JPS645484Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は脱穀機に関するものである。

従来の脱穀機における排ワラチエンの支持ステ
ーはパイプ又は角材などの棒状材で構成されてお
り、これを扱室の後側板に固定するようになつて
いる。しかし、扱室がこのような棒状材による一
点固定のほか前後側板を脱穀機の横側板に連結し
たのみの構成であるため、扱室の剛性は一般に弱
く、この扱室に高負荷がかかつたりあるいは長時
間運転を行なうと、前後側板に支持される受網に
加わる力又は前後側板に直接加わる力により側板
全体が変形し、ついには使用不能に陥ることがあ
る。また上記のような棒状材のみであるため、扱
室から穀稈排出口に吹出されたワラ屑が天板にま
で浮上すると共に、その天板に沿つて後方より機
外に排出し非衛生的でもあつた。

本考案の目的は上述のような従来装置の問題を
解消し、穀稈排出口の上方に設けた板状体を、穀
稈排出口からのワラ屑浮上を抑制する抑制機能、
穀稈排出側の扱室側板の剛性向上と相俟つ高負荷
時などにおける扱室の変形防止機能、および排稈
チエン用のブラケツトを強固に支持する支持機能
に兼用し得る板状体を有する脱穀機を提供せんと
することにある。

上記目的を達成する本考案の脱穀機は、脱穀機
の扱室外側に位置する穀稈排出口の上方に、フイ
ードチエン側に位置する排稈チエン用のブラケツ
トを支持し且つ天板および底板とで断面が箱形に
形成された板状体を設け、フイードチエーンとは
反対側の扱室背面側の機壁を形成し扱胴軸と平行
する方向の横側板を、穀稈排出側の扱室側板より
も後方に延出して該扱室側板と直交する延出部に
構成し、板状体の互いに直交する二辺をを上記扱
室側板と延出部に固定して穀稈排出口上方を覆う
よう構成してなるものである。

以下、図に示す本考案の実施例によつて説明す
る。

図において１は扱室、２は穀稈排出口であり、
３はこれら扱室１および穀稈排出口２の下方に設
けられた揺動選別板である。扱室１は前部側板４
および後部側板５ならびに受網６などに囲まれる
ようにして形成されており、その中に扱胴７が扱
胴軸７ａを中心に回転駆動されるように設けられ
ている。また、８は脱穀機の外殻を形成するよう
フイードチエンとは反対側の扱室背面側の機壁を
形成し扱胴軸７ａと平行する方向の横側板であつ
て、この横側板８は、穀稈排出側の扱室側板、つ
まり後部側板５よりも後方に延出され該後部側板
５と直交する延出部に構成されており、この横側
板８の延出部上方は、後述する板状体１０の一辺
を取りつける取付部に形成されている。９は上方
へ延長する天板である。１３はフイードチエン，
１４は排稈チエンである。

穀稈排出口２の上部には、天板９の下方に位置
する部分において全体を覆うように、断面が箱形
となるようにプレス成形された板状板１０が設け
られており、この板状体１０は、互いに直交する
二辺の内、一方がボルト１１により複数箇所で扱
室１の後部側板５に固定され、他方がボルト１２
により複数箇所で上記横側板８の延出部上方に設
けた取付部に固定されている。この板状体１０の
フイードチエン１３側の縁部は排稈チエン１４の
排稈チエンガイド１５をブラケツト１６を介しボ
ルト１７によつて固定し、排稈チエンガイド１５
の支持部材としての機能も有している。板状体１
０の天板１０ａの中央部には長溝状の凹部１８が
形成されており、この凹部１８を介し板状体１０
はそのブラケツト１６を支持する部位に近い位置
がギヤケース１９の上面にボルト２０によつて固
定されている。また凹部１８には注油栓２１が設
けられ、ここからギヤケース１９に注油できるよ
うにしてある。この場合、板状体１０の上面は平
面であるのでオイル缶等を乗せ易くなつており、
また注油時にオイルをこぼしても凹部１８に溜り
脱穀機内部に落下することはない。

板状体１０の下面には、さらに飛散防止布２２
がボルト２３によつて取付けられて穀稈排出口２
の後部を覆うと共に飛散防止壁２４と対応するよ
うになつており、穀粒、ワラ屑などが衝突して必
然的に揺動選別板３上に落下し、再選別されるよ
うにしてある。ワラ屑はこの飛散防止布２２によ
つて上方への浮上を防止されるが、このワラ屑の
浮上防止は上部を覆う板状体１０によつても十分
に行なわれ、天板９から機外へ排出するのを抑制
する。

２５はカウンタプーリであり、このカウンタプ
ーリ２５に入力された動力はギヤケース１９に伝
達され、このギヤケース１９内において分配され
て扱胴７を駆動すると共にフイードチエン１３お
よび排稈チエン１４を駆動するようにしている。

上述した脱穀機においてフイードチエン１３に
より扱室１に供給された穀稈は、扱胴７で脱穀さ
れた後排稈チエン１４に引継がれる。この時、穀
稈排出口２の付近では扱胴７の圧風および選別風
によりワラ屑が大量に舞い上ると共に扱室１から
穀粒が飛出す。しかし、上方に板状体１０が覆つ
ており、さらに飛散防止布２２も後部に配置され
ているのでワラ屑は上方へ抜けるように浮上する
ことはない。

上述したように、互いに直交する後部側板５
と、横側板８の延出部とを、断面が箱形にプレス
成形され剛性の大きな板状体１０の互いに直交す
る二辺ににより固定することによつて、扱室１背
面側の機壁を形成する横側板８の延出部を利用し
て穀稈排出側の扱室側板５の剛性を向上できるの
で、扱室１に高負荷が作用しても後部側板５が変
形しにくいものにできると同時に、板状体１０の
ブラケツト１６を支持する部位に近い位置はギヤ
ケース１９に強固に支持できるため、フイードチ
エン１３側でブラケツト１６を支持する板状体１
０にあつても、その剛性が向上するので、板状体
１０による排稈チエン用のブラケツト１６の保持
を強固にできる。

以上に説明してきたように本考案は、脱穀機の
扱室外側に位置する穀稈排出口の上方に、フイー
ドチエン側に位置する排稈チエン用のブラケツト
を支持し且つ天板および底板とで断面が箱形に形
成された板状体を設け、フイードチエーンとは反
対側の扱室背面側の機壁を形成し扱胴軸と平行す
る横側板を、穀稈搬出側の扱室側板よりも後方に
延出して後部側板と直交する延出部に構成し、板
状体の互いに直交する二辺を上記扱室側板と延出
部に固定して穀稈排出口上方を覆うよう構成した
から、穀稈排出口上方を覆い穀稈排出口からのワ
ラ屑の浮上が抑制できる抑制部材とすることがで
きる板状体でありながら、しかも、互いに直交す
る穀稈排出側の扱室側板と、扱室背面側の機壁を
形成する横側板の延出部とを、断面が箱形に形成
され剛性の大きな板状体の互いに直交する二辺に
より固定することによつて、穀稈排出側の扱室側
板と、扱室の背面に連続する横側板の延出部を利
用して扱室に連なる扱室側板の剛性を高め、高負
荷時における扱室の変形を防止できる上、板状体
自体も互いに直交する二辺が固定されるので、板
状体による排稈チエン用のブラケツトを強固に支
持できる。

また、実施例のように、板状体を排稈排出口上
方に固定されたフイードチエン駆動用のギヤケー
ス上面に固定した場合には、板状体のブラケツト
を支持する部位に近い位置をギヤケースに固定で
きるため、板状体による排稈チエン用のブラケツ
トを強固に固定できる。

また、実施例のように、板状体に設けた凹状部
にギヤケース用の注油栓を位置させた場合には、
ギヤケースの上面に板状体を固定した構造であつ
ても、ギヤケースに注油できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例による脱穀機を示し、第１
図は縦断側面図、第２図は一部横断した平面図、
第３図は後面図である。 １……扱室、２……穀稈排出口、５……後部側
板、８……横側板、１０……板状体、１２……排
稈チエンガイド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 脱穀機の扱室外側に位置する穀稈排出口の上
   方に、フイードチエン側に位置する排稈チエン
   用のブラケツトを支持し且つ天板および底板と
   で断面が箱形に形成された板状体を設け、フイ
   ードチエーンとは反対側の扱室背面側の機壁を
   形成し扱胴軸と平行する方向の横側板を、穀稈
   排出側の扱室側板よりも後方に延出して該扱室
   側板と直交する延出部に構成し、板状体の互い
   に直交する二辺を上記扱室側板と延出部に固定
   して穀稈排出口上方を覆うよう構成してなる脱
   穀機。 ２ 板状体を、脱穀機の穀稈排出口上方に固定さ
   れたフイードチエン駆動用のギヤケース上面に
   固定した実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   脱穀機。 ３ ギヤケース上面に固定した板状体の上面に凹
   状部を設け、該凹状部にギヤケース用の注油栓
   を位置させた実用新案登録請求の範囲第１項ま
   たは第２項記載の脱穀機。