JPS645550B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はプラスチツク、金属、ガラス、セラミ
ツク、石材、コンクリート等の如き各種の立体構
造物への絵付方法に関するものであり、その目的
とするところは、表面に凹凸部分や突起部分、三
次元曲面部分等を有してなる立体構造物へ美麗な
絵柄を表出し得る絵付方法を提供せんとする点に
ある。

昨今の生活の向上に伴つて装飾加工の分野にお
いても各種の立体構造物への美麗な絵付が要求さ
れ盛んになりつつあるが、従来、此種立体構造物
への絵付方法としては、(1)水溶性の支持体に印刷
パターンを設けたシートを水面に浮かべ、次いで
立体構造物をその上から押圧・沈降させることに
よつて立体構造物の表面に上記印刷パターンを転
写させて絵付する方法があり、例えば特公昭52
−41682号公報、特開昭54−148036号公報、
特公昭55−14755号公報、特開昭55−25330号公
報、特開昭55−27271号公報、特開昭55−
37333号公報等に記載された発明の方法が公知で
ある。

然し乍らこれらの公知の方法は何れも水溶性フ
イルムを溶解又は軟化させ水圧を利用して立体構
造物の表面に印刷パターンを転写する関係で変化
のある立体面への転写が円滑に行われるので、し
わ等の発生は殆んど見られないが、唯印刷パター
ンが単に立体構造物の表面にそのまま移行するこ
とによつて絵柄が構成されるところから、万一印
刷パターンに傷等が発生すれば、それがそのまま
転写されて転写面に鮮明に残つて目立ちやすく、
又これらの修正も困難であること、或いは陽極酸
化アルミニウム面や活性アルミナ層面等への染色
絵付には不適であること、更には染料による染着
絵柄の如き深みのある立体感に富んだ絵付が得難
い等の欠点を有するものである。

又これらの公知の方法とは別に(2)支持体上に昇
華性染料を含有する印刷パターンを設けた、所謂
昇華転写シートなるものを用いて加熱加圧により
転写絵付する方法がある。確かにこの方法によれ
ば染着による絵付の効果は得られるが、転写シー
トの支持体が柔難性に欠けるため、凹凸部分、突
起部分、三次元曲面部分等への転写紙の密着が難
しく、単純な面以外への絵付は困難なものであ
る。仮に無理に転写絵付を行つたとしても転写シ
ートが破れたりしわが発生したりして実用に供し
得るものは得られない。

本発明者は上記(1)及び(2)の従来技術が有する長
所を組合せれば、従来技術では得られないところ
の、凹凸部分や突起部分、三次元曲面部分等の立
体表面を有する立体構造物への美麗且つ深みのあ
る立体感に富んだ絵付が可能となることを見出
し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至
つた。

以下本発明を図面に基づいて具体的に説明する
と、先ず第１図に示すように、親水性又は水溶性
の支持体シート１上に、熱移行性染料を着色剤と
して含有する水に不溶又は難溶のインキでもつて
任意の絵柄層２を印刷して設けて絵柄シートを作
製する。次いで第２図−Ａに示すように、この絵
柄シートを絵柄層２を上面にして水面４上に浮か
べる。続いて第２図−Ｂに示すように必要により
該絵柄層２面上に、該絵柄層とこれに接する立体
構造物表面との接着性を増大させる目的で立体構
造物表面の素材の種類に応じた所定の溶剤又は接
着剤５を吹付け等により塗布する。但しこの溶剤
又は接着剤５を塗布する工程は、前記絵柄シート
を水面に浮かべるに先だつて行つてもよい。

この水面４上に浮かべられた絵柄シートの絵柄
層２の上から第３図に示すように熱移行性染料に
よつて染着し得る素材からなるか或いは表面のみ
に染着可能層６を設けてなるところの絵付すべき
立体構造物３を絵柄層２面に当接し、そのまま水
中へ沈降させるか、或いは水面４上に浮べられた
絵柄シートの支持体シート１を完全に溶解させた
後前記立体構造物を絵柄層２面に当接して水中へ
沈降させ、水圧によつて絵柄層２を立体構造物の
表面に仮着させて貼付ける。

次に第４図に示すように、水圧により立体構造
物の表面に絵柄層２が仮着され貼付けられた状態
を保ち乍ら水中から引上げて乾燥後、炉内におい
てこれを加熱し第５図−Ａ，Ｂに示すように絵柄
層２内の熱移行性染料を立体構造物３の表面層へ
移行させて染着する。而る後該染着面上に残存す
る絵柄層又は印刷シートを水洗又は溶剤洗浄、バ
フ研摩等により洗浄除去すると第６図−Ａ，Ｂに
示すように熱移行性染料によつて染着絵付された
立体構造物が得られる。

なお、立体構造物の種類、用途により絵付面の
保護を必要とするものについては染着絵付後又は
残存物を除去後封孔処理やオーバーコート等の後
処理を任意に施すことによつて目的が達成され
る。

本発明において絵柄シートの支持体シートに親
水性又は水溶性のシートを用いるのはこれを水面
上に浮かべれば容易に膨潤或いは溶解でき絵柄シ
ートを極めて柔軟化できると同時に絵柄層単独の
極軟質皮膜となし得るからであり、これによつて
前記した変化のある立体表面への絵柄層の貼付け
が可能となる。

この支持体シートに使用できる材料としては、
例えばポリビニルアルコール、ポリアクリルアミ
ド、カルボキシルメチルセルローズ、メチルセル
ローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、ヒドロキ
シプロピルセルローズ、ポリビニルピロリドン、
ポリエチレンオキサイド、カラギンアン、植物粘
液質、澱粉、グリコマンガン、ニカワ、ゼラチ
ン、アルギン酸ソーダ等がありこれらのフイルム
状物が使用できる。

又絵柄層の着色剤である熱移行性染料としては
例えば分散染料、油性染料、塩基性染料、酸性染
料、含金染料、含金属酸性染料、建染染料、スピ
リツト染料、酸性媒染染料等の乾式加熱又は湿式
加熱等によつて熱移行し得るものを使用する。

これらの着色剤を含有させてなる絵柄層形成用
のインキは、固化して絵柄層の皮膜となり水面上
に浮かべられた際形くずれを起こさないようにす
るためにインキ中に樹脂バインダーを入れるが、
立体構造物の表面を染着後、その表面から残存物
としての除去が容易に行えるようにする必要から
この樹脂バインダーとしては熱可塑性樹脂が適
し、例えばアクリル樹脂、塩ビ−酢ビ共重合樹
脂、ハードレジン、塩化ゴム、熱可塑性ウレタン
樹脂等を挙げることができる。

上記インキにより支持体シート１上に絵柄層２
を形成するには例えばグラビヤ印刷、スクリーン
印刷等により任意の絵柄を印刷すればよいが、例
えば絵柄層２が支持体シート１上に部分的に散在
して設けられた構成の場合には、水面上での支持
体シートの溶解消失に伴つて起こる絵柄層の分離
や形くずれを防ぐ必要から、第７図に示すように
支持体シート１上に絵柄層２を設けるに先だつて
全面に絵柄層と同質のインキからなる無色の透明
皮膜層７を設ければよい。

次に絵柄層２を柔軟化又は流動状化させ或いは
接着性をもたせるために使用する溶剤又は接着剤
としては、先ず溶剤については絵柄層のインキの
樹脂バインダーの種類に応じてそれを膨潤させ、
又は軟化させるものであればよく例えば一般のグ
ラビヤ印刷インキに使用されている有機溶剤が使
用できる。又接着剤については、これらの有機溶
剤に高分子材料を溶解させてなる接着剤を使用す
ればよいが、この接着剤は皮膜となつた場合、前
記熱移行性染料を透過する性質が必要となるので
これに適した上記高分子材料としては例えば、ア
クリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアマイド系
樹脂、炭化水素系樹脂等が挙げられる。

これらの溶剤又は接着剤を絵柄層２面上に施す
には、先ず水面上の絵柄層面に施すには上方から
スプレーにより吹付けるのがよく、又絵柄シート
を水面上に浮かべるに先だつて施す場合には、上
記吹付け法によるほか刷毛塗り、バーコート法等
も適用できる。又この溶剤又は接着剤の塗布は立
体構造物の種類、形状によつては省略することも
できる。

本発明による絵付可能な立体構造物３又は染着
可能層６の素材としては、熱移行性染料で染着可
能な合成樹脂、例えばポリエステル樹脂、ナイロ
ン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン
樹脂、ウレタン樹脂、又アセテート樹脂、F.R.P.
等があり、又これらの合成樹脂の皮膜を表面に設
けてなるところの各種の金属、ガラス、セラミツ
ク、陶磁器、石材、レンガ、コンクリート、石
膏、石綿等の各種耐熱材があるほか、陽極酸化皮
膜層を表面に設けたアルミニウム製品や上記耐熱
材の表面にコロイドアルミナを塗布焼成して得た
活性アルミナ層を設けた製品等があげられる。

上記の素材からなる立体構造物３の表面に絵柄
層２を施すべく水面４上に浮かべた絵柄シート上
に立体構造物３を当接するに際しては、立体構造
物の表面形状に応じて支持体シート１を単に膨潤
させるか又は一部を残したまま或いは完全に溶解
除去した後当接する。立体構造物３の表面形状の
変化の大きなものについては絵柄層２はより大き
な柔軟性や伸展性が求められるので通常この場合
には支持体シート１を完全に溶解除去し、溶剤で
流動状化せしめた絵柄層２のみとなした後当接す
るのがよい。

このようにして表面に仮着されて貼付けられた
絵柄層から立体構造物の表面へ染料を移行させて
染着するには通常乾式加熱による場合と湿式加熱
による場合とがあり、例えば立体構造物の素材又
は表面層が合成樹脂よりなる場合は80℃〜220℃
で10秒〜40分の範囲で乾式加熱するのがよく、陽
極酸化アルミニウム面或いは活性アルミナ層面等
よりなる場合は上記乾式加熱の他に水蒸気中で加
熱を行う所謂湿式加熱でも染着可能である。

立体構造物の表面を上記の如くして染着後その
表面の残存物、例えば支持体シート、絵柄層のイ
ンキその他を洗浄除去するには通常有機溶剤で表
面を拭きとつた後、バフ研摩をするか、或いは湯
洗−溶剤洗浄、或いはバフ研摩等を行えばよい。

また、染着面が陽極酸化アルミニウム皮膜面の
場合には、絵柄を染着後、表面の残存物を除去す
るに先だつて又は除去後の何れかにおいて蒸気封
孔処理を行い、又染着面が活性アルミナ層の場合
には熱硬化性樹脂溶液或いは無機質材料を含有す
る溶液等を塗布してオーバーコート層を設ける。

上記した如く本発明の方法は、水面上で極めて
柔軟化され或いは流動状化され而も接着性が付与
された絵柄シート或いは絵柄層の皮膜に着色すべ
き立体構造物を当接して水圧によりその表面に絵
柄層を貼付ける関係で、凹凸部分や突起部分、三
次元曲面部分等の面に円滑に貼付けることができ
るので変化のある立体面に絵付できることは勿
論、絵付が染料の染着によつて行われる関係で、
仮に絵柄シートに多少のしわや傷が生じたとして
も染着面ではあまり目立つことがないほか、染着
による極めて深みのある立体感に富んだ絵柄が得
られ、更にグラビヤ印刷等による繊細美麗な階調
図柄のものが表現できる。更に又、直接染着でき
ない素材にはその表面に染着可能層を設けること
により絵付が可能となるので各種の素材に巾広く
適用できる等の効果があり、産業上その利用価値
は大きい。

次に本発明の実施例について説明する。なお実
施例は単なる例示であつて、本発明の方法を何等
限定するものではない。

実施例 １ ポリビニルアルコールからなる厚さ30μｍのフ
イルムの上に下記のインキ組成物をグラビヤ印刷
法を用いて印刷し絵柄層を形成して絵柄シートを
作製した。

(a) 黄色インキ組成物 （重量部） アクリル樹脂 10部 醋酪酸セルローズ ２部 カヤセツトフラビンFG（日本化薬製品） 10部 メチルセルソルブ ５部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 33部 (b) 赤色インキ組成物 アクリル樹脂 10部 醋酪酸セルローズ ２部 カヤセツトレツドＢ（日本化薬製品） 10部 メチルセルソルブ ５部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 33部 (c) 青色インキ組成物 アクリル樹脂 10部 醋酪酸セルローズ ２部 カヤセツトブルーTDR（日本化薬製品） 10部 メチルセルソルブ ５部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 33部 次に上記絵柄シートを絵柄層面を上にして35℃
の温水面上に浮かべポリビニルアルコールフイル
ムを溶解させ乍ら上方から絵柄層面に対しキシレ
ンをスプレー法にて散布して絵柄層を膨潤状態に
し、ポリビニルアルコールフイルムが完全に溶解
した段階で、表面が未封孔の陽極酸化アルミニウ
ム面の三次元曲面からなるアルミニウム成形物
（化粧品容器の蓋）を上から上記絵柄層面に当接
して水中へ一旦沈降させ、該アルミニウム成形物
の表面に仮着させて貼付けそのままの状態を保ち
ながら水中から引上げた。

次いでこの絵柄層が貼付けられたアルミニウム
成形物を60℃にて30分間乾燥し、続いて190℃に
て７分間炉内にて乾式加熱処理を行つて絵柄層内
の染料をアルミニウム成形品の表面の陽極酸化ア
ルミニウム皮膜中へ移行させて該皮膜を染着し
た。次に蒸熱によつて通常のアルマイト封孔処理
を行つて染料を十分に固着させた後、この染着面
上に残存する不要物を除去するために、染着され
たアルミニウム成型品をトリクレン液中に浸漬し
更にトリクレン含浸綿布にて数10回拭き取つた結
果、表面が三次元曲面からなるアルミニウム成形
物の表面に繊細美麗な多色模様からなる染着絵柄
を絵付することができた。

実施例 ２ 実施例１と同一のアルミニウム成形品の表面に
実施例１で得られた絵柄シートを用いて実施例１
と同様にして絵柄層を貼付けた後、加圧蒸気下で
130℃にて30分間湿式加熱処理を行つて絵柄層の
染料をアルミニウム成形品の表面の陽極酸化アル
ミニウム皮膜中へ移行させて該皮膜を染着した。
この時加圧蒸気によつて陽極酸化アルミニウム皮
膜表面の封孔処理も同時に行われたので改めて封
孔処理を行う必要はなかつた。

以下実施例１と同様にしてアルミニウム成形品
の表面に同様の絵柄を絵付することができた。

実施例 ３ 実施例１と同一のアルミニウム成形品の表面に
実施例１と同様にして絵柄層を貼付けた後、これ
を50℃にて30分間乾燥し、続いて180℃にて10分
間乾燥炉内にて乾式加熱処理を行つて絵柄層の染
料をアルミニウム成形品の表面の陽極酸化アルミ
ニウム皮膜中へ移行させて該皮膜を染着した。次
にこの染着面上に残存する不要物をトリクレンを
用いて溶解除去し而る後蒸気封孔処理を行つた結
果、アルミニウム成形品の表面に実施例１と同様
の絵柄を絵付することができた。

実施例 ４ 表面が大きな凹凸形状となつた透明なガラス製
灰皿の表面にコロイドアルミナの溶液〔アルミナ
ゾル−200（日産化学製）〕をデイツプコート法に
よつて塗布し、これを100℃で20分間乾燥させた
後、550℃で１時間焼成することによつて表面が
透明な活性アルミナ層で被覆されたガラス製灰皿
を得た、次いでこの活性アルミナ層に絵付するた
めに、実施例１で得られた絵柄シートを用い、該
絵柄シートを実施例１と同様にして活性アルミナ
層面上に貼りつけた後、これを60℃で30分間乾燥
し、続いで200℃で５分間炉内にて乾式加熱処理
を行つて、絵柄層の染料をガラス製灰皿の表面の
活性アルミナ層の微細孔中に移行させて該活性ア
ルミナ層を染着した。その後表面に残存するイン
キ等の不要残留物をトリクレンにて洗浄除去する
ことによつて表面に美麗な染着絵柄が施された透
明なガラス製灰皿を得た。

更にこのガラス製灰皿の染着絵柄層面上に、下
記組成の表面保護皮膜形成剤をデイツピング法に
て塗布した。

（重量部） 珪酸ナトリウム２号（旭電化工業製） 40部 シランカツプリング剤（トーレシリコン製）
0.272部 蒸留水 60部 その後、90℃２分間加熱して水分を除去した後
200℃で15分間加熱処理した結果、表面が一段と
ガラス光沢に優れた美麗な染着絵柄が施されたガ
ラス製灰皿を得た。

実施例 ５ 実施例１で得られた絵柄シートを絵柄層面を上
にして常温の水面上に浮かべ、絵柄シートの支持
体シートであるポリビニルアルコールフイルムを
膨潤せしめながら、上方から、表面が比較的大き
な曲率半径からなる球面状のプラスチツク（エポ
キシ樹脂）成形品を上記絵柄層面に当接して水中
へ沈降させ、プラスチツク成形品の表面に絵柄シ
ートを仮着させて貼付けながら水中から引上げ
た。

次いでこの絵柄シートが貼付けられたプラスチ
ツク成形品を60℃にて10分間乾燥し、続いて160
℃で10分間炉内にて乾式加熱処理を行つて絵柄層
中の染料をプラスチツク成形品の表面に移行させ
て該表面を染着した。而る後バフ研摩によつて表
面の不要残存物を除去した結果、球面状のプラス
チツク成形品の表面に繊細美麗な多色模様からな
る染着絵柄を絵付することができた。

実施例 ６ 成形された丹銅のコンパクト容器の表面に、熱
硬化性樹脂含有溶液（アクリル樹脂70重量部、メ
ラミン樹脂20重量部、エポキシ樹脂10重量部を溶
剤としてのキシレン100部に溶解させた溶液）を
スプレー法にて塗布し、200℃にて30分間焼付け
て丹銅の表面に熱硬化性樹脂皮膜を設けたコンパ
クト容器を作製した。

次に厚さ30μｍのポリビニルアルコールのフイ
ルムの上に下記のインキ組成物をグラビヤ印刷方
法を用いて印刷し抽象柄の絵柄層を形成した絵柄
シートを作製した。

(a) 黄色インキ組成物 （重量部） 熱可塑性ウレタン樹脂（ニツポラン 2304）
15部 C.I.Disperse Yellow76 ５部 メチルエチルケトン 80部 (b) 赤色インキ組成物 熱可塑性ウレタン樹脂（ニツポラン 2304）
15部 C.I.Disperse Red60 ５部 メチルエチルケトン 80部 (c) 青色インキ組成物 熱可塑性ウレタン樹脂（ニツポラン 2304）
15部 C.I.Disperse Blue26 ５部 メチルエチルケトン 80部 次いで上記絵柄シートを絵柄層面上に上方から
キシレン中に３重量％のポリブテン樹脂を混入し
た接着剤の溶液を散布して接着剤層を形成した
後、40℃の温水面上に絵柄層面を上にして浮か
べ、絵柄シートの下面のポリビニルアルコールフ
イルムを溶解し、而る後前記表面に熱硬化性樹脂
皮膜を設けたコンパクト容器を、上記絵柄層の接
着剤塗布面に当接して水中へ沈降させ、その表面
に絵柄層を接着させて貼付けながら水中から引上
げた。次いでこの絵柄層が貼付けられたコンパク
ト容器を90℃にて３分間乾燥し、続いて190℃に
て７分間炉内にて乾式加熱処理を行い絵柄層中の
染料をコンパクト容器表面の熱硬化性樹脂皮膜中
に移行させて該皮膜を染着した。而る後、染着さ
れた熱硬化性樹脂皮膜面上に残存する不要の絵柄
層をトリクレンにて溶解除去した結果、コンパク
ト容器の表面の樹脂皮膜に極めて美麗な多色模様
を絵付することができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明において使用する絵柄シートの
断面図、第２図乃至第６図は本発明の絵付方法の
工程を説明する略解図であり、第２図−Ａは絵柄
シートを水面に浮かべた状態を示し、第２図−Ｂ
はその上から溶剤或いは接着剤を吹付けた場合を
示す。又第３図は絵柄層面へ立体構造物を当接す
る工程を示し、第４図は絵柄層の貼付け工程を示
す。又第５図及び第６図は染料の染着工程を示す
ものである。第７図は支持体シート上に絵柄層を
部分的に設けた場合の絵柄シートの断面図であ
る。 図中、１は支持体シート、２は絵柄層、３は立
体構造物、４は水面、５は溶剤又は接着剤、６は
染着可能層、７は無色の透明皮膜層、８は熱移行
性染料を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 親水性又は水溶性からなる支持体シートに、
   熱移行性染料を含有するインキで任意の絵柄層を
   設けて絵柄シートを作製し、該絵柄シートを絵柄
   層を上面にして水面上に浮かべ、該絵柄シートを
   水面上に浮かべる前叉は後において前記絵柄層上
   に溶剤叉は接着剤を塗布し、而る後少なくとも表
   面層が前記熱移行性染料で染着可能な素材からな
   る立体構造物を当接して水中へ沈降させ、該立体
   構造物の表面に前記絵柄層を仮着させ、そのまま
   の状態で水中から引き上げ、次いでこれを加熱し
   て絵柄層内の熱移行性染料を立体構造物の表面に
   移行させて染着した後、表面の残存物の除去処
   理、封孔処理叉はオーバーコート処理をすること
   を特徴とする立体構造物への絵付方法。 ２ 熱移行性染料が昇華性染料である特許請求の
   範囲第１項記載の立体構造物への絵付方法。 ３ 立体構造物が表面に陽極酸化アルミニウム層
   を形成してなるものである特許請求の範囲第１項
   記載の立体構造物への絵付方法。 ４ 立体構造物が表面にコロイドアルミナを塗布
   焼成して形成した活性アルミナ層を有してなるも
   のである特許請求の範囲第１項記載の立体構造物
   への絵付方法。 ５ 立体構造物が表面に熱移行性染料によつて染
   着可能な合成樹脂塗膜を有してなるものである特
   許請求の範囲第２項記載の立体構造物への絵付方
   法。