JPS637909Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は時計の振子機構に関し、振玉に全く不
規則な動きを継続させることができるようにした
ものである。

従来の時計の振子機構における振玉は、一定の
軌道上を一定周期で振子運動を行なうものであ
り、このため視覚上単純であり興味の薄いもので
あつた。しかしながら最近では、意匠上ユニーク
な動きを行なう振動機構が要望されている。

本考案は上述した従来からの課題に鑑み為され
たものであり、その目的は振玉に全く不規則な動
きを継続させることができる時計の振子機構を提
供することにある。

上記目的を達成するために本考案は、吊線によ
り揺動自在に支持された振玉底部に設けられた駆
動磁石と振玉底部に対面する時計外装に設けられ
た駆動コイルの電磁結合により振玉が揺動する振
子機構において、前記駆動コイルの近傍には永久
磁石が設けられ、前記駆動磁石と永久磁石のいず
れか一方の対向面にはＳ極及びＮ極が設けられ、
他方の対向面にはＳ極とＮ極の少なくとも１つの
磁極が設けられていることを特徴とする。

以下図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第１図は本考案の実施例における振子機構の正
面断面図、第２図は平面における説明図である。

振玉２は吊線１により吊垂支持されており、支
点ａを中心に前後左右あらゆる方向に揺動自在と
なつており、又吊線により吊垂支持されている為
振玉２自体の回転も可能となつている。該振玉２
の底面には同一面にＳ極とＮ極を有する駆動磁石
３が設けられ、該駆動磁石３と対向する時計外装
板４には検出コイルと駆動コイルからなる従来周
知な駆動コイル５が設けられている。図示実施例
においては、駆動コイル５の巻回中心は振玉２の
揺動支点ａの鉛直方向位置から所定距離S₁だけず
れた位置に設けられている。

駆動コイル５の近傍には振玉２を所定距離S₁だ
け吸引移動できる永久磁石６が設けられ、その結
果、振玉２が静止している際には駆動コイル５の
巻回中心と駆動磁石３の中心は略重合することが
できる。永久磁石６の磁力の大きさは振玉２の自
重・駆動磁石３と駆動コイル５による電磁結合
力・駆動コイル５と永久磁石６の距離によつて決
定され、吸引力又は反発力によつて振玉２の揺動
を停止させる力は有しない。

振玉２の揺動は本来ならば支点ａを中心に一定
方向に一定周期で行なわれる。しかしながら本実
施例によれば振玉２の駆動磁石３と時計外装板４
の永久磁石６との間には吸引力および反発力が働
き、この為振玉２の揺動方向および周期は不規則
なものとなり、この結果振玉２は回転しながら前
後左右あらゆる方向に不規則な揺動を行なう。

以上説明したように本考案によれば、吊線によ
つて吊垂支持された振玉の底部に駆動磁石を固定
し、該振玉の下方に配置した時計外装に駆動コイ
ルと検出コイルとから成るコイルと、振玉の駆動
磁石との間に吸引力および反発力を働かせること
により振玉の揺動を不規則化するための永久磁石
とを設置している為、振玉は従来にはない全く不
規則な揺動を継続することができ、このため視覚
上興味深くユーザーの要望に即したものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例における振子機構の正
面断面図、第２図は平面における説明図。 １……吊線、２……振玉、３……駆動磁石、４
……時計外装板、５……駆動コイルと検出コイル
とから成るコイル、６……永久磁石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吊線により揺動自在に支持された振玉底部に設
   けられた駆動磁石と振玉底部に対面する時計外装
   に設けられた駆動コイルの電磁結合により振玉が
   揺動する振子機構において、前記駆動コイルの近
   傍には永久磁石が設けられ、前記駆動磁石と永久
   磁石のいずれか一方の対向面にはＳ極及びＮ極が
   設けられ、他方の対向面にはＳ極とＮ極の少なく
   とも１つの磁極が設けられていることを特徴とす
   る時計の振子機構。