JPH0345135Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔目的〕 産業上の利用分野……この考案は、自動水準儀等
の測量機械における自動補正機構用磁気制動装置
の改良に関するものである。

従来の技術……従来のこの種の磁気制動装置は、
制動用の導体板に１または２個以上の磁石を設け
て成り、両者に働く電磁制動力を利用するもので
あつた。第２図は、その配設状態を例示したもの
であつて、可動部材３を４本の吊線４によつて鏡
筒内側等の機械本体（図示せず）に振子状に懸垂
し、その下部に反射鏡５を、上部に非磁性の導体
板２を可動部材３の振れ方向に平行に固定する。
一方、導体板２を挾むように２個の磁石１を近接
して並設し、それらの磁極ＮとＳが対向するよう
に機械本体に取付ける。

作用……かくの如く構成したので、可動部材３が
揺れると導体板２は固定された両磁石１，１間を
揺動するため導体板２にうず電流を生じ、このう
ず電流の作る磁界と両磁石間の磁界との作用で導
体板２、したがつて可動部材３に電磁制動が加わ
る。

このような従来の磁気制動装置では、可動部材
３従つて導体板の振れが小さい即ち低周波の場合
には導体板に誘起されるうず電流が小さいため、
生ずる磁気制動力は十分でない欠点がある。ま
た、制動装置の構造上同様に、導体板２の前後方
向の振れに対しては有効に制動力が働くが、左右
方向の振れに対する制動は効果的でない欠点があ
つた。

考案が解決しようとする問題点……この考案は、
このような従来の磁気制動装置のもつ欠点を解決
し、低周波の振れや左右の振れに対しても十分な
制動力を発揮し得る磁気制動装置を提供すること
を目的とするものである。

〔考案の構成〕

問題点を解決するための手段……上記目的を達成
するため本考案では、導体板と各磁石との間隙を
磁性流体で満たしこれを磁石の磁力によつて保持
するようにしたものであり、測量機械本体とこれ
に吊線によつて懸垂した可動部材のいずれか一方
に非磁性の金属導体板を固定し、他方に導体板に
隣接して磁石を固定して成る自動補正機構の磁気
制動装置において、前記導体板と磁石との間隙を
満たして磁性流体を介在させたことを要旨として
いる。

〔実施例〕

第１図は本考案の一実施例を示すものであつ
て、前述の如く機械本体に固定された２個の磁石
１、これによつて制動される導体板２、この導体
板２を上部３′に固定すると共に下部に反射鏡５
を載設した可動部材３、及び可動部材３を機械本
体に懸垂する４本の吊線４を配設する。そして、
磁性流体６を磁石１と導体板２との間に注入し、
両者の間隙を充満するようにすれば磁性流体６
は、それ自体の有する磁性と、磁石の磁力作用お
よび流体表面の表面張力などのために第３図の如
く、磁石１と導体板２間に安定して保持される。

もし、外部からの強い衝撃などがあると、急激
な振動が起り上記保持力を脱して磁性流体６が滴
下してしまうおそれがある。かゝる磁性流体の損
失を避けるため、滴下流体６を受けるように皿状
の受皿７を導体板２の下部に取付けた例を第３図
に示し、受皿７に受けられた滴下流体６は磁力に
より磁石１と導体板２との間に吸引される。なお
この磁性流体の粘性と磁性を変えることによつて
自由に制動力を調整することができる。

〔効果〕

以上述べたように、本考案は従来の磁気制動力
に加えて磁性流体の呈する粘性や表面張力が制動
力として働くようになるので、制動機構の制動効
果は向上し、特に可動部材の左右の振れに対して
も有効である。さらに、従来の制動装置では期待
できなかつた低周波振動に対しても、満足すべき
制動効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を示す一実施例の斜視図、第２
図は従来の磁気制動装置の配置状態図、第３図は
本考案を例示する概略図である。 １……磁石、２……導体板、３……可動部材、
６……磁性流体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 測量機械本体とこれに吊線によつて懸垂した可
   動部材のいずれか一方に非磁性の導体板を固定
   し、他方に該導体板に隣接して磁石をとりつけて
   成る自動補正機構の磁気制動装置において、前記
   導体板と磁石との間隙を満たして磁性流体を介在
   させたことを特徴とする磁性流体を用いた磁気制
   動装置。