JPS647894B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、小型のトラクターに用いる駆動ミツ
シヨン装置に関するものである。

(ロ) 従来技術 従来の技術においては、例えば特開昭60−1028
号公報第２図に記載の技術の如く、ミツシヨンケ
ース前面の垂直面に垂直方向の入力軸を具備した
変速装置を固定し、該入力軸の下端にベベルギア
を固設して、再度水平軸の回転に変更した後にデ
フギア装置に動力伝達した技術は公知とされてい
たのである。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 以上の如き従来技術の構成では、走行駆動ミツ
シヨン装置を小形に構成することが出来ず、組み
立ても複雑となるという不具合いがあつたもので
ある。

また変速装置が垂直軸を具備しており、これに
ベルトを水平に掛けて動力伝達するのであるが、
該ベルトが張つた場合において、ミツシヨンケー
ス垂直面に水平方向のボルトにより締結した変速
装置がボルトを引き抜く方向に引つ張られ、ボル
トがバカになり易いという不具合いがあつたので
ある。

本発明はこれらの不具合いを解消するものであ
る。

(ニ) 問題を解決するための手段 本発明の目的は以上の如くであり、次に該目的
を達成する為の構成を説明すると。

変速装置１と、デフギア装置とを前後に近接並
置し、デフギア装置を収容するデフギアケース２
より延出成形した水平載置部２ａの上面に変速装
置１を載置し、該変速装置１の出力軸６は水平載
置部２ａを貫通して垂直に挿通突出し、デフギア
装置と噛合するピニオン１３を上端に固設した垂
直デフピニオン軸１２をデフギア装置の下部に突
出し、出力軸６よりデフピニオン軸１２を駆動す
る伝動部を水平載置部２ａ及びデフギアケース２
の下面に構成したものである。

(ホ) 実施例 本発明の目的・構成は以上の如くであり、次に
添付の図面に示した実施例の構成を説明すると。

第１図は本発明の走行駆動ミツシヨン装置を搭
載したトラクターの全体側面図である。

車体フレーム状にステアリングハンドル２９と
座席２８とエンジンＥ１が配置されている。エン
ジンＥ１はクランクシヤフトを垂直に配置した垂
直回転軸エンジンであり、下方に突出したクラン
クシヤフトの下端にエンジンプーリー３５が付設
されている。エンジンプーリー３５より、走行駆
動ミツシヨン装置Ａに動力が伝えられている。

走行駆動ミツシヨン装置Ａより左右に配置した
前輪２７に動力が伝えられ、前輪２７，２７が駆
動輪に構成されている。後輪２６は操向輪であ
る。前輪２７の前方にリンク３７を介して、作業
機の一例として示すモア装置２５が装着されてい
る。

第２図は本発明の走行駆動ミツシヨン装置Ａの
側面断面図である。

変速装置の一例として用いたHST式の変速装
置１は油圧ポンプと油圧モーターが並置されたも
のであり、入力軸５は油圧ポンプの軸であり、出
力軸６は油圧モーターの軸である。入力軸５にＶ
ベルト３３が巻回される入力プーリー４が固定さ
れている。HST式の変速装置１の油圧ポンプ部
に変速レバー軸１６が突出されている。

デフギアケース２は下向きに開口され、車軸１
９Ｌ，１９Ｒを左右方向に突出するデフギア装置
を該開口より収納される。

また該デフギアケース２の下方位置より前後方
向一側に水平載置部２ａが一体成形されて、該水
平載置部２ａの上面に側面視でみて前記HST式
の変速装置１の油圧モーター部がデフギア装置に
隣接するよう構成されている。

HST式の変速装置１の出力軸６は下方へ向け
て垂直に突出されており、水平載置部２ａに設け
た開口内を貫通している。

水平載置部２ａとデフギアケース２とは一体化
されて構成されており、下面からケース蓋１４を
固着して密閉し、後述の減速伝動部の収容空間を
構成している。

出力軸６上に伝動歯車１０として、スプロケツ
トが固着されており、チエーンを介してスプロケ
ツトにて構成されたデフピニオン軸１２上の伝動
歯車１１に動力を伝えている。伝動歯車１０・伝
動歯車１１は本実施例ではスプロケツトにて構成
されているが、ギアにて構成しても良いものであ
る。

伝動歯車１０の外周にブレーキデイスク７が固
定されている。そしてブレーキデイスク７は水平
載置部２ａ内に構成されたブレーキケース内でカ
ムプレート８の回動により、カムボール９を押動
して制動すべく構成されている。

第３図はデフギアケース２の後面断面図であ
る。

デフギア装置は次の如く構成されている。

デフピニオン軸１２はデフギアケース２の下面
に固定された軸受け体１５にて垂直に支持されて
おり、上端にはピニオンギア１３が刻設され、下
部には前述の伝動歯車１１が固設されている。

該ピニオンギア１３にデフケース３６のデフリ
ングギア２４が噛合している。該デフリングギア
２４の回転により、デフベベルギアピン２２、デ
フベベルギア２１が回動して、左右のデフサイド
ギア２３Ｌ，２３Ｒを介して車軸１９Ｌ，１９Ｒ
に差動回動を伝えるのである。

リミテツドスリツプデフ装置２０は、例えばモ
ア装置を装着したトラクターが、傾斜面を刈取走
行する場合に谷側の車輪に抵抗が掛り、山側の車
輪の低抗が減る為に、デフギア装置が働いてトラ
クターが走行不能となるという不具合いを失くす
為に設けたものである。

該リミテツドスリツプデフ装置２０により、車
軸１９Ｌ，１９Ｒに、或る一定以上の抵抗が掛か
らなければ、デフギア装置が働かないように構成
しているのである。

パイプ製の車軸ケース３４Ｌ，３４Ｒは、幅広
としたその内端をデフギアケース２内に挿入し、
溶着したフランジで固定する。そして車軸ケース
３４Ｌ，３４Ｒの内端は、ベアリングを介してデ
フケース３６を支持する。車軸ケース３４Ｒの内
端はリミテツドスリツプデフ装置２０を設置する
為に、車軸ケース３４Ｌよりも長く構成してい
る。

第４図は本発明の走行駆動ミツシヨン装置Ａの
底面図である。

ブレーキ装置のカムプレート８より突起が出て
おり、該突起にブレーキアーム１７の他端が係合
して、カムプレート８を回動させて、走行ブレー
キを制動すべく構成している。１８はブレーキア
ーム１７の枢支軸である。

なお、デフギアケース２の水平載置部２ａに載
置するHST式の変速装置１は油圧ポンプ・油圧
モーター一体型に限らず、油圧モーター部のみで
あつても構わない。

油圧ポンプ部をエンジンＥ１の近傍で駆動さ
せ、配管で圧油を導いて油圧モーターを駆動する
のである。

第５図、第６図はHST式の変速装置の他の実
施例を配置した場合の側面断面図と底面図であ
る。

本実施例の場合には、HST式の変速装置３は
入力軸５と出力軸６の位置が同芯線上にあり、よ
り小型に構成出来るのである。

なお、本発明に用いる変速装置はHST式変速
装置に限らず、他のものも用いても構わない。

(ヘ) 発明の作用 本発明の実施例の構成は以上の如くであり、次
に発明の作用を説明する。

エンジンＥ１の回転により、エンジンプーリー
３５、Ｖベルト３３、入力プーリー４を介して、
HST式の変速装置１の入力軸５が回転される。
入力軸５の回転により油圧ポンプ部が回転され
て、変速レバー軸１６の回動位置に対応した量の
圧油が吐出される。圧油はデフギアケース２の水
平載置部２ａ上面に載置された油圧モーター部に
送られて、出力軸６の変速回転となるのである。

出力軸６の回転は下向きに出力され、デフギア
ケース２の載置部２ａの下面に位置する伝動歯車
１０、伝動歯車１１により、デフピニオン軸１２
に伝えられ、ピニオンギア１３より上向きに出力
され、デフギアケース２内のデフギア装置に伝え
られる。

デフギア装置のデフリングギア２４、デフベベ
ルギアピン２２、デフベベルギア２１を介してデ
フサイドギア２３Ｌ，２３Ｒの回転が車軸１９
Ｌ，１９Ｒの回転と成つて、駆動輪２７に伝えら
れるのである。

(ト) 発明の効果 本発明は以上の如く構成したので次のような効
果を奏するものである。

第１に、デフギアケース２より延出した水平載
置部２ａ上に、垂直の出力軸６を具備した変速装
置を載置し、変速装置へは水平に張設したＶベル
ト３３により動力伝達したので、たとえ該ベルト
３３が張つて変速装置を引つ張つた場合にも、変
速装置の取り付け面は水平載置部２ａでありボル
トの螺装方向は垂直方向であるので、ボルトが剪
断されない限り、変速装置の取り付け位置にガタ
が発生することが無いのである。

第２に、変速装置１とデフギア装置を、前後の
位置においてどちらも縦方向に配置したので、出
力軸６とデフピニオン軸１２を縦に平行して配置
することができ、前後方向を短くすることがで
き、また両者間の伝動装置は水平に配置して、水
平載置部２ａとデフギアケース２の下側に介装し
たので、上下の厚さも薄く構成することができた
ものである。

第３に、デフギアケース２と一体型HST駆動
装置１を前後に併置して、これらを下面に付設し
たデフギアケース２と載置部２ａで連結したの
で、ミツシヨン装置が一体的に構成でき、ミツシ
ヨンユニツトとして他の装置への転用ができ、応
用用途が広がつたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の走行駆動ミツシヨン装置Ａを
搭載したトラクターの全体側面図、第２図は本発
明の走行駆動ミツシヨン装置Ａの側面断面図、第
３図はデフギアケース２の後面断面図、第４図は
本発明の走行駆動ミツシヨン装置Ａの底面図、第
５図、第６図はHST式の変速装置の他の実施例
を配置した場合の側面断面図と底面図である。 Ａ……走行駆動ミツシヨン装置、Ｅ１……エン
ジン、１……HST式変速装置、２……デフギア
ケース、２ａ……水平載置部、５……入力軸、６
……出力軸、７……ブレーキデイスク、１０，１
１……伝動歯車、１２……デフピニオン軸、１９
Ｌ，１９Ｒ……車軸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 変速装置１と、デフギア装置とを前後に近接
   並置し、デフギア装置を収容するデフギアケース
   ２より延出形成した水平載置部２ａの上面に変速
   装置１を載置し、該変速装置１の出力軸６は水平
   載置部２ａを貫通して垂直に挿通突出し、デフギ
   ア装置と噛合するピニオン１３を上端に固設した
   垂直デフピニオン軸１２をデフギア装置の下部に
   突出し、出力軸６よりデフピニオン軸１２を駆動
   する伝動部を水平載置部２ａ及びデフギアケース
   ２の下面に構成したことを特徴とするトラクター
   の走行駆動ミツシヨン装置。