JPS6431Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、第１引起し装置と、第２引起し装置
とを並設した刈取収穫機の伝動構造に関する。

少なくとも２つ以上の引起し装置を並設した刈
取機においての従来における引起し装置や引起し
装置の下方側に設けられる刈取茎稈掻込み装置へ
の動力伝達構造は、本機側からの駆動軸に対し
て、夫々別々の伝動軸を介して連動連結する構造
であつた。

しかしながら、各装置への伝動軸は、茎稈搬送
装置等の配設箇所を避けるように設ける必要があ
るが、夫々別々の伝動軸で、複数箇所に位置する
ことから、茎稈搬送装置等の配設許容箇所を狭く
制限するとともに、夫々の伝動軸において各装置
に応じた減速をすることもあつて、前処理部にお
ける伝動構造が大型なものとなる欠点があつた。

本考案は、上記実状を鑑みてなされたものであ
つて、本機側に連動する駆動軸から引起し装置及
び刈取茎稈掻込み装置へ動力伝達する構造の小型
化を図ることを目的とする。

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

クローラ式走行装置１を備えた機台上に脱穀部
２を設け、機体横方向と並列させた左右一対の植
立穀稈引起し装置３ａ，３ｂ、引起し穀稈に対す
るバリカン型刈取装置４、刈取穀稈を前記脱穀部
２に供給する搬送装置５、刈取穀稈の株元側を前
記搬送装置５の始端部に掻込む装置６を備えた前
処理部Ａを、前記機台の前方に設けてあり、機体
を走行させるに伴い植立穀稈を引起こすと共に刈
取り、刈取穀稈を脱穀するコンバインを構成して
ある。

前記前処理部Ａを駆動するに、前記機台の前部
に、前処理部用原動軸７をエンジン側に連動され
た出力軸８にベルト連動させた状態で設け、前記
原動軸７の回動力を第２図、第３図に示す伝動構
造に基づいて各装置に伝動するようにしてある。

すなわち、前記引起し装置３ａ，３ｂのうち機
体右側に位置する第２引起し装置３ｂの後方に伝
動軸９を後傾立ち姿勢でかつ筒状伝動ケース１０
に内装した状態で設けると共に、前記伝動軸９の
上下中間部に大径ベベルギア１１と小径ベベルギ
ア１２を並設し、一端側を前記原動軸７の左右中
間部にギア連結した駆動軸１３の他端側を前記大
径ベベルギア１１に連動連結し、そして、前記小
径ベベルギア１２に第２引起し装置３ｂの入力軸
１４を連動連結し、前記伝動軸９の上端側に機体
左側に位置する第１引起し装置３ａの入力軸１５
を両引起し装置３ａ，３ｂの上方に架設した機体
横方向の伝動軸１６、及び、この伝動軸１６の第
１引起し装置側端に上端側をギア連結した機体上
下方向の伝動軸１７を介して連動連結してあり、
原動軸７により回動される駆動軸１３の回動力を
前記大径ベベルギア１１部により減速して各引起
し装置３ａ，３ｂに伝達するようにしてある。

前記伝動軸９の下端側に、前記掻込み装置６を
構成すると共に咬合う左右一対のスターホイール
６ａ，６ｂのうちの右側ホイール６ｂに取付けた
入力軸１８を減速ギア機構１９を介して連動連結
してあり、駆動軸１３の回動力を、前記大径ベベ
ルギア１１部による作用と前記減速ギア機構１９
による作用とにより両引起し装置３ａ，３ｂに対
するよりも大きく減速して右側ホイール６ｂに伝
達し、そして、右側スターホイール６ｂにより左
側スターホイール６ａを駆動するようにしてあ
る。

前記搬送装置５に対する入力軸２０を前記原動
軸７とベベルギア連結すると共に、前記入力軸２
０に対するケース部分２１を原動軸７に対するケ
ース部分２２に原動軸７の軸芯周りで回転自在に
保持させる一方、第４図、第５図に示すように、
前記搬送装置５を前記原動軸芯周りで上下揺動さ
せるためのレバー２３を、操縦部Ｂに前記第２引
起し装置３ｂの前後一対の引起しケース２４，２
４に共締め状態で取付けたレバーガイド２５の案
内溝に合わせて上下揺動自在に設けると共に、前
記ガイド２５に上下に並列させて設けてある切欠
に択一的にレバー２３を係入させる事により搬送
装置５の下降を阻止できるようにしてあり、もつ
て、前記レバー２３の揺動操作により搬送装置５
の始端側を昇降させて扱深さ調節を行うようにし
てある。

尚、前記伝動構造は、バインダー等の各種穀稈
刈取収穫機や、い草等穀稈以外の茎稈を刈取対象
物とする収穫機にも適用できるのであり、前記掻
込み装置６を刈取茎稈掻込み装置６と称する。

以上要するに、本考案による刈取収穫機の伝動
構造は、第１引起し装置と、第２引起し装置とを
並設した刈取収穫機の伝動構造であつて、後傾立
ち姿勢の伝動軸を、前記第２引起し装置の背部側
に配設するとともに、この伝動軸の中間部に、本
機側からの駆動軸に連動される大径ベベルギア
と、前記第２引起し装置の入力軸を連動連結する
小径ベベルギアとを並設し、さらに前記伝動軸の
上端側に前記第１引起し装置を連動連結し、かつ
前記伝動軸の下端側に刈取茎稈掻込み装置を連動
連結してあることを特徴構成とする。

すなわち、並設した第１及び第２引起し装置と
刈取茎稈掻込み装置とへの伝動構造を後傾立ち姿
勢の１本の伝動軸にまとめてあり、この伝動軸を
比較的スペースのある引起し装置の背部側に配設
してあるから、引起し装置及び刈取茎稈掻込み装
置へ夫々別々の伝動軸を介して動力伝達する従来
のものと較べ、多数の伝動軸を配設する空間を要
しないので、茎稈引起し、刈取、及び搬送する前
処理部をコンパクトにできるとともに、伝動軸に
設けた大径ベベルギアに本機側からの駆動軸を連
動連結して、伝動下手側の各装置全部に対する減
速を行い得るので、各装置ごとに減速構造を設け
る従来のものに較べて部品点数は少なくなり、か
つ、より小型化の図れる伝動構造が得られる等の
効果を奏するに至つた。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る刈取収穫機の伝動構造の実
施例を示し、第１図はコンバインの側面図、第２
図は前処理部伝動構造の概略斜視図、第３図は要
部の断面図、第４図は扱深さ変更操作部の構造を
示す正面図、第５図は第４図の−断面矢視図
である。 ３ａ……第１引起し装置、３ｂ……第２引起し
装置、６……掻込み装置、９……伝動軸、１１…
…大径ベベルギア、１２……小径ベベルギア、１
３……駆動軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１引起し装置３ａと、第２引起し装置３ｂと
   を並設した刈取収穫機の伝動構造であつて、後傾
   立ち姿勢の伝動軸９を、前記第２引起し装置３ｂ
   の背部側に配設するとともに、この伝動軸９の中
   間部に、本機側からの駆動軸１３に連動される大
   径ベベルギア１１と、前記第２引起し装置３ｂの
   入力軸を連動連結する小径ベベルギア１２とを並
   設し、さらに前記伝動軸９の上端側に前記第１引
   起し装置３ａを連動連結し、かつ前記伝動軸９の
   下端側に刈取茎稈掻込み装置６を連動連結してあ
   ることを特徴とする刈取収穫機の伝動構造。