JPS639659Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は洗面又は流し台に関するものである。

（従来の技術とその問題点） 従来の洗面又は流し台は単一の機能を有するの
みであり、キヤビネツト上面のカウンターに洗面
器又は流しを設けた構造とされている。

ところで、洗面又は流し台においておむつや掃
除用モツプなどの汚れ物を洗うことは衛生上好ま
しくないものであり、従つてそれら汚れ物を洗う
ために洗濯流しが必要とされる。この洗濯流しは
洗面又は流し台とは別途に設置され、不使用時に
おいてもスペースを占有するものである。

しかして、洗濯流しを設置する場合その周囲に
は必然的に動作スペースが必要であり、所謂マン
シヨン等のスペースに余裕の乏しい住宅では、洗
濯流しの設置スペース及び周囲の動作スペースを
確保することが困難な場合が多い。

このためワゴンを介して洗濯流しをキヤビネツ
ト内に収容し、使用する際に該ワゴンを引き出
し、使用後に収容するという機構が考えられる。

以上の様な機構ではキヤビネツトにワゴンを出
し入れするためワゴンにおける洗濯流しの排水
は、洗濯流しの排水口と洗面器の排水系における
排水トラツプの上流とをフレキシブルホースで水
平状に連結して形成していた。

そのため洗濯流しで使用した水を排水するとフ
レキシブルホースがたるんでその部分がトラツプ
となり、該トラツプが前記洗面器における排水系
の排水トラツプと重なつてダブルトラツプを形成
するため洗濯流しの排水を円滑に行なえないとい
う問題があつた。

（考案が解決しようとする技術的課題） 本考案が解決しようとする技術的課題は、キヤ
ビネツト上面のカウンターに洗面器又は流しを設
け、且つキヤビネツト内に洗濯流しを前面より出
し入れ可能に収容してなる洗面又は流し台におい
て、洗濯流しの排水フレキシブルホースがたるん
でトラツプとなり、該トラツプと洗面器における
排水系の排水トラツプとでダブルトラツプが形成
されるのを防止することである。

（技術課題を達成するための技術的手段） 以上の技術的課題を達成するための本考案の技
術的手段は、キヤビネツト上面のカウンターに洗
面器又は流しを設け、且つキヤビネツト内に洗濯
流しを前面より出し入れ可能に収容してなり、該
洗濯流しの排水フレキシブルホースをキヤビネツ
トに略水平状態で保持すると共に、洗面器の排水
系における排水トラツプの上流に接続することで
ある。

（作用） 上記手段によれば、排水フレキシブルホースは
キヤビンに保持されることによりワゴンをキヤビ
ネツト内から引き出した状態或いは収容した状態
においても常時水平状態を維持する。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を洗面台について図面
により説明する。

本実施例の洗面台Ａは第１図乃至第３図に示す
如くキヤビネツトａ上面のカウンター１に洗面器
ｂを設け、且つキヤビネツトａ内に洗濯流しｃを
出し入れ可能に収容したものである。

キヤビネツトａは第５図に示す如くカウンター
１の幅方向左右一半部に設けた開孔１ａに洗面器
ｂを嵌め合い支持すると共に、内部には仕切壁２
を介して洗面器下方の空間３と収容室４とが区画
形成され、該収容室４に洗濯流しｃを収容してい
る。

前記仕切壁２はその上辺部に切欠部２ａが設け
られており、この切欠部２ａを介して洗面器ｂの
外周部が仕切り壁２をまたいで収容室４内へ洗濯
流しｃの上方位置まで張り出し、洗濯流しｃとオ
ーバーラツプするものである。しかして、この様
に洗面器ｂと洗濯流しｃとを幅方向の一部長さ区
間でオーバーラツプさせることにより、洗面台Ａ
の全体を幅方向にコンパクト化できるものであ
る。

前記洗面器下方の空間３は洗面器ｂの給排水
系、即ち洗面器上面の湯水混合栓からなる吐水栓
５に接続する給水栓６及び給湯栓７と、洗面器ｂ
の排水口８に接続する排水管９及び排水トラツプ
１０を収容し、且つ該給排水系の収容スペースの
余剰スペースが物入れとして利用されるようにな
つている。また、空間３の底面は２枚の底板１
１，１２で覆われており、これら底板１１，１２
間に形成された通孔１３を前記排水管９及び排水
トラツプ１０が挿通するものである。

前記空間３において物入れとなる部分の前面に
は開き戸からなる扉１４が設けられ、この扉１４
によつて空間３が開閉されるようになつている。

一方、洗濯流しｃはワゴンｄに支持され、この
ワゴンｄを介して収容室４に対し出し入れされる
ものである。

ワゴンｄは台枠１５における底板１５ａの下面
前後に夫々左右一対の前部及び後部キヤスター１
５ｂ，１５ｃを設けてなり、その台枠１５に洗濯
流しｃを嵌め合い支持している。前記後部キヤス
ター１５ｃは夫々収容室４の底壁４ａにガイド溝
４ｂを介して案内されており、このガイド溝４ｂ
の前端及び後端に後部キヤスター１５ｃが当接す
ることにより、洗濯流しｃが引き出し位置及び収
容位置で夫々停止するようになつている。

底板４ａに設けるキヤスター用ガイドは、第７
図に示すように、ガイドレール４ｄでもよい。こ
の場合、後部キヤスター１７ｃがストツパー４ｅ
に当接し、洗濯流しが停止する。

尚、ガイドレールは夫々外側（又は内側）のレ
ール４da又は４db各１本でもよい。

前部キヤスター１５ａは後部キヤスター１５ｃ
よりも左右に広い間隔をもつて配置され、洗面台
Ａを設置する床面に接地し、且つ洗濯流しｃの収
容位置において収容室底壁４ａの前部に形成した
切欠部４ｃに格納されるようになつている。

ワゴンｄの前面には収容室４の扉を兼用する前
板１６が設けられている。この前板１６は上部即
ち洗濯流しｃ上端より上方へ起立する部分とそれ
より下側の部分とで、夫々倒伏板１６ａ及び固定
板１６ｂに分割して構成されている。

また、前記固定板１６ｂの外面上部には洗濯流
し引き出し操作用の把手１７が左右一対設けられ
ている。

次に、洗濯流しｃの給排水系について説明する
と、該給排水系は第４図に示す如く洗面器ｂの給
排水系を一部共用しており、この共用構造によつ
て配管工事の簡略化が図られている。

即ち、洗濯流しｃの給水系は洗面器ｂ用の給水
栓６及び給湯栓７から吐水栓５への給水管路と給
湯管路とを夫々分岐金具１８，１９により分岐さ
せて湯水混合栓２０へ導き、且つこの湯水混合栓
２０の二次側をフレキシブルホース２１により洗
濯流しｃ上方に臨む吐水金具２２と接続したもの
である。前記湯水混合栓２０はその操作ハンドル
２０ａが上記空間３に区画形成された部屋２２に
収容され、この部屋２２の前面の扉２３を開くこ
とによりキヤビネツトａ外部から操作ハンドル２
０ａを操作できるようになつている。

吐水金具２２は洗濯流しｃの背面に首振り可能
に取付支持されるものであるが、その首振角度は
先端の吐水口が洗濯流しｃから外れない範囲に規
制され、洗濯流しｃ外部への吐水が防止されてい
る。

一方、排水系は洗濯流しｃの排水口２４に排水
フレキシブルホース２５を接続し、該ホース２５
を洗面器ｂの排水系に対しその排水トラツプ１０
の上流側で接手２６により接続したものである。

前記排水フレキシブルホース２５は上記仕切壁
２に長孔からなるガイド孔２ｃを介して挿通さ
れ、且つ台枠１５の底板１５ａと空間３の底板１
２とに支持されており、洗濯流しｃの出し入れ時
において略水平状態を維持しながら前記ガイド孔
２ｃに沿つて移動できるようになつている。この
様に排水フレキシブルホース２５を水平状態に維
持する理由は、排水フレキシブルホース２５が垂
れ下がることによつて排水トラツプが二重に形成
されることを防止、排水が円滑に行われるように
するためである。

尚、洗濯流しに湯を溜めて、収容した場合のキ
ヤビネツト内結露防止のため、第８図に示す如く
洗濯流しに蓋３１を設けてもよい。

この蓋に開口部又は切欠き部を設けておくと、
誤つて蓋をした状態で吐水した場合又は湯水混合
栓がよく閉じていない場合、水は開口部３１ａ又
は切欠き部を通つて洗濯流しに入るため水が溢れ
て周囲を濡らすこともない。

特に開口部３１ａを吐水口直下に設けた場合
（吐水口が回動自在の場合には、円弧状の開口部
にしてもよい。）には、開口部３１ａを通過して
直接洗濯槽内に入るため水はねもなく周囲を濡ら
すこともない。

又、キヤビネツト内の結露防止としは、キヤビ
ネツト収容室に換気口又は、換気扇を設け水蒸気
を逃がすようにしてもよい。

さらに仕切壁２を第９図の仕切壁３２のよう
に、給水用及び排水用フレキシブルホース２５，
２６の長孔からなるガイド孔２ｂ，２ｃを丸孔の
貫通孔２ba，２caとし、夫々のフレキシブルホ
ースを貫通させ、貫通の際の〓間をゴムパツキン
等で密蔽し、切欠部２ａにカバー２ｄを設ける
と、キヤビネツトの洗面器下方の空間の防湿効果
を高めることができる。

（考案の効果） 本考案は以上の様な構成にしたので下記の効果
を有する。

洗濯流しの排水フレキシブルホースが常に水
平状態を保つてトラツプが形成されるのを防止
するので洗濯流しの排水を円滑に行なうことが
できる。

洗濯流しを洗濯又は流し台における設置スペ
ースと周囲の動作スペースとを共用させて設け
ることができ、省スペース化を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案洗面流し又は流し台の実施例を
示す縦断正面図、第２図は第１図の−線断面
図、第３図は第１図の−線断面図、第４図は
給排水系を示す斜視図、第５図はキヤビネツトの
分解斜視図、第６図は洗濯流しを引き出した状態
の斜視図、第７図はキヤスター用ガイドの別の実
施例を示す斜視図、第８図は洗濯流しに蓋をする
場合の斜視図、第９図は仕切壁の防湿効果を高め
る別の実施例を示す斜視図である。 尚、図中、Ａ……洗面台、ａ……キヤビネツ
ト、１……カウンター、ｂ……洗面器、ｃ……洗
濯流し、１０……排水トラツプ、２５……排水フ
レキシブルホース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キヤビネツト上面のカウンターに洗面器又は流
   しを設け、且つキヤビネツト内に洗濯流しを前面
   より出し入れ可能に収容してなり、該洗濯流しの
   排水フレキシブルホースをキヤビネツトに略水平
   状態で保持すると共に、洗面器の排水系における
   排水トラツプの上流に接続した洗面又は流し台。