JPS6317782Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はベランダやビルおよび多層階住宅の屋
上等の周囲壁、あるいは塀を構成する立壁等の所
謂堰壁の頂部に被冠する笠木に関するものであ
る。

一般に堰壁の頂部には雨水の浸入を防止する目
的でアルミニウム製等の笠木が被冠されている。
しかしながら、従来の笠木にあつては、その取付
位置が外観上から非常に目に付き易い部分にある
にもかかわらず、上記防水機能を有するのみで装
飾機能に乏しいものであつた。

この考案は、本来の防水機能と共に装飾機能を
も兼ね備えた堰壁用笠木、特に共通の本体笠木に
対して装飾部分を種々変更可能な笠木の取付装置
を提供しようとするものである。

以下、本考案を図示実施例に基づいて説明す
る。

第１図において、１はコンクリート等からなる
堰壁で、頂面１ａより屋内側面１ｂにかけて多層
状の防水シート２が被着され、更に該防水シート
２の外側に仕上げモルタル層３が設けてある。４
は堰壁１の頂部に長手方向に沿い所要間隔を置い
て跨嵌した鞍形の取付用アンカーで、鉄やステン
レススチール等にて形成されており、中央部が凹
陥した天板部４ａと、外側へやや張出状に傾斜し
て堰壁１の屋内外側面１ｂ，１ｃより離間した屋
内外側板部４ｂ，４ｃとからなる。この取付用ア
ンカー４は、天板部４ａの凹嵌した中央位置と屋
外側板部４ｂとにそれぞれ上方突出する笠木受け
片５ａ，５ｂを備え、天板部４ａの両側下面に形
成された下向きコ字枠部５ｃ，５ｃと笠木受け片
５ａ下方に突設された突条部５ｄとで堰壁１の頂
面に当接し、天板部４ａの凹嵌部を貫通して堰壁
１内に打込まれたアンカーボルト６，６により堰
壁１に固着されている。７はアルミニウムあるい
はその合金の押出型材等からなる本体笠木で、屋
外側がやや高くなるように緩傾斜した頂壁部７ａ
とその屋内外両側端より垂下する両側裾壁部７
ｂ，７ｃとから縦断面略下向きコ字状に形成され
ている。この本体笠木７は、取付用アンカー４の
上から押圧して、両側裾壁部７ｂ，７ｃを取付用
アンカー４の両側側板部４ｂ，４ｃの傾斜に沿つ
て弾力的に圧開され、最終的に両側裾壁部７ｂ，
７ｃの先端部内面側に突設してあるＬ字片７ｄ，
７ｄ上に取付用アンカー４の両側板部４ｂ，４ｃ
の先端を係嵌させることにより、取付用アンカー
４に対して抜出不能に固定されて堰壁１に被冠し
ている。しかして本体笠木７は頂壁部７ａの下面
側において取付用アンカー４の笠木受け片５ａ，
５ｂおよび屋内側板部４ｂの頂部に当接してい
る。

８は、本体笠木７の頂壁部７ａの上面外側縁部
に沿う係合枠部９を備えた水平部８ａと、同屋外
側裾壁部７ｃに沿う垂壁部８ｂとからなる略Ｌ字
状の取付部材で、アルミニウムまたはその合金等
より形成されており、垂壁部８ｂにおいてビス１
０，１０を介して本体笠木７に固着されている。
この取付部材８の係合枠部９は第２図に示す如
く、隆起状の水返し部９ａを挟んで両側に、対向
側に係止爪１１を備えた立ち上げ片９ｂ，９ｃが
垂直に突設されてなる。また垂壁部８ｂの下端は
折り返し状に折曲して鉤部１２を形成している。

１３はアルミニウムまたはその合金の押出型材
等から形成された装飾用付属笠木で、内面側に係
合枠部１４を備えた水平壁部１３ａと、その屋外
端より連続して垂下する曲面的装飾形状の前面壁
部１３ｂとからなる。上記係合枠部は第２図で示
すように、先端にく字状の係合爪部１５を設けた
２条の垂下片１４ａ，１４ａが対向垂設されたも
ので、これらより屋内寄りに水切り用垂下片１４
ｂが形成されている。しかして、装飾用付属笠木
１３は、その係合枠部１４を取付部材８の係合枠
部９に係嵌することにより、すなわち係合枠部９
の両立ち上げ片９ｂ，９ｃ間に係合枠部１４の垂
下片１４ａ，１４ａを圧嵌して係止爪１１に係合
爪部１５を係合することにより、本体笠木７の屋
外側側面を覆うように取付けられている。尚、こ
の係合枠部９と１４との係嵌部分では、各部が相
互に深く噛合つていること、並びに水返し部９ａ
と水切用垂下片１４ｂの存在により、雨水の浸入
を完全に阻止する防水構造となつている。

１６は装飾用付属笠木１３，１３の相互端部の
連結部において内側に介装するジヨイント部材
で、該付属笠木１３の内面に沿う形状を有すると
共にビスホール１６ａ…を備えており、内面側に
突設した係止片１６ｂにて取付部材８の鉤部１２
に係止され、また装飾用付属笠木１３の内面側に
形成された複数の係止形状部１７…に係合してい
る。１８は本体笠木７の屋内側裾壁部７ｂ下端と
Ｌ字片７ｄとの間に構成される溝部分に上部でビ
ス１９を介して装着されたアルミニウムもしくは
その合金の押出型材からなる水密材保持具で、そ
の下端コ字枠部１８ａにゴム等の成形物からなる
水密材２０が保持されている。一方、装飾用付属
笠木１３の下端近傍の内面には略コ字状の水密材
保持枠部２１が設けられ、これに同様の水密材２
０が保持されている。２２は装飾用付属笠木１３
の下端と堰壁１の屋外側面１ｃとの間隙を封止す
るシール材である。

第３図は、第１図の構成における装飾用付属笠
木１３の代わりに、同様に下面側に係合枠部１４
を備えた水平壁部２３ａと直線的な装飾形状の前
面壁部２３ｂとからなる装飾用付属笠木２３を、
第１図のものと同様に取付部材８を介して装着し
た状態を示す。尚、ジヨイント部材２４は装飾用
付属笠木２３に対応した形状であり、ビスホール
２４ａ…と取付部材８の鉤部１２に係止する係止
片２３ｂとを備えている。

尚、上述実施例では２種の装飾用付属笠木１
３，２３を示したが、取付部材８の係合枠部９に
係嵌する係合枠部１４を同一形状とすることによ
りこれら以外の各種装飾形状の付属笠木も交換着
脱可能となる。また本考案では例示した以外の取
付用アンカー４の構造ならびにこれと本体笠木７
との連結構造を採用できると共に、取付部材８の
係合枠部９とこれに対応する装飾用付属笠木の係
合枠部１４の構造も種々変更可能である。

以上のように、本考案に係る堰壁用笠木の取付
装置は、堰壁頂部に所要間隔で固着された取付用
アンカーを介して縦断面略下向きコ字状の本体笠
木が冠着され、該笠木の屋外側に係合枠部を備え
た取付部材が固着され、内面側に係合枠部を設け
た装飾用付属笠木が、該係合枠部を上記取付部材
の係合枠部に係嵌することにより、上記本体笠木
の屋外側面を覆うように取付けられてなるもので
あるから、堰壁部笠木に装飾機能を付与して建物
全体やベランダ、塀等の外観を向上させることが
できる。また取付部材の係合枠部に対応する係合
枠部を共通にすることにより、同一の本体笠木に
対して異なる装飾用付属笠木を自在に取替装着可
能であるから、需要者の要望に応じて装飾外観を
変更でき、異なる装飾外観の笠木について取付施
工作業の面一化を図ることが可能であり、また材
料コストも低減される。更に既存の装飾形状を持
たない笠木に対して、これを取り外すことなく、
取付部材を固着して上述同様に装飾用付属笠木を
装着できる利点があり、改装コストが大きく低減
される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断面図、第
２図はその取付部材および装飾用付属笠木の係合
枠部を示す要部拡大図、第３図は第１図の構成よ
り装飾用付属笠木のみを異種のものに交換した縦
断面図である。 １……堰壁、４……取付用アンカー、７……本
体笠木、８……取付部材、９……係合枠部、１３
……装飾用付属笠木、１４……係合枠部、２３…
…装飾用付属笠木。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 堰壁頂部に所要間隔で固着された取付用アンカ
   ーを介して縦断面略下向きコ字状の本体笠木が冠
   着され、該笠木の屋外側に係合枠部を備えた取付
   部材が固着され、内面側に係合枠部を設けた装飾
   用付属笠木が、該係合枠部を上記取付部材の係合
   枠部に係嵌することにより、上記本体笠木の屋外
   側面を覆うように取付けられてなる堰壁用笠木の
   取付装置。