JPS6478Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、袋入り味噌に関するものである。

(ロ) 従来の技術 従来の一般の袋入り味噌は、ビニールなどの非
通気性の食品用の袋に味噌をそのまま収納したう
え気密状態に密封している。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 味噌をそのまま食品用の袋に収納したままで
は、黴・酵母菌の発生のため日保ちが極端に悪
く、また、日保ちをよくするために、防腐剤を使
用したり収納後の袋を気密状態に密封して蒸気殺
菌を行つた場合には、風味の劣化、製品の増色な
どの品質低下を免れ得なかつた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は前述の欠点を改善すべく、味噌表面を
クマザサの葉で被覆して非通気性の食品用透明袋
に収納したことを特徴とするものである。

(ホ) 作用 昔から笹の葉は糖尿病や癌に効くとして薬用に
用いられ、特にクマザサの葉には鉄、カリウム、
マグネシウムなどのミネラル成分のほか、ビタミ
ン成分、とりわけビタミンＫの含有が多く、ま
た、制癌及び防腐の作用があるバンホリンを含ん
でいる。本考案によれば、味噌を被覆しているク
マザサの葉のバンホリンが作用して味噌の黴・酵
母菌の増殖を抑制することができ、そして開封後
は、使用の都度、取り出したあとの味噌面を再度
クマザサの葉で被覆しておくことで使用し終わる
まで黴・酵母菌の発生を抑制することができ、ま
た、開封後味噌を別の容器に入れて保存するよう
な場合でもクマザサの葉を前記のように利用する
ことができる。

(ヘ) 実施例 夏期（平均室温約29℃）、防腐剤を使用しない
米味噌300ｇの周面を４枚のクマザサの葉１で被
覆して透明のビニール袋２内に収容し（第１図参
照）、上方を軽く結んだ状態で放置し、２か月後
に観察したところ黴・酵母菌の発生は殆どなく、
同時に放置した防腐剤使用且つ密封包装後に蒸気
殺菌をした300ｇの米味噌と同等の状態であつた。

次に、双方とも開封し、前者は開封側の味噌面
をクマザサの葉で被覆し、後者はそのままの状態
で、いずれも封をしないまま１週間放置したとこ
ろ、前者は黴・酵母菌の発生は殆どなかつたが、
後者は黴・酵母菌の増色が明白であつた。

第２図は別の実施例であるが、この実施例では
角筒状のビニール袋に収容した味噌の上面のみに
クマザサの葉を載置して被覆している。

なお、極めて長期間（６か月）の保存に対して
は、クマザサの葉で被覆したうえ、従来の密封、
蒸気殺菌を併用することで一層保存期間を延長す
ることができる。

(ト) 考案の効果 以上のように本考案によれば、味噌の黴・酵母
菌の発生を抑制することができ、とくに開封後の
日保ちがよく、しかも、透明袋を通して見えるク
マザサの葉の色彩、模様が商品に変化を与えて商
品価値を向上させる効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施した袋入り味噌の断面
図、第２図は別の実施例を示す断面図である。 １……クマザサの葉、２……非通気性の食品用
透明袋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 味噌表面をクマザサの葉で被覆して非通気性の
   食品用透明袋に収納したことを特徴とする袋入り
   味噌。