JPS63886Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建物外壁表面を伝わつて落下する雨水
の水切構造に関する。

例えば第１図に示す如く、建物の外壁表面１ａ
を、基礎の立上り部２の外表面２ａより突出させ
て設置した場合、突出させない場合に比して外観
を向上させ且つ外壁表面１ａを伝わつて落下する
水を外壁突出下端面１ｂで水切し易いが、外壁突
出下端面１ｂでの水切りは不充分であり、外壁表
面１ａからの雨水は外壁突出下端面１ｂに回り込
み、基礎の立上り部２上に設置した床３等の構造
材を腐らせる惧れを生じる。この惧れは、セメン
トスタツコ吹付等により外壁突出下端面１ｂに外
装材４を設けた場合においても解消するものでは
なく、上述の構成は下地クロス５の貼精度不良、
外壁材４の防水性、基礎立上り部２との接合性
等、種々の点で問題があり、外観的にも外壁表面
１ａの下端が見苦しい。

本考案は、外壁表面を伝わつて落下する雨水を
外壁下端部から内方に回つて構造材に侵入させる
ことなく、外壁下端部から落下させるようにした
見映えの良い水切構造を提供するものである。

即ち、本考案の外壁表面水切構造は、基礎の立
上り部２の外表面２ａより外壁表面１ａを外方に
突出させて設置した建物外壁１の突出下端面１ｂ
に、上記立上り部２の外表面２ａと上記外壁表面
１ａとの間にそれぞれ間隔をあけて水切凹部８を
設けると共に、傾斜部１０の上下端にそれぞれ平
坦部１１及び垂下部１２を設けて成る水切用折曲
板９を、上記傾斜部１０を上記外壁表面１ａの外
方に突出させ、また上記平坦部１１を上記水切凹
部８と建物外表面１ａとの間の上記突出下端面１
ｂに当接させて固定することによつて、水切用折
曲板の垂下部及び水切凹部により、外壁表面から
の雨水をそれ以上内方に回り込ませずにそれらの
部分から真下に落下させるようにしたものであ
る。

以下、本考案の外壁表面の水切構造を図面に示
す実施例について説明する。

第２図は本考案の実施例の断面図を示すもの
で、２は基礎の立上り部、３は該立上り部２の上
部に台輪材６を介して設置した床パネル、１は該
床パネル３の上部に外壁表面を外方に突出させて
設置した外壁パネル、４は外壁パネル１のプレコ
ート下地面に吹き付けた外装材、７は床パネル３
の側部に設けられた、外壁パネル１の下端補強枠
であり、上記外壁パネル１の下端補強枠７の下端
面が外壁の突出下端面１ｂを形成し、外装材４の
外表面が外壁の外表面１ａを形成している。

而して、本考案の外壁表面水切構造は、建物の
突出下端面１ｂを構成する上記下端補強枠７の下
端面に、上記立上り部２の外表面２ａと上記外壁
表面１ａとの間に水切凹部８を設けると共に、水
切用折曲板９を固定したものである。

水切用折曲板９は、傾斜部１０の上下端に平坦
部１１及び垂下部１２を設け、上記平坦部１１に
は釘穴１３を、又平坦部１１の後端には立上り部
１４を設けたものであつて、上記傾斜部１０を上
記外壁表面１ａの外方に突出させ、また上記平坦
部１１を上記水切凹部８と建物外表面１ａとの間
の上記突出下端面１ｂに当接させて、釘１５で上
記突出下端面１ｂに固定される。

実施例のように、平坦部１１に立上り部１４を
連設した水切用折曲板９を用いた場合には、上記
のように水切用折曲板９を建物の突出下端面１ｂ
に固定した際、水切用折曲板９の立上り部が第２
図に示す如く水切凹部８の建物外方寄内側面８ａ
に当接される。従つてこの場合水切用折曲板９の
立上り部１４は水切用折曲板９を建物の突出下端
面１ｂに固定する際の位置決めの役割を果してい
る。

本考案の外壁表面水切構造は、上述の如く水切
凹部８と水切用折曲板９を設けてあるため、建物
の外壁表面１ａを伝わつて落ちて来る雨水は、建
物の突出下端面１ｂに回り込むには垂下部１２の
裏側を上昇しなければならないため、その大部分
は傾斜部１０の下端部から直接、あるいは垂下部
１２の先端から下方に落下し、また一部垂下部１
２の裏側に回つても再び水切凹部８内を上昇しな
ければならないから、そこに侵入した雨水は、水
切凹部８において実質上それ以上建物の内方への
浸入が阻止される。

従つて、本考案の水切構造によれば、極めて簡
易な構造にも拘わらず、外壁表面を伝わつて落ち
て来る雨水が、外壁下端部から建物内方に回つて
基礎の立上り部上部近傍の構造材に浸入してそれ
らを腐らせる惧れ等を回避することができ、又見
映えの良い水切用折曲板が建物の突出下端面に固
定されるから、突出下端面に外装材を設ける必要
がなく、建築の作業性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の比較例として挙げた外壁表面
構造の断面図であり、第２図は本考案の外壁表面
水切構造の断面図であり、第３図は水切用折曲板
の部分斜視図である。 １……建物外壁部、１ａ……外壁表面、１ｂ…
…突出下端面、２……基礎の立上り部、２ａ……
立上り部外表面、８……水切凹部、８ａ……水切
凹部の建物外方寄内側面、９……水切用折曲板、
１０……傾斜部、１１……平坦部、１２……垂下
部、１４……立上り部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 基礎の立上り部２の外表面２ａより外壁表面
   １ａを外方に突出させて設置した建物外壁１の
   突出下端面１ｂに、上記立上り部２の外表面２
   ａと上記外壁表面１ａとの間にそれぞれ間隔を
   あけて水切凹部８を設けると共に、傾斜部１０
   の上下端にそれぞれ平坦部１１及び垂下部１２
   を設けて成る水切用折曲板９を、上記傾斜部１
   ０を上記外壁表面１ａの外方に突出させ、また
   上記平坦部１１を上記水切凹部８と建物外表面
   １ａとの間の上記突出下端面１ｂに当接させて
   固定した、外壁表面水切構造。 (2) 上記水切用折曲板９が上記平坦部１１に連設
   された立上り部１４を有し、この立上り部１４
   が上記水切凹部８の建物外方寄内側面８ａに当
   接している、実用新案登録請求の範囲第(1)項記
   載の外壁表面水切構造。