JPS647406Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案はたとえば自動車、オートバイ等に装備さ
れる帰零式積算計あるいは定期点検表示装置等の
リセツト装置に於ける押圧操作機構に関するもの
である。

（従来の技術） 一般に車両用の帰零式積算計や定期点検表示装
置等に在つては、その表示すなわち帰零式積算計
では複数個の数字輪、定期点検装置では色別によ
るドラムからなる表示輪を規定した位置に復帰作
動できるように構成している。

たとえば、自動車用走行距離計等に用いられる
積算計に於て、必要時に積算計の表示輪を帰零整
列するためのリセツト装置が構成されている。こ
の場合リセツト装置は数字輪を直接回転してリセ
ツトするもの、計器外方に突出せしめたリセツト
シヤフトを押圧してリセツト作動せしめるもの等
が従来より存在する。本案は後者に関するもの
で、このリセツト装置は各数字輪にハートカムを
付設し、リセツトレバーでハートカムの周面を押
圧して数字輪を一斎に帰零せしめ、これと同時に
数字輪間の桁送りピニオンを数字輪から離脱せし
めなければならないので、リセツトレバーとピニ
オン軸支杆とを一つの回動軸に連結し、計器外方
に突出せしめて設けたリセツトシヤフトの前後運
動を該回動軸の回動運動に変えて伝達し、リセツ
ト作動を行うようにしている。

前述のリセツト作動に於て、リセツトシヤフト
を押圧する際、リセツトシヤフトが発条で付勢さ
れているので、これに抗して行なわなければなら
ないが、リセツトが確実になされたかどうかのク
リツク感が不足する。そこでリセツトシヤフトに
クリツク感を付与する従来の押圧操作機構は、実
開昭56−114416号公報、同57−151670号公報、実
公昭59−2599号公報に示されている通り、リセツ
トシヤフトの作動を回動軸に伝達する伝達路途中
に、リセツトシヤフトの作動に対する抵抗感が生
ずる規制部を設けてなるものである。

（考案が解決しようとする問題点） リセツトシヤフトにクリツク感を付与する従来
の押圧操作機構は、上述したようにリセツトシヤ
フトの作動途中で抵抗感が生ずるような規制部を
設けてなるものであるから、伝達機構の部材形状
が複雑になるためその製造が煩雑であると共に、
規制部の摩粍によるクリツク感にバラツキが生ず
る欠点を有する。

（問題点を解決するための手段） リセツトシヤフト側とリセツトシヤフトを支承
する固定部材側とに、リセツト作動（押圧）に抗
する磁石等の磁気的結合部を付設してなるもので
ある。

（作用） リセツトシヤフトを押圧してトリツプメータの
リセツト装置を作動せしめようとした時、リセツ
トシヤフトは磁気的結合部による吸引部の存在に
よつて押圧開始時に適当な抵抗感を受け、吸引力
以上の力でリセツトシヤフトを押圧するとリセツ
トシヤフトが作動すると共に、吸引力がリセツト
シヤフトの移動度に応じて急激に減少し、確実な
リセツト作動がなされると共に、押圧動作に良好
なクリツク感が得られる。

（実施例） 本案の実施例を図面に基づいて説明する。トリ
ツプメータのリセツト装置は基本的には従来と同
様で、並列せしめた数字輪１の各間に桁送りピニ
オン２を介在せしめ、各数字輪１にハートカム３
を付設し、ハートカム３の周面を押圧するリセツ
トレバー４とピニオン２の軸の支杆５を回動軸６
に連結し、回動軸６には回動レバー７を突設し、
回動レバー７の回動方向に出入作動を行なうリセ
ツトシヤフト８を設けると共に、リセツトシヤフ
ト８に該回動レバー７と当接若しくは連結した押
圧部材９を付設してなるものである。クリツク機
構はリセツトシヤフト８に付設した止め部材（図
は押圧部材９を兼ねている）のストツパーとなる
受板１０と前記止め部材（押圧部材９）の対抗面
間に磁石による吸引部を形成するもので、吸引部
は止め部材と受板１０の一方若しくは両方に磁石
１１を付設し、磁石１１の付設しない方は、鉄な
どの強磁性体で形成した吸着部材１２を露出若し
くは樹脂（押圧部材は一般に樹脂で形成される）
中に埋設して設けるものである。勿論磁石の磁気
が他の計器及び本計器の他部材に影響を与えない
ように考慮して設けることは云うまでもない。尚
図中Ａはトリツプメータを装備した計器本体（ス
ピードメータ、オドメータ）、１３は距離表示窓、
１４はリセツトシヤフト摘である。従つてトリツ
プメータのリセツト装置に於けるリセツトシヤフ
トのクリツク感を磁石の吸引作用で生ぜしめたも
のであるから、従来の規制部材を以つてクリツク
感を与えていたクリツク機構の欠点即ち規制部材
の摩粍、クリツク感のバラツキ、複雑な部材の形
成等が解消されるものであり、磁石の吸引力が吸
引距離の２乗に反比例する特性から、リセツトシ
ヤフトの押圧力は押圧開始時が最も強く押さなけ
ればならなく、吸引部が離脱すると急激に押圧に
対する抵抗が減少するので、リセツトシヤフトの
押圧動作が自然にリセツト作動を確実に行なわれ
ることとなり、而かも良好なるクリツク感を得る
ことができるものである。

（考案の効果） 以上詳述したように本考案によれば、リセツト
装置に於ける押圧操作軸側とこの操作軸を支承す
る固定部材側とに磁石、磁性体などからなる磁気
的結合部を設けることにより、簡単な構成手段に
よつて押圧操作軸側に節度感を持たせることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図は本案の実施例を示すもので、第１図はトリ
ツプメータを装備した計器の全体斜視図、第２図
はトリツプメータの一例を示す平面図、第３図及
び第４図はクリツク機構及びリセツト作動の一例
を示すものである。 １は数字輪、２は桁送りピニオン、３はハート
カム、４はリセツトレバー、５はピニオン軸支
杆、６は回動軸、７は回動レバー、８はリセツト
シヤフト、９は押圧部材、１０は受板、１１は磁
石、１２は吸着部材、１３は距離表示窓、１４は
リセツトシヤフト摘。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外部操作軸の押圧操作によりリセツト装置の表
   示輪を復帰作動するようにしたものに於て、操作
   軸を支承する固定部側と上記操作軸側とにそれぞ
   れ磁気的結合部材を設けたことを特徴とするリセ
   ツト装置に於ける押圧操作機構。