JPH0531863Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は刈取後の穀稈を刈幅の中央に集束し後
部脱穀装置に向けて送り出す合流搬送装置が装備
されている刈取前処理機構を、脱穀装置を搭載し
た走行機体に対して横摺動可能に支持しているコ
ンバインの刈取前処理装置に関する。

〔従来の技術〕

上記したような刈取前処理機構を横摺動させる
構造を持つものは次のような特徴を有する。つま
り、未刈側を左手にした回り刈り作業を行う場合
には刈取前処理機構を横摺動させて左側に張出さ
せ、未刈穀稈と左クローラ走行装置との間隔を大
きくして、クローラが押出す泥土によつて未刈穀
稈を押し倒すといつたことを抑制し、かつ、左右
両側に未刈穀稈を位置させた中割作業を行う場合
には、刈取前処理機構を左右中間位置に設定し
て、右クローラ走行装置の前方に分草具を位置さ
せ、右クローラ走行装置で右側未刈穀稈を踏み付
けることがない特徴構成を有している。

このような刈取前処理機構を横摺動させる構成
として、従来は、走行機体前端から前方下方に向
けて延出した支持ケースに対して、その支持ケー
スと刈取前処理機構とに亘つて架渡したねじ軸の
その軸心周りでの回動によつて、刈取前処理機構
を横摺動可能に支持していた。そして、横向きに
架設されたねじ軸の横端に駆動モータを直結し、
この駆動モータを刈幅の最既刈側に位置する分草
具支持杆に取付けていた（例えば特願昭62−
109597号第１図及び第３図参照）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この場合には確かにねじ軸・駆動モータを刈取
前処理機構のうちでも最下方に位置させることが
できて、刈取穀稈の搬送に影響ない構成を採るこ
とができるものの、地面と近接する状態にあり、
しかも、駆動モータは刈幅の最外側端に位置して
いるので、この駆動モータが畦と接触したり、泥
水を被る等の問題があり、駆動モータの設定位置
を変更する必要があつた。

本考案の目的は駆動モータを適切な位置に設定
して、畦と接触するといつた問題を解消できるも
のを提供する点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による特徴構成は、 前記駆動モータを前記合流搬送装置の上方側
方に位置させる点と、 ねじ軸を刈取前処理機構と走行機体より前方
下方に向けて延出した支持ケースとに亘つて架
設する点と、 前記駆動モータとねじ軸とを下向き伝動機構
を介して伝動連結してある点と、 にあり、その作用効果は次の通りである。

〔作用〕

特徴構成に示すように、駆動モータを合流搬
送装置の上方に位置させることによつて、地面よ
り遠ざけることができて、泥水を被ることもな
く、又、畦と接触することもない。しかも、その
設置位置が合流搬送装置の側方であるので、その
設置位置が上方であつても、刈幅の中央に寄せら
れる穀稈の移動経路から外れた位置に設定でき、
搬送穀稈との接触もない。

しかも、横摺動方向に沿つて横向きに架設され
るねじ軸を上方に位置させると穀稈搬送経路の障
害となるのを、刈取前処理機構と支持ケースとに
亘つて架渡して地面近くに設置して、穀稈搬送を
阻害しない構成を採つている。

〔考案の効果〕

その結果、ジヤバラ式のカバー等で被覆できる
ねじ軸は地面に近い低所に位置させるとともに、
発熱処理の為、カバーをすることが難しい駆動モ
ータは上方に位置させることによつて、刈取前処
理機構に対する安定した横摺動構造を提供できる
に至つた。

〔実施例〕

第４図に示すように、コンバインは、分草具１
によつて分草された植立穀稈を引起す引起し装置
２、引起し後の穀稈を刈取る刈取装置３、刈取穀
稈を刈幅の中央に集束する合流搬送装置４として
の左右パツカー４Ａ及び左右突起付搬送ベルト４
Ｂ、集束穀稈を後部脱穀装置５に向けて搬送する
縦搬送装置６等からなる刈取前処理装置と、縦搬
送装置６の横側方に配設された運転席７とを備え
て構成されている。

前記した分草具１、引起し装置２、刈取装置
３、パツカー４等を総称して刈取前処理機構１７
と称し、この刈取前処理機構１７の走行機体９に
対する横摺動構造について説明する。第２図及び
第３図に示すように、走行機体９前端には縦向き
フレーム１０が立設され、この縦向きフレーム１
０の上端に横向き伝動ケース１１がその横軸心周
りで回動自在に枢支されている。この横向き伝動
ケース１１の外周面に機体前後向き姿勢のメイン
フレーム１２を固着するとともに、横向き伝動ケ
ース１１の伝動軸１３とメインフレーム１２の伝
動軸１４とをベベルギヤ機構１５で連結して、横
向き伝動ケース１１伝動軸１３の端部入力プーリ
８でエンジン（図外）からの動力を受けて、メイ
ンフレーム内伝動軸１４に伝動すべく構成してあ
る。前記メインフレーム１２の先端には支持ケー
ス１６が設けられ、この支持ケース１６に対して
刈取前処理機構１７が取付けられている。

この先端支持ケース１６での刈取前処理機構１
７の取付構造を説明する。第２図及び第３図に示
すように、先端支持ケース１６のメインフレーム
１２取付部位には機体横幅方向に沿つた姿勢の摺
動軸１８が自身の軸心Ｘ方向に摺動可能にベアリ
ング支持されるとともに、六角形状に形成された
中間部に受動ベベルギヤ１９及びメインフレーム
伝動軸１４先端に駆動ベベルギヤ２０が固着さ
れ、摺動軸１８への伝動構造が形成されている。
この受動ベベルギヤ１９は摺動軸１８の六角中間
部に外嵌されて一体回転可能に構成されるととも
に、ベアリング２１を介して先端支持ケース１６
に回転だけ可能に枢支され、摺動軸１８の横摺動
を許容する構成をとつている。この摺動軸１８の
先端支持ケース１６より左右に突出した左右端部
には、夫々、引起し装置２，２への動力を供給す
るベベルギヤ伝動機構２２，２２が設けられてい
る。

前記摺動軸１８の前方側にはパイプ式の第１摺
動フレーム２３がブツシユ２４，２４を介して先
端支持ケース１６に横摺動可能に枢支されるとと
もに、先端支持ケース１６より突出した左右端
に、左右分草具支持杆を固定した左右支持フレー
ム２５，２５が連結固定されている。又、この第
１摺動フレーム２３より更に前方側には第２摺動
フレーム２６が左右支持フレーム２５，２５に亘
つて架設されるとともに、支持ケース１６の前端
より更に前方へ向けて延出された略断面コの字形
のホルダー２７に前方開口側から差し込み遊嵌支
持され、ホルダー２７に対して相対横摺動可能に
構成されている。

次に、刈取前処理機構１７の横摺動駆動装置に
ついて説明する。第１図及び第２図に示すよう
に、前記先端支持ケース１６内に左右横向きに進
み角の大きなねじ軸２８を挿入するとともに、先
端支持ケース１６左側面部に前記ねじ軸２８と咬
合する雌ネジ部材２９を設けてある。前記ねじ軸
２８の左側端部は左支持フレーム２５に支承され
るとともに、左支持フレーム２５より突出した先
端に従動ベベルギヤ３０が取付けてある。一方、
この従動ベベルギヤ３０の上方でかつ左側合流搬
送装置４Ｂの上方横側方に駆動モータ３２が配置
されるとともに、この駆動モータ３２の下向き出
力軸と前記ねじ軸２８とが下向き伝動機構３３と
しての伝動軸を介して伝動連結してある。図中３
４は伝動機構３３の下端に取付けられ、従動ベベ
ルギヤ３０と咬合する駆動ベベルギヤであり、３
１は駆動モータ３２下向き出力軸と前記伝動機構
３３とを連結するカツプリングである。

一方、第２図及び第４図に示すように、前記摺
動軸１８の両端に設けられたベベルギヤ伝動機構
２２に対して第１ベベルギヤケース３５で覆うと
ともに、この第１ベベルギヤケース３５を支持台
として引起し伝動ケース３６を立設し、この引起
し伝動ケース３６の途中に第２のベベルギヤケー
ス３７を設けて、この第２ベベルギヤケース３７
から動力分岐して、前記突起付搬送ベルト４Ｂ及
びパツカー４Ａへ動力を供給する分岐構造を形成
している。そして、この第２ベベルギヤケース３
７より取付台３８を張出させて、この取付台３８
に駆動モータ３２を取付けてある。

〔別実施例〕 合流搬送装置４としてはパツカー４Ａ・突起
付ベルト４Ｂの何れか一方が備えられてあれば
よく、又、他の形式によるものでもよい。

前記下向き伝動機構３３としてはチエン、ベ
ルト等を使用してもよい。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンバインの刈取前処理装
置の実施例を示し、第１図は駆動モータと合流搬
送装置との位置関係を示す正面図、第２図は刈取
前処理機構の横摺動構造を示す断面図、第３図は
刈取前処理機構の横摺動構造を示す縦断側面図、
第４図は全体側面図である。 ４……合流搬送装置、５……後部脱穀装置、９
……走行機体、１６……支持ケース、１７……刈
取前処理機構、２８……ねじ軸、３２……駆動モ
ータ、３３……伝動機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈取後の穀稈を刈幅の中央に集束し後部脱穀装
   置５に向けて送り出す合流搬送装置４が装備され
   ている刈取前処理機構１７を、脱穀装置５を搭載
   した走行機体９より前方下方に向けて延出した支
   持ケース１６に対して刈取前処理機構１７と支持
   ケース１６とに亘つて架渡したねじ軸２８のその
   軸心周りでの回動によつて相対横摺動可能に支持
   するとともに、このねじ軸２８を駆動する駆動モ
   ータ３２を、前記合流搬送装置４の上方側方に位
   置させて下向き伝動機構３３を介してねじ軸２８
   に伝動連結してあるコンバインの刈取前処理装
   置。