JPS637798Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は気体又は液体燃料を燃焼させ、その燃
焼ガスと室内空気を熱交換させるガス・石油暖房
機全般に利用できる熱交換器に関するものであ
る。

従来例の構成とその問題点 従来、この種の熱交換器は第１図に示すように
熱交換器の筒状本体の内外にフインを設けて伝熱
面積を拡大しているものが多い。１は燃焼フイン
と一体的に構成されたバーナであり、２はバーナ
１作動時に形成される火炎である。３は熱交換器
であり、同筒状本体の内周面及び外周面に複数個
の内部フイン４及び外部フイン５を突出させてい
る。６は燃焼ガス（矢印）の流れを伝熱面に沿わ
せ、熱効率の向上を図るバツフルである。７は熱
交換された燃焼ガスを機器外へ放出する排気筒で
ある。８は対流用送風機、９は外筐である。

バーナ１で形成された火炎２及び高温燃焼ガス
（矢印）の熱は熱交換器３の内部フイン４により
吸熱され、外部フイン５によつて放熱される。外
部フイン５の表面には対流用送風機８からの空気
の流れが接触し、燃焼ガスと空気との熱交換を行
ない、排気筒７より燃焼排ガスが機外へ放出され
る。

しかし、この種熱交換器構造では次のような欠
点を有していた。

火炎からの輻射、対流伝熱のため特に火炎近傍
の熱交換器表面温度が高いものとなり、局部過熱
状態となる。このことは熱交換器材料に熱ひずみ
を与える結果となり長寿命が期待できなくなる。
又、温風機へ応用した場合には温風温度が不均一
となり、使用時に不快感を与えるという欠点があ
つた。

考案の目的 本考案はこのような従来の欠点を除去し、熱交
換器表面温度の低下及び均一化を図ることによつ
て長寿命化を実現し、小型高効率、低コストの熱
交換器を得ることを目的としたものである。

考案の構成 上記目的を達成するために、本考案は熱交換器
の筒状本体の内周面及び外周面に複数個の内部フ
イン及び外部フインを設け、燃焼ガスが流れる筒
状本体内の軸方向略中間部から燃焼ガスの下流側
へわたつて内部フインの内側先端より小径の円筒
状のバツフルを配設し、前記外部フインを燃焼ガ
スの進行方向に対して直角に構成し、前記外部フ
インの設置間隔を前記筒状本体の外周面の略中間
部において、同筒状本体の端部より密にし、フイ
ン枚数を増したものである。

上記構成によつて円筒状のバツフルにより燃焼
ガスの流れを内部フイン側へ導入し、内部フイン
が吸収した輻射熱及び対流熱を、増加した前記外
部フインの表面から外気へ放熱させることができ
る。つまり局部過熱の起こる箇所に対して部分的
に外部フインの伝熱面積を増してやることによつ
て熱伝達を良好にし、局部過熱を防止し、熱交換
器表面温度の低下及び均一化を図ることができ
る。

以上のような構成及び作用によつて長寿命化、
小型高効率、低コストの熱交換器を得ることがで
きる。

実施例の説明 以下本考案の一実施例を第２図から第４図につ
いて説明する。図において１は燃焼フアンと一体
的に構成したバーナ、２はバーナ１の作動時に形
成される火炎である。３は熱交換器であり、同筒
状本体の内周面及び外周面に複数個の内部フイン
４及び外部フイン５を突出させている。熱交換器
３（内、外フインを含む）の材質はアルミニウム
である。６は同筒状本体の外周面の略中間部にお
いて、同端部より狭い間隔で部分的に設けられた
外部フイン群である。（外部フイン５と同仕様）
７は燃焼ガスの流れを内部フイン４側へ導入する
ところのバツフルＡであり、熱交換器３の筒状本
体内の軸方向略中間部から燃焼ガスの流れの下流
側端部にわたつて配設されている。８は内部フイ
ン４へ対して均等に燃焼ガスを接触させ熱交換効
率を向上させるためのバツフルＢである。９は熱
交換された燃焼ガスを機器外へ放出する排気筒で
ある。１０は対流用送風機であり、１１は定油面
装置を具備した電磁ポンプ、１２は外筐である。
イ，ロ，ハは熱交換器３の外表面の温度測定箇所
である。

上記構成においてバーナ１内の燃焼フアンと電
磁ポンプ１１を駆動してバーナ１内に燃料を供給
し、これに点火手段（図示せず）により点火する
ことで燃焼火炎２を形成し、燃焼が持続される。
熱交換器３内で発生した高温燃焼ガス２からは輻
射及び対流により内部フイン４へ熱伝達が行なわ
れる。さらに熱伝導により内部フイン４から外部
フイン５へ熱の移動が行なわれる。熱交換器３の
外部フイン５の根元近辺では200〜300℃のレベル
となる。さて次に高温燃焼ガスは円筒状のバツフ
ルＡ７によつて内部フイン側へほぼ均等に分配さ
れる。次にバツフルＢ８によつて各内部フイン４
へ燃焼ガスを有効に接触させることができる。こ
の過程で燃焼ガスと内部フイン４との間で熱交換
が行なわれ、やがて排気筒９より機外へ放出され
る。この過程で機器の一部に設けたサーモスタツ
ト（図示なし）等により対流用送風機１０が始動
すると空気の流れがおこり、熱交換器３及び外部
フイン５の表面に強制的に接触し、空気と熱交換
器３内の燃焼ガスとの間の熱交換が行なわれる。

さて本考案の一実施例では熱交換器３の火炎２
近辺（熱交換器３の略中間部）に外部フイン群６
を設けることによつて内部フイン４で吸熱した熱
量を大量に空気側へ放熱させるものである。

つまり、火炎の上流側ほど火炎自身の温度が高
く（例えば1200℃前後）、したがつて周囲への輻
射熱量も大となる。さらに熱交換器３の筒状本体
内の略中間部ではバツフルＡ７及びバツフルＢ８
の効果によつて対流熱伝達が促進される。このた
め特に熱交換器３の筒状本体内の略中間部周囲壁
面の温度は上昇するが熱交換器３の外部フイン群
６の表面から大量に放熱するため火炎２近辺の局
部過熱を防止することができる。結果として熱交
換器３の表面全域にわたつて比較的均一な温度分
布を得ることができる。このことは使用時の熱ひ
ずみが少なく、熱交換器の長寿命化につながると
ともに温風機へ応用した場合には均一な温風温度
を得ることができる。

さらに外部フイン群６の設置によつて伝熱面積
が増加するので従来と比較して熱効率を向上させ
ることができる。したがつて熱交換器の小型化が
容易になり低コスト化が図れるので商品価値が高
まる。

考案の効果 以上の説明から明らかなように本考案の熱交換
器は熱交換器の筒状本体の内周面及び外周面に複
数個の内部フイン及び外部フインを設け、前記外
部フインを燃焼ガスの進行方向に対して直角に構
成し、前記外部フインの設置間隔を前記筒状本体
の外周面の略中間部において、同筒状本体の端部
より密にし、フイン枚数を増したことによつて下
記の効果を得ることができる。

(1) 熱交換器表面の局部過熱がなくほぼ均一な温
度分布が得られるので熱ひずみによる割れ、変
形等がなく、熱交換器の長寿命化が実現でき
る。

(2) 温風機へ応用した場合には比較的均一な温風
温度となるので実使用上快適な暖房を得ること
ができる。

(3) 熱交換器の筒状本体外周面の伝熱面積が必然
的に増加するので熱伝達量が増し、熱効率が向
上する。

(4) 比較的単純な構成によつて上記効果が発揮で
きるので応用機器全体として小型化、低コスト
化が期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の熱交換器の部分断面図、第２図
は本考案の一実施例である熱交換器を利用した暖
房機の構成図、第３図は同熱交換器の側面断面
図、第４図は従来例と本考案の一実施例における
熱交換器の表面温度分布を比較した特性図であ
る。 １……バーナ、２……火炎、３……熱交換器
（筒状本体）、４……内部フイン、５……外部フイ
ン、６……外部フイン群、７……バツフルＡ、８
……バツフルＢ、１３……筒状底面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱交換器の筒状本体の内周面および外周面に複
   数個の内部フインおよび外部フインを突出させる
   と共に、燃焼ガスが流れる筒状本体内の軸方向の
   略中間部から燃焼ガスの流れの下流側端部へわた
   つて内部フインの内側先端より小径の円筒状のバ
   ツフルを配設し、前記外部フインを燃焼ガスの進
   行方向に対してほぼ直角に形成し、前記外部フイ
   ンの設置間隔を前記筒状本体の外周面の略中間部
   において、同筒状本体の端部より密にしたことを
   特徴とする熱交換器。