JPS6441Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は扱歯の回動軌跡と交叉して脱穀処理作
用を促進する切刃及びその取着構造に関するもの
である。

従来の切刃は添付図面における第６図に示すよ
うに平鉄の両側を同方向に折曲しこれに刃付した
ものを数個別々に列設して切刃装置を構成してい
たのであるが、これによると切刃の着脱が困難で
手間がかかり且つ個々単独に取着されているため
に強度的に弱体で取着姿勢が乱れ易く従つて処理
能力を低下させ、ひいては抜歯が接触して破損す
る等の弊害を招来していたのである。

本考案は上述の如き従来の弊害を一掃せんとし
て扱胴室の前側で且つ排塵胴の側方に揺動選別装
置に通ずる幅広の空洞を縦方向に形成し、一体に
構成した切刃群をこの空洞から扱胴室内に向け挿
入固定可能に構成して上記従来の弊害を解消し切
刃の脱着の容易化をはかり迅速且つ強固に取着で
きる切刃装置を提供せんとするものである。

以下、本考案における切刃装置について実施例
図を参照して説明する。

先ず第１図は本考案装置を備えた脱穀機Ａを走
行車台Ａ１の前部に、後部にはエンジン及び運転
操作装置Ｂ、籾タンクＣ、籾受装置Ｄ等を配設し
た自走自脱を示したもので第２図はこの脱穀機Ａ
の扱胴カバーＡ２を取外した上面図であり、第３
図と第４図は第２図におけるＸ−Ｘ線、Ｙ−Ｙ線
の断面をそれぞれ示した図である。

即ち、１は周面に扱歯２を植設して回動可能に
横架せる扱胴、３は扱胴１を囲繞して扱胴室４を
形成する受網、５は受網３の下側において前後方
向に揺動して扱胴室４からの扱卸物を選別する揺
動選別装置であつて、無孔の山形送り板６と目抜
鉄板７とより、８は穀稈の排出側９の扱胴室４前
部に開口した送塵口、１０はこの送塵口８の前側
にあつて扱胴室４の未処理物を送塵口８から順次
排塵室１１に排出する排塵胴であり、送塵口８の
下縁からこの排塵胴１０にそつてホーク状の平鉄
が突設してある。１３は受網３の前側下側に位置
し前記揺動選別装置５に一体的に取着した流穀板
でこの流穀板１３の上縁における上記平鉄１２の
下方部分には四角形の皿状をした還元板１４をそ
の上端１４ａが平鉄１２の先端と高低差なく固設
してあり、さらにこの平鉄１２の前側に排塵室１
１に向け篩線１５を突設してある。

１６は扱胴室４の前側で且つ排塵胴１０の側方
に、この扱胴室４を形成する前壁１７と受網３を
後面とし前面を排塵室１１の画板１８とで形成す
る穀稈供給側から排出側９方向に長い幅広の空洞
があり、画板１８下縁からゴム板等の可繞性板体
１９を垂設し、この可繞性板体１９の下部は前記
流穀板１３に当接した空洞１６の下部は揺動選別
装置１５上に連通してある。

２０は切刃群で第５図参照で第６図に示す切刃
２１を数個断面コ字形の平鉄２２にその刃部２１
ａ，２１ｂを夫々突き通し各基板２１ｃを平鉄２
２に溶接して一体に構成してあり、前記前壁１７
の空洞１６側に形成した凹部１７ａに上記平鉄２
２が没入する如く空洞１６側から扱胴室４に向け
て切刃２１を挿入し平鉄２２両側をボルトにより
前壁１７に固定する。

なお、２３は二番物還元筒であり先端部は穀稈
供給側の扱胴室４にのぞませてあり、２４は圧風
唐箕２５の選別風の風向調節板２６は吸引機であ
る。

従つて、脱穀機Ａは扱胴１と排塵胴１０が第３
図の矢印方向に回動し前後方向に揺動する揺動選
別装置５と圧風唐箕２５と吸引機２６の共働によ
る選別風によつて扱胴室４内を横送する穀稈を脱
穀処理するのであり、この際扱胴室４内を回遊す
る稈切れ及び穂切れはこの抜歯２と切刃群２０と
の協同作用によつて切断処理されて脱穀処理作用
は促進され、送塵口８より排塵胴１０により順次
繰出され排出される未処理物は平鉄１２によつて
さらに処理されながら穀粒はそのホーク状間から
落下し或は還元板１４に衝突しともに流穀板１３
を経て揺動選別装置５に落下する。尚、還元板１
４上を飛び越えるもの更に篩線１５によつて篩い
選別されるのである。

また、切刃群２０を取外すには平鉄２２の両側
を前壁１７から脱し切刃群２０を空洞１６内に退
入すれば容易に取外せるしこれと逆にすれば取着
できるのである。

本考案は以上述べた如く、 受網の下側に扱卸物を選別する揺動選別装置を
設け、扱胴室の穀稈排出側に開口せる送塵口を排
塵胴を介して前部の排塵室に連通せる脱穀機にお
いて、該扱胴室の前側で且つ排塵胴の側方に上記
揺動選別装置に通ずる幅広の空洞を縦方向に形成
し、一体に構成した切刃群をこの空洞から扱胴室
内に向け挿入固定可能に構成してあるから、切刃
は個々単独に取付ける必要がなく切刃群を一度に
取着することができて容易且つ迅速に行なえ、し
かも数個の切刃を一体の切刃群に構成してあるか
ら個々単独に取着するもののように廻り止め等が
不用となりながらもその取着姿勢は確実に保持さ
れ乱れることなくこれによつて処理能力の低下す
ることもない。しかも切刃群は一体の比較的大き
い物体に形成されるものであるけれども扱胴室の
前側に形成した空洞側から挿入し固定可能なもの
にしたから大きい物体となる切刃群もその着脱は
頗る容易なものとなつたのである。

なお、実用新案登録請求の範囲の欄の記載にお
いて、図面に付した符号を併記するも、これは理
解を便ならしめるためのものでこれによつて図面
に示す構成のものに限定解釈されるべきものでは
ない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示せるものにして
第１図は本考案による切刃装置を備えた自走自脱
の外観側面図、第２図は脱穀機の扱胴カバーを取
外した上面図、第３図と第４図は第２図における
Ｘ−Ｘ線、Ｙ−Ｙ線の夫々断面図、第５図第６図
は要部の説明用斜視図である。 主要部の符号説明、３……受網、５……揺動選
別装置、４……扱胴室、９……穀稈排出側、８…
…送塵口、１０……排塵胴、１１……排塵室、Ａ
……脱穀機、１６……空洞、２０……切刃群。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 受網３の下側に扱卸物を選別する揺動選別装置
   ５を設け、扱胴室４の穀稈排出側９に開口せる送
   塵口８を排塵胴１０を介して前部の排塵室１１に
   連通せる脱穀機Ａにおいて、該扱胴室４の前側で
   且つ排塵胴１０の側方に上記揺動選別装置５に通
   ずる幅広の空洞１６を縦方向に形成し、一体に構
   成した切刃群２０をこの空洞１６から扱胴室４内
   に向け挿入固定可能にしてあることを特徴とする
   扱胴室における切刃装置。