JPS635455Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、１個のエンジンによつて走行装置及
び脱穀装置を駆動すべく構成するとともに、扱胴
回転数を一定化すべく自動制御するようにしてあ
るコンバインに関する。

従来の上記コンバインにおいては、脱穀装置に
対する変速装置を設けずに、エンジン回転数を一
定に維持するようにしており、脱穀装置に対する
負荷が減少すると、走行装置に対する変速装置を
増速側に操作して対処するようにしている。この
ように、エンジン回転数を一定に維持して走行装
置を高速駆動させると、エンジンの出力トルクと
負荷トルクの差が小となり、その結果、石等の走
行障害物のために突発的なエンジン負荷増大が生
じると、エンジン回転数が低下し易く、かつ、エ
ンジンストツプを起こし易くなる。

本考案は、上記実情に鑑みて、突発的なエンジ
ン負荷増大があつても、エンジン回転数低下やエ
ンジンストツプを極力回避できるようにすること
を目的とし、冒記コンバインにおいて、前記エン
ジンと脱穀装置との間に変速装置を介装するとと
もに、脱穀負荷の検出機構と、脱穀負荷の検出結
果の判別機構と、その判別結果に基いてエンジン
のアクセル装置を操作する操作装置とを設け、前
記脱穀負荷が減少すると前記エンジンの回転数を
上げながら扱胴回転数を設定範囲内に維持するよ
うに、前記脱穀負荷に基いて前記アクセル装置と
変速装置の夫々を自動的かつ可逆的に制御すべく
構成してある事を特徴とする。

つまり、アクセル操作によりエンジン回転数を
上げることにより、エンジンの出力トルクと負荷
トルクの差を従来に比して大として走行装置を高
速駆動するので、突発的なエンジン負荷増大があ
つても、エンジン回転数低下を抑制でき、かつエ
ンジンストツプを極力回避できる。また、このよ
うな制御をおこなつても、扱胴の回転数は常に設
定範囲に維持されているので脱穀性能の低下は生
じない。

以下に、本考案のコンバインの実施例を図面に
基いて説明する。

クローラ走行装置１を装備した機台上に１個の
エンジン２及び脱穀装置３を搭載して、走行機体
を構成し、穀稈引起し装置４、穀稈刈取り装置
５、及び、刈取穀稈を脱穀フイードチエーン６に
供給する搬送装置７から成る前処理部を機体前方
に設け、脱穀装置３からの排ワラを細断し、放出
する処理装置８を脱穀装置３の後方に設け、もつ
て、走行に伴い、植立穀稈の引起し、刈取り、刈
取穀稈の脱穀処理、脱穀排ワラの細断処理をでき
るように構成してある。

前記エンジン２の動力を油圧式無段変速装置９
及びミツシヨン１０に伝達し、そして、変速装置
９からの回転出力を脱穀装置３の扱胴１１に伝達
し、ミツシヨン１０からの回転出力を前記走行装
置１に伝達し、もつて、扱胴１１及び走行装置１
を駆動するように構成してある。

刈取作業時において、脱穀装置３に対する負荷
変動に基いて、自動的に、走行装置１の駆動速度
を制御するように構成してあり、この制御系を、
第３図に示すように構成してある。

すなわち、前記エンジン２のアクセル装置１２
を、操縦部に設けてあるレバー１３の揺動により
操作できるように構成し、もつて、レバー１３に
より走行装置１の駆動速度を変更できるように構
成してある。脱穀装置３に対する負荷変動を扱胴
１１のトルク変動として検出させるようにした機
構１４の検出結果を判別機構１５に導入し、脱穀
装置３への穀稈供給量を増減させる必要があるか
否かを判別させ、その判別結果に基いて前記レバ
ー１３を操作する装置１６を作動させるように構
成してある。レバー操作装置１６を構成するに、
摩擦連動機構１６ａを介してレバー１４と正逆回
転可能な電動モータ１６ｂとを連動連結し、前記
判別機構１５から穀稈供給量増大側への作動指令
が発信されると、エンジン２の回転数を上昇させ
る側にレバー１３を操作すべくモータ１６ｂを回
動させ、判別機構１５から穀稈供給量減少側への
作動指令が発信されると、エンジン２の回転数を
低下させる側にレバー１３を操作すべくモータ１
６ｂを回動させるように構成してある。つまり、
脱穀装置３に対する負荷変動に基いて、エンジン
２のアクセル操作を行わせて、走行装置１の駆動
速度を変更させることにより、脱穀装置３への穀
稈供給量を変更調節するように構成してある。

従つて、脱穀装置３に対する負荷が減少した時
の走行装置１の高速駆動は、アクセル操作により
エンジン２の回転数を上昇させて、行われるの
で、走行装置１高速駆動時におけるエンジン２の
出力トルクと負荷トルクの差を大にできる。

そして、アクセル操作しても、扱胴回転数を自
動的に一定化できるように構成するに、第３図に
示す制御系を構成してある。

すなわち、エンジン２の回転数を上昇させる側
に前記レバー操作装置１６が作動した時は、それ
に連動して変速装置９が減速側に操作され、そし
て、エンジン２の回転数を低下させる側にレバー
操作装置１６が作動した時は、それに連動して変
速装置９が増速側に操作されるように、アクセル
操作系と変速装置９を連動させて、アクセル操作
によりエンジン２の回転数を変化させても、扱胴
１１の回転数が、設定範囲内に維持されるように
構成してある。

又、扱胴回転数を設定範囲内に維持させるに、
第４図に示すように、扱胴１１の位置数変化を前
記検出機構１４により検出させ、その検出結果に
基いて、制御機構１７を介して、変速装置９を操
作させるように構成しても良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンバインの実施例を示
し、第１図は全体側面図、第２図は駆動系を示す
ブロツク図、第３図は操作系を示す概略図、第４
図は別態様を示す操作系統図である。 １……走行装置、２……エンジン、３……脱穀
装置、９……変速装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １個のエンジン２によつて走行装置１及び脱穀
   装置３を駆動すべく構成したコンバインであつ
   て、前記エンジン２と脱穀装置３との間に変速装
   置９を介装するとともに、脱穀負荷の検出機構１
   ４と、検出結果の判別機構１５と、その判別結果
   に基いてエンジン２のアクセル装置１２を操作す
   る操作装置１６とを設け、前記脱穀負荷が減少す
   ると前記エンジン２の回転数を上げながら扱胴回
   転数を設定範囲内に維持するように、前記脱穀負
   荷に基いて前記アクセル装置１２と変速装置９の
   夫々を自動的かつ可逆的に制御すべく構成したコ
   ンバイン。