JPH0423374Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は砂糖きび収穫機のトツプカツタ構造に
関する。

〔従来の技術〕

従来、上記トツプカツタ構造としては、例えば
特公昭51−31742号公報に示す構成のものがある。
つまり、この構成は第７図に示すように、走行機
体Ａの前端に昇降アーム３０を介して、その回転
軸心Ｐを前傾させた円板状のトツプカツタＣを設
け、前記アーム３０の昇降によつて、株元を切断
する以前の砂糖きびＳの先端梢頭部Saを任意の
レベルで切除できると共に、水平面に対し、円板
切刃Caの下方に、いわゆる逃げ角θを形成する
ことで、梢頭部Saを切断した後の砂糖きびＳが
カツタＣに接触しないようになつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記従来構成では、円板状カツタの回
転軸心を傾斜させるため、大型収穫機のトツプカ
ツタを構成する場合には、さほど支障にならない
が、例えば、農用トラクタに、該トツプカツタを
含むと共に、縦軸心周りで駆動される刈取茎桿搬
送装置等で構成した収穫装置をアタツチメントと
して取付け、砂糖きび収穫機を構成する場合等に
は、カツタの駆動のためにユニバーサルジヨイン
トを介装する必要を生じる等駆動系が複雑になつ
て、アタツチメントを大型化させる不都合を生じ
るものであつた。

本考案の目的は、簡単な駆動構造で刈取穀桿の
搬送を支障なく行えるトツプカツタをできるだけ
コンパクトに得る点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案にかかる砂糖きび収穫機のトツプカツタ
構造は、立設された駆動軸に対してフレーム板を
水平姿勢で上下位置調節自在に配備し、前記駆動
軸にトルク伝達可能かつ上下スライド自在に外嵌
した円板切刃を、前記フレーム板の上面に沿つて
回動自在に前記フレーム板に支持するとともに、
前記フレーム板の上下動に伴つて前記円板切刃を
上下動可能に構成し、前記フレーム板の上面に、
茎桿通路上手側に向けて片持ち状に延出するアー
ム板を取付け、このアーム板の延出方向中間部の
下面に遊転自在に取付けた円板受刃を、この円板
受刃の外周縁部と前記円板切刃の外周縁近くとが
平面視で重なり合う状態で、前記円板切刃の下面
に摺接するよう配設するとともに、前記アーム板
の茎桿通路側の側縁に立設した梢頭部案内用の立
壁を、前記円板切刃の周縁と前記円板受刃の周縁
との平面視での重合箇所よりも茎桿導入方向での
前方側の茎桿導入口から前記重合箇所よりも後方
にわたつて、前記円板切刃の外周に沿つてその外
周縁に対して所定間隔を隔てて配設してあること
を特徴構成とする。

かかる特徴構成による作用・効果は次の通りで
ある。

〔作用〕

つまり、上記構成によると、第１図に示すよう
に、円板切刃１９をフレーム板１７の上面に、
又、円板受刃２２をフレーム板１７の上面に取付
けたアーム板２０の下面に取付け、かつ、アーム
板２０の側縁に立壁２３を設けてあるため、円板
切刃１９と円板受刃２２との摺接レベル、つま
り、フレーム板１７の上面位置がカツタの切断レ
ベルL₀に設定されることになつて、同図に示す
方向視では、フレーム板１７と円板受刃２２とが
ラツプすることになつて、同図に示すように、円
板受刃２２よりフレーム板１７の厚さの方が大き
い場合には、梢頭を切除された砂糖きびが、当該
カツタを通り抜けるには、少なくともフレーム板
１７の下面１７ｓを通過すれば良いことになる。

又、切断された梢頭部はフレーム板１７の上面
を送られる、あるいは円板切刃１９の上面を円板
切刃１９の回転と共に送られることになる。

〔考案の効果〕

従つて、本来、薄く形成することが比較的容易
なフレーム板、円板切刃、円板受刃を合理的に配
設したことによつて、カツタに逃げ角を形成する
ことなく、水平にカツタを設定したにも拘わら
ず、簡単な駆動構造で刈取茎桿の通過が円滑に行
われ、かつ、切断した梢頭部の搬送も良好に行わ
れるトツプカツタがコンパクトに得られた。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第４図及び第５図に示すように、前部の繰向車
輪１、及び後部の推進車輪２で走行可能な車体Ａ
の中央部にステアリングハンドル３、を設け、
又、この後部に着座方向が前後向き変更可能な運
転座席４を後方に向けて設け、かつ、この座席４
から操作可能な位置にステアリングハンドル５、
操作ペダル６類を設けて農用トラクタを構成する
と共に、車体Ａの後部に設けた油圧シリンダ７で
昇降可能なリンク機構８を介して砂糖きび収穫装
置Ｂを連結し、もつて、砂糖きび収穫機を構成す
る。

前記収穫装置Ｂは、左右一対の分草具１０、第
６図に示す如く植立砂糖きびを、チエーン１１ａ
を先端に取付けた多数の係止爪１１ｂ……で引き
上げ、かつ、移送する左右一対の引き起し装置１
１、立設した駆動軸１２の上端に取付けられると
共に、砂糖きびの先端梢頭部を切除するトツプカ
ツタＣ、駆動軸１２の中間部に取付けた複数のス
プロケツト１３ａに巻回する無端チエーン１３
ｂ、挟持レール１３ｃで成ると共に、側方に向け
て刈取り砂糖きび茎桿を放出する搬送装置１３、
駆動軸１２の下端に設けられると共に、植立砂糖
きびの株元を切断するカツタ１４で構成してあ
り、アタツチメントとして農用トラクタに着脱で
きるようになつている。

第１図乃至第３図に示すように、前記トツプカ
ツタＣは、前記駆動軸１２に対してベアリング１
５及びステー１６を介して外嵌すると共に、駆動
軸１２の軸心方向に位置変更調節可能なフレーム
板１７、駆動軸１２にトルク伝達可能かつ、フレ
ーム板１７と伴に移動調節可能にステー１８を介
して外嵌すると共に、フレーム板１７の上面に沿
つて回動可能な円板切刃１９、前記フレーム板１
７の上面に茎桿通路Ｄ上手側に向けて片持ち状に
延出させて取付けたアーム板２０、このアーム板
２０の中間下部の下面に、前記円板切刃１９の下
面に摺接するよう枢支機構２１を介して遊転自在
に取付けた円板受刃２２、前記アーム板２０の茎
桿通路側の側縁に取付けた立壁２３、及び円板切
刃１９の上面に取付けられると共に、切除した砂
糖きび茎桿の梢頭部を前記立壁２３に沿つて放出
するよう多数のアーム２４ａ……を設けたドラム
２４で構成している。尚、第２図に示すように、
前記円板切刃１９の外周部と前記円板受刃２２の
外周部とが平面視で重なり合うように配置してい
る。そして、前記トツプカツタＣは油圧シリンダ
２５の駆動で上下に位置調節できるようになつて
いる。

因みに、円板切刃１９と円板受刃２２とが摺接
するため、フレーム板１７の上面位置がトツプカ
ツタＣの切断レベルL₀に設定されることになつ
て、第１図に示す方向視では、円板受刃２２より
厚く設定されたフレーム板１７の下面１７ｓを、
すり抜けることで、梢頭部を切除された後の砂糖
きびが送られることになる。

〔別実施例〕

本考案は上記実施例以外に、例えば、機体の内
部で砂糖きび茎桿の葉まで取除く構成の比較的大
型の砂糖きび収穫機に適用して実施して良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る砂糖きび収穫機のトツプカ
ツタ構造の実施例を示し、第１図は当該構造を示
す縦断側面図、第２図は当該構造を示す平面図、
第３図は当該構造を示す分解斜視図、第４図は砂
糖きび収穫機の全体側面図、第５図は砂糖きび収
穫機の全体平面図、第６図は引き起し装置の平面
図であり、第７図は従来のトツプカツタ構造を示
す側面図である。 １２……駆動軸、１７……フレーム板、１９…
…円板切刃、２０……アーム板、２２……円板受
刃、２３……立壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 立設された駆動軸１２に対してフレーム板１７
   を水平姿勢で上下位置調節自在に配備し、前記駆
   動軸１２にトルク伝達可能かつ上下スライド自在
   に外嵌した円板切刃１９を、前記フレーム板１７
   の上面に沿つて回動自在に前記フレーム板１７に
   支持するとともに、前記フレーム板１７の上下動
   に伴つて前記円板切刃１９を上下動可能に構成
   し、前記フレーム板１７の上面に、茎桿通路上手
   側に向けて片持ち状に延出するアーム板２０を取
   付け、このアーム板２０の延出方向中間部の下面
   に遊転自在に取付けた円板受刃２２を、この円板
   受刃２２の外周縁部と前記円板切刃１９の外周縁
   近くとが平面視で重なり合う状態で、前記円板切
   刃１９の下面に摺接するよう配設するとともに、
   前記アーム板２０の茎桿通路側の側縁に立設した
   梢頭部案内用の立壁２３を、前記円板切刃１９の
   周縁と前記円板受刃２２の周縁との平面視での重
   合箇所よりも茎桿導入方向での前方側の茎桿導入
   口から前記重合箇所よりも後方にわたつて、前記
   円板切刃１９の外周に沿つてその外周縁に対して
   所定間隔を隔てて配設してある砂糖きび収穫機の
   トツプカツタ構造。