JPH018538Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、最中菓子の包装形態に関するもの
で、特に、最中の外まわりを構成する種体を湿気
けることなく、かつ内部に収められる餡様の収容
食品を新鮮に日持ちさせるべく包装し、ワンタツ
チ操作で餡様の収容食品を種体の内部に収容して
直ちに食することができるように構成して成る最
中菓子における包装構造に関するものである。

［従来の技術及びその問題点］ 周知のように伝統的な最中菓子は、外まわりを
形成する種体に対して、その内部に直接的に餡あ
るいはこれに類する収容食品を収容したものであ
る。この伝統的な最中菓子は、生菓子である餡等
を種体によつて直接包んであるので、外まわりの
種体が湿気て、種体の芳ばしさを損なうという問
題点を有していた。最近、上述する問題点を解決
する目的において、種体と餡等とをそれぞれ別々
に包装しておき、当該最中を食する際に餡を種体
の内部に移し換えるという構成の最中菓子が開発
されてきている。しかしながら、上述する最中菓
子は、手作り最中という試みによつてなされてい
るもので、たとえば上述する伝統的な最中菓子の
ように、直ちに食することができるようなもので
はなく、食品包装の合理性ならびに機能性の面に
おいて難点を有している。

［考案が解決しようとする課題］ そこで、この考案は、特に最中菓子の外まわり
を形成する種体を湿気させることなく、しかもそ
の内部に収められる餡あるいはこれに類する収容
食品を新鮮に日持ちさせるべく包装し、ワンタツ
チ操作で餡等を種体の内部に収容して直ちに食す
ることができるようになした最中菓子の包装構造
を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ この考案は、上記する目的を達成するにあたつ
て、具体的には、互いに向かい合わせて整合させ
ることにより内部に餡収容室を形成する一対の最
中用種体と、前記一対の最中用種体の合わせ間に
挟み込む餡封入袋体と、前記一対の最中用種体間
に前記餡封入袋体を挟み込んだ状態においてその
外周囲に巻き回す包装用巻紙とからなり、前記餡
封入袋体は、一端縁に沿つて開封用切取部と、他
端縁側に引手部と、前記開封用切取部及び引手部
との間に餡を密封収容する餡収容部とを備え、前
記餡封入袋体における餡収容部を前記最中用種体
によつて形成される餡収容室内に位置させ、前記
開封用切取部を前記最中用種体の一端外方に突出
させ、前記引手部を前記最中用種体の他端外方に
突出させて包装してなる最中菓子の包装構造を構
成する。

［実施例の説明］ 以下、この考案に成る最中菓子の構造につい
て、図面に示す具体的な実施例にもとづいて詳細
に説明する。

この考案になる最中菓子の包装構造は、互いに
向かい合わせて整合させることにより内部に餡収
容室３を形成する一対の最中用種体１，１と、前
記一対の最中用種体１，１の合わせ間に挟み込む
餡封入袋体４と、前記一対の最中用種体１，１間
に前記餡封入袋体４を挟み込んだ状態においてそ
の外周囲に巻き回す包装用巻紙９とからなつてい
る。この考案において、前記最中用種体１は、一
対を一組とし、互いに向かい合わせて整合させる
ことによつて内部に収容室３を形成すべく皿状に
焼き上げられているものである。一方、前記餡封
入袋体４は、合成紙あるいは合成樹脂シート材で
なり、一端縁５に沿つて開封用切取部６と、他端
縁７側に引手部８と、前記開封用切取部６及び引
手部８との間に餡２を密封収容する餡収容部４ａ
とを備えている。前記餡封入袋体４は、種体１，
１の間に挟み込むに際して、前記餡封入袋体４に
おける餡収容部４ａを前記最中用種体１，１によ
つて形成される餡収容室３内に位置させ、前記開
封用切取部６を前記最中用種体１，１の一端外方
に突出させ、前記引手部８を前記最中用種体１，
１の他端外方に突出させて包装される。このよう
に収容された形態において、前記最中用種体の外
周囲は、包装用巻紙９によつて縛付けられる。

上記する構成の最中菓子を食べる場合には、ま
ず、当該最中菓子における最中用種体の外周囲に
巻いてある包装用巻紙９の上から最中菓子をつか
み、前記餡封入袋体４の開封用切取部６を切り取
つて該餡封入袋体４を開封し、しかる後、餡封入
袋体４の引手部８を外方に引いて袋体を最中用種
体の外部に引き抜く。この手順により、餡封入袋
体４内の餡２は、一対の最中用種体１，１によつ
て形成される餡収容室３内に確実に、かつきわめ
て衛生的に収められ、当該最中菓子を直ちに食す
ることができるようになつている。

さらに、この考案では、前記包装された餡等の
収容食品を収容する最中用種体１の外周囲を第３
図に示すような二重に密封包装するものであつて
もよい。この例によれば、前記包装された餡等を
収容する最中用種体１は、別の外側袋体によつて
密封包装される。前記外側袋体１０は、前記餡等
の収容食品を収容する餡封入袋体４の開封用切取
部６側、および前記餡等を収容する餡封入袋体４
の引手部８側において、それぞれ固着されてい
て、固着内端に沿つて、前記開封用切取部６と共
通一体的に形成される開封手段１１を備えてい
る。このように形成しておくことにより、共通す
る前記開封手段１１に沿つて、前記二重の袋を同
時に開封することができ、前記種の部分をその包
装の外側から固定した状態で、開封側の背反側に
形成されている共通の引手部１２を引つ張つて抜
き取ることにより、種体の餡収容室内部に餡を残
した状態で、当該最中菓子を直ちに食する形態に
ワンタツチ操作することができる。

［考案の効果］ 以上の構成に成るこの考案の最中菓子の包装構
造によれば、餡のような生菓子と、最中用種のよ
うな乾燥菓子とを一体にしたいわゆる最中菓子に
あつて、最中用種を湿気させることなく、芳ばし
い状態で日持ちさせることができ、かつ生菓子様
の餡を新鮮な状態で日持ちさせることができる。
さらに、この考案に成る最中菓子の包装構造は、
一つの開封部を開封し、該開封した包装袋体を引
つ張つて取り去ることによつて当該最中菓子を直
ちに食する形態で得られるものであり、包装の合
理性の面においても、きわめて有利なものである
といえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に成る最中菓子の包装構造
の一例を示す概略的側断面図、第２図は、その平
面図、第３図は、別の実施例に成る包装構造を示
す概略的側断面図、第４図は、第１図に示す実施
例の最中菓子の各構成部材を分離して示す斜視図
である。 １，１……最中用種体、２……餡あるいはこれ
に類する収容食品、３……餡収容室、４……餡封
入袋体、６……開封用切取部、８……引手部、９
……包装用巻紙、１０……外側袋体、１１……共
通開封部、１２……共通引手部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに向かい合わせて整合させることにより内
   部に餡収容室３を形成する一対の最中用種体１，
   １と、前記一対の最中用種体１，１の合わせ間に
   挟み込む餡封入袋体４と、前記一対の最中用種体
   １，１間に前記餡封入袋体４を挟み込んだ状態に
   おいてその外周囲に巻き回す包装用巻紙９とから
   なり、前記餡封入袋体４は、一端縁５に沿つて開
   封用切取部６と、他端縁７側に引手部８と、前記
   開封用切取部６及び引手部８との間に餡２を密封
   収容する餡収容部４ａとを備え、前記餡封入袋体
   ４における餡収容部４ａを前記最中用種体１，１
   によつて形成される餡収容室３内に位置させ、前
   記開封用切取部６を前記最中用種体１，１の一端
   外方に突出させ、前記引手部８を前記最中用種体
   １，１の他端外方に突出させて包装してなること
   を特徴とする最中菓子の包装構造。