JPS645152Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、前進５速とリバースを有する自動
車の歯車変速機の変速操作装置に関するものであ
る。

この種の歯車変速機は、リバースと同一のシフ
ト操作線上に第５速を構成するため、その変速操
作経路中に５速へのシフト操作時にリバース側が
追従して動くのを防止するための機構が設けられ
る。

その一手段として、後進用シフトフオークと後
進シフトアームとの連結部に５速へのシフト操作
時に上記シフトアームの動きを規制するブラケツ
トを設けることが考えられるが、この場合、ブラ
ケツトはボルト等の固定具により変速機ケースに
固定しなければならないため、組付作業に手間を
要すると共に、部品点数が増加する不具合があ
る。

この考案は上記のような事情に注目してなされ
たもので、変速機の構成部品を有効利用して上記
ブラケツトを極めて簡単な構造で変速機ケースに
固定できる歯車変速機の変速操作装置を提供する
ことを目的とするものである。

上記目的を達成するためのこの考案の特徴とす
るところは、上記ブラケツトの両端を変速機ケー
ス内に設けられるシフトフオークシヤフトに嵌合
する一方、変速機ケースの内壁に設けられた後進
シフトアームを支持する支軸を該シフトアームよ
り突出させ、該突出端に上記ブラケツトの中間部
を嵌合することによりブラケツトを変速機ケース
内に移動不能に固定したことである。

以下、この考案の実施例を図面に従い説明す
る。

自動車の変速装置１は、変速機ケース２と、変
速機ケース２内に設けられた歯車変速機構３を有
し、変速機ケース２はケースカバー４ａを有する
ケース本体４と、このケース本体４の後面に固着
された後部ケース６を有している。上記歯車変速
機構３は、エンジンに連動連結された入力軸７
と、駆動車輪に連動連結された出力軸８との間に
設けられる歯車群を有すると共に、入力軸７から
出力軸８への動力伝達を許容もしくは切断操作す
る変速操作装置９とを有している。

即ち、入力軸７上に駆動歯車１１が遊転自在に
設けられる一方、出力軸８に駆動歯車１１と噛合
する従動歯車１２が設けられ、また入力軸７と駆
動歯車１２との間にキー式の同期噛合装置１３が
設けられる。この同期噛合装置１３のスリーブ１
４が、第１図に示したように動力伝達を切断した
状態から駆動歯車１１側に移動すると、このスリ
ーブ１４と駆動歯車１１に設けられた同期歯車１
６とが同期噛合し入力軸７から出力軸８への動力
伝達が許容される。

次に上記変速操作装置９について説明する。

上記ケース本体４の前壁１７と後壁１８に第１
シフトフオークシヤフト１９が架設され、この第
１シフトフオークシヤフト１９に後進用シフトフ
オーク２１が軸方向摺動自在に設けられ、この後
進用シフトフオーク２１は図示しない変速操作レ
バーに連動されるセレクトレバー２２と係合し、
このセレクトレバー２２の前後回動操作で第１シ
フトフオークシヤフト１９上を軸方向に移動せし
められる（第１図、第２図矢印図示）。

２３はブラケツトで平面視略コ字状に成形さ
れ、その両端対向片２４，２４の各第１貫通孔２
６に上記第１シフトフオークシヤフト１９が嵌合
し、一方両対向片２４，２４を結ぶ中間部２７に
形成された第２貫通孔２８に、ケース本体４にね
じ止めされた支軸２９が嵌合し、これによつてブ
ラケツト２３がケース本体４に固定される。上記
支軸２９には後進用シフトアーム３０が回動自在
に支持され、その回動端はリバース用アイドルギ
ヤ３１に連動連結される。また、上記後進用シフ
トフオーク２１は後進シフトアーム３０と共にブ
ラケツト２３にカム装置３２を介して係合し、５
速へのシフト操作時に後進シフトアーム３０の回
動を規制する。このカム装置３２は、ブラケツト
２３に成形された第１カム孔３３と後進シフトア
ーム３０に成形された第２カム孔３４と、これら
両孔３３，３４に摺動自在に挿入され後進用シフ
トフオーク２１に同行移動するカム軸３６とで構
成される。

一方、後進用シフトフオーク２１に、該後進用
シフトフオーク２１の移動で、前記スリーブ１４
に係合した５速用シフトフオーク３７を連動させ
る第２シフトフオークシヤフト３８が片持ち支持
される。即ち、第２シフトフオークシヤフト３８
の一端が後進用シフトフオーク２１に成形された
取付孔３９に嵌合されると共にノツクピン４１で
固定される。また、第２シフトフオークシヤフト
３８の他端はケース本体４内から後部ケース６内
に延びて、枢支軸４２を介して後部ケース６に枢
支されたベルクランク４３の一端に係合し、ベル
クランク４３の他端が上記５速用シフトフオーク
３７に係合する。

そして、図示の中立状態から、後進用シフトフ
オーク２１を前方に移動させれば（矢印Ａ）、カ
ム軸３６が第１カム孔３３の前縁に当接するまで
第２カム孔３４の前縁を押動して後進シフトアー
ム３０を前方移動させる。これによつて、後進操
作が達成される。一方、上記中立状態から後進シ
フトフオーク２１を後方に移動させれば（矢印
Ｂ）、第２シフトフオークシヤフト３８の移動に
伴いベルクランク４３が回動し（矢印Ｃ）、５速
用シフトフオーク３７を介しスリーブ１４が入力
軸７と駆動歯車１１を連結する。これによつて前
進５速の変速操作が達成される。この場合、後進
シフトアーム３０は中間部２７に突設されたスト
ツパピン４４に当接して、中立状態から後方への
移動は阻止されており、この状態において、後進
用シフトフオーク２１の後方移動に伴いカム軸３
６は第１カム孔３３と第２カム孔３４の孔内を後
方へ移動する。

この考案によれば、ブラケツトの両端をシフト
フオークシヤフトに嵌合すると共に、変速機ケー
ス内壁に設けられた後進シフトアームを支持する
支軸を該アームより突出させ、該突出端に上記ブ
ラケツトの中間部を嵌合したので、従来のような
ボルト等による固定具を一切用いることなくブラ
ケツトを変速機ケース内の所定位置に移動不能に
支持することができる。

したがつて、組付け作業性が大幅に向上する
他、部品点数の削減や支持構造の簡素化によつて
大幅なコスト低減を図ることができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図はその側
面断面図、第２図は第１図の−線矢視平面
図、第３図は同第１図の−線矢視部分断面
図、第４図は同第１図の−線矢視部分断面図
である。 １……変速装置、２……変速機ケース、３……
歯車変速機構、１９……第１シフトフオークシヤ
フト、２１……後進用シフトアーム、２３……ブ
ラケツト、２９……支軸、３０……後進シフトア
ーム、３７……５速用シフトフオーク、３８……
第２シフトフオークシヤフト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 変速機ケース内に設けられたシフトフオークシ
   ヤフトに後進用シフトフオークを摺動自在に支持
   し、該シフトフオークをリバースアイドルギヤを
   切換操作する後進シフトアームと５速用シフトフ
   オークに連結すると共に、上記後進用シフトフオ
   ークと後進シフトアームとの連結部に５速へのシ
   フト操作時に上記シフトアームの動きを規制する
   ブラケツトを設けた歯車変速機の変速操作装置で
   あつて、上記ブラケツトの両端をシフトフオーク
   シヤフトに嵌合する一方、変速機ケース内壁に後
   進シフトアームを支軸により支持し、該支軸の突
   出端に上記ブラケツトの中間部を嵌合して該ブラ
   ケツトを変速機ケース内に移動不能に固定したこ
   とを特徴とする歯車変速機の変速操作装置。