JPS639685Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は目地構造に関するものである。

３階建てプレハブ住宅を住宅地域に施工するよ
うな場合、足場組みが困難なため外壁パネル相互
のジヨイント部の目地装置施工を内側からできる
ようにしたものがある。第１図および第２図はそ
のような従来の目地装置Ａを使用して形成した目
地構造を示している。すなわち、目地カバー本体
１の裏面両側に沿つて水密材２を配設するととも
にその中間部にねじ棒３を立設した目地装置Ａを
準備し、隣接した外壁パネル４，５の相互間に形
成される目地空間６で表側に目地カバー本体１を
配して目地空間６にねじ棒３を通し、目地空間６
の裏側よりワツシヤ７をねじ棒３に通してナツト
８で締付けることにより、ワツシヤ７を外壁パネ
ル４，５のパネル枠４ａ，５ａの室内面４ｃ，５
ｃに係着させて、水密材２を外壁パネル４，５の
屋外表面板４ｂ，５ｂの端面に圧接する。ところ
が、目地カバー本体１と表面板４ｂ，５ｂとの間
の防水処理は、水密材２を表面板４ｂ，５ｂの表
面端縁に圧接するにすぎないため、防水機能が充
分でないという問題を有していた。

したがつて、この考案の目的は、防水性能に優
れた目地構造を提供することである。

この考案の一実施例円第３図ないし第６図を用
いて説明する。すなわち、この実施例は、第１図
に示す目地装置Ａに代えて、第３図に示す目地装
置Ｂを用いる。この目地装置Ｂは、溝形ねじ棒取
付板９の中央片を長手方向に沿つて断面Ｖ字状に
突出させて突出部９ａを形成し、複数のねじ棒１
０をその突出部９ａに長手方向所定間隔おきに貫
通させてそれらのねじ頭１０ａを突出部９ａの凹
面にそれぞれ係合させ、その係合状態でねじ棒取
付板９を溝形目地カバー本体１１の凹部に嵌合し
て、本体１１の両側片先端１１ａを内方へ折返す
ことによりねじ棒取付板９を保持し、帯状水密材
１２をねじ棒取付板９の裏面に沿つて貼着したも
のである。

この目地装置Ｂの中央部取付は、目地カバー本
体１１を壁パネル４，５の屋外側に配置してねじ
棒１０を壁パネル４，５間の目地空間６に貫通さ
せることにより、水密材１２の両側を壁パネル
４，５の表面板４ｂ，５ｂの表面端縁に当接配置
し、室内側からワツシヤ７をねじ棒１０に通して
壁パネル４，５のパネル枠室内面４ｃ，５ｃに係
合させ、さらにねじ棒１０にナツト８を螺合して
締め付けることにより、ねじ棒１０を室内側に引
きつけて、突出部９ａの作用で、水密材１２をパ
ネル表面板４ｂ，５ｂの表面端縁から表面板側端
面４ｄ，５ｄにかけて強力に圧着する。

一方、目地装置Ｂの上端の固定は、第４図に示
す連結金具１３を用いて行なう。この連結金具１
３は、略Ｚ形片１４の一片中央にねじ棒１５を突
設するとともに、他片中央を外方に切起こして中
央把持部１６と両側把持部１７を形成したもので
ある。そして、第５図に示すように、中央把持部
１６を突出部９ａとカバー本体１１間に挿入する
とともに、両側把持部１７をねじ棒取付板９と水
密材１２間に挿入して、これら把持部１６，１７
によつて目地装置Ｂの上端を把持し、その状態
で、第６図に示すように、連結金具１３のねじ棒
１５を表面板４ｂおよびパネル上枠４ｅに貫通し
て、室内側からワツシヤ１８を介しナツト１９を
締結することにより取付ける。なお、水切板２０
は、その上部に設けたフツク部２０ａを、パネル
上枠４ｅに溶接したＬ形片２１の上端に引掛ける
とともに、下部先端２０ｂを表面板４ｂ，５ｂの
上端面に沿わせる。この場合、水切板２０と表面
板４ｂ，５ｂの上端縁間に、水密材２２を配設す
る。なお、第３図において、２３，２４は両壁パ
ネル４，５を連結するためのボルトおよびナツト
である。

このように、カバー本体１１の裏面中央に長手
方向に延びる突出部９ａを形成したため、この突
出部９ａの作用で、水密材１２の押し付け力を壁
パネル４，５の表面板４ｂ，５ｂの表面端縁から
表面板側端面４ｄ，５ｄにかけて集中させ、この
部分で強力に圧接することができる。したがつて
防水性能の向上を図ることができる。

この考案の他の実施例を第７図および第８図を
用いて説明する。すなわち、この目地構造に用い
た目地装置Ｃは、カバー本体１１′の両側片およ
びねじ棒取付板９′の両側片をそれぞれ外方に拡
開させたもので、その他の構成および施工順序は
上記実施例の目地装置Ｂとほぼ同一である。ただ
し、目地装置Ｃの上部は、第４図に示す連結金具
１３を用いて固定せずに表面板４ｂ，５ｂに沿わ
せただけであり、すなわち、水切板２０の下片２
０ｃに設けた切欠に目地装置Ｃの上部を貫通させ
て、水切板２０により水密材２２を介し表面板４
ｂ，５ｂに圧着される。

この目地装置Ｃを用いれば、上記実施例と同様
の効果を達成できる他、第７図に示すように、カ
バー本体１１′の両側片が外方に傾斜しているの
で、水密材２２をカバー本体１１′の側片から表
面板４ｂ，５ｂにかけてぴつたりと納まり良く取
付けることができるという効果を付加できる。

以上のように、この考案の目地構造は、並設し
た一対の壁パネルの表面板の隣合う縁部間にわた
り前記壁パネル間の目地空間を覆う帯状水密材を
設け、この帯状水密材は、前記目地空間と対向す
る断面略Ｖ字形突出部が裏面中央に長手方向に沿
つて突設された長尺カバー本体の裏面に貼着し、
前記長尺カバー本体の裏面中央に長手方向所定間
隔おきに突設されて前記水密材を貫通した複数の
ねじ棒を前記目地空間に貫通させ、このねじ棒の
先端に螺着されて前記壁パネルの裏面に係合する
ナツトを設けたものであるから、壁パネルの表面
板の目地空間に沿う角部で帯状水密材の押しつけ
力が局部的に集中し、この部分で強い押し付け力
が得られて確実な防水性が得られるという効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の分解斜視図、第２図はその組
立断面図、第３図はこの考案の一実施例の断面
図、第４図は連結金具の斜視図、第５図はその連
結金具を目地装置に取付けた状態を示す断面図、
第６図は施工後の垂直断面図、第７図は他の実施
例の水平断面図、第８図は同じく垂直断面図であ
る。 ９ａ……突出部、１０……ねじ棒、１１，１
１′……カバー本体、１２……水密材、Ｂ，Ｃ…
…目地装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 並設した一対の壁パネルの表面板の隣合う縁部
   間にわたり前記壁パネル間の目地空間を覆う帯状
   水密材を設け、この帯状水密材は、前記目地空間
   と対向する断面略Ｖ字形突出部が裏面中央に長手
   方向に沿つて突設された長尺カバー本体の裏面に
   貼着し、前記長尺カバー本体の裏面中央に長手方
   向所定間隔おきに突設されて前記水密材を貫通し
   た複数のねじ棒を前記目地空間に貫通させ、この
   ねじ棒の先端に螺着されて前記壁パネルの裏面に
   係合するナツトを設けた目地構造。