機本体
2a 接続口
3 集塵ホース
4 手元操作管
4a 操作部
4b 切スイッチ
4c 強弱スイッチ
5 延長管
6 吸込口体
10 電動送風機
10a 吸込口
10b ファンカバー
10c 段差部
10d 軸受ハウジング部
10e 排気口
10f モータ部
12、12A 電動送風機ケース
12a シール部材取付孔
12b 吸込口側壁部
12c 段差部
12d 軸受用挿入凸部
12e 排気口側壁部
12f ケース排気口
13 弾性支持体
15 吸込側ケース部材
15a 吸込側ケース鍔部
16 排気側ケース部材
17 シール部材
17a 小口径部
17b 大口径開口部
17c 大口径開口部
17d 通気路部
18、18A コイルバネ
19 モータ支持部コイルバネ
20 吸込側ケース結合部
21 排気側ケース結合部
22 大径筒部
22a リブ
23 小径筒部
24 段差面
28 内周リング
28a 凸部
29 外周リング
29a 補強リング部
29b 係合凹部
30 コイルバネ
32 整流体
40 従来の電気掃除機
42 電動送風機収容室
43 引張弾性支持体
45 内周リング
46 ファン部端面
47 取付リブ
48 外周リング
49 コイルバネ
50 前弾性体
51 前リブ
52 端リブ
53 空隙
56 後部弾性体
57 後リブ
58 空隙
59 円筒ツバ部
60 シール
61 集塵部
62 仕切り板

Claims (4)

  1. 塵埃を含んだ空気を電気掃除機に吸い込む電動送風機と、
    前記電動送風機が収容される電動送風機ケースと、
    前記電動送風機ケースに設けられ、前記電動送風機の径方向に圧縮力を付勢され前記電動送風機を弾性支持する防振支持部と、
    前記電動送風機と前記電動送風機ケースとの軸方向に設けられ、前記電動送風機のファンカバー側端部と前記電動送風機ケースとの間、および前記電動送風機の排気側ケース部材側端部と前記電動送風機ケースとの間それぞれに挟まれ、かつ前記電動送風機の軸方向に圧縮力を付勢された一対のコイルバネによって前記電動送風機を弾性支持する軸方向防振支持部とを有することを特徴とする電気掃除機。
  2. 前記一対のコイルバネは前記電動送風機の回転中心線に対して同心状に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機。
  3. 前記軸方向防振支持部は、
    前記電動送風機のファンカバーに形成された環状の段差部と、
    前記電動送風機ケースの吸込口側壁部に形成された段差部とに係止されたコイルバネを有することを特徴とする請求項1または2に記載の電気掃除機。
  4. 前記軸方向防振支持部は、
    前記電動送風機の吸気口の周縁を覆う整流体の外周部に係止されたコイルバネを有することを特徴とする請求項1または2に記載の電気掃除機。
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