JPS6026592Y2 - 走行速度自動制御機構付きコンバイン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、扱胴負荷と走１行速度とを予め設定した逆比
の関係に保つように扱胴負荷検出結果と走行速度検出結
果に基づいて走行変速装置を自動制御する機構を装備し
たコンバインに関するものである。

上記構成のコンバインは、扱胴負荷に応じた走行速度を
決定して搭載脱穀装置への単位時間当りの殻稈供給量を
制御し、エンジン動力を充分に活用した能率的な収穫作
業を過負荷なく行える特徴を有（ているのであるが、脱
穀装置の扱胴以外の作動部が詰まって作業不能になる可
能性があった。

例えば、脱流性が極めて高い殻稈の場合は、扱胴に作用
する負荷が比較的小さいために走行速度が増加制御され
て単位時間当りの収穫量が相当多くなり、選別部の２番
スクリューに詰まりが発生したり選別性能が極めて悪化
するおそれがあった。

又、このような現象は濡れた殻稈を処理する場合にも脱
穀物の搬送抵抗の増大が原因で見られるものであった。

本考案は、扱胴負荷に基づく走行速度自動制御の上記問
題を解消することを目的とする。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図はコンバインの側を示し、クローラ走行装置１，
１を装備した機台２に脱穀装置３、エンジン４及び操縦
席５が搭載されるとともに機台２の前部に引起し刈取り
前処理部６が昇降自在に連結されている。

又、脱穀装置３にはフィードチェーン７、排ワラ搬送チ
ェーン８、及び排ワラカッタ９が装備されている。

第２図は前記エンジン４から各装置への伝動系統を示す
ブロック線図であり、エンジン４からの動力は２系統に
分岐され、一方の分岐動力で脱穀装置３及びこれに付設
した排ワラカッタ９が駆動される。

又、他方の分岐動力は油圧式無段変速装置（Ｒ３Ｔ）
１０に入力され、この変速装置１０からの出力が走行ミ
ッションケース１１と前処理部ｉに伝達されている。

前記変速装置１０は人為レバー操作の他に扱胴負荷に基
づく自動操作が可能であり、第３図にその概略構成が示
きれる。

つまり、前記脱穀装置３には、扱胴１２に作用する負荷
を扱胴軸トルクとして検出する扱胴負荷検出器１３が装
備されるととも１こ、変速装置１ａと変速レバー１４と
を連係するリンク機構１５中には、変速状態を一つのリ
ンクの変位量として検出する走行速度検出器１６が装備
され、且つ、雨検出器１６．１３が自動変速用の正逆転
電動モータ１７を制御する制御回路１８に接続されてい
る。

このモータ１７はウオーム減速装置１９及び摩擦板式の
回転伝達機構２０を介して前記リンク機構１５に連動連
結されていて、前記伝動機構２０の摩擦力に抗して変速
レバー１４を手動で任意に操作できるとともに、制御回
路１８からの指令で正逆転するモータ１７によっても変
速レバー１４を自動操作できるように構成されている。

そして、この自動変速時においては、扱胴負荷Ｔと走行
速度■が予め設定した逆比関係（第４図参照）となるよ
うに変速レバー１４を自動操作すべく、雨検出器１３．
１６からの検出結果に基づいてモータ１７が正逆転駆動
制御される。

以上は、概に提示されている制御手段であって、本考案
では更に次のような構成が付加されている。

つまり、前記脱穀装置３における扱胴軸以外の回転軸の
一例である２番スクリュー軸２１の端部に回転速度を電
圧として取出す回転速度検出機構２２が取付けられてお
り、この検出機構２２からの出力が比較判別回路２３に
入力される。

この回路２３には設定器２４．２５から大小２種の基準
値信号ｎ１．ｎ２〔但しｎ□〉ｎ２〕が入力されており
２番スクリュー軸２１の検出回転速度ｎが大なる第１基
準値ｎよより大なる範囲（ｎ＞ｎｌ）でＣム前記モニタ
１７を扱胴トルクＴに基づいて前述のように制御し、又
、検出回転速度ｎが第１基準値ｎ１以下で第２基準値ｎ
□より大なる範囲（ｎｔ≧ｎ ＞ｎｚ）では扱胴トルク
Ｔに関係なく最高走行速度を手め設定器２６で設定した
低速度Ｖ′に規制するとともに、操縦席５の近くに設け
た警報ランプ２７を点減作動させ、更に、検出回転速度
ｎ、が第２基準値〜以下の範囲（ｎ２≧ｎ）では変速レ
バー１４を中立停止位置にまで自動制御するとともに、
警報ランプ２７を点減作動させ、且つ、警報ランプ２８
を作動させるように構成されている。

上記構成によれば、２番スクリュー軸２１に過負荷が作
用せず、適正の２番物の扱室への搬送環元が行われてい
る間は、走行速度■は第４図の関係を保つように、扱胴
トルクＴに応じて決定される。

又、脱流性が極めて良好で扱胴１２が軽く脱穀作動する
ような場合にはミ扱胴トルクＴに応じて走行速度■が大
きく増速制御されて殻稈供給量が増大し、選別部の２番
スクリュー軸には多量の２番物が送り込まれてくること
になり、もし、この２番スクリュー軸に容量以上の脱穀
物が送り込まれて過負荷気味になり、スクリュー軸２１
の回転速度が低下してくると、走行速度の最大値が低く
規制されて、扱胴トルクＴが適正であっても減速制御さ
れ、２番スクリュー軸の過負荷が解除されて適正回転速
度範囲に戻るまで一定の低速走行状態が維持されるので
ある。

尚、この状態では手動で規制速度Ｖ′以下にまで減速操
作して積極的に負荷の軽減を図ってもよい。

又、２番スクリュー軸２１に詰まりが発生して回転速度
が急減に低下すると、自動的に走行が停止されてスクリ
ュ一部め損傷が防止されるのである。

尚、脱穀装置３における扱胴以外の回転軸としては実施
例で示す２番スクリュー軸２１の他に選別部の１番スク
リュー軸２９や唐箕軸３０などが考えられる。

以上実施例で説明したよに本考案のコンバインは、扱胴
負荷と走行速度とを予め設定した逆比の関係に保つよう
に扱胴負荷検出結果と走行速度検出結果に基づいて走行
変速装置１０を自動制御する機構を装備したコンバイン
であって、脱穀装置における扱胴以外の回転軸の回転速
度を検出する検出機構を設け、前記回転軸の回転速度が
予め設定した第１基準値よりも大なるときは走行変速装
置を前記自動制御機構の指令に基づいて制御し、前記回
転速度が第１基準値とこれより低い第２基単信の間にあ
るときは、走行変速装置を扱胴負荷検出結果に関係なく
予め設定した低速度に規制し、前記回転速度が前記第２
基準値以下に低下すると走行停止させるべく構威しであ
る事を特徴とするものであるから、扱胴負荷が適正であ
っても、脱穀装置の扱き処理部以外の処理物搬出部や選
別部の回転軸が容量以上の脱穀物供給や搬送抵抗の増大
によって速度低下をきたすと、処理に支障を生じないう
ちに扱胴負荷に優先して走行速度を減速規制し、又、処
理に支障がでるまでに急速に回転速度低下がもたらされ
ると自動的に走行を停止し、常に脱穀物の処理を適切に
行いながら自動速度制御による能率的な収穫を行う事が
可能となったのである。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案に係る走行速度自動制御機構付きコンバイ
ンの実施の態様を例示し、第１図は全体側面図、第２図
は伝動系の概略を示すブロック線図、第３図は制御機構
の概略を示す構成国、第４図は「走行速度−扱胴トルク
ＴＪ線図である。 ３・・・・・・脱穀装置、１０・・・・・・走行変速装
置、２２・・・・・・回転速度検出機構、ｎ・・・・・
・検出回転速度、ｎｌ・・・・・・第１基準値、馬・・
・・・・第２基準値、Ｖ′・・・・・・設定低速度。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ 扱胴負荷と走行速度とを予め設定した逆比の関係に
   保つように扱胴負荷検出結果と走行速度検出結果に基づ
   いて走行変速装置１０を自動制御する機構を装備したコ
   ンバインであって、脱穀装置３における扱胴以外の回転
   軸２１の回転速度を検出する検出機構２２を設け、前記
   回転軸２１の回転速度ｎが予め設定した第１基準値ｎ１
   よりも大なるときは走行変速装置１０を前記自動制御機
   構の指令に基づいて制御し、前記回転速度ｎが第１基準
   値ｎ□とこれより低い第２基準値への間にあるときは、
   走行変速装置１０を扱胴負荷検出結果に関係なく、予め
   設定した低速度Ｖ′に規制し、前記回転速度ｎが前記第
   ２基準値殉以下に低下すると、走行停止させるべく構成
   してあ事とを特徴とする走行速度自動制御機構付きコン
   バイン。 ■ 前記回転軸２１が２番スクリュー軸である実用新案
   登録請求の範囲第■項に記載のコンバイン。