JPS638654Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、垂直にされた一対の支軸間に、スプ
ロケツトホイールを介してエンドレスのチエンが
張設され、かつチエンに箱などの物品収納体が適
数個取付けられ、チエンが強制駆動される物品収
納装置に関する。

エンドレスのチエンが水平方向にされて複数段
に重ねて配置され、かつ各チエンに適数個ずつの
箱その他の物品収納体が取付けられ、各チエンが
各別にまたは同時に駆動される物品収納装置はす
でに公知である。そして、この装置は、指示され
た収納体を定められた出納位置まで旋回させて停
止させ、その位置で物品を取出し、または収納す
るように構成されているが、物品の出納時には、
それに要する時間の短縮のために、チエンの旋回
速度を高速にすることが要求される。しかし、収
納体の個数、収納された物品の量によつて差は生
じるが、その全体の重量がかなり大きくなるか
ら、高速運転のままで出納位置に停止させようと
すると慣性のために停止位置の誤差が大きくなる
問題が生じる。このため、指定された収納体の移
動量を、移動した収納体の個数を電気信号でカウ
ントするなどして、出納位置の手前の適所、例え
ば、収納体の個数で２個分手前の位置に指定され
た収納体が到達するまでは高速度で運転し、それ
以後は制御装置で移送体の旋回速度を低速度に切
り換えることで、高速運転を行い、かつ出納位置
に指定収納体を停止させることを可能にしてい
る。しかし、出納位置から低速運転がされる範囲
内およびそれの近くの収納体、例えば、第９図で
はNo.２，３とNo.17，18およびNo.４，16の収納体が
指定されたときは、それは、移動距離は短かい
が、低速のみまたはほとんど低速のみで旋回し、
移動距離に比して時間が長くなる難点が生じてい
る。

本考案は、上記のように指定された収納体が出
納位置の手前の定められた位置までは高速で、そ
れ以後は低速度でチエンが旋回させられる収納装
置において、低速運転の区間内またはその近くの
収納体が指定された場合も、収納体の旋回速度を
高くすることを目的とする。

本考案は、高速モードと低速モードの二段階の
回転速度に設定し得るモータに連結し、枠体に間
隔を隔てて垂設した支軸に設けられたスプロケツ
トホイールに水平方向旋回可能にエンドレスのチ
エンを張設し、該チエンの外周側へ等間隔に固着
されたトレーの該チエン側中央部にアクチユエー
タを取付けるとともに、停止状態のトレーの前記
アクチユエータと対応する枠体位置に該アクチユ
エータの位置を検出し得る位置用センサを取付け
且つ隣接するトレー間の中間位置に対応する枠体
位置に前記アクチユエータの位置を検出し得る減
速用センサを取付け、該アクチユエータが前記位
置用センサ及び減速用センサに達した際に出力さ
れる信号を入力し且つ前記モータの駆動回路に制
御信号を出力する制御回路を有してなり、位置用
センサとアクチユエータが対応した状態で停止し
ているトレーに載置された収納体の何れを指定し
ても前記チエンを高速モードで旋回するように設
定し、収納位置の両側に一定間隔で設定された速
度切換位置と収納位置間に停止しているトレーに
載置された収納体が指定された場合には、高速に
達する前に所定のアクチユエータの通過を減速用
センサで検出して低速モードに切換え、また前記
以外の収納体が指定された場合には、前記速度切
換位置を所定のアクチユエータの通過を位置用セ
ンサで検出して低速モードに切換えてなることを
要旨とする。

本考案を図面の実施例について説明すると、１
は縦方向と横方向にされた棒状素材の組合せで構
成された枠体、２は軸線が垂直にされて枠体に軸
着された一対の支軸で、その一方がモータで強制
駆動され、かつそのそれぞれにスプロケツトホイ
ール３が固着され、その外周部には間隔をおいて
係合凹部４が設けられている。５はリンク６が軸
でエンドレスに連結されたチエンで、これは正転
と逆転が可能になつている。７はリンク６を連結
した軸の一端に取付けられたローラで、これがス
プロケツトホイール３の凹部４に係合可能になつ
ている。そして、ローラ７が凹部４に係合され、
リンク６がスプロケツトホイール３，３上に載置
する状態にされて、チエン５がスプロケツトホイ
ール３，３間に張設され、かつチエン５が枠体１
に適数段に積み重ね状に配置されている。ローラ
７はチエン５のすべての軸に設けても、適数本お
きの軸に設けてもよい。８はチエン５の全長にわ
たつて等間隔に、その外周側に突出させて端部が
固着された適数個のトレーで、そのチエン５の巾
方向の両端部の底部下面のそれぞれに車輪９，１
０が、その軸線がチエン５の巾方向にされて取付
けられている。１１はトレー８の外周側の車輪９
が載置可能な位置において枠体１に水平方向に固
着されたエンドレスの外レール、１２は車輪１０
が載置可能な位置において枠体１に水平方向に固
着された内レールで、これはチエン５のほぼ直線
部分のみに配置されており、このレール１１，１
２上に車輪９，１０が載置されて、チエン５の旋
回で各トレー８が水平状態で旋回可能にされてい
る。１３はローラ７が挿入された断面凹形のガイ
ドレールで、これもチエン５のほぼ直線部分のみ
に設けられている。１４は各トレー８に設けられ
た検出板であるアクチユエータ、１５は各トレー
８上に載置された箱状の物品収納体である。

１６は収納体１５内の物品を取出し、または物
品を収納するために、指定された収納体１５即ち
トレー８を停止させる出納位置で、その位置を通
過またはその位置に停止するトレー８のアクチユ
エータ１４の通過または接近、あるいは接触で、
そのトレー８の位置信号を出力する位置用センサ
１７が、出納位置１６に対応させて枠体１に固着
されている。１８はチエン５の旋回速度が高速か
ら低速に切替えられる切換位置で、これは収納位
置の両側に一定間隔に設置される。尚、該切換位
置１８は、高速旋回している特定の収納体１５が
低速モードに切換えられて、低速の一定速度に達
した後に出納位置に達するような距離で最も該出
納位置に近い位置に設定するが、実際上実施例で
は出納位置の２つ隣に設定している。１９は位置
用センサ１７と切換位置１８間に、アクチユエー
タ１４が通過または近接あるいは接触可能にして
枠体１に固着された減速信号用のセンサである。

第６図はこの収納装置の制御装置のブロツク図
で、センサ１７，１９の出力信号はそれぞれ位置
検出回路２１に入力され、センサ１７の出力信号
をカウントすることで、検出した各トレー８の位
置がデータとして制御回路２２に入力され、かつ
それが記憶回路２３に順次格納される。一方、切
換位置１８，１８間以外の位置の収納体１５が指
定されてチエン５が高速モードで旋回し、前記指
定された収納体１５が切換位置１８に到達する
と、それを検知した制御回路２２が、駆動回路２
４に低速モードの信号を送りモータ２５を低速運
転に切換える信号を入力する。また、切換位置１
８，１８間の収納体１５が指定されたときに、先
ず収納体１５は高速モードで旋回し、減速用セン
サ１９が信号を出力したときにも制御回路２２は
支軸２を駆動するモータ２５を低速モードで旋回
する信号を駆動回路２４に力する。指定された収
納体１５が出納位置１６に達すると、それを検知
した制御回路２２が駆動回路２４に停止信号を入
力しモータ２５を停止させるようになつている。
２６は入出力回路で、これに指定する収納体１５
のデータその他が入力され、それが制御回路２２
に入力される。

センサ１７，１９は、アクチユエータの通過ま
たは近接あるいは接触で信号を出力する任意の物
が使用でき、例えば、フオトセンサ、ホール素
子、近接スイツチ、リードスイツチ、リミツトス
イツチなどがある。実施例では、トレー８上に箱
状の収納体１５を載置しているが、物品の収納体
１５をチエン５で移送可能にすればよく、移送体
１５をチエン５に直接に取付けるなど任意になし
うる。そして、収納体１５も箱に限定することは
不要で、物品の収納が可能であればよい。したが
つて、アクチユエータ１４も収納体１５またはチ
エン５に取付けることも可能である。

この装置は、収納体が指定されると、そのデー
タが入出力回路２６から制御回路２２に入力され
る。制御回路２２は、それがすでに有しているデ
ータに基づいて、指定された収納体１５が出納位
置１６に対してチエン５のいずれの方向の旋回が
近いかを判断し、その方向の駆動信号を駆動回路
２４に入力することでチエン５を旋回させる。指
定された収納体１５が切換位置１８に達すると、
それを検知した制御回路２２から駆動回路２４に
入力される信号でチエン５の旋回速度が低速とな
り、それが出納装置１６に達すると、制御回路２
２が停止信号を出力しチエン５を停止させること
を反復する。

指定された収納体１５が切換位置１８，１８ま
たはその近くの収納体１５であるときは、チエン
５が旋回を開始し、減速用センサ１９にアクチユ
エータ１４が通過するなどして、センサ１９がア
クチユエータ１４の到達を検出すると、センサ１
９が減速記号を出力するから、それに基づいて制
御回路２２がチエン５を減速制御し、指定収納体
１５が出納位置１６に到達すると、それを停止さ
せるものである。

これを第９図について説明する。この図面では
説明をわかりやすくするために各収納体１５に示
した番号に従つて説明する。例えば、No.７の収納
体１５が指定された場合は、それは右旋回では出
納位置までの移動量は収納体６個分、左旋回では
12個分であることを制御回路２２が判断し、駆動
回路２４に右旋回の信号を入力する。この結果、
チエン５が右旋回し、位置用センサ１７からはそ
れを収納体１５が通過する都度信号が出力されて
収納体１５の通過個数を係数して、No.７の収納体
１５の位置を逐次検出する。そして、No.７の収納
体１５が切換位置１８に達したことを検出する
と、制御回路２２の指令でチエン５の旋回速度が
低速となり、出納位置１６に達すると制御回路２
２が停止信号を出力し、出納位置１６にNo.７の収
納体１５を停止させる。この場合の速度分布は第
１０図Ａである。

次に、切換位置１８，１８間に停止しているNo.
２の収納体１５が指定された場合は、前記と同様
に制御回路２２がチエン５の旋回方向を判断し、
右方向にチエン５を旋回させる。このときのチエ
ン５の立ち上り速度は第１０図Ａと同じ高速回転
に移行する速度である。そして、No.２の収納体１
５が減速用センサ１９を通過するなどして、セン
サ１９が移動部の到達を検出すると、センサ１９
の出力信号で制御回路２２が駆動回路２４に信号
を入力して、チエン５の旋回速度を減速し、No.２
の収納体１５が出納位置に達したことを検出する
と制御回路２２が停止信号を出力する。このとき
の旋回速度の分布は第１０図Ｂで、この場合の減
速位置での速度は、速度分布Ａにおける低速時の
速度よりも高速である。すなわち、切換位置１
８，１８間の指定された収納体１５を、速度分布
Ａにおける低速度よりも高速度で一時旋回させる
から、出納位置１６までの移動に要する時間を短
縮することが可能である。

No.18の収納体１５が指定されたときも同様で、
このときは左旋回となり、No.１の収納体１５のア
クチユエータ１４が減速用センサ１９を通過する
などして、減速用センサ１９が信号を出力すると
減速され、その後に停止する。それはNo.３，17お
よびNo.４，16の収納体１５が指定されたときも同
じである。

上記のように、本考案の装置は、各収納体が停
止している位置に無関係に、チエン５が同じ速度
で運転することが可能にされ、速度の切換位置１
８，１８間またはその近くに停止している収納体
１５が指定されたときも、可能な範囲高速度でチ
エン５を旋回させ、その後減速用センサ１９の出
力信号で減速させたのちに出納位置に停止させる
から、出納位置１６の近くに停止している収納体
１５が指定されたときにも、そのアクセスタイム
を短縮することが可能である、とともに、その収
納体１５を出納位置１６のほぼ所定の位置に停止
させることが可能である。

減速度センサ１９の設置位置は、停止したとき
の収納体１５，１５間の位置に設けることが、右
旋回時と左旋回時における、旋回開始時から減速
信号を出力するまでのチエン５の移動量を同じに
することに対して適する。尚、減速度センサ１９
を１個設けた場合には、チエン５の右旋回と左旋
回による減速位置の違いを、予め記憶回路２３に
減速用センサ１９の位置を入力しておいたデータ
を基に制御回路２２にて補正することが必要であ
り、また減速用センサ１９を２個設けた場合に
は、それぞれを右旋回用、左旋回用に機能を分割
してその位置を入力しておき、減速用センサ１９
からの減速信号を選択的に採用するので、その設
置位置は任意にできる。

減速用センサ１９は、速度の切換位置１８，１
８間またはその近くの収納体１５が指定されたと
きに、チエン５の移動量を検出するものであるか
ら、それを配置する位置は、切換位置１８，１８
間などに限定することは不要で、チエン５の全周
の任意の位置、例えば、第９図において、No.８と
No.９の収納体１５，１５間などの任意の位置に配
置できる。また、位置用センサ１７は一定間隔に
配された多数の収納体１５のなかで特定の収納体
１５が特定の位置に到達したことを検出するもの
であるから、それを配置する位置を出納位置１６
に限定することは不要で、停止状態の任意の収納
体１５のアクチユエータ１４に対応するチエン５
の全周の位置に配置できる。

第７図は減速用センサ１９に代えて、減速信号
出力手段として、タイマー２７が使用された例
で、この例では、切換位置１８，１８間またはそ
の近くに停止している収納体１５が指定されて、
チエン５が旋回を開始したのち、適当な時間が径
過したときに、タイマー２７が減速信号を制御回
路２２に入力するようになつている。

第８図はモータ２５の回転量をエンコーダ２８
で検出することで、チエン５の移動量を検出して
減速信号を出力する例で、チエン５が定められた
距離を移動したときに、エンコーダ２８が減速信
号を出力する。この例では信号の出力位置を任意
に選択でき、より精度の高い制御が可能である。
そして、この例では、位置用センサ１７は不要と
なる。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の実施例で、第１図は正面図、第２
図は収納体を除いた要部の拡大平面図、第３図は
トレーの拡大平面図、第４図はトレーの正面図、
第５図は減速用センサの配置の他の例の平面図、
第６図は制御装置のブロツク図、第７図と第８図
は制御装置のそれぞれ異なつた例のブロツク図、
第９図は収納体の移動を示すための平面図、第１
０図は速度分布図である。 １：枠体、２：支軸、３：スプロケツトホイー
ル、４：係合凹部、５：チエン、７：ローラ、
８：トレー、９・１０：車軸、１４：アクチユエ
ータ、１５：収納体、１６：出納位置、１７：位
置用センサ、１８：速度切換位置、１９：減速用
センサ、２２：制御回路、２７：タイマー、２
８：エンコーダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高速モードと低速モードの二段階の回転速度に
   設定し得るモータに連結し、枠体に間隔を隔てて
   垂設した支軸に設けられたスプロケツトホイール
   に水平方向旋回可能にエンドレスのチエンを張設
   し、該チエンの外周側へ等間隔に固着されたトレ
   ーの該チエン側中央部にアクチユエータを取付け
   るとともに、停止状態のトレーの前記アクチユエ
   ータと対応する枠体位置に該アクチユエータの位
   置を検出し得る位置用センサを取付け且つ隣接す
   るトレー間の中間位置に対応する枠体位置に前記
   アクチユエータの位置を検出し得る減速用センサ
   を取付け、該アクチユエータが前記位置用センサ
   及び減速用センサに達した際に出力される信号を
   入力し且つ前記モータの駆動回路に制御信号を出
   力する制御回路を有してなり、位置用センサとア
   クチユエータが対応した状態で停止しているトレ
   ーに載置された収納体の何れを指定しても前記チ
   エンを高速モードで旋回するように設定し、収納
   位置の両側に一定間隔で設定された速度切換位置
   と出納位置間に停止しているトレーに載置された
   収納体が指定された場合には、高速に達する前に
   所定のアクチユエータの通過を減速用センサで検
   出して低速モードに切換え、また前記以外の収納
   体が指定された場合には、前記速度切換位置を所
   定のアクチユエータの通過を位置用センサで検出
   して低速モードに切換えてなることを特徴とする
   物品収納装置。