JPS638223Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は洋服ダンス等に吊支される防虫剤入れ
に関するものである。

従来この種の防虫剤入れは、薬剤の成分にもよ
るが、比較的大型で全体的に厚いことから洋服ダ
ンス内に吊支し、使用する場合に邪魔になり、あ
るいは余分なスペースを必要とするなど、色々と
不便なことが多い。

本考案は上記のような従来の構造における諸欠
点を解消することを目的としたものであり、また
先に出願した実願昭58−24697号に記載された考
案では、３個の部品よりなつてコスト高となり、
また組立ての作業性が良好とはいえず、吊下げ時
に偏心したり回転したりする等の欠点があり本考
案はこれらの点を改善したもので、プラスチツク
成型され、ヒンジを介して二つ折りでき、内部に
防虫剤含浸紙収納用の空間を有するメツシユ状の
多数の揮散孔を有する一対の半収納体から成るも
ので、その上、吊支具と開閉部固定用のクリツプ
の三部品を一体として形成したものであり、製造
時のコストと手間を軽減し、使用時にも不都合を
生ずることなく、吊支具が回転したり偏心したり
して他の衣類を損傷することがない。

本考案は以下、図示の実施例によつて詳しく説
明するが、その要旨とするところはヒンジを介し
て二つ折りでき、内部に防虫剤含浸紙収納用の空
間を有しメツシユ状に多数の揮散孔を有する一対
のプラスチツク成型された半収納体よりなり、該
半収納体の開閉端部中央に一対ずつの互に嵌合係
止する嵌合片と嵌合孔を或る間隔をおいて設け、
上記半収納体の１個の表面にはヒンジを介して引
き上げ得る、外周に低い段差部を有する吊支具を
ほぼ「面一」に埋設できる陥没溝中に収め得るよ
うに設け、該陥没溝のある半収納体のヒンジ近く
に、上記吊支具収納時にその低い段差部を係止す
る係止爪を設け、かつ吊支具の引上げ時、これを
固定するために吊支具のヒンジより外側で半収納
体上縁部相当位置に外方三方に向う放射状の切込
みを伴つた嵌入孔を設けるとともに、他の一方の
半収納体のこれと対称位置に上記嵌入孔に嵌入す
る吊支具固定用突起を設け、また両半収納体の内
面には防虫剤含浸紙を挟持するための多数の突起
を互に対向させて設けるとともに、上記含浸紙の
位置規正用のＬ−字形の枠片を一方の半収納体コ
ーナー部に設けたことを特徴とするものである。

第１図は本考案の防虫剤入れの上面の外観を示
す斜視図で第２図は同じくその使用時における外
観斜視図である。第３図は同じく、これを開いた
場合の内面を示す斜視図である。

１は本考案の防虫剤入れ本体でヒンジ部２を介
して二つ折りできる多数の揮散孔３をメツシユ状
に配列してなる半収納体Ａ，Ｂ中に防虫剤含浸紙
がシガレツトケース風に開閉できるものである。
上記メツシユ状の揮散孔３は図面においては簡略
させて円形にしているが種々の形状が考えられ、
また後記する陥没溝６に到るところまで設けるこ
とが好ましい。この半収納体の１つの表面には、
外周に低い段差部４を有する吊支具５がこれを収
納できる形状の陥没溝６があり、そのヒンジ２の
近くに上記吊支具５の低い段差部を押えて、吊支
具収納後のこれをセツトする係止爪７，７を設け
てあり、吊支具５は半収納体の外周面とほぼ面一
に収まるようになつている。この吊支具５は半収
納体Ａの開閉口先縁近くの中央にヒンジ部８を介
して設けられ該ヒンジ部８と、吊支具５を起して
水平にした場合に半収納体Ａの開閉口外縁との間
に相当する位置に吊支具を上記の状態にしてセツ
トする固定用突起１１（後述）の嵌入する嵌合孔
９を設ける。この嵌入孔は三方に外に向う放射状
の切込１０があり、上記突起１１を弾力的に嵌
入、挟持できるようにしてある。一方この嵌入孔
９に嵌入する突起１１は半収納体Ｂの開閉口縁附
近の上記嵌入孔９と対称位置に吊支具固定用突起
として設けられる。第２図はこの嵌入孔９に吊支
具固定用突起１１が嵌入して吊支具は使用可能の
状態で固定される。また吊支具５の先端１６は前
記陥没溝６の若干露出するようにし、吊支具５を
指で起しやすくする。

また半収納体Ａの開閉口外縁中央にはある間隔
を置いてその内側に２個の嵌入突起１２，１２を
設けるとともに半収納体Ｂの内面にこれと対称位
置に上記嵌入突起１２，１２を嵌合係止する嵌入
孔１３，１３を設ける。また半収納体の中の１つ
（例えばＡ）の内部コーナー部には、中に収納す
る防虫剤含浸紙の位置規正用のＬ字形の枠片１４
をそれぞれ設けるとともに、両半収納体Ａ，Ｂの
内面には防虫剤含浸紙を挟持するための突起１５
を多数個互に対向するように設ける。これにより
防虫剤含浸紙は収納体中で位置規正とその空間に
係止する形で保持することができるので防虫剤の
揮散を助ける。なお１６ａ，１６ｂは閉鎖を確実
にするためのそれぞれ突起とその嵌入部である。

本考案はこのように構成されているのでシガレ
ツトケース状で薄型でコンパクトでありメツシユ
状に形成された揮散口と、かつ防虫剤含浸紙の収
納体内で中空に両側からの突起で保持されている
ので防虫剤の揮散は充分であり、吊支具は不使用
時にも、使用時にも確実に保持され、例えば洋服
ダンス中に吊るしても吊支具が横揺れすることが
ないので衣服の損傷がなく、しかもプラスチツク
成形により収納部も吊支具も一体に成型されるの
で、製造は極めて簡単で、コストを低減すること
ができる上に見た目にすつきりした形となつてい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の防虫剤入れの上面の外観図、
第２図は同じくその使用時に於ける外観斜視図、
第３図は同じく、これを開いた場合の内面を示す
斜視図である。 Ａ，Ｂ……半収納体、１……防虫剤入れ本体、
２……半収納体開閉用ヒンジ部、３……揮散孔、
４……吊支具外周の低い段差部、５……吊支具、
６……吊支具を収納する同形の陥没溝、７……吊
支具係止爪、８……吊支具のヒンジ部、９……嵌
入孔、１０……嵌入孔周囲の放射状切込、１１…
…固定用嵌入突起、１２……容器開口部閉鎖用の
嵌入突起、１３……嵌入孔、１４……Ｌ字形枠
片、１５……防虫剤含浸紙保持用突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヒンジを介して二つ折りでき、内部に防虫剤含
   浸紙収納用の空間を有しメツシユ状に多数の揮散
   孔を有する一対の、プラスチツク成型された半収
   納体よりなり、該半収納体の開閉端部中央に一対
   ずつの互に嵌合係止する嵌合片と嵌合孔を或る間
   隔をおいて設け、上記半収納体の１個の表面には
   ヒンジを介して引き上げ得る、外周に低い段差部
   を有する吊支具をほぼ「面一」に埋設できる陥没
   溝中に収め得るように設け、該陥没溝のある半収
   納体のヒンジ近くに、上記吊支具収納時にその低
   い段差部を係止する係止爪を設け、かつ吊支具の
   引上げ時、これを固定するために吊支具のヒンジ
   より外側で半収納体上縁部相当位置に外方に向か
   う放射状の切込みを伴つた嵌入孔を設けるととも
   に、他の一方の半収納体のこれと対称位置に上記
   嵌入孔に嵌入する吊支具固定用突起を設け、また
   両半収納体の内面には防虫剤含浸紙を挟持するた
   めの多数の突起を互に対向させて設けるととも
   に、上記含浸紙の位置規正用のＬ−字形の枠片を
   一方の半収納体コーナー部に設けたことを特徴と
   する防虫剤入れ。