JPS6410574B2 - - Google Patents

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JPS6410574B2
JPS6410574B2 JP60173113A JP17311385A JPS6410574B2 JP S6410574 B2 JPS6410574 B2 JP S6410574B2 JP 60173113 A JP60173113 A JP 60173113A JP 17311385 A JP17311385 A JP 17311385A JP S6410574 B2 JPS6410574 B2 JP S6410574B2
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camshaft
melting
cam
chill
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JP60173113A
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JPS6233720A (ja
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Toshiharu Fukumizu
Hideo Nonoyama
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Publication date
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Priority to DE19863626799 priority patent/DE3626799A1/de
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Publication of JPS6410574B2 publication Critical patent/JPS6410574B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D9/00Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
    • C21D9/30Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for crankshafts; for camshafts
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S148/00Metal treatment
    • Y10S148/902Metal treatment having portions of differing metallurgical properties or characteristics
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S148/00Metal treatment
    • Y10S148/902Metal treatment having portions of differing metallurgical properties or characteristics
    • Y10S148/903Directly treated with high energy electromagnetic waves or particles, e.g. laser, electron beam

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、カムシヤフト、より詳しくは、TIG
アーク、レーザ、電子ビームなどの高密度エネル
ギーによつてカム摺動部表面を溶融し、自己冷却
で耐摩耗性に優れたチル層を形成させる再溶融カ
ムシヤフトの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
自動車用エンジンなどに組込まれる複数カムを
備えたカムシヤフトではカム摺動表面が優れた耐
摩耗性を有する必要があり、カム摺動部をTIGア
ーク、レーザ、電子ビームなどの高密度エネルギ
ーによつて溶融させ、カムシヤフトの自己冷却に
よる急冷でチル硬化層を形成する表面硬化熱処理
が施こされる(例えば、本出願人による特開昭59
−23156号公報、昭和59年5月7日出願の特願昭
59−91654号および59−91655号参照)。このよう
な表面硬化処理による再溶融チルカムシヤフトの
製造においては、第5図に示すようにカムシヤフ
ト1のカム2とTIGトーチ3のタングステン電極
4との間にTIGアーク5を発生させてカム2の摺
動表面を溶融させ、このときにカムシヤフト1を
その中心軸6について回転させ(矢印7)同時に
カムシヤフト1を中心軸6と平行に(矢印8)揺
動(往復運動)されている。トーチ3はタングス
テン電極4とカム2の表面との距離(ギヤツプ)
が一定になるように鉛直方向(矢印9)に動かさ
れ、TIGアーク5が軌跡10を描く。なお、カム
シヤフト1の代わりにトーチ3を揺動してもよ
い。
〔発明が解決しようとする問題点〕
トーチ3の軸(Z軸)11がカムシヤフト1の
中心軸6と交差するようになつている第6図に示
すカム2の断面において、TIGアークによる溶融
ポイントAではカム2のカムプロフイルの接線1
2と水平線13との間に変化する角度α(以下、
垂れ角と呼ぶ)が形成される。この垂れ角αが大
きい場合には高密度エネルギーによつて形成され
た溶融プールがカムの幅方向中央部で重力によつ
て下方に垂れる問題が生じる。垂れ角αは、一般
に、カムノーズ頂点14とカムシヤフトの中心軸
6とを結ぶ線とトーチ3の軸11との間に形成さ
れる角度が15〜30゜であるときに最大となり、こ
の最大角度はカムノーズ頂点の両側にある。最大
垂れ角となる2箇所のうち、カム2の基礎円部1
5からカムノーズ頂点14へ向つてのTIGアーク
によるカム表面の斜面部の溶解では、先に再溶融
されそして自己冷却で急冷されて形成されたチル
層が下側にあつてチル層はある程度を熱を有して
おり、この熱が次に溶解された溶融プールの、重
力によつてカム表面斜面を垂れる状態となり凝固
を遅らせる。またアークは一度溶融された熱い地
点に優先的に飛ぶため、アーク柱はカム表面にそ
うような形で電極とカム軸芯を結ぶ線上の点より
処理始め側にずれる(カム軸回転が速いほどこの
傾向は強い)、これによりアークをとりまくArガ
ス流がカム表面を重力方向になぜる形となる。こ
れらのために、垂れが大きくなる。一方、カムノ
ーズ頂点14から基礎円部15へ向つてのTIGア
ークによる溶融では、前述の場合とは違つて溶融
プールが垂れたとしてもその溶融箇所の下側にま
だ加熱されていない冷たいカム部分などで急速に
凝固するし、アーク柱は上述と逆になりほぼ最短
距離のカム面に向うためArガス流の影響はなく
なり垂れが大きくなることはなく、ほとんど問題
はない。
カム表面の幅方向中央部に溶融プールの垂れが
大きく発生すると、第7図のカム断面(カムシヤ
フトの中心軸6に沿つた断面で)に示したような
カム表面(すなわち、チル層21の表面)に凹凸
が生じる。なお、第3図において、チル層21の
下にマルテンサイト層22が形成されており、そ
の下はカム基地(鋳放し鋳造組織)23である。
TIGアークを利用した表面硬化後に、再溶融チル
カムシヤフトを研摩して所定カムプロフイルの研
摩面とする際に、凹凸が大きい場合には、研削取
代よりも深い凹所24に黒皮残りが生じる。通
例、研削取代tは処理時のカム表面26と研摩面
27との差であつて、0.5mm程度である。実際に
は、研削取代がTIGアーク処理前の機械加工での
機械能力によりばらつくために、このような黒皮
残り不良のないようにするにはTIGアーク再溶融
処理後のカム表面での凹所深さを処理時のカム表
面26より0.25mm以内にする必要がある。溶融プ
ールの垂れによる凹所深さを0.25mm以内にするた
めには、後述する場合でのように垂れ角αが33゜
もあるときでは、溶融電流を下げる(照射エネル
ギーを弱める)などして溶融プール量を抑えるこ
とになり、このことによつて最大チル深さが0.8
〜1.0mm程度になつてしまう。この最大チル深さ
の値では、エンジンの動弁系において再溶融チル
層の耐摩耗性が優れて各種耐久試験に合格してい
るとは言え不安要因となる恐れがあり、カム摺動
部での最大チル深さが1.0mm以上、好ましくは1.5
mm以上とするのが望ましい。
このように深い最大チル深さ(チル層厚さ)を
確保するには、溶融プールの重力による垂れを小
さくコントロールして所定エネルギーによるカム
表面の再溶融を行なう必要がある。
溶融プールの重力による垂れを小さくあるいは
防止する方法として、垂れ角αを常にゼロにする
試みがある。例えば、特開昭57−177926号公報に
て開示されたカム摺動面の白銑硬化方法において
は、第1図、第2図および第3図に示されたよう
にノーズ部を含むカム摺動面のB−E間は常に水
平位置(垂れ角α≒0)にある。しかしながら、
この開示された方法を実施する装置では、小径の
偏心円部(ノーズ部)の中心軸でカムシヤフトを
回転させる機構およびトーチをカムシヤフトの中
心軸とは直角方向に移動させる機構を特に必要と
している。またカムの基礎円部での異常摩耗対策
などのために、最近、カムの全周にわたつて再溶
融チル化処理する場合があり、このときには基礎
円部についてもその中心軸で回転させることにな
り、2つの回転軸を持たねばならず、装置が非常
に複雑になつてしまう。
本発明の目的は、従来の高密度エネルギー照射
を利用したカムシヤフトの再溶融チル化処理装置
の機構をほぼそのままで、操業(制御)方法を改
善して溶融プールの重力による垂れを小さくする
ことである。
本発明の別の目的は、溶融プールの垂れに起因
した凹所の深さ0.25mm以内としかつカム幅方向で
の1.0mm以上の最大チル深さをカム全周にわたつ
て確保する再溶融チルカムシヤフトの製造方法を
提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
上述の目的が、カムシヤフトのカムに高密度エ
ネルギーを照射してカム摺動部表面を溶融し、自
己冷却によるチル層を連続して形成させる再溶融
チルカムシヤフトの製造において、溶融時に生じ
る溶融プールがカムの幅方向中央部で重力によつ
て垂れやすい箇所にて、溶融作用を時間的に中断
して溶融プールを凝固させ、チル層が重畳するよ
うにカムシヤフトを回転制御しながら溶融作用を
再開することを特徴とする再溶融チルカムシヤフ
トの製造方法によつて達成される。
溶融作用の中断が、照射する高密度エネルギー
を溶融を起こさずに凝固が進行するレベルまで弱
め(例えば、TIGアークの溶融電流を下げて非溶
融電流とし)かつ同時にカムシヤフトのカム軸回
転を一時停止又は一時逆転することによつて行な
われる。
〔実施例〕
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施例
によつて本発明をより詳しく説明する。
本発明に係る再溶融カムシヤフトの製造方法実
施する再溶融チル化処理装置の制御系統図を第2
図に示し、機械的装置本体を第3図および第4図
に示す。この処理装置全体は基本的に従来のもの
と同じ構成である。
この再溶融チル化処理装置は制御ユニツトおよ
び機械的装置本体31からなる。制御ユニツトは
コントローラ32、高密度エネルギー源(TIGア
ーク用電源)33、カムシヤフトのオシレーテイ
ング制御器34、プログラムユニツト35、テイ
ーチングユニツト36およびオペレーテイングボ
ツクス37からなる。そして機械的装置本体31
は高エネルギー照射器(TIGトーチ)38、この
トーチを移動させるX、Y直交Z軸ロボツト部3
9およびカムシヤフト担持して回転および揺動さ
せるワーク駆動部40からなる。なお、この場合
において、カムシヤフトが揺動するようになつて
いるが、トーチを揺動するようにしてもよい。
TIGアーク用電源33は、直流TIGアークの電
流値を周期的に変化させた溶融電流を供給するも
のが好ましく、いわゆるTIGパルス溶接での電流
波形と同様な波形で電流を供給できるものであ
る。なお、このようなパルス電流であつてもその
ベース電流(バツクグラウド電流)はカム表面を
溶解しうるTIGアークを発生させる値を有して、
形成する溶融プールは連続している。本発明では
このTIGアーク用電源33に、溶融電流を非溶融
電流(TIGアークは発生しているカム表面を溶解
しないで、溶融プールをゆつくり冷却凝固させる
電流)に切換えるユニツトが取込まれている。溶
融電流としては最大チル深さを1.0mm以上とする
ために、ベース電流値が60A〜140Aであるのが
好ましく、140A以上であると溶融量が大きく垂
れの問題が生じてしまう。パルス電流のピーク値
およびパルス幅についてはそれぞれ70A〜150A
および0.1秒〜0.4秒、の範囲で適切に設定するの
が望ましい。
第3図および第4図において、X、Y直交2軸
ロボツト部39は、カムシヤフト1の中心軸6と
平行なX軸方向にトーチ38を移動させるための
スライドベース51、スライドコラム52および
スライドコラム駆動機53、および中心軸6と直
角なかつ鉛直なZ軸方向にトーチ38を移動させ
るためのスライドコラム52に取付けられるZ軸
方向に可動板54、この可動板54にトーチ38
を固定する取付具55および可動板駆動機56か
らなる。ワーク駆動部40は、カムシヤフト1を
保持するセンター57,58とカムシヤフトを回
転させる駆動機(サーボモータ)59とを有する
ワーク回転部60、およびこのワーク回転部60
をX軸方向に揺動(往復運動)させるためのスラ
イドベース61およびオシレーテイング駆動機6
2からなる。
コントローラ32からの指令がスライドコラム
駆動機53、可動板駆動機56、カムシヤフト回
転駆動機59および電流切換えユニツトを含む
TIGアーク用電源に伝達され、オシレーテイング
駆動機62への指令がオシレーテイング制御器3
4を介して伝達される。カムシヤフトの再溶融チ
ル化処理が本発明に係る製造方法にしたがつて行
なわれるように、最適条件をプログラムユニツト
35、テイーチングユニツト36、オペレーテイ
ングボツクス37によつて設定し、コントローラ
32によつて処理装置が自動的に動かされる。
上述した再溶融チル化処理装置を下記実施例1
〜5のように作動させてカムシヤフトの製造を行
なう。
実施例 1 まず、再溶融チル化処理を施こすカムシヤフト
1をワーク回転部60のセンター57,58間に
配置する(第4図)。カムシヤフト1は、例えば、
複数のカム2、軸受部65および軸部66からな
り、下記寸法の特殊鋳鉄鋳物製である。
カムシヤフト全長:400mm カム幅:14.4mm 基礎円部直径:31mm リフト高さ:8mm トーチ38をその軸(Z軸11)がカムシヤフ
ト1の中心軸6と交差しかつ鉛直である位置(第
6図および第3図)に取付具55によつて調節し
て固定する。カム表面とトーチのタングステン電
極との最短距離を一定にしてTIGアークを発生さ
せる必要があるので、球形センサー(直径4mmの
ボール使用)と電極マイクロメーターとであらか
じめ測定し、カムプロフイルとしてプログラムユ
ニツト36に記憶させておく。スライドコラム5
2をその駆動機53によつてX軸方向に移動させ
て、所定カム2の真上にトーチ38を持つくる。
次に、TIGアークをトーチ38とカム表面との
間に発生させてカム2を溶解するわけであるが、
最初は(スタート時は)カムシヤフトが予熱され
ずに冷たい状態であつて直ちに溶融処理を行ない
チル層と形成させていくと再溶融部とそうでない
部分との間に熱応力が強く発生してクラツクが入
り易いために、電流が本電流に切りかわつた段階
で4秒間ほどカムシヤフトを回転させずにカム表
面を加熱する。このときには、カムシヤフトをそ
の中心軸(X軸)方向に9.5mmの振幅で1.0秒/サ
イクルで揺動を行なつている。
この後に、カムシヤフトの回転を開始(スター
ト)する。カムシヤフトの回転速度は340゜/min
に、溶融電流は115Aのベース電流値、125Aのピ
ーク電流値、0.2秒のパルス幅に設定する。アー
ク長を2.0±1mmに設定する。なお、この溶融電
流は従来の再溶融チル化処理では溶融プールの重
力による垂れが大きく研摩後にカム表面に凹所黒
皮残りが発生するものである。このようにしてカ
ムの基礎円部からTIGアークによる溶解を始めて
全周にわたつて処理する。
このカムシヤフト1のカム2では、カム基礎円
部からノーズ部への途中で最大垂れ角α=33゜の
ポイントがあり、このポイントでの垂れが問題に
なる箇所である。このポイントはノーブ頂点とカ
ムシヤフト中心軸とを結ぶ線とトーチの軸線との
間の角度(以下、ノーズからの角度と呼ぶ)が
20゜の位置である。このノーズからの角度が20゜の
位置およびそれよりも前の45゜の位置にて、本発
明にしたがつて、第1図の実施例1に示するよう
にカム軸回転および電流値の制御を行なう。すな
わち、ノーズからの角度45゜の位置に対応するカ
ム表面ポイントがトーチの直下に来たときに、カ
ムシヤフトの回転を停止かつ同時に溶融電流から
非溶融電流に切換えて溶融プールを凝固させる。
1秒後に溶融電流に復帰させて、1秒間その位置
で再び溶解してチル層が連続するようにし、その
後にカムシヤフトの回転を再開する。ノーズから
の角度が20゜の位置に対応する垂れ角最大ポイン
トについても45゜位置と同じ処理を行なう。この
結果として、垂れ角最大ポイントでのチル層表面
の垂れに基因した凹凸での凹所深さを0.25mm以内
とすることができ、かつカム幅方向断面での最大
チル深さを1.0〜1.2mmとすることができた。従来
よりもチル深さ(チル層厚さ)を約0.2mm大きく
することができた。なお、TIGアークによる溶解
を一時中断するときに、アークによる約4mm径の
溶融プールがカムシヤフトの回転および揺動のた
めに少し垂れて、カム幅方向で中央部分の凸所の
両側にある凹所の一方のほうが他方よりも深くな
りやすい。
実施例 2 実施例1と同じに準備して、溶融電流のTIGア
ークを発生させかつカムシヤフトを回転させてカ
ムの再溶融チル化処理を行なう際に、第1図の実
施例2に示すようにカムシヤフトの回転をパルス
送りとしてこの動きに同期した溶融電流と非溶融
電流との切換えを行なう。処理条件は下記のとお
りでカム全周にわたつて処理する。
カムシヤフトの回転速度:300゜/min カムシヤフトのパルス送り:1秒回転、1秒停止 カムシヤフト揺動(オシレーテイング)幅:9.5
mm 揺動サイクル:1.0秒/サイクル 溶融電流:125Aのピーク電流(0.2秒) 115Aのベース電流 非溶融電流:20〜10A 電流切換え間隙:1秒 この結果として、垂れ角最大ポイントでの垂れ
に実施例1よりも小さく、凹所深さは0.25mm以内
であり、かつ最大チル深さを1.3〜1.6mmとするこ
とができた。ただし、この場合には従来の場合よ
りも処理時間が2倍以上となるために生産性は低
下してしまう。
実施例 3 実施例2の場合には処理時間がかかるので、実
施例2でのカムシヤフトのパルス回転および電流
切換えをノーズからの角度が40゜から10゜までの間
だけ行なうようにする。
実施例1と同じように下記条件で基礎円部から
ノーズからの角度40゜の所まで連続TIGアーク溶
融を行なう。
カムシヤフトの回転速度:340゜/min カムシヤフトの揺動幅:9.5mm 揺動サイクル:1.0秒/サイクル 溶融電流:130Aのピーク電流(0.2秒) 120Aのベース電流 次に、ノーズからの角度40゜から10゜までを第1
図の実施例3に示すようにカムシヤフトの回転を
パルス送りとしこの動きに同期した溶融電流と非
溶融電流との切換えを行ない、処理条件は下記の
とおりである。
カムシヤフトの回転速度:300゜/min カムシヤフトの揺動幅、サイクルは同じ 溶融電流:125Aのピーク電流(0.2秒) 115Aのベース電流 非溶融電流:20〜10A 電流切換え間隙:1秒 そして、ノーズからの角度10゜以後、スタート
地点までのカム周囲を連続TIGアーク溶融を、カ
ムシヤフトの回転速度:340゜/min、カムシヤフ
トの揺動幅およびサイクルは同じ、溶融電流:
105Aのピーク電流(0.2秒)、12Aのベース電流の
条件で行なう。
この結果として垂れ角最大ポイントでの垂れは
実施例2と同じであり、凹所深さおよび最大チル
深さも実施例2と同じに0.25mm以内でありかつ
1.3〜1.6mmであつた。
実施例 4 実施例1での再溶融チル化処理方法を発展させ
た方法であつて、生じる凹所の一方が他方よりも
深くなるのを防止するために、第1図の実施例4
に示すように、ノーズからの角度が45゜および20゜
のところで非溶融電流に切換えると同時にカムシ
ヤフトを一時逆回転させる。これは、既に凝固し
た部分を再度溶解して深い凹所をもつと平らに修
正するためである。
実施例1と同じように、カムシヤフトを揺動さ
せた状態で340゜/minの回転速度で、溶融電流を
実施例1よりも5A高くして130Aのピーク電流
(パルス幅:0.2秒)で120Aのベース電流とし
TIGアーク溶解を基礎円部からノーズからの角度
45゜のところまで行なう。このところでカムシヤ
フトを逆回転し、溶融電流から20〜10Aの非溶融
電流に切換える。この逆回転および電流切換え時
間は1秒間であり、逆回転速度を160゜/minとす
るならば逆転分は約2゜である。このときに溶融プ
ールが凝固し、かつ逆回転によつてパルスで一つ
前の位置にトーチが戻つたことになる。そして、
カムシヤフトの回転を元にもどして同時に溶融電
流に切換えて、凝固したチル層を再溶解し、続い
てノーズからの角度が20゜のところまでTIGアー
ク溶融処理する。垂れ角最大ポイント(ノーズか
らの角度が20゜のところ)にても45゜位置と同じ逆
回転・電流切換え処理を行なう。そして、それ以
後のカム表面をスタート地点まで当初条件のTIG
アーク溶解処理を行なう。
この結果として、垂れ角最大ポイントでの垂れ
による凹凸での2つの凹所の深さがほぼ同じにな
り、溶融電流を5A高くしても実施例1での凹所
深さと同程度の深さの凹所とすることができた。
そして、最大チル深さを1.2〜1.4mmとすることが
できた。
実施例 5 実施例4の方法において、さらに最大チル深さ
を大きくするために、溶融電流においてピーク電
流のパルス幅0.2秒の低周波パルスに15KHzの高
周波パルスを重畳させおよびカムシヤフトの回転
速度を300゜/minに変更したことを除いて他の条
件は実施例4と同じにてTIGアーク再溶融チル化
処理を行なつた。低周波パルスに高周波パルスを
重畳させることによつて溶融プールを深さ方向に
大きくし、表面でのアークのひろがりを小さくす
ることができる。その結果として、垂れ角最大ポ
イントでのカム表面凹凸の凹所深さを実施例4と
同じ程度で0.25mm以内とすることができ、かつ最
大チル深さを1.5〜1.7mmとすることができた。
〔発明の効果〕
本発明に係るTIGアークによる再溶融チルカム
シヤフトの製造方法によつて、制御方法の改善で
溶融プールの重力による垂れを小さく抑えてかつ
最大チル深さを大きくすることができる。上述の
実施例1〜5ではTIGアークをエネルギー源とし
ているが、レーザあるいは電子ビームの場合でも
本発明の方法を適用して再溶融チルカムシヤフト
の製造が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る再溶融チルカムシヤフ
トの製造方法におけるカムシヤフト回転およびア
ーク電流の時間的変化を説明する図であり、第2
図は、再溶融チル化処理装置の制御系統図であ
り、第3図は機械的装置本体の側面断面図であ
り、第4図は機械的装置本体の正面図であり、第
5図はカム表面をTIGアークによつて溶融チル化
処理を行なつている状態を示すカムシヤフトおよ
びTIGトーチの部分斜視図であり、第6図はカム
の断面図であり、第7図は溶融プールの重力を垂
れを説明するカムの部分断面図である。 1……カムシヤフト、2……カム、3……トー
チ、α……垂れ角、21……チル層、24……凹
所、31……機械的装置本体、32……コントロ
ーラ、33……TIGアーク用電源、38……TIG
トーチ、52……スライドコラム、53……スラ
イドコラム駆動機、54……可動板、56……可
動板駆動機、59……カムシヤフト回転駆動機、
60……ワーク回転部、61……スライドベー
ス、62……オシレーテイング駆動機。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 カムシヤフトのカムに高密度エネルギーを照
    射してカム摺動部表面を溶融し、自己冷却による
    チル層を連続して形成させる再溶融チルカムシヤ
    フトの製造において、溶融時に生じる溶融プール
    が前記カムの幅方向中央部で重力によつて垂れや
    すい箇所にて、溶融作用を時間的に中断して溶融
    プールを凝固させ、チル層が重畳するように前記
    カムシヤフトを回転制御しながら溶融作用を再開
    することを特徴とする再溶融チルカムシヤフトの
    製造方法。 2 前記溶融作用の中断が、前記高密度エネルギ
    ーを溶融を起こさないレベルに下げかつ同時に前
    記カムシヤフトのカム軸回転を一時停止すること
    によつて行われることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の製造方法。 3 溶融を起こさないレベルに前記高密度エネル
    ギーを下げかつ同時に前記カムシヤフトのカム軸
    回転を一時逆転することによつて前記溶融作用の
    中断が行われることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の製造方法。 4 前記溶融作用の中断が、前記カムシヤフトの
    カム軸回転をパルス送りで行いかつ回転時の溶融
    を起こす前記高密度エネルギーを停止時には溶融
    を起こさないレベルに下げることによつて継続的
    に行われることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の製造方法。
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