JPS6221623Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は階上の外壁を形成する建築用パネルの
下面に立下げ片を設け、該立下げ片によつて梁カ
バーを取付けることにより、梁カバーの施工を容
易としかつ建築用パネルの建て込みを確実になし
うるようにした梁カバー取付構造に関する。

パネル工法の建築物において、第４図に示すよ
うに階上、階下の外壁を構成する上の建築用パネ
ルａと下の建築用パネルｂとを、その上下に取付
ける梁材ｃは、該梁材ｃの上面に固着される山形
状の土台ｄと、該土台ｄがはまり合う上の建築用
パネルａの下端の条溝ｅとの間で上端を嵌入され
る梁カバーｆによつてその前面を被蔽し、梁材ｃ
の水切りとともに外観を向上せしめていた。従つ
て梁カバーｆが土台ｄの形状と一致しない場合又
はその嵌入が不完全である場合には上の建築用パ
ネルａの条溝ｅへのはまり合いが不充分となり又
該上の建築用パネルａが下端まで落下できずに浮
いた状態で取付けられ、きわめて不安定となる。
さらにかかる従来の梁カバー取付構造では、梁カ
バーｆを取付けた後、はじめて上の建築用パネル
ａの取付けが可能となり、梁カバーｆの取付等の
板金作業と建築用パネルの建て込み作業とでは作
業者が異なることと相まつて施工工期を延長する
等の原因ともなつていた。

本考案はかかる問題点を解決しうる梁カバー取
付構造の提供を目的とし、以下その一実施例を図
面に基づき説明する。

第１〜２図において本考案の梁カバー取付構造
１（以下構造１という）は、梁材５の上面に上の
建築用パネル２を、該梁材５上面と上の建築用パ
ネル２との間に間隔を隔てて支持するパネル受片
１３を取付るとともに、上の建築用パネル２の下
面に立下げ片３を設け、該立下げ片３によつて梁
材５の前面を垂下しかつ階下の外壁を形成する建
築用パネル７の上端まで伸びる梁カバー６を取付
けるものであつて、又梁材５下方には下の建築パ
ネル７が配される。上、下の建築用パネル２，７
は、矩形に枠材９を配してなるパネル枠組の両面
に面材８を添設することにより形成され、又上の
建築用パネル２の下端枠材９には下方に開脚する
略Ｖ字状の条溝１０が凹設される。

梁材５はラチス梁からなりかつその上面にＶ字
に折曲がり先端が前記条溝１０に嵌入することに
よつて、梁材５上面と前記上の建築用パネル下面
２との間に間隙を形成しうるパネル受片１３を取
付けるとともに、その下面には下方が開口する溝
形材を用いた冠部１５が形成され、該冠部１５内
に前記下の建築用パネル７の上端を遊挿できる。
前記上の建築用パネル２の下面に前記間隙間を垂
下するとともに下端に釣状部１１を具えかつ上の
建築用パネル２に略全巾にわたり釘着けされる立
下げ片３を設ける。

梁カバー６は、前記釣状部１１に掛止しうる折
曲げ部１６を先端に具える上水平片１７と前記冠
部１５と下の建築用パネル７との間に挿入できか
つ下の建築用パネル７の上面に屈曲するＬ字部を
有する下水平片１９とを基板２０の上下に設けて
なり、又上水平片１７の上面には梁カバー６の取
付けにより上の建築用パネル２の下面に当接しう
る断面矩形の水密材２２が予設されている。

然して本考案の構造１においては、上の建築用
パネル２の下面に梁カバー６取付用の立下げ片３
を予設しているため、上の建築用パネル２の取付
けに先立ち梁カバー６をパネル受片１３に嵌着さ
せる必要はなく、従つて上の建築用パネル２を取
付けた後、その立下げ片３下端の釣状部１１に梁
カバー６の折曲げ部１６を掛着せしめかつ冠部１
５に下水平片１９のＬ字折曲部を挾持せしめつつ
下の建築用パネル７を嵌入することによつて、梁
カバー６は容易かつ確実に取着でき、該梁カバー
６の基板２０は梁材５の前面を垂下しかつ下の建
築用パネル７の上端部に伸びそれらを被蔽するこ
とによつて外観を向上でき、かつ前記水密材２２
が下の建築用パネル２の下面に接することにより
梁材５等への雨水の侵入を防ぎ水切りを行ないう
る。

第３図は上の建築用パネル２の下面に略Ｚ字状
に折曲がる立下げ片３を取付けるとともに梁カバ
ー６を立下げ片１２にリベツト止めしかつその前
面にコーキング材２３を充填することにより梁カ
バー６の取付けと同時に水切りを行ないうるよう
にした本考案の構造の他の実施例を示す。

叙上のごとく本考案の構造は、階上、階下の外
壁を形成する上の建築用パネルと下の建築用パネ
ルとを具え、かつ上の建築用パネルの下面に設け
られる立下げ片によつて梁カバーの上端を取付け
るものであるため、従来の構造とは異なり、梁カ
バーを上の建築用パネルとパネル受片との間に嵌
着する必要はなく、従つて梁カバーの取付けの不
具合に伴なう上の建築用パネルの取付不良等が生
じない他、上の建築用パネルの取付後において梁
カバーを取着でき従つて上建築用パネルの取付け
を容易かつ確実に安定させうるとともに、梁カバ
ーの取付を容易かつ簡易とでき施工工期の短縮を
も図りうる等優れた効果を奏しうる。なお本考案
の構造において梁カバーの下端は下建築用パネル
に釘着し取付けることによつてさらにその取付に
伴なう手間を減じるとともに、立下げ片と梁カバ
ーとの接合には掛着、リベツト止め等の他、ビス
止め等種々な手段が採用される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は上の建築用パネルの下端部を示す断面図、第
３図は他の実施例を示す断面図、第４図は従来構
造を例示する斜視図である。 ２……上の建築用パネル、３……立下げ片、５
……梁材、６……梁カバー、７……下の建築用パ
ネル、１３……パネル受片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 梁材上面に、上の建築用パネルを、該梁材上面
   と上の建築用パネル下面との間に間隙を隔てて支
   持するパネル受片を取付けるとともに、上の建築
   用パネルの下面に前記間隙間に垂下する立下げ片
   を設ける一方、前記立下げ片に前記梁材前面を垂
   下し該梁材下方に配する下の建築用パネルにのび
   る梁カバーの上端を接続することを特徴とする梁
   カバー取付構造。