JPS643225B2 - - Google Patents

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JPS643225B2
JPS643225B2 JP55131458A JP13145880A JPS643225B2 JP S643225 B2 JPS643225 B2 JP S643225B2 JP 55131458 A JP55131458 A JP 55131458A JP 13145880 A JP13145880 A JP 13145880A JP S643225 B2 JPS643225 B2 JP S643225B2
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JP
Japan
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acid
liquid crystal
dope
cellulose derivative
coagulation bath
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JP55131458A
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Shuji Kajita
Toshihiko Matsui
Seiichi Manabe
Kenji Kamiide
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 本発明は、セルロース誘導体液晶から繊維また
はフイルムを製造する方法に関するものであり、
さらに詳しくは、セルロース誘導体液晶から高強
力、高弾性率の繊維又はフイルムを製造する方法
に関するものである。
セルロース誘導体の液晶については、たとえば
特開昭52−96230などに有機溶剤を使用した液晶
系について述べられている。従つて、これらの液
晶からの繊維の製造法も、有機溶剤を用いる方法
のみが知られている。本発明者らは、先にセルロ
ース誘導体と無機酸が特定の条件下に液晶を発現
することをみいだした。本発明は、このセルロー
ス誘導体と無機酸からなる液晶から高強力高弾性
率の繊維またはフイルムを得るための成形方法を
開示するものである。前記特開昭52−96230には
有機溶剤を用いるセルロース誘導体繊維の製造法
として、乾式紡糸法、エアギヤツプ紡糸法が好適
であると総括的に述べられているが、無機酸を用
いた場合の繊維の製造法に関しては、なんら具体
的記述はない。セルロース誘導体と無機酸とから
なる液晶系においては、有機溶剤系液晶に比較し
て、さらに溶剤に対する液晶内セルロース誘導体
濃度が高くなり、紡糸工程中の溶解・脱泡・押し
出しが非常に困難なため、該公開特許の方法をそ
のまま適用することはできない。
本発明者らは、このような現状に鑑み、鋭意検
討を重ねた結果、本発明を完成するに至つた。
本発明の目的は、従来の成形技術では到底考え
られない高濃度、高粘度の液晶ドープから成形
(紡糸・製膜)を行ない、高強力、高弾性率をも
つ繊維、又はフイルムを得ることである。本発明
の要旨とするところは、少くとも1種のセルロー
ス誘導体と、少くとも1種の無機酸とから構成さ
れ、前記セルロース誘導体の前記無機酸に対する
重量分率が少なくとも25%であり、かつ20℃にお
いて、少なくとも1000ポイズの粘度を有する液晶
をスクリユー式エキストルーダーにより空中に繊
維状、またはフイルム状に吐出し、次に、この吐
出された液晶流を凝固浴中に導入して固化するこ
とを特徴とするセルロース誘導体液晶から繊維ま
たはフイルムを製造する方法にある。
本願明細書において用いられている用語「液
晶」とは、偏光顕微鏡の直交ニコル下で、光の透
過が観察される光学異方性をもつドープを意味す
る。
本発明に使用されるセルロース誘導体として
は、メチルセルロース、エチルセルロース、シア
ノエチルセルロース、カルバモイルエチルセルロ
ース、カルボキシエチルセルロース、シアノエチ
ル―カルバモイルエチルセルロース、シアノエチ
ル―カルボキシエチルセルロース、カルボキシエ
チル―カルバモイルエチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、及びそれらの可能なナトリウム
塩、並びにセルロースアセテートであり、本質的
に無機酸水溶液に分子分散状態で溶解可能なもの
が用いられ、これらは二種以上混合して使用する
ことも可能である。
本発明の液晶形成に有用な無機酸としては、硝
酸、塩酸、硫酸、リン酸、メタリン酸、ピロリン
酸、次亜リン酸、亜硫酸、フルオロ硫酸、クロロ
硫酸、塩素酸、次亜塩素酸、亜塩素酸、過塩素
酸、臭素酸、過臭素酸、次亜臭素酸、フツ化水素
酸、チオシアン酸、チオ硫酸等であり、特に、硝
酸、塩酸、リン酸、および過塩素酸が好適であ
る。これらの無機酸類は、単独又は二種以上混合
して使用してもかまわない。実際の使用に当つて
は、これらの酸類を少なくとも5重量%以上含む
水溶液がセルロース誘導体の溶媒として用いられ
る。この酸水溶液中の好ましい酸濃度は、用いら
れる酸、及び、セルロース誘導体の種類によつて
異なるが、たとえばメチルセルロースとリン酸と
の組合せでは30〜88重量%、硝酸とメチルセルロ
ースとの組合せでは5〜67重量%、シアノエチル
セルロースと硝酸との組合せでは25〜75重量%、
セルロースアセテート(置換度(DS)0.3〜2.95)
と、硝酸との組合せでは5〜75重量%、前記セル
ロースアセテート硫酸との組合せでは15〜95重量
%等である。
本発明方法に使用される液晶は、前述のセルロ
ース誘導体と、無機酸の水溶液とを室温、又は冷
却もしくは加熱しながら混合することによつて得
られる。
無機溶剤は有機溶剤を使用する場合と異なり、
セルローズ誘導体溶液中にゲルの発生が著しく低
く、短時間で、成形に有用な液晶を容易に得るこ
とができる。これに対して有機溶剤を使用する場
合は、ゲルの発生が著しく、成形に有用な液晶の
製造は極めて困難である。たとえ有機溶剤を用い
て液晶が得られたとしても、後述するように液晶
形成時にはドープ濃度が高い為、過操作によつ
て、上述のゲルを別することは非常に困難であ
る。短時間で、成形に有用な液晶を容易に得るこ
とは、セルロース誘導体の液晶を成形する上に不
可欠である。この目的には、無機溶媒が、上述の
ように工業的に極めて有効である。本発明の最大
の特徴は、セルロース誘導体と無機酸とで構成さ
れた液晶を利用する点にある。無機酸を溶媒とし
て採用することは、従来の成形技術、特に紡糸技
術上からは、むしろ否定的であつた。これは無機
酸の高い腐蝕性と、ドープの安定性に問題がある
からである。しかるに、本発明者らはドープ中の
セルロース誘導体濃度を特定濃度、例えば25重量
%以上にすると、ドープの該腐蝕性が低下し、し
かもドープの安定性も増加するということを見出
し、本発明に至つた。
好適な紡糸用ドープを形成する液晶は、少なく
とも25重量%のセルロース誘導体を溶媒中に含有
していることが好ましい。得られる成形品、例え
ば繊維が好適な物性を有するためには、通常セル
ローズ誘導体濃度として35〜65重量%の範囲が好
んで用いられる。濃度が上記下限値よりも低い場
合は、たとえば部分的に液晶が存在するようなド
ープになり、好適な液晶が得られず、物性のよく
ない繊維しか得られないことがある。濃度が前記
上限値よりも高いとドープ濃度の上昇に伴う、ド
ープ粘度の著しい上昇のため、ドープの成形が困
難となることがある。
得られた液晶の成形用ドープは、一般にかなり
高い粘度を有している。好適な物性を有する成形
品を与える液晶ドープは、20℃において少なくと
も1000ポイズの粘度を有するものであり、通常は
3000〜40000ポイズの粘度を有するものが使用さ
れる。しかも、本発明方法では、無機酸を使用し
ているため、セルロース誘導体の分解や、ドープ
の腐蝕性を考慮すれば成形温度を上昇させること
は不可能である。そのため紡糸時のドープ粘度
は、通常1000ポイズ以上である。ドープ粘度は、
コーンプレート型回転粘度計を用い剪断速度
20s-1,20℃で測定した。
セルロース誘導体と無機酸とから成る本発明方
法の液晶ドープは、高濃度で粘度が極めて高く、
通常の湿式紡糸や乾式紡糸における、キヤンドル
フイルターを使用したロ過や遠心力、重力、真空
を利用した脱泡などは、ほとんど不可能で、ま
た、たとえロ過、脱泡が可能であるとしても、こ
れらの工程に非常に長時間を要し、工業的に利用
しにくいのが現状である。また無機酸によつてセ
ルロース誘導体が変成することがあり、従つて、
上記工程はできるだけ短時間内に完了する必要が
ある。さらに、液晶ドープの輸送のために一般に
ギヤポンプが使用されるが、これを用いた場合、
液晶ドープが、高粘度であるため、これを吐出口
から押し出すことが不可能である。
本発明の成形法の特徴の一つに、従来主として
溶融成形品の製造に用いられていたスクリユー式
エキストルーダーを使用する点がある。スクリユ
ー式エキストルーダーを用いることによつて、脱
泡、ロ過および押し出し操作を連続的に実施する
ことが可能となつた。
本発明に用いられる好適なエキストルーダー
は、スクリユーのL/D比が15〜40の範囲のもの
が好適であり、さらには、途中に脱気口をもつベ
ント型のスクリユー式エキストルーダーが好適で
ある液晶ドープ内に混入した気泡を除去するため
には、脱気口を減圧にすることもある。ロ過はス
クリユー式エキストルーダー内に設置したロ過用
金網によつて実施することができる。該エキスト
ルーダー内の温度は、液晶ドープ中のセルロース
誘導体の分解又は劣化を防止し、酸の腐蝕性を抑
制するために通常は10℃以下に保持される。さら
に好適には、−5〜5℃の温度範囲が使用される。
次に成形用ドープは、所望形状の吐出口(孔ま
たはスリツト)を通じて、一度空中に繊維状また
はフイルム状に吐出され、いわゆる空中吐出湿式
成形される。空中吐出湿式成形法とは、ドープを
吐出口を通じて気体媒体、又は、トルエンやヘプ
タンの如き不活性な非凝固性流体の薄い層に吐出
し、この吐出された液流を凝固浴へ導入し固化す
る成形法をいう。本発明の成形法では、吐出口と
凝固浴液面とは離間している。すなわち、吐出口
と凝固浴の液面との距離には格別の限定はない
が、0.2〜15cm程度が適当であり、ドープ吐出速
度、ドラフト、および、成形物の形状、例えばフ
イラメント数や太さ、フイルムの厚さなどによつ
て変化する。
本発明方法において吐出口と凝固浴液面との間
を離間させることによつて、紡速を向上すること
ができ、液晶の繊維軸方向への配向が促進され
る。その結果、所望の強度・弾性率を有する繊維
またはフイルムを得ることができる。凝固浴は、
縦型でも横型でもよい。
いま繊維を例にとつて凝固工程を説明するが、
同様の凝固工程が、フイルムに対しても適用する
ことができる。エキストルーダーにより押し出さ
れ、紡糸孔により繊維状に形成された液晶流は、
紡糸孔と、凝固浴液面との間の空間を通過した
後、凝固浴に導入され、繊維の形状に固化され
る。
一般に、本発明方法により得られた繊維は、他
のエキストルーダーを用いる公知乾式紡糸等で得
られた衣料用セルロース誘導体繊維にくらべて、
極めて高い強度および弾性率を有している。しか
しこれら強度および弾性率を更に高めるために、
吐出された繊維状液晶流を凝固浴中で凝固しなが
ら延伸することもできる。通常、液晶紡糸法には
延伸工程が不要で、延伸なしでも、得られる繊維
に高強力・高弾性率を付与できることが一般的に
知られている。従つて液晶紡糸では一般に延伸工
程が省略されている。しかし、本発明者らは繊維
の構造形成が行なわれつつある凝固浴中で、繊維
に適度な延伸を加えることにより、さらに強度お
よび弾性率が増大するというセルロース誘導体/
酸系の液晶の特異現象を見い出した。この延伸は
凝固浴中に、延伸用ローラを設置することによつ
て達成される。
凝固浴中に延伸用ローラを設置することにより
該浴中で繊維にかかる抵抗力が減少し、安定した
紡糸が実現され、さらにドラフトの上昇が得られ
ることも繊維物性の向上に寄与する。
延伸用ローラの数には特に限定はないが、凝固
浴中で繊維を延伸できるように少なくとも1個の
ローラが凝固浴の中に配置されていることが望ま
しい。第1図A,BおよびCに本発明方法に好ま
しく用いられる凝固浴中の延伸ローラの配置を示
す。
第1図Aにおいて、凝固浴中に押出されて凝固
した繊維5はガイド3を経て一対の延伸ローラ4
―1および4―2を数回周回する。繊維5の捲取
力によつて、繊維5が延伸ローラ4―1および4
―2を周回する間、ならびに延伸ローラを離れた
直後に延伸される。
第1図―Bにおいて、エキストルーダー1より
吐出された繊維形状の液晶流は、凝固浴2中で凝
固され、固化した繊維5は凝固浴中に配置された
第1延伸ローラ4―1と、凝固浴の液面上方に配
置された第2延伸ローラ4―2との間に所望延伸
倍率で延伸される。
第1図―Cにおいて、エキストルーダー1より
吐出された繊維形状の液晶流は、凝固浴2中で凝
固され、固化した繊維5は、共に凝固浴中に配置
された第1延伸ローラ4―1および第2延伸ロー
ラ4―2両延伸ローラにそれぞれ1〜数回巻付け
られ、両延伸ローラの間で所望延伸倍率に延伸さ
れ、次にガイドローラを経て凝固浴外に引き出さ
れる。
上記凝固浴内延伸は、糸切れを生じない程度に
1.05以上の延伸倍率で行われることが好ましく、
1.1〜3.0の延伸倍率が更に好ましい。
上記繊維成形用の吐出、凝固工程は、吐出口の
形状、寸法を変えてフイルムの成形工程にも応用
することができる。
凝固液としては水、酸、アルカリ、アセトン及
びそれらの混合物が用いられる。好適には水、無
機酸の60重量%以下の水溶液が用いられるが、場
合によつては10重量%以下のアルカリ、メタノー
ル、エタノール、アセトンを用いることもある。
また凝固浴に塩類を加えることも何ら差しつかえ
ない。また凝固浴の表面張力による成形物、特
に、繊維の融合を防ぐため、界面活性剤を加える
こともある。
凝固浴の温度は、特に限定するものではないが
得られる成形物の分解、劣化を防ぐため一般には
10℃以下好適には5℃以下に保持されることが好
ましい。
凝固浴より引き出された繊維は、溶媒を除去す
るため水洗され、巻取、乾燥される。さらに好適
な物性を得るために得られた繊維は水洗後湿潤し
た状態、あるいは乾燥した状態で無緊張下又は緊
張下で100〜300℃で1〜60秒間熱処理されること
もある。
以下、実施例によつて本発明の具体的な内容を
詳述する。
実施例 1 本実施例はセルロースアセテートと硝酸水溶液
からなる液晶ドープからの繊維の紡糸法を示す。
セルロースアセテート(置換度DS=2.5、密度
1.31)200gに、70重量%硝酸水溶液177gを加
え、10℃に保持された1対のローラを混合液中で
回転させて溶液を調製した。ローラの間隔は0.2
mm、表面速度比は1/2であり、約1hr溶解操作
を行つた。得られたドープは偏光顕微鏡のクロス
ニコル下で光学異方性を示し、20℃での粘度は
8000ポイズであつた。次いでこのドープをL/D
が20のスクリユー式エキストルーダーに投入し温
度を3℃に保持した。エキストルーダー内部に設
置された3枚のステンレス製金網(100メツシユ)
と直径0.08mmの孔を50個持つ紡糸口を通してドー
プを押し出した。次いで繊維状ドープ流を紡糸口
下0.5cmに位置する、凝固浴に導入した。凝固浴
は水からなり、5℃の温度に保持されていた。凝
固された繊維をさらに凝固浴中に設置された1対
の延伸ローラによつて1.5倍に延伸を行ない、巻
取速度40m/分(ドラフト6.5)でボビン上に巻
き上げた。このボビンを1時間水洗した後風乾し
た。得られた繊維は、強度3.5g/d、伸度5.3
%、初期弾性率180g/dであつた。
実施例 2 本実施例は、セルロースアセテートと硫酸水溶
液からなる液晶ドープからの繊維の紡糸方法を示
す。
100メツシユのステンレス製金網を通過させた
セルロースアセテートの粉末(DS=2.5、密度
1.31)200gに60重量%硫酸水溶液200gを加え、
冷水で冷却しながら約2時間で撹拌溶解した。得
られた液晶ドープを3℃に保持されたL/Dが20
のスクリユー式エキストルーダーに投入した。液
晶ドープをエキストルーダー内部に設置された3
枚のステンレス製金網(100メツシユ)で過し、
次に直径が0.08mmの孔を50個持つ紡糸口を通して
ドープを押し出した。繊維状のドープ流を次いで
紡糸口下0.5cmに位置する、5℃に保持された水
の凝固浴に導入し固化した。さらに凝固浴中に設
置された1対のローラによつて、固化した繊維を
1.1倍に延伸を行ない、巻取速度25m/分(ドラ
フト4.0)でボビン上に巻き取つた。このボビン
を1時間水洗後風乾した。得られた繊維は強度
3.2g/d、伸度5.5%、初期弾性率146g/dで
あつた。
実施例 3 本実施例は、本発明の紡糸法によつて得られる
セルロースアセテート繊維がケン化によつて強い
セルロース繊維にケン化されることを示す。
セルロースアセテート(DS=2.5、密度1.31)
200gに70重量%硝酸水溶液200gを加え10℃に保
持された1対のローラを用いて溶解した。ローラ
の間隔は0.1mm、表面速度比は1/2であり、セ
ルロースアセテートは100メツシユのステンレス
製金網を通過させたものを使用した。溶解は30分
で完了した。次いで得られたドープを2℃に保持
された、L/Dが20のスクリユー式エキストルー
ダーに投入した。エキストルーダー内部に設置さ
れた3枚のステンレス製金網(100メツシユ)と
直径が0.08mmの孔を50個持つ紡糸口を通してドー
プを押し出し紡口下0.5cmに液面を有し、30%硝
酸水溶液からなり、かつ2℃に保持された凝固浴
に通し、固化した繊維を凝固浴中の1対のローラ
で1.5倍に延伸し、巻取速度50m/分(ドラフト
7.2)でボビン上に巻き取つた。このボビンを1
時間水洗後、1重量%水酸化ナトリウム溶液に1
時間浸漬し、水洗乾燥した。得られた繊維は強度
4.5g/d、伸度4.8%、初期弾性率198g/dで
あつた。
実施例 4 本実施例はメチルセルロースとリン酸水溶液か
らなる液晶ドープからの繊維の紡糸方法を示す。
メチルセルロース(DP=220、DS1.8)200g
に83重量%のリン酸水溶液245gを加え、約3時
間で撹拌溶解した。次いで得られたドープを、5
℃に保持されたL/Dが20のスクリユー式エキス
トルーダーに投入した。エキストルーダー内部に
設置された3枚のステンレス製金網(100メツシ
ユ)と直径が0.2mmの単孔の紡口を通してドープ
を押し出し紡糸口下2cmに液面を有し、5℃に保
持され、かつ、メタノールからなる凝固浴に通
し、固化した繊維を巻取速度20m/分(ドラフト
35)でボビン上に巻き取つた。このボビンをさら
にメタノールで洗浄し風乾した。得られた繊維は
強度2.5g/d、伸度5.1%、初期弾性率95g/d
であつた。
実施例 5 実施例1と同様の操作を繰り返した。但し、凝
固浴中における延伸倍率を1.0倍にした。得られ
た繊維は強度3.0g/d、伸度6.5%、初期モジユ
ラス133g/dであつた。
比較例 1 セルロースアセテート(DS=2.5、密度1.31)
60gに240gの70重量%の硝酸水溶液を加え溶解
し、紡糸用ドープを得た。得られたドープを、偏
光顕微鏡のクロスニコル下で観察したが、光学異
方性を示さなかつた。このドープを実施例1と同
じ条件で紡糸を行なつた。得られた繊維は強度
1.2g/d、伸度28.4%、初期弾性率42.5g/dで
あつた。
比較例 2 実施例1のスクリユー式エキストルーダーをピ
ストン式エキストルーダーに換えて、同一の紡糸
条件で紡糸を行なつた。ドープの脱泡が不十分で
糸切れが多発し、紡糸が不能となつた。
【図面の簡単な説明】
第1図A,BおよびCは、それぞれ、本発明方
法に用いられる凝固浴中の延伸ローラの配置を示
す説明図である。 1……エキストルーダー、2……凝固浴、3…
…ガイドローラ、4―1……第1延伸ローラ、4
―2……第2延伸ローラ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 少くとも1種のセルロース誘導体と少くとも
    1種の無機酸とから構成され、前記セルロース誘
    導体の前記無機酸に対する重量分率が、少なくと
    も25%であり、かつ20℃において、少なくとも
    1000ポイズの粘度を有する液晶をスクリユー式エ
    キストルーダーにより空中に繊維状、またはフイ
    ルム状に吐出し、次に吐出された液晶流を凝固浴
    中に導入して固化することを特徴とする、セルロ
    ース誘導体液晶から繊維またはフイルムを製造す
    る方法。 2 前記セルロース誘導体が、メチルセルロー
    ス、エチルセルロース、シアノエチルセルロー
    ス、カルバモイルエチルセルロース、カルボキシ
    エチルセルロース、シアノエチル―カルバモイル
    エチルセルロース、シアノエチル―カルボキシエ
    チルセルロース、カルボキシエチル―カルバモイ
    ルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
    ス、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
    キシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
    チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
    及びそれらの可能なナトリウム塩、並びにセルロ
    ースアセテートからなる群から、選ばれる特許請
    求の範囲第1項記載の方法。 3 前記無機酸が、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、
    メタリン酸、ピロリン酸、次亜リン酸、亜硫酸、
    フルオロ硫酸、クロロ硫酸、塩素酸、次亜塩素
    酸、亜塩素酸、過塩素酸、臭素酸、過臭素酸、次
    亜臭素酸、フツ化水素酸、チオシアン酸およびチ
    オ硫酸からなる群から選ばれる特許請求の範囲第
    1項記載の方法。 4 前記凝固液が、水、酸、アルカリ、アルコー
    ル、アセトン、及びそれらの混合物から構成され
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。
JP55131458A 1980-09-24 1980-09-24 Molding of cellulose derivative liquid crystal Granted JPS5757729A (en)

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