JPS646213Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、釘打機本体に突設された釘打出し部
となるノーズ内に釘送り爪によつて最先端側のも
のから一本ずつ送り込まれてくる連結釘を該ノー
ズ内に突入移動するドライバ部材により打出すよ
うにした釘打機の釘ガイド装置に関し、特に釘の
長さが異なる各種の連結釘を上記ノーズ内にスム
ーズに送り込み得るように釘をガイドする釘ガイ
ド装置に関する。

〔背景技術とその問題点〕

本願出願人は、先に、釘の長さが異なる各種の
連結釘を釘詰り等を起こすことなく最先端側のも
のから一本ずつ釘打出し部となるノーズ内に送り
込むように釘をガイドする釘ガイド装置を提案し
ている（実公昭56−20223号公報参照）。

この釘ガイド装置は、釘送りガイド通路の一側
壁を構成する釘ガイド板に開設され釘送り爪が往
復動自在に配装されている窓部の上記釘送り爪の
移動方向両端間に亘つて釘ガイド片を架設し、上
記窓部の一部を上記ガイド片によつて覆うことに
より、例えば釘の足部が上記窓部に臨むように釘
送りガイド通路に配される短い釘からなる連結釘
の各釘を上記窓部に引掛かり釘詰りとならないよ
うに上記ガイド片によつてガイドするようにした
ものである。そして、上記ガイド片はネジによつ
て一端が上記釘ガイド板に固定されることにより
上記窓部に配置されている。

ところで、上記釘ガイド板とノーズが別体に形
成されこれら両者がネジにより一体に組付けられ
てなる大型の釘打機にあつては、上記釘ガイド板
をノーズに組付ける前に上記釘ガイド板に上記ガ
イド片を取付けることができるので、上記ガイド
片の取付けを簡単に行なうことができる。しか
し、小型の釘打機にあつてはコストダウンを図る
ために上記ガイド板とノーズが予め一体形成され
ているものが多い。このように、上記ガイド板と
ノーズが予め一体形成されてなる小型の釘打機に
上記ガイド片をネジによつて釘ガイド板に取付け
る作業は取付けスペースが狭いことから非常に煩
雑な作業となるため、上記ガイド片を取付けてい
ないのが一般的である。したがつて、上記小型の
釘打機にあつては、上記窓部に釘の足部が臨む短
い釘の使用を見合せているのが実情である。

〔考案の目的〕

そこで、本考案はこのような実情に鑑みて提案
されたものであり、部品点数の削減を図ることを
目的とする。

また、本考案は小型の釘打機であつても、その
釘打機専用の釘の長さよりも短い釘からなる連結
釘をも釘詰り等を起こすことなく確実に釘打出し
部にその最先端側のものから一本ずつ送り込み得
るようにすることを目的とする。

〔考案の概要〕

上記各目的を達成するために、本考案は釘打機
本体の釘打出し部と連通するように設けられた釘
送りガイド通路の一側壁に窓部を開設し、この窓
部内に往復動自在に配装された釘送り爪によつて
上記ガイド通路内に位置する連結釘を最先端側の
ものから一本ずつ上記釘打出し部内に送り込むよ
うにした釘打機において、上記釘送り爪には凹状
溝部を形成するとともに上記窓部の一側縁部にこ
の窓部を覆いかつ上記釘送り爪に形成された凹状
溝部に収納される釘ガイド突片を一体形成し、こ
の突片によつて上記連結釘の中の次に上記釘打出
し部内に送り込まれる釘をガイドするようにした
ことを特徴とするものである。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面を参照しながら
具体的に説明する。

この実施例に係る釘打機は空気圧を駆動源とし
て釘打出し部となるノーズ内に突入移動するドラ
イバ部材により該ノーズ内に送り込まれる釘を該
ノーズの先端から打出すようにしたものである。

第１図に示すように、釘打出し部となるノーズ
１は釘打機本体（図示せず）に突設されている。
上記ノーズ１は円筒状に形成され、該ノーズ１内
には釘打機本体内に組込まれているピストンに一
体連結されたドライバ部材２が上記ピストンに作
用する圧縮空気圧を受けて突入移動するようにな
つている。

上記ノーズ１の一側部には釘供給口３が開設さ
れており、この釘供給口３と後述する連結釘N₁
を巻回収納するマガジン（図示せず）との間には
釘送りガイド通路４が設けられている。

上記釘送りガイド通路４の一側壁は上記ノーズ
１と一体形成された釘ガイド板５によつて構成さ
れている。また、上記釘送りガイド通路４の他側
壁は第２図に示すように上記ノーズ１に上記釘ガ
イド板５に対して開閉自在となるようにヒンジ６
を介して組付けられたドア部材７によつて構成さ
れている。

上記釘ガイド板５には、上記マガジンから上記
釘送りガイド通路４内に引出される連結釘N₁を
上記釘供給口３を介して上記ノーズ１内に最先端
側のものから一本ずつ送り込むための釘送り爪８
が配装された方形状の窓部９が開設されている。

上記釘送り爪８は、第３図にも示すように爪本
体１０と、この本体１０の一側部に突設され連結
釘N₁の釘n₁の胴部n₂の上部側と係合する上方送
り爪部１１及び上記釘n₁の胴部n₂の下部側と係合
する下方送り爪部１２を有してなる。上記各送り
爪部１１，１２は上記窓部９を介して上記釘送り
ガイド通路４内に突出するようになつており、爪
本体１０とロツド１３を介して連結されたフイー
ド機構（図示せず）によつて、上記窓部９内を第
１図中左右方向に往復動することにより、上記釘
送りガイド通路４内の連結釘N₁を釘供給口３方
向にかき込むようになつている。

また、上記爪本体１０の一側部には、送り込ま
れる釘n₁を間に置き上記各送り爪部１１，１２と
それぞれ対向するように連結釘N₁の各釘n₁を連
結するワイヤ１４，１４を保持するワイヤ保持爪
部１５，１６が突設されている。上記ワイヤ保持
爪部１５，１６には上記ワイヤ１４，１４を挿通
保持する切欠き部１７，１７が形成されている。
なお、上記各送り爪部１１，１２にも上記ワイヤ
１４，１４を挿通保持する切欠き部１８，１８が
形成されている。

また、上記ドア部材７には、連結釘N₁の各釘
n₁をノーズ１内に送り込むために釘送り爪８が上
記窓部９の一側縁部９Ａ側から他側縁部９Ｂ側に
復動した時に連結釘N₁の中の次に送り込まれる
釘n₁に釘送り爪８のワイヤ保持爪部１５，１６が
打当り該釘n₁を含めて連結釘N₁全体が釘送りガ
イド通路４内で逆行（第２図中右方向への移動）
しないように上記釘n₁を係止する逆止爪１９が上
記釘送りガイド通路４内に弾発的に突出するよう
に設けられている。

上記窓部９の一側縁部９Ａの高さ方向の略中央
部位には該窓部９の他側縁部９Ｂに向つて釘ガイ
ド突片２０が該窓部９の一部を覆うように突設さ
れている。

上記釘ガイド突片２０の突出長さｌは上記釘送
り爪８の移動ストローク分の長さとなつている。
すなわち、上記釘ガイド突片２０は前記逆止爪１
９の位置まで突出しており、連結釘N₁の中の次
に送り込まれる釘n₁の胴部n₂を側方からガイドす
るようになつている。

なお、上記釘送り爪８においてワイヤ保持爪部
１５，１６間及び送り爪部１１，１２間には、上
記釘ガイド突片２０に阻害されることなく釘送り
爪８が往動終端（上記窓部９の一側縁部９Ａ）ま
で移動し得るように上記釘ガイド突片２０を挿通
させる突片逃げ部２１が凹状溝部として切欠き形
成されている。

また、上記釘ガイド板５には連結釘N₁の各釘
n₁の頭部n₃が嵌挿され各釘n₁の頭部n₃の送りをガ
イドするガイド溝２２が形成されている。

すなわち、第４図に示すようにこの釘打機専用
の連結釘N₁を使用した場合には、各釘n₁はその
足部n₄が上記窓部９を通り越し釘ガイド板５によ
つてガイドされながらノーズ１内に送り込まれ
る。したがつて、上記釘ガイド片２０は上記連結
釘N₁の中の次に送り込まれる釘n₁の胴部n₂にい
ちよう係合するものの釘n₁の送りを補助的にガイ
ドするものとなつている。

また、第５図に示すように釘n₁₀の長さがこの
釘打機専用の連結釘N₁の釘n₁の長さよりも短く
足部n₁₁が上記窓部９に臨む連結釘N₁₀を使用した
場合には、次に送り込まれる釘n₁₀はその足部n₁₁
が上記釘ガイド片２０によつて上記窓部９内に突
入しないように受け止め支持されるので、該釘
n₁₀を釘詰り等を起こすことなくスムーズにノー
ズ１内に送り込むことができる。

このように、上記実施例によれば足部n₁₁が釘
ガイド板５に形成されている窓部９に臨むような
短い釘n₁₀をもスムーズにノーズ１内に送り込む
ことができるので、汎用性に優れたものとなる。

また、上記釘ガイド片２０は次に送り込まれる
釘をガイドし得る長さのものであればよく、突出
長さが短いものでよく、上記ノーズ１及び釘ガイ
ド板５を一体形成する時に同時に形成することが
でき、部品点数を増加させることなく形成するこ
とができる。

また、ノーズ１と釘ガイド板５が予め一体形成
され、いままで釘ガイド片のネジによる取付けが
煩雑な小型の釘打機に対しても、その釘打機専用
の釘の長さよりも短い釘からなる連結釘をも釘詰
り等を起こすことなく確実に釘打出し部にその最
先端側のものから一本ずつ送り込むことができ
る。

なお、ノーズ１と釘ガイド板５が別体に形成さ
れ、これら両者がネジにより組付け固定される大
型の釘打機にあつても部品点数の削減の点から見
れば効果があるものである。

〔考案の効果〕

このように、本考案によれば釘送りガイド通路
の一側壁に開設されている窓部の一側壁に釘ガイ
ド突片を一体形成することにより、上記窓部に釘
の足部が臨むような短い釘をも釘詰り等を起こす
ことなく、確実に釘打出し部に送り込むことがで
き、従来の釘ガイド片をネジにより上記一側壁に
取付け固定するものと比較して部品点数の削減を
図ることができる。

また、上記釘ガイド片は連結釘の中の次に送り
込まれる釘をガイドする長さのものであればよ
く、小型の釘打機にあつても窓部に簡単に形成す
ることができる。したがつて、いままで上述した
ような短い釘からなる連結釘の使用を見合せてい
た小型の釘打機でも短い釘の打込みが可能となり
汎用性を高めることができる。

さらに、本願考案を構成する釘送り爪には、釘
ガイド突片を摺動可能に収容できる凹状溝部が形
成されているので、上記釘送り爪は、この凹状溝
部に案内されるとともに釘送りガイド通路の一側
壁に開設された窓部にも案内されて往復動するこ
とから、上記窓部内において上下方向及び釘送り
出し方向への動きが規制され安定した釘の送り出
しをすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部正面図、
第２図は釘送りガイド通路の部分を示す横断平面
図、第３図は釘送り爪の拡大斜視図、第４図は専
用連結釘が上記ガイド通路内に配されている状態
を示す正面図、第５図は上記専用連結釘の釘より
も長さが短い連結釘が上記ガイド通路内に配され
ている状態を示す平面図である。 １……ノーズ、４……釘送りガイド通路、５…
…釘ガイド板、７……ドア部材、８……釘送り
爪、９……窓部、９Ａ……一側縁部、２０……釘
ガイド突片、N₁，N₁₀……連結釘、n₁，n₁₀……
釘。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 釘打機本体の釘打出し部と連通するように設け
   られた釘送りガイド通路の一側壁に窓部を開設
   し、この窓部内に往復動自在に配装された釘送り
   爪によつて上記ガイド通路内に位置する連結釘を
   最先端側のものから一本ずつ上記釘打出し部内に
   送り込むようにした釘打機において、上記釘送り
   爪には凹状溝部を形成するとともに上記窓部の一
   側縁部にこの窓部を覆いかつ上記釘送り爪に形成
   された凹状溝部に収納される釘ガイド突片を一体
   形成し、この突片によつて上記連結釘の中の次に
   上記釘打出し部内に送り込まれる釘をガイドする
   ようにしたことを特徴とする釘打機の釘ガイド装
   置。